JP6032368B2 - クラッチ - Google Patents

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Description

本発明は、クラッチに関するものである。
従来から、外輪とその内側に配設される内輪との動力の伝達状態を切り替えるクラッチが知られている(例えば、特許文献1)。このクラッチでは、外輪と内輪とが対向し合う空間に、係合子としてのローラを収容した環状の保持器が配設されている。内輪の外周面には、平坦なカム面が複数形成されており、このカム面によって外輪との間に周方向の両側に向かって次第に狭くなる楔形の空間が複数形成されている。
このクラッチでは、内輪と外輪とを連結させる際には、保持器を外輪と共に回転させることによって内輪に対して相対回動させ、保持器に収容されたローラを、上記楔形の空間における狭い空間へと追い込み、ローラを内輪と外輪との間に噛み込ませる。これにより、内輪と外輪とがローラを介して連結された状態になり、内輪と外輪とが一体に回転するようになる。
一方、内輪と外輪との連結を解除する際には、保持器と外輪との連結を解除する。すると、保持器は内輪に連結された付勢部材によって押し戻され、保持器に収容されたローラが楔形空間における狭い空間から広い空間へと移動して内輪と外輪との間で回動するようになる。その結果、内輪と外輪との係合が解除され、内輪と外輪との間での動力の伝達がなされなくなる。
特開2004−245316号公報
上記のクラッチでは、外輪と内輪との間に保持器を介在させている。そして、内輪の外周面と外輪の内周面と、さらに保持器に形成されたポケットとによって、ローラを収容する空間を形成している。すなわち、3つの部材を組み合せることによってローラを収容する空間が形成されているため、伝達状態の切り替えを適切に行えるようにするためには、内輪、外輪及び保持器の3つの部材それぞれの寸法のばらつきを考慮して公差を管理する必要があり、高い加工精度が要求されることになる。
本発明の目的は、保持器を設けずに内輪と外輪との動力の伝達状態を切り替えることができるクラッチを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に従うクラッチは、回転軸と、前記回転軸の軸線を中心に回転可能な外輪及び内輪と、前記外輪と前記内輪との間に配設される係合子とを備える。前記外輪と前記内輪とは互いに対向する対向面を有し、前記外輪と前記内輪とのうちの一方の対向面は、同対向面の全周に亘って周方向に延びる環状溝を有するとともに、他方の対向面は、前記回転軸の軸線に垂直な面と交差する方向に延びるガイド溝を有している。前記ガイド溝と前記環状溝とが対向する部分には、前記係合子を収容する空間が形成される。前記外輪と前記内輪とを前記回転軸の軸方向に相対移動させることによって、前記係合子を前記ガイド溝及び前記環状溝の内部で移動させる。前記係合子を、前記外輪と前記内輪との隙間が同係合子の直径よりも狭い部分に向かって移動させることにより、前記外輪と前記内輪とに前記係合子を噛み込ませて前記外輪と前記内輪とが連結された連結状態を実現する一方、前記係合子を、前記外輪と前記内輪との隙間が同係合子の直径よりも広い部分に移動させることにより、前記外輪と前記内輪との連結が解除された解除状態を実現する。
上記構成において、ガイド溝は、回転軸の軸線に垂直な面と交差する方向に延びている。そのため、ガイド溝は、環状溝に対して傾斜又は直交して延びていることになる。
そして、上記構成では、環状溝と環状溝に対して傾斜又は直交して延びるガイド溝とが対向している部分に形成される空間に係合子が収容されている。そのため、外輪と内輪とを回転軸の軸方向に相対移動させることにより、環状溝及びガイド溝における互いに対向する部分の位置が変化し、外輪と内輪との間で係合子が移動することになる。
したがって、上記構成によれば、外輪と内輪との間に係合子を収容する保持器を設けることなく、係合子の位置を移動させることができるため、保持器を設けずに内輪と外輪との動力の伝達状態を切り替えることができるようになる。
上記クラッチにおいて、前記外輪は駆動側回転体であり、前記内輪は従動側回転体であり、前記外輪の内周面に前記環状溝が形成されているとともに、前記内輪の外周面に前記ガイド溝が形成されており、前記ガイド溝の深さは、前記連結状態において前記係合子が位置する部分の方が、前記解除状態において前記係合子が位置する部分よりも浅くなっており、前記解除状態から前記連結状態へと移行する際に、前記係合子が前記ガイド溝に沿って前記外輪の回転方向へと移動するように、前記ガイド溝が形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、駆動側回転体である外輪の回転に伴って、係合子にはガイド溝内を外輪の回転方向へと移動させる力が作用する。そのため、駆動側回転体である外輪から大きな駆動力が入力されるほど係合子はガイド溝の浅い部分に向かって駆動され、係合子が外輪と内輪との間に噛み込んだ状態が維持されやすい。したがって、大きな駆動力を伝達することができる。
また、上記のように外輪が駆動側回転体であり内輪が従動側回転体であるクラッチにおいては、前記内輪の外周面には前記ガイド溝に加えて、前記回転軸の軸線の周りを延びる螺旋溝を形成し、前記内輪を前記外輪との連結が解除される解除位置から前記外輪と連結される連結位置に向けて付勢する付勢部材と、係止部材とを設ける。そして、係止部材が前記螺旋溝に挿入されて前記螺旋溝の側壁に係合することによって、前記内輪が前記付勢部材の付勢力に抗して前記解除位置まで移動させられることが好ましい。
上記構成によれば、内輪が付勢部材の付勢力によって解除位置から連結位置に向けて付勢される。そして、内輪が連結位置にあるときには、外輪と内輪とが連結状態となる。一方で、連結状態にあり、外輪と共に回転している内輪の螺旋溝に、係止部材が挿入されると、回転軸の軸方向に対して傾斜して延びている螺旋溝の側壁と係止部材とが係合した状態で内輪が回転する。その結果、内輪が付勢部材の付勢力に抗して連結位置から解除位置に移動して、外輪と内輪との連結が解除される。すなわち、上記構成によれば、クラッチの連結を解除するために必要な力を内輪の回転力から得ることができる。したがって、小さな力で連結を解除することができる。
本発明の一態様では、前記ガイド溝は、前記内輪の外周面上に湾曲して延びている曲線溝である。
また、外輪が駆動側回転体であり内輪が従動側回転体である上記態様のクラッチにおいては、前記曲線溝は、前記解除状態において前記係合子が位置する部分から、前記連結状態において前記係合子が位置する部分に向かって、次第に前記外輪の回転方向に対する傾きが小さくなるように、湾曲していることが好ましい。
解除状態から連結状態への切り替えに伴って、係合子が外輪と内輪との間に突然噛み込み、内輪の回転速度が急に立ち上がる場合には、連結状態への切り替え動作に伴って、クラッチに大きな衝撃荷重が作用する。
上記構成によれば、解除状態から連結状態に切り替えるべく、外輪と内輪とを回転軸の軸方向に相対移動させる際、曲線溝に沿って移動する係合子は、連結状態に近づくほど外輪の回転方向への移動量が多くなる。
そのため、解除状態から連結状態への切り替えの序盤では、外輪の回転方向への係合子の移動量が少なく、係合子が外輪と内輪との間に噛み込んでしまわないため、摩擦によって外輪と内輪との回転速度が近づくようになる。そして、解除状態から連結状態への切り替えの終盤では、外輪の回転方向への係合子の移動量が増大し、係合子が内輪と外輪との間に噛み込んで外輪と内輪とが連結されることになる。
すなわち、上記構成によれば、外輪と内輪との連結を緩やかに進行させることができるようになり、解除状態から連結状態への切り替えに伴う衝撃荷重を緩和することができる。
また、本発明の一態様では、前記ガイド溝は、前記内輪の外周面上に直線状に延びている直線溝である。
また、外輪が駆動側回転体であり内輪が従動側回転体である上記態様のクラッチにおいては、前記直線溝は、前記回転軸の軸線に垂直な面に対して45°傾いて交差することが好ましい。
連結状態において係合子が位置する部分に向かって浅くなる直線溝における単位長さ当たりの深さの変化量が等しい場合には、連結状態と解除状態を切り替えるために必要な直線溝の長さは等しくなる。そのため、この場合、直線溝が回転軸の軸線に垂直な面となす角度がより大きい角度となるほど、すなわち、直線溝の延伸方向がより回転軸の軸方向に沿った角度となるほど、連結状態と解除状態を切り替えるために必要な長さの直線溝を配設するために要する内輪の回転軸方向の長さは長くなる。そのため、直線溝が回転軸の軸線に垂直な面となす角度がより大きい角度となるほど、内輪が回転軸方向に長くなり、クラッチが大型化する。
一方、連結状態から解除状態に切り替えるべく、外輪と内輪とを回転軸の軸方向に相対移動させる際には、直線溝の浅い部分に位置している係合子を外輪及び内輪の回転方向に逆らって移動させる必要がある。直線溝が回転軸の軸線に垂直な面となす角度がより小さい角度となるほど、係合子を外輪及び内輪の回転方向に逆らって移動させる量が多くなるため、解除状態に切り替えるためにより大きな力が必要となる。
この点、上記構成によれば、前記直線溝が、回転軸の軸線に垂直な面に対してと45°の角度をなすように延びているため、直線溝が形成される内輪の大型化を抑制しつつ、解除状態への切り替えに要する力が大きくなってしまうことを抑制することができる。
また、上記クラッチでは、前記係合子が球体であることが好ましい。
係合子を、異方性がなく、角の存在しない球体にすれば、互いに交差し合うように延びる環状溝とガイド溝とに挟まれた状態でも係合子がスムーズに移動する。したがって、連結状態と解除状態との切り替えをスムーズに行うことができる。
第1の実施形態のクラッチの断面図。 図1のクラッチの連結を解除した状態を示す側面図。 図1のクラッチの連結状態を示す側面図。 図1のクラッチの係止部材を螺旋溝に出し入れするアクチュエータの構造を示す断面図。 第2の実施形態のクラッチにおける従動側回転体の側面図。 図5の従動側回転体の側面図。 第2の実施形態のクラッチにおける解除状態から連結状態への切り替えに要する時間の長さと曲線溝の曲率との関係を示すグラフ。 第2の実施形態のクラッチにおける解除状態から連結状態への切り替え時の衝撃荷重の大きさと曲線溝の曲率との関係を示すグラフ。
(第1の実施形態)
以下、クラッチの第1の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
本実施形態のクラッチは、エンジンに設けられたクランク軸から、エンジンの冷却水を循環させるウォーターポンプへの動力の伝達状態を切り替えるものである。
図1に示すように、本実施形態のクラッチ100は、ハウジング300に設けられた収容部310に収容されている。ハウジング300には、筒状をなす支持部材320が嵌め込まれている。回転軸であるクラッチ100の出力軸210は、支持部材320の内周側に配置された第1ベアリング330を介して、支持部材320に回転自在に支持されている。
出力軸210の先端部位(図1では右端部位)には、ポンプ200のインペラ220が一体回転可能に取り付けられている。一方、出力軸210の基端部位(図1では左端部位)には、駆動側回転体110が第2ベアリング340を介して回転自在に支持されている。出力軸210における第1ベアリング330と第2ベアリング340との間に位置する部分の外周面には、ストレートスプライン212が形成されている。
駆動側回転体110には、ハウジング300の収容部310に収容されたクラッチ100を取り囲むようなカップ状の従動側プーリ270が取り付けられている。クランク軸250の端部には駆動側プーリ260が一体回転可能に取り付けられており、駆動側プーリ260と従動側プーリ270とは、ベルト280が巻き掛けられることにより連結されている。
ハウジング300と駆動側回転体110との間には、従動側回転体120が配設されている。従動側回転体120は、その内周面に、出力軸210のストレートスプライン212に嵌合する係合部121を有しており、これにより、出力軸210と一体となって回転し、且つ出力軸210の軸方向に沿って移動可能となっている。なお、本実施形態では、出力軸210、駆動側回転体110及び従動側回転体120の軸線は図1〜図3に一点鎖線で示すように一致しており、以下の説明ではこの軸線の延伸方向を軸方向という。また、図2及び図3に矢印で示すように、駆動側回転体110は、出力軸210の先端側(図2及び図3では右端側)から駆動側回転体110を見たときに時計回りとなる方向に回転し、以下では駆動側回転体110が回転する方向を回転方向という。
図1に示すように、従動側回転体120は、径の異なる2つの円柱を、軸線を揃えて接合したような外形をなしており、駆動側回転体110に近い側(図1では左側)に大径部122が、ポンプ200に近い側(図1では右側)に小径部123が位置するような向きで出力軸210に支持されている。従動側回転体120の大径部122は、その外周面が駆動側回転体110の内周面と対向するように、駆動側回転体110の内側に配置されている。すなわち、本実施形態では、駆動側回転体110が外輪を構成する一方、従動側回転体120が内輪を構成しており、駆動側回転体110の内周面と従動側回転体120の大径部122の外周面とが、互いに対向し合う対向面となっている。
従動側回転体120の小径部123には、ポンプ200に向けて開口する凹部124が形成されている。凹部124の底部には、付勢部材135を収容するための複数の収容凹部125が出力軸210を囲むように周方向に沿って配置されている。
付勢部材135は例えばコイル状のばねであり、従動側回転体120の収容凹部125に収容され、出力軸210に設けられた係止突部211に係止される先端を有している。付勢部材135は、圧縮された状態で収容凹部125内に収容されており、従動側回転体120を駆動側回転体110に向かって(図1では左方向)に付勢する。
図2及び図3に示すように、従動側回転体120は、大径部122の外周面に、軸線と垂直な面と交差する方向に延びる複数のガイド溝すなわち複数の直線溝127を有しており、これらの直線溝127は周方向に間隔をおいて配置されている。また、図1〜図3に示すように、駆動側回転体110の内周面には、全周に亘って周方向に延びる環状溝111が形成されている。すなわち、環状溝111は軸線に垂直な面に沿って延びる溝である。この環状溝111は、図1に示すように断面形状が円弧である。そして、各直線溝127と環状溝111とによって形成される空間には、係合子である球体130が収容されている。図3に示すように、球体130の直径d1は、直線溝127の幅d2及び環状溝111の幅d3よりも僅かに大きくなっている。そのため、球体130は、各直線溝127と環状溝111との間の空間内において、直線溝127の延伸方向には移動可能であっても、直線溝127の幅方向には遊びがほとんどない状態となっている。
また、図2及び図3に示すように、直線溝127は、環状溝111に対して傾いて延びている。詳細には、直線溝127は、回転方向の前方の端部(図2及び図3において紙面表側に位置する直線溝127においては図2及び図3における上方の端部)が回転方向後方の端部から従動側回転体120の小径部123に向かってずれた位置(図2及び図3では右側の位置)に配置されるように傾斜している。そして、直線溝127の延伸方向と環状溝111の延伸方向とがなす角度が45°となっている。すなわち、直線溝127は、軸線に垂直な面に対して45°傾いて交差する。また、直線溝127において、回転方向の前方側の端部は、他の部分よりも深さが浅い保持部128を形成している。詳細には、直線溝127は、回転方向の前方側に位置する保持部128において最も浅く、回転方向の後方ほど漸次深くなっている。
従動側回転体120が付勢部材135の付勢力によって駆動側回転体110に近づくように移動し、図3に示される位置にあるときには、球体130が直線溝127の保持部128内に位置するようになる。上述したように保持部128は浅くなっているため、この部分における直線溝127と駆動側回転体110の環状溝111(図1参照)との間にできる隙間は狭くなっている。そのため、球体130は従動側回転体120と駆動側回転体110との間に噛み込まれて、従動側回転体120と共に駆動側回転体110に対して回転することが阻止される。これにより、駆動側回転体110と従動側回転体120とが球体130を介して連結される。
なお、以下の説明では出力軸210に沿って軸方向に移動する従動側回転体120の軸方向における位置のうち、図1及び図3に示されるように駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結された状態になる位置を連結位置という。
したがって、図1に示すように、従動側回転体120が連結位置にあり、球体130を介して駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結されている場合には、クランク軸250の回転が駆動側プーリ260及びベルト280を介して従動側回転体120及び出力軸210に伝達される。そして、出力軸210と一体となって回転するインペラ220によって、ポンプ200から冷却水が送出される。
また、上記の通り、直線溝127の深さは駆動側回転体110の回転方向後方ほど深くなっている。そのため、従動側回転体120が図2に示す位置に移動したときには、球体130が直線溝127における保持部128よりも深い部位に位置することになる。これは、球体130は、そのほぼ半分が駆動側回転体110の環状溝111に収容されており、駆動側回転体110に対する軸方向の相対移動を規制されているためである。こうして球体130が深さの浅い保持部128から外れて、直線溝127における保持部128よりも深くなっている部分に入ると、球体130が従動側回転体120と共に駆動側回転体110に対して回転することが許容されるようになる。その結果、駆動側回転体110と従動側回転体120との相対回動が許容されるようになり、従動側回転体120の駆動側回転体110に対する連結が解除される状態となる。
なお、以下の説明では出力軸210に沿って軸方向に移動する従動側回転体120の軸方向における位置のうち、図2に示されるように駆動側回転体110と従動側回転体120との連結が解除された状態になる位置を解除位置という。
なお、本実施形態において、直線溝127が軸線に垂直な面に対して45°傾いて延びるように形成しているのは、以下の理由による。すなわち、直線溝127における単位長さ当たりの深さの変化量が等しい場合には、連結状態と解除状態を切り替えるために必要な直線溝127の長さは等しくなる。そのため、この場合、直線溝127が軸線に垂直な面となす角度がより大きい角度となるほど、すなわち、直線溝127の延伸方向がより軸方向に沿った角度となるほど、直線溝127が形成される従動側回転体120軸方向の長さは長くなる。そのため、直線溝127が軸線に垂直な面となす角度がより大きい角度となるほど、従動側回転体120が軸方向に長くなり、クラッチ100が大型化する。一方、連結状態から解除状態に切り替えるべく、従動側回転体120を解除位置に移動させる際には、直線溝127の回転方向前方側の浅い部分に位置している球体130を2つの回転体110,120の回転方向後方側に移動させる必要がある。直線溝127が軸線に垂直な面となす角度がより小さい角度となるほど、球体130を2つの回転体110,120の回転方向に逆らって回転方向後方側に移動させる量が多くなるため、解除状態に切り替えるためにより大きな力が必要となる。そこで、本実施形態では、直線溝127が軸線に垂直な面に対して45°傾いて延びるように形成することで、従動側回転体120の大型化を抑制しつつ、解除状態への切り替えに要する力が大きくなってしまうことを抑制するようにしている。
次に、従動側回転体120を解除位置と連結位置との間で移動させる構成について説明する。
図2に示すように、従動側回転体120の小径部123の外周面には、周方向に延びる係止溝400が形成されている。係止溝400は、軸方向に対して傾斜し、同軸線を中心とする螺旋状に延びる螺旋溝410と、軸方向に対して直交して延びる直交溝420とを有している。
螺旋溝410は、詳細には、従動側回転体120の外周面を一周して、駆動側回転体110の回転方向後方側ほど駆動側回転体110に近づくように傾斜している。また、螺旋溝410の幅は、始端411から終端412に近づくほど狭くなっている。
直交溝420は、螺旋溝410に連続し且つ従動側回転体120の外周面を一周している。また、直交溝420は、螺旋溝410よりも深く形成されており、螺旋溝410とは段差がある状態で接続されている。
図2及び図3に示すように、クラッチ100は、係止部材140と、係止部材140の先端に設けられるピン141を係止溝400に出し入れするためのアクチュエータ150とを備えている。係止部材140は軸方向の位置が規制されるように構成されている。図3に示すように、従動側回転体120が連結位置にあるときに、係止溝400における螺旋溝410の始端411近傍にピン141が挿入できるように、軸方向における係止部材140の位置が設定されている。従動側回転体120が連結位置にあるときに、係止部材140がアクチュエータ150によって従動側回転体120に向かって駆動されると、ピン141が螺旋溝410の始端411近傍に挿入される。螺旋溝410に挿入されたピン141は、螺旋溝410の側壁413と係合することによって、付勢部材135の付勢力に抗して従動側回転体120を係止する。
従動側回転体120が駆動側回転体110と連結されている状態において、螺旋溝410に係止部材140のピン141が挿入されると、螺旋溝410の側壁413にピン141が係合した状態で従動側回転体120が回転する。そして、ピン141が螺旋溝410の側壁413を摺動する間に、従動側回転体120が連結位置から解除位置に向かって軸方向に移動する。従動側回転体120が回転してピン141の挿入位置が螺旋溝410の終端412に達すると、ピン141が螺旋溝410の側壁413に押圧されることによって、螺旋溝410よりも深い直交溝420に挿入される。このようにして、従動側回転体120が連結位置から解除位置に移動する。すなわち、クラッチ100は、係止溝400に係止部材140のピン141を挿入し、螺旋溝410の側壁413にピン141を係合させることによって、従動側回転体120を付勢部材135の付勢力に抗して解除位置まで移動させるように構成されている。
なお、駆動側回転体110と従動側回転体120との連結が解除されると、駆動側回転体110から従動側回転体120へのトルクの伝達がなされない状態になるが、連結が解除された直後は従動側回転体120が慣性力で回転し続ける。ただし、従動側回転体120が解除位置にあるときには、ピン141が従動側回転体120の外周面を一周している直交溝420内に挿入されており、ピン141と直交溝420の側壁423とが係合しているため、従動側回転体120は軸方向には移動しない。そして、従動側回転体120には駆動側回転体110からのトルクの伝達がなされなくなっているため、従動側回転体120はその回転速度が次第に低下して回転を停止する。
従動側回転体120は、付勢部材135の付勢力によって連結位置に向けて付勢されている。そのため、連結を解除した状態を維持するためには、係止部材140のピン141を従動側回転体120の直交溝420に挿入した状態を維持する必要がある。そして、再び駆動側回転体110と従動側回転体120とを連結させるときには、アクチュエータ150により係止溝400の直交溝420に挿入されているピン141を引き抜く。こうしてピン141を引き抜くと、係止部材140と従動側回転体120との係合が解除され、付勢部材135の付勢力によって従動側回転体120が連結位置に移動し、駆動側回転体110と従動側回転体120とが再び連結された状態になる。
次に、アクチュエータ150の構成について詳述する。
図4に示すように、本実施形態のアクチュエータ150は、第1ケース152内に収容されたコイル153に通電することによって発生する磁界の作用を利用して駆動する電磁アクチュエータである。
第1ケース152は、底部を有する筒状をなしており、その底部には固定芯154が固定されている。第1ケース152の内部にはこの固定芯154を取り囲むようにコイル153が配設されている。すなわち、このアクチュエータ150では、固定芯154とコイル153とによって電磁石が構成されている。また、第1ケース152のコイル153内には、固定芯154と対向する位置に可動芯155が移動可能に収容されている。なお、本実施形態における固定芯154及び可動芯155は鉄芯である。
第1ケース152の先端部位(図4では右端部位)には、筒状の第2ケース158が固定されている。第2ケース158において第1ケース152に固定された端部には、可動芯155の周囲を囲むように永久磁石159が固定されている。可動芯155は、上述したように基端領域(図4では左端領域)が固定芯154と対向するように第1ケース152内に収容される一方、先端領域(図4では右端領域)が第2ケース158から外側に突出している。
可動芯155において第2ケース158内に収容されている部分にはリング部材160が取り付けられている。そして、第2ケース158内には、一端が第2ケース158に係止される一方で他端がリング部材160に係止されたコイルばね161が圧縮された状態で収容されている。
コイルばね161は、可動芯155を第2ケース158から突出させる方向(図4では右方向)に付勢している。そして、可動芯155において第2ケース158から突出した部位は、固定ピン162を介して係止部材140と連結されている。
係止部材140は、その基端において可動芯155と回動可能に連結されるとともに、回動軸156によって回動可能に支持されている。したがって、係止部材140は、可動芯155の移動に伴って、回動支点となる回動軸156を中心に回動する。そのため、図4に実線で示すように、コイルばね161の付勢力によって可動芯155が第2ケース158から突出した度合いが大きくなることによって、係止部材140のピン141が従動側回転体120の螺旋溝410及び直交溝420へと順次挿入される。
そして、この状態でコイル153に通電すると、通電によって発生する磁界によって固定芯154及び可動芯155が磁化され、可動芯155はコイルばね161の付勢力に抗して固定芯154に向かって吸引される。なお、このときにコイル153に発生する磁界の向きは、永久磁石159の磁界と向きと一致している。
吸引された可動芯155が固定芯154に近づく方向(図4では左方向)に移動すると、係止部材140は図4における時計回り方向に回動して、係止部材140の先端が係止溝400から引き抜かれる。すなわち、アクチュエータ150は、コイル153への通電によって生じる磁力を利用して可動芯155を吸引することにより、係止部材140を係止溝400から引き抜く。
そして、吸引された可動芯155が固定芯154に当接する当接位置(図4に二点鎖線で示す位置)に移動すると、その後に通電を停止しても、永久磁石159の磁力によって、可動芯155が固定芯154に当接した状態が保持される。
一方、可動芯155が図4に二点鎖線で示す当接位置にあるときに、コイル153に可動芯155を吸引するときとは反対方向の電流を通電すると、永久磁石159の磁界の向きとは逆向きの磁界が発生する。これにより、永久磁石159の吸引力が弱められ、コイルばね161の付勢力によって可動芯155が固定芯154から離間して、図4に実線で示す突出位置に移動する。可動芯155が当接位置から突出位置に移動するとき、係止部材140は図4における反時計回り方向に回動して、係止部材140のピン141が係止溝400に挿入される。
可動芯155が固定芯154から離間した突出位置にあるときには、コイルばね161による付勢力の方が永久磁石159による吸引力よりも大きくなる。そのため、コイル153への通電によって可動芯155を固定芯154から離間させれば、その後に通電を停止しても、可動芯155は突出位置に保持される。
すなわち、本実施形態のアクチュエータ150は、異なる方向に直流電流を流して可動芯155を移動させることによってクラッチ100の連結状態を切り変える一方で、連結させた状態又は連結を解除した状態を維持するときには通電を要さない自己保持式のソレノイドである。
次に、本実施形態にかかるクラッチ100の作用について説明する。
図4に二点鎖線で示すように、アクチュエータ150の可動芯155が当接位置にあるとき、係止部材140のピン141は係止溝400の外に出ている。このとき、従動側回転体120は付勢部材135の付勢力によって連結位置に保持されているため、クラッチ100は連結状態にある。すなわち、クラッチ100は駆動側回転体110の回転を出力軸210に伝達している。
こうした状態において、アクチュエータ150のコイル153に永久磁石159の磁界の向きと逆向きの磁界を発生させるように通電すると、可動芯155がコイルばね161の付勢力によって当接位置から図4に実線で示す突出位置に移動する。すると、係止部材140が図4における反時計回り方向に回動するのに伴って、係止部材140のピン141が、従動側回転体の係止溝400における螺旋溝410の始端411近傍に挿入されて、従動側回転体120を係止し、図3に示す状態となる。
ピン141が従動側回転体120を係止した状態で従動側回転体120が駆動側回転体110と共に回転して、ピン141が螺旋溝410内を相対的に移動する間に、従動側回転体120は連結位置から解除位置に向かって移動し、図3に示す状態から図2に示す状態へと変化する。このようにして、ピン141が直交溝420に挿入される状態となり、従動側回転体120が解除位置に到達する。これにより、球体130が、直線溝127の深さが深い部位と環状溝111との間の空間に位置し、球体130が回転可能となるため、駆動側回転体110の回転が従動側回転体120に伝達されなくなり、クラッチ100の連結が解除された状態になる。なお、球体130の直径d1は、直線溝127の幅d2及び環状溝111の幅d3よりも僅かに大きい。そのため、従動側回転体120が解除位置に移動するのに伴って、球体130は、直線溝127内で保持部128から深さの深い部位に向かって移動するものの、この際に、球体が直線溝127の幅方向に移動することが抑制され、直線溝127の延伸方向に向かってスムーズに移動する。
従動側回転体120と駆動側回転体110との連結が解除された直後は、図2に示すように、従動側回転体120は、係止部材140のピン141が直交溝420に挿入された状態で、ピン141との間に生じる摩擦力の作用を受けつつ、慣性力によって回転を続け、その後、回転速度が次第に低下して、その回転がやがて停止する。
一方、クラッチ100を、連結を解除している状態から連結状態に切り替えるときには、アクチュエータ150のコイル153に永久磁石159の磁界の向きと同じ向きの磁界を発生させるように通電する。すると、可動芯155は通電によって生じる磁力によって固定芯154に近づくように吸引されて、図4に実線で示す突出位置から同図4に二点鎖線で示す当接位置に移動する。これにより、係止部材140が図4における時計回り方向に回動して、係止部材140のピン141が係止溝400から完全に引き抜かれる。
そして、係止部材140による係止が解除された従動側回転体120は、付勢部材135の付勢力によって連結位置に移動し、従動側回転体120と駆動側回転体110とが連結される。また、駆動側回転体110の回転に伴って、球体130には、直線溝127内を回転方向前方に移動させる力が作用する。そのため、駆動側回転体110から大きな駆動力が入力されるほど球体130は、直線溝127における深さの浅い保持部128に向かう方向に駆動される。そのため、球体130が直線溝127の保持部128と環状溝111との間に位置し、球体130が駆動側回転体110と従動側回転体120との間に噛み込んだ状態が維持されやすくなるため、大きな駆動力を伝達することができる。なお、球体130の直径d1は、直線溝127の幅d2及び環状溝111の幅d3よりも僅かに大きい。そのため、従動側回転体120が連結位置に移動するのに伴って、球体130は直線溝127内で深さの深い部位から保持部128に向かって移動する際に、同直線溝127の幅方向に移動することが抑制され、直線溝127の延伸方向にスムーズに移動する。
以上説明した第1の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)本実施形態では、ガイド溝である直線溝127は、環状溝111に対して傾斜して延びている。そして、環状溝111と環状溝111に対して傾斜して延びる直線溝127とが対向している部分に形成される空間に球体130が収容されている。そのため、駆動側回転体110と従動側回転体120とを軸方向に相対移動させることにより、環状溝111及び直線溝127における互いに対向する部分の位置が変化し、駆動側回転体110と従動側回転体120との間で球体130が移動することになる。したがって、駆動側回転体110と従動側回転体120との間に球体130を収容する保持器を設けることなく、球体130の位置を移動させることができるため、保持器を設けずに従動側回転体120と駆動側回転体110との動力の伝達状態を切り替えることができるようになる。
(2)本実施形態では、直線溝127の回転方向前方側の端部が同直線溝127の他の部分よりも浅い保持部128となっている。駆動側回転体110の回転に伴って球体130には、直線溝127内を駆動側回転体110の回転方向、すなわち回転方向前方に移動させる力が作用する。そのため、本実施形態では、駆動側回転体110から大きな駆動力が入力されるほど球体130は直線溝127の浅い保持部128に向かって駆動され、球体130が駆動側回転体110と従動側回転体120との間に噛み込んだ状態が維持されやすい。したがって、大きな駆動力を伝達することができる。
(3)本実施形態では、従動側回転体120が付勢部材135の付勢力によって連結位置に向けて付勢される。そして、従動側回転体120が連結位置にあるときには、駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結状態となる。一方で、連結状態にあり、駆動側回転体110と共に回転している従動側回転体120の螺旋溝410に、係止部材140のピン141が挿入されると、軸線の周りで軸方向に対して傾斜して延びている螺旋溝410の側壁413と係止部材140とが係合した状態で従動側回転体120が回転する。その結果、従動側回転体120が付勢部材135の付勢力に抗して連結位置から解除位置に移動して、駆動側回転体110と従動側回転体120との連結が解除される。このようにして、クラッチ100の連結を解除するために必要な力を従動側回転体120の回転力から得ることができるため、小さな力で連結を解除することができる。
(4)本実施形態では、直線溝127は、環状溝111に対して45°傾いて延びている。すなわち、直線溝127は、軸線に垂直な面に対して45°傾いて交差している。そのため、直線溝127が形成される従動側回転体120の大型化を抑制しつつ、解除状態への切り替えに要する力が大きくなってしまうことを抑制することができる。
(5)本実施形態では、係合子が球体130である。球体130は、異方性がなく、角が存在しないため、互いに傾斜した環状溝111と直線溝127とに挟まれた状態でもスムーズに移動する。したがって、クラッチ100の連結状態と解除状態との切り替えをスムーズに行うことができる。
(6)本実施形態では、球体130の直径d1は、直線溝127の幅d2及び環状溝111の幅d3よりも僅かに大きい。そのため、クラッチ100における解除状態と連結状態との切り替えにおいて、球体130が直線溝127内の延伸方向に移動する際に、同直線溝127の幅方向に無駄に移動して振動が大きくなることが抑制することができる。また、クラッチ100が解除状態から連結状態に切り替えられる際に、球体130の位置が安定しにくいことにより、球体130が保持部128に到達して動力の伝達状態を切り替えるのに長時間を要したりするといったことが抑制される。
なお、第1の実施形態は例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、直線溝が環状溝に対して45°傾いて延びるようにしている。しかしながら、直線溝の延伸方向と環状溝とがなす角度はこの角度に限定されず、直線溝は環状溝に対して45°よりも大きい角度をなして傾斜していてもよいし、環状溝に対して45°よりも小さい角度をなして傾斜していてもよい。また、直線溝を軸方向に沿って延びるように構成してもよい。また、クラッチが連結状態となるときに球体が直線溝における回転方向後方に位置し、解除状態となるときに球体が直線溝における回転方向前方に位置するように直線溝を傾斜させてもよく、このような場合には、深さの浅い保持部を直線溝の回転方向後方に配設するようにすればよい。なお、このような場合には、駆動側回転体の回転力によって、球体を直線溝内の保持部に移動させるといった作用は得られにくいものの、このような場合であっても、付勢部材の付勢力を大きくすることで、クラッチを連結状態とすることができる。
・上記実施形態では、球体の直径が環状溝及び直線溝の幅よりも僅かに大きくなっている。しかしながら、例えば、球体の直径が環状溝や直線溝の幅とほぼ同じであってもよい。すなわち、球体の直径を環状溝及び直線溝の幅と等しくてもよいし、環状溝及び直線溝の幅が球体の直径よりも僅かに大きくなっていてもよい。こうした場合においても、球体が直線溝の幅方向には遊びがほとんどない状態となるため、球体が環状溝や直線溝の延伸方向に移動可能であって、幅方向には無駄に移動することを抑制することができる。さらに、球体の直径と環状溝及び直線溝の幅との関係は、これら例示した態様に限定されない。すなわち、球体が直線溝と前記環状溝とが対向する部分に形成される空間に収容され、この空間内で移動することにより、連結状態と解除状態とを切り替えることのできる構成であればよい。
(第2の実施形態)
次に、クラッチの第2の実施形態について、図5〜図8を参照して説明する。
第2の実施形態のクラッチも、第1の実施形態におけるクラッチと同様に、エンジンに設けられたクランク軸から、エンジンの冷却水を循環させるウォーターポンプへの動力の伝達状態を切り替えるものである。
第2の実施形態におけるクラッチ100は、従動側回転体120におけるガイド溝の形状が、第1の実施形態におけるクラッチ100とは異なっている。具体的には、第2の実施形態のクラッチ100における従動側回転体120に設けられたガイド溝は、図5に示すように、従動側回転体120の外周面上に湾曲して延びている曲線溝129である。
その他の構成は第1の実施形態におけるクラッチ100と同一であるため、ここでは、同一の構成については同一の符号を付して説明を割愛し、第1の実施形態におけるクラッチ100と第2の実施形態におけるクラッチ100との相違点を中心に説明する。
図5に示すように、第2の実施形態におけるクラッチ100の従動側回転体120は、大径部122の外周面に、軸線と垂直な面と交差する方向に延びる複数のガイド溝すなわち複数の曲線溝129を有し、これらの曲線溝129は周方向に間隔をおいて配置されている。そして、駆動側回転体110の内周面に形成された環状溝111と、この曲線溝129とによって形成される空間には、係合子である球体130が収容されている。
なお、球体130の直径は6.0ミリメートルであり、曲線溝129及び環状溝111の幅は6.1ミリメートルになっている。これにより、球体130は、曲線溝129と環状溝111との間の空間内において、曲線溝129の延伸方向には移動可能であっても、曲線溝129の幅方向には遊びがほとんどない状態となっている。
図5に示すように、曲線溝129は、中心線の曲率がR8になっている。すなわち、曲線溝129は、その中心線が半径8ミリメートルの円弧を描くように湾曲している。
また、図5に示すように、曲線溝129は、回転方向の前方の端部(図5において紙面表側に位置する曲線溝129においては図5における上方の端部)が回転方向後方の端部から従動側回転体120の小径部123に向かってずれた位置(図5では右側の位置)に配置されるように傾斜している。また、曲線溝129において、回転方向の前方側の端部は、他の部分よりも深さが浅い保持部128を形成している。詳細には、曲線溝129は、回転方向の前方側に位置する保持部128において最も浅く、回転方向の後方ほど漸次深くなっている。
従動側回転体120が付勢部材135の付勢力によって駆動側回転体110に近づくように移動し、従動側回転体120が連結位置にあるときには、図6に実線で示すように、球体130が曲線溝129の保持部128内に位置する。上述したように保持部128は浅くなっているため、この場合には、この部分における曲線溝129と駆動側回転体110の環状溝111との間にできる隙間は狭くなっている。そのため、球体130は従動側回転体120と駆動側回転体110との間に噛み込まれて回転不能になる。これにより、駆動側回転体110と従動側回転体120とが球体130を介して連結された連結状態になる。
したがって、従動側回転体120が連結位置にあり、球体130を介して駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結されている場合には、クランク軸250の回転が駆動側プーリ260及びベルト280を介して従動側回転体120及び出力軸210に伝達される。そして、出力軸210と一体となって回転するインペラ220によって、ポンプ200から冷却水が送出される。
また、上記の通り、曲線溝129の深さは駆動側回転体110の回転方向後方ほど深くなっている。そのため、従動側回転体120が解除位置に移動したときには、図6に一点鎖線で示すように、球体130が曲線溝129における保持部128よりも深い部位に位置することになる。これは、球体130は、そのほぼ半分が駆動側回転体110の環状溝111に収容されており、駆動側回転体110に対する軸方向の相対移動を規制されているためである。こうして球体130が深さの浅い保持部128から外れて、曲線溝129における保持部128よりも深くなっている部分に入ると、球体130の回転が許容されるようになる。その結果、駆動側回転体110と従動側回転体120との相対回動が許容されるようになり、従動側回転体120の駆動側回転体110に対する連結が解除される解除状態になる。
ところで、解除状態から連結状態への切り替え動作に伴って、球体130が駆動側回転体110と従動側回転体120との間に突然噛み込み、従動側回転体120の回転速度が急に立ち上がる場合には、連結状態への切り替え動作に伴って、クラッチ100に大きな衝撃荷重が作用する。
これに対して、第2の実施形態のクラッチ100では、従動側回転体120における曲線溝129が、上述したように湾曲している。
図6に示すように、曲線溝129は、解除状態において球体130が位置する部分から、連結状態において球体130が位置する部分に向かって、駆動側回転体110の回転方向に対する傾きが次第に小さくなるように、湾曲している。言い換えれば、曲線溝129は、解除状態において球体130が位置する部分から、連結状態において球体130が位置する部分に向かって、次第に駆動側回転体110の回転方向前方側に変位するように、湾曲している。
こうした構成によれば、解除状態から連結状態に切り替えるべく、駆動側回転体110と従動側回転体120とを軸方向に相対移動させる際、曲線溝129に沿って移動する球体130は、連結状態に近づくほど曲線溝129内における駆動側回転体110の回転方向への移動量が多くなる。
そのため、解除状態から連結状態への切り替え動作の序盤では、曲線溝129内における上記回転方向への球体130の移動量が少なく、球体130が駆動側回転体110と従動側回転体120との間に噛み込んでしまわず、摩擦によって駆動側回転体110と従動側回転体120との回転速度が近づくようになる。そして、解除状態から連結状態への切り替え動作の終盤では、曲線溝129内における上記回転方向への球体130の移動量が増大し、球体130が駆動側回転体110と従動側回転体120との間に噛み込んで駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結されることになる。
すなわち、上記構成によれば、駆動側回転体110と従動側回転体120との連結を緩やかに進行させることができるようになり、解除状態から連結状態への切り替え動作に伴う衝撃荷重を緩和することができる。
なお、図7は解除状態から連結状態への切り替えに伴う従動側回転体120の回転速度の変化を示すグラフである。図7では、第2の実施形態のクラッチ100における従動側回転体120の回転速度の変化を実線で示している。一方で、ガイド溝が直線溝である場合の従動側回転体120の回転速度の変化を破線で示している。また、ガイド溝が曲線溝であるものの、その中心線の曲率がR14である場合の従動側回転体120の回転速度の変化を一点鎖線で示している。
図7に破線で示すようにガイド溝が直線溝である場合には、タイミングt10において解除状態から連結状態への切り替え動作を開始し、従動側回転体120を解除位置から連結位置に向かって移動させると、従動側回転体120の回転速度が急峻に上昇する。そして、タイミングt11において、従動側回転体120の回転速度がr10に達し、連結状態への切り替えが完了する。
これに対して、第2の実施形態のクラッチ100では、図7に実線で示すように、タイミングt10において解除状態から連結状態への切り替え動作を開始し、従動側回転体120を解除位置から連結位置に向かって移動させると、回転を始めた従動側回転体120の回転速度は破線で示す直線溝の場合よりも緩やかに上昇する。そして、タイミングt12において、従動側回転体120の回転速度がr10に達し、連結状態への切り替えが完了する。
なお、図7に一点鎖線で示すように曲線溝の中心線の曲率がR14である場合には、従動側回転体120の回転速度は、破線で示す直線溝の場合よりも緩やかに上昇するものの、実線で示す第2の実施形態におけるクラッチ100の場合よりも、速やかに上昇する。
このように、第2の実施形態のクラッチ100によれば、ガイド溝が曲線溝であってもその中心線の曲率がR14である場合や、ガイド溝が直線溝である場合よりも、駆動側回転体110と従動側回転体120との連結を緩やかに進行させることができるようになる。
また、図8は解除状態から連結状態への切り替え時の衝撃荷重の大きさを示すグラフである。図8の右側に示すように、第2の実施形態のクラッチ100のように曲線溝129の中心線の曲率がR8である場合には、ガイド溝が曲線溝であってもその中心線の曲率がR14である場合や、ガイド溝が直線溝である場合よりも衝撃荷重は小さくなる。なお、図8によれば、ガイド溝が曲線溝であれば、その中心線の曲率がR14である場合であってもガイド溝が直線溝である場合よりも衝撃荷重は小さくなることがわかる。
このように、第2の実施形態のクラッチ100によれば、ガイド溝が曲線溝であってもその中心線の曲率がR14である場合や、ガイド溝が直線溝である場合よりも、解除状態から連結状態への切り替え動作に伴う衝撃荷重を緩和することができる。
以上説明した第2の実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)第2の実施形態でも、ガイド溝である曲線溝129は、環状溝111に対して傾斜して延びている。そして、環状溝111と環状溝111に対して傾斜して延びる曲線溝129とが対向している部分に形成される空間に球体130が収容されている。そのため、駆動側回転体110と従動側回転体120とを軸方向に相対移動させることにより、環状溝111及び曲線溝129における互いに対向する部分の位置が変化し、駆動側回転体110と従動側回転体120との間で球体130が移動することになる。したがって、駆動側回転体110と従動側回転体120との間に球体130を収容する保持器を設けることなく、球体130の位置を移動させることができるため、保持器を設けずに従動側回転体120と駆動側回転体110との動力の伝達状態を切り替えることができるようになる。
(2)第2の実施形態でも、ガイド溝である曲線溝129の回転方向前方側の端部が同曲線溝129の他の部分よりも浅い保持部128となっている。駆動側回転体110の回転に伴って球体130には、曲線溝129内を駆動側回転体110の回転方向、すなわち回転方向前方に移動させる力が作用する。第2の実施形態では、駆動側回転体110から大きな駆動力が入力されるほど球体130は曲線溝129の浅い保持部128に向かって駆動され、球体130が駆動側回転体110と従動側回転体120との間に噛み込んだ状態が維持されやすい。したがって、大きな駆動力を伝達することができる。
(3)第2の実施形態でも、従動側回転体120が付勢部材135の付勢力によって連結位置に向けて付勢される。そして、従動側回転体120が連結位置にあるときには、駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結状態となる。一方で、連結状態にあり、駆動側回転体110と共に回転している従動側回転体120の螺旋溝410に、係止部材140のピン141が挿入されると、軸線の周りで軸方向に対して傾斜して延びている螺旋溝410の側壁413と係止部材140とが係合した状態で従動側回転体120が回転する。その結果、従動側回転体120が付勢部材135の付勢力に抗して連結位置から解除位置に移動して、駆動側回転体110と従動側回転体120との連結が解除される。このようにして、クラッチ100の連結を解除するために必要な力を従動側回転体120の回転力から得ることができるため、小さな力で連結を解除することができる。
(4)解除状態から連結状態への切り替え動作に伴って、球体130が駆動側回転体110と従動側回転体120との間に突然噛み込み、従動側回転体120の回転速度が急に立ち上がる場合には、連結状態への切り替え動作に伴って、クラッチ100に大きな衝撃荷重が作用する。
第2の実施形態では、解除状態から連結状態への切り替え動作の序盤では、曲線溝129内における上記回転方向への球体130の移動量が少なく、球体130が駆動側回転体110と従動側回転体120との間に噛み込んでしまわないため、摩擦によって駆動側回転体110と従動側回転体120との回転速度が近づくようになる。そして、解除状態から連結状態への切り替え動作の終盤では、曲線溝129内における上記回転方向への球体130の移動量が増大し、球体130が駆動側回転体110と従動側回転体120との間に噛み込んで駆動側回転体110と従動側回転体120とが連結されることになる。
すなわち、第2の実施形態の構成によれば、駆動側回転体110と従動側回転体120との連結を緩やかに進行させることができるようになり、解除状態から連結状態への切り替え動作に伴う衝撃荷重を緩和することができる。
(5)第2の実施形態では、係合子が球体130である。球体130は、異方性がなく、角が存在しないため、互いに傾斜した環状溝111と曲線溝129とに挟まれた状態でもスムーズに移動する。したがって、クラッチ100の連結状態と解除状態との切り替えをスムーズに行うことができる。
(6)第2の実施形態では、曲線溝129の幅及び環状溝111の幅が、球体130の直径よりも僅かに大きく設定されている。その結果、球体130は、曲線溝129の幅方向には遊びがほとんどない状態で曲線溝129内に収容されている。そのため、クラッチ100における解除状態と連結状態との切り替えにおいて、球体130が曲線溝129内の延伸方向に移動する際に、同曲線溝129の幅方向に無駄に移動して振動が大きくなることが抑制することができる。また、クラッチ100が解除状態から連結状態に切り替えられる際に、球体130の位置が安定しにくいことにより、球体130が保持部128に到達して動力の伝達状態を切り替えるのに長時間を要したりするといったことが抑制される。
なお、第2の実施形態における各部の構成は、例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第2の実施形態では、曲線溝の中心線の曲率がR8になっている例を示したが、曲線溝の曲率は適宜変更することができる。
・上記第2の実施形態では、曲線溝が全長に亘って一定の曲率で湾曲した形状をなしていた。しかしながら、曲線溝の形状はこうした形状に限定されず、曲線溝の曲率は途中で変化していてもよい。また、曲線溝は、必ずしも、解除状態において球体が位置する部分から、連結状態において球体が位置する部分に向かって、次第に駆動側回転体の回転方向に対する傾きが小さくなるように湾曲している必要はない。しかし、駆動側回転体と従動側回転体との連結を緩やかに進行させ、解除状態から連結状態への切り替え動作に伴う衝撃荷重を緩和する上では、曲線溝は、上記第2の実施形態のように、次第に駆動側回転体の回転方向に対する傾きが小さくなるように湾曲していることが望ましい。
・上記第2の実施形態では、環状溝及びガイド溝である曲線溝の幅が、球体の直径よりも僅かに大きくなっている。しかしながら、例えば、環状溝や曲線溝の幅が球体の直径とほぼ同じであってもよい。すなわち、環状溝及び曲線溝の幅を球体の直径と等しくてもよいし、環状溝及び曲線溝の幅が球体の直径よりも僅かに小さくなっていてもよい。こうした場合においても、球体が曲線溝の幅方向には遊びがほとんどない状態となるため、球体が環状溝や曲線溝の延伸方向に移動可能であって、幅方向には無駄に移動することを抑制することができる。さらに、球体の直径と環状溝及び曲線溝の幅との関係は、これら例示した態様に限定されない。すなわち、球体が曲線溝と環状溝とが対向する部分に形成される空間に収容され、この空間内で移動することにより、連結状態と解除状態とを切り替えることのできる構成であればよい。
なお、上記課題を解決するためのクラッチは、上記各実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記各実施形態では、係合子を球体としている。しかしながら、係合子は球体に限定されず、円柱状のローラなど、その他の形状のものであってもよい。すなわち、係合子は、駆動側回転体と従動側回転体とを軸方向に相対移動させることによって、ガイド溝と環状溝とが対向する部分に形成される空間内で移動可能な形状であって、この移動によりクラッチを連結状態と解除状態とに切り替えることが可能な構成であればよい。
・上記各実施形態において、従動側回転体を解除位置に付勢する付勢部材の数は任意に変更することができる。例えば、従動側回転体を1つの付勢部材で付勢することも可能である。
・また、付勢部材は従動側回転体を連結位置に向かって付勢するものであればよく、上記のような圧縮コイルばねに限定されない。例えば、従動側回転体を連結位置に向かって引っ張る引っ張りばねを付勢部材として適用する構成を採用することもできる。
・アクチュエータは自己保持式のソレノイドに限らず、例えばコイルに通電している間のみ、係止部材のピンが係止溝に挿入されるソレノイドにしてもよい。この構成によれば、コイルに通電しているときにのみクラッチの連結が解除されるため、コイルに通電できない場合にはクラッチが連結状態となる。したがって、アクチュエータの作動不良時にもポンプを駆動させることができる。
・アクチュエータはソレノイドに限らず、例えば油圧式のアクチュエータ等、ソレノイド以外のアクチュエータによって係止部材の挿入及び引き抜きを行ってもよい。
・上記各実施形態では、クランク軸からポンプへの動力の伝達状態を切り替えるクラッチを例示したが、コンプレッサやオイルポンプ等、他の補機とクランク軸の間に配設されるクラッチにこのクラッチの構成を適用することもできる。また、クランク軸からの動力の伝達状態を切り替えるものに限らず、他の動力源からの動力の伝達状態を切り替えるクラッチとしてこのクラッチの構成を適用することもできる。
・上記各実施形態のクラッチは、外輪が駆動側回転体であって内輪が従動側回転体であったが、外輪が従動側回転体であって内輪が駆動側回転体であってもよい。また、外輪が駆動側回転体であって内輪が従動側回転体である状態と、外輪が従動側回転体であって内輪が駆動側回転体である状態とに切り替えられる構成であってもよい。
・上記各実施形態では、外輪に環状溝が形成され、内輪にガイド溝としての直線溝や曲線溝が形成されている。しかしながら、外輪にガイド溝が形成され、内輪に環状溝が形成される構成であってもよい。
100…クラッチ、110…駆動側回転体、111…環状溝、120…従動側回転体、121…係合部、122…大径部、123…小径部、124…凹部、125…収容凹部、127…直線溝、128…保持部、129…曲線溝、130…球体、135…付勢部材、140…係止部材、141…ピン、150…アクチュエータ、152…第1ケース、153…コイル、154…固定芯、155…可動芯、156…回動軸、158…第2ケース、159…永久磁石、160…リング部材、161…コイルばね、162…固定ピン、200…ポンプ、210…出力軸、211…係止突部、212…ストレートスプライン、220…インペラ、250…クランク軸、260…駆動側プーリ、270…従動側プーリ、280…ベルト、300…ハウジング、310…収容部、320…支持部材、330…第1ベアリング、340…第2ベアリング、400…係止溝、410…螺旋溝、413…側壁、420…直交溝。

Claims (4)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸の軸線を中心に回転可能な外輪及び内輪と、
    前記外輪と前記内輪との間に配設される係合子とを備え、
    前記外輪の内周面と前記内輪の外周面とは互いに対向しており、前記外輪の内周面は、同内周面の全周に亘って周方向に延びる環状溝を有するとともに、前記内輪の外周面は、前記回転軸の軸線に垂直な面と交差する方向に延びるガイド溝を有しており、
    前記ガイド溝と前記環状溝とが対向する部分には、前記係合子を収容する空間が形成され、前記外輪と前記内輪とを前記回転軸の軸方向に相対移動させることによって、前記係合子を前記ガイド溝及び前記環状溝の内部で移動させ、
    前記係合子を、前記外輪と前記内輪との隙間が同係合子の直径よりも狭い部分に向かって移動させることにより、前記外輪と前記内輪とに前記係合子を噛み込ませて前記外輪と前記内輪とが連結された連結状態を実現する一方、
    前記係合子を、前記外輪と前記内輪との隙間が同係合子の直径よりも広い部分に移動させることにより、前記外輪と前記内輪との連結が解除された解除状態を実現し、
    前記外輪は駆動側回転体であり、前記内輪は従動側回転体であり、
    前記ガイド溝は、前記内輪の外周面上に湾曲して延びている曲線溝であり、
    前記ガイド溝の深さは、前記連結状態において前記係合子が位置する部分の方が、前記解除状態において前記係合子が位置する部分よりも浅くなっており、
    前記解除状態から前記連結状態へと移行する際に、前記係合子が前記ガイド溝に沿って前記外輪の回転方向へと移動するように、前記ガイド溝が形成されているクラッチ。
  2. 前記内輪の外周面には前記ガイド溝に加えて、前記回転軸の軸線の周りを延びる螺旋溝が形成されており、
    前記内輪を前記外輪との連結が解除される解除位置から前記外輪と連結される連結位置に向けて付勢する付勢部材と、係止部材とを備え、
    前記係止部材が前記螺旋溝に挿入されて前記螺旋溝の側壁に係合することによって、前記内輪が前記付勢部材の付勢力に抗して前記解除位置まで移動させられる
    請求項に記載のクラッチ。
  3. 前記曲線溝は、前記解除状態において前記係合子が位置する部分から、前記連結状態において前記係合子が位置する部分に向かって、次第に前記外輪の回転方向に対する傾きが小さくなるように、湾曲している
    請求項1又は2に記載のクラッチ。
  4. 前記係合子が球体である
    請求項1〜のいずれか一項に記載のクラッチ。
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