JP4172969B2 - 回転伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パートタイム式四輪駆動車の二輪駆動時における従動側車輪に対してエンジンからの駆動トルクを伝達したり、遮断したりする場合等に用いられる回転伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
FRベースの四輪駆動車において、エンジンからの駆動トルクを前輪に伝達したり、遮断したりする回転伝達装置として図12に示したものが従来から知られている。
【0003】
上記回転伝達装置は、外輪70とその内側に組込まれたカムリング71との間で回転トルクの伝達と遮断とを行なうローラ式のツーウェイクラッチ72と、そのツーウェイクラッチ72の係合を制御する電磁石73を有している。
【0004】
ツーウェイクラッチ72は、外輪70の内周に形成された円筒面74とカムリング71の外周に形成されて上記円筒面74との間で楔形空間を形成する複数のカム面75間にローラ76を組込み、そのローラ76を保持器77によって保持し、その保持器77とカムリング71の相互間にスイッチばね78を組込み、そのスイッチばね78によってローラ76が円筒面74とカム面75に対して係合解除される中立位置に向けて保持器77を付勢している。
【0005】
前記電磁石73は外輪70の端部内に組込まれ、その電磁石73と保持器77の対向部間に、外輪70に対して回り止めされた磁性体から成るロータ79と、保持器77に対して回り止めされ、かつ軸方向に移動可能に支持されたアーマチュア80と、そのアーマチュア80をロータ79から離反する方向に押圧する離反ばね81が組込まれている。
【0006】
上記の構成から成る回転伝達装置は、例えばFRベースの四輪駆動車の前輪に対してエンジンからの駆動トルクを伝達したり、遮断したりする場合に用いられる。そのような使用に際しては、後輪を駆動するメインシャフト82にカムリング71を嵌合して回り止めすると共に、ロータ79とメインシャフト82間に転がり軸受83を組込んでロータ79を回転自在に支持する。
【0007】
上記のような回転伝達装置の使用において、後輪の回転速度が前輪の回転速度を上回ったとき、電磁石73の電磁コイル73aに通電すると、アーマチュア80がロータ79に吸着されて保持器77が外輪70に対して回り止めされ、その保持器77とカムリング71の相対回転によりローラ76が円筒面74およびカム面75に係合する。その係合によってカムリング71のトルクが外輪70に伝達されると共に、外輪70のトルクが前輪に伝達されて二輪駆動から四輪駆動に切換えられる。
【0008】
また、電磁石73の電磁コイル73aに通電を遮断すると、離反ばね81の押圧によってアーマチュア80がロータ79から離反し、その離反状態で外輪70の回転速度がカムリング71の回転速度を上回ると、ローラ76は円筒面74およびカム面75に対して係合解除する中立位置に戻されると共に、スイッチばね78の弾性により中立位置に保持される。このため、カムリング71から外輪70への回転伝達が遮断されて、四輪駆動から二輪駆動の状態とされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図12に示す従来の回転伝達装置においては、外輪70が停止し、ローラ76が中立位置に配置される状態でカムリング71が高速回転されると、保持器77がカムリング71と共に回転するため、ローラ76が遠心力により外方に移動して停止状態にある外輪70の円筒面74と接触する状態で回転する。このため、カムリング71には、その回転を阻害するトルク、所謂引きずりトルクが付与され、その引きずりトルクがスイッチばね78の弾性力を超えた場合、カムリング71と保持器77とが相対回転し、ローラ76が円筒面74およびカム面75に係合して、カムリング71のトルクが外輪70に伝達されるおそれがあった。
【0010】
そのような不都合の発生の防止対策として、図13に示すように、アーマチュア80に突起84を設け、その突起84をカムリング71に形成された切欠部85に嵌合して、カムリング71にアーマチュア80を回り止めすることが有効であるが、この場合、電磁石73がアーマチュア80を吸着する際に、突起84が切欠部85から外れる位置までアーマチュア80を軸方向に移動させる必要があるため、アーマチュア80とロータ79との間に大きな軸方向すきま86を確保する必要が生じ、容量の大きい大型の電磁石を必要とする問題が生じる。
【0011】
また、アーマチュア80とロータ79間に形成される軸方向すきま86が大きくなることによって、電磁コイル73aへの通電を開始してからローラが係合するまでの応答時間が長くなり、外輪70とカムリング71の回転速度差が大きくなってローラ76の係合時に係合ショックを発生するおそれが生じる。
【0012】
この発明の課題は、上記のような回転伝達装置において、カムリングから成る内方部材の空転時にローラが引きずりトルクによって係合位置まで変位されるのを防止することである。
【0013】
また、ロータとアーマチュアの対向部に形成される軸方向すきまの管理の容易化を図ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明においては、外方部材と内方部材の相互間において回転トルクの伝達と遮断とを行なうツーウェイクラッチと、そのツーウェイクラッチの係合を制御する電磁石とを有し、前記ローラ式ツーウェイクラッチが外方部材の内周側に設けられた円筒面と内方部材の外周に形成された平坦なカム面間にローラを組込み、そのローラを保持器によって保持した構成とされ、前記保持器と内方部材の相互間に、前記ローラが円筒面とカム面に対して係合解除される中立位置に向けて保持器を付勢するスイッチばねを組込み、前記保持器と電磁石との間に前記外輪に対して回り止めされたロータと、保持器に対して回り止めされ、かつ軸方向に移動可能に支持されて電磁石に対する通電により前記ロータに吸着されるアーマチュアと、そのアーマチュアをロータから離反する方向に押圧する離反ばねを組込んだ回転伝達装置において、前記内方部材とアーマチュアの対向部間に、内方部材に対して回り止めされ、前記ロータによって回転自在に、かつ軸方向に非可動に支持された係合板を設け、この係合板とアーマチュアの相互間に、ローラが中立位置から円筒面およびカム面に係合する係合位置まで変位される角度内の所定の角度までアーマチュアが係合板に対して相対的に回転したとき、アーマチュアを係合板に回り止めする回り止め手段を設け、その回り止め手段が、アーマチュアと係合板の対向面における一方に設けられた突起と、他方に設けられた係合凹部とから成り、前記突起には内方部材とロータの回転数差が所定の値以下になったとき、係合凹部の開口部のエッジで押圧されてアーマチュアを電磁石側に移動させるテーパ面を設けた構成を採用したのである。
【0015】
上記のように構成すれば、内方部材の空転時に、引きずりトルクによって内方部材と保持器とが相対回転し、その回転角が所定の角度に達すると回り止め手段が作動して、保持器と一体となって回転するアーマチュアが係合板に回り止めされる。このとき、係合板は内方部材に対して回り止めされているため、保持器は内方部材に対して回り止めされ、その回り止めによって内方部材と保持器とは共に回転し、ローラが引きずりトルクによって係合位置まで変位されるのを防止することができる。
【0017】
また、ローラが中立位置に保持される状態で、突起と係合凹部とは周方向に位置がずれ、突起は対向する部材の端面に接触する状態に保持されるため、アーマチュアとロータの対向面間に形成される軸方向すきまは突起と係合凹部の噛み合い深さに関係なく小さな値に設定することができる。このため、容量の小さな小型の電磁石によってアーマチュアを吸着することができると共に、電磁石の電磁コイルに通電してからローラが係合するまでの時間が短く、ツーウェイクラッチの応答性の向上を図り、ローラの係合時に係合ショックが発生するのを防止することができる。
【0018】
さらに、ロータによって回転自在に支持され、かつ軸方向に非可動に支持された係合板とアーマチュアの相互間に突起と係合凹部を設けることによって、ロータとアーマチュアの対向部間に形成される軸方向すきまは、ロータの寸法精度を管理するだけでよく、軸方向すきまの管理が容易である。
【0019】
この発明に係る回転伝達装置において、前記ロータは、外方部材に取付けられた筒状のロータガイド内に嵌合してもよい。この場合、ロータガイドによって係合板を回転自在に、かつ軸方向に非可動に支持してもよい。ロータガイドによって係合板を支持する場合、そのロータガイドの寸法管理することによってロータとアーマチュア間の軸方向すきまを管理することができるため、軸方向すきまの管理が容易である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1乃至図11に基づいて説明する。図1乃至図7は、この発明に係る回転伝達装置の第1の実施形態を示す。
【0021】
図1に示すように、ハウジング1内に設けられた入力軸2と出力軸3とは同軸上に配置されて回転自在の支持とされている。
【0022】
入力軸2の端部には内方部材としてのカムリング4が取付けられ、そのカムリング4の外側に設けられた外方部材としての外輪5が出力軸3に取付けられている。
【0023】
図2に示すように、外輪5とカムリング4との間にはローラ式ツーウェイクラッチ10が組込まれている。ツーウェイクラッチ10は、外輪5の内側に圧入され、外輪5の内周に設けられた肩部5aと止め輪5bによって軸方向に非可動とされたクラッチ外輪11の内周に円筒面12を設け、カムリング4の外周には上記円筒面12との間で楔形空間を形成する複数の平坦なカム面13を形成し、各カム面13と円筒面12間に組込まれたローラ14を保持器15によって保持している。
【0024】
なお、クラッチ外輪11を省略し、外輪5の内周にローラ14が係脱される円筒面を形成してもよい。
【0025】
図2および図3に示すように、カムリング4の端面には、円形の凹部20が形成され、その凹部20内にスイッチばね21に設けられたリング部21aが嵌合されている。リング部21aの両端には外向きの一対の係合片21bが形成され、その係合片21bは凹部20の周壁に形成された径方向の係合溝22から保持器15の端部に設けられた切欠部23内に挿入されて、その切欠部23の周方向で対向する側面を相反する方向に押圧しており、その押圧によって、ツーウェイクラッチ10のローラ14が円筒面12およびカム面13に対して係合解除される中立位置に保持器15で保持されている。
【0026】
図1および図2に示すように、入力軸2上にはツーウェイクラッチ10を制御する電磁石30が設けられている。電磁石30はツーウェイクラッチ10と軸方向で対向する配置とされ、ハウジング1に設けられた支持壁1aによって支持されている。
【0027】
電磁石30はコア31に電磁コイル32を巻付けた構成とされ、その電磁石30とツーウェイクラッチ10の対向部間に、磁性体から成るロータ40と、同じく磁性体から成るアーマチュア41と、係合板42とが組込まれている。
【0028】
ロータ40は外筒部40aおよび内筒部40bを有し、外筒部40aは外輪5の外周に設けられたフランジ5cにボルト43の締付けによって固定されている。また、内筒部40bは入力軸2に回転可能に嵌合されている。
【0029】
図2および図5に示すように、アーマチュア41は複数の係合孔44を有し、各係合孔44に保持器15の端部に設けられた回り止め片45が挿入され、その挿入によってアーマチュア41は保持器15に対して回り止めされ、かつ軸方向に移動可能とされている。
【0030】
上記アーマチュア41はロータ40との間に組込まれた離反ばね46によってロータ40から離反する方向に押圧されている。
【0031】
図2および図4に示すように、係合板42は環状をなし、その内周に設けられた突片47がカムリング4の端面に形成された前記係合溝22に挿入され、その係合溝22に対する突片47の係合によって係合板42がカムリング4に対して回り止めされている。また、係合板42はロータ40の外筒部40a内に挿入されて回転自在とされ、外筒部40aの内周に取付けた止め輪48によって軸方向に非可動の支持とされている。
【0032】
係合板42には、保持器15の端面に設けられた前記回り止め片45が挿入されるスリット49が形成され、そのスリット49の両端と回り止め片45との間には回転方向の遊びδが設けられている。
【0033】
係合板42とアーマチュア41の対向部間には、その両部材41、42が相対的に所定角度回転したとき、係合して係合板42とアーマチュア41を回り止めする回り止め機構50が設けられている。
【0034】
図6(I)、(II)に示すように、回り止め機構50は、係合板42の前記アーマチュア41と対向する側面に形成された突起51と、アーマチュア41に形成された係合凹部52から成る。
【0035】
突起51と係合凹部52とは、ツーウェイクラッチ10のローラ14が中立位置に保持される状態において周方向に位置がずれ、アーマチュア41と係合板42とが相対的に所定角度回転すると、突起51と係合凹部52が対向し、離反ばね46の押圧によりアーマチュア41が係合板42に向けて移動して、突起51と係合凹部52が係合するようになっており、その係合によってアーマチュア41と係合板42、すなわち、カムリング4と保持器15が相対的に回り止めされる。
【0036】
ここで、ローラ14が中立位置で保持される状態での突起51と係合凹部52の位相のずれは、ローラ14が中立位置から円筒面12およびカム面13に係合するまでの角度より小さく、係合凹部52と突起51が係合する状態でローラ14は円筒面12およびカム面13に係合していない位置に配置されている。
【0037】
前記突起51は一端部にテーパ面51aを有し、突起51が係合凹部52に係合する状態でカムリング4の回転数が下がり、引きずりトルクが小さくなってスイッチばね21の押圧により保持器15が中立位置に戻されると、係合凹部52の開口部のエッジ52aで前記テーパ面51aが押されて係合凹部52と突起51の係合が解除されるようになっている。
【0038】
なお、突起51をアーマチュア41に形成し、係合板42に係合凹部を形成してもよい。この場合、突起の他端部にテーパ面51aを形成する。
【0039】
第1の実施形態で示す回転伝達装置は上記の構造から成り、ツーウェイクラッチ10のローラ14が中立位置に保持される状態において入力軸2を回転させると、カムリング4も共に回転し、そのカムリング4の回転はスイッチばね21を介して保持器15に伝達され、ローラ14は中立位置を保持する状態で回転し、外輪5に回転トルクが伝達されることはない。
【0040】
入力軸2の回転状態において、電磁コイル32に通電すると、アーマチュア41がロータ40に吸着されて回り止めされる。
【0041】
このとき、アーマチュア41と保持器15は係合孔44に対する回り止め片45の係合によって相対的に回り止めされているため、アーマチュア41と共に保持器15も回り止めされ、その保持器15に対してカムリング4が進み回転し、ローラ14が円筒面12およびカム面12に係合してツーウェイクラッチ10が係合状態とされる。
【0042】
このため、カムリング4の回転は、ツーウェイクラッチ10を介して外輪5に伝達され、出力軸3が回転する。
【0043】
ここで、カムリング4と保持器15とが相対回転するとき、スイッチばね21は弾性変形し、その復元弾性によって保持器15は中立位置に戻される方向の回転力が付与される。
【0044】
また、ツーウェイクラッチ10が係合状態に保持されると、電磁コイル32に対する通電が遮断される。
【0045】
入力軸2の回転がツーウェイクラッチ10を介して出力軸3に伝達される状態において、出力軸3の回転速度が入力軸2の回転速度を上回ると、スイッチばね21の復元弾性により保持器15が中立位置に向けて回動され、その回動によりローラ14は係合解除状態とされ、入力軸2から出力軸3への回転伝達が遮断される。
【0046】
ツーウェイクラッチ10の係合解除状態における入力軸2の空転時、前述のように、カムリング4と共に保持器15が回転し、そのカムリング4の回転速度が遅い場合、ローラ14に作用する遠心力は小さい。このため、クラッチ外輪11の円筒面12に対するローラ14の接触圧力は小さく、保持器15に付与される引きずりトルクも小さいため、スイッチばね21を弾性変形させることはない。
【0047】
したがって、ローラ14は中立位置に保持される状態で回転することになり、また、保持器15と共に回転するアーマチュア41とカムリング4と共に回転する係合板42は、図6(I)、(II)に示すように、突起51と係合凹部52が周方向に位置がずれる状態で回転する。
【0048】
外輪5の停止状態でカムリング4が高速回転されると、ローラ14に作用する遠心力が大きくなるため、ローラ14は円筒面12に強く接触し、保持器15に付与される引きずりトルクが増大する。その引きずりトルクがスイッチばね21の弾性力より強くなると、スイッチばね21が弾性変形し、カムリング4に回り止めされた係合板42が保持器15に回り止めされたアーマチュア41に対して進み回転する。
【0049】
突起51が係合凹部52と対向する位置まで係合板42がアーマチュア41に対して相対回転すると、離反ばね46の押圧によりアーマチュア41が係合板42に向けて移動し、図7(I)、(II)に示すように、突起51と係合凹部52が係合する。その係合によってアーマチュア41が回り止めされ、保持器15がカムリング4と共に回転する。
【0050】
このため、ローラ14は円筒面12およびカム面13に係合することはなく、係合解除状態を保って空転し、引きずりトルクによってローラ14が係合状態にされるのが防止される。
【0051】
図7(I)、(II)に示すように、突起51と係合凹部52とが係合する状態でカムリングの回転速度が低下すると、スイッチばねの弾性力およびアーマチュア41に付与される慣性力によって、アーマチュア41はカムリング4に対して進み方向に相対回転し、その相対回転によって突起51のテーパ面51aが係合凹部52の開口部のエッジ52aで押され、アーマチュア41は係合板42から離反する方向に移動する。その移動によって突起51は係合凹部52から外れ、スイッチばね21によってローラ14が中立位置に戻されることにより、突起51は図6(I)に示すように、係合凹部52から周方向に位置がずれる状態に戻される。
【0052】
このとき、ロータ40とアーマチュア41の対向面間に形成される軸方向すきま53は小さな値とされ、電磁石30の電磁コイル32に対する通電によってそのアーマチュア41をロータ40によって確実に吸着することができる。
【0053】
ここで、上記軸方向すきま53は突起51と係合凹部52の噛み合い深さに関係なく小さな値に設定することができ、突起51および係合凹部52がツーウェイクラッチ10の係合に影響を与えることがないため、容量の小さな小型の電磁石30によってツーウェイクラッチ10の係合を制御することができる。
【0054】
また、ロータ40によって回転自在に支持され、かつ軸方向に非可動に支持された係合板42とアーマチュア41の相互間に突起51と係合凹部52を設けることによって、ロータ40とアーマチュア41の対向部間に形成される軸方向すきま53は、カムリング4の寸法精度に影響を受けることなくロータ40の寸法精度を管理するだけでよい。このため、軸方向すきま53の管理が容易である。
【0055】
図8乃至図9は、この発明に係る回転伝達装置の第2の実施形態を示す。この第2の実施形態で示す回転伝達装置においては、係合板42をカムリング4の端面に形成された円形の凹部20内に嵌合可能な大きさとし、その係合板42の外周に、カムリング4の端面の係合溝22に嵌合される突片60を設けている点、およびロータ40の内筒部40bに係合板42を嵌合して回転自在とし、止め輪61により軸方向に非可動としている点で第1の実施形態で示す回転伝達装置と相違している。
【0056】
このため、第1の実施形態で示す回転伝達装置と同一の部品には同一符号を付して説明を省略する。また、作用も同じであるため説明を省略する。
【0057】
第2の実施形態で示すように、係合板42をカムリング4の凹部20内に嵌合可能な大きさとすることによって、係合板42の軽量化を図ることができると共に、保持器15の回り止め片45が挿入されるスリット49の形成を不要とすることができるため、加工が容易である。
【0058】
図10および図11は、この発明に係る回転伝達装置の第3の実施形態を示す。この実施形態で示す回転伝達装置は、外輪5の端部内に円筒状のロータガイド62を嵌合し、そのロータガイド62内にロータ40’に設けられた外筒部40a’を嵌合し、その外筒部40a’の開口端に設けられた回り止め片63をロータガイド40’および外輪5の端部に形成された切欠部64に嵌合してロータ40’およびロータガイド62を回り止めすると共に、外輪5の端部内に取付けた止め輪65によってロータ40’およびロータガイド62を抜け止めしている点、およびロータガイド62に係合板42を嵌合して回転自在に支持し、止め輪66によって係合板42を軸方向に非可動に支持している点で第1の実施形態で示す回転伝達装置と相違している。
【0059】
このため、第1の実施形態で示す回転伝達装置と同一の部品には同一の符号を付して説明を省略する。また、作用についても第1の実施形態で示す回転伝達装置と同じであるため、説明を省略する。
【0060】
第3の実施形態で示すように、外輪5に非磁性体から成るロータガイド62を取付け、そのロータガイド62によってロータ40’を支持することによって電磁石の外径サイズの小型化を図ることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、この発明においては、内方部材の空転時、外輪の円筒面に対するローラの接触回転により保持器に引きずりトルクが付与されて内方部材と保持器とが相対回転すると、係合板とアーマチュア間に設けられた回り止め手段が作動して、保持器と一体に回転するアーマチュアが係合板を介して内方部材に回り止めされるため、引きずりトルクによってローラが円筒面およびカム面に係合するのを防止することができる。
【0062】
また、回り止め手段として、内方部材に対して回り止めされた係合板とアーマチュアの対向面における一方に突起を設け、他方に係合凹部を形成し、内方部材がアーマチュアに対して所定の角度相対回転したとき突起を係合凹部に係合させてアーマチュアを内方部材に対して回り止めするようにしたので、アーマチュアとロータの対向面間に形成される軸方向すきまを突起と係合凹部の噛み合い深さに関係なく小さな値に設定することができる。このため、容量の小さな小型の電磁石によってツーウェイクラッチの係合を制御することができる。
【0063】
さらに、ロータまたはロータガイドによって回転自在に支持され、かつ軸方向に非可動に支持された係合板とアーマチュアの相互間に突起と係合凹部を設けたことによって、ロータとアーマチュアの対向部間に形成される軸方向すきまはロータまたはロータガイドの寸法精度を管理するだけでよく、軸方向すきまの管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る回転伝達装置の第1の実施の形態を示す縦断正面図
【図2】図1に示す回転伝達装置の要部を拡大して示す断面図
【図3】図2のIII −III 線に沿った断面図
【図4】図2のIV−IV線に沿った断面図
【図5】図2のV−V線に沿った断面図
【図6】(I)は図2に示す回転伝達装置の回り止め機構の部分を拡大して示す断面図、(II)は内方部材の係合凹部とアーマチュアの突起の関係を示す横断平面図
【図7】(I)は図6(I)に示す回り止め機構の作動状態を示す断面図、(II)は(I)の横断平面図
【図8】この発明に係る回転伝達装置の第2の実施形態を示す断面図
【図9】図8のIX−IX線に沿った断面図
【図10】この発明に係る回転伝達装置の第3の実施形態を示す断面図
【図11】図10のXI−XI線に沿った断面図
【図12】従来の回転伝達装置を示す縦断正面図
【図13】引きずりトルクによってローラが係合状態になるのを防止する対策手段の一例を示す断面図
【符号の説明】
4 カムリング(内方部材)
5 外輪(外方部材)
10 ツーウェイクラッチ
12 円筒面
13 カム面
14 ローラ
15 保持器
21 スイッチばね
30 電磁石
40 ロータ
41 アーマチュア
42 係合板
50 回り止め機構
51 突起
51a テーパ面
62 ロータガイド

Claims (2)

  1. 外方部材と内方部材の相互間において回転トルクの伝達と遮断とを行なうツーウェイクラッチと、そのツーウェイクラッチの係合を制御する電磁石とを有し、前記ローラ式ツーウェイクラッチが外方部材の内周側に設けられた円筒面と内方部材の外周に形成された平坦なカム面間にローラを組込み、そのローラを保持器によって保持した構成とされ、前記保持器と内方部材の相互間に、前記ローラが円筒面とカム面に対して係合解除される中立位置に向けて保持器を付勢するスイッチばねを組込み、前記保持器と電磁石との間に前記外輪に対して回り止めされたロータと、保持器に対して回り止めされ、かつ軸方向に移動可能に支持されて電磁石に対する通電により前記ロータに吸着されるアーマチュアと、そのアーマチュアをロータから離反する方向に押圧する離反ばねを組込んだ回転伝達装置において、前記内方部材とアーマチュアの対向部間に、内方部材に対して回り止めされ、前記ロータによって回転自在に、かつ軸方向に非可動に支持された係合板を設け、この係合板とアーマチュアの相互間に、ローラが中立位置から円筒面およびカム面に係合する係合位置まで変位される角度内の所定の角度までアーマチュアが係合板に対して相対的に回転したとき、アーマチュアを係合板に回り止めする回り止め手段を設け、その回り止め手段が、アーマチュアと係合板の対向面における一方に設けられた突起と、他方に設けられた係合凹部とから成り、前記突起には内方部材とロータの回転数差が所定の値以下になったとき、係合凹部の開口部のエッジで押圧されてアーマチュアを電磁石側に移動させるテーパ面を設けた構成からなることを特徴とする回転伝達装置。
  2. 外方部材と内方部材の相互間において回転トルクの伝達と遮断とを行なうツーウェイクラッチと、そのツーウェイクラッチの係合を制御する電磁石とを有し、前記ローラ式ツーウェイクラッチが外方部材の内周側に設けられた円筒面と内方部材の外周に形成された平坦なカム面間にローラを組込み、そのローラを保持器によって保持した構成とされ、前記保持器と内方部材の相互間に、前記ローラが円筒面とカム面に対して係合解除される中立位置に向けて保持器を付勢するスイッチばねを組込み、前記保持器と電磁石との間に前記外輪内に取付けられた非磁性体から成るロータガイドに挿入されたロータと、保持器に対して回り止めされ、かつ軸方向に移動可能に支持されて電磁石に対する通電により前記ロータに吸着されるアーマチュアと、そのアーマチュアをロータから離反する方向に押圧する離反ばねを組込んだ回転伝達装置において、前記内方部材とアーマチュアの対向部間に、内方部材に対して回り止めされ、前記ロータガイドによって回転自在に、かつ軸方向に非可動に支持された係合板を設け、この係合板とアーマチュアの相互間に、ローラが中立位置から円筒面およびカム面に係合する係合位置まで変位される角度内の所定の角度までアーマチュアが係合板に対して相対的に回転したとき、アーマチュアを係合板に回り止めする回り止め手段を設け、その回り止め手段が、アーマチュアと係合板の対向面における一方に設けられた突起と、他方に設けられた係合凹部とから成り、前記突起には内方部材とロータの回転数差が所定の値以下になったとき、係合凹部の開口部のエッジで押圧されてアーマチュアを電磁石側に移動させるテーパ面を設けた構成からなる
    ことを特徴とする回転伝達装置。
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