JP2008101586A - 車両用電動発電装置 - Google Patents

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裕 北村
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Abstract

【課題】一方向クラッチ付き電動発電機において、始動時には電動発電機からの回転駆動力がエンジンに伝達されてエンジンを始動し、始動後はエンジンの回転力が電動発電機に伝達されて発電可能にすると共に、伝動ベルトの張力変動を抑制し、ベルトのスリッフ゜発生を抑制してベルトの耐用寿命を伸ばす。
【解決手段】一方向クラッチ200の非結合動作を一時的に固定係止する回転固定手段300を備え、エンジン49の始動時には、回転固定手段により一方向クラッチの非結合動作を固定係止して電動発電機1の回転駆動力をエンジンに伝達してエンジンを始動し、始動後は回転固定手段による一方向クラッチの非結合動作の固定係止を解除し、エンジンの回転数増加時には一方向クラッチが結合動作に切り換わってエンジンの回転駆動力を電動発電機に伝達し、回転数減少時には一方向クラッチを非結合状態に切り換え、回転慣性トルクがエンジンへ伝達されるのを遮断する構成。
【選択図】図1

Description

この発明は、車両用電動発電装置、特に一方向クラッチ内蔵型の電動発電機に関するものである。
地球温暖化防止を背景にCOの排出量削減が求められている。自動車におけるCOの削減は、燃費性能の向上を意味しており、その解決策の一つとして、車両停止時のアイドリングストップ、減速走行中のエネルギー回生、そして低アイドリング回転化等がある。
まず、車両停止時のアイドリングストップを実現するために、従来より、始動電動機と充電発電機とを一体化した車両用電動発電機が提案されている。
この車両用電動発電機は、車両の自動アイドルストップ後、インバータを接続した電動発電機により車両のエンジンを再始動することができ、更に、エンジン始動後は、充電発電機に切換えられて発電し、補機への電力供給あるいはバッテリへの充電装置として機能する。そして、エンジン運転中の減速走行時においては、エネルギー回生のための積極的な発電を行ない、その発電電力をバッテリへ充電している。また、車両走行には寄与せず、しかも比較的使用頻度の高いアイドリング時の回転数を低く設定して燃料消費を抑制することなどが行なわれるようになってきている。
一方、近年、乗用車等の車両は車両システム全体が高度に電子制御化されてきており、そのため、車両で消費する電力量も増大してきており、電力供給源である上記電動発電機も大型化する傾向があり、これに伴って上記電動発電機の回転子の慣性モーメントも従来より大きくなってきている。
そのため、上記低アイドリング回転化と相俟って、アイドリング時のエンジンの爆発工程に同期した回転変動が発生し易くなっている。そして、エンジンのクランク軸からの回転駆動力を上記電動発電機の回転子軸に伝達する伝動ベルトにおいては、エンジンの回転変動に起因して発生する上記電動発電機の慣性トルクによるベルト張力変動が大きくなったり、プーリとベルトとの間でスリップが生じ、これが原因でベルト耐用寿命が著しく短くなったり、異音が発生したりするなどの問題が生じている。
このような問題を解決するために、例えば車両用交流発電機の駆動プーリに、一方向にのみ回転駆動力を伝達するいわゆる一方向クラッチを設ける技術が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開昭61−228153号公報
ここで、車両用交流発電機に一方向クラッチ付きプーリを採用することの利点について簡単に説明する。
まず、駆動プーリに一方向クラッチを設けていない車両用交流発電機の場合、エンジンのアイドル回転数が変動している状態であってエンジンの回転数が下降している期間においては、エンジン回転数の下降に伴って車両用交流発電機の回転子の回転数も下降するが、この際に、回転子の慣性モーメントにより回転数を維持しようとする作用が働くため、エンジンのクランク軸と回転子との間に設けられた伝動ベルトにおける回転子の回転前方側のベルト張力が急激に減少すると共に(緩みの発生)、回転方向後方側のベルト張力が急激に上昇し(引っ張りの発生)、張力変動が発生する。
これに対し、車両用交流発電機に一方向クラッチ付きプーリを採用すると、エンジン回転数の下降時に、回転子の慣性モーメントの作用により一方向クラッチの駆動側部材である外輪と従動側部材である内輪との接続が切れて、回転子の慣性モーメントに起因する慣性トルクが外輪に伝達されないように作用するので、結局、回転子の慣性トルクが伝動ベルトに伝達されず、伝動ベルトの張力変動を抑制することができると共に、プーリとベルトとの間でのスリップ発生を抑制し、ベルトの耐用寿命を伸ばし、異音の発生を防止するなどの効果がある。
しかし、車両がアイドルストップした後の再始動と、始動後の充電発電の両方を担わなければならない電動発電機に一方向クラッチ付きプーリを装着した場合には、始動時と充電発電時のそれぞれの場合において、クランク軸と電動発電機の回転子の立場が駆動側から被駆動側、あるいは被駆動側から駆動側へと入れ替わるので、例えば、充電発電時にクランク軸からの駆動回転力が電動発電機の回転子に伝達されるように一方向クラッチを構成した場合には、始動時には上記一方向クラッチが非結合となるために上記電動発電機からの回転駆動力はクランク軸に伝達されず、エンジンを始動できないという事態が発生する。
また、逆に、始動時に上記電動発電機からの回転駆動力がクランク軸に伝達されるように一方向クラッチを構成した場合には、始動後の充電発電時には上記一方向クラッチが非結合となり、クランク軸からの回転駆動力が電動発電機の回転子に伝達できず、電動発電機で発電することができないという事態が発生する。
この発明は、上記のような問題点に対処するためになされたもので、車両がアイドルストップした後の再始動と、始動後の充電発電の両方を担わなければならない電動発電機に一方向クラッチ付きプーリを装着した場合においても、始動時には上記電動発電機からの回転駆動力がクランク軸に伝達されてエンジンを始動することができ、始動後の充電発電時にはクランク軸からの回転駆動力が電動発電機の回転子に伝達され、電動発電機で発電できるようにすると共に、上述したように、一方向クラッチの作用により、回転子の慣性トルクを伝動ベルトに伝達せずに伝動ベルトの張力変動を抑制し、またプーリとベルトとの間でのスリップ発生を抑制することによって、ベルトの耐用寿命を伸ばし、異音の発生を防止することができる車両用電動発電装置を提供することを目的とする。
この発明に係る車両用電動発電装置は、エンジンと、発電機機能および電動機機能を兼ね備えた電動発電機と、上記エンジンのクランク軸と上記電動発電機の回転子の回転軸との間の動力伝達を行なう動力伝達手段とを備えた車両用電動発電装置であって、上記動力伝達手段は、上記クランク軸に装着されたクランクプーリと、上記電動発電機の回転子の回転軸に装着された電動発電機用プーリと、上記クランクプーリおよび電動発電機用プーリに掛け渡されたベルトと、上記電動発電機の回転子の回転軸と上記電動発電機用プーリとの間に介装された一方向クラッチと、この一方向クラッチの非結合動作を一時的に固定係止する回転固定手段とを備え、上記エンジンの始動時には、上記回転固定手段により上記一方向クラッチの非結合動作を固定係止することにより、上記動力伝達手段を介して上記電動発電機の回転駆動力を上記エンジンのクランク軸に伝達して上記エンジンを始動し、上記エンジンの始動後は、上記電動発電機が発電機に切り換えられると共に、上記回転固定手段による上記一方向クラッチの非結合動作の固定係止が解除され、上記クランク軸の回転数増加時には上記一方向クラッチが結合動作に切り換わって上記クランク軸からの回転駆動動力を上記電動発電機の回転子に伝達し、クランク軸の回転数減少時には上記一方向クラッチが非結合状態に切り換わり、上記回転子の回転慣性トルクが上記ベルトを介して上記クランク軸へ伝達されるのを遮断するようにしたものである。
この発明に係る車両用電動発電装置は始動時に回転固定手段を作用させるようにしているため、始動時でも電動発電機からの回転駆動動力がクランク軸に伝達されてエンジンを始動し、始動後の充電発電時にはクランク軸からの回転駆動力が電動発電機の回転子に伝達され、電動発電機として発電することができる。
また、一方向クラッチの作用により、回転子の慣性トルクを伝動ベルトに伝達せずに伝動ベルトの張力変動を抑制し、またプーリとベルトとの間でのスリップ発生を抑制することによって、ベルトの耐用寿命を伸ばし、異音の発生を防止することができる。
更に、エンジンが所定回転数以上になった時に回転固定手段による固定係止が解除されるように設定されているため、回転数が所定値以上に上昇したら一方向クラッチに切り換わり、それ以降は上述した一方向クラッチの効果が得られる。また、所定回転数を調整設定することにより、一方向クラッチに切り換わる回転数を任意に設定することができる。
更に、所定回転数を、エンジンのアイドリング回転数よりも低く設定することにより、エンジンのアイドリング回転数よりも低い回転数で一方向クラッチに切り換えることができ、最もエンジンの回転変動が大きいアイドリング回転数近辺で常に、上述した一方向クラッチの効果を得ることができる。
また、電気的あるいは電磁的切り換え装置無しで、かつ無接触で、遠心分離式一方向クラッチによる回転固定係止を解除して、一方向クラッチの動作に切り換えることができる他、遠心分離式一方向クラッチによる回転固定係止から一方向クラッチへの切り換わりが、内輪と外輪の相対速度の切り換わりと同期して行なわれるので非常にスムースであり、切り換えショックがほとんど無い。
また、一方向クラッチと遠心分離式一方向クラッチを、回転子の回転軸上で軸方向に隣接して配置することによって、プーリ径を大きくすることなく、小型化することができる。更に、一方向クラッチと遠心分離式一方向クラッチの部品を共通化することができ、部品点数減、品質向上、コスト低減などを図ることができる。
また、回転固定手段を電磁クラッチとすることによって、所定回転数を任意に、かつ正確に設定することができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1による車両用電動発電装置の電動発電機の構成を示す断面図である。
図1において、電動発電機1は、フロントブラケット2およびリヤブラケット3からなるケースと、このケースに支持用ベアリング4a、4bを介して回転自在に配設されているシャフト5と、このシャフト5に固定されると共に界磁巻線7を有する回転子6と、ケース内に回転子6を囲むように配設されると共に、電機子巻線9と電機子鉄心10とを有する電機子8と、回転子6の軸方向の両端面にそれぞれ固定されたファン11と、シャフト5のフロント側の端部に固着され、一方向クラッチ200と回転固定手段としての遠心分離式一方向クラッチ300とを内蔵したプーリユニット12と、シャフト5のリヤ側外周に位置するようにリヤブラケット3に取り付けられたブラシホルダ13と、シャフト5のリヤ側に装着された一対のスリップリング15に摺接するようにブラシホルダ13内に配設された一対のブラシ14と、シャフト5のリヤ側端部に配設されたレゾルバ等の回転位置検出センサ16とを備えている。
そして、この電動発電機1はプーリユニット12およびベルト(図示せず)を介してエンジンの回転軸(図示せず)に連結されている。また、回転位置検出センサ16の信号出力は後述する制御回路44を介して同じく後述するアイドルストップ制御部48に送られて回転子6の回転位置検出に用いられ、電動発電機1の発電動作およびエンジンの始動動作時の制御情報として利用される。
リヤブラケット3のリヤ側に配設されたカバー17とリヤブラケット3との間の空間に、インバータ20を構成する複数のスイッチング素子41a、41bと、各スイッチング素子41a、41bに接続された内側ヒートシンク50および外側ヒートシンク51が絶縁材(図示せず)および取付けボス(図示せず)を介してリヤブラケット3の外側の壁面に固着されている。また、カバー17の外側の端面には、各スイッチング素子41a、41bをON/OFF制御する制御回路44を搭載した制御回路基板44aが配設されている。
このように、電動発電機1は、インバータ20、制御回路44などからなる制御装置60をリヤ側軸方向端面に一体的に設けている。
次に、上述したプーリユニット12の構造について詳しく説明する。
図1において、プーリユニット12は、シャフト5に固着されたシャフト連結プーリケース12aと、外周面にプーリ溝部12cが形成されてシャフト連結プーリケース12aの外周側に位置する外側ケース12b1と、シャフト連結プーリケース12aの内周側に位置する内側ケース12b2とからなる外周溝プーリケース12bと、上記シャフト連結プーリケース12aと上記外周溝プーリケース12bの内側ケース12b2との間で軸方向に隣接して構成された一方向クラッチ200および遠心分離式一方向クラッチ300と、それらの両端に配設されたベアリング12dとで構成されている。
そして、上記一方向クラッチ200は、上記シャフト連結プーリケース12aの内周に嵌着された外輪201と、上記外周溝プーリケース12bの内側ケース12b2の外周に嵌着された内輪202と、これら内輪、外輪間で該内外輪の回転軸と直交する平面内で揺動可能に配置され、内外輪間に食い込む方向に傾動して内外輪間のトルク伝達を行なう一方、内外輪に摺接する方向に傾動して上記トルク伝達を遮断する複数のスプラグ203と、このスプラグ203をそれぞれ内外輪間に食い込む方向に傾動させるように常時押圧する複数の弾性部材204(後述)と、これらスプラグ203と弾性部材204とを収容する保持器205とで構成されている。これらの詳細構成については後述する。
また、上記遠心分離式一方向クラッチ300は、上記シャフト連結プーリケース12aの内周に嵌着された外輪301と、上記外周溝プーリケース12bの内側ケース12b2の外周に嵌着された内輪302と、これら内輪、外輪間で該内外輪の回転軸と直交する平面内で揺動可能に配置され、内外輪間に食い込む方向に傾動して内外輪間のトルク伝達を行なう一方、内外輪に摺接する方向に傾動して上記トルク伝達を遮断する複数の偏重心スプラグ303と、この偏重心スプラグ303をそれぞれ内外輪間に食い込む方向に傾動させるように常時押圧する複数の弾性部材304(後述)と、これら偏重心スプラグ303と弾性部材304とを収容する保持器305とで構成されている。
ただし、この遠心分離式一方向クラッチ300は、上記内外輪の回転が所定の回転数以上になると、上記偏重心スプラグ303の揺動平面上の重心に働く遠心力により、偏重心スプラグ303が内外輪間への食い込みから離脱するように傾動し、内外輪間のトルク伝達が遮断されるように設定されているものである。これらの詳細構成については後述する。なお、図1は、上記一方向クラッチ200の外輪201と、上記遠心分離式一方向クラッチ300の外輪301とが一体化して共通の外輪を構成し、また一方向クラッチ200の内輪202と遠心分離式一方向クラッチ300の内輪302とが一体化して共通の内輪を構成している例を示している。
次に、このように構成された電動発電機1の動作について、図2〜図5を参照しつつ説明する。
図2は、実施の形態1による車両用電動発電装置における車両用エンジンのベルト伝動装置のレイアウトを概略的に示したものである。また、図3は、実施の形態1による車両用電動発電装置と車両側のアイドルストップ制御部48とからなる制御システムの概略構成を示すブロック図である。図4は、実施の形態1による車両用電動発電装置の電動発電機の回転子6のシャフト5に固着されたプーリユニット12の内部に構成されている一方向クラッチ200の動作説明図、図5(a)、(b)は、実施の形態1による車両用電動発電装置の電動発電機の回転子6のシャフト5に固着されたプーリユニット12の内部に構成されている遠心分離式一方向クラッチ300の動作説明図である。
図2のベルト伝動装置は、エンジン49の一端側に配置されており、エンジン49の爆発行程に起因する角速度の微小変動を伴って回転するクランク軸に取り付けられたクランクプーリ30と、上記電動発電機1を含む複数の補機の補機軸にそれぞれ取り付けられた複数の補機プーリ12および32〜35との間に伝動ベルトとしての1本のVリブドベルト31が蛇行状に巻き付けられている。補機の具体的配置としては、上記クランクプーリ30から矢印で示すVリブドベルト31の走行方向の順に、ストッパー機構付きオートテンショナのテンションプーリ32、電動発電機1のプーリユニット12、ウォーターポンプ用プーリ33、エアコンディショナの圧縮機用プーリ34およびアイドラープーリ35となっている。
次に、図3の制御システムの概略構成を示すブロック図において、電動発電機1の電機子巻線9は、3相(U相、V相、W相)のコイルをY結線(スター結線)して構成されている。インバータ20は、複数のスイッチング素子41a、41bと、各スイッチング素子41a、41bに並列に接続されたダイオード42とから成るインバータモジュール40と、このインバータモジュール40に並列に接続されたコンデンサ43とを備えている。このインバータモジュール40は、上アーム46を構成するスイッチング素子41aおよびダイオード42と、下アーム47を構成するスイッチング素子41bおよびダイオード42とを2組直列に接続したものを1セットとし、このセットが3セット並列に配置されている。
電機子巻線9のY結線の各相の端部は、交流配線21を介して、各セットの上アーム46のスイッチング素子41aと下アーム47のスイッチング素子41bの中間点にそれぞれ電気的に接続されている。また、バッテリ19の正極側端子および負極側端子が、直流配線22を介して、インバータモジュール40の正極側および負極側にそれぞれ電気的に接続されている。インバータモジュール40において、それぞれのスイッチング素子41a、41bのスイッチング動作は制御回路44の指令により制御されている。また、制御回路44は、界磁電流制御回路45を制御して回転子6の界磁巻線7に流す界磁電流を調整する。
アイドルストップ制御部48は、エンジン49を自動停止動作または再始動動作させるための指令を送信するエンジンの自動停止動作/再始動動作用の電子制御装置である。
このアイドルストップ制御部48は、例えば車速情報やブレーキ情報などの車両情報および温度センサ18からのスイッチング素子41a、41bの温度信号情報などに基づいて、アイドルストップ動作(エンジン49の自動停止動作および再始動動作)を行なうべきか否かを判定し、アイドルストップ動作を行なうべきであると判定した場合には、アイドルストップ動作指令を電動発電機1の制御回路44に出力する。
このような電動発電機1では、エンジン49の始動動作時に、バッテリ19から直流配線22を介して直流電力がインバータ20に給電され、制御回路44がインバータモジュール40の各スイッチング素子41a、41bをON/OFF制御し、直流電力が三相交流電力に変換される。そして、この三相交流電力が交流配線21を介して電動発電機1の電機子巻線9に給電される。これにより、界磁電流制御回路45により界磁電流が供給されている回転子6の界磁巻線7の周囲に回転磁界が与えられ、回転子6が回転駆動される。
さらに、回転駆動された回転子6の回転駆動動力は、回転子6のシャフト5に固着されているシャフト連結プーリケース12a、遠心分離式一方向クラッチ300、外周溝プーリケース12b、Vリブドベルト31、クランクプーリ30を介してクランクシャフトに伝達され、エンジン49が始動される。なお、この時、上記遠心分離式一方向クラッチ300に隣接して配設されている一方向クラッチ200は、スプラグ203が外輪201と内輪202とに食い込む方向に傾動しておらず、回転子6のシャフト5からエンジン49のクランクシャフトに回転駆動動力を伝達していない。
次に、エンジン49が始動動作されて、エンジン49の回転数が上記電動発電機1の回転数を相対的に上回ると、上記遠心分離式一方向クラッチ300の偏重心スプラグ303が、外輪301および内輪302とに食い込まない方向に傾動すると同時に、偏重心スプラグ303の重心に作用する遠心力が弾性部材304による押圧力を上回り、偏重心スプラグ303が内輪302から離れる方向に回動し、回転駆動動力を相互に伝達しなくなる。
しかし、一方、これと同時に、一方向クラッチ200のスプラグ203が外輪201と内輪202とに食い込む方向に傾動し、エンジン49の回転駆動動力が、クランクプーリ30、Vリブドベルト31、外周溝プーリケース12bの内側ケース12b2、一方向クラッチ200、シャフト連結プーリケース12a、シャフト5を介して電動発電機1に伝達される。これにより、回転子6が回転駆動され、電機子巻線9に三相交流電力が誘起されるので制御回路44が各スイッチング素子41a、41bをON/OFF制御して直流電力に変換し、バッテリ19を充電する。
次に、図4と図5(a)、(b)において、上述の電動発電機によるエンジン49の始動時と、始動後の発電における一方向クラッチ200と遠心分離式一方向クラッチ300の動作について説明する。
図4の一方向クラッチ200の部分拡大図において、まず、電動発電機1とエンジン49が停止している場合には、シャフト5に固着されているシャフト連結プーリケース12aの内周に嵌着されている外輪201と、外周溝プーリケース12bの内側ケース12b2の外周に嵌着されている内輪202との間には相対回転が無いので、保持器205に収容保持された弾性部材204により、スプラグ203は上記外輪201の内周および上記内輪202の外周に押圧されている。
そして、電動発電機1によるエンジン49の始動動作時には、電動発電機1の回転子6が、プーリユニット12側の軸方向端面側から見て時計回りに回転駆動され、回転子6のシャフト5に固着されたシャフト連結プーリケース12aに嵌着された外輪201も図4に矢印で示すように時計回りに回転する。この場合、停止している内輪202(あるいは外周溝プーリケース12bの内側ケース12b2)に対して、外輪201が時計回りに相対回転するので、スプラグ203は、その上端が図4において右方向に移動し、外輪201および内輪202に食い込まない方向に傾動してスプラグ203と内輪202は互いに摺動するのみで回転駆動動力を伝達しないフリー回転状態になる。
一方、図5(a)、(b)の遠心分離式一方向クラッチ300においては、電動発電機1とエンジン49が停止している場合には、上記一方向クラッチ200の時と同様に、保持器305に収容された偏重心スプラグ303は、同じく保持器305に収容保持された弾性部材304により上記外輪301の内周および上記内輪302の外周に押圧されている。そして、電動発電機1によるエンジン49の始動動作時には、電動発電機1の回転子6が、プーリユニット12側の軸方向端面側から見て時計回りに回転駆動され、回転子6のシャフト5に固着されたシャフト連結プーリケース12aに嵌着された外輪301も図5(a)に矢印で示すように時計回りに回転する。
この場合、停止していた内輪302に対して、外輪301が時計回りに相対回転するので、偏重心スプラグ303は、その上端が図5(a)において右方向に移動し、外輪301および内輪302に食い込む方向に傾動して電動発電機1の回転駆動動力は、回転子6、シャフト連結プーリケース12a、遠心分離式一方向クラッチ300、外周溝プーリケース12bの内側ケース12b2、外側ケース12b1、Vリブドベルト31、クランクプーリ30を介してクランクシャフトに伝達され、エンジン49が始動される。
そして、エンジン49が始動し、エンジン49の回転数が電動発電機1の回転数を相対的に上回ると、上記遠心分離式一方向クラッチ300の偏重心スプラグ303の下端が図5(a)において右方向に移動し、外輪301および内輪302に食い込まない方向に傾動するので、エンジン49からの回転駆動動力はこの遠心分離式一方向クラッチ300を介して回転子6に伝達されなくなる。さらに、図5(b)で示すように、偏重心スプラグ303は保持器305に回転可能に支承された軸部303aから偏心した位置Gに重心が設定してあるので、プーリユニット12と共に遠心分離式一方向クラッチ300が回転し、所定回転数以上になると、偏重心スプラグ303の重心Gに作用する遠心力が弾性部材304による押圧力を上回り、偏重心スプラグ303が軸部303aを中心として図5(b)に矢印で示すように回動し、内輪302から完全に離れてしまう。
このように、偏重心スプラグ303が内輪302から完全に離れて接触しない状態に一旦なってしまうと、遠心分離式一方向クラッチ300の回転数(すなわち、外輪301あるいは外輪301と連結している回転子6の回転数)が上記所定回転数未満まで低下しないと、例え、エンジン49の回転数が電動発電機1の回転数より相対的に下回った場合でも、この遠心分離式一方向クラッチ300の偏重心スプラグ303は外輪301および内輪302に食い込む方向に傾動して回転駆動動力を伝達することはない。
ここで、例えば、上記所定回転数をエンジン49のアイドリング回転数よりも低く設定した場合には、エンジン49が一度始動してしまえば、エンジン49の回転数がアイドリング回転数よりも低い上記所定回転数未満まで下がらないと(例えば、一度エンジン49を停止しないと)、上記遠心分離式一方向クラッチ300はロック状態に復帰しないということになる。
上述のように、プーリユニット12に内蔵した遠心分離式一方向クラッチ300の偏重心スプラグ303が遠心力により回動して内輪302から離れる時の所定回転数をエンジン49のアイドル回転数よりも低く設定しておくことによって、エンジン49を始動する時には、遠心分離式一方向クラッチ300がロック状態で電動発電機1からの回転駆動動力をエンジン49に伝達して始動することができ、始動後、エンジン49の回転数が電動発電機1の回転数を上回ると、遠心分離式一方向クラッチ300がフリー状態(ロックしていない状態)になると同時に偏重心スプラグ303が内輪302から離れて完全フリー状態(エンジン49と電動発電機1の相対回転方向に関係なくフリー状態)になる。
一方、同じくプーリユニット12に内蔵されている一方向クラッチ200は、エンジン49の始動時にはロック状態ではなく、始動後、エンジン49の回転数が電動発電機1の回転数を上回った瞬間にロック状態となり、その後はエンジン49の回転変動に伴って、エンジン49の回転数増加時には、一方向クラッチ200がロック状態となってエンジン49の回転駆動動力を電動発電機1に伝達し、逆に、エンジン49の回転数減少時には、一方向クラッチ200は電動発電機1の回転子6の慣性トルクを遮断して、その慣性トルクをVリブドベルト31およびエンジン49には伝達しない。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図6は、実施の形態2による車両用電動発電装置の電動発電機の構成を示す断面図である。この図において、図1と同一または相当部分には同一符号を付している。図1と異なる点は、プーリユニット12のシャフト連結プーリケース12aの外周に、一方向クラッチ200および遠心分離式一方向クラッチ300を設け、その外周にプーリ溝部12Cを配設した点である。即ち、一方向クラッチ200の内輪202および遠心分離式一方向クラッチ300の内輪302がシャフト連結プーリケース12aの外周に嵌着され、一方向クラッチ200の外輪201および遠心分離式一方向クラッチ300の外輪301の間にそれぞれのスプラグ203、弾性部材204(後述)、保持器205および偏心スプラグ303、弾性部材304(後述)、保持器305を収容している。
また、それぞれの外輪201および301の外周に外周溝プーリケース12bが配設されている。一方向クラッチ200のスブラグ203、弾性部材204、保持器205の構成は、図7(a)に示すように、図4の場合とはちょうど線対称の配置になっていて、スプラグ203の傾動方向も逆になっている。同様に、遠心分離式一方向クラッチ300の偏心スプラグ303、弾性部材304、保持器305の構成も、図7(b)に示すように、図5(a)の場合とはちょうど線対称の配置となっている。
次に、このように構成された実施の形態2の車両用電動発電装置の電動発電機の動作について説明する。ただし、一方向クラッチ200および遠心分離式一方向クラッチ300の基本的な動作は、実施の形態1と同じであるため詳細説明は省略する。
電動発電機1によるエンジン49の始動動作時において、まず、図7(a)に示す一方向クラッチ200においては、電動発電機1の回転子6が、プーリユニット12側の軸方向端面側から見て時計回りに回転駆動され、回転子6のシャフト5に固着されたシャフト連結プーリケース12aに嵌着された内輪202も時計回りに回転する。この場合、停止している外輪201(あるいは外周溝プーリケース12b)に対して、内輪202が時計回りに相対回転するので、スプラグ203は、その下端が図7(a)において右方向に移動し、外輪201および内輪202に食い込まない方向に傾動してスプラグ203と内輪202は互いに摺動するのみで、回転子6の回転駆動動力を伝達しないフリー状態となる。
一方、図7(b)に示す遠心分離式一方向クラッチ300においては、電動発電機1の回転子6が、プーリユニット12側の軸方向端面側から見て時計回りに回転駆動され、回転子6のシャフト5に固着されたシャフト連結プーリケース12aに嵌着された内輪302も時計回りに回転する。この場合、停止している外輪301(あるいは外周溝プーリケース12b)に対して、内輪302が時計回りに相対回転するので、偏重心スプラグ303は、その下端が図7(b)において右方向に移動し、外輪301および内輪302に食い込む方向に傾動して電動発電機1の回転駆動動力は、回転子6、シャフト連結プーリケース12a、遠心分離式一方向クラッチ300、外周溝プーリケース12b、Vリブドベルト31、クランクプーリ30を介してクランクシャフトに伝達されて、エンジン49が始動される。
そして、エンジン49が始動し、エンジン49の回転数が電動発電機1の回転数を上回ると、外周溝プーリケース12bが図7(b)において時計回りに回転駆動される結果、上記遠心分離式一方向クラッチ300の偏心スプラグ303が、外輪301および内輪302に食い込まない方向に傾動し、エンジン49からの回転駆動動力はこの遠心分離式一方向クラッチ300を介して回転子6に伝達されなくなる。その後の動作は、実施の形態1で説明した内容と同じであるため説明を省略する。
一方、同じくプーリユニット12に内蔵されている一方向クラッチ200は、エンジン49の始動時にはロック状態ではなく、始動後、エンジン49の回転数が電動発電機1の回転数を上回った瞬間にロック状態となり、その後はエンジン49の回転変動に伴って、エンジン49の回転数増加時には、一方向クラッチ200がロック状態でエンジン49の回転駆動動力を電動発電機1の回転子6に伝達し、逆に、エンジン49の回転数減少時には、一方向クラッチ200は電動発電機1の回転子6の慣性トルクを遮断して、その慣性トルクがVリブドベルト31およびエンジン49に伝達しないように作用する。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図にもとづいて説明する。図8は、実施の形態3による車両用電動発電装置の電動発電機の構成を示す断面図である。この図において、図1と同一または相当部分には同一符号を付している。図1と異なる点は、プーリユニット12に設ける一方向クラッチを遠心分離機能付き一方向クラッチ400とした点である。
遠心分離機能付き一方向クラッチ400は図1に示す一方向クラッチ200と遠心分離式一方向クラッチ300とが完全一体化されたような構造とされている。即ち、図9に示すように、実施の形態1における一方向クラッチ200のスプラグ203に相当するスプラグ403と、遠心分離式一方向クラッチ300の偏重心スプラグ303に相当する偏重心スプラグ413とが交互に保持器405に収容され、それぞれ弾性部材404、414によって外輪401の内周および内輪402の外周に押圧されている。
次に、このように構成された遠心分離機能付き一方向クラッチ400を備えた実施の形態3の車両用電動発電装置の電動発電機の動作について説明する。
電動発電機1によるエンジン49の始動動作時において、まず、電動発電機1の回転子6が、プーリユニット12側の軸方向端面側から見て時計回りに回転駆動され、回転子6のシャフト5に固着されたシャフト連結プーリケース12aに嵌着された遠心分離機能付き一方向クラッチ400の外輪401が図9に矢印で示すように時計回りに回転する。
この場合、停止している内輪402(あるいは外周溝プーリケース12b)に対して、外輪401が時計回りに相対回転するので、スプラグ403は、その上端が図9において右方向に移動し、外輪401および内輪402に食い込まない方向に傾動してスプラグ403と内輪402は互いに摺動するのみで、回転子6の回転駆動動力を伝達しないフリー状態となる。
一方、この時、偏重心スプラグ413は、その上端が同様に図9において右方向に移動し、外輪401および内輪402に食い込む方向に傾動して電動発電機1の回転駆動動力は、回転子6、シャフト連結プーリケース12a、遠心分離機能付き一方向クラッチ400、外周溝プーリケース12b、Vリブドベルト31、クランクプーリ30を介してクランクシャフトに伝達されて、エンジン49が始動される。
そして、エンジン49が始動し、エンジン49の回転数が電動発電機1の回転数を上回ると、外周溝プーリケース12bが図9において時計回りに相対回転する結果、上記遠心分離機能付き一方向クラッチ400の偏重心スプラグ413が、外輪401および内輪402に食い込まない方向に傾動し、エンジン49からの回転駆動動力はこの遠心分離機能付き一方向クラッチ400を介して回転子6に伝達されなくなる。その後の動作は、実施の形態1で説明した内容と同じであるため説明を省略する。
一方、遠心分離機能付き一方向クラッチ400のスプラグ403は、エンジン49の始動時にはロック状態ではなく、始動後、エンジン49の回転数が電動発電機1の回転数を上回った瞬間に外周溝プーリケース12bが図9において時計回りに相対回転することからロック状態となり、その後はエンジン49の回転変動に伴って、エンジン49の回転数増加時には、遠心分離機能付き一方向クラッチ400のスプラグ403がロック状態でエンジン49の回転駆動動力を電動発電機1に伝達し、逆に、エンジン49の回転数減少時には、遠心分離機能付き一方向クラッチ400のスプラグ403は電動発電機1の回転子6の慣性トルクを遮断して、その慣性トルクがVリブドベルト31およびエンジン49に伝達しないように機能する。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4を図にもとづいて説明する。図10は、実施の形態4による車両用電動発電装置の電動発電機の構成を示す断面図である。この図において、図1と同一または相当部分には同一符号を付している。図1と異なる点は、回転子6のシャフト5に固着されているプーリユニット120の構成を変更している点および図1の遠心分離式一方向クラッチ300の代わりに、電磁クラッチ500を設けている点である。
まず、電磁クラッチ500の構造について説明する。図10に示すように、電磁クラッチ500は、図示しない電磁クラッチ制御回路からの通電を受けて磁力を発生する界磁コイル501と、この界磁コイル501を保持すると共に磁路の一部を形成する界磁コア502と、回転子6のシャフト5に固着されて回転子6と一体に回転するクラッチロータ503と、このクラッチロータ503の軸方向端面に対向して配置されたアマチュアプレート504とで構成されている。界磁コア502は、径方向の内周に環状に張り出したフランジ部502aを有し、このフランジ部502aの内径部を電動発電機1のフロントブラケット2の端面に設けた円筒部に嵌合して位置決めし、ネジ520でフロントブラケット2に固定されている。
クラッチロータ503は、回転子6のシャフト5に固着されている固定円筒部503aと、この固定円筒部503aと一体に設けられて界磁コア502の内周面との間に一定のギャップを保って配設された内側円筒部503bと、界磁コア502の外周面との間に一定のギャップを保って配設された外側円筒部503cと、界磁コイル501と軸方向に対向して内側円筒部503bと外側円筒部503cとを一体に結合するように、それらの中間に設けられ、その端面には円周方向に長穴状に開けられた貫通孔503eが多数設けられている環状プレート部503dとから構成されている。なお、上記アマチュアプレート504と、クラッチロータ503の固定円筒部503a、内側円筒部503b、外側円筒部503cおよび環状プレート部503dは、それぞれ軟磁性材によって形成されている。
一方、プーリユニット120は、シャフト連結円筒部121と、外周円筒部122と、このシャフト連結円筒部121の外周面および外周円筒部122の内周面とに嵌合固定された一方向クラッチ200と、その一方向クラッチ200の両側に配設されたベアリング124と、外周円筒部122の外周側に設けられたフランジ部122aにボルト125で固定されたプーリ123とから構成されている。
そして、フランジ部122aおよびプーリ123の端面間には板バネ505の内側端が介装されていてボルト125で一体に固定され、板バネ505の外側端にはアマチュアプレート504がリベット506で連結固定されている。従って、アマチュアプレート504は軸方向に移動可能であると共に、板バネ505の弾性力によってクラッチロータ503の環状プレート503dから離れる方向に常時付勢されている。
また、電磁クラッチ500がオフした時にアマチュアプレート504が板バネ505の弾性力で引き戻されて、外周円筒部122のフランジ部122aに衝突する衝突音発生を防止するために、板バネ505とアマチュアプレート504の間には、例えば、ゴム等の緩衝材507が設けられている。
次に、このように構成された実施の形態4の車両用電動発電装置の電動発電機の動作について説明する。
電動発電機1によるエンジン49の始動動作時において、まず、図10の電磁クラッチ500の界磁コイル501に通電して磁力を発生することにより、アマチュアプレート504が板バネ505の付勢力に抗してクラッチロータ503の環状プレート部503d側へ吸引されて結合し、クラッチロータ503が固着されている回転子6の回転駆動動力が、アマチュアプレート504、板バネ505、プーリ123、Vリブドベルト31、クランクプーリ30を介してクランクシャフトに伝達されてエンジンが始動される。
一方、この時、プーリユニット120に内蔵された一方向クラッチ200は、図7(a)に示される場合と同じで、電動発電機1の回転子6がプーリユニット120の軸方向端面側から見て時計回りに回転駆動されると、回転子6のシャフト5に固着されたシャフト連結円筒部121に嵌合された内輪202も一体で時計回りに回転する。この場合、外輪201に対して、内輪202が時計回りに相対回転するので、スプラグ203は、その下端が図7(a)において右方向に移動し、外輪201および内輪202に食い込まない方向に傾動してスプラグ203は内輪202から外輪201に回転子6の回転駆動動力を伝達しない。
そして、エンジン49が始動し、エンジン49の回転数が電動発電機1の回転数を上回り、さらに電磁クラッチ500の界磁コイル501への通電をオフすると、アマチュアプレート504をクラッチロータ503の環状プレート部503dへ吸引していた磁力が消滅し、板バネ505の付勢力によってアマチュアプレート504を環状プレート503dから引き離すので、エンジン49の回転駆動動力は、クランクプーリ30、Vリブドベルト31、プーリ123および電磁クラッチ500のクラッチロータ503を介して回転子6に伝達されない。
しかし、この電磁クラッチ500を切断した時、プーリユニット120に内蔵された一方向クラッチ200は、図7(a)に示す場合と同じで、プーリ123と連結された外周円筒部122の内周側に嵌合された外輪201が内輪202に対して時計回りに相対回転するので、スプラグ203は、その上端が図7(a)において右方向に移動し、外輪201および内輪202に食い込む方向に傾動して結合し、スプラグ203は外輪201から内輪202、シャフト連結円筒部121、回転子6へとエンジン49の回転駆動動力を伝達するようになる。
その後はエンジン49の回転変動に伴って、エンジン回転数増加時には、この一方向クラッチ200がロック状態でエンジン49の回転駆動動力を回転子6に伝達し、逆に、エンジン49の回転数減少時には、一方向クラッチ200は電動発電機1の回転子6の慣性トルクを遮断して、その慣性トルクがVリブドベルト31およびエンジン49に伝達しないように作用する。
この発明の実施の形態1による車両用電動発電装置の電動発電機の構成を示す断面図である。 実施の形態1による車両用電動発電装置における車両用エンジンのベルト伝動装置のレイアウトを示す概略説明図である。 実施の形態1による車両用電動発電装置と車両側のアイドルストップ制御部とからなる制御システムの概略構成を示すブロック図である。 実施の形態1における一方向クラッチの構成と動作を説明する説明図である。 実施の形態1における遠心分離式一方向クラッチの構成と動作を説明する説明図である。 この発明の実施の形態2による車両用電動発電装置の電動発電機の構成を示す断面図である。 実施の形態2における一方向クラッチおよび遠心分離式一方向クラッチの構成と動作を説明する説明図である。 この発明の実施の形態3による車両用電動発電装置の電動発電機の構成を示す断面図である。 実施の形態3における遠心分離機能付き一方向クラッチの構成と動作を説明する説明図である。 この発明の実施の形態4による車両用電動発電装置の電動発電機の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 電動発電機、 2 フロントブラケット、 3 リヤブラケット、 4a、4b ベアリング、 5 シャフト、 6 回転子、 7 界磁巻線、 8 電機子、 9 電機子巻線、 10 電機子鉄心、 11 ファン、 12 プーリユニット、 12a シャフト連結プーリケース、 12b 外周溝プーリケース、 12b1 外側ケース、
12b2 内側ケース、 12c プーリ溝部、 12d ベアリング、 13 ブラシホルダ、 14 ブラシ、 15 スリップリング、 16 回転位置検出センサ、
17 カバーケース、 19 バッテリ、 20 インバータ、 21 交流配線、
22 直流配線、 30 クランクプーリ、 32 ストッパー機構付きオートテンショナのテンションプーリ、 33 ウォーターポンプ用プーリ、 34 エアコンディショナの圧縮機用プーリ、 35 アイドラープーリ、 40 インバータモジュール、 41a、41b スイッチング素子、 42 ダイオード、 43 コンデンサ、
44 制御回路、 44a 制御回路基板、 45 界磁電流制御回路、 46 上アーム、 47 下アーム、 48 アイドルストップ制御部、 49 エンジン、
50 内側ヒートシンク、 51 外側ヒートシンク、 60 制御装置、 120 プーリユニット、 121 シャフト連結円筒部、 122 外周円筒部、 122a フランジ部、 123 プーリ、 124 ベアリング、 125 ボルト、 200 一方向クラッチ、 201 外輪、 202 内輪、 203 スプラグ、 204 弾性部材、 205 保持器、 300 遠心分離式一方向クラッチ、 301 外輪、 302 内輪、 303 偏重心スプラグ、 303a 軸部、 304 弾性部材、
305 保持器、 400 遠心分離機能付き一方向クラッチ、 401 外輪、
402 内輪、 403 スプラグ、 404 弾性部材、 405 保持器、
413 偏重心スプラグ、 414 弾性部材、 500 電磁クラッチ、 501 界磁コイル、 502 界磁コア、 503 クラッチロータ、 503a 固定円筒部、 503b 内側円筒部、 503c 外側円筒部、 503d 環状プレート部、
503e 貫通孔、 504 アマチュアプレート、 505 板バネ、 506 リベット、 507 緩衝材、 520 ネジ。

Claims (8)

  1. エンジンと、発電機機能および電動機機能を兼ね備えた電動発電機と、上記エンジンのクランク軸と上記電動発電機の回転子の回転軸との間の動力伝達を行なう動力伝達手段とを備えた車両用電動発電装置であって、
    上記動力伝達手段は、上記クランク軸に装着されたクランクプーリと、上記電動発電機の回転子の回転軸に装着された電動発電機用プーリと、上記クランクプーリおよび電動発電機用プーリに掛け渡されたベルトと、上記電動発電機の回転子の回転軸と上記電動発電機用プーリとの間に介装された一方向クラッチと、この一方向クラッチの非結合動作を一時的に固定係止する回転固定手段とを備え、
    上記エンジンの始動時には、上記回転固定手段により上記一方向クラッチの非結合動作を固定係止することにより、上記動力伝達手段を介して上記電動発電機の回転駆動力を上記エンジンのクランク軸に伝達して上記エンジンを始動し、上記エンジンの始動後は、上記電動発電機が発電機に切り換えられると共に、上記回転固定手段による上記一方向クラッチの非結合動作の固定係止が解除され、上記クランク軸の回転数増加時には上記一方向クラッチが結合動作に切り換わって上記クランク軸からの回転駆動動力を上記電動発電機の回転子に伝達し、クランク軸の回転数減少時には上記一方向クラッチが非結合状態に切り換わり、上記回転子の回転慣性トルクが上記ベルトを介して上記クランク軸へ伝達されるのを遮断するようにしたことを特徴とする車両用電動発電装置。
  2. 請求項1に記載の車両用電動発電装置において、
    上記エンジンの始動時、上記エンジンが所定回転数以上になった時に、上記一方向クラッチは上記回転固定手段による固定係止が解除されることを特徴とする車両用電動発電装置。
  3. 請求項2に記載の車両用電動発電装置において、
    上記所定回転数は、上記エンジンのアイドリング回転数より低い回転数であることを特徴とする車両用電動発電装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用電動発電装置において、
    上記回転固定手段が遠心分離式一方向クラッチであることを特徴とする車両用電動発電装置。
  5. 請求項4に記載の車両用電動発電装置において、
    上記一方向クラッチと上記遠心分離式一方向クラッチは、上記回転子の回転軸上で軸方向に隣接して配置されることを特徴とする車両用電動発電装置。
  6. 請求項4または請求項5に記載の車両用電動発電装置において、
    上記一方向クラッチと上記遠心分離式一方向クラッチの内輪同士または外輪同士あるいは内輪同士および外輪同士が一体化されていることを特徴とする車両用電動発電装置。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用電動発電装置において、
    上記一方向クラッチと上記遠心分離式一方向クラッチが共通の内輪、外輪および保持器を有し、上記保持器に一方向クラッチ用スプラグと、このスプラグを回転方向に押圧する弾性部材および遠心分離式一方向クラッチ用偏心スプラグと、この偏心スプラグを回転方向に押圧する弾性部材をそれぞれ収容したことを特徴とする車両用電動発電装置。
  8. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両用電動発電装置において、
    上記回転固定手段が電磁クラッチであることを特徴とする車両用電動発電装置。
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