JP2005013961A - 液滴下防止装置とこの液滴下防止装置を用いた抄紙機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筐体の側面に付着する液滴の滴下を防止する液滴下防止装置とこの液滴下防止装置を用いた抄紙機において、
前記側面に設けられ鉛直方向に直交する方向に気体を噴射して前記液滴を微粒化する微粒化手段を具備したことを特徴とする液滴下防止装置とこの液滴下防止装置を用いた抄紙機である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筐体の側面に付着する液滴の滴下を安価に効率よく安定に防止出来る液滴下防止装置とこの液滴下防止装置を用いた抄紙機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来より一般に使用されている従来例の構成説明図で、抄紙機の構成説明図である。例えば、特開2002−138384、図1に示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
抄紙機Mのウエット部分は、その性質上、湿度の高い雰囲気中に置かれている。
この抄紙機Mの各工程中に、工程の状態を計測する、計測のセンサ、例えば、ウエット地合計のカメラを設置しようとすると、カメラが入れられた筐体外表面に液滴が付着し、付着した液滴が滴下し、紙製品を駄目にする。
【0004】
これを、防止するには、水滴が落ちないように蒸気ヒータ等で筐体表面の温度を上昇させ、水滴を蒸発させることが採用される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−138384号(第4頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような装置においては、以下の問題点がある。
(1)筐体表面の汚れとともに水滴が蒸発しにくくなり、水滴が落下しはじめ、紙製品を駄目にする。
(2)蒸気ヒータの熱によって装置全体の温度が高くなり、センサとの断熱構造が必要となる。
(3)比較的装置全体が大型になる。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、筐体の表面の汚れが進行しても、有効に水滴を微粒化して、水滴の落下を防止し、断熱構造が不要となり、装置の小型化が図れ、安価な液滴下防止装置とこの液滴下防止装置を用いた抄紙機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明では、請求項1の液滴下防止装置においては、
筐体の側面に付着する液滴の滴下を防止する液滴下防止装置において、
前記側面に設けられ鉛直方向に直交する方向に気体を噴射して前記液滴を微粒化する微粒化手段を具備したことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2においては、請求項1記載の液滴下防止装置において、
前記微粒化手段は、前記筐体に設けられ気体が導入されるパイプと、このパイプの先端開口部と隙間を保って直交して設けられた偏向板とで構成されたことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項3においては、請求項1又は請求項2記載の液滴下防止装置において、
前記微粒化手段は、前記筐体の下端の側面に設けられたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項4においては、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の液滴下防止装置において、
前記微粒化手段に供給する気体は空気であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項5においては、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の液滴下防止装置において、
前記微粒化手段とこの微粒化手段に気体を供給する気体供給手段との間に気体を溜める気体溜手段が設けられたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項6においては、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の液滴下防止装置において、
前記筐体はセンサケースとこのセンサケースに鉛直方向に取り付けられたフードとを有し、前記微粒化手段はこのフードの開口端部分に設けられたことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項7の液滴下防止装置を用いた抄紙機においては、
前記請求項1乃至請求項6の何れかに記載の液滴下防止装置がウエット部分の上方に配置されたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1の側面図、図3は図1の下面から見た下面図、図4は図1のA−A断面図、図5は図1の要部詳細説明図、図6は図1の動作説明図である。
図において、図7と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図7と相違部分のみ説明する。
【0016】
微粒化手段11は、筐体12の側周面に設けられ、液滴Aを微粒化する。
この場合は、図5に示す如く、微粒化手段11は、筐体12の側周面に設けられたスリット111が使用されている。
この場合は、微粒化手段11は、筐体12に設けられ気体が導入されるパイプと、このパイプの先端開口部と隙間112を保って直交して設けられた偏向板113とで構成されている。
この場合は、パイプは、フード122内を気体が通り、パイプを実質的に構成する
【0017】
なお、微粒化手段11は、筐体12の側周面に設けられた小穴で構成されるノズル111が使用されても良い。
微粒化手段11は、この場合は、筐体12の下端の側周面に設けられている。
【0018】
また、スリット111から鉛直方向に直交した方向に、気体が噴射されるようにされている。
【0019】
この場合は、筐体12はカメラケース121と、このカメラケース121に鉛直方向に取り付けられたフード122とを有し、図4に示す如く、微粒化手段11は、フード122の下端に取り付けられており、図3に示す如く、内側方向123と外側方向124の2方向に気体が噴射される。黒丸で微粒化手段11の噴射位置を示す。
微粒化手段11は、このフード122の開口端部分に設けられている。
【0020】
なお、Bは、カメラケース121内に配置されたウェット地合計を構成するカメラである。
Cは、紙表面を示す。従って、液滴下防止装置は、従来例に示されている抄紙機Mのウエット部分の上方に配置されている。
【0021】
図4に示す如く、気体供給手段13は、微粒化手段11に気体を供給する。
この場合は、気体供給手段13が供給する気体は、空気である。
図4に示す如く、気体供給手段13は、空気源(図示せず)から、カメラケース121内の空気パイプ131を通り、フード122内を通り、フード122の開口端部分で、微粒化手段11に接続される。
【0022】
図5に示す如く、微粒化手段11と気体供給手段13との間に、気体を溜める気体溜手段14が設けられている。
【0023】
以上の構成において、図6に示す如く、装置壁面の水滴Aが集まり落下する部分に、この場合は、筐体12の下端の側周面に、スリット111から気体を噴射して、高速の空気の流れDをつくり、これと、落下しようとしている水滴Aとが相互作用を起こすことにより、水滴を微粒化Eする。
【0024】
この結果、
簡潔な構成により、小型化が図れ、安価な液滴下防止装置が得られる。
筐体表面の汚れの進行に影響されること無く、安定した液滴下防止処理ができる液滴下防止装置が得られる。
【0025】
微粒化手段11は、筐体12の側周面に設けられたスリット111が使用されたので、筐体12の側周面の全周に亙り微粒化手段11を配置する事が出来る液滴下防止装置が得られる。
【0026】
微粒化手段11は、筐体12の側周面に設けられたノズル111が使用されれば、筐体12の必要箇所のみに、あるいは、必要箇所に密度濃く配置でき、微粒化手段11の配置の自由度が高い液滴下防止装置が得られる。
【0027】
ノズル111は、筐体12に穴をあけることにより容易に、安価な液滴下防止装置が得られる。
ノズル111は、直径が容易に変えられ、気体の噴射速度を容易に調節できる液滴下防止装置が得られる。
【0028】
微粒化手段11は、筐体12の下端の側周面に設けられたので、液滴Aの滴下を確実に防止できる液滴下防止装置が得られる。
【0029】
気体供給手段13が供給する気体が空気であるので、空気源は容易に得られ易く、安価な液滴下防止装置が得られる。
【0030】
微粒化手段11とこの微粒化手段に気体を供給する気体供給手段13との間に、気体を溜める気体溜手段14が設けられたので、気体の噴射を均等に、より高速に噴射することが出来、機能向上が容易な液滴下防止装置が得られる。
【0031】
微粒化手段11は、筐体12はカメラケース121と、このカメラケース121に鉛直方向に取り付けられたフード122とを有し、このフード122の開口端部分に設けられたので、カメラBの撮影機能を妨げることなく、液滴Aの滴下を容易に防止できる液滴下防止装置が得られる。
【0032】
液滴下防止装置がウエット部分の上方に配置されたので、紙製品を駄目にすることを防止できる液滴下防止装置を用いた抄紙機が得られる。
【0033】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として、特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1、請求項2によれば、次のような効果がある。
簡潔な構成により、小型化が図れ、安価な液滴下防止装置が得られる。
筐体表面の汚れの進行に影響されること無く、安定した液滴下防止処理ができる液滴下防止装置が得られる。
【0035】
本発明の請求項3によれば、次のような効果がある。
微粒化手段は、筐体の下端の側面に設けられたので、液滴の滴下を確実に防止できる液滴下防止装置が得られる。
【0036】
本発明の請求項4によれば、次のような効果がある。
気体供給手段が供給する気体が空気であるので、空気源は容易に得られ易く、安価な液滴下防止装置が得られる。
【0037】
本発明の請求項5によれば、次のような効果がある。
微粒化手段とこの微粒化手段に気体を供給する気体供給手段との間に、気体を溜める気体溜手段が設けられたので、気体の噴射を均等に、より高速に噴射することが出来、機能向上が容易な液滴下防止装置が得られる。
【0038】
本発明の請求項6によれば、次のような効果がある。
微粒化手段は、筐体はセンサケースとこのセンサケースに鉛直方向に取り付けられたフードとを有し、このフードの開口端部分に設けられたので、センサの撮影機能を妨げることなく、液滴の滴下を容易に防止できる液滴下防止装置が得られる。
【0039】
本発明の請求項7によれば、次のような効果がある。
液滴下防止装置がウエット部分の上方に配置されたので、紙製品を駄目にすることを防止できる液滴下防止装置を用いた抄紙機が得られる。
【0040】
従って、本発明によれば、筐体の外表面に付着する液滴の滴下を安価に効率よく安定に防止出来る液滴下防止装置とこの液滴下防止装置を用いた抄紙機を実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の下面から見た下面図である。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】図1の要部詳細説明図である。
【図6】図1の動作説明図である。
【図7】従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
【符号の説明】
11 微粒化手段
111 スリット
111 ノズル
112 隙間
113 偏向板
12 筐体
121 カメラケース
122 フード
123 内側方向
124 外側方向
13 気体供給手段
131 パイプ
14 気体溜手段
A 液滴
B カメラ
C 紙表面
D 空気の流れ
E 微粒化
M 抄紙機
Claims (7)
- 筐体の側面に付着する液滴の滴下を防止する液滴下防止装置において、
前記側面に設けられ鉛直方向に直交する方向に気体を噴射して前記液滴を微粒化する微粒化手段を具備したことを特徴とする液滴下防止装置。 - 前記微粒化手段は、前記筐体に設けられ気体が導入されるパイプと、
このパイプの先端開口部と隙間を保って直交して設けられた偏向板とで構成されたことを特徴とする請求項1記載の液滴下防止装置。 - 前記微粒化手段は、前記筐体の下端の側面に設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液滴下防止装置。
- 前記微粒化手段に供給する気体は空気であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の滴下防止装置。
- 前記微粒化手段とこの微粒化手段に気体を供給する気体供給手段との間に気体を溜める気体溜手段が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の滴下防止装置。
- 前記筐体はセンサケースとこのセンサケースに鉛直方向に取り付けられたフードとを有し、前記微粒化手段はこのフードの開口端部分に設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の液滴下防止装置。
- 前記請求項1乃至請求項6の何れかに記載の液滴下防止装置がウエット部分の上方に配置されたことを特徴とする液滴下防止装置を用いた抄紙機。
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