JP2006305470A - 塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ロール1a,1bのニップ部1cの周辺および直前のウエブ2’に向けてサイズ剤を噴霧するので、噴霧されたサイズ剤が、走行するウエブ2と各ロール1a,1bで囲まれた空間内において、該ウエブ2の走行とロール回転による随伴空気により、ニップ部1cに向って収束するように流れる。よって、噴霧ノズル4から噴霧されたサイズ剤が周囲に拡散され難く、より効率的にウエブ2に塗布することができる
【選択図】 図2
Description
通常、ドライヤパートは、プレドライヤパートとアフタードライヤパートに分割されており、これらドライヤパートの間にサイズプレスと呼ばれる塗工装置(塗布装置とも言う)が配置され、ここで、紙の表面に耐水性を与えてインキのにじみを防止するサイズ液等の薬液が塗布される場合が多い。この塗工装置は、古くからサイズ液塗布の目的で設置されていたためにサイズプレスという名称が用いられているが、現在ではサイズ液のみでなく、紙の表面強度の向上、平滑性の向上、剛度の向上、染色等、様々な目的の液体塗布に使用されている。さらに、塗工紙や微塗工紙用の塗料の塗工にも用いられている。
また、塗工装置の型式も、当初は2本のロールのニップ部に塗工液の液溜り(ポンド)を形成して、ウエブがこのポンドを通過することによりウエブ表面に塗工液が塗布されるポンド型サイズプレスが主流であつたが、最近は、ゲートロールやブレードタイプの転写型サイズプレスも用いられている。
しかしながら、既存の抄紙機において、一般的に用いられている所謂サイズプレスと呼ばれるような塗工装置を増設することは、かなり困難な改造を伴う。つまり、塗工装置を増設する場合は、ドライヤパート、カレンダパート、リールパート、ワインダ等の再配置が必要となり、高価な改造になるばかりでなく、改造のための生産ロスも大きな問題となる。
また、特許文献4には、特に紙の製造工程において、紙面上等に所定の流体を散布する流体散布ノズルとノズル移動機構が記載され、さらに、液体の噴霧ノズルの周囲に周壁を設けると共に周壁の内側から圧縮空気を噴射してエアカーテンを形成することにより、所定の散布領域を逸脱することなく流体の噴射を行うことができる技術が開示されている。
しかし、このような流体噴霧方式によれば、噴霧された流体が飛沫となって飛散し易く、全てウエブに塗布することは難しいため、効率がよくないと言う問題がある。
さらに、流体噴霧に伴って発生した余分な飛沫がウエブ以外の箇所、例えば噴霧ノズルやその他の塗布装置の部分などに付着して雫や塊が形成され易く、この雫や塊がウエブやロール上などに落下すると、塗工欠陥や紙切れ(走行中のウエブが切断するトラブル)などを引き起こす原因となる。また、噴霧ノズル先端部から噴霧流体の雫がウエブ上に滴下して塗工欠陥等となるトラブルも発生する。
液体と噴霧用空気の2流体ノズルで構成される噴霧ノズルを、前記ウエブの幅方向にわたり複数個配置した噴霧ノズル群と、
該噴霧ノズル群の各噴霧ノズルに液体を供給する液体供給配管、及び噴霧用空気を供給する噴霧空気供給配管を具備し、
前記各噴霧ノズルが、前記ウエブを走行させる2本のロールのニップ部周辺および該ニップ部直前のウエブに向けて液体を噴霧するよう配置されていること、若しくは、前記各噴霧ノズルが、前記ウエブを走行させる2本のロールのニップ部周辺または該ニップ部直前のウエブに向けて液体を噴霧するよう配置されていることを特徴とする。
第一発明によれば、走行するウエブに液体を塗布する装置において、該液体と噴霧用空気の2流体ノズルからなる噴霧ノズルで該液体をウエブに塗布する方式とし、2本のロールのニップ部周辺および/または該ニップ部直前のウエブに向けて液体を噴霧するので、噴霧された流体が、走行するウエブと2本のロールで囲まれた空間内において、該ウエブの走行とロール回転による随伴空気により、ニップ部に向って収束するように流れる。よって、噴霧ノズルから噴霧された流体が周囲に拡散され難く、より効率的にウエブに塗布することができるなど、多くの効果を有する。
また、前記2本のロールとして、抄紙機などの既存のロールを用いれば、サイズプレスのような大掛かりな塗布装置を設置することなく、安価且つ短期間に薬液などの液体をウエブに塗布できるようになる。
本例では、段ボールのライナー原紙を製造する抄紙機において、そのブレーカースタック(プレカレンダ)における2本のロール1a,1bの前方(ウエブ2の走行方向に対し上流側)に塗布装置Aを設置し、該塗布装置Aにより、走行するウエブ2に対して表面サイズ剤を噴霧し塗布する場合を例示する。表面サイズ剤は、段ボールのライナー原紙に耐水性を付与するためのサイズ液である。
また各噴霧ノズル4は、表面サイズ剤と噴霧用空気の2流体ノズルで構成され、その噴射方向中心線Lのウエブ2の走行方向に対する角度(噴射角度)θが60度以内になるよう、収納箱3の前面3a側に設置されている。
また、噴霧空気供給配管6は分岐ホース6aを介して各噴霧ノズル4に噴霧用空気を供給するようになっている。
吸引手段は、収納箱前面3aの上部において収納箱3の幅方向と高さ方向にわたり複数開設した大小の前側吸引穴7aと、収納箱上面3bの前部において収納箱3の幅方向に沿う長孔状に開設した上側吸引穴7bと、これら吸引穴7a,7bを介して収納箱3内に前記余分な飛沫を吸引し、吸引した飛沫を空気と共に収納箱3外へ排出する複数の吸気配管8と、複数の吸気配管8が集合して吸引される吸気ファンなどの吸引機(不図示)により構成されている。本例では、吸気配管8は収納箱後面3c側に等間隔で複数配置され、前記余分な飛沫を塗布装置Aの後方側に排出する。
収納箱の上面3bには、前記吸引穴7a,7bからの前記飛沫の吸引を効率良く行うために、該上面3bに傾斜状に立ち上がる遮蔽板9が設けられている。また、遮蔽板9の上面は後述する飛沫受け部材としても機能する。
さらに、ウエブの両面側にそれぞれ塗布装置を設けて塗布することも出来ると共に、ロールと塗布装置をセットで設置する場合にも適用可能である。
1a,1b:ロール
1c:ニップ部
2,2':ウエブ
3:収納箱
4:噴霧ノズル
5:液体供給配管
5a:チューブ
6:噴霧空気供給配管
6a:分岐ホース
7a,7b:吸引穴
8:吸気配管
9:遮蔽板
10:飛沫受け部材
11:雫飛ばしノズル
L:噴射方向中心線
θ:噴射角度
Claims (8)
- 走行するウエブに液体を噴霧して塗布する塗布装置であって、
液体と噴霧用空気の2流体ノズルで構成される噴霧ノズルを、前記ウエブの幅方向にわたり複数個配置した噴霧ノズル群と、
該噴霧ノズル群の各噴霧ノズルに液体を供給する液体供給配管、及び噴霧用空気を供給する噴霧空気供給配管を具備し、
前記各噴霧ノズルが、前記ウエブを走行させる2本のロールのニップ部周辺および/または該ニップ部直前のウエブに向けて液体を噴霧するよう配置されていることを特徴とする塗布装置。 - 前記各噴霧ノズルの噴射方向中心線が、前記ウエブの走行方向に対して60度以内の角度であることを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
- 前記各噴霧ノズルの下方に、空気を噴射する雫飛ばしノズルを備えることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布装置。
- 前記噴霧ノズル群、前記液体供給配管及び前記噴霧空気供給配管を収納してウエブの幅方向に配置される収納箱を具備すると共に、前記収納箱は、該収納箱外面に付着した前記液体の余分な飛沫を集積して排出する飛沫受け部材を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の塗布装置。
- 抄紙機のドライヤパートの間に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の塗布装置。
- 前記2本のロールが、抄紙機のブレーカースタックとして配設された既設のロールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の塗布装置。
- 前記液体が紙に耐水性を付与するサイズ液であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の塗布装置。
- 前記ウエブが段ボール原紙であって、該段ボール原紙への薬液塗布に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の塗布装置。
Priority Applications (1)
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JP2005131732A JP2006305470A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | 塗布装置 |
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