JP2004239155A - 内燃機関用補機駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンと非同期で補機を駆動することができるようにする。
【解決手段】補機駆動装置10は、エンジン1のクランクシャフト22に接続されたモータ・ジェネレータ2A,2Bと、エンジン1に固定されモータ・ジェネレータ2A,2Bの発電電力またはバッテリ7の充電電力により駆動される補機駆動用モータ9と、クランクシャフト22に回転自在に設けられた補機駆動用プーリ13と、補機駆動用プーリ13およびこれに巻き掛けられたVベルト14,16を含んで構成され補機駆動用モータ9の動力を補機11Aに伝達する動力伝達手段20と、を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ハイブリッド車両における内燃機関用の補機駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、エンジンを駆動させる燃料の節約や、燃料の燃焼により発生する排気ガスの低減等を目的として、車両の駆動輪に連結される動力伝達機構にエンジンとモータ・ジェネレータ(電動発電機)とを連結し、走行時に必要に応じてモータ・ジェネレータによる駆動アシストを行うとともに、減速時に駆動輪から入力される動力を前記モータ・ジェネレータに伝達し、該モータ・ジェネレータにより回生動作を行って減速エネルギーを回生エネルギーに変換し電気エネルギーとして蓄電装置に充電するハイブリッド車両が開発されている。
この種のハイブリッド車両におけるモータ・ジェネレータとしては、エンジンと動力伝達機構の間に挟み込んだモータ・ジェネレータや、遊星歯車と組み合わせたモータ・ジェネレータが多く採用されている。
【0003】
また、この種のハイブリッド車両では、車両停止時にエンジンを停止(いわゆるアイドル停止)したときにもエアコンやパワーステアリング等の補機を駆動可能にする技術が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特許文献1に開示されたハイブリッド車両においては、エンジンのクランクシャフトに取り付けられたクランクプーリに電磁クラッチが内蔵されていて、前記クランクプーリとモータ・ジェネレータのプーリと補機のプーリにVベルトが共掛けされて構成されており、前記電磁クラッチを切断状態にしてクランクシャフトとクランクプーリを相対回転可能にすることによって、エンジン停止時にもモータ・ジェネレータによって補機を駆動することができるようにしている。また、このハイブリッド車両では、前記モータ・ジェネレータによりエンジン始動を行っている。
【0004】
特許文献2に開示されたハイブリッド車両においては、モータ・ジェネレータとは別に、エンジンのクランクシャフトに電磁クラッチを介して連結された扁平な補機駆動用モータを備え、この補機駆動用モータに取り付けられたプーリと補機のプーリにVベルトを巻き掛けて構成されており、エンジン停止時には前記電磁クラッチを切断状態にして補機駆動用モータにより補機を駆動することができるようにしている。
【0005】
特許文献3には、ハイブリッド車両のエアコン用可変容量型コンプレッサが開示されており、このコンプレッサの回転主軸は、電磁クラッチを介してエンジンに連結されるとともに、減速ギヤを介してモータ部に連結されており、エンジン停止時には前記電磁クラッチを切断状態にしてモータ部によりコンプレッサを駆動することができるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−14145号公報
【特許文献2】
特開2001−298804号公報
【特許文献3】
特開平11−287182号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のハイブリッド車両には次のような問題があった。
特許文献1の場合、補機に共掛けされたVベルトがモータ・ジェネレータによるエンジン始動用ベルトを兼ねているので、ベルトにかかる伝達容量が非常に大きくなり、そのためVベルトの山数を多くする必要があり(例えば、10山程度)、クランクプーリ取り付けに必要な軸長が長くなって、搭載性が悪くなる。
また、エンジンで補機を駆動する場合、エンジンの最高回転数付近での遠心力による有効張力の低減やシリンダ爆発力によるクランクプーリの角速度変動を考慮して、クランクプーリのベルト周速を低く抑える必要があり、そのため、一般的にクランクプーリの直径が概ね170mm以下に制限されるが、そうなると、ベルト山数の増加を招き、クランクプーリ取り付けに必要な軸長が長くなって、搭載性が悪くなる。
【0008】
また、特許文献2のように、エンジンと同軸上に補機駆動用モータを配置し、補機駆動用モータの主軸にプーリを取り付けた場合にも、軸長が長くなって搭載性が悪い。
さらに、補機駆動用のVベルトがエンジン始動用ベルトを兼ねている場合には、エンジン停止時にモータで補機を駆動しているとき、エンジン始動前にはモータの回転を一旦ゼロに落とす必要があるため補機駆動が不連続となり、商品性が低下してしまう。
【0009】
また、最近の内燃機関は排気量当たりの出力を向上するために最高回転数を上昇して使用する傾向にあるが、特許文献1〜3のいずれの場合も、電磁クラッチを接続状態にしてエンジンで補機を駆動するときには、補機がエンジン回転に比例駆動されるため、補機の使用回転数域に起因してエンジンの最高回転数が制限されていた。例えば、最高回転数が7000rpmのエンジンでは通常プーリ比を約2.5で発電機が駆動されるため、発電機の最高回転数が17500rpmとなるが、これはエンジン用交流発電機の回転限界に近いため、プーリ比を約2.5に固定してのエンジンの最高回転数の上昇は難しい。一方、プーリ比を下げて1対1に近いところで使用することが可能であれば、例えばプーリ比を0.9にするとエンジンの最高回転数を20000rpmにすることも可能である。しかしながら、そのようなプーリ比では、エンジンのアイドル回転数は700rpm前後であることからアイドル時には交流発電機の発電可能回転数を下回ることとなり、アイドル状態や巡航状態での十分な電力供給が不可能となる。そのため、アイドル回転数を約2.5倍の1750rpm程度に引き上げる必要があるが、そのようにすると燃費が悪化してしまう。このような理由から、現在はエンジンの最高回転数を概ね7000rpm以下になるように抑えている。
【0010】
また、電磁クラッチを接続状態にしてエンジンで補機を駆動するときには、補機がエンジン回転数に比例駆動されるので、補機が必ずしも最適回転数で使用されないこともある。
例えば、エアコン用のコンプレッサの場合には、車室側の駆動要求は主に外気温度により決定されるのに対して、実際のコンプレッサの駆動は車両の加速度や走行速度に比例したエンジン回転数により決定されてしまう。したがって、温度を適正にコントロールするためには、ヒータを併用するか、特許文献3に示されるような可変容量型コンプレッサを採用する等の対策が必要となるが、ヒータ併用は通常不要な過剰冷房能力を使用していることでもあり燃費の上からは好ましいことではなく、可変容量型コンプレッサは構造が複雑で高価であり、コスト上不利である。
【0011】
また、特許文献1〜3のいずれの場合も、電磁クラッチによってエンジンと補機との動力伝達を接続・切断しているが、電磁クラッチを頻繁に作動させるため、消費電力が大となって燃料消費が悪化するだけでなく、エンジンに回転変動が生じたり、騒音、振動の要因にもなり、好ましくない。特に、定容量型コンプレッサを用い前述の如くヒータを併用した場合には、ヒータの使用領域を低減し燃料消費を少なくするには、電磁クラッチの接続・切断を頻繁に行う必要があり、問題が大きい。
【0012】
また、電磁クラッチを切り離した状態ではエンジンによるモータ・ジェネレータでの発電が不可能になるので、バッテリ(高圧および低圧)が上がり易くなり、バッテリの充電状態によっては補機駆動が不可能になったり、補機の制御が難しくなる。
さらに、特許文献1の場合には、クランクシャフトとクランクプーリを電磁クラッチで分離してモータ・ジェネレータで補機を駆動しているときには、クランクシャフトの回転方向の振動の抑制(ダンピング)が不十分になりがちで、低回転高負荷時には不整振動が発生し易く、商品性が低下する虞がある。
そこで、この発明は、エンジンとは非同期で補機を駆動可能で、補機の高効率運転が可能で、しかもコンパクトな内燃機関用補機駆動装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、内燃機関(例えば、後述する実施の形態におけるエンジン1)のクランクシャフト(例えば、後述する実施の形態におけるクランクシャフト22)に接続された発電可能な回転電機(例えば、後述する実施の形態におけるモータ・ジェネレータ2A,2B)と、前記回転電機の発電電力または充電装置(例えば、後述する実施の形態におけるバッテリ7)の充電電力により駆動される補機駆動用モータ(例えば、後述する実施の形態における補機駆動用モータ9)と、前記クランクシャフトに回転自在に設けられた補機駆動用プーリ(例えば、後述する実施の形態における補機駆動用プーリ13)と、前記補機駆動用プーリおよびこれに巻き掛けられた無端帯(例えば、後述する実施の形態におけるVベルト14,16)を含んで構成され前記補機駆動用モータの動力を補機に伝達する動力伝達手段(例えば、後述する実施の形態における動力伝達手段20)と、を備えることを特徴とする内燃機関用補機駆動装置(例えば、後述する実施の形態における補機駆動装置10)である。
このように構成することにより、内燃機関停止中も補機駆動用モータで補機を駆動することができ、且つ、内燃機関運転中も内燃機関とは非同期で補機駆動用モータにより補機を駆動することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記クランクシャフトにはフライホイールマスまたはダイナミックダンパを有する回転体(例えば、後述する実施の形態における回転体50)が固定され、該回転体は前記補機駆動用プーリの内側に配置されていることを特徴とする。
このように構成することにより、コンパクトな構造ながら、フライホイールマスまたはダイナミックダンパの制振作用で、エンジンのシリンダ爆発力に起因するクランクシャフトの不整振動や脈動を抑制することができる。
なお、この発明においてダイナミックダンパとは、クランクシャフト系に別の振動系を付加し、該振動系の共振によって対象とするねじり振動を抑制する形式のダンパをいう。
【0015】
請求項3に係る発明は、内燃機関(例えば、後述する実施の形態におけるエンジン1)のクランクシャフト(例えば、後述する実施の形態におけるクランクシャフト22)に接続された発電可能な回転電機(例えば、後述する実施の形態におけるモータ・ジェネレータ2B)と、前記回転電機の発電電力または充電装置(例えば、後述する実施の形態におけるバッテリ7)の充電電力により駆動される補機駆動用モータ(例えば、後述する実施の形態における補機駆動用モータ9)と、前記クランクシャフトに回転自在に設けられた補機駆動用プーリ(例えば、後述する実施の形態における補機駆動用プーリ13)と、前記補機駆動用プーリおよびこれに巻き掛けられた無端帯(例えば、後述する実施の形態におけるVベルト14,16)を含んで構成され前記補機駆動用モータの動力を補機に伝達する動力伝達手段(例えば、後述する実施の形態における動力伝達手段20)と、を備え、前記回転電機が前記補機駆動用プーリの内側に配置されていることを特徴とする内燃機関用補機駆動装置である。
このように構成することにより、内燃機関停止中も補機駆動用モータで補機を駆動することができ、且つ、内燃機関運転中も内燃機関とは非同期で補機駆動用モータにより補機を駆動することができる。また、補機駆動用プーリは回転電機の保護カバーとしても機能する。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記回転電機のロータにダイナミックダンパ(例えば、後述する実施の形態における弾性体63、重り64)が設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、ロータに設けたダイナミックダンパの制振作用で、エンジンのシリンダ爆発力に起因するクランクシャフトの不整振動や脈動を抑制することができる。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項1または請求項3に記載の発明において、前記補機駆動用プーリの外方に突出する前記クランクシャフトにフライホイールマスを有する回転体(例えば、後述する実施の形態におけるフライホイール60、回転体70)が固定されていることを特徴とする。
このように構成することにより、フライホイールマスの制振作用で、エンジンのシリンダ爆発力に起因するクランクシャフトの不整振動や脈動を抑制することができる。
【0018】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、前記回転体にダイナミックダンパ(例えば、後述する実施の形態における弾性体74、重り75)が設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、フライホイールマスの制振作用とダイナミックダンパの制振作用の相乗効果で、エンジンのシリンダ爆発力に起因するクランクシャフトの不整振動や脈動を確実に抑制することができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明において、前記内燃機関は複数の気筒がV字形に配置された多気筒内燃機関であり、前記補機駆動用モータはV字形に配置された気筒間に配置されていることを特徴とする。
このように構成することにより、補機駆動用モータをその両側に配置された気筒によって保護することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る内燃機関用補機駆動装置の実施の形態を図1から図9の図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
初めに、この発明に係る内燃機関用補機駆動装置(以下、補機駆動装置と略す)の第1の実施の形態を図1から図3の図面を参照して説明する。
図1は、補機駆動装置10を備えたパラレル型ハイブリッド車両Vの概略構成図である。このハイブリッド車両Vでは、動力源としての多気筒エンジン(内燃機関)1と二つのモータ・ジェネレータ(回転電機)2A,2B、およびオートマチックトランスミッション(変速機)3が直列に直結されている。モータ・ジェネレータ2A,2Bはいずれもステータとロータを備えた発電可能な電動機であり、一方のモータ・ジェネレータ2Aはエンジン1とオートマチックトランスミッション3との間に挟み込まれており、他方のモータ・ジェネレータ2Bはオートマチックトランスミッション3と反対の側に位置するエンジン1の外側に配置されている。モータ・ジェネレータ2Aのロータ(図示せず)は、クランクシャフト22におけるオートマチックトランスミッション3側の端部に固定され、このロータにオートマチックトランスミッション3の入力シャフト(図示せず)が連結されている。モータ・ジェネレータ2Bについては後で詳述するが、モータ・ジェネレータ2Bのロータもクランクシャフト22の他方の端部に固定されている。
【0021】
また、モータ・ジェネレータ2Aの極対数(磁石数やティース数など)はモータ・ジェネレータ2Bの極対数の整数倍の関係に設定されている。これにより、二つのモータ・ジェネレータ2A,2Bは共通の電気的特性を有することとなり、三相線やインバータを共有することができる。実際、この実施の形態では図1に示すように、モータ・ジェネレータ2A,2Bは共通のインバータ(後述するパワードライブユニット6に内蔵)を介して駆動されるように構成されている。
【0022】
エンジン1およびモータ・ジェネレータ2A,2Bの三つの駆動力は、オートマチックトランスミッション3を介して駆動輪4に伝達される。また、ハイブリッド車両Vの減速時に駆動輪4側からモータ・ジェネレータ2A,2B側に駆動力が伝達されると、モータ・ジェネレータ2A,2Bは発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。
【0023】
モータ・ジェネレータ2A,2Bの駆動及び回生作動は、ECU5からの制御指令を受けてパワードライブユニット(PDU)6により行われる。パワードライブユニット6はインバータを備えており、このパワードライブユニット6には、モータ・ジェネレータ2A,2Bと電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリー(充電装置)7が接続されている。
バッテリー7はインバータ8に接続されており、インバータ8はECU5によって制御され、バッテリー7の直流電力を交流電力に変換して補機駆動用モータ9に給電する。なお、充電装置はバッテリ7に替えてキャパシタで構成することも可能である。
【0024】
図2の側面図に示すように、補機駆動用モータ9はエンジン1のクランクケース21に固定されており、その出力軸にはプーリ12が固定されている。
また、エンジン1のクランクシャフト22には補機駆動用プーリ13が軸受け25を介して回転自在に取り付けられており、補機駆動用プーリ13と補機駆動用モータ9のプーリ12にVベルト(無端帯)14が巻き掛けられていて、補機駆動用プーリ13は補機駆動用モータ9によって回転駆動されるようになっている。
【0025】
さらに、エンジン1のクランクケース21には、図2に示すように、エアコン用コンプレッサ11A、ウォーターポンプ11B、パワーステアリング駆動装置11Cなどの補機が固定されている。なお、図1ではこれらを代表してエアコン用コンプレッサ11Aだけを図示している。エアコン用コンプレッサ11A、ウォーターポンプ11B、パワーステアリング駆動装置11C(以下、これらをまとめて補機11A〜11Cという場合もある)の各駆動軸にはそれぞれ一つずつプーリ15A,15B,15Cが固定されており、これらプーリ15A,15B,15Cと補機駆動用プーリ13には別のVベルト(無端帯)16が共掛けされている。そして、エアコン用コンプレッサ11A、ウォーターポンプ11B、パワーステアリング駆動装置11Cは、補機駆動用モータ9のプーリ12、補機駆動用プーリ13、プーリ15A,15B,15C、およびVベルト14,16を介して補機駆動用モータ9によって駆動されるようになっている。この実施の形態において、補機駆動用モータ9のプーリ12、補機駆動用プーリ13、プーリ15A,15B,15C、およびVベルト14,16は、補機駆動用モータ9の動力を各補機11A〜11Cに伝達する動力伝達手段20を構成する。
ここで、モータ・ジェネレータ2A,2Bと補機駆動用モータ9と動力伝達手段20は補機駆動装置10の主要構成をなす。
【0026】
次に、図3を参照して、補機駆動装置10の一部をなすモータ・ジェネレータ2Bおよび補機駆動用プーリ13の構成を説明する。図3はモータ・ジェネレータ2Bおよび補機駆動用プーリ13の詳細断面図である。
エンジン1のクランクケース21からはクランクシャフト22の端部22aが突出しており、この端部22aにモータ・ジェネレータ2Bのロータ31が固定されている。ロータ31はその外周部に固定された多数の永久磁石片32を備えており、ロータ31はクランクシャフト22と同期して回転する。
ロータ31の外側には径方向に所定の隙間を有してモータ・ジェネレータ2Bのステータ33が取り付けられている。ステータ33は、ボルト23によってクランクケース21に固定された筒状のステータ保持リング34の内周面に固定されていて、このステータ33は、円環状に連結されるバックヨーク部35aおよびバックヨーク部35aから径方向内側に延出するティース部35bを備えた電磁鋼板を多数積層してなる鉄心35と、各ティース部35bにボビン36を介して巻回された固定子巻線37により構成されている。そして、ロータ31とステータ33によってDCブラシレスモータからなるモータ・ジェネレータ2Bが構成されている。
【0027】
さらに、モータ・ジェネレータ2Bのロータ31よりも軸線方向外側のクランクシャフト22の端部には、軸受け25を介して補機駆動用プーリ13が回転自在に支持されている。なお、軸受け25は、クランクシャフト締め付けボルト26によりクランクシャフト22の端部に固定された座金27とロータ31との間に挟まれることによって、クランクシャフト22の軸線方向への移動を不能にされている。
【0028】
補機駆動用プーリ13は、モータ・ジェネレータ2Bのステータ33の径方向外側を包囲する円環状の第1プーリ部41と、軸受け25を介してクランクシャフト22に回転自在に取り付けられるハブ部42と、モータ・ジェネレータ2Bに対してクランクシャフト22の軸線方向外側に配置されて第1プーリ部41とハブ部42を連結する円板部43と、クランクシャフト22と同心状の円環状をなし円板部43からクランクシャフト22の軸線方向外側に突出する第2プーリ部44によって構成されている。
補機駆動用プーリ13の第1プーリ部41とハブ部42と円板部43はモータ・ジェネレータ2Bの外側を取り囲むように配置されており、換言すると、モータ・ジェネレータ2Bは補機駆動用プーリ13の内側に配置されている。なお、補機駆動用プーリ13の内面とモータ・ジェネレータ2Bとの間には所定の隙間が形成されており、補機駆動用プーリ13はモータ・ジェネレータ2Bに対して非接触で回転できるようにされている。
【0029】
そして、補機駆動用プーリ13の第1プーリ部41と補機駆動用モータ9のプーリ12にVベルト14が巻き掛けられて、補機駆動用プーリ13は補機駆動用モータ9によって回転駆動される。
また、補機駆動用プーリ13の第2プーリ部44と、エアコン用コンプレッサ11Aのプーリ15Aと、ウォーターポンプ11Bのプーリ15Bと、パワーステアリング駆動装置11Cのプーリ15Cとに別のVベルト16が共掛けされている。これにより、エアコン用コンプレッサ11A、ウォーターポンプ11B、パワーステアリング駆動装置11Cは動力伝達手段20を介して補機駆動用モータ9によって駆動されることとなる。
【0030】
このように構成された補機駆動装置10においては、補機駆動用プーリ13がエンジン1のクランクシャフト22に対して回転自在に支持されていることから、補機駆動用プーリ13はエンジン1とは非同期で回転可能であり、したがって、エアコン用コンプレッサ11A、ウォーターポンプ11B、パワーステアリング駆動装置11Cはエンジン1と非同期で駆動可能で、エンジン1の停止中もこれら補機11A〜11Cを駆動可能である。
また、動力伝達手段20は電磁クラッチを含んでおらず、各補機11A〜11Cの運転・停止に電磁クラッチが一切関係していないので、電磁クラッチの係合・分離に起因する振動、騒音、電力消費がない。
【0031】
また、エンジン1の停止中も補機駆動用モータ9で各補機11A〜11Cを駆動することができ、且つ、エンジン1の運転中もエンジン1とは非同期で補機駆動用モータ9により各補機11A〜11Cを駆動することができるので、補機駆動用モータ9のプーリ12と補機駆動用プーリ13の第1プーリ部41のプーリ比、および、補機駆動用プーリ13の第2プーリ部44と各補機11A〜11Cのプーリ15A〜15Cのプーリ比を適宜に設定することにより、各補機11A〜11Cの回転数を車体要求に基づいて決定することができ、エンジン1の回転数に無関係に決定することができる。その結果、各補機11A〜11Cの小型・低回転化とエンジン1の高回転化の両立を図ることが可能になる。
【0032】
なお、補機駆動用モータ9のプーリ12と補機駆動用プーリ13の第1プーリ部41のプーリ比、および、補機駆動用プーリ13の第2プーリ部44と各補機11A〜11Cのプーリ15A〜15Cのプーリ比は自在に設定することができるが、補機駆動用モータ9の駆動効率が所定以上の高効率で、且つ、各補機11A〜11Cの駆動効率が所定以上の高効率になるように補機駆動用モータ9と各補機11A〜11Cの回転数を設定し、その回転数比率になるようにプーリ比を設定するのが好ましく、そのようにプーリ比を設定すると、補機駆動用モータ9および各補機11A〜11Cを効率よく運転することが可能になり、各補機11A〜11Cの有する性能を十分に発揮させることができるとともに、消費電力を抑制することができる。
【0033】
さらに、エンジン1の始動はモータ・ジェネレータ2A,2Bのいずれか一方、あるいは両方により行われ、補機駆動用モータ9はエンジン1の始動には関与しないので、エンジン1の始動時に補機11A〜11Cを停止させなくて済み、エンジン始動時も各補機11A〜11Cを連続運転することができるので商品性が向上する。
また、補機駆動用モータ9がエンジン1の始動に関与しないので、補機駆動用のVベルト14,16にかかる伝達容量が少なくて済み、Vベルト14,16の山数を少なくすることができ、補機駆動用プーリ13の取り付けに必要なクランクシャフト22の軸長が短くて済む。
【0034】
さらに、モータ・ジェネレータ2Bのロータ31はクランクシャフト22に対してフライホイールとしても機能するので、フライホイールの制振作用で、エンジン1のシリンダ爆発力に起因するクランクシャフト22の不整振動や脈動を抑制することができる。
また、モータ・ジェネレータ2Bが補機駆動用プーリ13の内側に配置されているので、補機駆動用プーリ13がモータ・ジェネレータ2Bの保護カバーとしても機能し、衝突時等においてモータ・ジェネレータ2Bの損傷を防止することができる。
また、モータ・ジェネレータ2Aもエンジン1とオートマチックトランスミッション3の間に配置されているので、衝突時等において損傷防止が図られる。
【0035】
〔第2の実施の形態〕
次に、この発明に係る補機駆動装置10の第2の実施の形態を図4および図5の図面を参照して説明する。
第2の実施の形態の補機駆動装置10が第1の実施の形態のものと相違する点は、(1)第1の実施の形態において補機駆動用プーリ13の内側に配置されていたモータ・ジェネレータ2Bがなく、モータ・ジェネレータはエンジン1とオートマチックトランスミッション3の間に挟み込まれたモータ・ジェネレータ2Aのただ一つであることと、(2)エンジン1のクランクシャフト22にダイナミックダンパを有する回転体50が固定されていることである。ここで、ダイナミックダンパとは、クランクシャフト22の系に別の振動系を付加し、該振動系の共振によって対象とするねじり振動を抑制する形式のダンパをいう。
【0036】
図5を参照して、ダイナミックダンパを有する回転体50について説明する。エンジン1のクランクケース21から突出するクランクシャフト22の端部であって補機駆動用プーリ13の内側に位置する部位には、円板状をなす金属製の支持部材51が固定されている。この支持部材51はクランクシャフト22と一体となって回転する。支持部材51の外周部にはクランクシャフト22の軸線方向に沿って一定の幅を有するリング部52が形成されていて、このリング部52の外側にリング状をなし所定の弾性を有するゴム製の弾性体53が取り付けられている。さらに、弾性体53の外側にリング状をなす金属製の重り(マス)54が取り付けられている。弾性体53と重り54はダイナミックダンパを構成し、支持部材51、リング部52、弾性体53、重り54によってダイナミックダンパを有する回転体50が構成されており、回転体50は補機駆動用プーリ13の内側に配置されている
その他の構成については第1の実施の形態のものと同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
この第2の実施の形態の補機駆動装置10においては、弾性体53と重り54からなるダイナミックダンパの制振作用により、エンジン1のシリンダ爆発力に起因するクランクシャフト22の不整振動や脈動を抑制することができる。
また、この第2の実施の形態における補機駆動装置10においても、第1の実施の形態と同様に、以下の効果を得ることができる。
【0038】
補機駆動用プーリ13がクランクシャフト22に対して回転自在に支持されていてエンジン1と非同期で回転可能であるので、各補機11A〜11Cはエンジン1と非同期で駆動可能となり、エンジン1の停止中も各補機11A〜11Cを駆動可能である。
各補機11A〜11Cの運転・停止に電磁クラッチが一切関係していないので、電磁クラッチの係合・分離に起因する振動、騒音、電力消費がない。
各補機11A〜11Cの回転数を車体要求に基づいて決定することができ、エンジン1の回転数に無関係に決定することができるので、各補機11A〜11Cの小型・低回転化とエンジン1の高回転化の両立を図ることができる。
補機駆動用モータ9はエンジン1の始動には関与しないので、エンジン1の始動時に補機11A〜11Cを停止させなくて済み、エンジン始動時も各補機11A〜11Cを連続運転することができる。
補機駆動用モータ9がエンジン1の始動に関与しないので、補機駆動用のVベルト14,16にかかる伝達容量が少なくて済み、Vベルト14,16の山数を少なくすることができ、補機駆動用プーリ13の取り付けに必要なクランクシャフト22の軸長が短くて済む。
【0039】
なお、この第2の実施の形態において、ダイナミックダンパを備えた回転体50に代えて、フライホイールマスを有する回転体(すなわちフライホイール)をクランクシャフト22に固定し、このフライホイールを補機駆動用プーリ13の内側に配置してもよい。このようにしても、フライホイールの制振作用によって、エンジン1のシリンダ爆発力に起因するクランクシャフト22の不整振動や脈動を抑制することができる。
【0040】
〔第3の実施の形態〕
次に、この発明に係る補機駆動装置10の第3の実施の形態を図6の図面を参照して説明する。第3の実施の形態の補機駆動装置10が第1の実施の形態のものと相違する点は、(1)モータ・ジェネレータ2Bのロータ31にダイナミックダンパが設けられていることと、(2)補機駆動用プーリ13に第2プーリ部44がないこと、(3)補機駆動用プーリ13の外側に突出するクランクシャフト22にフライホイールが固定されていることである。
【0041】
詳述すると、第3の実施の形態の補機駆動装置10では、モータ・ジェネレータ2Bのロータ31の外周部に、リング状をなし所定の弾性を有するゴム製の弾性体63が取り付けられており、弾性体63の外側にリング状をなす金属製の重り(マス)64が取り付けられ、さらに重り64の外側に多数の永久磁石32が固定されている。永久磁石32はダイナミックダンパの重りとしても機能するので、この第3の実施の形態においては、弾性体53と重り54と永久磁石32がダイナミックダンパを構成する。
【0042】
また、第3の実施の形態の補機駆動装置10では、補機駆動用プーリ13に第2プーリ部44がなく、その代わりに、第1プーリ部41が第1の実施の形態の場合よりもクランクシャフト22の軸線方向に沿う長さを長くされていて、この第1プーリ部41に二本のVベルト14,16を並べて巻き掛けることができるようになっている。
【0043】
さらに、第3の実施の形態の補機駆動装置10では、補機駆動用プーリ13から外側に突出するクランクシャフト22に円板状をなす金属製のフライホイール(フライホイールマスを有する回転体)60が固定されている。フライホイール60は、軸受け25と座金27の間に挟み込まれており、補機駆動用プーリ13に対してクランクシャフト22の軸線方向に隙間を有して配置されている。このフライホイール60はクランクシャフト22と一体となって回転する。
その他の構成については第1の実施の形態のものと同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
このように構成された第3の実施の形態の補機駆動装置10においては、モータ・ジェネレータ2Bにおけるロータ31の弾性体53と重り54と永久磁石32がダイナミックダンパとして機能し、このダイナミックダンパの制振作用とフライホイール60の制振作用の相乗効果で、エンジン1のシリンダ爆発力に起因するクランクシャフト22の不整振動や脈動を確実に抑制することができる。
また、この第3の実施の形態における補機駆動装置10においても、第1の実施の形態と同様に、以下の効果を得ることができる。
【0045】
補機駆動用プーリ13がクランクシャフト22に対して回転自在に支持されていてエンジン1と非同期で回転可能であるので、各補機11A〜11Cはエンジン1と非同期で駆動可能となり、エンジン1の停止中も各補機11A〜11Cを駆動可能である。
各補機11A〜11Cの運転・停止に電磁クラッチが一切関係していないので、電磁クラッチの係合・分離に起因する振動、騒音、電力消費がない。
各補機11A〜11Cの回転数を車体要求に基づいて決定することができ、エンジン1の回転数に無関係に決定することができるので、各補機11A〜11Cの小型・低回転化とエンジン1の高回転化の両立を図ることができる。
補機駆動用モータ9はエンジン1の始動には関与しないので、エンジン1の始動時に補機11A〜11Cを停止させなくて済み、エンジン始動時も各補機11A〜11Cを連続運転することができる。
補機駆動用モータ9がエンジン1の始動に関与しないので、補機駆動用のVベルト14,16にかかる伝達容量が少なくて済み、Vベルト14,16の山数を少なくすることができ、補機駆動用プーリ13の取り付けに必要なクランクシャフト22の軸長が短くて済む。
モータ・ジェネレータ2Bが補機駆動用プーリ13の内側に配置されているので、補機駆動用プーリ13がモータ・ジェネレータ2Bを保護し、衝突時等においてモータ・ジェネレータ2Bが損傷するのを防止することができる。
【0046】
なお、この第3の実施の形態ではフライホイール60を設けているが、フライホイール60がなくても、ロータ31の弾性体53と重り54と永久磁石32がダイナミックダンパとして機能するので、このダイナミックダンパの制振作用で、エンジン1のシリンダ爆発力に起因するクランクシャフト22の不整振動や脈動を抑制することができる。
【0047】
〔第4の実施の形態〕
次に、この発明に係る補機駆動装置10の第4の実施の形態を図7の図面を参照して説明する。第4の実施の形態の補機駆動装置10が第1の実施の形態のものと相違する点は、(1)第1の実施の形態において補機駆動用プーリ13の内側に配置されていたモータ・ジェネレータ2Bがなく、モータ・ジェネレータはエンジン1とオートマチックトランスミッション3の間に挟み込まれたモータ・ジェネレータ2Aのただ一つであることと、(2)エンジン1のクランクシャフト22にダイナミックダンパとフライホイールマスを有する回転体70が固定されていることと、(3)補機駆動用プーリ13の形状にある。
【0048】
図7を参照して、補機駆動用プーリ13の形状、および、ダイナミックダンパとフライホイールマスを有する回転体70について説明する。
第4の実施の形態における補機駆動用プーリ13は、第1プーリ部41とハブ部42が円板部43からクランクシャフト22の軸線方向外側に突出しており、第2プーリ部44がクランクシャフト22の軸線方向内側に突出している。
【0049】
そして、この補機駆動用プーリ13から外側に突出するクランクシャフト22に、円板状をなす金属製のフライホイール71と支持部材72が固定されている。フライホイール71は、座金27とクランクシャフト22の端面の間に挟み込まれて固定されており、支持部材72はフライホイール71と軸受け25の間に挟み込まれて固定されていて、フライホイール71および支持部材72はクランクシャフト22と一体となって回転する。
【0050】
支持部材72の外周部にはクランクシャフト22の軸線方向に沿って一定の幅を有するリング部73が形成されていて、このリング部73の外側にリング状をなし所定の弾性を有するゴム製の弾性体74が取り付けられている。さらに、弾性体74の外側にリング状をなす金属製の重り(マス)75が取り付けられている。弾性体74と重り75はダイナミックダンパを構成し、フライホイール71、支持部材72、リング部73、弾性体74、重り75によってフライホイールマスおよびダイナミックダンパを有する回転体70が構成されている。
【0051】
回転体70のリング部73と弾性体74と重り75は、補機駆動用プーリ13の第1プーリ部41とハブ部42と円板部43で囲まれた空間内に収容されており、フライホイール71は補機駆動用プーリ13よりもクランクシャフト22の軸線方向外側に配置されている。また、回転体70と補機駆動用プーリ13との間には所定の隙間が形成されていて、回転体70は補機駆動用プーリ13と非接触で回転可能になっている。したがって、回転体70はクランクシャフト22と同期回転するが、補機駆動用プーリ13はクランクシャフト22とは非同期で回転する。
その他の構成については第1の実施の形態のものと同じであるので、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
このように構成された第4の実施の形態の補機駆動装置10においては、弾性体74と重り75からなるダイナミックダンパの制振作用とフライホイール71の制振作用の相乗効果で、エンジン1のシリンダ爆発力に起因するクランクシャフト22の不整振動や脈動を確実に抑制することができる。
また、この第4の実施の形態における補機駆動装置10においても、第1の実施の形態と同様に、以下の効果を得ることができる。
【0053】
補機駆動用プーリ13がクランクシャフト22に対して回転自在に支持されていてエンジン1と非同期で回転可能であるので、各補機11A〜11Cはエンジン1と非同期で駆動可能となり、エンジン1の停止中も各補機11A〜11Cを駆動可能である。
各補機11A〜11Cの運転・停止に電磁クラッチが一切関係していないので、電磁クラッチの係合・分離に起因する振動、騒音、電力消費がない。
各補機11A〜11Cの回転数を車体要求に基づいて決定することができ、エンジン1の回転数に無関係に決定することができるので、各補機11A〜11Cの小型・低回転化とエンジン1の高回転化の両立を図ることができる。
補機駆動用モータ9はエンジン1の始動には関与しないので、エンジン1の始動時に補機11A〜11Cを停止させなくて済み、エンジン始動時も各補機11A〜11Cを連続運転することができる。
補機駆動用モータ9がエンジン1の始動に関与しないので、補機駆動用のVベルト14,16にかかる伝達容量が少なくて済み、Vベルト14,16の山数を少なくすることができ、補機駆動用プーリ13の取り付けに必要なクランクシャフト22の軸長が短くて済む。
【0054】
〔他の実施の形態〕
図8に示すように、エンジン1が複数の気筒をV字形に配置させたいわゆるV型エンジンである場合には、一方の側の気筒群(バンク)1Aと他方の側の気筒群(バンク)1Bの間に、補機駆動装置10の補機駆動用モータ9を配置するのが好ましい。このようにすると、衝突時等に補機駆動用モータ9が両気筒群1A,1Bによって保護され、損傷防止することができる。
なお、図8は、補機駆動用モータ9のプーリ12と補機駆動用プーリ13と補機11のプーリ15に1本のVベルト14を巻き掛けて構成した態様を示しているが、前述第1〜第4の実施の形態のように補機が複数ある場合や複数のVベルトで動力伝達する場合にも適用可能である。
【0055】
また、補機駆動用プーリ13と補機11のプーリ15の配置、Vベルト14の巻き掛け方法については、図9に示すように、補機駆動用プーリ13に対してほぼ拮抗するラジアル荷重がかかるように設定することも可能である。このようにすると、クランクシャフト22の軸受けへの負荷を低減することができ、焼き付けや変形を防止することができ、また、フリクションが低減することにより燃費が向上する。さらに、補機駆動用プーリ13の軸受け25の小型化を図ることもできる。
なお、図9に示す例は、補機駆動用プーリ13を間に挟んでその両側に補機駆動用モータ9のプーリ12と補機11のプーリ15を対向配置し、これらプーリ12,13,15に1本のVベルト14を巻き掛けた態様であり、図中、符号71はアイドルプーリ、符号72はテンションプーリを示す。また、前述第1〜第4の実施の形態のように補機が複数ある場合や複数のVベルトで動力伝達する場合にも適用可能である。
【0056】
また、前述した実施の形態では、補機11をベルト駆動にしているが、チェーン駆動であってもよい。ベルトやチェーンは無端帯の一例である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明するように、請求項1に係る発明によれば、内燃機関停止中も補機駆動用モータで補機を駆動することができ、且つ、内燃機関運転中も内燃機関とは非同期で補機駆動用モータにより補機を駆動することができるので、補機の回転数をエンジン回転数に無関係に決定することができ、車体要求に基づいて最適な回転数で補機を可変駆動することができる。その結果、補機の小型・低回転化とエンジンの高回転化の両立が可能になる。また、電磁クラッチを用いないので、クラッチの接続・切断に起因する衝撃音や振動が発生せず、静粛性が向上して商品性が向上する。
【0058】
請求項2に係る発明によれば、コンパクトな構造ながら、フライホイールマスまたはダイナミックダンパの制振作用で、エンジンのシリンダ爆発力に起因するクランクシャフトの不整振動や脈動を抑制することができ、商品性が向上する。
【0059】
請求項3に係る発明によれば、内燃機関停止中も補機駆動用モータで補機を駆動することができ、且つ、内燃機関運転中も内燃機関とは非同期で補機駆動用モータにより補機を駆動することができるので、補機の回転数をエンジン回転数に無関係に決定することができ、車体要求に基づいて最適な回転数で補機を可変駆動することができる。その結果、補機の小型・低回転化とエンジンの高回転化の両立が可能になる。また、電磁クラッチを用いないので、クラッチの接続・切断に起因する衝撃音や振動が発生せず、静粛性が向上して商品性が向上する。
また、補機駆動用プーリが回転電機の保護カバーとしても機能するので、衝突時等において回転電機の損傷防止が図られる。
【0060】
請求項4に係る発明によれば、ロータに設けたダイナミックダンパの制振作用で、エンジンのシリンダ爆発力に起因するクランクシャフトの不整振動や脈動を抑制することができ、商品性が向上する。
請求項5に係る発明によれば、フライホイールマスの制振作用で、エンジンのシリンダ爆発力に起因するクランクシャフトの不整振動や脈動を抑制することができ、商品性が向上する。
【0061】
請求項6に係る発明によれば、フライホイールマスの制振作用とダイナミックダンパの制振作用の相乗効果で、エンジンのシリンダ爆発力に起因するクランクシャフトの不整振動や脈動を確実に抑制することができ、商品性が向上する。
請求項7に係る発明によれば、補機駆動用モータをその両側に配置された気筒によって保護することができるので、衝突時等において補機駆動用モータの損傷防止が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る補機駆動装置を備えたハイブリッド車両の第1の実施の形態における概略構成図である。
【図2】前記第1の実施の形態における補機駆動装置の概略側面図である。
【図3】前記第1の実施の形態における補機駆動装置の要部を詳細に示した断面図である。
【図4】この発明に係る補機駆動装置を備えたハイブリッド車両の第2の実施の形態における概略構成図である。
【図5】第2の実施の形態における補機駆動装置の要部を詳細に示した断面図である。
【図6】第3の実施の形態における補機駆動装置の要部を詳細に示した断面図である。
【図7】第4の実施の形態における補機駆動装置の要部を詳細に示した断面図である。
【図8】V型エンジンのバンク間に補機駆動用モータを配置した場合の概略側面図である。
【図9】補機駆動用プーリに対してラジアル荷重がほぼ拮抗するようにした場合のプーリ配置例を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2A,2B モータ・ジェネレータ(回転電機)
7 バッテリ(充電装置)
9 補機駆動用モータ
10 補機駆動装置
11,11A〜11C 補機
13 補機駆動用プーリ
14,16 Vベルト(無端帯)
20 動力伝達手段
22 クランクシャフト
50 回転体(ダイナミックダンパを有する回転体)
53 弾性体(ダイナミックダンパ)
54 重り(ダイナミックダンパ)
60 フライホイール(フライホイールマスを有する回転体)
63 弾性体(ダイナミックダンパ)
64 重り(ダイナミックダンパ)
70 回転体(フライホイールマスまたはダイナミックダンパを有する回転体)
71 フライホイール(フライホイールマスを有する回転体)
74 弾性体(ダイナミックダンパ)
75 重り(ダイナミックダンパ)

Claims (7)

  1. 内燃機関のクランクシャフトに接続された発電可能な回転電機と、
    前記回転電機の発電電力または充電装置の充電電力により駆動される補機駆動用モータと、
    前記クランクシャフトに回転自在に設けられた補機駆動用プーリと、
    前記補機駆動用プーリおよびこれに巻き掛けられた無端帯を含んで構成され前記補機駆動用モータの動力を補機に伝達する動力伝達手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関用補機駆動装置。
  2. 前記クランクシャフトにはフライホイールマスまたはダイナミックダンパを有する回転体が固定され、該回転体は前記補機駆動用プーリの内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用補機駆動装置。
  3. 内燃機関のクランクシャフトに接続された発電可能な回転電機と、
    前記回転電機の発電電力または充電装置の充電電力により駆動される補機駆動用モータと、
    前記クランクシャフトに回転自在に設けられた補機駆動用プーリと、
    前記補機駆動用プーリおよびこれに巻き掛けられた無端帯を含んで構成され前記補機駆動用モータの動力を補機に伝達する動力伝達手段と、
    を備え、前記回転電機が前記補機駆動用プーリの内側に配置されていることを特徴とする内燃機関用補機駆動装置。
  4. 前記回転電機のロータにダイナミックダンパが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関用補機駆動装置。
  5. 前記補機駆動用プーリの外方に突出する前記クランクシャフトにフライホイールマスを有する回転体が固定されていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の内燃機関用補機駆動装置。
  6. 前記回転体にダイナミックダンパが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関用補機駆動装置。
  7. 前記内燃機関は複数の気筒がV字形に配置された多気筒内燃機関であり、前記補機駆動用モータはV字形に配置された気筒間に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の内燃機関用補機駆動装置。
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