JP2009078754A - ハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法 - Google Patents

ハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンの駆動による走行時に2方向クラッチが係合状態にスイッチするのを防止することができるようにしたハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法を提供することである。
【解決手段】エンジン13を駆動源として回転駆動される前輪11と、減速機付き電動モータ16を駆動源として回転駆動される後輪12とを備え、上記電動モータ16における減速機17の出力軸18から後輪12に至るトルク伝達経路に機械式の2方向クラッチ19を組込んでエンジン13の駆動による車両の走行時に後輪12から出力軸18に回転トルクが伝達されるのを防止する。エンジン13により前輪11を回転し、後輪12が路面との接触によりフリー回転する車両の走行時に、電動モータ16を駆動して2方向クラッチ19の外輪22を内輪23より低速度で、しかも、内輪23と同方向に回転させるようにして、振動等の外力で2方向クラッチ19が後輪12の回転を阻害する方向に係合するのを防止する。
【選択図】図3

Description

この発明は、エンジンにより駆動輪を駆動し、減速機付き電動モータによって補助駆動輪を駆動するハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法に関する。
エンジンおよび電動モータを備え、その電動モータを発進時や、加速時等の負荷が大きいときにアシストとして用いるようにしたハイブリッド車両の駆動力伝達装置として、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
上記特許文献1に記載された駆動力伝達装置においては、電動モータの回転を減速する減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、エンジンの駆動による通常走行時に、その2方向クラッチによって補助駆動輪から減速機側への回転トルクの伝達を遮断するようにしている。
ここで、2方向クラッチとして、外輪と内輪の間に径の異なる2つの保持器を組込み、その各保持器に形成されたポケットにスプラグを組込み、大径側保持器と小径側保持器の相対回転によりスプラグを周方向に傾動させて外輪の内径面と内輪の外径面にスプラグの両端のカム面を係合させるようにしたスプラグタイプの2方向クラッチを採用している。
特開平11−291774号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたハイブリッド車両の駆動力伝達装置においては、電動モータを停止し、エンジンの駆動による前進走行中において、振動等の外力により、減速機の出力軸が回転すると、その回転が2方向クラッチの外輪に伝達され、前進側に傾動しているスプラグが後進側にスイッチして係合状態となり、補助駆動輪の回転が減速機側に伝達されて、補助駆動輪の回転が阻害されるという不具合が発生する。
また、電動モータを停止し、エンジンの駆動による後進走行時においても、前記と同様に、後進側に傾動しているスプラグが前進側にスイッチして係合状態となり、補助駆動輪の回転が減速機側に伝達されて、補助駆動輪の回転が阻害されるという不具合が発生する。
さらに、車両の前進走行状態において、シフトレバーがドライブレンジ(Dレンジ)からリバースレンジ(Rレンジ)に切換えが瞬時に行われると、補助駆動輪から回転トルクが伝達されて一方向に回転している内輪の回転方向と電動モータの駆動によって回転される外輪の回転方向が逆方向であるため、係合子が外輪と内輪の対向面に急激に係合することになり、その係合時のショックが大きく、2方向クラッチが破損する可能性がある。
また、電動モータの駆動とエンジンの駆動による4輪駆動(4WD)状態での車両発進時において、電動モータの回転数の立ち上がり時間がエンジンの回転数の立ち上がり時間より速い場合、外輪と内輪の回転数差が大きい状態で係合子が外輪と内輪の対向面に係合することになるため、係合時のショックが大きく、異音が発生し、あるいは、2方向クラッチが破損する可能性がある。
この発明は、エンジンの駆動による走行時に2方向クラッチが補助駆動輪の回転を阻害する方向に係合するのを防止することができるようにしたハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法を提供することを第1の課題としている。
また、車両走行方向の切換え時や4WDでの車両発進時に2方向クラッチで発生する係合ショックを低減させることができるようにしたハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法を提供することを第2の課題としている。
上記の第1の課題を解決するため、第1の発明においては、エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記電動モータにおける減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪とその内側に組込まれた内輪との間に係合子と、その係合子を保持する保持器を組込み、前記外輪に対する保持器の相対回転によって係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたメカニカルタイプの2方向クラッチからなり、前記電動モータの駆動時に前記外輪と保持器を相対回転させて係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法において、前記エンジンにより駆動輪を回転して補助駆動輪が路面との接触によりフリー回転する車両の走行時に、電動モータを駆動して外輪を補助駆動輪から回転トルクが伝達される内輪より低速度で、しかも、内輪と同方向に回転させるようにした構成を採用したのである。
第1の発明に係るハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法において、電動モータから外輪に負荷される回転トルクを、外輪および保持器の回転時に生じる損失トルクより大きい値に設定しておくことによって、電動モータの駆動によって外輪を確実に回転駆動させることができる。
第2の課題を解決するために、第2の発明においては、エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記電動モータにおける減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪とその内側に組込まれた内輪との間に係合子と、その係合子を保持する保持器を組込み、前記外輪に対する保持器の相対回転によって係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたメカニカルタイプの2方向クラッチからなり、前記電動モータの駆動時に前記外輪と保持器を相対回転させて係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法において、車両の走行方向を前進走行から後退走行、または、後退走行から前進走行に切換える際、前記補助駆動輪が一旦停止した状態で電動モータを逆回転させるようにした構成を採用したのである。
また、上記の第2の課題を解決するために、第3の発明においては、エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記電動モータにおける減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪とその内側に組込まれた内輪との間に係合子と、その係合子を保持する保持器を組込み、前記外輪に対する保持器の相対回転によって係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたメカニカルタイプの2方向クラッチからなり、前記電動モータの駆動時に前記外輪と保持器を相対回転させて係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法において、前記電動モータおよびエンジンの駆動による車両の発進時に、電動モータの回転数の立ち上がり時間をエンジンの回転数の立ち上がり時間よりも遅くした構成を採用したのである。
上記第1の発明乃至第3の発明に係るハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法において、2方向クラッチは、外輪の円筒形内面と内輪の円筒形外面間に径の異なる2つの保持器を組込み、その大径の外側保持器を外輪の円筒形内面に固定し、その外側保持器と小径の内側保持器に径方向で対向するポケットを設け、そのポケット内にスプラグと、そのスプラグをポケットの周方向の略中央位置に保持する弾性部材とを組込み、前記外側保持器に対する内側保持器の相対回転によりスプラグを傾動させて外輪の円筒形内面と内輪の円筒形外面に係合させるようにしたスプラグタイプのものであってもよく、あるいは、外輪の内側に内輪を組込み、その外輪の内周に内輪の円筒形外面との間で周方向の両端が狭小のくさび形空間を形成するカム面を設け、そのカム面と円筒形外面間に組込まれたローラを保持器で保持し、前記外輪に対する保持器の相対回転によってローラをカム面および円筒形外面に係合させるようにしたローラタイプのものであってもよい。
上記のように、第1の発明においては、エンジンにより駆動輪を回転して補助駆動輪が路面との接触によりフリー回転する車両の走行時に、電動モータを駆動して外輪を補助駆動輪から回転トルクが伝達される内輪より低速度で、しかも、内輪と同方向に回転させるようにしたので、振動等の外力により外輪が回動されるようなことはなく、2方向クラッチが補助駆動輪の回転を阻害する方向に係合するのを防止することができる。
また、第2の発明のように、車両の走行方向を前進走行から後退走行、または、後退走行から前進走行に切換える際、前記補助駆動輪が一旦停止した状態で電動モータを逆回転させるようにしたことにより、2方向クラッチの係合子は内輪の停止状態で係合方向の切換えが行われることになるので、係合時のショックを抑制することができ、2方向クラッチの破損防止に効果を挙げることができる。
さらに、第3の発明のように、電動モータおよびエンジンの駆動による車両の発進時に、電動モータの回転数の立ち上がり時間をエンジンの回転数の立ち上がり時間よりも遅くしたことにより、外輪と内輪の回転数差が小さい状態において係合子が外輪と内輪の対向面に係合することになり、異音の発生を抑制することができると共に、係合時のショックも小さく、2方向クラッチの破損防止に効果を挙げることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1に示すように、ハイブリッド車両10は、車体前部に駆動輪としての前輪11が左右に設けられている。また、車体後部には補助駆動輪としての後輪12が設けられている。
さらに、車体には、エンジン13と、減速機付き電動モータ16とが搭載され、上記エンジン13の回転はトランスミッション14およびディファレンシャル15を介して前輪11に伝達される。一方、電動モータ16における減速機17の出力軸18の回転は2方向クラッチ19およびディファレンシャル20を介して後輪12に伝達される。
図2および図3は電動モータ16のトルク伝達系を示し、減速機17の出力軸18には駆動ギヤ21が取付けられ、その駆動ギヤ21の回転は2方向クラッチ19に入力される。
図3および図4に示すように、2方向クラッチ19は、外輪22と、その内側に組込まれた内輪23と、上記外輪22の円筒形内面22aと内輪23の円筒形外面23a間に組込まれたスプラグ24と、そのスプラグ24を保持する保持器25とからなる。
外輪22と内輪23は軸受26を介して相対的に回転自在に支持され、その外輪22に設けられた入力ギヤ27は駆動ギヤ21に噛合している。
保持器25は、径の異なる2つの保持器25a、25bからなり、その外側保持器25aは外輪22の円筒形内面22aに固定されて外輪22と一体に回転するようになっている。
一方、内側保持器25bは軸受28によって内輪23に回転自在に支持されている。この内側保持器25bには径方向外方に延びるスイッチピン29が固定され、そのスイッチピン29は外側保持器25aに形成された周方向に長い長孔30内に挿入され、上記スイッチピン29が長孔30の周方向両端に当接する範囲内において外側保持器25aと内側保持器25bは相対的に回転自在とされている。
外側保持器25aと内側保持器25bには径方向で対向する複数のポケット31が周方向に間隔をおいて形成され、径方向で対向するポケット31内のそれぞれにスプラグ24が組込まれている。
スプラグ24は、正転用カム面24aと逆転用カム面24bを両端のそれぞれに有し、内側保持器25bのポケット31内に組込まれた弾性部材32によってポケット31の周方向の中央位置に保持されている。
内側保持器25bの一端部は外側保持器25aの端部より外側に位置し、その内側保持器25bの一端部外周にフランジ33と、そのフランジ33の外側に円筒面34とが形成され、上記円筒面34に係合溝35が設けられている。
円筒面34にはサブギヤ36がスライド自在に嵌合され、そのサブギヤ36は係合溝35に組込まれた皿ばね等の弾性部材37によってフランジ33に押付けられている。
サブギヤ36は駆動ギヤ21に噛合し、外周の歯数は入力ギヤ27の歯数より多くなっている。このため、駆動ギヤ21が回転すると、サブギヤ36はフランジ33との接触部で滑りを生じつつ入力ギヤ27より遅れて回転する。
図2および図3に示すように、内輪23には、ディファレンシャル20のディファレンシャルケース40が固定され、上記内輪23からそのディファレンシャルケース40に回転トルクが伝達されると、その回転トルクはディファレンシャル機構41を介して図1に示す後輪12のアクスル42に伝達されるようになっている。
実施の形態で示すハイブリッド車両の駆動力伝達装置は上記の構造からなり、いま、電動モータ16を駆動すると、その電動モータ16の回転は減速機17により減速されて駆動ギヤ21伝達され、その駆動ギヤ21から入力ギヤ27およびサブギヤ36に伝達される。
このため、外輪22およびその外輪22に固定された外側保持器25aが一方向に回転すると共に、サブギヤ36とフランジ33の接触によって内側保持器25bも外輪22と同方向に回転する。
このとき、サブギヤ36の歯数は入力ギヤ27の歯数より多いため、サブギヤ36はフランジ33との接触部で滑りを生じつつ入力ギヤ27より遅れて回転し、外輪22に固定された外側保持器25aと内側保持器25bが相対回転する。
外側保持器25aと内側保持器25bの相対回転により、スプラグ24は外側保持器25aの回転方向に倒れて、図4(II)に示すように、外輪22の円筒形内面22aと内輪23の円筒形外面23aに係合する。
外側保持器25aと内側保持器25bが所定角度相対回転すると、外側保持器25aに形成された長孔30の一端がスイッチピン29に当接し、外側保持器25aの回転は上記スイッチピン29から内側保持器25bに伝達されて内側保持器25bは外側保持器25aと一体に回転し、スプラグ24は係合状態に保持される。また、サブギヤ36はフランジ33との接触部で滑りを生じつつ回転する。
2方向クラッチ19におけるスプラグ24の係合により、そのスプラグ24を介して外輪22の回転が内輪23に伝達される。また、内輪23の回転はその内輪23に固定されたディファレンシャルケース40からディファレンシャル機構41を介して図1に示すアクスル42に伝達されて後輪12が回転し、車両が走行する。
車両の走行を電動モータ16からエンジン13に切換える場合は、図示省略した発進クラッチを結合状態として、そのエンジン13の回転をトランスミッション14に入力し、前輪11を回転させる。
この場合、駆動力の切換えと同時に電動モータ16を停止すると、補助駆動輪としての後輪12は路面との接触により回転し、その回転は2方向クラッチ19の内輪23に伝達されて、内輪23が回転する。その内輪23の回転は、図4(II)に示すスプラグ24を係合解除させる方向の回転であるため、内輪23の回転は外輪22に伝達されず、内輪23はフリー回転する。
上記のような内輪23のフリー回転状態において、仮に、電動モータ16の出力軸18が振動等の外力によって回転すると、その回転は2方向クラッチ19の外輪22に伝達され、スプラグ24が走行方向の逆方向にスイッチして係合状態となり、後輪12の回転が阻害されるという不具合が発生する。
そこで、実施の形態においては、後輪12からの回転が伝達される内輪23のフリー回転状態において、電動モータ16を駆動して外輪22を内輪23より低速度で、しかも、内輪23と同方向に回転させるようにしている。
ここで、電動モータ16から外輪22に負荷される回転トルクが、外輪22および内側保持器25bの回転時に生じる損失トルクより小さいと外輪22を回転させることができないため、電動モータ16から外輪22に負荷される回転トルクは、外輪22および内側保持器25bの回転時に生じる損失トルクより大きい値に設定しておく。
上記のように、内輪23のフリー回転状態において外輪22を内輪23の回転方向と同方向に回転させることにより、振動等の外力によって外輪22が回動されるようなことがなくなり、2方向クラッチ19が後輪12の回転を阻害する方向に係合するのを防止することができる。
ここで、電動モータ16の駆動による車両の走行状態において、2方向クラッチ19の外輪22が図4(II)の矢印で示す方向に回転している場合を前進走行状態とし、その前進走行状態から、電動モータ16を逆方向に回転させることによって、後退走行状態に切換えることができる。
上記のような走行方向の切換え時、内輪23が回転している状態で電動モータ16の回転方向が切換えられると、電動モータ16の駆動によって回転される外輪22の回転方向と内輪23の回転方向とが逆方向であるため、前進側に傾動しているスプラグ24が後進側に急激にスイッチして外輪22の円筒形内面22aと内輪23の円筒形外面23aに急激に係合することになり、その係合時のショックが大きく、2方向クラッチ19が破損する可能性がある。
そこで、実施の形態においては、車両の走行方向を前進走行から後退走行、または、後退走行から前進走行に切換える際、後輪12が一旦停止した状態で電動モータ16を逆回転させるようにしている。
上記のように、後輪12の停止状態で電動モータ16の回転方向の切換えを行うことにより、スプラグ24は内輪23の停止状態で係合方向の切換えが行われることになる。このため、スプラグ24の係合時のショックは小さく、2方向クラッチ19の破損防止に効果を挙げることができる。
一般に、ハイブリッド車両の発進は、エンジン13と電動モータ16の両者の駆動によって行われる。このとき、電動モータ16の回転数の立ち上がり時間がエンジン13の回転数の立ち上がり時間より速い場合、外輪22と内輪23の回転数差が大きい状態でスプラグ24が外輪22の円筒形内面22aと内輪23の円筒形外面23aに係合することになるため、係合時のショックが大きく、異音が発生し、あるいは、2方向クラッチ19が破損する可能性がある。
そこで、実施の形態では、エンジン13および電動モータ16を駆動する4輪駆動による車両の発進時に、電動モータ16の回転数の立ち上がり時間をエンジン13の回転数の立ち上がり時間よりも遅くしている。
上記のように、電動モータ16の回転数の立ち上がり時間をエンジン13の回転数の立ち上がり時間よりも遅くすることにより、外輪22と内輪23の回転数差が小さい状態においてスプラグ24が外輪22の円筒形内面22aと内輪23の円筒形外面23aに係合することになり、異音の発生を抑制することができる。また、スプラグ係合時のショックも小さく、2方向クラッチ19の破損防止に効果を挙げることができる。
図3に示す実施の形態においては、サブギヤ36を用いて外側保持器25aと内側保持器25bを相対回転させるようにしたが、図5に示すように、上記サブギヤ36に代えて、円筒面34に可動摩擦プレート50を回転自在に嵌合し、その可動摩擦プレート50を弾性部材37でフランジ33に圧接すると共に、ハウジング51に固定された固定摩擦プレート52に接触させて、内側保持器25bに摩擦による回転抵抗を負荷するようにしてもよい。
図5に示す場合においても、駆動ギヤ21から入力ギヤ27に対する回転トルクの伝達時に外側保持器25aと内側保持器25bとを相対回転させてスプラグ24を係合位置にスイッチさせることができる。
また、図3に示す実施の形態では、2方向クラッチ19としてスプラグタイプのものを示したが、図6(I)、(II)に示すように、入力ギヤ27の内径面に固定される外輪61の内径面に内輪62の円筒形外面63との間で周方向の両端に向けて対向間隔が次第に小さくなるくさび状空間を形成するカム面64を設け、上記外輪61と内輪62間に組込まれた保持器65には上記カム面64と対向する位置にポケット66を形成し、そのポケット66内にローラ67と、そのローラ67をポケット66の周方向の略中央位置に保持する弾性部材68を組込んだローラタイプの2方向クラッチ19を用いるようにしてもよい。
上記ローラタイプの2方向クラッチ19においては、保持器65に径方向外方に向くスイッチピン87を固定し、そのスイッチピン87を外輪61に形成した長孔70内に挿入し、その長孔70の両端にスイッチピン87が当接する範囲内において外輪61と保持器65を相対的に回転自在としている。
上記のようなローラタイプの2方向クラッチ19の採用において、ここでは、保持器65の端部にサブギヤ36を回転自在に嵌合し、そのサブギヤ36を弾性部材37によって上記保持器65に設けられたフランジ71に押付けて、駆動ギヤ21から入力ギヤ27への回転トルクの伝達時に、外輪61と保持器65とを相対回転させてローラ67をカム面64と円筒形外面63に係合させるようにしているが、上記サブギヤ36に代えて、図5に示す可動摩擦プレート50および固定摩擦プレート52を採用するようにしてもよい。
この発明に係るハイブリッド車両の駆動力伝達装置の実施の形態を示す全体の構成図 図1の電動モータのトルク伝達系を示す断面図 図2の一部分を拡大して示す断面図 (I)は図3のIV−IV線に沿った断面図、(II)はスプラグの係合状態を示す断面図 回転抵抗付与手段の他の例を示す断面図 (I)は2方向クラッチの他の例を示す縦断正面図、(II)は(I)のVI−VI線に沿った断面図
符号の説明
11 前輪(駆動輪)
12 後輪(補助駆動輪)
13 エンジン
16 減速機付き電動モータ
17 減速機
18 出力軸
19 2方向クラッチ
22 外輪
22a 円筒形内面
23 内輪
23a 円筒形外面
24 スプラグ(係合子)
25 保持器
25a 外側保持器
25b 内側保持器
31 ポケット
32 弾性部材
61 外輪
62 内輪
63 円筒形外面
64 カム面
65 保持器
66 ポケット
67 ローラ(係合子)

Claims (6)

  1. エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記電動モータにおける減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪とその内側に組込まれた内輪との間に係合子と、その係合子を保持する保持器を組込み、前記外輪に対する保持器の相対回転によって係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたメカニカルタイプの2方向クラッチからなり、前記電動モータの駆動時に前記外輪と保持器を相対回転させて係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法において、
    前記エンジンにより駆動輪を回転して補助駆動輪が路面との接触によりフリー回転する車両の走行時に、電動モータを駆動して外輪を補助駆動輪から回転トルクが伝達される内輪より低速度で、しかも、内輪と同方向に回転させるようにしたことを特徴とするハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法。
  2. 前記電動モータから外輪に負荷される回転トルクを、外輪および保持器の回転時に生じる損失トルクより大きい値に設定した請求項1に記載のハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法。
  3. エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記電動モータにおける減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪とその内側に組込まれた内輪との間に係合子と、その係合子を保持する保持器を組込み、前記外輪に対する保持器の相対回転によって係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたメカニカルタイプの2方向クラッチからなり、前記電動モータの駆動時に前記外輪と保持器を相対回転させて係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法において、
    車両の走行方向を前進走行から後退走行、または、後退走行から前進走行に切換える際、前記補助駆動輪が一旦停止した状態で電動モータを逆回転させるようにしたことを特徴とするハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法。
  4. エンジンを駆動源として回転駆動される駆動輪と、減速機付き電動モータを駆動源として回転駆動される補助駆動輪とを備え、前記電動モータにおける減速機の出力軸から補助駆動輪に至るトルク伝達経路に2方向クラッチを組込み、その2方向クラッチが、前記減速機からの回転トルクが入力される外輪とその内側に組込まれた内輪との間に係合子と、その係合子を保持する保持器を組込み、前記外輪に対する保持器の相対回転によって係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたメカニカルタイプの2方向クラッチからなり、前記電動モータの駆動時に前記外輪と保持器を相対回転させて係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしたハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法において、
    前記電動モータおよびエンジンの駆動による車両の発進時に、電動モータの回転数の立ち上がり時間をエンジンの回転数の立ち上がり時間よりも遅くしたことを特徴するハイブリッド車両における駆動力伝達装置の制御方法。
  5. 前記2方向クラッチが、外輪の円筒形内面と内輪の円筒形外面間に径の異なる2つの保持器を組込み、その大径の外側保持器を外輪の円筒形内面に固定し、その外側保持器と小径の内側保持器に径方向で対向するポケットを設け、そのポケット内にスプラグと、そのスプラグをポケットの周方向の略中央位置に保持する弾性部材とを組込み、前記外側保持器に対する内側保持器の相対回転によりスプラグを傾動させて外輪の円筒形内面と内輪の円筒形外面に係合させるようにしたスプラグタイプの2方向クラッチからなる請求項1乃至4のいずれかの項に記載のハイブリッド車両の駆動力伝達装置の制御方法。
  6. 前記2方向クラッチが、外輪の内側に内輪を組込み、その外輪の内周に内輪の円筒形外面との間で周方向の両端が狭小のくさび形空間を形成するカム面を設け、そのカム面と円筒形外面間に組込まれたローラを保持器で保持し、前記外輪に対する保持器の相対回転によってローラをカム面および円筒形外面に係合させるようにしたローラタイプの2方向クラッチからなる請求項1乃至4のいずれかの項に記載のハイブリッド車両の駆動力伝達装置の制御方法。
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