JP2009101738A - ハイブリッド車両の駆動力伝達装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の駆動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジン駆動による走行時に2方向クラッチが係合状態になるのを防止するハイブリッド車の駆動力伝達装置を提供する。
【解決手段】エンジンを駆動源として駆動する前輪と、減速機付き電動モータを駆動源として駆動する後輪とを備え、減速機の出力軸から後輪に至る経路に2方向クラッチ19を組込んでエンジンの駆動による走行時、後輪から出力軸にトルクが伝達されるのを防止する。前進走行方向の回転を内輪24に伝達するスタンバイ状態に内側保持器26bを弾性保持して、エンジンの駆動による車両の走行時に2方向クラッチ19が後輪の回転を阻害するのを防止する。また、摩擦プレート53が回転方向と逆の方向に回転するのを防止する手段60を設けて、電動モータを後進走行方向に回転した際、スプラグ25が外輪23の後退走行時の回転を内輪24に伝達する方向に係合するようにする。
【選択図】図3

Description

この発明は、エンジンにより駆動輪を駆動し、減速機付き電動モータによって補助駆動輪を駆動するハイブリッド車両の駆動力伝達装置に関する。
エンジンおよび電動モータを備え、その電動モータを発進時や、加速時等の負荷が大きいときにアシストとして用いるようにしたハイブリッド車両の駆動力伝達装置として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
上記特許文献1に記載された駆動力伝達装置においては、電動モータの回転を減速する減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、エンジンの駆動による通常走行時に、その2方向クラッチによって補助駆動輪から減速機側への回転トルクの伝達を遮断するようにしている。
ここで、2方向クラッチとして、外輪と内輪の間に径の異なる2つの保持器を組込み、その各保持器に形成されたポケットにスプラグを組込み、大径側保持器と小径側保持器の相対回転によりスプラグを周方向に傾動させて外輪の内径面と内輪の外径面にスプラグの両端のカム面を係合させるようにしたスプラグタイプの2方向クラッチを採用している。
特開平11−291774号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたハイブリッド車両の駆動力伝達装置においては、電動モータを停止し、エンジンの駆動による前進走行中において、振動等の外力により、減速機の出力軸が回転すると、その回転が2方向クラッチの外輪に伝達され、前進側に傾動しているスプラグが後進側にスイッチして係合状態となり、補助駆動輪の回転が減速機側に伝達されて、補助駆動輪の回転が阻害されるという不具合が発生する。
また、電動モータを停止し、エンジンの駆動による後進走行時においても、前記と同様に、後進側に傾動しているスプラグが前進側にスイッチして係合状態となり、補助駆動輪の回転が減速機側に伝達されて、補助駆動輪の回転が阻害されるという不具合が発生する。
この発明の課題は、エンジンの駆動による走行時に2方向クラッチが補助駆動輪の回転を阻害する方向に係合するのを防止することができるようにしたハイブリッド車両の駆動力伝達装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、第1の発明においては、エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪とその内側に組込まれた内輪との間に径の異なる2つの保持器を組込み、その外側保持器を外輪に固定し、この外側保持器と内側保持器に径方向で対向するポケットを形成し、その径方向で対向するポケット内にスプラグを組込み、そのスプラグを外側保持器と内側保持器の相対回転によって外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたスプラグタイプの2方向クラッチからなり、前記内側保持器の端部外周に摩擦プレートを嵌合し、その摩擦プレートから内側保持器に付与される摩擦抵抗によって外輪と一体に回転する外側保持器を内側保持器に対して相対回転させるようにしたハイブリッド車両の駆動力伝達装置において、前記外側保持器と内側保持器の相互間に、スプラグが外輪の一方向の回転を内輪に伝達するスタンバイ状態に内側保持器を弾性保持する弾性部材を組込み、前記摩擦プレートと静止部材の相互間に、摩擦プレートが外輪の一方向への回転方向と逆の方向に回転するのを防止する回り止め手段を設けた構成を採用したのである。
また、上記の課題を解決するため、第2の発明においては、エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪の内周に、その内側に組込まれた内輪の円筒形外面との間で周方向の両端が狭小のくさび状空間を形成するカム面を形成し、外輪と内輪間に組込まれた保持器には前記カム面と径方向で対向するポケットを形成し、そのポケット内にローラを組込み、そのローラを外輪と保持器の相対回転によってカム面と円筒形外面に係合させるようにしたローラタイプの2方向クラッチからなり、前記保持器の端部外周に摩擦プレートを嵌合し、その摩擦プレートから保持器に付与される摩擦抵抗によって電動モータにより回転駆動される外輪を保持器に対して相対回転させるようにしたハイブリッド車両の駆動力伝達装置において、前記外輪と保持器の相互間に、ローラが外輪の一方向の回転を内輪に伝達するスタンバイ状態に保持器を弾性保持する弾性部材を組込み、前記摩擦プレートと静止部材の相互間に、摩擦プレートが外輪の一方向への回転方向と逆の方向に回転するのを防止する回り止め手段を設けた構成を採用したのである。
上記の構成からなる第1の発明および第2の発明において、スプラグあるいはローラを、例えば、外輪の前進走行方向の回転を内輪に伝達する方向にスタンバイさせておくことにより、電動モータの駆動による車両の前進走行時、上記電動モータからの回転トルクが外輪に伝達されると、スプラグあるいはローラは外輪および内輪に直ちに係合し、そのスプラグあるいはローラを介して外輪の回転が内輪に伝達され、その内輪の回転がディファレンシャルを介して補助駆動輪に伝達され、車両が前進走行する。
電動モータからエンジンに駆動を切換えて駆動輪を駆動し、その切換え後に電動モータを停止すると、補助駆動輪からの回転が内輪に伝達されて内輪が回転するが、その回転方向はスプラグあるいはローラを空転させる方向の回転であるため、内輪の回転は外輪に伝達されない。
このとき、外輪に対して相対回転可能な保持器は弾性部材によって、スプラグあるいはローラが前進回転を伝達する方向にスタンバイする状態に弾性保持されるため、振動等の外力の負荷によって、スプラグあるいはローラが後退回転を伝達する方向にスイッチするようなことはない。
上記第1の発明および第2の発明において、回り止め手段として下記a乃至dに示すものを採用することができる。
a.摩擦プレートと静止部材間に一方向クラッチを組込み、その一方向クラッチによって摩擦プレートが外輪の一方向への回転方向と逆の方向に回転するのを防止するようにしたもの。
b.摩擦プレートの外周にラチェットホイールを設け、静止部材に揺動自在に支持されたラチェットをそのラチェットホイールの外周の歯に係合させて摩擦プレートが外輪の一方向への回転方向と逆の方向に回転するのを防止するようにしたもの。
c.静止部材に支持された電磁石の電磁コイルへの通電により摩擦プレートを吸着保持して回り止めするようにしたもの。この場合、2方向クラッチのスタンバイ状態から車両が逆方向に走行する際にのみ電磁コイルに通電する。
d.静止部材の摩擦プレートに対する対向面にシリンダ室を設け、そのシリンダ室内にピストンを摺動自在に組込み、上記シリンダ室内に対する流体圧の供給によりピストンを摩擦プレートに押付けて摩擦プレートを回り止めするようにしたもの。この場合、2方向クラッチのスタンバイ状態から車両が逆方向に走行する際にのみシリンダ内に流体圧を供給する。
上記aの回り止め手段において、一方向クラッチは、スプラグタイプのものであってもよく、ローラタイプのものであってもよい。
第1の発明および第2の発明においては、上記のように、外輪に対して相対回転可能な保持器を弾性部材により、スプラグあるいはローラが外輪の一方向への回転を伝達するスタンバイ状態に弾性保持するようにしたので、エンジンの駆動のみによる車両の走行状態で、振動等の外力により、スプラグあるいはローラが逆方向の回転を伝達する方向にスイッチするのを防止することができる。即ち、2方向クラッチが補助駆動輪の回転を阻害する方向に係合するのを防止することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両10は、車体前部に駆動輪としての前輪11が左右に設けられている。また、車体後部には補助駆動輪としての後輪12が設けられている。
さらに、車体には、エンジン13と、減速機付き電動モータ16とが搭載され、上記エンジン13の回転はトランスミッション14およびディファレンシャル15を介して前輪11に伝達される。一方、電動モータ16における減速機17の出力軸18の回転は2方向クラッチ19およびディファレンシャル20を介して後輪12に伝達される。
図2は電動モータ16のトルク伝達系を示し、減速機17の出力軸18には駆動ギヤ21が取付けられ、その駆動ギヤ21の回転は2方向クラッチ19に入力される。
図3および図4に示すように、2方向クラッチ19は、上記駆動ギヤ21に噛合する入力ギヤ22が一体化された外輪23と、その内側に組込まれた内輪24と、上記外輪23の円筒形内面23aと内輪24の円筒形外面24a間に組込まれたスプラグ25と、そのスプラグ25を保持する保持器26とからなり、上記外輪23と内輪24は軸受27を介して相対的に回転自在に支持されている。
保持器26は、径の異なる2つの保持器26a、26bからなり、その外側保持器26aは外輪23の円筒形内面23aに固定されて外輪23と一体に回転するようになっている。
一方、内側保持器26bは軸受28によって内輪24に回転自在に支持されている。この内側保持器26bには径方向外方に延びるスイッチピン29が固定され、そのスイッチピン29は外側保持器26aに形成された周方向に長い長孔30内に挿入され、上記スイッチピン29が長孔30の周方向両端に当接する範囲内において外側保持器26aと内側保持器26bは相対的に回転自在とされている。
外側保持器26aと内側保持器26bには径方向で対向する複数のポケット31、32が周方向に間隔をおいて形成され、径方向で対向するポケット31、32内のそれぞれにスプラグ25が組込まれている。
スプラグ25は、正転用カム面25aと逆転用カム面25bを両端のそれぞれに有している。このスプラグ25は、内側保持器26bのポケット32内に組込まれた弾性部材33によってポケット32の周方向の略中央位置に保持されている。
外側保持器26aと内側保持器26bの相互間には弾性部材としての位相位置決めばね40が組込まれている。
図5に示すように、位相位置決めばね40は、一部が切り離されたリング部40aの両端に一対の押圧片40bを外向きに形成した構成とされている。この位相位置決めばね40はリング部40aが内側保持器26bの内径面に嵌合され、一対の押圧片40bが外側保持器26aと内側保持器26bのそれぞれに形成された周方向に長い長孔41、42に挿入された組付けとされて、上記一対の押圧片40b、40bで長孔41、42の周方向で対向する端面を相反する方向に同時に押圧している。
位相位置決めばね40の上記のような組付けによって、図4に示すように、内側保持器26bのポケット32と外側保持器26aのポケット31とが周方向に位置ずれしてスプラグ25が外輪23の一方向の回転を内輪24に伝達するスタンバイ状態に内側保持器26bが弾性保持されている。
実施の形態では、外輪23の前進走行方向の回転(図4の矢印で示す方向の回転)を内輪24に伝達する方向にスプラグ25をスタンバイさせた構成としており、上記位相位置決めばね40による内側保持器26bの弾性保持によって、スイッチピン29は長孔30の一端に当接されている。
内側保持器26bの一端部は外側保持器26aの端部より外側に位置し、その一端部外周にフランジ50と、そのフランジ50から保持器端面側に円筒面51とが形成されている。また、円筒面51には係合溝52が設けられている。
円筒面51には摩擦プレート53が嵌合され、その摩擦プレート53は係合溝52に取付けられた波ばねからなる弾性部材54により押圧されてフランジ50に押し付けられている。
摩擦プレート53と静止部材としてのハウジング55の相互間には、摩擦プレート53が外輪23の後退走行時の回転方向と同方向に回転するのを防止する回り止め手段60が設けられている。
図3および図6に示すように、回り止め手段60は、ハウジング55に円筒形のクラッチ保持リング61を固定し、そのクラッチ保持リング61と摩擦プレート53の外周に形成された円筒部53a間に一方向クラッチ62を組込み、その一方向クラッチ62によって摩擦プレート53が外輪23の後退走行時の回転方向と同方向に回転するのを防止している。
一方向クラッチ62として、ここでは、外輪63と円筒部53a間に保持器65を組込み、その保持器65に形成されたポケット66内にスプラグ67と、そのスプラグ67を外輪63と円筒部53aの対向面に噛み込む方向に向けて付勢する弾性部材68とを組込んだスプラグタイプのものを示したが、ローラタイプの一方向クラッチを用いるようにしてもよい。
図2および図3に示すように、内輪24には、ディファレンシャル20のディファレンシャルケース70が固定され、上記内輪24からそのディファレンシャルケース70に回転トルクが伝達されると、その回転トルクはディファレンシャル機構71を介して図1に示す後輪12のアクスル72に伝達されるようになっている。
実施の形態で示すハイブリッド車両の駆動力伝達装置は上記の構造からなり、
いま、電動モータ16を車両が前進走行する方向に駆動すると、その電動モータ16の回転は減速機17により減速されて駆動ギヤ21に伝達され、その駆動ギヤ21の回転は入力ギヤ22に伝達されて、外輪23およびその外輪23に固定された外側保持器26aが一方向に回転する。
このとき、スプラグ25は外輪23の前進走行方向の回転を内輪24に伝達する方向にスタンバイされているため、スプラグ25は外輪23の円筒形内面23aと内輪24の円筒形外面24aに直ちに係合し、そのスプラグ25を介して外輪23の回転が内輪24に伝達される。また、内輪24の回転は、その内輪24に固定されたディファレンシャルケース70からディファレンシャル機構71を介して図1に示すアクスル72に伝達されて後輪12が回転し、車両が前進走行する。
車両の走行を電動モータ16からエンジン13に切換える場合は、図示省略した発進クラッチを結合状態として、そのエンジン13の回転をトランスミッション14に入力し、前輪11を回転させる。その駆動力の切換えと同時に電動モータ16を停止する。
電動モータ16の停止により、スプラグ25は、図4に示すように、外輪23の円筒形内面23aと内輪24の円筒形外面24aに接触するスタンバイ状態に保持される。また、エンジン13の駆動による車両の走行状態で、後輪12の回転が2方向クラッチ19の内輪24に伝達されて内輪24が回転する。このとき、内輪24は外輪23より速く回転し、スプラグ25に対しては空転方向の回転となるため、内輪24の回転は外輪23に伝達されず、内輪24はフリー回転する。
ここで、エンジン13の駆動による車両の走行状態において、外側保持器26aと内側保持器26bはスプラグ25が後退回転を伝達する状態にスイッチする方向に向けて相対回転可能であるが、外側保持器26aと内側保持器26bは
位相位置決めばね40の弾性力が負荷されてスプラグ25が前進回転を伝達するスタンバイ状態に弾性保持される状態にあるため、振動等の外力が負荷されたとしても、外側保持器26aと内側保持器26bはスプラグ25が係合状態をスイッチする方向に相対回転するようなことはない。
このように、エンジン13の駆動による走行状態で振動等の外力が負荷されても、後輪12の回転を阻害する方向に2方向クラッチ19が係合するという不都合の発生はなく、車両を安全に走行させることができる。
ここで、電動モータ16を車両が後退走行する方向に駆動すると、その電動モータ16の回転は減速機17を介して外輪23に伝達され、その外輪23が図5(I)の矢印で示す方向に回転する。
このとき、内側保持器26bのフランジ50と摩擦プレート53の接触部に作用する摩擦トルクは位相位置決めばね40から内側保持器26bに負荷される回転トルクより大きく設定されており、しかも、内側保持器26bは一方向クラッチ62により回り止めされて外輪23の回転方向と同方向に回転するのが防止される状態にあるため、外輪23と一体に回転する外側保持器26aと内側保持器26bは相対回転し、その相対回転によってスプラグ25は外輪23の回転方向に傾動し、逆転用カム面25bが外輪23の円筒形内面23aと内輪24の円筒形外面24aに係合する。
外輪23の円筒形内面23aおよび内輪24の円筒形外面24aに対するスプラグ25の係合により、外輪23の回転はスプラグ25を介して内輪24に伝達され、その内輪24からディファレンシャル20を介して後輪12に伝達され、車両が後退走行する。
ここで、外側保持器26aと内側保持器26bが相対回転すると、位相位置決めばね40が図5(II)に示すように弾性変形する。このため、電動モータ16を停止すると、外側保持器26aと内側保持器26bは上記位相位置決めばね40の復元弾性により相対回転して、図4に示す状態に戻り、スプラグ25は外輪23の前進走行時の回転を内輪24に伝達するスタンバイ状態に戻される。
図3に示す実施の形態では、一方向クラッチ62により摩擦プレート53が外輪23の後退走行時の回転方向と同方向に回転するのを防止するようにしたが、回り止め手段60はこれに限定されるものではない。
図7乃至図9は、回り止め手段60の他の例を示す。図7に示す回り止め手段60においては、摩擦プレート53の外周部に形成された円筒部53aにラチェットホイール80を設け、そのラチェットホイール80の外周に形成された歯81にハウジング55に揺動自在に支持されたラチェット82を係合して、摩擦プレート53が外輪23の後退走行時の回転方向と同方向に回転するのを防止するようにしている。
図8に示す回り止め手段60においては、ハウジング55に電磁石83を固定し、その電磁石83の電磁コイル83aに対する通電により、その電磁コイル83aを支持するコア83bに磁性体からなる円板状の摩擦プレート53を吸着保持して、摩擦プレート53が外輪23の後退走行時の回転方向と同方向に回転するのを防止するようにしている。この場合、電動モータ16の駆動によって車両を後退動させる場合にのみ電磁コイル83aに通電する。
図9に示す回り止め手段60においては、ハウジング55にシリンダ室84を設け、そのシリンダ室84内に摺動可能なピストン85とリターンスプリング86とを組込み、前記シリンダ室84内に対する流体圧の供給によりピストン85を摩擦プレート53に押付けて、摩擦プレート53が外輪23の後退走行時の回転方向と同方向に回転するのを防止するようにしている。この場合、電動モータ16の駆動によって車両を後退動させる場合にのみ流体圧を供給して摩擦プレート53を回り止めする。
図3に示す実施の形態においては、2方向クラッチ19としてスプラグタイプのものを示したが、図10(I)、(II)に示すように、入力ギヤ22の内径面に固定される外輪91の内径面に内輪92の円筒形外面93との間で周方向の両端に向けて対向間隔が次第に小さくなるくさび状空間を形成するカム面94を設け、そのくさび状空間内にローラ95を組込み、そのローラ95を保持器96で保持し、上記ローラ95を弾性部材97によって保持器96に形成されたポケット96aの周方向の略中央位置に保持するようにしたローラタイプの2方向クラッチ19を用いるようにしてもよい。
上記ローラタイプの2方向クラッチ19においては、保持器96に径方向外方に向くスイッチピン98を固定し、そのスイッチピン98を外輪91に形成した長孔99内に挿入し、その長孔99の両端にスイッチピン98が当接する範囲内において外輪91と保持器96を相対的に回転自在としている。
また、保持器96の端部に摩擦プレート100を嵌合し、その摩擦プレート100を弾性部材101により保持器96の端部外周に形成されたフランジ102押付けると共に、その摩擦プレート100とハウジング55の相互間に図3、および図7乃至図9に示す回り止め手段60と同一の構成からなる回り止め手段60を設けて、摩擦プレート100が外輪23の後退走行時の回転方向と同方向に回転するのを防止する。
上記のようなローラタイプの2方向クラッチ19の採用においても、保持器96の内径面に位相位置決めばね40のリング部40aを嵌合し、そのリング部40aの両端の押圧片40bを保持器96に形成された長孔103から外輪91に形成された長孔104に挿入して、各長孔103、104の周方向で対向する端面を同時に相反する方向に押圧し、外輪91の前進走行方向の回転を内輪92に伝達する方向にローラ95をスタンバイさせておく。
この発明に係るハイブリッド車両の駆動力伝達装置の実施の形態を示す全体の構成図 図1の電動モータのトルク伝達系を示す断面図 図2の一部分を拡大して示す断面図 図3のIV−IV線に沿った断面図 (I)は図3のV−V線に沿った断面図、(II)は位相位置決めばねの弾性変形状態を示す断面図 図3のVI−VI線に沿った断面図 回り止め手段の他の例を示す断面図 回り止め手段の他の例を示す断面図 回り止め手段のさらに他の例を示す断面図 (I)は2方向クラッチの他の例を示す縦断正面図、(II)は(I)のX−X線に沿った断面図
符号の説明
11 前輪(駆動輪)
12 後輪(補助駆動輪)
13 エンジン
16 減速機付き電動モータ
17 減速機
18 出力軸
19 2方向クラッチ
23 外輪
23a 円筒形内面
24 内輪
24a 円筒形外面
25 スプラグ
26 保持器
26a 外側保持器
26b 内側保持器
31 ポケット
32 ポケット
40 位相位置決めばね(弾性部材)
53 摩擦プレート
55 ハウジング(静止部材)
60 回り止め手段
62 一方向クラッチ
80 ラチェットホイール
82 ラチェット
83 電磁石
83a 電磁コイル
84 シリンダ室
85 ピストン
91 外輪
92 内輪
93 円筒形外面
94 カム面
95 ローラ
96 保持器
96a ポケット
100 摩擦プレート
101 弾性部材

Claims (8)

  1. エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪とその内側に組込まれた内輪との間に径の異なる2つの保持器を組込み、その外側保持器を外輪に固定し、この外側保持器と内側保持器に径方向で対向するポケットを形成し、その径方向で対向するポケット内にスプラグを組込み、そのスプラグを外側保持器と内側保持器の相対回転によって外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたスプラグタイプの2方向クラッチからなり、前記内側保持器の端部外周に摩擦プレートを嵌合し、その摩擦プレートから内側保持器に付与される摩擦抵抗によって外輪と一体に回転する外側保持器を内側保持器に対して相対回転させるようにしたハイブリッド車両の駆動力伝達装置において、
    前記外側保持器と内側保持器の相互間に、スプラグが外輪の一方向の回転を内輪に伝達するスタンバイ状態に内側保持器を弾性保持する弾性部材を組込み、前記摩擦プレートと静止部材の相互間に、摩擦プレートが外輪の一方向への回転方向と逆の方向に回転するのを防止する回り止め手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の駆動力伝達装置。
  2. エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪の内周に、その内側に組込まれた内輪の円筒形外面との間で周方向の両端が狭小のくさび状空間を形成するカム面を形成し、外輪と内輪間に組込まれた保持器には前記カム面と径方向で対向するポケットを形成し、そのポケット内にローラを組込み、そのローラを外輪と保持器の相対回転によってカム面と円筒形外面に係合させるようにしたローラタイプの2方向クラッチからなり、前記保持器の端部外周に摩擦プレートを嵌合し、その摩擦プレートから保持器に付与される摩擦抵抗によって電動モータにより回転駆動される外輪を保持器に対して相対回転させるようにしたハイブリッド車両の駆動力伝達装置において、
    前記外輪と保持器の相互間に、ローラが外輪の一方向の回転を内輪に伝達するスタンバイ状態に保持器を弾性保持する弾性部材を組込み、前記摩擦プレートと静止部材の相互間に、摩擦プレートが外輪の一方向への回転方向と逆の方向に回転するのを防止する回り止め手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車両の駆動力伝達装置。
  3. 前記回り止め手段が、摩擦プレートと静止部材間に配置された一方向クラッチからなる請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の駆動力伝達装置。
  4. 前記一方向クラッチが、スプラグタイプのものからなる請求項3に記載のハイブリッド車両の駆動力伝達装置。
  5. 前記一方向クラッチが、ローラタイプのものからなる請求項3に記載のハイブリッド車両の駆動力伝達装置。
  6. 前記回り止め手段が、摩擦プレートの外周に設けられたラチェットホイールと、静止部材に揺動自在に支持されてそのラチェットホイールの外周の歯に係合するラチェットとからなる請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の駆動力伝達装置。
  7. 前記回り止め手段が、電磁コイルを有し、その電磁コイルに対する通電により磁性体からなる摩擦プレートを吸着保持して回り止めする電磁石からなり、2方向クラッチのスタンバイ状態から車両が逆方向に走行する際にのみ前記電磁コイルに通電して摩擦プレートを回り止めするようにした請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の駆動力伝達装置。
  8. 前記回り止め手段が、静止部材の前記摩擦プレートに対する対向面にシリンダ室を設け、そのシリンダ室内にピストンを摺動自在に組込み、前記シリンダ室内に対する流体圧の供給によりピストンを摩擦プレートに押付けて摩擦プレートを回り止めするアクチュエータからなり、2方向クラッチのスタンバイ状態から車両が逆方向に走行する際にのみシリンダ室内に流体圧を供給して、摩擦プレートを回り止めするようにした請求項1又は2に記載のハイブリッド車両の駆動力伝達装置。
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