JP5796609B2 - クラッチ - Google Patents
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Description
本発明は、駆動側回転体に対する従動側回転体の連結状態を切り替えることによって、従動側回転体への動力の伝達状態を切り替えるクラッチに関する。
冷却水を循環させるための機械式のポンプとクランク軸とをクラッチを介して連結してクランク軸の回転力によってポンプを駆動させたり、クラッチによる連結を解除してポンプの駆動を停止したりすることのできるエンジンが知られている。クランク軸に対するポンプの連結状態を切り替えるためのクラッチとしては、クランク軸に連結された駆動側回転体と、駆動側回転体と相対回転可能に設けられた従動側回転体とを備え、これら回転体を磁石の磁力によって圧接することで、クラッチを連結状態に維持するものがある。
なお、こうしたクラッチにおいて連結状態を解除する場合には、同クラッチに設けられたコイルに対して通電制御を実行し、上記磁力を打ち消す磁界を発生させる(例えば、特許文献1)。
ところで、特許文献1のように、駆動側回転体と従動側回転体とを圧接してクラッチを連結状態にする場合には、同クラッチを介して伝達しなければいけないトルクの大きさ、すなわち従動側回転体によって回転駆動される機器が必要とするトルクの大きさが大きいほど大きな圧接力が必要になる。そして、圧接力を大きくするために磁石をより磁力の強いものに変更すると、それに伴い、その磁力を打ち消すためのコイルが大きくなる。
コイルが大きくなると装置が大型化したり、消費電力が大きくなったりしてしまうため、大きなトルクを伝達できるようにしながらも、連結状態の解除に要する力をできるだけ小さくしたいという要請がある。
なお、こうした課題は、上記のように磁界を発生させて磁石の磁力を打ち消すものに限らず、油圧によって連結状態を解除するものなど、アクチュエータによって駆動側回転体と従動側回転体とを相対移動させることにより連結を解除するクラッチにおいては、概ね共通したものとなっている。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小さな力で連結を解除することのできるクラッチを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するためのクラッチは、駆動側回転体と、該駆動側回転体に連結される連結位置と前記駆動側回転体に対する連結が解除される解除位置との間を前記駆動側回転体の軸方向に沿って移動可能な従動側回転体と、該従動側回転体を前記解除位置から前記連結位置に向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記従動側回転体の外周面には、同従動側回転体の軸を中心軸とする螺旋部と、同螺旋部に連続し且つ前記軸方向に直交して全周に亘って延びる環状部とを有する溝が設けられており、前記溝に挿脱可能であるとともに、前記軸方向への移動が規制されているピンを備え、連結を解除する際には、前記ピンを前記螺旋部に挿入して前記螺旋部の側壁と係合させることにより、前記従動側回転体の回転に伴って前記ピンの位置を前記螺旋部から前記環状部へと変位させるとともに、前記従動側回転体を前記付勢部材の付勢力に抗して前記解除位置まで移動させる。そして、クラッチは、前記ピンが前記環状部に位置している状態において前記ピンの位置が前記環状部から前記螺旋部に変位することを規制する規制部を備えている。
上記課題を解決するためのクラッチは、駆動側回転体と、該駆動側回転体に連結される連結位置と前記駆動側回転体に対する連結が解除される解除位置との間を前記駆動側回転体の軸方向に沿って移動可能な従動側回転体と、該従動側回転体を前記解除位置から前記連結位置に向けて付勢する付勢部材と、を備え、前記従動側回転体の外周面には、同従動側回転体の軸を中心軸とする螺旋部と、同螺旋部に連続し且つ前記軸方向に直交して全周に亘って延びる環状部とを有する溝が設けられており、前記溝に挿脱可能であるとともに、前記軸方向への移動が規制されているピンを備え、連結を解除する際には、前記ピンを前記螺旋部に挿入して前記螺旋部の側壁と係合させることにより、前記従動側回転体の回転に伴って前記ピンの位置を前記螺旋部から前記環状部へと変位させるとともに、前記従動側回転体を前記付勢部材の付勢力に抗して前記解除位置まで移動させる。そして、クラッチは、前記ピンが前記環状部に位置している状態において前記ピンの位置が前記環状部から前記螺旋部に変位することを規制する規制部を備えている。
上記構成によれば、従動側回転体が付勢部材の付勢力によって連結位置に向けて付勢される。そして、従動側回転体が連結位置にあるときには、駆動側回転体と従動側回転体とが連結状態となる。
一方で、駆動側回転体とともに回転している従動側回転体の螺旋部に、係止部材のピンが挿入されると、螺旋部の側壁にピンが係合した状態で従動側回転体が回転し、従動側回転体が付勢部材の付勢力に抗して連結位置から解除位置に移動する。その結果、駆動側回転体と従動側回転体との連結が解除される。
すなわち、上記構成によれば、クラッチの連結を解除するために必要な力を従動側回転体の回転力から得ることができる。したがって、小さな力で連結を解除することができる。
なお、駆動側回転体と従動側回転体との連結が解除されると、駆動側回転体から従動側回転体へのトルクの伝達がなされない状態になるが、連結が解除された直後は従動側回転体が慣性力で回転し続ける。ただし、従動側回転体が解除位置にあるときにはピンが従動側回転体の全周に亘って延びる環状部内に挿入されているため、従動側回転体は軸方向には変位しない。そして、駆動側回転体からのトルクの伝達がなされなくなっている従動側回転体の回転は次第に遅くなり、従動側回転体はやがて停止する。
上記構成では、従動側回転体が付勢部材の付勢力によって連結位置に向けて付勢されているため、連結を解除した状態を維持するために、ピンを従動側回転体の溝に挿入した状態を維持することになる。そして、再び駆動側回転体と従動側回転体とを連結させるときには、溝の環状部に挿入されているピンを引き抜く。こうしてピンを引き抜くと、ピンと従動側回転体との係合が解除され、付勢部材の付勢力によって従動側回転体が連結位置に移動し、駆動側回転体と従動側回転体とが再び連結された状態になる。
ここで、従動側回転体の外周面に形成される溝では、環状部が、螺旋部に連続しており、且つ従動側回転体の外周面の全周に亘っている。したがって、従動側回転体の溝には、環状部と螺旋部とが直接接続する接続部が存在している。そのため、ピンが環状部に挿入されており従動側回転体が解除位置にあるものの、慣性力で回転している状況においては、ピンが螺旋部と環状部との接続部を通じて環状部から螺旋部に変位してしまう可能性がある。従動側回転体は連結位置に向かって付勢部材によって付勢されているため、ピンが環状部から螺旋部に変位すると、付勢部材からの付勢力によってピンを螺旋部内で変位させるように従動側回転体が回転し、ピンを溝から抜脱していないにもかかわらず、従動側回転体が解除位置から連結位置に移動してしまう可能性がある。この点、上記構成では、ピンが環状部に位置している状態のときに、規制部によって、ピンが環状部から螺旋部に変位することを規制することができるため、ピンを溝から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
上記クラッチでは、前記溝には、前記螺旋部を構成する螺旋溝と、同螺旋溝よりも深く、前記環状部を構成する環状溝とが接続された接続部において段差が形成されており、前記規制部は、前記段差の側壁により構成されているといった態様を採用することができる。
この構成では、螺旋部を構成する螺旋溝よりも環状部を構成する環状溝のほうが深いため、螺旋溝と環状溝との接続部に段差が存在している。したがって、ピンが環状溝に挿入されている状態では、ピンが螺旋溝と環状溝との境界に存在するこの段差の側壁に係合することになる。そのため、ピンが環状溝から引き抜かれるように変位してこの段差を乗り越えない限りは、ピンが環状溝から螺旋溝に変位することはない。したがって、ピンが環状溝に挿入されている状態において、ピンが環状溝から螺旋溝に変位することを規制することができるため、ピンを溝から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
また、上記クラッチでは、前記環状部を構成する環状溝は、前記螺旋部を構成する螺旋溝が接続された接続部を含み、前記規制部は、前記環状溝の底面から突出して同環状溝の延伸方向に沿って少なくとも前記接続部の全長に亘り形成されている凸条と、前記ピンの先端に形成されて同ピンが前記接続部内に位置しているときに前記凸条が係合する凹部とからなるといった態様を採用することができる。
この構成によれば、従動側回転体が解除位置まで移動して慣性力で回転しており、ピンが接続部内に位置する状態になると、ピンの先端に設けられた凹部に環状溝に設けられた凸条が係合するようになる。凸条は環状溝の延伸方向に沿って接続部の全長に亘り形成されているため、従動側回転体が慣性力で回転して、ピンが環状溝の接続部まで移動し、ピンと溝の側面とが離間したとしても、凸条に係合しているピンは環状溝内に保持されることになる。
したがって、ピンが環状溝から引き抜かれるように変位して凹部と凸条との係合が解除されない限りは、ピンが環状溝から螺旋溝に変位することはない。これにより、ピンが環状溝に挿入されている状態において、ピンが環状溝から螺旋溝に変位することを規制することができるため、ピンを溝から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
また、上記クラッチでは、前記環状部を構成する環状溝は、前記螺旋部を構成する螺旋溝が接続された接続部を含み、前記規制部は、前記環状溝の底面に同環状溝の延伸方向に沿って少なくとも前記接続部の全長に亘り形成されている凹溝と、前記ピンの先端に形成されて同ピンが前記接続部内に位置しているときに前記凹溝に係合する凸部とからなるといった態様を採用することができる。
上記構成によれば、従動側回転体が解除位置まで移動して慣性力で回転しており、ピンが接続部内に位置する状態になると、ピンの先端に設けられた凸部が環状溝に形成された凹溝に係合するようになる。凹溝は環状溝の延伸方向に沿って接続部の全長に亘り形成されているため、従動側回転体が慣性力で回転して、ピンが環状溝の接続部まで移動し、ピンと溝の側面とが離間したとしても、凹溝に係合しているピンは環状溝内に保持されることになる。
したがって、ピンが環状溝から引き抜かれるように変位して凹溝とピンの凸部との係合が解除されない限りは、ピンが環状溝から螺旋溝に変位することはない。これにより、ピンが環状溝に挿入されている状態において、ピンが環状溝から螺旋溝に変位することを規制することができるため、ピンを溝から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
(第1実施形態)
以下、上記課題を解決するクラッチの第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
以下、上記課題を解決するクラッチの第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
第1実施形態のクラッチは、エンジンに設けられたクランク軸から、エンジンの冷却水を循環させるウォーターポンプへの動力の伝達状態を切り替えるものである。
図1に示すように、本実施形態のクラッチ100は、ハウジング300に設けられた収容部310に収容されている。ハウジング300には、略筒状をなす支持部材320が嵌め込まれている。クラッチ100の出力軸210は、支持部材320の内周側に配置された第1ベアリング330を介して、支持部材320に回転自在に支持されている。
図1に示すように、本実施形態のクラッチ100は、ハウジング300に設けられた収容部310に収容されている。ハウジング300には、略筒状をなす支持部材320が嵌め込まれている。クラッチ100の出力軸210は、支持部材320の内周側に配置された第1ベアリング330を介して、支持部材320に回転自在に支持されている。
出力軸210の先端側(図1では右端側)には、ポンプ200のインペラ220が一体回転可能に取り付けられている。一方、出力軸210の基端側(図1では左端側)には、駆動側回転体110が第2ベアリング340を介して回転自在に支持されている。そして、出力軸210における第1ベアリング330と第2ベアリング340との間に位置する部分の外周面には、ストレートスプライン212が形成されている。
図1に示すように、ハウジング300と駆動側回転体110との間には、従動側回転体120が配設されている。従動側回転体120は、内周面に設けられた係合部121が出力軸210のストレートスプライン212に嵌合しており、これにより、出力軸210と一体となって回転し、且つ出力軸210の軸方向に沿って移動可能となっている。なお、本実施形態では、出力軸210、駆動側回転体110及び従動側回転体120の回転軸は図1〜図3に一点鎖線で示すように一致しており、以下の説明ではこの回転軸の延伸方向を軸方向という。
従動側回転体120は、径の異なる2つの円柱を、中心軸を揃えて接合したような外形をなしており、駆動側回転体110側(図1では左側)に大径部122が、ポンプ200側(図1では右側)に小径部123が位置するような向きで出力軸210に支持されている。
従動側回転体120の小径部123には、ポンプ200側に向けて開口する凹部124が形成されている。凹部124の底部には、付勢部材135を収容するための収容凹部125が出力軸210を囲むように周方向に沿って複数形成されている。
付勢部材135は例えばコイル状のばねであり、従動側回転体120の収容凹部125に収容され、先端が出力軸210に設けられた係止突部211に係止されている。付勢部材135は、圧縮された状態で収容凹部125内に収容されており、従動側回転体120を駆動側回転体110に向かって(図1では左方向)に付勢する。
従動側回転体120の大径部122には、球体130を収容する球体収容溝127が周方向に複数形成されている。また、駆動側回転体110の内周面には、全周に亘って円弧溝111が形成されている。この円弧溝111は、図1に示すように断面形状が円弧状となっている。これら球体収容溝127と円弧溝111とによって形成される空間に球体130が収容されている。
従動側回転体120が付勢部材135の付勢力によって駆動側回転体110に近づくように移動し、図1に示される位置にあるときには、この球体130を介して駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結される。
なお、以下の説明では出力軸210に沿って軸方向に移動する従動側回転体120の軸方向における位置のうち、図1に示されるように駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結された状態になる位置を連結位置という。
駆動側回転体110には、ハウジング300の収容部310に収容されたクラッチ100を取り囲むようなカップ状の従動側プーリ270が取り付けられている。クランク軸250の端部には駆動側プーリ260が一体回転可能に取り付けられており、駆動側プーリ260と従動側プーリ270とは、ベルト280が巻き掛けられることにより連結されている。
したがって、図1に示すように、従動側回転体120が連結位置にあり、球体130を介して駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結されている場合には、クランク軸250の回転が駆動側プーリ260及びベルト280を介して従動側回転体120及び出力軸210に伝達される。そして、出力軸210と一体となって回転するインペラ220によって、ポンプ200から冷却水が送出される。なお、図2及び図3に矢印で示すように、駆動側回転体110は、出力軸210の先端側(図2及び図3では右端側)から駆動側回転体110を見たときに時計回りとなる方向に回転する。
図2及び図3に示すように、従動側回転体120の大径部122に形成された球体収容溝127は、大径部122の端面から軸方向に沿って延びるとともに、途中で屈曲し、駆動側回転体110の回転方向に沿って延びており、その終端が保持部128になっている。
球体収容溝127の深さは駆動側回転体110の回転方向に沿って浅くなっており、保持部128における深さが最も浅くなっている。
そのため、図2に示されるように球体130が球体収容溝127の軸方向に延びている部分に収容されているときには、球体収容溝127と駆動側回転体110の円弧溝111(図1参照)との間に、球体130の回転を許容する隙間が形成される。
そのため、図2に示されるように球体130が球体収容溝127の軸方向に延びている部分に収容されているときには、球体収容溝127と駆動側回転体110の円弧溝111(図1参照)との間に、球体130の回転を許容する隙間が形成される。
一方、図3に示されるように、球体130が球体収容溝127内を移動して保持部128内に位置するようになると、この部分における球体収容溝127と駆動側回転体110の円弧溝111(図1参照)との間にできる隙間が小さいため、球体130は従動側回転体120と駆動側回転体110とに挟まれて回転不能になる。
こうして従動側回転体120が図3に示す連結位置に移動したときに球体130が回転不能になることで、従動側回転体120が駆動側回転体110と一緒に回転するようになる。すなわち、球体130は、従動側回転体120が連結位置に移動したときに従動側回転体120と駆動側回転体110との間に回転不能に嵌合されて、従動側回転体120を駆動側回転体110に対して連結する。
一方、従動側回転体120が図2に示す位置に移動したときには、球体130が保持部128から外れて球体収容溝127の軸方向に延びている部分に入る。これは、球体130は、そのほぼ半分が駆動側回転体110の円弧溝111に収容されており、駆動側回転体110に対する軸方向の相対移動を規制されているためである。こうして球体130が深さの浅くなっている保持部128から外れて、保持部128よりも深くなっている軸方向に延びている部分に入ると、従動側回転体120と駆動側回転体110との間で球体130が回転するようになる。その結果、駆動側回転体110と従動側回転体120との相対回動が許容されるようになり、従動側回転体120の駆動側回転体110に対する連結が解除される。
なお、以下の説明では出力軸210に沿って軸方向に移動する従動側回転体120の軸方向における位置のうち、図2に示されるように駆動側回転体110と従動側回転体120との連結が解除された状態になる位置を解除位置という。
図2に示すように、従動側回転体120の小径部123の外周面には、周方向に延びる溝400が形成されている。溝400は、軸方向に対して傾斜して延びる螺旋部としての螺旋溝410と、軸方向に直交して延びる環状部としての環状溝420とを有している。螺旋溝410は、従動側回転体120の外周面を一周して、駆動側回転体110の回転方向後方側ほど駆動側回転体110に近づくように傾斜している。また、環状溝420は、螺旋溝410に連続し且つ従動側回転体120の外周面の全周に亘って形成されている。なお、溝400の構成については、後に詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、クラッチ100は、係止部材140と、係止部材140の先端に設けられるピン141を溝400に出し入れするためのアクチュエータ150とを備えている。係止部材140は軸方向の位置が規制されている。図3に示すように、従動側回転体120が連結位置にあるときに、溝400における螺旋溝410の始端411近傍にピン141が挿入できるように軸方向における位置が設定されている。これにより、係止部材140は従動側回転体120が連結位置にあるときに、アクチュエータ150によって従動側回転体120側に駆動されると、ピン141が螺旋溝410の始端411近傍に挿入されることになる。螺旋溝410に挿入されたピン141は、螺旋溝410の側壁413と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。
従動側回転体120が駆動側回転体110と連結されている状態において、螺旋溝410に係止部材140のピン141が挿入されると、螺旋溝410の側壁413にピン141が係合した状態で従動側回転体120が回転する。そして、ピン141が螺旋溝410の側壁413を摺動する間に、従動側回転体120が連結位置から解除位置に向かって軸方向に移動する。ピン141が螺旋溝410の終端412に到達すると、ピン141は環状溝420に挿入され、従動側回転体120が連結位置から解除位置に移動する。このようにして、クラッチ100では、溝400に係止部材140のピン141を挿入し、螺旋溝410の側壁413にピン141を係合させることによって従動側回転体120を付勢部材135の付勢力に抗して解除位置まで移動させる。
なお、駆動側回転体110と従動側回転体120との連結が解除されると、駆動側回転体110から従動側回転体120へのトルクの伝達がなされない状態になるが、連結が解除された直後は従動側回転体120が慣性力で回転し続ける。ただし、従動側回転体120が解除位置にあるときにはピン141が従動側回転体120の全周に亘って延びる環状溝420内に挿入されているため、従動側回転体120は軸方向には変位しない。そして、従動側回転体120には、駆動側回転体110からのトルクの伝達がなされなくなっているため、その回転速度が次第に低下して回転が停止する。
従動側回転体120は、付勢部材135の付勢力によって連結位置に向けて付勢されているため、連結を解除した状態を維持するためには、係止部材140のピン141を従動側回転体120の環状溝420に挿入した状態を維持することになる。そして、再び駆動側回転体110と従動側回転体120とを連結させるときには、アクチュエータ150により溝400の環状溝420に挿入されているピン141を引き抜く。こうしてピン141を引き抜くと、係止部材140と従動側回転体120との係合が解除され、付勢部材135の付勢力によって従動側回転体120が連結位置に移動し、駆動側回転体110と従動側回転体120とが再び連結された状態になる。
ここで、従動側回転体120の外周面に形成される溝400では、環状溝420が、螺旋溝410に連続しており、且つ従動側回転体120の外周面の全周に亘っている。したがって、従動側回転体120の溝400には、環状溝420と螺旋溝410とが接続する接続部が存在している。そのため、ピン141が環状溝420に挿入されており従動側回転体120が解除位置にあるものの、慣性力で回転している状況においては、ピン141が螺旋溝410と環状溝420との接続部を通じて螺旋溝410に変位してしまう可能性がある。そこで、本実施形態のクラッチ100は、ピン141が環状溝420に挿入されている状態において、ピン141が環状溝420から螺旋溝410に変位することを規制する規制部を備えている。
この規制部は、以下のようにして構成されている。すなわち、図2〜図4に示すように、上記溝400において、環状溝420は、螺旋溝410よりも深く形成されており、環状溝420と螺旋溝410とは、段差がある状態で接続されている。そして、本実施形態では、この段差、すなわち環状溝420の側壁423が、規制部を構成している。
なお、図2及び図3に示すように、螺旋溝410の幅は、始端411側よりも終端412側において狭くなっている。そのため、ピン141が螺旋溝410の始端411側に挿入された後に、従動側回転体120が回転してピン141の挿入位置が螺旋溝410の終端412に達すると、ピン141が螺旋溝410の側壁413に押圧されることによって、螺旋溝410よりも深い環状溝420に挿入されるようになっている。
また、図4に示すように、螺旋溝410の深さは、始端411から終端412にかけて漸次深くなっている。そして、環状溝420の深さは、螺旋溝410の終端412に対応する環状溝420の始端421において、従動側回転体120の周方向における他の部位よりも相対的に浅くなっている。したがって、環状溝420の底面と螺旋溝410の底面との間の距離は、螺旋溝410の終端412及び環状溝420の始端421において他の部位よりも相対的に短くなっている。すなわち、この部位では、螺旋溝410と環状溝420との段差が相対的に小さくなっている。したがって、この段差が周方向において一定の大きさに設定されている場合に比べて、ピン141が、螺旋溝410の終端412に達して同螺旋溝410よりも深い環状溝420に挿入されるときの衝撃が緩和される。なお、この部位における段差は、こうした衝撃を緩和しつつ、ピン141の環状溝420から螺旋溝410への変位を抑制することができる大きさに設定されている。
次に、アクチュエータ150の構成について詳述する。
図4に示すように、本実施形態のアクチュエータ150は、第1ケース152内に収容されたコイル153に通電することによって発生する磁界の作用を利用して駆動する電磁アクチュエータである。
図4に示すように、本実施形態のアクチュエータ150は、第1ケース152内に収容されたコイル153に通電することによって発生する磁界の作用を利用して駆動する電磁アクチュエータである。
第1ケース152は、有底筒状をなしており、その底部には固定芯154が固定されている。第1ケース152の内部にはこの固定芯154を取り囲むようにコイル153が配設されている。すなわち、このアクチュエータ150では、固定芯154とコイル153とによって電磁石が構成されている。また、第1ケース152のコイル153内には、固定芯154と対向する位置に可動芯155が移動可能に収容されている。なお、本実施形態における固定芯154及び可動芯155は鉄芯である。
第1ケース152の先端側(図4では右端側)には、筒状の第2ケース158が固定されている。第2ケース158において第1ケース152側の端部には、可動芯155の周囲を囲むように永久磁石159が固定されている。可動芯155は、上述したように基端側(図4では左端側)が固定芯154と対向するように第1ケース152内に収容される一方、先端側(図4では右端側)が第2ケース158から外側に突出している。
可動芯155の第2ケース158内に収容されている部分にはリング部材160が取り付けられている。そして、第2ケース158内には、一端が第2ケース158に係止される一方で他端がリング部材160に係止されたコイルばね161が圧縮された状態で収容されている。
コイルばね161は、可動芯155を第2ケース158から突出させる方向(図4では右方向)に付勢している。そして、可動芯155の第2ケース158から突出した先端側は、固定ピン162を介して係止部材140と連結されている。
係止部材140は、基端が可動芯155と回動可能に連結されるとともに、回動軸156によって回動可能に支持されている。したがって、係止部材140は、可動芯155の移動に伴って、回動支点となる回動軸156を中心に回動する。そのため、図4に実線で示すように、コイルばね161の付勢力によって可動芯155が第2ケース158から突出した度合が大きくなることによって、係止部材140のピン141が従動側回転体120の螺旋溝410及び環状溝420へと順次挿入される。
そして、この状態でコイル153に通電すると、通電によって発生する磁界によって固定芯154及び可動芯155が磁化され、可動芯155はコイルばね161の付勢力に抗して固定芯154側に吸引される。なお、このときにコイル153に発生する磁界の向きは、永久磁石159の磁界と向きと一致している。
吸引された可動芯155が固定芯154に近づく方向(図4では左方向)に移動すると、係止部材140は図4における時計回りに回動して、係止部材140の先端が溝400から引き抜かれる。すなわち、アクチュエータ150は、コイル153への通電によって生じる磁力を利用して可動芯155を吸引することにより、係止部材140を溝400から引き抜く。
そして、吸引された可動芯155が固定芯154に当接する当接位置(図4に二点鎖線で示す位置)に移動すると、その後に通電を停止しても、永久磁石159の磁力によって、可動芯155が固定芯154に当接した状態が保持される。
一方、可動芯155が図4に二点鎖線で示す当接位置にあるときに、コイル153に可動芯155を吸引するときとは反対方向の電流を通電すると、永久磁石159の磁界の向きとは逆向きの磁界が発生する。これにより、永久磁石159の吸引力が弱められ、コイルばね161の付勢力によって可動芯155が固定芯154から離間して、図4に実線で示す突出位置に移動する。そして、可動芯155が当接位置から突出位置に移動するとき、係止部材140は図4における反時計回りに回動して、係止部材140のピン141が溝400に挿入される。
可動芯155が固定芯154から離間した突出位置にあるときには、コイルばね161による付勢力の方が永久磁石159による吸引力よりも大きくなる。そのため、コイル153への通電によって可動芯155を固定芯154から離間させれば、その後に通電を停止しても、可動芯155は突出位置に保持される。
すなわち、本実施形態のアクチュエータ150は、異なる方向に直流電流を流して可動芯155を移動させることによってクラッチ100の連結状態を切り変える一方で、連結させた状態または連結を解除した状態を維持するときには通電を要さない自己保持式のソレノイドである。
次に、本実施形態にかかるクラッチ100の作用について説明する。
図4に二点鎖線で示すように、アクチュエータ150の可動芯155が当接位置にあるとき、係止部材140のピン141は溝400の外に出ている。このとき、従動側回転体120は付勢部材135の付勢力によって連結位置に保持されているため、クラッチ100は連結状態にある。すなわち、クラッチ100は駆動側回転体110の回転を出力軸210に伝達している。
図4に二点鎖線で示すように、アクチュエータ150の可動芯155が当接位置にあるとき、係止部材140のピン141は溝400の外に出ている。このとき、従動側回転体120は付勢部材135の付勢力によって連結位置に保持されているため、クラッチ100は連結状態にある。すなわち、クラッチ100は駆動側回転体110の回転を出力軸210に伝達している。
こうした状態において、アクチュエータ150のコイル153に永久磁石159の磁界の向きと逆向きの磁界を発生させるように通電すると、可動芯155がコイルばね161の付勢力によって当接位置から図4に実線で示す突出位置に移動する。すると、係止部材140が図4における反時計回りに回動するのに伴って、係止部材140のピン141が、従動側回転体の溝400における螺旋溝410の始端411近傍に挿入されて、従動側回転体120を係止し、図3に示す状態となる。
ピン141が従動側回転体120を係止した状態で従動側回転体120が駆動側回転体110とともに回転して、ピン141が螺旋溝410内を相対的に移動する間に、従動側回転体120は連結位置から解除位置に向かって移動し、図3に示す状態から図2に示す状態へと変化する。このようにして、ピン141が環状溝420に挿入される状態となり、従動側回転体120が解除位置に到達する。これにより、駆動側回転体110の回転が従動側回転体120に伝達されなくなり、クラッチ100の連結が解除された状態になる。
従動側回転体120と駆動側回転体110との連結が解除された直後は、図3に示すように、従動側回転体120は、環状溝420に挿入された状態で、ピン141との間に生じる摩擦力の作用を受けつつ、慣性力によって回転を続ける。そして、ピン141が環状溝420に挿入された状態で、従動側回転体120が回転している状態では、ピン141が螺旋溝410と環状溝420との境界に存在する段差、すなわち、環状溝420の側壁423に係合している。そのため、ピン141が環状溝420から引き抜かれるように変位してこの段差を乗り越えない限りは、ピン141が螺旋溝410に変位することはなく、ピン141が環状溝420から螺旋溝410に変位することが規制される。こうして、従動側回転体120の環状溝420に係止部材140のピン141が挿入された状態で、従動側回転体120は回転し、回転速度が次第に低下して、その回転がやがて停止する。
一方、クラッチ100を、連結を解除している状態から連結状態に切り替えるときには、アクチュエータ150のコイル153に永久磁石159の磁界の向きと同じ向きの磁界を発生させるように通電する。すると、可動芯155は通電によって生じる磁力によって固定芯154に近づくように吸引されて、図4に実線で示す突出位置から同図4に二点鎖線で示す当接位置に移動する。これにより、係止部材140が図4における時計回りに回動して、係止部材140のピン141が溝400から完全に引き抜かれる。
そして、係止部材140による係止が解除された従動側回転体120は、付勢部材135の付勢力によって連結位置に移動し、従動側回転体120と駆動側回転体110とが連結され、クラッチ100が連結状態に切り替わる。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)本実施形態では、従動側回転体120の螺旋部に、係止部材140のピン141が挿入されると、螺旋部の側壁413にピン141が係合した状態で従動側回転体120が回転し、従動側回転体120が付勢部材135の付勢力に抗して連結位置から解除位置に移動する。このようにして、クラッチ100の連結を解除するために必要な力を従動側回転体120の回転力から得ることができるため、小さな力で駆動側回転体110と従動側回転体120連結を解除することができる。
(1)本実施形態では、従動側回転体120の螺旋部に、係止部材140のピン141が挿入されると、螺旋部の側壁413にピン141が係合した状態で従動側回転体120が回転し、従動側回転体120が付勢部材135の付勢力に抗して連結位置から解除位置に移動する。このようにして、クラッチ100の連結を解除するために必要な力を従動側回転体120の回転力から得ることができるため、小さな力で駆動側回転体110と従動側回転体120連結を解除することができる。
(2)本実施形態では、ピン141が環状溝420に挿入されている状態では、ピン141が螺旋溝410と環状溝420との境界に存在する段差の側壁423に係合することになる。そのため、ピンが環状溝420から引き抜かれるように変位してこの段差を乗り越えない限りは、ピン141が螺旋溝410に変位することはない。すなわち、ピン141が環状溝420に挿入されている状態において、螺旋溝410と環状溝420との境界に存在する段差の側壁423が規制部として作用する。したがって、ピン141が環状溝420から螺旋溝410に変位することを規制することができるため、ピン141を溝400から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体120が解除位置に変位してしまうことを抑制することができる。
(3)本実施形態では、環状溝420の深さは、その始端421近傍において従動側回転体120の周方向の他の部位よりも相対的に浅くなっているとともに、螺旋溝410の深さは、始端411から終端412にかけて漸次深くなっている。したがって、螺旋溝410の終端412と環状溝420の始端421との段差が、他の部位よりも相対的に小さくなる。これにより、環状溝420と螺旋溝410との段差を従動側回転体120の周方向において一定の大きさに設定した場合に比べて、ピン141が、螺旋溝410から同螺旋溝410よりも深い環状溝420に挿入される際の衝撃を緩和することができる。
(第2実施形態)
次に、上記課題を解決するクラッチの第2実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。
次に、上記課題を解決するクラッチの第2実施形態について、図5〜図7を参照して説明する。
図5に示すように、第2実施形態のクラッチ500は、従動側回転体510の小径部511の外周面に形成される溝520の構成、及び係止部材550のピン560の構成が第1実施形態と異なっている。その他の構成は、第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、第1実施形態と同じ符号を用いるとともに、その説明を適宜省略する。
本実施形態では、従動側回転体510の溝520が、軸方向に対して傾斜して延びる螺旋溝530と、同螺旋溝530に連続し且つ軸方向に直交して従動側回転体510の外周面の全周に亘って延びる環状溝540とを有している。
図5〜図7に示すように、溝520の環状溝540は、螺旋溝530と同じ深さであり、螺旋溝530に接続されている接続部541と、螺旋溝530に接続されていない非接続部542とからなる。なお、図5〜図7では、環状溝540の接続部541における螺旋溝530との境界を二点鎖線で示している。なお、この境界を示す二点鎖線は環状溝540の非接続部542の側壁544の延長線と等しい。
環状溝540には、同環状溝540の底面から突出して環状溝540の延伸方向に沿って延びる凸条543が形成されている。凸条543は、接続部541の全長に亘り形成されており、その両端が非接続部542に位置している。環状溝540の凸条543は、一定の幅を有し、螺旋溝530の側壁531と同じ傾斜角度で従動側回転体510の軸方向に対して傾斜している。これにより、図7に示すように、従動側回転体510の周方向において、螺旋溝530の側壁531から凸条543までの距離は一定の距離d1となっている。
図5〜図7に示すように、係止部材550のピン560には、先端に上記凸条543が進入可能な凹部561が形成されている。なお、図7では、従動側回転体510が回転している状態において、係止部材550のピン560が溝520内を相対移動するときの様子を二点鎖線で描いたピン560を複数表示することによって示している。本実施形態では、環状溝540の底面に形成される凸条543とピン560の凹部561とが、規制部を構成している。
図7に示すように、係止部材550のピン560の幅d2は、螺旋溝530の側壁531から凸条543までの距離d1よりも僅かに小さくなっている。また、凸条543の始端、すなわち、従動側回転体510の回転に伴ってピン560が最初に到達する凸条543の端部から環状溝540の側壁544までの距離d3は、ピン560の側面から凹部561までの長さd4とほぼ同じであるが僅かに大きくなっている。そして、凹部561の幅d5は、凸条543の幅d6よりも大きくなっている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
図6に示すように、従動側回転体510が駆動側回転体110と連結された状態で、アクチュエータ150の動作により係止部材550のピン560が溝520の螺旋溝530における始端532に挿入されると、ピン560が、螺旋溝530の側壁531と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。そして、従動側回転体510が回転するのに伴って、ピン560が螺旋溝530の側壁531と係合しつつ溝520内を周方向に相対的に移動する。ここで、ピン560の幅d2が、螺旋溝530の側壁531から凸条543までの距離d1よりも僅かに小さいため、ピン560が螺旋溝530の側壁531と係合して溝520内を相対的に移動する際に、ピン560の移動が凸条543によって妨げられることがなく、ピン560は螺旋溝530内を相対的に移動する。これにより、ピン560が環状溝540に達し、従動側回転体510の回転に伴ってピン560が溝520における環状溝540内を相対的に移動する状態となり、従動側回転体510が慣性力により解除位置で回転する。
図6に示すように、従動側回転体510が駆動側回転体110と連結された状態で、アクチュエータ150の動作により係止部材550のピン560が溝520の螺旋溝530における始端532に挿入されると、ピン560が、螺旋溝530の側壁531と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。そして、従動側回転体510が回転するのに伴って、ピン560が螺旋溝530の側壁531と係合しつつ溝520内を周方向に相対的に移動する。ここで、ピン560の幅d2が、螺旋溝530の側壁531から凸条543までの距離d1よりも僅かに小さいため、ピン560が螺旋溝530の側壁531と係合して溝520内を相対的に移動する際に、ピン560の移動が凸条543によって妨げられることがなく、ピン560は螺旋溝530内を相対的に移動する。これにより、ピン560が環状溝540に達し、従動側回転体510の回転に伴ってピン560が溝520における環状溝540内を相対的に移動する状態となり、従動側回転体510が慣性力により解除位置で回転する。
また、上記の通り、凸条543の始端から環状溝540の側壁544までの距離d3は、ピン560の側面から凹部561までの長さd4とほぼ同じであるが僅かに大きい。そして、凹部561の幅d5は、凸条543の幅d6よりも大きい。そのため、従動側回転体510の回転によりピン560が環状溝540を相対的に移動して凸条543の始端に達すると、凹部561に環状溝540に設けられた凸条543が進入してこれらが係合するようになる。凸条543は環状溝540の延伸方向に沿って接続部541の全長に亘り形成されている。そのため、従動側回転体510が慣性力で回転して、ピン560が環状溝540の接続部541まで移動し、ピン560と溝520の側面、すなわち環状溝540の非接続部542における側壁544とが離間したとしても、ピン560は凸条543に係合しているため、環状溝540内に保持される。
そして、クラッチ500を、連結を解除している状態から連結状態に切り替えるときには、アクチュエータ150の駆動により、係止部材550のピン560を溝520の環状溝540から引き抜く。これにより、ピン560の凹部561と環状溝540の凸条543との係合も解除されることになる。このようにして、係止部材550のピン560が溝520から引き抜かれることにより、従動側回転体510が付勢部材135の付勢力によって連結位置に移動し、従動側回転体510と駆動側回転体110とが連結されてクラッチ500が連結状態に切り替わる。
第2実施形態では、上記第1実施形態における(1)と同等の効果、及び以下の(4)の効果を奏することができる。
(4)本実施形態では、ピン560が環状溝540から引き抜かれるように変位してピン560の凹部561と環状溝540の凸条543との係合が解除されない限りは、ピン560が環状溝540から螺旋溝530に変位することはない。すなわち、ピン560が環状溝540に挿入されている状態において、ピン560の凹部561と環状溝540の凸条543とが規制部として作用する。したがって、ピン560が環状溝540から螺旋溝530に変位することを規制することができるため、ピン560を溝520から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体510が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
(4)本実施形態では、ピン560が環状溝540から引き抜かれるように変位してピン560の凹部561と環状溝540の凸条543との係合が解除されない限りは、ピン560が環状溝540から螺旋溝530に変位することはない。すなわち、ピン560が環状溝540に挿入されている状態において、ピン560の凹部561と環状溝540の凸条543とが規制部として作用する。したがって、ピン560が環状溝540から螺旋溝530に変位することを規制することができるため、ピン560を溝520から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体510が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、上記課題を解決するクラッチの第3実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。
次に、上記課題を解決するクラッチの第3実施形態について、図8〜図10を参照して説明する。
図8に示すように、第3実施形態のクラッチ600は、従動側回転体610の小径部611の外周面に形成される溝620の構成、及び係止部材650のピン660の構成が上記各実施形態と異なっている。その他の構成は、第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、第1実施形態と同じ符号を用いるとともに、その説明を適宜省略する。
本実施形態では、従動側回転体610の溝620が、軸方向に対して傾斜して延びる螺旋溝630と、同螺旋溝630に連続し且つ軸方向に直交して従動側回転体610の外周面の全周に亘って延びる環状溝640とを有している。
図8〜図10に示すように、溝620の環状溝640は、螺旋溝630と同じ深さであり、螺旋溝630に直接接続されている接続部641と、螺旋溝630に直接接続されていない非接続部642とからなる。なお、図8〜図10では、環状溝640の接続部641における螺旋溝630との境界を二点鎖線で示している。なお、この境界を示す二点鎖線は環状溝640の非接続部642の側壁644の延長線と等しい。
環状溝640には、環状溝640の延伸方向に沿って延びる凹溝643が形成されている。詳細には、凹溝643は、従動側回転体610の軸方向と直交する方向に延びている。また、凹溝643は、環状溝640の全長に亘って形成されている。すなわち、凹溝643は、従動側回転体610の外周面の全周に亘って形成されている。
図8〜図10に示すように、係止部材650のピン660には、先端に上記凹溝643に挿入可能な凸部661が形成されている。なお、図10では、従動側回転体610が回転している状態において、係止部材650のピン660が溝620内を相対移動するときの様子を二点鎖線で描いたピン660を複数表示することによって示している。本実施形態では、環状溝640の底面に形成される凹溝643とピン660の凸部661とが、規制部を構成している。
図10に示すように、係止部材650のピン660の側面から凸部661までの長さd1は、環状溝640の側壁644から凹溝643までの距離d2とほぼ同じであるが僅かに大きい。また、ピン660の凸部661の幅d3は、環状溝640の凹溝643の幅d4よりも狭くなっている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
図9に示すように、従動側回転体610が駆動側回転体110と連結された状態で、アクチュエータ150の動作により係止部材650のピン660が溝620の螺旋溝630における始端632に挿入されると、ピン660が、螺旋溝630の側壁631と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。そして、従動側回転体610が回転するのに伴って、ピン660が螺旋溝630の側壁631と係合しつつ溝620内を周方向に相対移動する。これにより、ピン660が環状溝640に達し、従動側回転体610が解除位置に移動して慣性力で回転し、図8に示すように、ピン660が環状溝640内を相対的に移動する状態となる。
図9に示すように、従動側回転体610が駆動側回転体110と連結された状態で、アクチュエータ150の動作により係止部材650のピン660が溝620の螺旋溝630における始端632に挿入されると、ピン660が、螺旋溝630の側壁631と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。そして、従動側回転体610が回転するのに伴って、ピン660が螺旋溝630の側壁631と係合しつつ溝620内を周方向に相対移動する。これにより、ピン660が環状溝640に達し、従動側回転体610が解除位置に移動して慣性力で回転し、図8に示すように、ピン660が環状溝640内を相対的に移動する状態となる。
上記のように、係止部材650のピン660の側面から凸部661までの長さd1は、環状溝640の側壁644から凹溝643までの距離d2とほぼ同じであるが僅かに大きい。また、ピン660の凸部661の幅d3は、環状溝640の凹溝643の幅d4よりも狭くなっている。そのため、従動側回転体610が回転して、ピン660が環状溝640内を相対的に移動する状態になると、ピン660の凸部661が環状溝640に形成された凹溝643に進入してこれらが係合するようになる。凹溝643は環状溝640の延伸方向に沿って同環状溝640の全長に亘り形成されている。そのため、従動側回転体610が慣性力で回転して、ピン660が環状溝640の接続部641まで移動し、ピン660と溝620の側面、すなわち環状溝640の非接続部642における側壁644とが離間したとしても、ピン660の凸部661が凹溝643に係合しているため、ピン660は環状溝640内に保持されることになる。
そして、クラッチ600を、連結を解除している状態から連結状態に切り替えるときには、アクチュエータ150の駆動により、係止部材650のピン660を溝620の環状溝640から引き抜く。これにより、ピン660の凸部661が環状溝640の凹溝643から抜き出され、ピン660の凸部661と環状溝640の凹溝643との係合も解除される。そして、従動側回転体510は、付勢部材135の付勢力によって連結位置に移動し、従動側回転体510と駆動側回転体110とが連結されてクラッチ500が連結状態に切り替わる。
第3実施形態では、上記第1実施形態における(1)と同等の効果、及び以下の(5)の効果を奏することができる。
(5)本実施形態では、ピン660が環状溝640から引き抜かれるように変位して凹溝643とピン660の凸部661との係合が解除されない限りは、ピン660が環状溝640から螺旋溝630に変位することはない。すなわち、ピン660が環状溝640に挿入されている状態において、凹溝643とピン660の凸部661とが規制部として作用する。したがって、ピン660が環状溝640から螺旋溝630に変位することを規制することができるため、ピン660を凹溝643から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体610が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
(5)本実施形態では、ピン660が環状溝640から引き抜かれるように変位して凹溝643とピン660の凸部661との係合が解除されない限りは、ピン660が環状溝640から螺旋溝630に変位することはない。すなわち、ピン660が環状溝640に挿入されている状態において、凹溝643とピン660の凸部661とが規制部として作用する。したがって、ピン660が環状溝640から螺旋溝630に変位することを規制することができるため、ピン660を凹溝643から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体610が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
(第3実施形態の変形例)
図11に示すように、本変形例は、従動側回転体の溝670において、螺旋溝680の構成が第3実施形態と異なっている。詳細には、本変形例では、螺旋溝680にも、螺旋溝680の延伸方向に沿って延びる凹溝681が形成されている。そして、螺旋溝680の凹溝681は、環状溝640の凹溝643に接続されている。
図11に示すように、本変形例は、従動側回転体の溝670において、螺旋溝680の構成が第3実施形態と異なっている。詳細には、本変形例では、螺旋溝680にも、螺旋溝680の延伸方向に沿って延びる凹溝681が形成されている。そして、螺旋溝680の凹溝681は、環状溝640の凹溝643に接続されている。
これにより、従動側回転体610が駆動側回転体110と連結された状態で、アクチュエータ150の動作により係止部材650のピン660が溝620の螺旋溝630に挿入されると、ピン660が、螺旋溝630の側壁631と係合する。また、ピン660の凸部661が螺旋溝680の凹溝681に進入することによって、ピンの凸部661と螺旋溝680の凹溝681とが係合する。そして、従動側回転体の回転に伴って、ピン660が螺旋溝630を相対的に移動する際に、ピンの凸部661と螺旋溝680の凹溝681との係合が保持され、この係合が保持された状態で、ピン660が環状溝640に達する。そのため、ピンが環状溝640に達したときには、ピン660の凸部661が、螺旋溝680の凹溝681と環状溝640の凹溝643との接続部を通じて、環状溝640の凹溝643に進入する。すなわち、螺旋溝680の凹溝681は、ピン660の凸部661が環状溝640の凹溝643に進入するのをガイドする。
本実施形態においても、凹溝643は環状溝640の延伸方向に沿って同環状溝640の全長に亘り形成されている。そのため、従動側回転体610が慣性力で回転して、ピン660が環状溝640の接続部641まで移動し、ピン660と溝620の側面とが離間したとしても、ピン660の凸部661が凹溝643に係合しているため、ピン660は環状溝640内に保持されることになる。
なお、その他の構成、作用及び効果は第3実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、上記課題を解決するクラッチの第4実施形態について、図12を参照して説明する。
(第4実施形態)
次に、上記課題を解決するクラッチの第4実施形態について、図12を参照して説明する。
図12に示すように、第4実施形態のクラッチ700は、従動側回転体710の構成、及び係止部材750の構成が上記各実施形態と異なっている。なお、その他の構成は、第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、第1実施形態と同じ符号を用いるとともに、その説明を適宜省略する。また、従動側回転体710が軸方向に変位することによる球体収容溝127内での球体130の位置の変化と、それによる連結状態と連結を解除した状態との切り換え態様は、第1実施形態と同様である。そのため、図12にあっては球体130と球体収容溝127の図示は省略している。
図12に示すように、従動側回転体710の小径部711の溝720は、軸方向に対して傾斜して延びる螺旋溝730と、同螺旋溝730に連続し且つ軸方向に直交して従動側回転体710の外周面の全周に亘って延びる環状溝740とを有している。溝720の環状溝740は、螺旋溝730と同じ深さである。なお、図12では、環状溝740において螺旋溝730と直接接続される接続部と螺旋溝730との境界を二点鎖線で示している。
また、従動側回転体710の外周面には、その全周に亘って鍔770が形成されている。なお、鍔770は従動側回転体710の小径部711の外周面に設けられている。すなわち鍔770は従動側回転体の外周面における溝720よりも図12(a)における右側に形成されている。この鍔770は、従動側回転体710の軸方向に直交しており、環状溝740と平行となっている。
係止部材750は、従動側回転体710の溝720に挿入されるピン760と、ピン760の溝720に対する挿脱とともに従動側回転体710に対して進退する一方向係止部780とを備えている。本実施形態では、この一方向係止部780と、従動側回転体710の上記鍔770とが規制部を構成している。
一方向係止部780は、係合部材781と、同係合部材781を従動側回転体710に向かって付勢する弾性部材785とを備えている。弾性部材785は、例えばコイルばねで構成されている。一方向係止部780は、ピン760に対して、鍔770が溝720に対して位置する側(図12(a)では右側)と同じ側に位置している。
ここで、鍔770の図12(a)における右側の側面を第1側面771とし、図12(a)における左側の側面を第2側面772とする。また、係合部材781における図12(a)における右側の側面を第1側面782とし、図12(a)における左側の側面を第2側面783とする。また、ピン760の図12(a)における右側の側面を第1側面761とする。この場合、各部材の側面間の距離、係合部材781の各側面782,783の形状は、以下のようになっている。
図12(a)に示すように、係止部材750において、ピン760の第1側面761から係合部材781の第2側面783までの距離d1は、螺旋溝730の始端731における側壁732から鍔770の第1側面771までの距離d2とほぼ同じであるが僅かに大きくなっている。また、係止部材750におけるピン760の第1側面761から係合部材781の第1側面782までの距離d3は、環状溝740の側壁741(環状溝740の接続部においては二点鎖線で示す位置)から鍔770の第2側面772までの距離d4と略同じであるが僅かに小さくなっている。また、係合部材781は、第1側面782の先端が角部となっており、第2側面783の先端が面取りされた曲面となっている。すなわち、第2側面783は先端に向かって第1側面782側に傾斜している。要するに、係合部材781の先端は傾斜しており、次第に細くなっている。
したがって、従動側回転体710が連結状態において、図12(b)に示すように、ピン760が溝720の螺旋溝730の始端731に挿入されるときには、係合部材781の第2側面783が鍔770の第1側面771と当接する。そして、このときに鍔770と当接する係合部材781の第2側面783は、その先端が上記の通り傾斜している。また、図12(d)に示すように、ピン760が溝720の環状溝740に挿入される状態にあるときには、係合部材781が鍔770の第2側面772と当接する。そして、このときに鍔770と当接する係合部材781の第1側面782は、その先端が上記の通り角部となっている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
図12(a)に示すように、従動側回転体710が連結位置にあり、従動側回転体710が駆動側回転体110と連結されている状態で、アクチュエータ150の動作により係止部材750のピン760が溝720の螺旋溝730における始端731に挿入されると、図12(b)に示す状態になる。これにより、ピン760が、螺旋溝730の側壁732と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。そして、従動側回転体710が回転するのに伴って、ピン760が螺旋溝730の側壁732と係合しつつ溝720内を周方向に相対的に移動することにより、従動側回転体710が連結位置から解除位置に向かって変位する。
図12(a)に示すように、従動側回転体710が連結位置にあり、従動側回転体710が駆動側回転体110と連結されている状態で、アクチュエータ150の動作により係止部材750のピン760が溝720の螺旋溝730における始端731に挿入されると、図12(b)に示す状態になる。これにより、ピン760が、螺旋溝730の側壁732と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。そして、従動側回転体710が回転するのに伴って、ピン760が螺旋溝730の側壁732と係合しつつ溝720内を周方向に相対的に移動することにより、従動側回転体710が連結位置から解除位置に向かって変位する。
従動側回転体710が解除位置に向かって変位するのに伴って、ピン760の溝720内での位置が螺旋溝730から環状溝740に向かう方向に相対変位すると、これに伴ってピン760とともに係止部材750に固定されている係合部材781も従動側回転体710に対して相対変位することになる。ここで、図12(b)に示すように、ピン760が溝720の螺旋溝730の始端731に挿入されるときには、係合部材781が鍔770の第1側面771側に位置し、このとき鍔770と対面する係合部材781の第2側面783の先端が傾斜している。すなわち、従動側回転体710が連結位置から解除位置へ向かって変位するときに係合部材781が鍔770と当接する面が傾斜している。そのため、従動側回転体710が連結位置から解除位置へ向かって移動するときには、図12(c)に示すように、鍔770と係合部材781とが当接することによって係合部材781を弾性部材785の付勢力に抗して押し戻す力が作用し、係合部材781が鍔770を乗り越える。このようにして、ピン760が溝720の螺旋溝730に挿入されるときには、係合部材781が鍔770と当接していても、従動側回転体710の連結位置から解除位置へ向かう方向への移動が許容される。
そして、図12(d)に示すように、従動側回転体710が解除位置において慣性力により回転して、ピン760が環状溝740内を相対的に移動する状態となると、係合部材781が鍔770の第1側面771側に位置することになる。ここで、上記のように、この状態では、係合部材781の第1側面782が、鍔770と当接しており、この第1側面782の先端は上記のように角部となっている。したがって、ピン760が溝720における環状溝740内を相対的に移動しているときには、係合部材781が、鍔770によって弾性部材785の付勢力に抗して押し戻されることなく、係合部材781と鍔770との係合が保持される。このようして、従動側回転体710の解除位置から連結位置へ向かう方向への移動を規制することができる。すなわち、従動側回転体710が解除位置まで移動して慣性力で回転している状態において、ピン760が環状溝740の接続部まで移動してピン760と溝720の側面(環状溝740の側壁741)とが離間した場合であっても、一方向係止部780により従動側回転体710の変位が規制されてピン760が環状溝740内に保持されることになる。
そして、クラッチ700を、連結を解除している状態から連結状態に切り替えるときには、アクチュエータ150の駆動により、係止部材750のピン760を溝720の環状溝740から引き抜く。これにより、係合部材781と鍔770との係合も解除される。そして、従動側回転体710は、付勢部材135の付勢力によって連結位置に移動し従動側回転体710と駆動側回転体110とが連結され、クラッチ700が連結状態に切り替わる。
第4実施形態では、上記第1実施形態における(1)と同等の効果、及び以下の(6)の効果を奏することができる。
(6)ピン760が環状溝740から引き抜かれるように変位して、鍔770と一方向係止部780との係合が解除されない限りは、ピン760が環状溝740から螺旋溝730に変位することはない。すなわち、鍔770と一方向係止部780とが規制部として作用する。これにより、ピン760が環状溝740に挿入されている状態において、ピン760が環状溝740から螺旋溝730に変位することを規制することができるため、ピン760を溝720から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体710が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
(6)ピン760が環状溝740から引き抜かれるように変位して、鍔770と一方向係止部780との係合が解除されない限りは、ピン760が環状溝740から螺旋溝730に変位することはない。すなわち、鍔770と一方向係止部780とが規制部として作用する。これにより、ピン760が環状溝740に挿入されている状態において、ピン760が環状溝740から螺旋溝730に変位することを規制することができるため、ピン760を溝720から抜脱していないにもかかわらず従動側回転体710が連結位置に変位してしまうことを抑制することができる。
(第5実施形態)
次に、上記課題を解決するクラッチの第5実施形態について、図13を参照して説明する。
次に、上記課題を解決するクラッチの第5実施形態について、図13を参照して説明する。
図13に示すように、第5実施形態のクラッチ800は、係止部材750の構成が上記第4実施形態と異なっている。なお、その他の構成は、第4実施形態と同じであるため、同じ構成については、第4実施形態と同じ符号を用いるとともに、その説明を適宜省略する。なお、従動側回転体710が軸方向に変位することによる球体収容溝127内での球体130の位置の変化と、それによる連結状態と連結を解除した状態との切り換え態様は、第1実施形態と同様である。そのため、図13にあっても球体130と球体収容溝127の図示は省略している。
図13に示すように、本実施形態では、従動側回転体710が第4実施形態の従動側回転体710と同じ構成であり、従動側回転体710に鍔770が形成されている。
係止部材850は、従動側回転体710の溝720に挿入されるピン860と、ピン860の溝720に対する挿脱とともに従動側回転体710に対して進退する一方向係止部880とを備えている。本実施形態では、この一方向係止部880と、従動側回転体710の上記鍔770とが規制部を構成している。
係止部材850は、従動側回転体710の溝720に挿入されるピン860と、ピン860の溝720に対する挿脱とともに従動側回転体710に対して進退する一方向係止部880とを備えている。本実施形態では、この一方向係止部880と、従動側回転体710の上記鍔770とが規制部を構成している。
一方向係止部880は、係合部材881と、同係合部材881を係止部材850に回動可能に支持する回動軸885と、係合部材881の特定方向(図13(a)では左側)への回動を規制する規制部材888とを備えている。これにより、図13(a)に示すように、係合部材881の先端が従動側回転体710に向かって突出している状態を、係合部材881の基準位置としたとき、係合部材881は、特定方向の傾倒が規制部材888によって規制される一方、基準位置から一定の方向(図13(a)では右側)への傾倒が許容されている。
ここで、鍔770の図13(a)における右側の側面を第1側面771とし、図13(a)における左側の側面を第2側面772とする。また、係合部材881が基準位置にあるときに、図13(a)における右側に位置する側面を第1側面882とし、図13(a)における左側に位置する側面を第2側面883とする。また、ピン860の図13(a)における右側の側面を第1側面861とする。この場合、各部材の側面間の距離は、以下のようになっている。
図13(a)に示すように、係止部材850において、ピン860の第1側面861から係合部材881の第2側面883までの距離d1は、螺旋溝730の始端731における側壁732から鍔770の第1側面771までの距離d2とほぼ同じであるが僅かに大きくなっている。また、係止部材850におけるピン860の第1側面861から係合部材881の第1側面882までの距離d3は、環状溝740の側壁741(環状溝740の接続部においては、環状溝740と螺旋溝730との境界位置である二点鎖線で示す位置)から鍔770の第2側面772までの長さd4と略同じであるが僅かに小さくなっている。
したがって、従動側回転体710が連結状態において、図13(b)に示すように、ピン860が溝720の螺旋溝730の始端731に挿入されるときには、係合部材881の第2側面883が鍔770の第1側面771と当接する。また、図13(d)に示すように、ピン860が溝720の環状溝740に位置するときには、係合部材881が鍔770の第2側面772と当接する。
次に、本実施形態の作用を説明する。
図13(a)に示すように、従動側回転体710が連結位置にあり、従動側回転体710が駆動側回転体110と連結された状態で、アクチュエータ150の動作により係止部材850のピン860が溝720の螺旋溝730における始端731に挿入されると、図13(b)に示す状態になる。これにより、ピン860が、螺旋溝730の側壁732と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。そして、従動側回転体710が回転するのに伴って、ピン860が螺旋溝730の側壁732と係合しつつ溝720内を周方向に相対的に移動することにより、従動側回転体710が連結位置から解除位置に向かって変位する。
図13(a)に示すように、従動側回転体710が連結位置にあり、従動側回転体710が駆動側回転体110と連結された状態で、アクチュエータ150の動作により係止部材850のピン860が溝720の螺旋溝730における始端731に挿入されると、図13(b)に示す状態になる。これにより、ピン860が、螺旋溝730の側壁732と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。そして、従動側回転体710が回転するのに伴って、ピン860が螺旋溝730の側壁732と係合しつつ溝720内を周方向に相対的に移動することにより、従動側回転体710が連結位置から解除位置に向かって変位する。
従動側回転体710が解除位置に向かって変位するのに伴って、ピン860の溝720内での位置が螺旋溝730から環状溝740に向かう方向に相対変位すると、これに伴ってピン860とともに係止部材850に固定されている係合部材881も従動側回転体710に対して相対変位することになる。ここで、図13(b)に示すように、ピン860が溝720の螺旋溝730の始端731に挿入されるときには、係合部材881が鍔770の第1側面771に当接している。そして、係合部材881が鍔770と当接する基準位置から一定の方向(図13に示す右方向)への傾倒が許容されている。そのため、従動側回転体710が連結位置から解除位置へ向かって移動するときには、図13(c)に示すように、係合部材881が鍔770に当接して傾倒することで、係合部材881が鍔770を乗り越える。これにより、ピン860が溝720の螺旋溝730の始端731に挿入されるときには、係合部材881が鍔770と当接していても、従動側回転体710の連結位置から解除位置へ向かう方向への移動が許容される。
そして、図13(d)に示すように、従動側回転体710が解除位置において慣性力により回転して、ピン860が環状溝740内を相対的に移動する状態となると、係合部材881が鍔770の第2側面772側に位置し、係合部材881の第1側面882が、鍔770の第2側面772と当接して係合する。ピン860が溝720における環状溝740内を相対的に移動しているときには、係合部材881は規制部材888によって特定方向(図13(d)における左側)の傾倒が規制されているため、従動側回転体710に付勢部材135の付勢力が作用することによって係合部材881に鍔770から押圧されたとしても、係合部材881は傾倒しない。したがって、係合部材881が基準位置に保持されるため、鍔770との係合が保持される。これにより、従動側回転体710の解除位置から連結位置へ向かう方向への移動を規制することができる。すなわち、従動側回転体710が解除位置まで移動して慣性力で回転している状態において、ピン860が環状溝740の接続部まで移動してピン860と溝720の側面(環状溝740の側壁741)とが離間した場合であっても、一方向係止部880により従動側回転体710の変位が規制されてピン860が環状溝740内に保持されることになる。
そして、クラッチ800を、連結を解除している状態から連結状態に切り替えるときには、アクチュエータ150の駆動により、係止部材850のピン860を溝720の環状溝740から引き抜く。これにより、係合部材881と鍔770との係合も解除される。そして、従動側回転体710は、付勢部材135の付勢力によって連結位置に移動し従動側回転体710と駆動側回転体110とが連結され、クラッチ800が連結状態に切り替わる。
第5実施形態では、上記第1実施形態における(1)と同等の効果、及び第4実施形態の(6)と同等の効果を奏することができる。
なお、上記課題を解決するためのクラッチは、上記各実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
なお、上記課題を解決するためのクラッチは、上記各実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・第1実施形態においては、環状溝420の深さが、その始端421近傍において従動側回転体120の周方向の他の部位よりも相対的に浅くなっているとともに、螺旋溝410の深さが、始端411から終端412にかけて漸次深くなっている構成を示した。しかし、環状溝や螺旋溝の深さは、周方向において一定であってもよい。すなわち、環状溝と螺旋溝との段差を従動側回転体120の周方向において一定の大きさに設定してもよい。
・第2実施形態においては、凸条が溝の接続部の全長に亘り形成されるとともに、その両端が非接続部に達している。しかしながら、凸条が少なくとも溝の接続部の全長に亘り形成されていれば接続部の全長に亘って凸条とピンの凹部とを係合させてピンが螺旋溝に変位してしまうことを抑制することができるため、凸条の両端は必ずしも非接続部まで達していなくてもよい。例えば、一方の端部のみが非接続部まで達している構成や、凸条の長さが接続部の長さと等しく、いずれの端部も非接続部まで達していない構成とすることもできる。さらに、ピンが環状溝から螺旋溝に変位するのを抑制することができ、クラッチが解除されてしまうことを抑制することができるのであれば、凸条は必ずしも接続部の全長に亘って設けられていなくてもよい。例えば、凸条を溝の接続部の一部に設けるようにしてもよい。
・第3実施形態及びその変形例では、凹溝が環状溝の全長に亘って形成されている。しかしながら、凹溝は、少なくとも環状溝の接続部における全長に亘り形成するようにすればよい。すなわち、少なくとも接続部の全長に亘って形成されていれば、環状溝から螺旋溝への変位を抑制することができる。さらに、ピンが環状溝から螺旋溝に変位するのを抑制することができ、クラッチが解除されてしまうことを抑制することができるのであれば、接続部の一部に凹溝を形成するようにしてもよい。
・第4及び第5の各実施形態では、従動側回転体の外周面の全周に亘って鍔を形成するようにしている。しかしながら、ピンが環状溝から螺旋溝に変位するのを抑制することができ、クラッチが解除されてしまうことを抑制することができるのであれば、鍔は必ずしも全周に亘って設ける必要がなく、従動側回転体の周方向に延びるように外周面の一部に設けるようにしてもよい。
・付勢部材の数は任意に変更することができる。例えば、従動側回転体を1つの付勢部材で付勢することも可能である。
・また、付勢部材は従動側回転体を連結位置に向かって付勢するものであればよく、上記のような圧縮コイルばねに限定されない。例えば、従動側回転体を連結位置に向かって引っ張る引っ張りばねを付勢部材として適用する構成を採用することもできる。
・また、付勢部材は従動側回転体を連結位置に向かって付勢するものであればよく、上記のような圧縮コイルばねに限定されない。例えば、従動側回転体を連結位置に向かって引っ張る引っ張りばねを付勢部材として適用する構成を採用することもできる。
・アクチュエータは自己保持式のソレノイドに限らず、例えばコイルに通電している間のみ、係止部材が溝に挿入されるソレノイドにしてもよい。この構成によれば、コイルに通電しているときにのみクラッチの連結が解除されるため、コイルに通電できない場合にはクラッチが連結状態となる。したがって、アクチュエータの作動不良時にもポンプを駆動させることができる。
・アクチュエータはソレノイドに限らず、例えば油圧式のアクチュエータ等、ソレノイド以外のアクチュエータによって係止部材の挿入及び引き抜きを行ってもよい。この場合にも、従動側回転体の溝と係止部材との係合を利用してクラッチの連結を解除する仕組みは変わらないため、クラッチの連結を解除するために必要な力を従動側回転体の回転力から得ることができる。したがって、小さな力で連結を解除することができる。
・クラッチの構成は球体を介して駆動力を伝達するものに限られない。クラッチを圧着式のクラッチにしてもよい。
例えば、駆動側回転体と従動側回転体との対向する面同士を軸方向に対して傾斜した互いに平行なテーパ面にしてこれを圧接面とし、従動側回転体を軸方向に移動させることによりこれら圧接面を押しつけることで従動側回転体と駆動側回転体とを連結させる構成を採用することもできる。
例えば、駆動側回転体と従動側回転体との対向する面同士を軸方向に対して傾斜した互いに平行なテーパ面にしてこれを圧接面とし、従動側回転体を軸方向に移動させることによりこれら圧接面を押しつけることで従動側回転体と駆動側回転体とを連結させる構成を採用することもできる。
・上記各実施形態で例示したクラッチにおいて、上記各実施形態において説明した作用を生じさせることができるのでれば、各部材の形状などは特に上記各実施形態で例示した形状に限定されない。例えば、図14に示すように、従動側回転体910の大径部922に球体収容溝927を形成しつつ、球体収容溝927が形成されない部位を肉抜きして凹部928を形成するようにしてもよい。これにより、従動側回転体910を軽量化することができるため、従動側回転体910の慣性力を小さくすることができ、従動側回転体910が解除位置となったときにその回転を速やかに停止させることができる。
・上記各実施形態では、クランク軸からポンプへの動力の伝達状態を切り替えるクラッチを例示したが、コンプレッサやオイルポンプ等、他の補機とクランク軸の間に配設されるクラッチにこのクラッチの構成を適用することもできる。また、クランク軸からの動力の伝達状態を切り替えるものに限らず、他の動力源からの動力の伝達状態を切り替えるクラッチとしてこのクラッチの構成を適用することもできる。
100…クラッチ、110…駆動側回転体、111…円弧溝、120…従動側回転体、121…係合部、122…大径部、123…小径部、124…凹部、125…収容凹部、127…球体収容溝、128…保持部、130…球体、135…付勢部材、140…係止部材、141…ピン、150…アクチュエータ、152…第1ケース、153…コイル、154…固定芯、155…可動芯、156…回動軸、158…第2ケース、159…永久磁石、160…リング部材、161…コイルばね、162…固定ピン、200…ポンプ、210…出力軸、211…係止突部、212…ストレートスプライン、220…インペラ、250…クランク軸、260…駆動側プーリ、270…従動側プーリ、280…ベルト、300…ハウジング、310…収容部、320…支持部材、330…第1ベアリング、340…第2ベアリング、400…溝、410…螺旋溝、411…従動側回転体、420…環状溝。
Claims (4)
- 駆動側回転体と、
該駆動側回転体に連結される連結位置と前記駆動側回転体に対する連結が解除される解除位置との間を前記駆動側回転体の軸方向に沿って移動可能な従動側回転体と、
該従動側回転体を前記解除位置から前記連結位置に向けて付勢する付勢部材と、を備え、
前記従動側回転体の外周面には、同従動側回転体の軸を中心軸とする螺旋部と、同螺旋部に連続し且つ前記軸方向に直交して全周に亘って延びる環状部とを有する溝が設けられており、
前記溝に挿脱可能であるとともに、前記軸方向への移動が規制されているピンを備え、
連結を解除する際には、前記ピンを前記螺旋部に挿入して前記螺旋部の側壁と係合させることにより、前記従動側回転体の回転に伴って前記ピンの位置を前記螺旋部から前記環状部へと変位させるとともに、前記従動側回転体を前記付勢部材の付勢力に抗して前記解除位置まで移動させるクラッチであり、
前記ピンが前記環状部に位置している状態において前記ピンの位置が前記環状部から前記螺旋部に変位することを規制する規制部を備えることを特徴とするクラッチ。 - 前記溝には、前記螺旋部を構成する螺旋溝と、同螺旋溝よりも深く、前記環状部を構成する環状溝とが接続された接続部において段差が形成されており、
前記規制部は、前記段差の側壁により構成されている請求項1に記載のクラッチ。 - 前記環状部を構成する環状溝は、前記螺旋部を構成する螺旋溝が接続された接続部を含み、
前記規制部は、前記環状溝の底面から突出して同環状溝の延伸方向に沿って少なくとも前記接続部の全長に亘り形成されている凸条と、前記ピンの先端に形成されて同ピンが前記接続部内に位置しているときに前記凸条が係合する凹部とからなる請求項1に記載のクラッチ。 - 前記環状部を構成する環状溝は、前記螺旋部を構成する螺旋溝が接続された接続部を含み、
前記規制部は、前記環状溝の底面に同環状溝の延伸方向に沿って少なくとも前記接続部の全長に亘り形成されている凹溝と、前記ピンの先端に形成されて同ピンが前記接続部内に位置しているときに前記凹溝に係合する凸部とからなる請求項1に記載のクラッチ。
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