JP2004245316A - 回転伝達機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】アイドルストップ方式を実現するためのベルト動力伝達装置においてクランクプーリに組込んでエンジン動力を伝達、遮断できるようにし、この動力の伝達、遮断を係合子を用いてスムーズに行なうようにした回転伝達機構を得ることである。
【解決手段】クランクシャフトに連結される、カムリングと一般に呼ばれる内輪11と、その外側に設けられた外輪12との対向面間に第1保持器13aに保持されるローラ14aを挿置し、第1保持器13aにはスイッチばね15とアーマチュア16を接続してクラッチを形成し、アーマチュア16には外輪12に固定されたロータ板12aと電磁コイル17とを対向配置して電磁クラッチとし、ロータ板12aには永久磁石19を取付けている。永久磁石19の吸着力でアーマチュア16をロータ板12aに吸着してローラ14aにより内輪11と外輪12を係合させ、電磁コイル17への通電により係合を解除することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】クランクシャフトに連結される、カムリングと一般に呼ばれる内輪11と、その外側に設けられた外輪12との対向面間に第1保持器13aに保持されるローラ14aを挿置し、第1保持器13aにはスイッチばね15とアーマチュア16を接続してクラッチを形成し、アーマチュア16には外輪12に固定されたロータ板12aと電磁コイル17とを対向配置して電磁クラッチとし、ロータ板12aには永久磁石19を取付けている。永久磁石19の吸着力でアーマチュア16をロータ板12aに吸着してローラ14aにより内輪11と外輪12を係合させ、電磁コイル17への通電により係合を解除することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの動力を被駆動部に伝達する動力伝達経路上で動力の伝達と遮断の切換えに用いる回転伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン始動のためのスタータ(モータ)と発電用のオルタネータ(発電機)とをそれぞれ独立に有する従来の始動方式のエンジンでは、スタータによるエンジン始動後はスタータはエンジンから切り離され、エンジンの動力はベルト式動力伝達手段を介してオルタネータやカークーラのコンプレッサ、ウォータポンプ等の補機へ伝達される。ベルト式動力伝達手段は、通常内燃エンジンのクランクシャフトに連結されたプーリと、各補機の入力軸に接続される被駆動プーリと、各プーリ間にエンドレス状に掛け回されるリブ付きベルトを備えている。
【0003】
このような始動方式のエンジンでは、走行中のエンジン急減速時、あるいは通常走行中のエンジンの高周波トルク変動に起因してエンジンとオルタネータ間に回転速度差が生じることがあり、このためベルト動力伝達手段のベルトの摩耗、短寿命化を防止する対策が必要とされ、その一例として特許文献1はオルタネータの被駆動プーリに一方向クラッチを内蔵したプーリを用いた「エンジン用補機のベルト伝達装置」について開示している。
【0004】
一方、最近環境汚染防止や地球温暖化防止の観点からCO2 やNOx等を含む排気ガスの低減化を図る対策の1つとして、走行中の車両が一時停止時にエンジンを停止させるアイドルストップ方式が注目されている。アイドルストップ方式では、エンジン発停の頻度が高くなるため、オルタネータはモータ・ジェネレータとし、車両の一時停止時にエンジンを停止しても補機は駆動を続けることができるようにする等の対策が必要である。このような対策を施した車両のベルト伝達装置について非特許文献1に紹介されている。
【0005】
この非特許文献1による車両は、エンジンと電動モータによる駆動を併用する、上記のようなアイドルストップ方式に必要な対策を施した車両であって、電動モータによる走行域もわずかであるが可能となっている。この車両では、エンジンとベルト伝達手段とは電磁クラッチ付きクランクシャフトダンパプーリ(以下、電磁クラッチプーリと略称する)を介して連結され、ベルト伝達手段にモータ・ジェネレータのプーリやその他の補機のプーリが直結されている。
【0006】
上記電磁クラッチプーリは、エンジンのクランクシャフト端に取付けられたマスダンパとプーリ部とから成る。プーリ部はクランクシャフトに直結された内輪のハブに板ばねとアーマチュアを軸方向に移動可能に設け、ハブ外周にはロータとこのロータの半径方向の外側にゴムを介して取付けたプーリをハブに対し軸受により回転自在に設け、ロータとプーリの間に入り込むスペースに電磁コイルを外部から支持して取付け、電磁コイルとアーマチュア間に摩擦材を挟んで設けて構成されている。
【0007】
内輪のハブと外輪のロータは、電磁コイルに通電してアーマチュアを電磁コイル側へ吸引すると、アーマチュアが摩擦材に摩擦接触することによりロータに連結されて内輪と外輪が接続され、電磁コイルへの通電を遮断するとアーマチュアへの吸着力がなくなるためアーマチュアは板ばねの弾性で電磁コイルから離れる方向へ引き戻され、これによりロータとハブとの連結が遮断されるようになっている。
【0008】
上記のような構成、機能を有する電磁クラッチプーリをベルト伝達手段に組込んだシステムでは、エンジン、モータ・ジェネレータの駆動、被駆動とその作動の関係は下記の表1のようになる。
【0009】
【表1】
上表に示すように、電磁クラッチプーリは走行中(▲1▼〜▲4▼)通電状態としてクラッチが係合されている。
【0010】
【特許文献1】
特公平7−72585号公報
【非特許文献1】
技術誌「自動車工学」2002年4月号、61〜73頁
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1による一方向クラッチをクランクシャフトプーリ又は発電機(オルタネータ)プーリのいずれかに組込んでエンジンの高周波トルク変動によるベルトの変動荷重を減少させてベルトの長寿命化を図ることは重要であるが、アイドルストップ方式ではオルタネータに代えてモータ・ジェネレータが用いられるため、単純に一方向クラッチを組込むことはできない。例えばクランクシャフトプーリに一方向クラッチを組込んだ場合、エンジン動力をモータ・ジェネレータへ伝達する方向では一方向クラッチが駆動(ON)となるが、反対にモータ・ジェネレータからエンジンへ向かう方向では一方向クラッチは空転(OFF)し、エンジンの始動ができない。
【0012】
非特許文献1の電磁クラッチプーリを用いたアイドルストップ方式のベルト伝達装置では、特許文献1における課題はともかくとして、電磁クラッチプーリによりエンジンの再始動、モータ発進、充電、回生、補機駆動の全てを実施できるシステムを実現している。しかし、電磁クラッチプーリは電磁コイルに通電してアーマチュアを吸着し、これによりクラッチを作動(係合)させてエンジンの再始動、モータ発進、充電、回生まで行なうようになっており、通電が遮断されるのはアイドルストップ時の補機駆動だけであって、走行中の時間の大部分は通電されている。このため、電力の消費が大きく、省電力を図る余地がある。
【0013】
省電力を図る手段として、特開平8−175206号公報や特開平10−71872号公報に開示された電磁クラッチのように、摩擦材に代えて内輪と外輪の間にローラあるいはスプラグ等の係合子を挿置し、この係合子による係合、遮断を電磁コイルにより制御する方式の電磁クラッチを適用することが考えられる。
【0014】
上記2つの公報に開示された回転伝達装置は、2WD車(二輪駆動車)を4WD車(四輪駆動車)に選択切換えするのに用いることを主目的とし、回転動力の伝達軸の途中で後輪と前輪の両方へ動力を分岐し得るツーウエイクラッチとして開発されたものであり、電磁コイルへの通電によって係合子による電磁クラッチが係合するか遮断された状態となるかは重要でない。しかし、上記係合子による電磁クラッチ方式をベルト動力伝達装置の電磁クラッチプーリに適用する場合は、電磁クラッチへの非通電時にクラッチが係合(ロック)し、通電時にはクラッチが遮断(ロック解除)されるように設定するのが望ましい。しかし、このような電磁クラッチプーリは今までに提案されたことがない。
【0015】
この発明は、上記の問題に留意して、アイドルストップ方式を実現するためのベルト動力伝達装置においてクランクプーリに組込んでエンジン動力を伝達、遮断できるようにし、この動力の伝達、遮断を係合子を用いてスムーズに行なうようにした回転伝達機構を提供することを第1の課題とする。
【0016】
又、第1の課題を解決する手段を用いて得られるベルト動力伝達装置を提供することを第2の課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、内輪と外輪の対向面の一方を円筒面、他方を円筒面との間で楔空間を形成する複数のカム面とする内輪と外輪を設け、その対向面間に内輪と外輪の係合子をポケットに組込んだ保持器を回転自在に挿置し、この保持器には保持器を弾性的に付勢して係合子を中立位置に保持する弾性部材と、保持器に対して軸方向にのみ移動可能なアーマチュアとを接続し、外輪に固定して設けられたロータ板を挟んでアーマチュアに対向して電磁コイルを設け、ロータ板のアーマチュアに対向する面に設けたスリットに永久磁石を挿置し、電磁コイルの非通電時は永久磁石の吸着力によりアーマチュアをロータ板に摩擦接触させ、通電時は電磁コイルの磁束により永久磁石の吸着力を打消してアーマチュアのロータ板に対する摩擦係合を解除するように構成した回転伝達機構としたのである。
【0018】
上記構成の回転伝達機構は、係合子によるクラッチを電磁コイルにより制御して動力の伝達、遮断をする電磁クラッチの一種であり、ツーウエイクラッチとしても機能するが、前述したアイドルストップ方式のエンジンの動力を補機へ伝達するベルト伝達装置に利用すると有効である。エンジン始動時には、モータ・ジェネレータからの駆動力がベルト伝達装置を介してエンジンへ伝達される。この場合、電磁コイルを非通電状態としておけば、アーマチュアは永久磁石の吸着により外輪と一体に回転し、保持器の係合子が内輪と外輪を係合させて外輪からの駆動力が内輪を経てエンジンへ伝達される。
【0019】
車両の走行中はエンジンの駆動力がベルト動力伝達装置によりモータ・ジェネレータや他の補機へ伝達され、モータ・ジェネレータを発電機へ切換えれば発電が行なわれ、その電力は他の電気機器やバッテリへ送られて充電が行なわれる。坂道などで車両の慣性力で移動できるときは、その慣性力による駆動でモータ・ジェネレータを駆動し、これによる発電で生じる回生電力はバッテリへ戻される。
【0020】
走行中に一旦停止してエンジンを停止させるアイドルストップ時には、電磁コイルに通電をすることにより電磁コイルの磁束により永久磁石の吸着力が打消され、このためアーマチュアは外輪との摩擦係合が解かれ、回転可能となる。そして、保持器は弾性部材により付勢され係合子を中立位置に移動させて保持し、係合子による内輪と外輪の係合が遮断され、このためモータ・ジェネレータからの回転力は外輪へ伝達されても内輪へは伝達されず、エンジンを回転することはできなくなる。
【0021】
エンジンの再始動時、モータ発進時には再び電磁コイルを非通電状態にすれば、電磁クラッチが係合され、エンジンが始動時と同様に再始動される。従って、電磁クラッチは走行中大部分は非通電状態であり、アイドルストップの一時だけ通電させるため、電力の消費が節約される。
【0022】
上記構成の回転伝達機構をプーリに組込んで次のようなベルト動力伝達装置を形成することができる。即ち、エンジンの入出力軸に連結されるクランクプーリと、動力発生と発電の機能を併有するモータ・ジェネレータの入出力軸に連結されるジェネレータプーリと、その他の補機の入力軸に連結される補機プーリとを含む複数のプーリ間にベルトを掛け回して動力を伝達するベルト動力伝達手段を構成し、クランクプーリは前記回転伝達機構を組込んだ電磁クラッチプーリとしたベルト動力伝達装置とすることができる。
【0023】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、実施形態の電磁クラッチ式の回転伝達機構が組込まれたクランクシャフトプーリを備えたベルト動力伝達装置の全体を模式図的に示す概略構成図である。ベルト動力伝達装置Aは、図示のように、エンジンE/Gのクランクシャフト1xに連結されるクランクプーリ1、モータ・ジェネレータMGの入出力軸に連結されるジェネレータプーリ2、ウォータポンプの軸に連結される補機プーリ3、パワーステアリングポンプの軸に連結される補機プーリ4、エアコンのコンプレッサの軸に連結される補機プーリ5、アイドラプーリ6、及びテンションプーリ7を含む複数のプーリ間にエンドレス状に掛け回されたリブ付きベルト手段8を備えている。
【0024】
上記ベルト動力伝達装置Aは、車両走行中の一時停止時にエンジンを停止させるアイドルストップ方式に対応するために開発されたものであり、アイドルストップ後の再始動時にはモータ・ジェネレータMGの動力でわずかであるが発進することもできる。モータ・ジェネレータMGは、アイドルストップ後のエンジンの再始動時又はエンジン停止時の補機駆動用の動力発生とオルタネータとしての発電機能とを併有し、スタータモータとオルタネータを一体化したものである。
【0025】
モータ・ジェネレータMGによりエンジンE/Gを始動するときは、制御系Cの制御回路ECUからの制御信号によりバッテリBから電力を送りインバータInを介して交流電力に変換してモータ・ジェネレータMGへ供給してモータとしての動力を発生させ、その動力をベルト手段8を介してエンジンE/Gへ送り始動させる。エンジン始動後はモータ・ジェネレータMGはジェネレータ(発電機)としての機能に切換えられ、エンジンE/Gの動力が上記と反対にモータ・ジェネレータMGへ送られ、このモータ・ジェネレータで発電された動力はインバータInを介して直流に変換されて一部はバッテリBへ戻され、他は各種の電気機器へ供給される。
【0026】
アイドルストップの際は、制御回路ECUからの指令によりエンジンE/Gは停止されるが、モータ・ジェネレータMGはバッテリBの電源により駆動され、その動力によりその他の補機が駆動される。しかし、エンジンE/Gへはクランクプーリ1により動力の伝達が遮断される。エンジンの再始動、モータ発進時には始動時と同じくモータ・ジェネレータMGの動力がエンジンE/Gにクランクプーリ1を介して伝達されてエンジンが再始動される。なお、下り坂を走行する場合などではエンジンE/Gの駆動を停止させるが、車体の慣性力でエンジンを駆動してクランクプーリ1を介してモータ・ジェネレータMGも駆動し、これによって生じる回生電力をバッテリBへ戻すことも可能である。
【0027】
クランクプーリ1は、後で詳細に説明するが、プーリ内に内輪と外輪を設け、両者間の動力の伝達・遮断を行う係合子としてローラと保持器を挿置し、電磁クラッチと永久磁石とばね部材により係合、遮断を制御できるようにした回転伝達機構をプーリ内に備え、電磁クラッチへの通電、非通電により上記制御が行われる。このような機能を有する例の概略構成を図2に示す。なお、このプーリ内の回転伝達機構は基本的には一種のツーウェイクラッチであるが、この例では回転伝達手段として利用されている。
【0028】
図2に示すように、クランクプーリ1は、クランクシャフト1xの端に取付けられたプーリ部1aと、マスダンパ部1bとから成る。マスダンパ部1bはマスダンパ1b1 がゴム材1b2 を介してダンパプレート1b3 に取付けられて形成され、固定手段によりクランクシャフト1xの端に固定されている。プーリ部1aにはプーリ1a1 の内側にゴム材1a2 を介して回転伝達機構10が組込まれている。この回転伝達機構10は、クランクシャフト1x端に固定して取付けられた一般にカムリングと呼ばれる内輪11と、その外側に回転自在に設けられる外輪12とを備えている。
【0029】
図3に示すように、内輪11と外輪12の対向面間では、外輪12の内周面に円筒面12i が形成され、内輪11の外周面11O には所定の間隔で複数の平坦なカム面11K が形成され、各カム面11K は外輪の円筒面12i との間で円周方向の両側が狭幅になる楔状空間を形成している。上記内輪11と外輪12との対向面間には、外側の第1保持器13aと内側の第2保持器13bが挿置され、それぞれの保持器に設けられているポケットに組込まれた係合子としてのローラ14(14a、14b)が対向面の円周に沿って所定の間隔で複数個設けられている。図示の例では、ローラ14(14a、14b)はカム面と同じ数だけ設けられているが、保持器に設けられているポケット13a1 、13b1 は、外側の第1保持器13aと内側の第2保持器13bに対してはそれぞれカム面の1つ置きに、かつ外側と内側の保持器では互いに隣り合うカム面11K に対応するように形成されている。
【0030】
外側の第1保持器13aと内側の第2保持器13bは、第1保持器13aの内周面に第2保持器13bの外周面が接する直径を有するリング状であり、第2保持器13bは内輪11の所定位置に固定して、第1保持器13aは回転し得るよう設けられている。又、第1保持器13aには第2保持器13bで保持されるローラ14bに対して回転移動の際の邪魔とならないように窓13a2 が所定周長範囲に設けられ、第2保持器13bには窓13b2 がローラ14aに対応して所定周長範囲に設けられている。なお、第1保持器13aのローラ14aに対するポケット13a1 は、ローラ14aの径にわずかな隙間で嵌合する寸法に設定されている。13pはピンである。
【0031】
図4に示すように、第1保持器13aと内輪11に対して、第1保持器13aの一側(後述するアーマチュア16と反対側端)にスイッチばね15が取付けられている。このスイッチばね15は、後述するように、第1保持器13aの内周方向への移動により第1保持器13aで保持されているローラ14aによる内輪11と外輪12との係合、遮断を行うための付勢手段である。スイッチばね15の一方の端15bは、内輪11のフランジ部に設けた切欠き11Nに挿入され、他方の端15aは第1保持器13aの端に設けた切欠き13Nに挿入されている。スイッチばね15の端15a、15bはそれぞれの切欠きに捩じって挿入されている。
【0032】
図4では第1保持器13aのローラ14aにより内輪11を外輪12に係合する状態を示しており、第1保持器13aの切欠13N〜13Nと内輪11の切欠き11N〜11Nの位相が少しずれた状態となっている。この状態となる前のローラ14aが中立位置にあるときは、上記切欠き11N〜11Nと切欠き13N〜13Nとの位相は一致しているが、第1保持器13aが内輪11に対して反時計方向に回転移動したため、スイッチばね15の他端15aが右側の切欠き13Nの端で反時計方向に押されて図示の状態となっており、スイッチばね15はばね弾性に逆らって直径が収縮している。
【0033】
図2に示すように、外側の第1保持器13aには、この保持器13aに対して軸方向にのみ移動可能にアーマチュア16が前述したスイッチばね15と反対側端に連結されている。この連結は、図5に示すように、第1保持器13aの側端から、図示の例では、2つの突出端13aがアーマチュア16のディスク板に設けた開口に挿入されることによって形成されている。そして、アーマチュア16と隣接して外輪12に固定されたロータ板12aが設けられ、このロータ板12aに対向して電磁コイル17が設けられている。17aは電磁コイル17を収容するヨークである。ロータ板12aには所定径位置にスリット19aが設けられ、このスリット19aに永久磁石19が取付けられている。
【0034】
図示のように、アーマチュア16は、電磁コイル17へは非通電状態で永久磁石19の吸着力でロータ板12aに吸着された状態では、外輪12と内輪11に向い合う側の面と外輪12、内輪11の端面との間に所定寸法Sのギャップsが生じ、反対側の面はロータ板12aと接している。なお、アーマチュア16は磁性体材料で形成され、永久磁石19は4つの円弧状のものがロータ板12aに取付けられているが、永久磁石19は1つのリング状のものとしてもよい。又、図示の状態では永久磁石19の吸着力によりアーマチュア16はロータ板12aに吸着され、接合面で一体になっている。
【0035】
上記のように構成したクランクプーリを備えたこの実施例のベルト動力伝達装置Aは、前述したように、車両走行中のアイドルストップを実現するためのものであり、クランクプーリ1は電磁クラッチを有する回転伝達機構を含んでエンジンE/Gからの動力をモータ・ジェネレータMGやその他の補機へ伝達し、反対にアイドルストップ時にはエンジンE/Gを停止してもモータ・ジェネレータMGの動力で補機の駆動をすることができる。ベルト動力伝達装置Aによるエンジン始動、再始動、モータ発進、回生とアイドルストップ時の補機駆動については既に説明したから、以下ではクランクプーリ1に組込まれた回転伝達機構の作用について説明する。
【0036】
図6は、図2と同様に、電磁クラッチによる係合状態を示している。この状態では回転伝達機構10の電磁コイル17へは非通電状態で、永久磁石19の吸着力によりアーマチュア16をロータ板12aに吸着し、係合子であるローラ14aにより内輪11と外輪12が係合されている。電磁コイル17は非通電状態でも、永久磁石19の磁束f19による吸着力でアーマチュア16がロータ板12aにわずかなギャップで接している状態ではアーマチュア16がロータ板12aと一体として回転する。
【0037】
このため、(b)図に示すように、モータ・ジェネレータMGからの回転力がベルト、プーリ1a1 を介して外輪12へ伝達されると、外輪12に固定されているアーマチュア16、第1保持器13aが矢印(実線)の方向へ回転し、ローラ14aが内輪11のカム面11K 上を移動して片側の狭幅の楔空間内に喰い込み、外輪12が内輪11に係合されて一体になって同じ矢印(点線)の方向へ回転する。これにより内輪11が回転するため、エンジンE/Gが始動、又は再始動される。なお、このとき、第2保持器13bに保持されているローラ14bは楔空間から離脱する方向へ移動しているため内輪11と外輪12との係合には関与しない。
【0038】
図7は、電磁クラッチへの通電によりクラッチが遮断された状態を示している。制御回路ECUからの指令により電磁コイル17に通電されると、電磁コイル17による磁束f17が図示のように生じる。この磁束f17の向きは永久磁石19による磁束f19と逆向きとなるように発生させることにより永久磁石19の磁束f19を打消すこととなる。従って、永久磁石19によるアーマチュア16への吸着力が消失し、アーマチュア16はロータ板12aからわずかに離れ、その係合が解かれる。
【0039】
そして、アーマチュア16とロータ板12a、即ち外輪12との係合が解かれた状態では、第1保持器13aは回転自由であるため、スイッチばね15がその弾性により径を広げる作用で、(c)図に示すように、スイッチばね15の他端15aが第1保持器13aの切欠き13Nの右側端を時計方向に押して第1保持器13aが回転し、他端15aが内輪11の切欠きの他端11Nに当接すると、2つの切欠き11N〜11Nと13N〜13Nの位相が一致した位置で停止する。
【0040】
即ち、スイッチばね15の弾性により第1保持器13aとローラ14aが時計方向へ移動して楔空間から離脱するため、ローラ14aによる内輪11と外輪12との係合が遮断される。このため、外輪12へ矢印(実線)の方向の回転が与えられても、その回転は内輪11へは伝達されず、内輪11は停止したままである。反対に、内輪11が回転してもその回転が外輪12へ伝達されることはない。
【0041】
図8は電磁クラッチへ非通電状態でクラッチが係合され、内輪が駆動された場合を示す。電磁コイル17が非通電状態では、第1保持器13aとローラ14aにより内輪11と外輪12が係合される作用については、図2、図6の場合と同じである。しかし、内輪11が駆動側である場合、内輪11の方がわずかに先に回転が進み、このため(b)図に示すように、第1保持器13aとローラ14aは中立位置から回転の遅れ側となる楔空間へ移動しようとするが、エンジンE/Gは回転変動しているため、(c)図のように、瞬時に第2保持器13bのローラ14bが内輪11と外輪12を係合状態とするなど走行中はこの状態が繰り返される。
【0042】
以上では電磁コイル17への通電、非通電により電磁クラッチが係合、遮断される作用について説明したが、図7の通電時がアイドルストップ時、図6が始動、再始動、モータ発進時、図8がエンジン駆動による通常走行時に対応していることは言うまでもない。アイドルストップ時には外輪12が駆動されても空転し、内輪11は停止したままであるから、ベルト伝達装置Aによりモータ・ジェネレータMGの駆動力が補機へ伝達される。
【0043】
エンジンの再始動、モータ発進時には、モータ・ジェネレータMGからの駆動力で外輪12が回転され、電磁クラッチの係合により内輪からエンジンE/Gへ駆動力が伝達される。通常走行時はエンジンE/Gから内輪、外輪へと動力が伝達されベルト伝達装置を介してモータ・ジェネレータMGやその他の補機が駆動される。このため、電磁クラッチはアイドルストップ時のみ通電してクラッチの係合が遮断され、それ以外では電磁クラッチは係合状態に保持される。
【0044】
なお、上記実施形態では第2保持器13b及びローラ14bを用いたが、これらは必ずしも設けなくてもよい。又、第1保持器13aを外側に、第2保持器13bを内側としたが、これを逆に設けて第2保持器13bにアーマチュア16を接続するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、この発明の回転伝達機構は内輪と外輪を係合子を用いて係合、遮断するクラッチを、このクラッチに接続したアーマチュアを永久磁石で吸着し、電磁コイルの通電により遮断して制御する電磁クラッチとし、非通電でクラッチ係合、通電でクラッチ遮断するようにしたから、アイドルストップ方式のベルト伝達装置のクランクプーリに用いると、アイドルストップ時のみ通電し、走行中の他の時間は非通電とすることによりエンジン動力の伝達、遮断をすることができるため電磁クラッチによる電力の消費を節約でき、かつエンジンとモータ・ジェネレータとの間の動力の伝達がスムーズに行われるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のベルト動力伝達装置の(a)全体概略構成図、(b)制御系を含む全体概略系統図
【図2】同上装置に用いられる電磁クラッチプーリの主要断面図
【図3】図2の矢視III から見た断面図
【図4】図2の矢視IVから見た断面図
【図5】図2の矢視Vから見た断面図
【図6】エンジン始動、再始動、モータ発進時の電磁クラッチプーリの作用の説明図
【図7】アイドルストップ時の通電での電磁クラッチプーリの作用の説明図
【図8】通常走行中の電磁クラッチプーリの作用の説明図
【符号の説明】
1 クランクプーリ
2 ジェネレータプーリ
3、4、5 補機プーリ
8 ベルト手段
10 回転伝達機構
11 内輪
12 外輪
12a ロータ板
13a 第1保持器
13b 第2保持器
14 ローラ
15 スイッチばね
16 アーマチュア
17 電磁コイル
18 軸受
19 永久磁石
E/G エンジン
MG モータ・ジェネレータ
In インバータ
B バッテリ
C 制御系
ECU 制御回路
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンの動力を被駆動部に伝達する動力伝達経路上で動力の伝達と遮断の切換えに用いる回転伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン始動のためのスタータ(モータ)と発電用のオルタネータ(発電機)とをそれぞれ独立に有する従来の始動方式のエンジンでは、スタータによるエンジン始動後はスタータはエンジンから切り離され、エンジンの動力はベルト式動力伝達手段を介してオルタネータやカークーラのコンプレッサ、ウォータポンプ等の補機へ伝達される。ベルト式動力伝達手段は、通常内燃エンジンのクランクシャフトに連結されたプーリと、各補機の入力軸に接続される被駆動プーリと、各プーリ間にエンドレス状に掛け回されるリブ付きベルトを備えている。
【0003】
このような始動方式のエンジンでは、走行中のエンジン急減速時、あるいは通常走行中のエンジンの高周波トルク変動に起因してエンジンとオルタネータ間に回転速度差が生じることがあり、このためベルト動力伝達手段のベルトの摩耗、短寿命化を防止する対策が必要とされ、その一例として特許文献1はオルタネータの被駆動プーリに一方向クラッチを内蔵したプーリを用いた「エンジン用補機のベルト伝達装置」について開示している。
【0004】
一方、最近環境汚染防止や地球温暖化防止の観点からCO2 やNOx等を含む排気ガスの低減化を図る対策の1つとして、走行中の車両が一時停止時にエンジンを停止させるアイドルストップ方式が注目されている。アイドルストップ方式では、エンジン発停の頻度が高くなるため、オルタネータはモータ・ジェネレータとし、車両の一時停止時にエンジンを停止しても補機は駆動を続けることができるようにする等の対策が必要である。このような対策を施した車両のベルト伝達装置について非特許文献1に紹介されている。
【0005】
この非特許文献1による車両は、エンジンと電動モータによる駆動を併用する、上記のようなアイドルストップ方式に必要な対策を施した車両であって、電動モータによる走行域もわずかであるが可能となっている。この車両では、エンジンとベルト伝達手段とは電磁クラッチ付きクランクシャフトダンパプーリ(以下、電磁クラッチプーリと略称する)を介して連結され、ベルト伝達手段にモータ・ジェネレータのプーリやその他の補機のプーリが直結されている。
【0006】
上記電磁クラッチプーリは、エンジンのクランクシャフト端に取付けられたマスダンパとプーリ部とから成る。プーリ部はクランクシャフトに直結された内輪のハブに板ばねとアーマチュアを軸方向に移動可能に設け、ハブ外周にはロータとこのロータの半径方向の外側にゴムを介して取付けたプーリをハブに対し軸受により回転自在に設け、ロータとプーリの間に入り込むスペースに電磁コイルを外部から支持して取付け、電磁コイルとアーマチュア間に摩擦材を挟んで設けて構成されている。
【0007】
内輪のハブと外輪のロータは、電磁コイルに通電してアーマチュアを電磁コイル側へ吸引すると、アーマチュアが摩擦材に摩擦接触することによりロータに連結されて内輪と外輪が接続され、電磁コイルへの通電を遮断するとアーマチュアへの吸着力がなくなるためアーマチュアは板ばねの弾性で電磁コイルから離れる方向へ引き戻され、これによりロータとハブとの連結が遮断されるようになっている。
【0008】
上記のような構成、機能を有する電磁クラッチプーリをベルト伝達手段に組込んだシステムでは、エンジン、モータ・ジェネレータの駆動、被駆動とその作動の関係は下記の表1のようになる。
【0009】
【表1】
上表に示すように、電磁クラッチプーリは走行中(▲1▼〜▲4▼)通電状態としてクラッチが係合されている。
【0010】
【特許文献1】
特公平7−72585号公報
【非特許文献1】
技術誌「自動車工学」2002年4月号、61〜73頁
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1による一方向クラッチをクランクシャフトプーリ又は発電機(オルタネータ)プーリのいずれかに組込んでエンジンの高周波トルク変動によるベルトの変動荷重を減少させてベルトの長寿命化を図ることは重要であるが、アイドルストップ方式ではオルタネータに代えてモータ・ジェネレータが用いられるため、単純に一方向クラッチを組込むことはできない。例えばクランクシャフトプーリに一方向クラッチを組込んだ場合、エンジン動力をモータ・ジェネレータへ伝達する方向では一方向クラッチが駆動(ON)となるが、反対にモータ・ジェネレータからエンジンへ向かう方向では一方向クラッチは空転(OFF)し、エンジンの始動ができない。
【0012】
非特許文献1の電磁クラッチプーリを用いたアイドルストップ方式のベルト伝達装置では、特許文献1における課題はともかくとして、電磁クラッチプーリによりエンジンの再始動、モータ発進、充電、回生、補機駆動の全てを実施できるシステムを実現している。しかし、電磁クラッチプーリは電磁コイルに通電してアーマチュアを吸着し、これによりクラッチを作動(係合)させてエンジンの再始動、モータ発進、充電、回生まで行なうようになっており、通電が遮断されるのはアイドルストップ時の補機駆動だけであって、走行中の時間の大部分は通電されている。このため、電力の消費が大きく、省電力を図る余地がある。
【0013】
省電力を図る手段として、特開平8−175206号公報や特開平10−71872号公報に開示された電磁クラッチのように、摩擦材に代えて内輪と外輪の間にローラあるいはスプラグ等の係合子を挿置し、この係合子による係合、遮断を電磁コイルにより制御する方式の電磁クラッチを適用することが考えられる。
【0014】
上記2つの公報に開示された回転伝達装置は、2WD車(二輪駆動車)を4WD車(四輪駆動車)に選択切換えするのに用いることを主目的とし、回転動力の伝達軸の途中で後輪と前輪の両方へ動力を分岐し得るツーウエイクラッチとして開発されたものであり、電磁コイルへの通電によって係合子による電磁クラッチが係合するか遮断された状態となるかは重要でない。しかし、上記係合子による電磁クラッチ方式をベルト動力伝達装置の電磁クラッチプーリに適用する場合は、電磁クラッチへの非通電時にクラッチが係合(ロック)し、通電時にはクラッチが遮断(ロック解除)されるように設定するのが望ましい。しかし、このような電磁クラッチプーリは今までに提案されたことがない。
【0015】
この発明は、上記の問題に留意して、アイドルストップ方式を実現するためのベルト動力伝達装置においてクランクプーリに組込んでエンジン動力を伝達、遮断できるようにし、この動力の伝達、遮断を係合子を用いてスムーズに行なうようにした回転伝達機構を提供することを第1の課題とする。
【0016】
又、第1の課題を解決する手段を用いて得られるベルト動力伝達装置を提供することを第2の課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、内輪と外輪の対向面の一方を円筒面、他方を円筒面との間で楔空間を形成する複数のカム面とする内輪と外輪を設け、その対向面間に内輪と外輪の係合子をポケットに組込んだ保持器を回転自在に挿置し、この保持器には保持器を弾性的に付勢して係合子を中立位置に保持する弾性部材と、保持器に対して軸方向にのみ移動可能なアーマチュアとを接続し、外輪に固定して設けられたロータ板を挟んでアーマチュアに対向して電磁コイルを設け、ロータ板のアーマチュアに対向する面に設けたスリットに永久磁石を挿置し、電磁コイルの非通電時は永久磁石の吸着力によりアーマチュアをロータ板に摩擦接触させ、通電時は電磁コイルの磁束により永久磁石の吸着力を打消してアーマチュアのロータ板に対する摩擦係合を解除するように構成した回転伝達機構としたのである。
【0018】
上記構成の回転伝達機構は、係合子によるクラッチを電磁コイルにより制御して動力の伝達、遮断をする電磁クラッチの一種であり、ツーウエイクラッチとしても機能するが、前述したアイドルストップ方式のエンジンの動力を補機へ伝達するベルト伝達装置に利用すると有効である。エンジン始動時には、モータ・ジェネレータからの駆動力がベルト伝達装置を介してエンジンへ伝達される。この場合、電磁コイルを非通電状態としておけば、アーマチュアは永久磁石の吸着により外輪と一体に回転し、保持器の係合子が内輪と外輪を係合させて外輪からの駆動力が内輪を経てエンジンへ伝達される。
【0019】
車両の走行中はエンジンの駆動力がベルト動力伝達装置によりモータ・ジェネレータや他の補機へ伝達され、モータ・ジェネレータを発電機へ切換えれば発電が行なわれ、その電力は他の電気機器やバッテリへ送られて充電が行なわれる。坂道などで車両の慣性力で移動できるときは、その慣性力による駆動でモータ・ジェネレータを駆動し、これによる発電で生じる回生電力はバッテリへ戻される。
【0020】
走行中に一旦停止してエンジンを停止させるアイドルストップ時には、電磁コイルに通電をすることにより電磁コイルの磁束により永久磁石の吸着力が打消され、このためアーマチュアは外輪との摩擦係合が解かれ、回転可能となる。そして、保持器は弾性部材により付勢され係合子を中立位置に移動させて保持し、係合子による内輪と外輪の係合が遮断され、このためモータ・ジェネレータからの回転力は外輪へ伝達されても内輪へは伝達されず、エンジンを回転することはできなくなる。
【0021】
エンジンの再始動時、モータ発進時には再び電磁コイルを非通電状態にすれば、電磁クラッチが係合され、エンジンが始動時と同様に再始動される。従って、電磁クラッチは走行中大部分は非通電状態であり、アイドルストップの一時だけ通電させるため、電力の消費が節約される。
【0022】
上記構成の回転伝達機構をプーリに組込んで次のようなベルト動力伝達装置を形成することができる。即ち、エンジンの入出力軸に連結されるクランクプーリと、動力発生と発電の機能を併有するモータ・ジェネレータの入出力軸に連結されるジェネレータプーリと、その他の補機の入力軸に連結される補機プーリとを含む複数のプーリ間にベルトを掛け回して動力を伝達するベルト動力伝達手段を構成し、クランクプーリは前記回転伝達機構を組込んだ電磁クラッチプーリとしたベルト動力伝達装置とすることができる。
【0023】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、実施形態の電磁クラッチ式の回転伝達機構が組込まれたクランクシャフトプーリを備えたベルト動力伝達装置の全体を模式図的に示す概略構成図である。ベルト動力伝達装置Aは、図示のように、エンジンE/Gのクランクシャフト1xに連結されるクランクプーリ1、モータ・ジェネレータMGの入出力軸に連結されるジェネレータプーリ2、ウォータポンプの軸に連結される補機プーリ3、パワーステアリングポンプの軸に連結される補機プーリ4、エアコンのコンプレッサの軸に連結される補機プーリ5、アイドラプーリ6、及びテンションプーリ7を含む複数のプーリ間にエンドレス状に掛け回されたリブ付きベルト手段8を備えている。
【0024】
上記ベルト動力伝達装置Aは、車両走行中の一時停止時にエンジンを停止させるアイドルストップ方式に対応するために開発されたものであり、アイドルストップ後の再始動時にはモータ・ジェネレータMGの動力でわずかであるが発進することもできる。モータ・ジェネレータMGは、アイドルストップ後のエンジンの再始動時又はエンジン停止時の補機駆動用の動力発生とオルタネータとしての発電機能とを併有し、スタータモータとオルタネータを一体化したものである。
【0025】
モータ・ジェネレータMGによりエンジンE/Gを始動するときは、制御系Cの制御回路ECUからの制御信号によりバッテリBから電力を送りインバータInを介して交流電力に変換してモータ・ジェネレータMGへ供給してモータとしての動力を発生させ、その動力をベルト手段8を介してエンジンE/Gへ送り始動させる。エンジン始動後はモータ・ジェネレータMGはジェネレータ(発電機)としての機能に切換えられ、エンジンE/Gの動力が上記と反対にモータ・ジェネレータMGへ送られ、このモータ・ジェネレータで発電された動力はインバータInを介して直流に変換されて一部はバッテリBへ戻され、他は各種の電気機器へ供給される。
【0026】
アイドルストップの際は、制御回路ECUからの指令によりエンジンE/Gは停止されるが、モータ・ジェネレータMGはバッテリBの電源により駆動され、その動力によりその他の補機が駆動される。しかし、エンジンE/Gへはクランクプーリ1により動力の伝達が遮断される。エンジンの再始動、モータ発進時には始動時と同じくモータ・ジェネレータMGの動力がエンジンE/Gにクランクプーリ1を介して伝達されてエンジンが再始動される。なお、下り坂を走行する場合などではエンジンE/Gの駆動を停止させるが、車体の慣性力でエンジンを駆動してクランクプーリ1を介してモータ・ジェネレータMGも駆動し、これによって生じる回生電力をバッテリBへ戻すことも可能である。
【0027】
クランクプーリ1は、後で詳細に説明するが、プーリ内に内輪と外輪を設け、両者間の動力の伝達・遮断を行う係合子としてローラと保持器を挿置し、電磁クラッチと永久磁石とばね部材により係合、遮断を制御できるようにした回転伝達機構をプーリ内に備え、電磁クラッチへの通電、非通電により上記制御が行われる。このような機能を有する例の概略構成を図2に示す。なお、このプーリ内の回転伝達機構は基本的には一種のツーウェイクラッチであるが、この例では回転伝達手段として利用されている。
【0028】
図2に示すように、クランクプーリ1は、クランクシャフト1xの端に取付けられたプーリ部1aと、マスダンパ部1bとから成る。マスダンパ部1bはマスダンパ1b1 がゴム材1b2 を介してダンパプレート1b3 に取付けられて形成され、固定手段によりクランクシャフト1xの端に固定されている。プーリ部1aにはプーリ1a1 の内側にゴム材1a2 を介して回転伝達機構10が組込まれている。この回転伝達機構10は、クランクシャフト1x端に固定して取付けられた一般にカムリングと呼ばれる内輪11と、その外側に回転自在に設けられる外輪12とを備えている。
【0029】
図3に示すように、内輪11と外輪12の対向面間では、外輪12の内周面に円筒面12i が形成され、内輪11の外周面11O には所定の間隔で複数の平坦なカム面11K が形成され、各カム面11K は外輪の円筒面12i との間で円周方向の両側が狭幅になる楔状空間を形成している。上記内輪11と外輪12との対向面間には、外側の第1保持器13aと内側の第2保持器13bが挿置され、それぞれの保持器に設けられているポケットに組込まれた係合子としてのローラ14(14a、14b)が対向面の円周に沿って所定の間隔で複数個設けられている。図示の例では、ローラ14(14a、14b)はカム面と同じ数だけ設けられているが、保持器に設けられているポケット13a1 、13b1 は、外側の第1保持器13aと内側の第2保持器13bに対してはそれぞれカム面の1つ置きに、かつ外側と内側の保持器では互いに隣り合うカム面11K に対応するように形成されている。
【0030】
外側の第1保持器13aと内側の第2保持器13bは、第1保持器13aの内周面に第2保持器13bの外周面が接する直径を有するリング状であり、第2保持器13bは内輪11の所定位置に固定して、第1保持器13aは回転し得るよう設けられている。又、第1保持器13aには第2保持器13bで保持されるローラ14bに対して回転移動の際の邪魔とならないように窓13a2 が所定周長範囲に設けられ、第2保持器13bには窓13b2 がローラ14aに対応して所定周長範囲に設けられている。なお、第1保持器13aのローラ14aに対するポケット13a1 は、ローラ14aの径にわずかな隙間で嵌合する寸法に設定されている。13pはピンである。
【0031】
図4に示すように、第1保持器13aと内輪11に対して、第1保持器13aの一側(後述するアーマチュア16と反対側端)にスイッチばね15が取付けられている。このスイッチばね15は、後述するように、第1保持器13aの内周方向への移動により第1保持器13aで保持されているローラ14aによる内輪11と外輪12との係合、遮断を行うための付勢手段である。スイッチばね15の一方の端15bは、内輪11のフランジ部に設けた切欠き11Nに挿入され、他方の端15aは第1保持器13aの端に設けた切欠き13Nに挿入されている。スイッチばね15の端15a、15bはそれぞれの切欠きに捩じって挿入されている。
【0032】
図4では第1保持器13aのローラ14aにより内輪11を外輪12に係合する状態を示しており、第1保持器13aの切欠13N〜13Nと内輪11の切欠き11N〜11Nの位相が少しずれた状態となっている。この状態となる前のローラ14aが中立位置にあるときは、上記切欠き11N〜11Nと切欠き13N〜13Nとの位相は一致しているが、第1保持器13aが内輪11に対して反時計方向に回転移動したため、スイッチばね15の他端15aが右側の切欠き13Nの端で反時計方向に押されて図示の状態となっており、スイッチばね15はばね弾性に逆らって直径が収縮している。
【0033】
図2に示すように、外側の第1保持器13aには、この保持器13aに対して軸方向にのみ移動可能にアーマチュア16が前述したスイッチばね15と反対側端に連結されている。この連結は、図5に示すように、第1保持器13aの側端から、図示の例では、2つの突出端13aがアーマチュア16のディスク板に設けた開口に挿入されることによって形成されている。そして、アーマチュア16と隣接して外輪12に固定されたロータ板12aが設けられ、このロータ板12aに対向して電磁コイル17が設けられている。17aは電磁コイル17を収容するヨークである。ロータ板12aには所定径位置にスリット19aが設けられ、このスリット19aに永久磁石19が取付けられている。
【0034】
図示のように、アーマチュア16は、電磁コイル17へは非通電状態で永久磁石19の吸着力でロータ板12aに吸着された状態では、外輪12と内輪11に向い合う側の面と外輪12、内輪11の端面との間に所定寸法Sのギャップsが生じ、反対側の面はロータ板12aと接している。なお、アーマチュア16は磁性体材料で形成され、永久磁石19は4つの円弧状のものがロータ板12aに取付けられているが、永久磁石19は1つのリング状のものとしてもよい。又、図示の状態では永久磁石19の吸着力によりアーマチュア16はロータ板12aに吸着され、接合面で一体になっている。
【0035】
上記のように構成したクランクプーリを備えたこの実施例のベルト動力伝達装置Aは、前述したように、車両走行中のアイドルストップを実現するためのものであり、クランクプーリ1は電磁クラッチを有する回転伝達機構を含んでエンジンE/Gからの動力をモータ・ジェネレータMGやその他の補機へ伝達し、反対にアイドルストップ時にはエンジンE/Gを停止してもモータ・ジェネレータMGの動力で補機の駆動をすることができる。ベルト動力伝達装置Aによるエンジン始動、再始動、モータ発進、回生とアイドルストップ時の補機駆動については既に説明したから、以下ではクランクプーリ1に組込まれた回転伝達機構の作用について説明する。
【0036】
図6は、図2と同様に、電磁クラッチによる係合状態を示している。この状態では回転伝達機構10の電磁コイル17へは非通電状態で、永久磁石19の吸着力によりアーマチュア16をロータ板12aに吸着し、係合子であるローラ14aにより内輪11と外輪12が係合されている。電磁コイル17は非通電状態でも、永久磁石19の磁束f19による吸着力でアーマチュア16がロータ板12aにわずかなギャップで接している状態ではアーマチュア16がロータ板12aと一体として回転する。
【0037】
このため、(b)図に示すように、モータ・ジェネレータMGからの回転力がベルト、プーリ1a1 を介して外輪12へ伝達されると、外輪12に固定されているアーマチュア16、第1保持器13aが矢印(実線)の方向へ回転し、ローラ14aが内輪11のカム面11K 上を移動して片側の狭幅の楔空間内に喰い込み、外輪12が内輪11に係合されて一体になって同じ矢印(点線)の方向へ回転する。これにより内輪11が回転するため、エンジンE/Gが始動、又は再始動される。なお、このとき、第2保持器13bに保持されているローラ14bは楔空間から離脱する方向へ移動しているため内輪11と外輪12との係合には関与しない。
【0038】
図7は、電磁クラッチへの通電によりクラッチが遮断された状態を示している。制御回路ECUからの指令により電磁コイル17に通電されると、電磁コイル17による磁束f17が図示のように生じる。この磁束f17の向きは永久磁石19による磁束f19と逆向きとなるように発生させることにより永久磁石19の磁束f19を打消すこととなる。従って、永久磁石19によるアーマチュア16への吸着力が消失し、アーマチュア16はロータ板12aからわずかに離れ、その係合が解かれる。
【0039】
そして、アーマチュア16とロータ板12a、即ち外輪12との係合が解かれた状態では、第1保持器13aは回転自由であるため、スイッチばね15がその弾性により径を広げる作用で、(c)図に示すように、スイッチばね15の他端15aが第1保持器13aの切欠き13Nの右側端を時計方向に押して第1保持器13aが回転し、他端15aが内輪11の切欠きの他端11Nに当接すると、2つの切欠き11N〜11Nと13N〜13Nの位相が一致した位置で停止する。
【0040】
即ち、スイッチばね15の弾性により第1保持器13aとローラ14aが時計方向へ移動して楔空間から離脱するため、ローラ14aによる内輪11と外輪12との係合が遮断される。このため、外輪12へ矢印(実線)の方向の回転が与えられても、その回転は内輪11へは伝達されず、内輪11は停止したままである。反対に、内輪11が回転してもその回転が外輪12へ伝達されることはない。
【0041】
図8は電磁クラッチへ非通電状態でクラッチが係合され、内輪が駆動された場合を示す。電磁コイル17が非通電状態では、第1保持器13aとローラ14aにより内輪11と外輪12が係合される作用については、図2、図6の場合と同じである。しかし、内輪11が駆動側である場合、内輪11の方がわずかに先に回転が進み、このため(b)図に示すように、第1保持器13aとローラ14aは中立位置から回転の遅れ側となる楔空間へ移動しようとするが、エンジンE/Gは回転変動しているため、(c)図のように、瞬時に第2保持器13bのローラ14bが内輪11と外輪12を係合状態とするなど走行中はこの状態が繰り返される。
【0042】
以上では電磁コイル17への通電、非通電により電磁クラッチが係合、遮断される作用について説明したが、図7の通電時がアイドルストップ時、図6が始動、再始動、モータ発進時、図8がエンジン駆動による通常走行時に対応していることは言うまでもない。アイドルストップ時には外輪12が駆動されても空転し、内輪11は停止したままであるから、ベルト伝達装置Aによりモータ・ジェネレータMGの駆動力が補機へ伝達される。
【0043】
エンジンの再始動、モータ発進時には、モータ・ジェネレータMGからの駆動力で外輪12が回転され、電磁クラッチの係合により内輪からエンジンE/Gへ駆動力が伝達される。通常走行時はエンジンE/Gから内輪、外輪へと動力が伝達されベルト伝達装置を介してモータ・ジェネレータMGやその他の補機が駆動される。このため、電磁クラッチはアイドルストップ時のみ通電してクラッチの係合が遮断され、それ以外では電磁クラッチは係合状態に保持される。
【0044】
なお、上記実施形態では第2保持器13b及びローラ14bを用いたが、これらは必ずしも設けなくてもよい。又、第1保持器13aを外側に、第2保持器13bを内側としたが、これを逆に設けて第2保持器13bにアーマチュア16を接続するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、この発明の回転伝達機構は内輪と外輪を係合子を用いて係合、遮断するクラッチを、このクラッチに接続したアーマチュアを永久磁石で吸着し、電磁コイルの通電により遮断して制御する電磁クラッチとし、非通電でクラッチ係合、通電でクラッチ遮断するようにしたから、アイドルストップ方式のベルト伝達装置のクランクプーリに用いると、アイドルストップ時のみ通電し、走行中の他の時間は非通電とすることによりエンジン動力の伝達、遮断をすることができるため電磁クラッチによる電力の消費を節約でき、かつエンジンとモータ・ジェネレータとの間の動力の伝達がスムーズに行われるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のベルト動力伝達装置の(a)全体概略構成図、(b)制御系を含む全体概略系統図
【図2】同上装置に用いられる電磁クラッチプーリの主要断面図
【図3】図2の矢視III から見た断面図
【図4】図2の矢視IVから見た断面図
【図5】図2の矢視Vから見た断面図
【図6】エンジン始動、再始動、モータ発進時の電磁クラッチプーリの作用の説明図
【図7】アイドルストップ時の通電での電磁クラッチプーリの作用の説明図
【図8】通常走行中の電磁クラッチプーリの作用の説明図
【符号の説明】
1 クランクプーリ
2 ジェネレータプーリ
3、4、5 補機プーリ
8 ベルト手段
10 回転伝達機構
11 内輪
12 外輪
12a ロータ板
13a 第1保持器
13b 第2保持器
14 ローラ
15 スイッチばね
16 アーマチュア
17 電磁コイル
18 軸受
19 永久磁石
E/G エンジン
MG モータ・ジェネレータ
In インバータ
B バッテリ
C 制御系
ECU 制御回路
Claims (5)
- 内輪と外輪の対向面の一方を円筒面、他方を円筒面との間で楔空間を形成する複数のカム面とする内輪と外輪を設け、その対向面間に内輪と外輪の係合子をポケットに組込んだ保持器を回転自在に挿置し、この保持器には保持器を弾性的に付勢して係合子を中立位置に保持する弾性部材と、保持器に対して軸方向にのみ移動可能なアーマチュアとを接続し、外輪に固定して設けられたロータ板を挟んでアーマチュアに対向して電磁コイルを設け、ロータ板のアーマチュアに対向する面に設けたスリットに永久磁石を挿置し、電磁コイルの非通電時は永久磁石の吸着力によりアーマチュアをロータ板に摩擦接触させ、通電時は電磁コイルの磁束により永久磁石の吸着力を打消してアーマチュアのロータ板に対する摩擦係合を解除するように構成した回転伝達機構。
- 前記保持器の片側端に突出部を設け、この突出部をアーマチュアに設けた開口に移動自在に挿入してアーマチュアを軸方向にのみ移動可能としたことを特徴とする請求項1に記載の回転伝達機構。
- 前記弾性部材を、アーマチュアと反対側端で内輪の切欠きに一端を保持器の切欠きに他端を係合させたリング状のスイッチばねとし、このスイッチばねの弾性により保持器を円周方向に移動させ係合子を楔空間位置から中立位置へ移動させて保持するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の回転伝達機構。
- 前記保持器を第1保持器とし、この第1保持器と同心状に第2保持器を内輪に固定して対向面間に設け、第2保持器のポケットに係合子を組込んで内輪と外輪に対する一方向クラッチとしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回転伝達機構。
- エンジンの入出力軸に連結されるクランクプーリと、動力発生と発電の機能を併有するモータ・ジェネレータの入出力軸に連結されるジェネレータプーリと、その他の補機の入力軸に連結される補機プーリとを含む複数のプーリ間にベルトを掛け回して動力を伝達するベルト動力伝達手段を構成し、クランクプーリは前記請求項1乃至4のいずれかに記載の回転伝達機構を組込んだ電磁クラッチプーリとしたベルト動力伝達装置。
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