JP2005089950A - カレンダシステム,そのカレンダシステムにより製造された紙及びカレンダ処理方法 - Google Patents

カレンダシステム,そのカレンダシステムにより製造された紙及びカレンダ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カレンダシステムに関し、カレンダ処理において発生する、湿紙の表裏光沢度や平滑性に関する微妙な表裏差を改善することができるようにする。
【解決手段】 紙紙にカレンダ処理を施すカレンダシステム7P1であって、カレンダ装置A1,B1を2組設けるように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、紙にカレンダ処理を施すカレンダシステム及びカレンダ処理方法に関する。
製紙機械等にはカレンダ部(カレンダシステム)がそなえられるが、かかる製紙機械の代表的な装置構成例を図21に示す。
図21に示すように、製紙機械には、上流側から、ヘッドボックス1,フォーマ2,プレス部3,第1ドライヤ部4,サイザ5,第2ドライヤ部6,カレンダ部7P,リール8が設けられたものが一般的である。紙の製造工程では、ヘッドボックス1から噴射された紙原料液を用いてフォーマ2で抄紙し、プレス部3で加圧脱水処理したのち、ドライヤ部4にて紙の乾燥を行なう。その後、サイザ5で紙面に塗工処理を施し、この塗工剤の乾燥をドライヤ部6で行なう。その後、カレンダ部7Pでカレンダ(カレンダ処理装置、カレンダ装置と以下という)7によって紙面に光沢・平滑性を付与して仕上げる。仕上がった紙はリール8に巻き取られて完成品となる。
なお、サイザ5については、製造装置外に設け、別ラインにて塗工処理を施す装置構成もある。その場合の製紙機械は、図21においてサイザ5とドライヤ6とを除いた装置構成となる。
上記のような製紙機械において、カレンダ装置7に着目すると、このカレンダ装置7の目的は、ドライヤ6又は4で乾燥された湿紙(水分率2~13%)を、温度60〜250℃の高温の金属面に当てて、金属面の平滑性をこの紙面に転写することにより、紙面に平滑性と光沢性を付与するものである。
図22は、従来のカレンダ装置7の構成を示す断面図である。図22(a)はソフトニップカレンダと呼ばれる方式であり、この方式は、紙1の上面側に配備した高温の金属ロール20と、他方(紙1の下面側)に配備した厚さ10〜25mmほどのポリマー26を金属円筒27の周囲に接着したゴム巻きロール25とで、カレンダ処理する方式である(特許文献1参照)。
図22(b)はシューカレンダと呼ばれる方式であり、この方式は、紙1の下方部に配備したロール30のロール内部に凹型シュー32を有し、この凹型シュー32を油圧装置33でチューブ状スリーブ31に押し当て、ニップ部35のチューブ状スリーブ31を変形させながら紙1をカレンダ処理する方式である(特許文献2,3参照)。
なお、各金属ロール20のロール本体21の内部には、蒸気等を供給してロール本体21を加熱するための容積部22が設けられている。あるいは、ロール本体21に蒸気や加熱された油の通過する孔を複数本貫通させて、この孔に蒸気や加熱された油を流すことで金属ロール20を加熱するように構成されている。
このようなシューカレンダの特徴は、ニップ部35の長さ(ニップ長さ)を大幅に拡大することができるため、紙1をほとんど圧縮することなく表面の平滑性を高めることができる。図23はシューカレンダ及びソフトニップカレンダによる紙に対する平滑性処理とこれに応じた紙の密度との関係を模式的に示すグラフである。図23に示すように、シューカレンダ及びソフトニップカレンダとも、紙表面の平滑性を高めていくと、これに応じて紙の密度が高くなっていき、紙の厚さは薄くなっていく。しかし、ソフトニップカレンダでは、平滑性を高めようとすると、紙の密度を大幅に高めてしまい、その分だけ紙厚を薄くしてしまうのに対し、シューカレンダでは、平滑性を高めていっても、紙の密度の変化は僅かであり、紙厚の変化もほとんど生じない。
したがって、シューカレンダを用いれば、紙厚を薄くすることなく、換言すれば、紙の嵩を確保しながら、紙表面の平滑性を高めていくことができ、ソフトニップカレンダの場合、紙の密度の調整(密度を高める側への調整)、或いは、紙の厚さの調整(薄くする側に調整)を行ないつつ、紙表面の平滑性を高めていくことができる。
なお、図22(a)に示すソフトニップカレンダのゴム巻きロール25、及び、図22(b)に示すシューカレンダのロール30(加圧シュー32を内蔵したチューブ状スリーブ31)は、いずれも高温の金属ロール20に対向して配設されているが、これらをソフトロールとも称する。
特開平11−279933号公報 特許3342470号公報 特許3372530号公報
ところで、図21に示すように構成された製紙機械において、カレンダ部7Pに、図22(a),(b)に示すような金属ロール20とソフトロール25,30とからなるカレンダ装置を装備すると、湿紙1は、図22(a),(b)に示すように、紙面の片面(上面)しか高温の金属ロール20に接しない。したがって、反対面(下面)は樹脂材等を用いた低温のソフトロール25,30にしか接しないため、紙面の上下(表裏)面に光沢度や平滑性に微妙な差が発生する。この表裏差に起因して、この上に印刷した場合、表裏で印刷品質に差が発生するという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたもので、カレンダ処理において発生する、湿紙の表裏光沢度や平滑性に関する微妙な表裏差を改善し、印刷品質障害を無くした紙を製造することができるようにした、カレンダシステム,そのカレンダシステムにより製造された紙及びカレンダ処理方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のような構成をそなえている。
本発明のカレンダシステムは、紙にカレンダ処理を施すカレンダシステムであって、カレンダ装置が少なくとも2組設けられていることを特徴としている(請求項1)。
上記カレンダシステムは、紙原料から抄紙を行なうフォーマと、該フォーマで抄紙された紙を加圧脱水処理するプレス部と、該プレス部で加圧脱水処理した紙の乾燥処理を行なうドライヤ部と、該ドライヤ部で乾燥処理された紙にカレンダ処理を施すカレンダ部と、該カレンダ部で処理された紙を巻き取るリールとをそなえた製紙機械における、上記カレンダ部に用いられていることが好ましい(請求項2)。
上記カレンダシステムは、紙ロールから該紙を送り出すアンワインダと、該アンワインダから送り出された紙に塗工処理を行なうコータ部と、該コータ部により塗工された紙に乾燥処理を行なうドライヤ部と、該ドライヤ部で乾燥処理された紙にカレンダ処理を施すカレンダ部と、該カレンダ部で処理された紙を巻き取るリールとをそなえたオフラインコータにおける、上記カレンダ部に用いられていることが好ましい(請求項3)。
あるいは、上記カレンダシステムは、紙ロールを巻き直すリワインダ装置であって、紙ロールから該紙を送り出すアンワインダと、該アンワインダから送り出された紙にカレンダ処理を施すカレンダ部と、該カレンダ部で処理された紙を巻き取るワインダとをそなえているリワインダ装置における、上記カレンダ部に用いられていることが好ましい(請求項4)。
上記リワインダ装置は、上記カレンダ部と上記ワインダとの間に、該カレンダ部で処理された紙を幅方向に分割するように切断するスリッタをそなえ、上記ワインダには該スリッタにより切断された紙が巻き取られることが好ましい(請求項5)。
上記2組のカレンダ装置は、いずれも、高温の金属ロールとソフトロールとで上記紙を加圧する方式の装置であって、上記2組のカレンダ装置のうち、上流側の第1のカレンダ装置は、上記高温金属ロールを上記紙の一側に上記ソフトロールを上記紙の他側にそれぞれ配置され、下流側の第2のカレンダ装置は、上記高温金属ロールを上記紙の他側に上記ソフトロールを上記紙の一側にそれぞれ配置されていることが好ましい(請求項6)。
上記カレンダ部では、上記紙を略水平に走行させてカレンダ処理を施すように構成され、上記第1のカレンダ装置と上記第2のカレンダ装置とは、横並びに配置されていることが好ましい(請求項7)。
上記第1のカレンダ装置と上記第2のカレンダ装置とは、上下に縦並びに配置され、上記紙を、上記の上方のカレンダ装置と下方のカレンダ装置との一方を通過した後他方に案内するガイドロールを備えていることが好ましい(請求項8)。
上記2組のカレンダ装置はいずれもシューカレンダ方式であることが好ましい(請求項9)。
あるいは、上記第1のカレンダ装置はソフトニップカレンダ方式であって、上記第2のカレンダ装置はシューカレンダ方式であることが好ましい(請求項10)。
上記2組のカレンダ装置は、高温の金属ロールと、該高温金属ロールの一側とニップを形成して上記紙を加圧するゴム巻きロールとして構成された第1のソフトロールと、該高温金属ロールの他側とニップを形成して内部のシューの押圧によって上記紙を加圧する第2のソフトロールと、をそなえ、上流側の第1のカレンダ装置は上記高温金属ロールと上記第1のソフトロールとからなるソフトニップカレンダ方式に構成され、下流側の第2のカレンダ装置は上記第1のカレンダ装置に用いられる上記高温金属ロールと上記第2のソフトロールとからなるシューカレンダ方式に構成されていることが好ましい(請求項11)。
上記2組のカレンダ装置のうちの少なくとも何れかの入口に、上記紙に過熱蒸気を付与する過熱蒸気付与装置がそなえられていることが好ましい(請求項12)。
また、上記紙を挟んで上記過熱蒸気付与装置する位置に、上記過熱蒸気付与装置からの上記を吸引するバキューム装置がそなえられていることが好ましい(請求項13)。
さらに、上記ソフトロールの表面を清掃する清掃装置がそなえられていることが好ましい(請求項14)。
本発明にかかる紙は、請求項1〜14のいずれか1項に記載のカレンダシステムによってカレンダ処理されたことを特徴とする(請求項15)。
本発明にかかるカレンダ処理方法は、紙に高温金属ロールとソフトロールとを用いてカレンダ処理を施すカレンダ処理方法であって、2回連続してカレンダ処理を行なうことを特徴としている(請求項16)
上記カレンダ処理は、フォーマにより紙原料から抄紙され加圧脱水処理,乾燥処理をされた紙に対して行なうことが好ましい(請求項17)。
あるいは、上記カレンダ処理は、アンワインダから送り出されて塗工処理,乾燥処理をされた紙に対して行なうことが好ましい(請求項18)。
あるいは、上記カレンダ処理は、アンワインダから送り出され、スリッタにより幅方向に分割される前の紙に対して行なうことが好ましい(請求項19)。
上記2回のカレンダ処理のうち、1回目の処理では上記高温金属ロールを上記紙の一側に接触させ上記ソフトロールを上記紙の他側に圧接させるとともに、2回目の処理では上記高温金属ロールを上記紙の他側に接触させ上記ソフトロールを上記紙の一側に圧接させることが好ましい(請求項20)。
上記2回のカレンダ処理は、いずれもシューカレンダ方式のカレンダを用いて行なうことが好ましい(請求項21)。
あるいは、上記2回のカレンダ処理のうち、1回目の処理はソフトニップカレンダ方式のカレンダを用いて行ない、2回目の処理はシューカレンダ方式のカレンダを用いて行なうことが好ましい(請求項22)。
上記のカレンダ処理を行なう直前に、上記紙に過熱蒸気を付与することが好ましい(請求項23)。
上記のカレンダ処理を行ないながら上記ソフトロールの表面を清掃することが好ましい(請求項24)。
本発明のカレンダシステム及びカレンダ処理方法によれば、カレンダ処理を連続して2回行なうことにより、紙の表裏の光沢度の差をなくすことができるようになり、均質な紙を製造することができる。
また、カレンダ処理の直前で紙に過熱蒸気を付与することで、紙を柔らかくした状態でカレンダ処理を行なうことになり、表裏面ともに嵩高で印刷表面強度の高い、高品質の紙を製造することができる。
さらに、清掃装置によりソフトロールを常に清掃することで、紙粉や汚れを除去してカレンダ処理できるため、高品質なカレンダ処理が行なえ、生産効率も向上する。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図である。
本実施形態にかかる製紙機械では、図1に示すように、カレンダ部(カレンダシステム)7P1に2組のカレンダ装置A1,B1を連続してそなえている。各カレンダ装置A1,B1は、シューカレンダと呼ばれる方式のものであり、いずれも、高温の金属ロール20,40とソフトロール30,50とが対向して設けられ、これらの金属ロール20,40とソフトロール30,50とで紙1を加圧するように構成されている。なお、製紙機械の他の部分は、図21を参照して説明した従来例と同様に構成されている。また、本実施形態のカレンダ部の構成は、図21においてサイザ5とドライヤ6とを除いた装置構成のものにも適用可能である。
ここで、各ソフトロール30,50は、それぞれ、ロール内部に凹型シュー32,52を有するチューブ状スリーブ31,51からなり、凹型シュー32,52を油圧装置33,53でチューブ状スリーブ31,51に押し当て、ニップ部35,55のチューブ状スリーブ(スリーブロール)31,51を変形させながら紙1をカレンダ処理するようになっている。
なお、各金属ロール20,40のロール本体21,41の内部には、蒸気等を供給してロール本体21,41を加熱するための容積部22,42が設けられている。あるいは、ロール本体21に蒸気や加熱された油の通過する孔を複数本貫通させて、この孔に蒸気や加熱された油を流すことで金属ロール20を加熱するように構成されている。
本実施形態では、図1に示すように、紙(湿紙)1の走行方向上流側に位置する第1のカレンダ装置A1では、紙1の上面に高温の金属ロール20が接し、紙(湿紙)1の走行方向下流側に位置する第2のカレンダ装置B1では、紙1の下面に高温の金属ロール40が接するように配置されている。したがって、第1のカレンダ装置A1では、紙1の下面にソフトロール30が接し、第2のカレンダ装置B1では、紙1の上面にソフトロール50が接している。また、第1のカレンダ装置A1と第2のカレンダ装置B1とを、横並びに、且つ、上下方向同位置でカレンダ処理を施すように、各ニップ部35,55を同高さに配置している。
本実施形態にかかるカレンダシステムは、上述のように構成されており、紙1は、第1のカレンダ装置A1で上下面(表裏面)の一方(ここでは、上方)を高温の金属ロール20に接し、他方(ここでは、下方)をソフトロール30で加圧されるとともに、第2のカレンダ装置B1で上下面(表裏面)の他方(ここでは、下方)を高温の金属ロール40に接し、一方(ここでは、上方)をソフトロール50で加圧されて、2回連続してカレンダ処理を行なうことで紙1の上下(表裏)両面を同様にカレンダ処理するため、紙1の上下(表裏)両面において、光沢度,平滑度とも均一な紙を製造することができる。
[第2実施形態]
図2は本発明の第2実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1と同符号は同様なものを示す。
上記の第1実施形態のカレンダ部(カレンダシステム)7P1では、図1に示すように、紙1を略水平に走行させてカレンダ処理を施すように構成され、第1のカレンダ装置A1と第2のカレンダ装置B1とを、横並びに、且つ、上下方向同位置でカレンダ処理を施すように配置しているが、本実施形態のカレンダ部(カレンダシステム)7P2では、図2に示すように、第1のカレンダ装置A1と第2のカレンダ装置B1とを、略横並びに、且つ、上下方向に段差を付けた位置でカレンダ処理を施すように配置しており、この点を除き、第1実施形態と同様に構成されている。ここでは、下流側の第2のカレンダ装置B1を上流側の第1のカレンダ装置A1よりもやや下方にずらして配置している。
このような構成によっても、第1実施形態と同様の作用,効果を得ることができる。また、金属ロール20,40とソフトロール30,50とは外径が異なる(通常、ソフトロール30,50の方が金属ロール20,40よりも外径が大きい)ため、第1のカレンダ装置A1と第2のカレンダ装置B1とを上下方向同位置でカレンダ処理を施すように配置すると、各カレンダ装置A1,B1のソフトロール30,50が上下に突出して、カレンダ部が上下方向に大ききなるが、本実施形態のように、下流側の各カレンダ装置B1を上流側の第1のカレンダ装置A1よりもやや下方にずらして配置すると、カレンダ部を上下方向にちいさくまとめることができる。
[第3実施形態]
図3は本発明の第3実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1と同符号は同様なものを示す。
本実施形態のカレンダ部(カレンダシステム)7P3においても、紙1を略水平に走行させてカレンダ処理を施すように構成されているが、上記の第1,2実施形態のカレンダ部7P1,7P2が、第1のカレンダ装置A1と第2のカレンダ装置B1とを横並びに配置しているのに対して、本実施形態のカレンダ部7P3では、第1のカレンダ装置A1と第2のカレンダ装置B1とは、上下に縦並びに配置されている。
この場合、紙1を、上方の第1のカレンダ装置A1を通過させた後、その下方の第2のカレンダ装置B1を通過させるように案内する必要がある。そこで、第2のカレンダ装置B1の水平方向上流側には、ガイドロール60aが設けられている。第1のカレンダ装置A1で処理された紙1を、第1のカレンダ装置A1の一方のロール(ここでは、ソフトロール30)から後方(図中、左側)に迂回させて、このガイドロール60aの案内によって再び前方(図中、右側)に向けることにより、紙1を、第1のカレンダ装置A1の直下に位置する第2のカレンダ装置B1へ通過させるようになっている。
このような構成によっても、第1,2実施形態と同様の作用,効果を得ることができる。また、カレンダ部の上下方向スペースは拡大するが、カレンダ部の水平方向スペースを小さくすることができ、カレンダ部の設置面積をより小さくすることができる。
なお、本実施形態では、紙1は、上流側の第1のカレンダ装置A1において、金属ロール20とソフトロール30とのニップ部35を通過した後、ソフトロール30の外周に案内されながら、ガイドロール60aを経て下流側の第2のカレンダ装置B1において、金属ロール40とソフトロール50とのニップ部55に進入するようになっているが、図4に示すように、第1のカレンダ装置A1の水平方向下流側にガイドロール60bを追加してもよい。
かかる構成によれば、紙1は、第1のカレンダ装置A1のニップ部35を通過したら両ロール20,30から離隔して、上部のガイドロール60bに進んで、ここで進行方向を斜め下方に変換されて、下部のガイドロール60aに進んで、ここでさらに方向を水平方向で第2のカレンダ装置B1に向かう方向に変換されて、第2のカレンダ装置B1に進入することになる。
これにより、紙1は、第1のカレンダ装置A1においても、第2のカレンダ装置B1と同様に、ニップ部35のみで接触することになり、ニップ部35の前後では、両面がフリー(ロール等に接触しない)となるため、紙1に不必要な力が作用し難くなり、ニップ部35でのカレンダ処理についても円滑に行ない易くなる。
[第4実施形態]
図5は本発明の第4実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1,図3と同符号は同様なものを示す。
本実施形態にかかるカレンダ部(カレンダシステム)7P4では、図5に示すように、上方の第1のカレンダ装置A2が、第3実施形態とは逆に、高温の金属ロール20を紙1の下方に、ソフトロール30を紙1の上方に配置しており、下方の第2のカレンダ装置B2も、第3実施形態とは逆に、高温の金属ロール40を紙1の上方に、ソフトロール50を紙1の下方に配置している。
このような構成によっても、第3実施形態と同様の作用,効果を得ることができる。
また、本実施形態においても、図6に示すように、第1のカレンダ装置A2の水平方向下流側にガイドロール60bを追加してもよい。
これにより、紙1は、第1のカレンダ装置A2のニップ部35を通過したら両ロール20,30から離隔して、上部のガイドロール60bに進んで、ここで進行方向を斜め下方に変換されて、下部のガイドロール60aに進んで、ここでさらに方向を水平方向で第2のカレンダ装置B2に向かう方向に変換されて、第2のカレンダ装置B2に進入することになる。
したがって、紙1は、第1のカレンダ装置A2においても、第2のカレンダ装置B2と同様にニップ部35のみで接触することになり、第3実施形態の変形例(図4)の場合と同様に、ニップ部35の前後では、紙1の両面がフリーとなるため、紙1に不必要な力が作用し難くなり、ニップ部35でのカレンダ処理についても円滑に行ない易くなる。
[第5実施形態]
図7は本発明の第5実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1,図3と同符号は同様なものを示す。
本実施形態にかかるカレンダ部(カレンダシステム)7P5では、図7に示すように、2組のカレンダ装置の配置は第3実施形態と同様に上下に縦配置されているが、紙1は、下方の第1のカレンダ装置A2からガイドロール60aで案内されて、上方の第2のカレンダ装置B2に進むように構成されている。
下方に位置する第1のカレンダ装置A2は、上方に位置する第4実施形態のものと同様に、高温の金属ロール20を紙1の下方に、ソフトロール30を紙1の上方に配置しており、上方に位置する第2のカレンダ装置B2も、下方に位置する第4実施形態のものと同様に、高温の金属ロール40を紙1の上方に、ソフトロール50を紙1の下方に配置している。
このような構成によっても、第3,4実施形態と同様の作用,効果を得ることができる。
また、本実施形態においても、図8に示すように、第1のカレンダ装置A2の水平方向下流側にガイドロール60bを追加してもよい。
これにより、紙1は、第1のカレンダ装置A2のニップ部35を通過したら両ロール20,30から離隔して、上部のガイドロール60b,下部のガイドロール60aで方向を変換されて、第2のカレンダ装置B2に進入することになる。紙1は、第1のカレンダ装置A2においても、第2のカレンダ装置B2と同様にニップ部35のみで接触することになり、第3,4実施形態の変形例(図4,図6)の場合と同様に、ニップ部35の前後では、紙1の両面がフリーとなるため、紙1に不必要な力が作用し難くなり、ニップ部35でのカレンダ処理についても円滑に行ない易くなる。
[第6実施形態]
図9は本発明の第6実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1,図3と同符号は同様なものを示す。
本実施形態にかかるカレンダ部(カレンダシステム)7P6では、図6に示すように、2組のカレンダ装置の配置は第4実施形態と同様に上下に縦配置されているが、紙1は、下方の第1のカレンダ装置A2からガイドロール60aで案内されて、上方の第2のカレンダ装置B2に進むように構成されている。
下方に位置する第1のカレンダ装置A2は、第5実施形態のものとは反対に、高温の金属ロール20を紙1の上方に、ソフトロール30を紙1の下方に配置しており、上方に位置する第2のカレンダ装置B2も、第5実施形態のものとは反対に、高温の金属ロール40を紙1の下方に、ソフトロール50を紙1の上方に配置している。
このような構成によっても、第3,4,5実施形態と同様の作用,効果を得ることができる。
また、本実施形態においても、図10に示すように、第1のカレンダ装置A1の水平方向下流側にガイドロール60bを追加してもよい。
これにより、紙1は、第1のカレンダ装置A1のニップ部35を通過したら両ロール20,30から離隔して、上部のガイドロール60b,下部のガイドロール60aで方向を変換されて、第2のカレンダ装置B1に進入することになり、第1のカレンダ装置A1においても、第2のカレンダ装置B1と同様にニップ部35のみで接触することになり、第5実施形態の変形例(図8)の場合と同様に、ニップ部35の前後では、紙1の両面がフリーとなるため、紙1に不必要な力が作用し難くなり、ニップ部35でのカレンダ処理についても円滑に行ない易くなる。
[第7実施形態]
図11は本発明の第7実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1,図3と同符号は同様なものを示す。
本実施形態にかかるカレンダ部(カレンダシステム)7P7では、図11に示すように、第1実施形態のものに、過熱蒸気付与装置70,71、及び、バキューム装置75,76を追加している。
つまり、第1のカレンダ装置A1の入口部には、紙1の上面の、高温の金属ロール20が接する側に、過熱蒸気付与装置70が紙1の上面に向けて配設され、紙1の下面の、ソフトロール30が圧接する側に、バキューム装置75が紙1の下面に向けて配設されている。また、第2のカレンダ装置B1の入口部には、紙1の下面の、高温の金属ロール40が接する側に、過熱蒸気付与装置71が紙1の下面に向けて配設され、紙1の上面の、ソフトロール50が圧接する側に、バキューム装置76が紙1の上面に向けて配設されている。
本実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)は、上述のように構成されているので、蒸気の各実施形態と同様に、紙1の上下(表裏)両面において、光沢度,平滑度とも均一な紙を製造することができる上に、過熱蒸気付与装置70,71、及び、バキューム装置75,76を追加しているため、以下のような作用,効果も得られる。
つまり、過熱蒸気付与装置70,71によりカレンダ処理直前に過熱蒸気を付与するので、紙1を柔らかくした状態でカレンダ処理することになり、加圧面圧が低くなり、長時間加圧できるので嵩高で印刷表面強度の強い高品質の紙が製造できる。特に、バキューム装置75,76をそなえることで、過熱蒸気付与装置70,71による紙1への過熱蒸気の付与をより効率よく行なえるが、過熱蒸気付与装置70,71のみでの過熱蒸気の付与でも十分であれば、バキューム装置75,76は無くてもよい。
[第8実施形態]
図12は本発明の第8実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1,図3と同符号は同様なものを示す。
本実施形態にかかるカレンダ部(カレンダシステム)7P8では、図12に示すように、第3実施形態のものに、過熱蒸気付与装置70,71、及び、バキューム装置75,76を追加している。
このような構成によっても、第7実施形態と同様の作用,効果を得ることができる。
また、本実施形態においても、図13に示すように、第1のカレンダ装置A1の水平方向下流側にガイドロール60bを追加してもよい。
これにより、紙1は、第1のカレンダ装置A1のニップ部35を通過したら両ロール20,30から離隔して、上部のガイドロール60b,下部のガイドロール60aで方向を変換されて、第2のカレンダ装置B1に進入することになり、第1のカレンダ装置A1においても、第2のカレンダ装置B1と同様にニップ部35のみで接触することになり、第5実施形態の変形例(図8)の場合と同様に、ニップ部35の前後では、紙1の両面がフリーとなるため、紙1に不必要な力が作用し難くなり、ニップ部35でのカレンダ処理についても円滑に行ない易くなる。
[第9実施形態]
図14は本発明の第9実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1,図3と同符号は同様なものを示す。
本実施形態にかかるカレンダ部(カレンダシステム)7P9では、図14に示すように、各ソフトロール30,50に工夫を凝らしている。つまり、各ソフトロール30,50に清掃装置85,86を設けて、ソフトロール30,50の表面を常時清掃できるようにしており、ソフトロール30,50の表面に付着した紙粉や汚れを除去して、ソフトロール30,50の表面をきれいな状態にしてカレンダ処理できるようになっている。
具体的には、ソフトロール30,50の内部に、架台35に支持されたサポート用のシュー36,37,56,57を配置している。ロール80,81はソフトロール30のスリーブ31,51を回転駆動させるための駆動ロールである。そして、シュー37,57の設置位置の外側に清掃装置85,86が設けられている。これにより、シュー37,57を反力サポートとして、スリーブロール31の外側から清掃装置85,86で清掃することができるようになっている。ここで示す清掃装置85,86は、回転可能なブラシで行なう方式を採用している。
本実施形態にかかるカレンダシステムは、上述のように構成されているので、蒸気の各実施形態と同様に、紙1の上下(表裏)両面において、光沢度,平滑度とも均一な紙を製造することができる上に、清掃装置85,86によりソフトロール30,50の表面を常時清掃できるため、ソフトロール30,50の表面に付着した紙粉や汚れを除去して、ソフトロール30,50の表面をきれいな状態にしてカレンダ処理できる。これにより、高品質なカレンダ処理が行なえ、生産効率も向上する。
図15は上記第9実施形態にかかる清掃装置の変形例を示す模式的断面図である。清掃装置としては、図15(a)〜(e)に示すようなものでもよい。なお、図15(a)〜(e)において、各清掃装置の配設された箇所におけるスリーブロール31の内側には、図示しないシュー37,57(図14参照)が反力サポートとしてそなえられている。
図15(a)に示す清掃装置は、固定式のブレード90をスリーブロール31に押し付けて清掃する方式のものである。
図15(b)に示す清掃装置は、固定式のブレード90の斜め方向からジェット水や洗浄液97を噴射ノズル91から噴き付けて清掃する方式のものである。
図15(c)に示す清掃装置は、回転装置92によって回転しながら噴射する回転ノズル93でジェット水や洗浄液97を噴射しながら清掃する方式のものである。
図15(d)に示す清掃装置は、回転装置94によって回転するブラシ95をスリーブロール31に押し付けながら清掃する方式のものである。
図15(e)に示す清掃装置は、回転装置94によって回転するブラシ95を設け、この回転するブラシ95をスリーブロール31に押し付けて、噴射ノズル91からジェット水や洗浄液97を噴射しながら清掃する方式である。
このように、清掃装置には様々なものを採用できるが、いずれの清掃装置を用いても、ソフトロール30,50の表面をきれいな状態にしてカレンダ処理を行なえ、高品質なカレンダ処理を実現でき、生産効率を向上させることができる。
[第10実施形態]
図16は、本発明の第10実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1,図3と同符号は同様なものを示す。
本実施形態にかかるカレンダ部(カレンダシステム)7P10は、図16に示すように、2組のカレンダ装置A4,B1を連続してそなえている。
上流側のカレンダ装置A4は、図22(a)に示すものと同様のソフトニップカレンダ方式のものであり、紙1の上面側に配備した高温の金属ロール20と、他方(紙1の下面側)に配備した厚さ10mmほどのポリマー26を金属円筒27の周囲に接着したゴム巻きロール25とが対向して設けられ、これらの金属ロール20とゴム巻きロール25とで紙1を加圧してカレンダ処理するようになっている。
下流側のカレンダ装置B1は、図1に示す第1実施形態のものと同様のシューカレンダ方式のものであり、高温の金属ロール40とソフトロール50とが対向して設けられ、これらの金属ロール40とソフトロール50とで紙1を加圧してカレンダ処理するようになっている。
本実施形態では、図16に示すように、紙(湿紙)1の走行方向上流側に位置する第1のカレンダ装置A4では、紙1の上面に高温の金属ロール20が接し、紙(湿紙)1の走行方向下流側に位置する第2のカレンダ装置B1では、紙1の下面に高温の金属ロール40が接するように配置されている。したがって、第1のカレンダ装置A4では、紙1の下面にゴム巻きロール25が接し、第2のカレンダ装置B1では、紙1の上面にソフトロール50が接している。
また、ここでは、第1実施形態と同様に、第1のカレンダ装置A4と第2のカレンダ装置B1とを、横並びに、且つ、上下方向同位置でカレンダ処理を施すように、各ニップ部28,55を同高さに配置しているが、第2実施形態(図2)のように、下流側の各カレンダ装置B1を上流側の第1のカレンダ装置A4よりもやや下方にずらして配置して、カレンダ部を上下方向に小さくまとめてもよく、第3〜6実施形態(図3〜図6)のように、第1のカレンダ装置A4と第2のカレンダ装置B1とを、上下に縦並びに配置して、カレンダ部を水平方向に小さくまとめてもよい。
本実施形態にかかるカレンダシステムは、上述のように構成されており、紙1は、まず、ソフトニップカレンダ方式の第1のカレンダ装置A4において、上下面(表裏面)の一方(ここでは、上方)を高温の金属ロール20に接し、他方(ここでは、下方)をゴム巻きロール25で加圧される。これにより、紙のプロファイル調整[密度の調整(密度を高める側への調整)、或いは、紙の厚さの調整(薄くする側に調整)]が行なわれつつ、紙1の一面(上面)の平滑性が高められる。
その後、シューカレンダ方式の第2のカレンダ装置B1において、上下面(表裏面)の他方(ここでは、下方)を高温の金属ロール40に接し、一方(ここでは、上方)をソフトロール50で加圧される。これにより、紙厚を薄くされることなく、換言すれば、紙嵩を確保されながら、紙1の他面(下面)の平滑性が高められる。
このようにして、2回連続してカレンダ処理を行なうことで紙1の上下(表裏)両面を同様にカレンダ処理するため、紙1の上下(表裏)両面において、光沢度,平滑度とも均一な紙を製造することができる。
特に、上流側の第1のカレンダ装置A4にソフトニップカレンダ方式を採用し、下流側の第2のカレンダ装置B1にシューカレンダ方式を採用しているので、第1のカレンダ装置A4により、まず、紙1の一面(上面)の平滑性を高めながら紙1のプロファイル調整を行ない、その後、第2のカレンダ装置B1により、紙1のプロファイルを変更することなく紙1の他面(下面)の平滑性を高めることになり、プロファイル調整と紙の表面処理とを適切に行なうことができる。
つまり、もしも、まず、シューカレンダ方式の第2のカレンダ装置B1によって紙1の他面(下面)を表面処理した上で、ソフトニップカレンダ方式の第1のカレンダ装置A4によって、紙1のプロファイル調整を行ないながら紙1の一面(上面)の表面処理を行なうようにすると、プロファイル調整によって、第2のカレンダ装置B1によって処理された紙1の他面(下面)の平滑性が低下する恐れがある。しかし、上述のように、予めプロファイル調整してから紙1の他面(下面)の表面処理を行なうようにしているので、紙1の他面(下面)の表面処理には何ら影響がなく、紙のプロファイル調整と紙の表面処理とを適切に行なうことができるのである。
また、予め、ソフトニップカレンダ方式のカレンダ装置によりプロファイル調整をすると、紙密度がある程度高まるので、その後、シューカレンダ方式のカレンダ装置の金属ロールと内部にシューを備えたソフトロールとによる加圧により表面処理をすると、紙の金属ロールに接触する面とソフトロールに接触する面との表面処理の差を小さくできる可能性があり、紙1の両面の表面処理を、下流側のシューカレンダ方式のカレンダ装置のみに頼る(一面を金属ロールで処理し、他面をソフトロールで処理する)ことも考えられる。
なお、この場合、目的とする紙表面の平滑度合い及び目的とする紙厚(紙の密度或いは嵩)に応じて、第1のカレンダ装置A4及び第2のカレンダ装置B1における各ニップ圧を設定することは勿論のことである。
もちろん、プロファイル調整によって、第2のカレンダ装置B1によって処理された紙1の他面(下面)の平滑性が低下するおそれがないか、或いは、この平滑性の低下が問題のない程度であれば、上流側の第1のカレンダ装置にシューカレンダ方式を採用し、下流側の第2のカレンダ装置にソフトニップカレンダ方式を採用してもよい。
[第11実施形態]
図17は、本発明の第11実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1,図16と同符号は同様なものを示す。
本実施形態にかかるカレンダ部(カレンダシステム)7P11は、図17に示すように、4組のカレンダ装置AA1,AB1,BA1,BB1を連続してそなえている。
紙(湿紙)1の走行方向最上流の第1のカレンダ装置AA1及び上流から2番目の第2のカレンダ装置AB1は、いずれも、図22(a)に示すものと同様のソフトニップカレンダ方式のものであり、紙1の上面側に配備した高温の金属ロール20a,20bと、他方(紙1の下面側)に配備した厚さ10mmほどのポリマー26を金属円筒27の周囲に接着したゴム巻きロール25a,25bとが対向して設けられ、これらの金属ロール20a,20bとゴム巻きロール25a,25bとで紙1を加圧してカレンダ処理するようになっている。
紙(湿紙)1の走行方向上流から3番目の第3のカレンダ装置BA1及び最下流の第4のカレンダ装置BB1は、いずれも、図1に示す第1実施形態のものと同様のシューカレンダ方式のものであり、高温の金属ロール20,40とソフトロール30,50とが対向して設けられ、これらの金属ロール20,40とソフトロール30,50とで紙1を加圧してカレンダ処理するようになっている。
紙(湿紙)1の走行方向最上流の第1のカレンダ装置AA1では、紙1の上面に高温の金属ロール20aが接し、上流から2番目の第2のカレンダ装置AB1では、紙1の下面に高温の金属ロール20bが接し、上流から3番目の第3のカレンダ装置BA1では、紙1の上面に高温の金属ロール20が接し、最下流の第4のカレンダ装置BB1では、紙1の下面に高温の金属ロール40が接するように配置されている。
したがって、第1のカレンダ装置AA1では、紙1の下面にゴム巻きロール25が接し、第2のカレンダ装置AB1では、紙1の上面にゴム巻きロール25が接し、第3のカレンダ装置BA1では、紙1の下面にソフトロール30が接し、第4のカレンダ装置BB1では、紙1の上面にソフトロール50が接している。
また、ここでも、各カレンダ装置AA1,AB1,BA1,BB1を、第1,10実施形態と同様に、いずれも横並びで且つ上下方向同位置でカレンダ処理を施すように、各ニップ部28a,28b,35,55を同高さに配置しているが、第2実施形態(図2)のように、対向ロール(金属ロール20a,20b,20,40)よりも大径のロール(ゴム巻きロール25a,25b及びソフトロール30,50)が下方に突出しているものについて、上下ロールを突出量に応じて上方にずらして配置し、及び/又は、大径のロール(ゴム巻きロール25a,25b及びソフトロール30,50)が上方に突出しているものについて、上下ロールを突出量に応じて下方にずらして配置して、カレンダ部を上下方向に小さくまとめてもよく、或いは、第3〜6実施形態(図3〜図6)のように、いずれかあるいは全てのカレンダ装置を上下に縦並びに配置して、カレンダ部を水平方向に小さくまとめてもよい。
本実施形態にかかるカレンダシステムは、上述のように構成されており、紙1は、まず、ソフトニップカレンダ方式の第1のカレンダ装置AA1において、上下面(表裏面)の一方(ここでは、上方)を高温の金属ロール20に接し、他方(ここでは、下方)をゴム巻きロール25で加圧される。次いで、ソフトニップカレンダ方式の第2のカレンダ装置AB1において、上下面(表裏面)の他方(ここでは、下方)を高温の金属ロール20に接し、一方(ここでは、上方)をゴム巻きロール25で加圧される。
これにより、紙のプロファイル調整[密度の調整(密度を高める側への調整)、或いは、紙の厚さの調整(薄くする側に調整)]が行なわれつつ、紙1の両面の平滑性が高められる。
その後、シューカレンダ方式の第3のカレンダ装置BA1において、上下面(表裏面)の一方(ここでは、上方)を高温の金属ロール20に接し、他方(ここでは、下方)をソフトロール30で加圧される。次いで、シューカレンダ方式の第4のカレンダ装置BB1において、上下面(表裏面)の他方(ここでは、下方)を高温の金属ロール40に接し、一方(ここでは、上方)をソフトロール50で加圧される。
これにより、紙厚を薄くされることなく、換言すれば、紙嵩を確保されながら、紙1の両面の平滑性が高められる。
このようにして、複数回(ここでは、4回)連続してカレンダ処理を行なうことにより紙1の上下(表裏)両面を同様にカレンダ処理するため、紙1の上下(表裏)両面において、光沢度,平滑度とも均一な紙を製造することができる。
特に、上流側の第1,第2のカレンダ装置AA1,AB1にソフトニップカレンダ方式を採用し、下流側の第3,第4のカレンダ装置BA1,BB1にシューカレンダ方式を採用しているので、第1,第2のカレンダ装置AA1,AB1により、まず、紙1の両面(上面)の平滑性を高めながら紙1のプロファイル調整を行ない、その後、第3,第4のカレンダ装置BA1,BB1により、紙1のプロファイルを変更することなく紙1の両面の平滑性をさらに高めることになり、紙のプロファイル調整と紙の表面処理とをより一層適切に行なうことができる。
また、上流側のソフトニップカレンダ方式の第1,第2のカレンダ装置AA1,AB1には、紙のプロファイル調整のみの機能を負担させ、紙の表面処理は下流側のシューカレンダ方式の第3,第4のカレンダ装置BA1,BB1で専ら行なうようにしてもよい。この場合、ソフトニップカレンダ方式のカレンダ装置1つのみによって紙のプロファイル調整を行なえるのであれば、上流側のソフトニップカレンダ方式のカレンダ装置は1つのみ設けるようにしてもよい。
なお、本実施形態でも、予めプロファイル調整してから紙の表面処理を行なうようにしているので、プロファイル調整が紙の表面処理に影響することはなく、プロファイル調整と紙の表面処理とを適切に行なうことができるのである。
もちろん、プロファイル調整が紙の表面処理に影響することがない場合や、影響が問題のない程度であれば、上流側のカレンダ装置にシューカレンダ方式を採用し、下流側のカレンダ装置にソフトニップカレンダ方式を採用してもよい。
[第12実施形態]
図18は、本発明の第12実施形態にかかるカレンダシステム(製紙機械のカレンダ部)を示す模式的断面図であり、図1と同符号は同様なものを示す。
本実施形態にかかるカレンダ部(カレンダシステム)7P12は、図18に示すように、高温の金属ロール20と、この金属ロール20の上部にニップ係合するゴム巻きロール25と、金属ロール20の下部にニップ係合するソフトロール30と、ガイドロール60cとをそなえている。これにより、金属ロール20を兼用しながら、紙1の走行方向上流側には、金属ロール20とゴム巻きロール25とからソフトニップカレンダ方式の第1のカレンダ装置A5が構成され、金属ロール20とソフトロール30とからシューカレンダ方式の第2のカレンダ装置B3が構成されている。紙1は、第1のカレンダ装置A5のニップ28を通過したら、ガイドロール60cによって方向を変換されて、第2のカレンダ装置B3のニップ35を通過するようになっている。
更に説明すれば、上流側の第1のカレンダ装置A5は、図22(a)に示すものと同様のソフトニップカレンダ方式のものであり、紙1の一面側(第1のカレンダ装置A5への進入時に下面側)に配備した高温の金属ロール20に対して、紙1の他面側第1のカレンダ装置A5への進入時に上面側)に配備した厚さ10mmほどのポリマー26を金属円筒27の周囲に接着したゴム巻きロール25が対向して設けられ、これらの金属ロール20とゴム巻きロール25とで紙1を加圧してカレンダ処理するようになっている。
下流側のカレンダ装置B3は、図1に示す第1実施形態のものと同様のシューカレンダ方式のものであり、高温の金属ロール20に対してソフトロール30が対向して設けられ、これらの金属ロール20とソフトロール30とで紙1を加圧してカレンダ処理するようになっている。
したがって、本実施形態のカレンダ部(カレンダシステム)7P12は、機能的には、第10実施形態のカレンダ部7P10とほぼ同等の機能を有している。ただし、第10実施形態のカレンダ部7P10では、第1のカレンダ装置で紙1の一面をカレンダ処理し、第2のカレンダ装置で紙1の他面をカレンダ処理するようになっているのに対して、本実施形態のカレンダ部7P12では、第1のカレンダ装置A5でも第2のカレンダ装置B3でも紙1の同一面をカレンダ処理し、第2のカレンダ装置で紙1の他面をカレンダ処理するようになっている。
つまり、本実施形態では、図18に示すように、紙(湿紙)1の走行方向上流側に位置する第1のカレンダ装置A5では、紙1の一面(第1のカレンダ装置A5への進入時の下面)に高温の金属ロール20が接し、紙(湿紙)1の走行方向下流側に位置する第2のカレンダ装置B3でも、紙1の一面(第2のカレンダ装置B3への進入時には上面であるが、第1のカレンダ装置A5への進入時には下面)に高温の金属ロール20が接するように配置されている。したがって、第1のカレンダ装置A5では、紙1の他面にゴム巻きロール25が接し、第2のカレンダ装置B1でも、紙1の他面にソフトロール50が接している。
本実施形態にかかるカレンダシステムは、上述のように構成されており、紙1は、まず、ソフトニップカレンダ方式の第1のカレンダ装置A5において、上下面(表裏面)の一方(一面)を高温の金属ロール20に接し、他方(他面)をゴム巻きロール25で加圧される。これにより、紙のプロファイル調整[密度の調整(密度を高める側への調整)、或いは、紙の厚さの調整(薄くする側に調整)]が行なわれつつ、紙1の一面の平滑性も高められる。
その後、シューカレンダ方式の第2のカレンダ装置B3において、上下面(表裏面)の一方(一面)を高温の金属ロール20に接し、他方(他面)をソフトロール50で加圧される。これにより、紙厚を薄くされることなく、換言すれば、紙嵩を確保されながら、紙1の一面の平滑性が高められる。
また、予め、ソフトニップカレンダ方式のカレンダ装置によりプロファイル調整をすると、紙密度がある程度高まり、その後のシューカレンダ方式のカレンダ装置において、金属ロールと内部にシューを備えたソフトロールとによる加圧により表面処理をした場合に、紙の金属ロールに接触する面とソフトロールに接触する面との表面処理の差を小さくすることが可能であり、第2のカレンダ装置B3において、紙の両面の光沢度や平滑度を近づけることができる。
特に、第10,11実施形態と同様に、上流側の第1のカレンダ装置A4にソフトニップカレンダ方式を採用し、下流側の第2のカレンダ装置B1にシューカレンダ方式を採用しているので、第1のカレンダ装置A4により、まず、紙1の一面(上面)の平滑性を高めながら紙1のプロファイル調整を行ない、その後、第2のカレンダ装置B1により、紙1のプロファイルを変更することなく紙1の他面(下面)の平滑性を高めることになり、プロファイル調整と紙の表面処理とを適切に行なうことができる。
[各実施形態にかかるカレンダシステムの紙処理装置への適用例]
上記の各実施形態では、カレンダシステムを製紙機械に適用した例を説明したが、本発明のカレンダシステムは、製紙機械に限らず、製紙された紙に何らかの処理を施す紙処理装置にも適用できる。
例えば、図19は第1実施形態に係るカレンダシステムをオフラインコータに適用した例を示す模式図である。
図19に示すように、オフラインコータは、紙ロールから紙を送り出すアンワインダ101と、アンワインダ101から送り出された紙1の一面に塗工処理を行なうコータ部102と、コータ部102により塗工された紙1の一面に乾燥処理を行なうドライヤ部103と、アンワインダ101から送り出された紙1の他面に塗工処理を行なうコータ部104と、コータ部104により塗工された紙1の他面に乾燥処理を行なうドライヤ部105と、ドライヤ部105で乾燥処理された紙1の両面にカレンダ処理を施すカレンダ部(カレンダシステム)7P1と、カレンダ部7P1で処理された紙1を巻き取るリール109とをそなえている。
各コータ部102,104は、紙1を案内するコータロール102a,104aと、コータロール102a,104a外周に設けられ紙1の表面に塗工液を噴射する塗工液噴射ノズル102b,104bと、紙1の表面に圧接し塗工液噴射ノズル102b,104bにより噴射された塗工液の厚さを調整する掻き取りブレード102c,104cとをそなえて構成されている。
各ドライヤ部103,105は、上流側から、赤外線を照射して非接触で紙1を乾燥させる赤外線ドライヤ103a,105aと、高温空気を噴射して非接触で紙1を乾燥させるエアドライヤ103b,105bと、紙1に接触して乾燥させる複数の高熱なドライヤロール103c,105cとをそなえて構成される。
また、リール109は、リールドラム(巻き取りロール)109aとガイドロール109b,109cとから構成される。
なお、紙1を要所要所で案内するために、各部にガイドロール107が装備されている。
このように、コータ部102,104による塗工処理と同時に、本カレンダ部(カレンダシステム)7P1によるカレンダ処理を行なうようにしてもよい。
また、図20は第1実施形態に係るカレンダシステムをリワインダに適用した例を示す模式図であり、図19と同符号は同様なものを示す。また、ワインダ106は、巻き取りロール106aと、巻き取りロール106aへの紙を案内するガイドロール106b,106cとをそなえて構成される。
図20に示すように、リワインダは、紙ロールから紙を送り出すアンワインダ101と、アンワインダ101から送り出された紙1の両面にカレンダ処理を施すカレンダ部(カレンダシステム)7P1と、カレンダ部7P1で処理された紙1を幅方向に分割するように切断するスリッタ108と、スリッタ108により切断された紙1を巻き取るワインダ106とをそなえている。
スリッタ108には、単数又は複数(この例では4枚)のスリッタ刃108a〜108dが、所要の紙幅方向位置に位置調整されてそなえられており、カレンダ部7P1で処理された紙1を幅方向に分割する。分割された(スリッティングされた)紙1a〜1eは、それぞれ巻き取りドラム106aに巻き取られる。
このように、スリッタ108によるスリッティング処理と同時に、本カレンダ部(カレンダシステム)7P1によるカレンダ処理を行なうようにしてもよい。
なお、図19,図20では、第1実施形態の本カレンダ部(カレンダシステム)7P1を適用する例を示したが、他の各実施形態のカレンダシステムも適用可能であることは言うまでもない。
また、アンワインダ101とワインダ106との間に、本発明のカレンダシステムのみを設けて、カレンダ処理のみのために巻き直し(リワインド)するリワインダとして構成してもよい。
また、上述の各実施形態では、いずれもカレンダ装置の一部又は全部に、シューカレンダ方式のものをそなえているが、これは、シューカレンダ方式のものでは、図23を用いて説明したように、ソフトニップカレンダ方式を含む他のカレンダ装置のように、表面処理に伴う紙密度の変化(紙厚の低下或いは嵩高の低下)がほとんどない利点があるためである。
このようなシューカレンダ方式による嵩高保持特性は、表1に示すように、坪両の小さい紙から大きい紙まであらゆる紙に対して発揮される。
Figure 2005089950
例えば坪量の大きな板紙(塗工されていないもの、坪量100〜450g/m)や塗工板紙(坪量200〜500g/m)の場合は、それぞれ、原紙密度0.6〜0.8g/cc,0.8〜0.9g/ccに対して、他のカレンダ装置では、表面処理の進み具合に応じて処理後の紙密度が0.75〜0.90g/cc,0.85〜1.05g/ccと高まってしまうのに対して、シューカレンダ方式のカレンダ装置では、表面処理の進み具合に応じて処理後の紙密度が微小に高まるものの、0.65〜0.80g/cc,0.82〜0.92g/ccと原紙密度とほとんど変わらない程度に留まる。
同様に、一般的な紙(塗工されていないもの、坪量40〜85g/m)や微塗工紙(坪量60〜100g/m)や塗工紙(坪量80〜150g/m)の場合は、それぞれ、原紙密度0.65〜0.75g/cc,0.8〜0.9g/cc,0.95〜1.05g/ccに対して、他のカレンダ装置では、表面処理の進み具合に応じて処理後の紙密度が0.82〜0.95g/cc,0.9〜1.0g/cc,1.0〜1.25g/ccと高まってしまうのに対して、シューカレンダ方式のカレンダ装置では、表面処理の進み具合に応じて処理後の紙密度が微小に高まるものの、0.75〜0.85g/cc,0.85〜0.95g/cc,1.0〜1.10g/ccと原紙密度とほとんど変わらない程度に留まる。
したがって、本カレンダシステムのカレンダ装置にシューカレンダ方式を採用して、普通紙,普通紙の微塗工紙,普通紙の塗工紙,板紙,板紙の塗工紙をはじめとした種々の紙のカレンダ処理を行なうことにより、紙密度の変化(紙厚の低下或いは嵩高の低下)をほとんど招かないようにしながら、十分に紙の表面処理を行なうことができ、紙製品の品質を向上させることができる。
また、紙密度を高めなくても表面処理により紙剛性を向上させることができるので、所望の紙厚で所望の剛性の紙を製造するために、紙の使用原料を低減させることができ、一方、一定の使用原料で紙を製造する場合には、紙厚を確保したり剛性を高めたりすることができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、第1実施形態(図1,図2),第2実施形態(図3,図4)では、上流側の第1のカレンダ装置A1については、紙1の上面側に高温の金属ロール20を配置し、紙1の下面側にソフトロール30を配置し、下流側の第2のカレンダ装置B1については、紙1の上面側にソフトロール50を配置し、紙1の下面側に高温の金属ロール40を配置しているが、各ロールを上下逆に配置してもよい。つまり、上流側の第1のカレンダ装置を第4実施形態のものA2と同様に、紙1の上面側にソフトロール30を配置し、紙1の下面側に高温の金属ロール20を配置し、下流側の第2のカレンダ装置を第4実施形態のものB2と同様に、紙1の上面側に高温の金属ロール40を配置し、紙1の下面側にソフトロール50を配置するのである。
また、二つのカレンダ装置は、連続して処理できるように隣接配置させればよく、上記の各実施形態の配置に限定されるものではなく、設置環境に合わせて適宜の位置関係に配置することができる。
カレンダ処理直前に過熱蒸気付与装置70,71及びバキューム装置75,76を設置する例を、第7実施形態(図11),第8実施形態(図12,図13),第9実施形態(図14)に例示したが、過熱蒸気付与装置やバキューム装置は、カレンダ装置の直前に適宜設置すればよく、例えば、上流側のカレンダ装置のみに設置してもよく、上流側のカレンダ装置のみに設置してもよい。
また、過熱蒸気付与装置のみでの過熱蒸気の付与では紙に十分な加熱蒸気を付与できなければ、バキューム装置を付設し、過熱蒸気付与装置のみでの過熱蒸気の付与でも十分であれば、バキューム装置は省略すればよい。
また、上記実施形態では、二つのカレンダ装置を連続配置又は近接配置した例を中心に説明したが、例えば第11実施形態のように、これよりも多数のカレンダ装置を連続配置又は近接配置してもよく、カレンダ装置の数に制限はない。
本発明の第1実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部の変形例を示す模式的断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部の変形例を示す模式的断面図である。 本発明の第5実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第5実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部の変形例を示す模式的断面図である。 本発明の第6実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第6実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部の変形例を示す模式的断面図である。 本発明の第7実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第8実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第8実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部の変形例を示す模式的断面図である。 本発明の第9実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第9実施形態にかかる清掃装置の変形例を(a)〜(e)にそれぞれ示す模式的断面図である。 本発明の第10実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第11実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的断面図である。 本発明の第12実施形態にかかる製紙機械のカレンダ部を示す模式的斜視図である。 各実施形態にかかるカレンダ部を適用しうる製紙機械の構成例を示す模式的構成図である。 各実施形態にかかるカレンダ部を適用しうる製紙機械の他の構成例を示す模式的構成図であり、(a)はその側面図、(b)はその平面図である。 一般的な製紙機械を示す模式的構成図である。 一般的な製紙機械のカレンダ装置を(a),(b)それぞれに示す模式的断面図である。 図22に示す製紙機械のカレンダ装置の特性を説明するグラフである。
符号の説明
1 紙
2 フォーマ
3 プレス部
4 第1ドライヤ部
5 サイザ
6 第2ドライヤ部
7P,7P1〜7P9 カレンダ部
7 カレンダ装置
8 リール
20,40 高温の金属ロール
21,41 ロール本体
22,42 容積部
25 ゴム巻きロール
26 ポリマー
27 金属円筒
30,50 ソフトロール
31,51 チューブ状スリーブ
32,52 凹型シュー
33,53 油圧装置
35,55 ニップ部
36,37,56,57 サポート用シュー
60a,60b,60c ガイドロール
70,71 過熱蒸気付与装置
75,76 バキューム装置
80,81 駆動ロール
85,86 清掃装置
90 固定式ブレード
91 噴射ノズル
92 回転装置
93 回転ノズル
94 回転装置
95 ブラシ
97 ジェット水や洗浄液
101 アンワインダ
102 コータ部
103 ライヤ部
104 コータ部
105 ドライヤ部
106 ワインダ
108 スリッタ
109 リール
A1,A2,A3,A4,AA1 第1のカレンダ装置
B1,B2,B3,AB1 第2のカレンダ装置
BA1 第3のカレンダ装置
BB1 第4のカレンダ装置

Claims (24)

  1. 紙にカレンダ処理を施すカレンダシステムであって、
    カレンダ装置が少なくとも2組設けられている
    ことを特徴とする、カレンダシステム。
  2. 上記カレンダシステムは、紙原料から抄紙を行なうフォーマと、該フォーマで抄紙された紙を加圧脱水処理するプレス部と、該プレス部で加圧脱水処理した紙の乾燥処理を行なうドライヤ部と、該ドライヤ部で乾燥処理された紙にカレンダ処理を施すカレンダ部と、該カレンダ部で処理された紙を巻き取るリールとをそなえた製紙機械における、上記カレンダ部に用いられている
    ことを特徴とする、請求項1記載のカレンダシステム。
  3. 上記カレンダシステムは、紙ロールから該紙を送り出すアンワインダと、該アンワインダから送り出された紙に塗工処理を行なうコータ部と、該コータ部により塗工された紙に乾燥処理を行なうドライヤ部と、該ドライヤ部で乾燥処理された紙にカレンダ処理を施すカレンダ部と、該カレンダ部で処理された紙を巻き取るリールとをそなえたオフラインコータにおける、上記カレンダ部に用いられている
    ことを特徴とする、請求項1記載のカレンダシステム。
  4. 上記カレンダシステムは、紙ロールを巻き直すリワインダ装置であって、紙ロールから該紙を送り出すアンワインダと、該アンワインダから送り出された紙にカレンダ処理を施すカレンダ部と、該カレンダ部で処理された紙を巻き取るワインダとをそなえているリワインダ装置における、上記カレンダ部に用いられている
    ことを特徴とする、請求項1記載のカレンダシステム。
  5. 上記リワインダ装置は、上記カレンダ部と上記ワインダとの間に、該カレンダ部で処理された紙を幅方向に分割するように切断するスリッタをそなえ、上記ワインダには該スリッタにより切断された紙が巻き取られる
    ことを特徴とする、請求項4記載のカレンダシステム。
  6. 上記2組のカレンダ装置は、いずれも、高温の金属ロールとソフトロールとで上記紙を加圧する方式の装置であって、
    上記2組のカレンダ装置のうち、上流側の第1のカレンダ装置は、上記高温金属ロールを上記紙の一側に上記ソフトロールを上記紙の他側にそれぞれ配置され、下流側の第2のカレンダ装置は、上記高温金属ロールを上記紙の他側に上記ソフトロールを上記紙の一側にそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカレンダシステム。
  7. 上記カレンダ部では、上記紙を略水平に走行させてカレンダ処理を施すように構成され、上記第1のカレンダ装置と上記第2のカレンダ装置とは、横並びに配置されている
    ことを特徴とする、請求項6記載のカレンダシステム。
  8. 上記第1のカレンダ装置と上記第2のカレンダ装置とは、上下に縦並びに配置され、上記紙を、上記の上方のカレンダ装置と下方のカレンダ装置との一方を通過した後他方に案内するガイドロールを備えている
    ことを特徴とする、請求項6記載のカレンダシステム。
  9. 上記2組のカレンダ装置はいずれもシューカレンダ方式である
    ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカレンダシステム。
  10. 上記第1のカレンダ装置はソフトニップカレンダ方式であって、上記第2のカレンダ装置はシューカレンダ方式である
    ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカレンダシステム。
  11. 上記2組のカレンダ装置は、高温の金属ロールと、該高温金属ロールの一側とニップを形成して上記紙を加圧するゴム巻きロールとして構成された第1のソフトロールと、該高温金属ロールの他側とニップを形成して内部のシューの押圧によって上記紙を加圧する第2のソフトロールと、をそなえ、
    上流側の第1のカレンダ装置は上記高温金属ロールと上記第1のソフトロールとからなるソフトニップカレンダ方式に構成され、下流側の第2のカレンダ装置は上記第1のカレンダ装置に用いられる上記高温金属ロールと上記第2のソフトロールとからなるシューカレンダ方式に構成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカレンダシステム。
  12. 上記2組のカレンダ装置のうちの少なくとも何れかの入口に、上記紙に過熱蒸気を付与する過熱蒸気付与装置がそなえられている
    ことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のカレンダシステム。
  13. 上記紙を挟んで上記過熱蒸気付与装置する位置に、上記過熱蒸気付与装置からの上記を吸引するバキューム装置がそなえられている
    ことを特徴とする、請求項12記載のカレンダシステム。
  14. 上記ソフトロールの表面を清掃する清掃装置がそなえられている
    ことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載のカレンダシステム。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載のカレンダシステムによってカレンダ処理されたことを特徴とする、紙。
  16. 紙に高温金属ロールとソフトロールとを用いてカレンダ処理を施すカレンダ処理方法であって、
    2回連続してカレンダ処理を行なう
    ことを特徴とする、カレンダ処理方法。
  17. 上記カレンダ処理は、フォーマにより紙原料から抄紙され加圧脱水処理,乾燥処理をされた紙に対して行なう
    ことを特徴とする、請求項16記載のカレンダ処理方法。
  18. 上記カレンダ処理は、アンワインダから送り出されて塗工処理,乾燥処理をされた紙に対して行なう
    ことを特徴とする、請求項16記載のカレンダ処理方法。
  19. 上記カレンダ処理は、アンワインダから送り出され、スリッタにより幅方向に分割される前の紙に対して行なう
    ことを特徴とする、請求項18記載のカレンダ処理方法。
  20. 上記2回のカレンダ処理のうち、1回目の処理では上記高温金属ロールを上記紙の一側に接触させ上記ソフトロールを上記紙の他側に圧接させるとともに、2回目の処理では上記高温金属ロールを上記紙の他側に接触させ上記ソフトロールを上記紙の一側に圧接させる
    ことを特徴とする、請求項16〜19のいずれか1項に記載のカレンダ処理方法。
  21. 上記2回のカレンダ処理は、いずれもシューカレンダ方式のカレンダを用いて行なう
    ことを特徴とする、請求項16〜20のいずれか1項に記載のカレンダ処理方法。
  22. 上記2回のカレンダ処理のうち、1回目の処理はソフトニップカレンダ方式のカレンダを用いて行ない、2回目の処理はシューカレンダ方式のカレンダを用いて行なう
    ことを特徴とする、請求項16〜20のいずれか1項に記載のカレンダ処理方法。
  23. 上記のカレンダ処理を行なう直前に、上記紙に過熱蒸気を付与する
    ことを特徴とする、請求項項16〜22のいずれか1項に記載のカレンダ処理方法。
  24. 上記のカレンダ処理を行ないながら上記ソフトロールの表面を清掃する
    ことを特徴とする、請求項16〜23のいずれか1項に記載のカレンダ処理方法。
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