JP2001063399A - 自動車の補機駆動装置 - Google Patents

自動車の補機駆動装置

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JP2001063399A
JP2001063399A JP23832099A JP23832099A JP2001063399A JP 2001063399 A JP2001063399 A JP 2001063399A JP 23832099 A JP23832099 A JP 23832099A JP 23832099 A JP23832099 A JP 23832099A JP 2001063399 A JP2001063399 A JP 2001063399A
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光司 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの出力の内、補機駆動に使われるも
のを低減することができ、走行性能や燃費の向上が図れ
る補機駆動装置を提供する。 【解決手段】 エンジンの動力を用いてベルト駆動され
る自動車の補機駆動システム内に駆動モータを配置し、
そのモータの出力軸にベルトと連動した二方向クラッチ
17を設けて、モータからの駆動がない時はモータとの
連結を遮断し、モータからの駆動がある時はその駆動力
をベルトに伝達すると共に、上記二方向クラッチ17に
内蔵した電磁クラッチ18の作動により、ベルトからの
駆動力をモータへ伝達可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の補機駆
動装置、更に詳しくは、補機駆動に使用されるエンジン
の負荷を軽減して走行性能と燃費を向上させることがで
きる補機駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に搭載されている補機としてカー
クーラのコンプレッサやウオータポンプ等があり、従
来、これら補機の駆動システムは、エンジンの動力のみ
によって駆動するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、補機をエン
ジンの動力のみによって駆動するシステムは、補機側の
負荷が大きくなった時に、エンジン総出力中、補機駆動
に使われる部分が多くなり、その結果、走行に使用され
る主たる動力が減少し、走行性能や燃費が低減するとい
う問題がある。
【0004】そこで、この発明の課題は、エンジンの出
力の内、補機駆動に使われるものを低減することがで
き、走行性能や燃費の向上が図れる補機駆動装置を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、請求項1の発明は、エンジンの動力を用いて
駆動される自動車の補機駆動システム内に駆動モータを
配置し、そのモータの出力軸に二方向クラッチを設け
て、モータからの駆動がない時はモータとの連結を遮断
し、モータからの駆動がある時はその駆動力をベルトに
伝達すると共に、上記二方向クラッチに内蔵した電磁ク
ラッチの作動により、ベルトからの駆動力をモータへ伝
達可能とした構成を採用したものである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、上記二方向クラッチが、内輪と外輪および内外輪間
に収容された複数のスプラグと、スプラグの姿勢を制御
する内側保持器と外側保持器とからなり、電磁クラッチ
のアーマチュアがこの外側保持器に係合自在とした構成
を採用したものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、上記二方向クラッチが、外径に複数のカム面を有す
る内輪と、内周に円筒面を有する外輪と、内外輪間に収
容された複数のローラと、ローラを保持する保持器とか
らなり、電磁クラッチのアーマチュアがこの保持器に係
合自在とした構成を採用したものである。
【0008】請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明
において、上記二方向クラッチが、上記補機駆動ベルト
に係合するプーリに内蔵されている構成を採用したもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。
【0010】図1は、エンジンの動力を用いて駆動され
る自動車の補機駆動システム内への補機駆動装置の組み
込み状態を示し、エンジンで駆動されるクランクプーリ
1、カークーラのコンプレッサ用プーリ2、アイドラプ
ーリ3、ウオータポンプ用のプーリ4、テンションプー
リ5、補機駆動装置Aをエンドレスのベルト6で連動
し、エンジンの出力によるベルト6の回動で各補機を駆
動すると共に、補機駆動装置Aでベルトの回動を補助す
ることにより、エンジンの駆動の負担を低減するように
なっている。
【0011】図2乃至図4に示す第1の実施の形態の補
機駆動装置Aは、駆動モータの出力軸に内輪11を固定
し、この内輪11に軸受12を介して回転可能に外嵌す
る外輪13と該内輪12間に複数のスプラグ14を収容
し、かつ、内輪11と外輪13の間にスプラグ14の姿
勢を制御する内側保持器15と外側保持器16を設けた
二方向クラッチ17と、この二方向クラッチ17の内輪
11と外輪13の間に内蔵され、二方向クラッチ17の
結合と解放を操作する電磁クラッチ18の組み合わせに
よって構成され、上記外輪13の外径に自動車の補機駆
動システムにおけるベルト6を巻き掛けるプーリ19が
固定されている。
【0012】上記内輪11の外径面と外輪13の内径面
は共に円筒面20、21になり、この円筒面20、21
間に内側保持器15と外側保持器16を回転可能に嵌挿
し、両保持器15、16のポケット22と23に両方向
に係合可能なスプラグ14を嵌め込み、内側保持器15
のポケット22の両側にスプラグ14を押すばね24が
設けられていると共に、内側保持器15と外側保持器1
6はピン25と長孔26の範囲内での相対回転を許容す
るよう結合され、スイッチングばね27により、内側保
持器15に対して外側保持器16は回転方向の一方側に
復帰する弾性が付勢されている。
【0013】前記電磁クラッチ18は、外輪13の内径
面にロータガイド28を介してロータ29を外輪13と
相対回転しないように圧入固定し、このロータ29内に
電磁コイル30を組み込み、該電磁コイル30は固定部
分31に固定配置すると共に、両保持器15、16の端
部とロータ29の対向面間にアーマチュア32を軸方向
に移動可能となるよう組み込み、該アーマチュア32を
外側保持器16に回転方向に一体で軸方向に移動可能と
なるよう係合させた構造になっている。
【0014】第1の実施の形態の補機駆動装置Aは、上
記のような構成であり、自動車の補機駆動システムに組
み込んだ状態において、図4(A)は、電磁クラッチ1
8への通電がOFFで駆動モータが起動していない時の
二方向クラッチ17の内部状態を示している。
【0015】外側保持器16は、スイッチングばね27
により同図左側にスイッチし、スプラグ14を左側に傾
けている。この状態で外輪13は同図矢印の右側方向へ
の空転が可能となる。従って、自動車の補機駆動システ
ムにおいて、エンジンでベルト6を回動させて補機を駆
動していても、外輪13は空転し、ベルト6から駆動モ
ータが駆動されることはなく、エンジンに余分な負荷を
与えることはない。
【0016】ここで、外輪13が空転している状態で、
ロータガイド28とロータ29は該外輪13と一体に回
転している。この状態で、電磁クラッチ18の電磁コイ
ル30に対する通電をONすると、アーマチュア32が
電磁コイル30に吸引され、回転するロータ29と接触
することにより、接触抵抗でロータ29の回転がアーマ
チュア32に伝達され、これにより、外輪13の回転が
外側保持器16に伝えられ、図4(B)に示すように、
内側保持器15に対して外側保持器16が同図右側に回
動してスプラグ14の姿勢を右側に傾けたスイッチング
が行われ、スプラグ14は内外輪11、13の円筒面2
0、21に係合することにより、外輪13の回転が、ス
プラグ14から内輪11へと伝達され、内輪11を固定
した駆動モータの出力軸が駆動される。
【0017】駆動モータは出力軸の駆動により、発電ま
たは回生ブレーキの機能が生じる。
【0018】次に、上記外輪13の空転状態で、駆動モ
ータに通電して起動させ、内輪11の回転速度が外輪1
3を上回ると、スイッチングばね27の作用により、内
側保持器15に対して外側保持器16が図4(C)の左
側に戻され、スプラグ14を左側に傾いた姿勢にし、該
スプラグ14は内外輪11、13の円筒面20、21に
係合することにより、内輪11の回転がスプラグ14を
介して外輪13に伝達される。
【0019】この状態で、自動車の補機駆動システムに
おけるベルト6が駆動され、これにより、自動車の補機
を駆動するエンジンの出力を補助することができ、補機
を駆動するためのエンジンの負荷を軽減し、自動車の走
行性能と燃費の向上が図れることになる。
【0020】図5乃至図7に示す第2の実施の形態の補
機駆動装置Aは、二方向クラッチ17を第1の実施の形
態のスプラグ14に代えてローラを用いて形成した例で
ある。なお、基本的な構造と作用は、前記した第1の実
施の形態と同一であるので、相違する部分のみを説明す
る。
【0021】この第2の実施の形態における二方向クラ
ッチ17は、駆動モータの出力軸と結合する入力軸41
に設けた内方部材42の外側に外輪43を配置し、内方
部材42の外径面に複数のカム面44を形成すると共
に、外輪43の内径面を円筒面45とし、カム面44と
円筒面45間に楔空間を形成している。
【0022】上記カム面44と円筒面45間に保持器4
6が嵌挿され、この保持器46の周方向にカム面44と
等しい数のポケット47が形成され、各ポケット47に
ローラ48が組み込まれ、保持器46によって周方向に
所定量移動すると、カム面44と円筒面45間に係合
し、内方部材42と外輪43を一体化する。
【0023】図7のように、保持器46と内方部材42
の両者には、周方向の一部に切り欠き49、50が設け
られ、そこにスイッチングばね51を撓ませて両端をセ
ットし、ローラ48を楔空間に対して係合しない中立位
置に保持し、内方部材42と外輪43を空転可能な状態
にしている。
【0024】上記入力軸41と外輪43の間に組み込ん
だ電磁クラッチ18のアーマチュア32が、保持器46
と回転が一体で軸方向に移動可能となるよう切り欠きと
突起で係合されている。
【0025】この第2の実施の形態の補機駆動装置は、
電磁クラッチ18の電磁コイル30に対する通電がOF
Fのとき、スイッチングばね51の作用でローラ48が
中立位置に保持され、外輪43は空転することになる。
【0026】また、電磁コイル30への通電をONする
と、アーマチュア32が電磁コイル30に吸引されてロ
ータ29に接触し、該ロータ29の回転がアーマチュア
32を介して保持器46に伝わり、これにより、ローラ
48がカム面44と円筒面45に係合する位置に移動
し、二方向クラッチ17は結合状態となり、外輪43の
回転が内方部材42に伝達され、駆動モータの出力軸が
駆動されて発電、回生ブレーキの状態になる。
【0027】次に、上記出力軸が駆動されている状態
で、駆動モータに通電して起動させ、内方部材42の回
転が外輪43の回転を上回ると、内方部材42の回転が
ローラ48を介して外輪43に伝達され、自動車の補機
駆動システムにおけるベルト6を駆動してエンジンの出
力を補助することになる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、この発明によると、エン
ジンの動力を用いて駆動される自動車の補機駆動システ
ム内に駆動モータを配置し、そのモータの出力軸に二方
向クラッチを設けて、上記二方向クラッチに内蔵した電
磁クラッチの作動により、ベルトからの駆動力をモータ
へ伝達可能としたので、モータからの駆動がない時はモ
ータとの連結を遮断し、エンジンの出力に余分な負荷を
与えることがないと共に、モータからの駆動がある時は
その駆動力をベルトに伝達することにより、補機を駆動
するためのエンジンの負荷を軽減することができ、自動
車の走行性能と燃費の向上を図ることができる。
【0029】また、エンジンの出力でモータを駆動する
ことができ、発電または回生ブレーキを発生させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の補機駆動システム内への補機駆動装置
の組み込み状態を示す正面図
【図2】補機駆動装置の第1の実施の形態を示す縦断側
面図
【図3】同上の一部切り欠き正面図
【図4】(A)乃至(C)は二方向クラッチの作動を示
す説明図
【図5】補機駆動装置の第2の実施の形態を示す縦断側
面図
【図6】図5の矢印VI−VIに沿う縦断面図
【図7】図5の矢印VII −VII に沿う縦断面図
【符号の説明】
A 補機駆動装置 11 内輪 13 外輪 14 スプラグ 15 内側保持器 16 外側保持器 17 二方向クラッチ 18 電磁クラッチ 19 プーリ 20 円筒面 21 円筒面 22 ポケット 23 ポケット 27 スイッチングばね 29 ロータ 30 電磁コイル 32 アーマチュア 42 内方部材 43 外輪 44 カム面 45 円筒面 46 保持器 47 ポケット 48 ローラ 51 スイッチングばね

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの動力を用いて駆動される自動
    車の補機駆動システム内に駆動モータを配置し、そのモ
    ータの出力軸に二方向クラッチを設けて、モータからの
    駆動がない時はモータとの連結を遮断し、モータからの
    駆動がある時はその駆動力をベルトに伝達すると共に、
    上記二方向クラッチに内蔵した電磁クラッチの作動によ
    り、ベルトからの駆動力をモータへ伝達可能としたこと
    を特徴とする自動車の補機駆動装置。
  2. 【請求項2】 上記二方向クラッチが、内輪と外輪およ
    び内外輪間に収容された複数のスプラグと、スプラグの
    姿勢を制御する内側保持器と外側保持器とからなり、電
    磁クラッチのアーマチュアがこの外側保持器に係合自在
    としたことを特徴とする請求項1に記載の自動車の補機
    駆動装置。
  3. 【請求項3】 上記二方向クラッチが、外径に複数のカ
    ム面を有する内輪と、内周に円筒面を有する外輪と、内
    外輪間に収容された複数のローラと、ローラを保持する
    保持器とからなり、電磁クラッチのアーマチュアがこの
    保持器に係合自在としたことを特徴とする請求項1に記
    載の自動車の補機駆動装置。
  4. 【請求項4】 上記二方向クラッチが、上記補機駆動ベ
    ルトに係合するプーリに内蔵されていることを特徴とす
    る請求項1乃至3の何れかに記載の自動車の補機駆動装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013199363A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Kito Corp 負荷感応自動変速装置を内蔵した巻上機
CN114017449A (zh) * 2021-11-03 2022-02-08 泉州恒毅机械有限公司 一种双向超越离合器和传动方式

Cited By (3)

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CN114017449B (zh) * 2021-11-03 2024-05-17 泉州恒毅机械有限公司 一种双向超越离合器和传动方式

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