JP4732927B2 - 2ウェイクラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、2ウェイクラッチに関し、特に、構造の単純化を図り、製造コストを低減できる2ウェイクラッチに関するものである。
一般に、2ウェイクラッチとは、正回転及び逆回転のいずれの回転方向に対しても回転トルクを伝達又は遮断できる装置であり、例えば、断面略多角形状のカムと、そのカムの各カム面に配置されるローラと、そのローラを保持する保持器と、それら保持器、ローラ及びカムに外嵌される外輪とを主に備えて構成されるローラタイプの2ウェイクラッチが広く普及している。
かかる2ウェイクラッチは、保持器とカム面との位相を切り替えることで、回転トルクの伝達及び遮断を切り替えるものであり、保持器が中立位置に位置する場合には、ローラと外輪との間に隙間が形成され、回転トルクの伝達を遮断することができる。一方、保持器が駆動位置に位置する場合には、ローラを介してカムと外輪とが連結して、正方向又は逆方向の回転トルクを伝達することができる。
ところで、上述したローラタイプの2ウェイクラッチでは、カム及び外輪は、ローラと線接触で連結されているので、接触面積を十分に確保できない。そのため、大きな回転トルクを伝達させる場合には、ローラ、カム及び外輪の軸方向寸法を大きくして、接触面積を確保しなければならず、その分、2ウェイクラッチ全体が軸方向に大型化する。また、上述したローラタイプの2ウェイクラッチでは、回転トルク伝達時の荷重が外輪にかかり、外輪が損壊するおそれがある。そのため、外輪の厚み寸法を大きくして強度を確保する必要があり、その分、2ウェイクラッチ全体が径方向に大型化する。
これに対し、特表2002−514292号公報(特許文献1)には、ストラット38と凹部62との係合及び非係合を切り替えることで、回転トルクの伝達及び遮断を切り替える技術が記載されている。
この技術によれば、平面継手は、凹部62を有する被駆動継手プレート10と、凹部26,28,30,32,34,36を有する駆動継手プレート20と、その駆動継手プレート20と被駆動継手プレート10との間に介装されるストラット保持プレート22と、凹部26,28,30,32,34,36に収納されるストラット38とを主に備えて構成されている。
そして、ストラット保持プレート22が駆動継手プレート20に対して第2の角度位置に位置する場合には、ストラット保持プレート22がストラット38と凹部62との係合を規制し、回転トルクの伝達を遮断する。一方、ストラット保持プレート22が駆動継手プレート20に対して第1の角度位置に位置する場合には、ストラット保持プレート22に穿設される孔46を介してストラット38と凹部62とが係合し、正方向又は逆方向の回転トルクを伝達する。
ここで、ストラット38と凹部62との係合は、ストラット38の先端面と凹部62の内壁面との面接触により行われる、即ち、回転トルクは、ストラット38と凹部62との面接触により伝達される。その結果、平面継手は、ローラタイプの2ウェイクラッチと比較して接触面積を確保できるので、接触面積を確保するために平面継手全体の軸方向寸法を大きくすることが不要となり、その分、平面継手全体が軸方向に大型化することを抑制できる。
また、平面継手では、回転トルク伝達時の荷重がストラット38及び凹部62にかかるので、ストラット38及び凹部62の損壊を防止するために、ストラット38及び凹部62の強度を確保すればよい。その結果、ストラット38及び凹部62の強度を確保するために、ローラタイプの2ウェイクラッチのように外輪の厚み寸法を大きくすることが不要となり、その分、平面継手全体が径方向に大型化することを抑制できる。
特表2002−514292号公報
ところで、上述した平面継手は、回転トルクの伝達及び遮断を切り替える、即ち、ストラット保持プレート22を駆動継手プレート20に対して相対回転させるために、シャフト12が中空状に形成され、そのシャフト12内にアクチュエータシャフト18が内設されている。
そして、かかるアクチュエータシャフト18がストラット保持プレート22の内周面に配設されたアクチュエータタブ72を周方向に移動させることで、ストラット保持プレート22を駆動継手プレート20に対して相対回転させ、回転トルクの伝達及び遮断を切り替えている。
このように、平面継手は、ストラット保持プレート22を駆動継手プレート20に対して相対回転させるために、シャフト12を中空状に形成し、そのシャフト12にアクチュエータシャフト18を内設する必要がある。更に、シャフト12及びアクチュエータ18に切り込みを形成し、その切り込みにストラット保持プレート22のアクチュエータタブ72を配置する必要がある。その結果、平面継手は、構造が複雑化して、製造コストが増大するという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、構造の単純化を図り、製造コストを低減できる2ウェイクラッチを提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の2ウェイクラッチは、一方の側面に凹設される複数の係合凹部を有するノッチプレートと、そのノッチプレートの係合凹部側の側面と対向する側面に凹設される複数の収納凹部を有するポケットプレートと、そのポケットプレートの収納凹部に収納されると共に前記ノッチプレートと係脱可能に設けられる複数のストラットと、そのストラットを前記ノッチプレート側へ付勢する第1弾性体と、前記ポケットプレートの収納凹部に対応して穿設される複数の窓孔を有し前記ノッチプレートとポケットプレートとの間に介装されるスライドプレートを備え、そのスライドプレートが前記複数のストラットの揺動動作を規制する第1位置に位置することにより、前記ストラットと係合凹部との係合を規制して、正方向及び逆方向の回転トルクの伝達を遮断すると共に、前記スライドプレートが前記ポケットプレートに対して前記第1位置から正方向に相対回転した第2位置又は前記第1位置から逆方向に相対回転した第3位置に位置することにより、前記窓孔を介して前記複数のストラットの内の少なくとも1つと前記係合凹部とが係合して、正方向又は逆方向の内のいずれか一方の回転トルクを伝達し、かつ、他方の回転トルクの伝達を遮断するものであり、前記ポケットプレートの反ノッチプレート側に配設されるプッシュプレートと、その前記プッシュプレートを軸方向に往復移動させる移動装置と、前記プッシュプレートに設けられ、前記ポケットプレート側へ向けて突設される第1係合部と、その第1係合部と係合可能に構成され、前記スライドプレートに前記ポケットプレート側へ向けて突設される第2係合部と、その第2係合部及び第1係合部を挿通可能に構成され、前記ポケットプレートに貫通形成される第1溝部とを備え、前記移動装置は、前記第1係合部と第2係合部とが係合する係合位置と前記第1係合部と第2係合部との係合が解除される非係合位置との間で前記プッシュプレートを往復移動させるものであり、前記移動装置が前記プッシュプレートを前記係合位置に位置させることにより、前記第1溝部を介して前記第1係合部と第2係合部とが係合して前記スライドプレートを前記第1位置に保持すると共に、前記移動装置が前記プッシュプレートを前記非係合位置に位置させることにより、前記第1係合部と第2係合部との係合が解除され前記スライドプレートが前記第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転可能に構成されている。
請求項2記載の2ウェイクラッチは、請求項1記載の2ウェイクラッチにおいて、前記プッシュプレートは、少なくともその一部に磁性を有して構成され、前記移動装置は、前記プッシュプレートを前記ポケットプレート側へ付勢する第2弾性体と、前記プッシュプレートの反ポケットプレート側に配設されると共に起磁力を励磁可能な電磁コイルとを備え、その電磁コイルの非通電時には、前記プッシュプレートが前記第2弾性体によって付勢されることにより、前記第1溝部を介して前記第1係合部と第2係合部とが係合して前記スライドプレートを前記第1位置に保持すると共に、前記電磁コイルの通電時には、前記プッシュプレートが前記電磁コイルの起磁力で前記第2弾性体の付勢方向と反対方向へ吸着されることにより、前記第1係合部と第2係合部との係合が解除され前記スライドプレートが前記第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転可能に構成されている。
請求項3記載の2ウェイクラッチは、請求項1又は2に記載の2ウェイクラッチにおいて、前記スライドプレートは、前記ポケットプレート側へ向けて突設される第3係合部を備え、前記ポケットプレートは、前記第3係合部を挿通可能に貫通形成される第2溝部と、その第2溝部に挿通された前記第3係合部と前記第2溝部の周方向両端部とを連結すると共に弾性材料から構成される一対の第3弾性体とを備え、その一対の第3弾性体は、前記スライドプレートを前記第1位置に保持するように前記第2溝部に挿通された前記第3係合部を付勢するものである。
請求項4記載の2ウェイクラッチは、請求項2記載の2ウェイクラッチにおいて、前記電磁コイルの通電及び非通電を制御する通電制御手段を備え、その通電制御手段は、前記ノッチプレート及びポケットプレートの回転駆動が停止した後に、前記電磁コイルを通電して、前記電磁コイルに前記プッシュプレートを吸着させて前記スライドプレートを前記第1位置に位置させると共に、前記スライドプレートが前記第1位置に位置した後に、前記電磁コイルを非通電にして、前記第2弾性体によって付勢された前記プッシュプレートの第1係合部と前記スライドプレートの第2係合部とを係合させるものである。
請求項1記載の2ウェイクラッチによれば、複数の係合凹部を有するノッチプレートと、複数の収納凹部を有するポケットプレートと、そのポケットプレートの収納凹部に揺動可能に収納される複数のストラットと、そのストラットをノッチプレート側へ付勢する第1弾性体と、複数の窓孔を有しノッチプレートとポケットプレートとの間に介装されるスライドプレートを備え、そのスライドプレートがストラットの揺動動作を規制する第1位置に位置する場合には、その第1位置に位置するスライドプレートがストラットと係合凹部との係合を規制して、正方向及び逆方向の回転トルクの伝達を遮断すると共に、スライドプレートがポケットプレートに対して第1位置から正方向に相対回転した第2位置又は第1位置から逆方向に相対回転した第3位置に位置する場合には、窓孔を介して複数のストラットの内の少なくとも1つと係合凹部とが係合して、正方向又は逆方向の内のいずれか一方の回転トルクを伝達し、かつ、他方の回転トルクの伝達を遮断する。
ここで、本発明の2ウェイクラッチは、ポケットプレートの反ノッチプレート側に配設されるプッシュプレートと、そのプッシュプレートを軸方向に往復移動させる移動装置と、プッシュプレートに突設される第1係合部と、スライドプレートに突設される第2係合部と、ポケットプレートに貫通形成される第1溝部とを備えて構成されるものであり、移動装置がプッシュプレートを第1係合部と第2係合部とが係合する係合位置に位置させた場合には、第1溝部を介して第1係合部と第2係合部とが係合する。その結果、スライドプレートを第1位置に保持することができるので、ストラットと係合凹部との係合を規制して、正方向及び逆方向の回転トルクの伝達を遮断することができる。
一方、移動装置がプッシュプレートを第1係合部と第2係合部との係合が解除される非係合位置に移動させた場合には、第1係合部と第2係合部との係合が解除される。その結果、スライドプレートをノッチプレート又はポケットプレートに対して相対回転させることができるので、ストラットと係合凹部とを係合させて、正方向又は逆方向の内のいずれか一方の回転トルクを伝達し、かつ、他方の回転トルクの伝達を遮断することができる。
以上のように、移動装置によりプッシュプレートを往復移動させることで、第1係合部と第2係合部との係合及び非係合を切り替える、即ち、正方向及び逆方向における回転トルクの伝達及び遮断を切り替えることができる。その結果、従来の2ウェイクラッチのように、シャフトの加工が不要となるので、構造を単純化して、製造コストの低減を図ることができるという効果がある。
また、スライドプレートは、回転したノッチプレート又はポケットプレートとの摩擦力により、第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転するので、スライドプレートを第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転させるための機構が不要となり、その分、構造の単純化を図ることができる。その結果、製造コストの低減を図ることができるという効果がある。
請求項2記載の2ウェイクラッチによれば、請求項1記載の2ウェイクラッチの奏する効果に加え、移動装置は、プッシュプレートをポケットプレート側へ付勢する第2弾性体と、起磁力を励磁可能な電磁コイルとを備えて構成されるものであり、電磁コイルを非通電にすることで、第2弾性体の付勢力によりプッシュプレートをポケットプレート側へ付勢して、第1係合部と第2係合部とを係合させる、即ち、スライドプレートを第1位置に保持することができる。
一方、電磁コイルを通電することで、少なくとも一部に磁性を有するポケットプレートを第2弾性体の付勢方向と反対方向へ移動させ、第1係合部と第2係合部との係合を解除できる、即ち、スライドプレートを第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転させることができる。
このように、第2弾性体の付勢力及び電磁コイルの起磁力によりプッシュプレートを往復移動させることができるので、シリンダ等でプッシュプレートを往復移動させる場合と比較して、装置全体の小型化を図ることができるという効果がある。
また、プッシュプレートは、第2弾性体の付勢力により係合位置に保持されているので、シリンダ等のようにプッシュプレートを係合位置に保持するための駆動力が不要となり、その分、消費エネルギーの低減を図ることができるという効果がある。
請求項3記載の2ウェイクラッチによれば、請求項1又は2に記載の2ウェイクラッチの奏する効果に加え、スライドプレートに突設される第3係合部と、ポケットプレートに貫通形成され第3係合部を挿通する第2溝部と、その第2溝部に挿通された第3係合部と第2溝部の周方向両端部とを連結する一対の第3弾性体とを備えているので、第3弾性体が第2溝部に挿通された第3係合部を第1位置へ向けて付勢して、スライドプレートを第1位置に保持することができる。
このように、第3弾性体の付勢力により、スライドプレートを第1位置に保持することができる、即ち、スライドプレートを第2位置又は第3位置から第1位置へ向けて自動的に回転させることができるので、スライドプレートを切り替えるための制御が不要となり、その分、構造の単純化を図ることができる。その結果、製造コストの低減を図ることができるという効果がある。
請求項4記載の2ウェイクラッチによれば、請求項2記載の2ウェイクラッチの奏する効果に加え、電磁コイルの通電及び非通電を制御する通電制御手段は、ノッチプレート及びポケットプレートの回転駆動が停止した後に、電磁コイルを通電して、電磁コイルにプッシュプレートを吸着させてスライドプレートを第1位置に位置させると共に、スライドプレートが第1位置に位置した後に、電磁コイルを非通電にして、第2弾性体によって付勢されたプッシュプレートの第1係合部とスライドプレートの第2係合部とを係合させる。よって、第1係合部と第2係合部とのひっかかりによりスライドプレートの回転が阻害されることを防止する、即ち、スライドプレートを円滑に第1位置に位置させて、回転トルクの伝達及び遮断を円滑に切り替えることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の2ウェイクラッチ1の分解図である。図2(a)は、2ウェイクラッチ1の正面図であり、図2(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における2ウェイクラッチ1の断面図である。図3(a)は、図2(a)のIII−III線における非通電時の2ウェイクラッチ1の断面図であり、図3(b)は、図2(a)のIII−III線における通電時の2ウェイクラッチ1の断面図である。
なお、図1では、理解を容易とするために、ノッチプレート2、スライドプレート3、第1及び第2止め輪11,12の背面側が図示されている。また、図2(a)では、理解を容易とするために、ノッチプレート2、第1及び第2止め輪11,12の図示が省略されると共に、ポケットプレート4及びストラット5の一部が点線で図示されている。また、図2(b)では、ノッチプレート2、スライドプレート3及びポケットプレート4の周方向長さ(図2(b)左右方向長さ)の図示が省略されている。また、図3では、入力軸110及び出力軸120の軸心O方向長さの図示が省略されている。また、110を出力軸、120を入力軸としてもよい。
まず、図1から図3を参照して2ウェイクラッチ1の全体構成について説明する。2ウェイクラッチ1は、正回転及び逆回転のいずれの回転方向に対しても回転トルクを伝達又は遮断できる装置であり、ノッチプレート2と、スライドプレート3と、ポケットプレート4と、ストラット5と、ケース体6と、プッシュプレート7と、アーマチュア8と、ローターガイド9と、電磁コイル10とを主に備えて構成されている。
なお、図3に示すように、回転トルクが入力される入力軸110は、その内径寸法が出力軸120の外径寸法よりも大きく設定されている。かかる入力軸110は、第1ベアリング131を介して出力軸120に外嵌され、出力軸120に対して相対回転可能に構成されている。
ノッチプレート2は、図1、図2(b)及び図3に示すように、略中央に穿設される軸孔21と、その軸孔21の内周面に凹設されるスプライン溝22によって入力軸110にスプライン嵌合する円板部材であり、ポケットプレート4側(図1及び図3右側、図2(b)下側)の側面に凹設される係合凹部23とを備えて構成され、入力軸110と一体に回転する。
係合凹部23は、後述するストラット5と係合するための略四角形状の孔であり、例えば周方向略等間隔に13箇所配置されている。なお、収納凹部23は、ストラット5の先端面と係合可能に構成されている。
スライドプレート3は、図1から図3に示すように、ノッチプレート2とポケットプレート4との間に介装される円板部材であり、略中央に穿設される軸孔31と、側面に貫通形成される窓孔32と、ポケットプレート4側(図1及び図3右側、図2(a)紙面垂直方向奥側)へ向けて突設される第1及び第2爪部33,34とを備えて構成されている。
軸孔31は、後述するポケットプレート4の張出部41aを挿通させるための孔であり、ポケットプレート4に対して相対回転可能に構成されている。
窓孔32は、ストラット5を挿通させるための略くの字状の孔であり、例えば周方向略等間隔に3箇所配置されている。
第1爪部33は、2枚の板状部材がポケットプレート4側へ向けて立設されており、後述するプッシュプレート7の凸部72と係合可能に突設される部位であり、軸孔31と窓孔32との間に配置され、後述する第1溝部46を介して凸部72と係合する。
第2爪部34は、2枚の板状部材がポケットプレート4側へ向けて立設され、後述する第2溝部47に挿通可能に突設される部位であり、軸心Oに対して第1爪部33と対称に配置されている。
ポケットプレート4は、図1から図3に示すように、ノッチプレート2及びスライドプレート3を収納するための略皿状の部材であり、略中央に穿設される軸孔41と、その軸孔41の内周面に凹設されるスプライン溝42と、一方の側面に凹設される円形凹部43と、その円形凹部43の底面に凹設される収納凹部44と、その収納凹部44に配設される第1ばね45と、円形凹部43の底面に穿設される第1溝部46と、円形凹部43の底面に凹設される第2溝部47と、その第2溝部47に収納される第3ばね48と、他方の側面に凹設される挿通孔49とを備えて構成されている。
なお、ポケットプレート4の外周面には、周方向略等間隔に4つの係合溝4aが軸心O方向に沿って凹設され、後述するケース体6の係合片64と係合する。これにより、ケース体6は、ポケットプレート4と一体に回転する。
軸孔41は、出力軸120を挿通させるための孔である。なお、軸孔41には、スライドプレート3側(図1及び図3左側、図2(a)紙面垂直方向手前側)の端部から張出部41aが張り出し形成されており、その張出部41aにスライドプレート3が外嵌され、径方向に位置決めされる。
スプライン溝42は、出力軸120の外周面に突設されるスプライン山120aと嵌合するための溝であり、周方向略等間隔に3本配置されると共に、軸心O方向に沿って凹設されている。そして、ポケットプレート4は、スプライン溝42とスプライン山120aとの嵌合により、出力軸120と一体に回転する。
円形凹部43は、ノッチプレート2及びスライドプレート3を収納するための収納部であり、ノッチプレート2側(図1及び図3左側、図2(a)紙面垂直方向手前側)の側面に凹設される。
かかる円形凹部43には、ノッチプレート2及びスライドプレート3が挿入された状態で断面略C字状の第2止め輪12が挿着される。これにより、ノッチプレート2及びスライドプレート3は、ポケットプレート4に対して、周方向に相対回転可能、かつ、軸方向に位置決めされる。
収納凹部44は、ストラット5を収納する軸心O方向視において略T字状の収納部であり、先端側が周方向の一方に向く周方向略等間隔に例えば3つの第1収納凹部44aと、それら第1収納凹部44aに対向して配置される周方向略等間隔に例えば3つの第2収納凹部44bとを備えて構成されている。
なお、第1及び第2収納凹部44a,44bは、図2(b)に示すように、その底面が段差を有して構成されるものであり、第1底面部44a1,44b1と、その第1底面部44a1,44b1の一端側に連設される第2底面部44a2,44b2と、第1底面部44a1,44b1の他端側に連設される第3底面部44a3,44b3とを備えて構成されている。
第1底面部44a1,44b1は、その深さ寸法がストラット5の厚みより深く設定され、ストラット5が載置される。第2底面部44a2,44b2は、その深さ寸法が第1底面部44a1,44b1の深さ寸法よりも大きく設定され、ストラット5が揺動した場合に、そのストラット5の耳部52を収納可能なスペースを確保している。第3底面部44a3,44b3は、その深さ寸法が第2底面部44a2,44b2の深さ寸法よりも大きく設定され、後述する第1ばね45を収納可能なスペースを確保している。
第1ばね45は、ストラット5を付勢するための弾性部材であり、ストラット5の下面と第3底面部44a3,44b3との間に介設されている。かかる第1ばね45は、ストラット5をノッチプレート2側(図1及び図3左側、図2(a)紙面垂直方向手前側及び図2(b)上側)へ付勢して、ストラット5をノッチプレート2側へ向けて押圧付勢する。
第1溝部46は、図2(a)及び図3に示すように、第1爪部33及び凸部72が挿通される略円弧状の溝であり、軸孔41と収納凹部44との間に配置されると共に、軸心O方向に貫通形成されている。第2溝部47は、第2爪部34が挿通される略円弧状の溝であり、第1溝部46に対して対向配置されると共に、ノッチプレート2側の側面に凹設されている。
第3ばね48は、第2爪部34を付勢する一対の弾性部材であり、第2溝部47に挿通された第2爪部34の各壁面と第2溝部47の周方向両端部とをそれぞれ連結して、第2爪部34を第2溝部47の周方向略中央に向けて付勢している。
このように、一対の第3ばね48は、第2爪部34をそれぞれ付勢して、スライドプレート3が少なくとも本体部51の一部を覆う第1位置にスライドプレート3を保持する。なお、請求項1から4に記載の「第1位置」とは、スライドプレート3が少なくとも本体部51の一部を覆うことで、ストラット5の揺動動作を規制する位置が該当する。
挿通孔49は、図3に示すように、プッシュプレート7側(図3右側)の側面に凹設される孔であり、例えば周方向略等間隔に3つ配置され、ボルト75が挿通可能に構成されている。
ストラット5は、係合凹部23と係合するための部材であり、図1及び図2に示すように、略矩形状の本体部51と、その本体部51の後端側に形成される耳部52とを備えて構成されている。
本体部51は、その先端面が係合凹部23と係合可能に構成される部位であり、その上面の一部がスライドプレート3に覆われ、ノッチプレート2側への揺動動作が規制されている。
耳部52は、本体部51の後端側から左右に張り出し形成される部位であり、その先端面同士の幅寸法は、窓孔32の幅寸法よりも大きく設定されている。これにより、耳部52は、その上面が常にスライドプレート3に覆われ、ストラット5が窓孔32から脱落することを防止している。
ケース体6は、図1、図2(a)及び図3に示すように、ポケットプレート4、プッシュプレート7、アーマチュア8及びローターガイド9を外嵌する略円筒状の部材であり、軸心O方向一端側(図1及び図3左側、図2(a)紙面垂直方向手前側)に形成される大径部61と、その大径部61の軸心O方向他端側(図1及び図3右側、図2(a)紙面垂直方向奥側)に形成される第1小径部62と、その第1小径部62の軸心O方向他端側に形成される第2小径部63とを備えて構成されている。
大径部61は、ポケットプレート4を収納するための収納部であり、その内径寸法がポケットプレート4の外径寸法よりも大きく設定されている。かかる大径部61には、ポケットプレート4が挿入された状態で断面略C字状の第1止め輪11が挿着される。ポケットプレート4は、ケース体6に対して位置決めされる。
また、大径部61の内周面には、周方向略等間隔に複数の係合溝61aが凹設されており、その各係合溝61aには、係合片64が係合される。そして、ケース体6は、係合片64とポケットプレート4の係合溝4aとの係合により、ポケットプレート4と一体に回転する。
第1小径部62は、プッシュプレート7及びアーマチュア8が収納可能に構成されている。また、第1小径部62は、その内径寸法が大径部61の内径寸法よりも小さく設定され、大径部61の連設部に段差を形成する。かかる段差により、ポケットプレート4は、ケース体6に対して位置決めされる。
なお、第1小径部62は、図3に示すように、その軸心O方向寸法がプッシュプレート7及びアーマチュア8の厚み寸法よりも大きく設定されている。これにより、図3(a)に示すように、プッシュプレート7とポケットプレート4とが当接する場合には、アーマチュア8とローターガイド9との間に隙間寸法d1の隙間が形成される。一方、図3(b)に示すように、アーマチュア8とローターガイド9とが当接する場合には、プッシュプレート7とポケットプレート4との間に隙間寸法d2の隙間が形成される。
第2小径部63は、図3に示すように、後述するローターガイド9を収納するための収納部である。かかる第2小径部63には、ローターガイド9が挿入された状態で断面略C字状の第3止め輪13が挿着される。これにより、ローターガイド9は、ケース体6に対して位置決めされる。
また、第2小径部63は、その内径寸法が第1小径部62の内径寸法よりも大きく設定され、第1小径部62の連設部に段差を形成する。かかる段差により、ローターガイド9は、ケース体6に対して位置決めされる。
プッシュプレート7は、図1及び図3に示すように、ポケットプレート4の反ノッチプレート2側(図1及び図3右側)に配設される部材であり、略中央に穿設される軸孔71と、ポケットプレート4側(図1及び図3左側)の側面に突設される凸部72と、ローターガイド9側(図1及び図3右側)の側面に穿設される収納孔73と、その収納孔73に収納される第2弾性体74とを備えて構成されている。
なお、プッシュプレート7は、ボルト75でアーマチュア8と一体に固定されており、そのボルト75の先端がポケットプレート4側側面から張り出している。かかるボルト75の張出部は、ポケットプレート4の挿通孔49に挿通する。これにより、プッシュプレート7及びアーマチュア8は、ポケットプレート4と一体に回転する。
軸孔71は、出力軸120を挿通させるための孔であり、その内径寸法が出力軸の外径寸法よりも大きく設定されている。凸部72は、第1係合部33と係合するための部位であり、第1溝部46を介して第1爪部33と係合可能に構成されている。
収納孔73は、図3に示すように、第2弾性体74を収納するための孔であり、ローターガイド9側の側面に穿設されている。第2弾性体74は、図3に示すように、プッシュプレート7及びアーマチュア8を付勢する弾性部材であり、ローターガイド9のプッシュプレート7側(図3左側)側面に連結されて、プッシュプレート7及びアーマチュア8をポケットプレート4側(図3左側)へ向けて付勢する。
アーマチュア8は、図1及び図3に示すように、後述する電磁コイル10の起磁力により吸着される略円板状の磁性体であり、上述したように、ボルト75でプッシュプレート7と一体に固定されている。
ローターガイド9は、図1及び図3に示すように、アーマチュア8と電磁コイル10との間に介設される部材であり、略中央に穿設される軸孔91と、電磁コイル10側(図1及び図3右側)へ向けて張り出す張出部92とを備えて構成されている。なお、ローターガイド9は、上述したように、第1及び第2小径部62,63がなす段差と第3止め輪13とにより、軸心O方向(図1及び図3左右方向)の動きが規制されている。
軸孔91は、出力軸120を挿通させるための孔であり、その内径寸法が出力軸120の外径寸法よりも大きく設定されている。そして、ローターガイド9は、第2ベアリング132を介して出力軸120に挿通され、出力軸120に対して相対回転可能に構成されている。
張出部92は、図3に示すように、後述する電磁コイル10の軸孔101に挿通される部位であり、電磁コイル10側(図3右側)へ向けて張出形成されている。また、張出部92は、その外径寸法が軸孔101の内径寸法よりも小さく設定されている。
電磁コイル10は、通電により起磁力を励磁するための装置であり、略中央に穿設される軸孔101と、フランジ状に張出形成されるフランジ部102とを備えて構成されている。かかる電磁コイル10は、起磁力によりアーマチュア8を吸着して、プッシュプレート7及びアーマチュア8を電磁コイル10側(図1及び図3右側)へ移動させる。
軸孔101は、上述したように、ローターガイド9の張出部92を挿通させるための孔であり、電磁コイル10がローターガイド9に対して相対回転可能に構成されている。フランジ部102は、第3ベアリング133を介して出力軸120に挿通され、出力軸120に対して相対回転可能に構成されている。
ここで、図3を参照して、電磁コイル10の通電及び非通電を切り替えた場合における、2ウェイクラッチ1の動きについて説明する。まず、図3(a)に示すように、電磁コイル10が非通電の場合では、第2弾性体74によりプッシュプレート7がポケットプレート4側(図3(a)左側)へ付勢され、プッシュプレート7の凸部72とスライドプレート3の第1爪部33とが係合する。
かかる係合により、スライドプレート3は、プッシュプレート7に対する相対回転が規制される。即ち、スライドプレート3は、ポケットプレート4に対する相対回転が規制され、常に第1位置に位置する。その結果、各ストラット5は、スライドプレート3により揺動動作が規制され、ノッチプレート2の係合凹部22に係合不能となる。
これにより、例えば、入力軸110が正方向又は逆方向に回転した場合には、入力軸110と一体にノッチプレート2が回転する。ここで、上述したように、各ストラット5が係合凹部22に係合しないので、ノッチプレート2の回転トルクは、ポケットプレート4に伝達されない。その結果、入力軸110の回転トルクは、正方向又は逆方向いずれの回転方向に対しても伝達が遮断される。
なお、請求項1記載の「係合位置」とは、プッシュプレート7がポケットプレート4と当接して、プッシュプレート7の凸部72とスライドプレート3の第1爪部33とが係合する位置が該当する。
これに対し、図3(b)に示すように、電磁コイル10が通電した場合では、電磁コイル10の起磁力によりアーマチュア8が吸着され、アーマチュア8及びプッシュプレート7が電磁コイル10側(図3(b)右側)へ向けて移動する。かかるアーマチュア8及びプッシュプレート7の移動により、プッシュプレート7の凸部72とスライドプレート3の第1爪部33との係合が解除される。
その結果、スライドプレート3は、プッシュプレート7に対する相対回転が許容され、入力軸110の回転トルクが出力軸120へ伝達可能となる。なお、詳細については後述する(図4及び図5参照)。
また、請求項1記載の「非係合位置」とは、プッシュプレート7及びアーマチュア8がローターガイド9と当接して、プッシュプレート7の凸部72とスライドプレート3の第1爪部33との係合が解除される位置が該当する。
次に、図4及び図5を参照して2ウェイクラッチ1の回転トルクの伝達について説明する。図4(a)は、第2位置における2ウェイクラッチ1の正面図であり、図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb線における2ウェイクラッチ1の断面図である。また、図5(a)は、第3位置における2ウェイクラッチ1の正面図であり、図5(b)は、図5(a)のVb−Vb線における2ウェイクラッチ1の断面図である。
なお、図4(a)及び図5(a)では、理解を容易とするために、ノッチプレート2、第1及び第2止め輪11,12の図示が省略されると共に、ポケットプレート4及びストラット5の一部が点線で図示されている。また、図4(b)及び図5(b)では、ノッチプレート2、スライドプレート3及びポケットプレート4の周方向長さ(図4(b)及び図5(b)左右方向長さ)の図示が省略されている。
なお、第2位置及び請求項1及び2に記載の「第2位置」とは、図4(a)に示すように、第1位置に位置するスライドプレート3がポケットプレート4に対して矢印R方向(正方向)に相対回転し、窓孔32と第2収納凹部44bに収納されたストラット5の本体部51とが重なる位置が該当する。
また、第3位置及び請求項1及び2に記載の「第3位置」とは、図5(a)に示すように、第1位置に位置するスライドプレート3がポケットプレート4に対して矢印L方向(逆方向)に相対回転し、窓孔32と第1収納凹部44aに収納されたストラット5の本体部51とが重なる位置が該当する。
まず、図4を参照して第2位置における2ウェイクラッチ1について説明する。図4(a)に示すように、正回転の回転トルクを伝達させる場合には、まず、電磁コイル10(図3参照)を通電して、第1爪部33と凸部72との係合を解除する。
次に、入力軸110(図3参照)が矢印R方向(正方向)に回転し、その入力軸110と一体にノッチプレート2が矢印R方向に回転する。そして、ノッチプレート2の回転摩擦力により、スライドプレート3が第1位置から第2位置へ向けて矢印R方向に回転する。
スライドプレート3が第2位置に位置した場合には、図4(b)に示すように、第1ばね45の付勢力により、第2収納凹部44bに収納されたストラット5がノッチプレート2側(図4(b)上側)へ向けて揺動する。そして、ストラット5は、窓孔32を介してノッチプレート2の係合凹部23と係合する。なお、第1収納凹部44aに収納されたストラット5は、その本体部51がスライドプレート3に覆われているため、ノッチプレート2側への揺動動作が規制される。
そして、入力軸110が矢印R方向に更に回転した場合には、第2収納凹部44bに収納されたストラット5と係合凹部23との係合により、ポケットプレート4がノッチプレート2と一体に矢印R方向へ向けて回転する。かかるポケットプレート4の回転により、ポケットプレート4とスプライン嵌合する出力軸120が回転する。以上のようにして、正方向の回転トルクは、入力軸110から出力軸120に伝達される。
なお、出力軸120には、凸部(図示せず)が突設されると共に、その凸部の近接による磁気変化を電気信号に変換する回転センサ(図示せず)が配設されている。そして、電磁コイル10は、回転センサにより出力軸120の回転数が所定回転数であることを検出した場合に、通電にされる。即ち、正回転トルクの伝達時には、電磁コイル10は、通電にされる。
一方、入力軸110の回転が停止した場合には、ノッチプレート2の回転が停止する。そして、スライドプレート3は、第3ばね48の付勢力により、第2位置から第1位置へ向けて回転する。
ここで、電磁コイル10は、回転センサにより出力軸120の回転数が所定回転数であることを検出した場合に、非通電される。これにより、第1爪部33と凸部72とがひっかかる、即ち、スライドプレート3を円滑に第1位置に位置させて、回転トルクの伝達及び遮断を円滑に切り替えることができる。
なお、請求項4記載の「通電制御手段」とは、出力軸120の回転数が所定回転数であることを検出した場合に、電磁コイル10を所定時間通電する手段が該当する。
次に、図5を参照して第3位置における2ウェイクラッチ1について説明する。図5(a)に示すように、逆回転の回転トルクを伝達させる場合には、まず、電磁コイル10を通電して、第1爪部33と凸部72との係合を解除する。
次に、入力軸110が矢印L方向(逆方向)に回転し、その入力軸110と一体にノッチプレート2が矢印L方向に回転する。そして、ノッチプレート2の回転摩擦力により、スライドプレート3が第1位置から第3位置へ向けて矢印L方向に回転する。
スライドプレート3が第3位置に位置した場合には、図5(b)に示すように、第1ばね45の付勢力により、第1収納凹部44aに収納されたストラット5がノッチプレート2側(図5(b)上側)へ向けて揺動する。そして、ストラット5は、窓孔32を介してノッチプレート2の係合凹部23と係合する。なお、第2収納凹部44bに収納されたストラット5は、その本体部51がスライドプレート3に覆われているため、ノッチプレート2側への揺動動作が規制される。
そして、入力軸110が矢印L方向に更に回転した場合には、第1収納凹部44aに収納されたストラット5と係合凹部23との係合により、ポケットプレート4がノッチプレート2と一体に矢印L方向へ向けて回転する。かかるポケットプレート4の回転により、ポケットプレート4とスプライン嵌合する出力軸120が回転する。以上のように、逆方向の回転トルクは、入力軸110から出力軸120に伝達される。
なお、正回転トルクの伝達時と同様に、電磁コイル10は、回転センサにより出力軸120の回転数が所定回転数であることを検出した場合には、通電にされる。また、入力軸110の回転が停止した場合には、ノッチプレート2の回転が停止する。そして、スライドプレート3は、第3ばね48の付勢力により、第3位置から第1位置へ向けて回転する。
ここで、正回転トルクの伝達時と同様に、電磁コイル10は、回転センサにより出力軸120の回転数が所定回転数であることを検出した場合に、非通電される。これにより、スライドプレート3は、第1位置に位置して、第1爪部33と凸部72とが係合される。
以上のように、本発明の2ウェイクラッチ1では、プッシュプレート7及びアーマチュア8を軸心O方向に移動させることで、正方向及び逆方向における回転トルクの伝達及び遮断を切り替えることができる。その結果、従来の2ウェイクラッチのように、入力軸110又は出力軸120の加工が不要となるので、構造を単純化して、製造コストの低減を図ることができる。
また、プッシュプレート7、アーマチュア8及び電磁コイル10は、ポケットプレート4の軸心O方向他端側(図1右側)の側面に配設されている。これにより、回転トルクの伝達及び遮断を切り替える機構をポケットプレート4の外周周りに配設することが不要となり、2ウェイクラッチ1が径方向に大型化することを防止できる。
また、スライドプレート3は、ノッチプレート2の回転摩擦力により第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転するので、スライドプレート3を第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転させる機構が不要となり、その分、構造の単純化を図ることができる。その結果、製造コストの低減を図ることができる。
更に、第2位置又は第3位置に位置するスライドプレート3は、第3ばね48に付勢され、第1位置へ向けて自動的に回転する。これにより、スライドプレート3を第2位置又は第3位置から第1位置へ向けて回転させる制御が不要となり、その分、構造の単純化を図ることができる。その結果、製造コストの低減を図ることができる。
なお、本実施の形態では、プッシュプレート7及びアーマチュア8の移動は、第2ばね74及び電磁コイル10により行われている。しかしながら、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、シリンダを伸縮させて、プッシュプレート7及びアーマチュア8を移動させてもよい。
ただし、本実施の形態の2ウェイクラッチ1ように、第2ばね74及び電磁コイル10でプッシュプレート7及びアーマチュア8を移動させることが望ましい。これにより、シリンダでプッシュプレート7及びアーマチュア8を移動させる場合と比較して、2ウェイクラッチ1全体の小型化を図ることができる。
また、シリンダでプッシュプレート7及びアーマチュア8を移動させる場合では、プッシュプレート7及びアーマチュア8を係合位置に保持するために駆動力を付与する必要がある。これに対し、本実施の形態では、プッシュプレート7及びアーマチュア8は、第2ばね74の付勢力により係合位置に保持されるので、プッシュプレート7及びアーマチュア8を係合位置に保持するための駆動力を不要として、その分、消費エネルギーの低減を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施の形態では、回転トルクは、入力軸110から出力軸120へ伝達されるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、出力軸120から入力軸110へ伝達するように構成してもよい。
かかる場合には、プッシュプレート7及びアーマチュア8が非係合位置に位置した状態で、出力軸120と一体にポケットプレート4が回転する。そして、ポケットプレート4の回転摩擦力により、スライドプレート3が第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転して、回転トルクを入力軸110へ伝達する。
また、本実施の形態では、ノッチプレート2の係合凹部23が13つで構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、種々の範囲内で変更可能である。同様に、本実施の形態では、ストラット5は、6つで構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、種々の範囲内で変更可能である。
本発明の2ウェイクラッチの分解図である。 (a)は、2ウェイクラッチの正面図であり、(b)は、図2(a)のIIb−IIb線における2ウェイクラッチの断面図である。 (a)は、図2(a)のIII−III線における非通電時の2ウェイクラッチの断面図であり、(b)は、図2(a)のIII−III線における通電時の2ウェイクラッチの断面図である。 (a)は、第2位置における2ウェイクラッチの正面図であり、(b)は、図4(a)のIVb−IVb線における2ウェイクラッチの断面図である。 (a)は、第3位置における2ウェイクラッチの正面図であり、(b)は、図5(a)のVb−Vb線における2ウェイクラッチの断面図である。
符号の説明
1 2ウェイクラッチ
2 ノッチプレート
3 スライドプレート
4 ポケットプレート
5 ストラット
7 プッシュプレート
8 アーマチュア(移動装置の一部、プッシュプレートの一部)
10 電磁コイル(移動装置の一部、電磁コイル)
23 係合凹部
32 窓孔
33 第1爪部(第2係合部)
34 第2爪部(第3係合部)
44 収納凹部
45 第1ばね(第1弾性体)
46 第1溝部
47 第2溝部
48 第3ばね(第3弾性体)
72 凸部(第1係合部)
74 第2ばね(移動装置の一部、第2弾性体)

Claims (4)

  1. 一方の側面に凹設される複数の係合凹部を有するノッチプレートと、そのノッチプレートの係合凹部側の側面と対向する側面に凹設される複数の収納凹部を有するポケットプレートと、そのポケットプレートの収納凹部に収納されると共に前記ノッチプレートと係脱可能に設けられる複数のストラットと、そのストラットを前記ノッチプレート側へ付勢する第1弾性体と、前記ポケットプレートの収納凹部に対応して穿設される複数の窓孔を有し前記ノッチプレートとポケットプレートとの間に介装されるスライドプレートを備え、
    そのスライドプレートが前記複数のストラットの揺動動作を規制する第1位置に位置することにより、前記ストラットと係合凹部との係合を規制して、正方向及び逆方向の回転トルクの伝達を遮断すると共に、前記スライドプレートが前記ポケットプレートに対して前記第1位置から正方向に相対回転した第2位置又は前記第1位置から逆方向に相対回転した第3位置に位置することにより、前記窓孔を介して前記複数のストラットの内の少なくとも1つと前記係合凹部とが係合して、正方向又は逆方向の内のいずれか一方の回転トルクを伝達し、かつ、他方の回転トルクの伝達を遮断する2ウェイクラッチにおいて、
    前記ポケットプレートの反ノッチプレート側に配設されるプッシュプレートと、
    その前記プッシュプレートを軸方向に往復移動させる移動装置と、
    前記プッシュプレートに設けられ、前記ポケットプレート側へ向けて突設される第1係合部と、
    その第1係合部と係合可能に構成され、前記スライドプレートに前記ポケットプレート側へ向けて突設される第2係合部と、
    その第2係合部及び第1係合部を挿通可能に構成され、前記ポケットプレートに貫通形成される第1溝部とを備え、
    前記移動装置は、前記第1係合部と第2係合部とが係合する係合位置と前記第1係合部と第2係合部との係合が解除される非係合位置との間で前記プッシュプレートを往復移動させるものであり、
    前記移動装置が前記プッシュプレートを前記係合位置に位置させることにより、前記第1溝部を介して前記第1係合部と第2係合部とが係合して前記スライドプレートを前記第1位置に保持すると共に、前記移動装置が前記プッシュプレートを前記非係合位置に位置させることにより、前記第1係合部と第2係合部との係合が解除され前記スライドプレートが前記第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転可能に構成されていることを特徴とする2ウェイクラッチ。
  2. 前記プッシュプレートは、少なくともその一部に磁性を有して構成され、
    前記移動装置は、前記プッシュプレートを前記ポケットプレート側へ付勢する第2弾性体と、前記プッシュプレートの反ポケットプレート側に配設されると共に起磁力を励磁可能な電磁コイルとを備え、
    その電磁コイルの非通電時には、前記プッシュプレートが前記第2弾性体によって付勢されることにより、前記第1溝部を介して前記第1係合部と第2係合部とが係合して前記スライドプレートを前記第1位置に保持すると共に、前記電磁コイルの通電時には、前記プッシュプレートが前記電磁コイルの起磁力で前記第2弾性体の付勢方向と反対方向へ吸着されることにより、前記第1係合部と第2係合部との係合が解除され前記スライドプレートが前記第1位置から第2位置又は第3位置へ向けて回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の2ウェイクラッチ。
  3. 前記スライドプレートは、前記ポケットプレート側へ向けて突設される第3係合部を備え、
    前記ポケットプレートは、前記第3係合部を挿通可能に貫通形成される第2溝部と、その第2溝部に挿通された前記第3係合部と前記第2溝部の周方向両端部とを連結すると共に弾性材料から構成される一対の第3弾性体とを備え、
    その一対の第3弾性体は、前記スライドプレートを前記第1位置に保持するように前記第2溝部に挿通された前記第3係合部を付勢するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の2ウェイクラッチ。
  4. 前記電磁コイルの通電及び非通電を制御する通電制御手段を備え、
    その通電制御手段は、前記ノッチプレート及びポケットプレートの回転駆動が停止した後に、前記電磁コイルを通電して、前記電磁コイルに前記プッシュプレートを吸着させて前記スライドプレートを前記第1位置に位置させると共に、前記スライドプレートが前記第1位置に位置した後に、前記電磁コイルを非通電にして、前記第2弾性体によって付勢された前記プッシュプレートの第1係合部と前記スライドプレートの第2係合部とを係合させることを特徴とする請求項2記載の2ウェイクラッチ。
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