JP2002349282A - 電磁クラッチ付き二連プーリ装置を有する車両用補機駆動装置及び発電電動機の制御方法 - Google Patents

電磁クラッチ付き二連プーリ装置を有する車両用補機駆動装置及び発電電動機の制御方法

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JP2002349282A
JP2002349282A JP2001149604A JP2001149604A JP2002349282A JP 2002349282 A JP2002349282 A JP 2002349282A JP 2001149604 A JP2001149604 A JP 2001149604A JP 2001149604 A JP2001149604 A JP 2001149604A JP 2002349282 A JP2002349282 A JP 2002349282A
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pulley
shaft
generator motor
planetary gear
gear mechanism
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JP2001149604A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Momotake
哲也 百武
Takashi Inoue
孝 井上
Mikio Matsuda
三起夫 松田
Masami Morikawa
正美 森川
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アイドルストップ動作を行う自動車に好適な電
磁クラッチ付き二連プーリ装置を有する車両用補機駆動
装置及び発電電動機の制御方法を提供すること。 【解決手段】発電電動機の回転軸に一対のプーリ6、7
を互いに近接して設け、プーリ6には一方向クラッチ1
1を内蔵するとともに電磁クラッチ16のアーマチャ
(可動磁路部材)を設け、プーリ10には電磁クラッチ
16のコイル160を設ける。一方向クラッチ11を通
じて発電電動機2及び補機を駆動する動作モードと、電
磁クラッチ16を繋いで発電電動機2によりエンジンを
始動する動作モードと、電磁クラッチ16をオフして発
電電動機2で補機を駆動する動作モードとを実現するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁クラッチ付き
二連プーリ装置を有する車両用補機駆動装置及びその発
電電動機の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
エンジン始動、発電、回生制動及びトルクアシストなど
の多様な機能を実現可能な発電電動機を車両に搭載する
ことが提案されている。
【0003】また、アイドルストップ時に、この発電電
動機を電動動作させてエンジンへのトルク伝達を遮断し
て補機(通常はエアコン)のみを駆動することが提案さ
れている。
【0004】しかしながら、このようなエンジン始動、
発電、回生制動、アイドルストップ時の補機駆動などの
種々の動作モードを実現することは容易ではなく、従来
の提案では、構成が極めて複雑になっていた。
【0005】また、この種の用途には遊星ギヤ機構付き
の発電電動機を用いることが小型化のために好適であ
り、この遊星ギヤ機構のインターナルギヤ(リングギ
ヤ)の回転を電磁ブレーキで制御して発電電動機を変速
可能とすることが提案されている。しかし、この変速に
は、変速ショックが大きく、それによる振動、騒音が問
題となっていた。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、たとえばアイドルストップ動作を行う自動車に好
適な電磁クラッチ付き二連プーリ装置を有する車両用補
機駆動装置及び発電電動機の制御方法を提供すること
を、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電磁クラ
ッチ付き二連プーリ装置を有する車両用補機駆動装置
は、発電電動機と、前記発電電動機に双方向トルク伝達
可能に結合される回転軸と、前記回転軸に一方向クラッ
チを介して嵌着されてクランク軸プーリにベルト結合さ
れる第1プーリと、前記第1プーリに隣接して前記回転
軸に相対回転不能に嵌着されて補機プーリにベルト結合
される第2プーリと、前記ハウジングに固定されて前記
第1プーリと前記回転軸とを相対回転不能に結合、分離
する電磁クラッチとを備えることを特徴としている。
【0008】本構成によれば、次の動作を実現すること
ができる。
【0009】・一方向クラッチを通じてエンジンにより
発電電動機及び補機を駆動する(回生制動時も同じ)。
電磁クラッチは節電のためオフしておく。
【0010】・電磁クラッチを繋いで発電電動機により
エンジンを始動する。
【0011】・電磁クラッチをオフし発電電動機で補機
を駆動する。
【0012】請求項2記載の構成は請求項1記載の電磁
クラッチ付き二連プーリ装置を有する車両用補機駆動装
置において更に、前記電磁クラッチが、ハウジングに固
定されて前記第2プーリ内に収容されたコイルと、前記
第1プーリの後端部に配設された軟磁性のアーマチャ
と、前記コイルと鎖交する有ギャップ磁気回路を前記ア
ーマチャとともに構成する継鉄部材とを備えることを特
徴としている。本構成によれば、電磁クラッチのコイル
を第2プーリ内に収容することができるので、体格をコ
ンパクト化することができる。
【0013】請求項3記載の構成は請求項2記載の電磁
クラッチ付き二連プーリ装置を有する車両用補機駆動装
置において更に、前記発電電動機のシャフトと前記回転
軸とを連結する遊星ギヤ機構と、前記発電電動機のシャ
フトと前記回転軸とを前記遊星ギヤ機構に対して機械的
に並列に連結する一方向クラッチと、前記遊星ギヤ機構
のインターナルギヤの回転を規制する電磁ブレーキとを
備えることを特徴としている。本構成によれば、発電時
に、低回転域で増速し、高回転域で等速動作させること
ができる。
【0014】請求項4記載の発電電動機の制御方法は、
発電電動機と、エンジンとトルク授受する回転軸と、前
記発電電動機のシャフトと前記回転軸とをトルク伝達可
能に連結する遊星ギヤ機構と、前記遊星ギヤ機構のイン
ターナルギヤの回転と停止とを切り替える電磁ブレーキ
と、前記発電電動機のシャフトと前記回転軸とを前記遊
星ギヤ機構に対して機械的に並列に連結する一方向クラ
ッチとを備える発電電動機の制御方法において、前記電
磁ブレーキのオンによる前記発電電動機のシャフトの等
速状態から増速状態への変速以前に、前記発電電動機を
電動駆動して前記回転軸と前記シャフトと回転数差を低
減することを特徴としている。
【0015】本構成によれば、電磁ブレーキのオンによ
る発電電動機の等速状態から増速状態への変速前に、発
電電動機をあらかじめ電動駆動により増速駆動するの
で、変速ショックを軽減することができる。なお、この
増速駆動時に一方向クラッチはフリーとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の車両用補機駆動装置の好
適な態様を以下の実施例により詳細に説明する。 (全体構造)この実施例の車両用補機駆動装置のブロッ
ク図を図1に、その発電電動機近傍の軸方向断面図を図
2に示す。
【0017】エンジン1のクランクシャフト4に固定さ
れたクランクプーリ5は、発電電動機(以下、M/Gと
もいう)2のM/Gプーリ6とベルト7により連結され
ている。補機3の回転軸に固定された補機プーリ8はM
/G2のM/Gプーリ10とベルト9により連結されて
いる。
【0018】18は、M/G2のプーリ側に位置して配
置された電磁ブレーキ一体型遊星ギヤ機構であり、M/
G2のシャフト12と、M/G2の内部シャフト26と
の間に介設されている。電磁ブレーキ一体型遊星ギヤ機
構18は、一方向クラッチ22を内蔵している。
【0019】これらM/Gプーリ6、10からなる二連
プーリ機構と、電磁ブレーキ一体型遊星ギヤ機構18と
を以下に説明する。
【0020】(電磁ブレーキ一体型遊星ギヤ機構18の
構造)M/G2のプーリ側には、電磁ブレーキ200及
び一方向クラッチ22を有する電磁ブレーキ一体型遊星
ギヤ機構18が設けられている。
【0021】この電磁ブレーキ一体型遊星ギヤ機構18
は、筒状の周壁180と、この周壁180の開口を閉鎖
する端壁14とを、締結ボルト181でM/G2のハウ
ジングの前端壁に締結されてなるギヤハウジング182
内に形成されたギヤ室に収容されている。
【0022】図示しない電機子鉄心が固定されたM/G
2の内部シャフト26は上記ギヤ室内に突出し、内部シ
ャフト26の先端部にサンギヤ20が相対回転不能に嵌
着されている。サンギヤ20は遊星ギヤ19と噛合し、
遊星ギヤ19はインターナルギヤ(リングギヤ)25と
噛合して、周知の遊星ギヤ機構を構成している。遊星ギ
ヤ19はピン23に回転自在に支承され、ピン23はシ
ャフト12の後端に設けられた径大円盤状のキャリヤ部
に周方向等間隔に固定されている。これにより、M/G
2の内部シャフト26の回転は減速されてシャフト12
に伝達可能となっている。
【0023】また、シャフト12の後端部は内部シャフ
ト26の前端部に一対の軸受け介して相対回転自在に支
承されており、更にこれら一対の軸受けの間には一方向
クラッチ22が設けられている。この一方向クラッチ2
2は、内部シャフト26からシャフト12へのトルク伝
達時にフリーとなり、シャフト12から内部シャフト2
6へのトルク伝達時に両シャフトが一体回転する構造と
なっている。この種の一方向クラッチ22の各種構成に
ついては既に周知となっており、詳細説明は省略する。
【0024】更に、インターナルギヤ25は、内部シャ
フト26に軸受けを通じて相対回転自在に支承されてお
り、図2においてやや模式的に図示されているが、M/
G2の前端面とインターナルギヤ25の後端面との間に
は電磁ブレーキ200が介装されている。
【0025】電磁ブレーキ200は、コイル21と、コ
イル21が巻装された静止磁路部材210と、インター
ナルギヤ25の後端面に固定されたアーマチャ(可動磁
路部材)28とからなり、よく知られているので図2で
は模式図示されている。静止磁路部材210はM/G2
の前端面及び周壁180に固定されている。アーマチャ
28と静止磁路部材210とは小ギャップを挟んで対面
しており、軟磁性材製のアーマチャ28及び静止磁路部
材210は、コイル21と鎖交する有ギャップ磁気回路
を形成している。したがって、コイル21に通電すれ
ば、アーマチャ28が静止磁路部材210に吸着されて
インターナルギヤ25の回転は禁止され、コイル21へ
の通電を遮断すれば、アーマチャ28が自由回転可能と
なってインターナルギヤ25の回転が可能となる。な
お、アーマチャ28は、インターナルギヤ25の後端面
に放射状に凹設された所定数の条溝に軸方向相対変位可
能、周方向相対変位不能に嵌合する所定数の突条を放射
状に有することが好ましい。
【0026】(二連プーリ機構)この二連プーリ機構
は、一方向クラッチ11を内蔵するM/Gプーリ6と、
電磁クラッチ16を内蔵するM/Gプーリ10とからな
る。
【0027】M/Gプーリ6は、スタータやATミッシ
ョンで一般的に使用されている一方向クラッチ11(外
輪で内輪を駆動するタイプ)を内蔵した一方向クラッチ
内蔵プーリであって、M/G2のシャフト12に一方向
トルク授受可能に嵌着されている。M/Gプーリ10の
後端部は径方向外側へフランジ状に張り出した輪板部6
1を有し、輪板部61の後端面には軟磁性輪板からなる
アーマチャ17が固定されている。アーマチャ17は、
アーマチャ28と同様に、輪板部61の後端面に放射状
に凹設された所定数の条溝に軸方向相対変位可能、周方
向相対変位不能に嵌合する所定数の突条を放射状に有す
ることが好ましい。
【0028】一方向クラッチ11は本質的に一方向クラ
ッチ22と同様の構造のものを採用することができる。
【0029】M/Gプーリ10は、M/G2のシャフト
12に相対回転不能に嵌着されている。また、M/Gプ
ーリ10は、ギヤハウジング182の端壁14から前方
へ伸びる軸受け支持部に軸受け15を介して回転自在に
支承されている。
【0030】電磁クラッチ16は、コイル160と、コ
イル160と鎖交配置されて有ギャップ磁気回路を構成
する磁路部材とからなる。この実施例では、電磁クラッ
チ16のこの磁路部材は、それぞれ軟磁性を有するアー
マチャ17、M/Gプーリ10及び端壁14からなる。
コイル160に通電すると、コイル160と鎖交して磁
路部材すなわち端壁14、M/Gプーリ10及びアーマ
チャ17中に径方向、軸方向に磁束が流れ、アーマチャ
17の後端面とM/Gプーリ10の前端面との間のギャ
ップに磁気吸引力が生じ、アーマチャ17がM/Gプー
リ10の前端面に吸着される。なお、M/Gプーリ10
の前端壁部100はアーマチャ17の後端面とM/Gプ
ーリ10の前端面との間のギャップと磁気的に並列に接
続されて、上記ギャップ磁界を減少させるが、この実施
例では、M/Gプーリ10の前端壁部100はアーマチ
ャ17に対面する位置すなわちこの前端壁部100の径
方向中央部にていわゆる車軸状に形成されており、この
短絡磁束が磁気飽和するように構成されている。コイル
160は、ギヤハウジング182の端壁14に固定され
て、M/Gプーリ10の内部に突出している。したがっ
て、コイル160に通電すれば、アーマチャ17がM/
Gプーリ10の前端面に吸着されて両M/Gプーリ6、
10が一体に回転し、コイル160への通電を遮断すれ
ば、両M/Gプーリ6、10が独立回転可能となる。
(動作説明)上記説明した装置では、電磁ブレーキ20
0への通電の有無により変速と等速とのどちらかを選択
でき、更に電磁クラッチ16への通電の有無によりM/
Gプーリ6、10の結合、分離のどちらかを選択するこ
とができる。
【0031】(エンジン1による補機駆動・発電モー
ド)エンジン1の稼動中にM/G2及び補機3を駆動す
る補機駆動・発電モードを以下に説明する。
【0032】この補機駆動・発電モードでは、一方向ク
ラッチ11がON(トルク伝達状態)、電磁クラッチ1
6がOFFとなる。エンジン1の回転は、クランクプー
リ5からベルト7を介してM/Gプーリ6、一方向クラ
ッチ11、シャフト12、遊星ギヤ機構18を通じて内
部シャフト26に伝達され、M/G2が発電状態とな
る。補機3は、シャフト12に固定されているM/Gプ
ーリ10からベルト9を介して補機プーリ8に伝達さ
れ、補機3が駆動される。以上の方法によりM/G2お
よび補機3はエンジン1に従動される。
【0033】(M/G2の回転数変速制御)上記従動時
に、エンジン1の低回転域で発電能力増大が要求される
場合には、電磁ブレーキ200に通電してインターナル
ギヤ25を停止させて遊星ギヤ機構18の増速比を増大
する。逆に、エンジン1の定常回転域以上では電磁ブレ
ーキ200への通電を遮断してインターナルギヤ25を
回転可能とし、遊星ギヤ機構18の変速比を等速に戻
す。
【0034】これにより、広いエンジン回転数範囲で好
適な発電電圧を確保することができる。なお、変速機1
8内の作動は、増速時(電磁ブレーキ200:ON、一
方向クラッチ22:OFF)、等速時(電磁ブレーキ2
00:OFF、一方向クラッチ22:ON)である。結
局、発電能力は遊星ギヤ機構18により二段切り替え可
能となっている。
【0035】(変速ショックについての説明)等速から
増速に変速する直前において、シャフト12、26は同
じ回転数で回転しているが、電磁ブレーキ200がON
になった直後から変速を開始し、シャフト26のみが急
激に増速する。この変速時に変速ショックが発生し、ト
ルク変動が発生し、このトルク変動によりM/G2は振
動及び放射音を発生する。また、この変動がベルト7、
9の張力変動にも影響を及ぼし、M/G2以外のエンジ
ン1及び補機3もベルト張力変動により振動及び放射音
を発生する。振動及び放射音発生以外にも変速ショック
によりM/G2内の各種部品に対し、影響を与えその耐
久に影響を与えてしまう。
【0036】そこで、この実施例では、上記悪影響を回
避するために、変速直前に回転数を同期化してから等速
から増速への変速をする制御をおこなっている。
【0037】この回転数同期化制御法について図3に示
すフローを用いて以下に説明する。なお、このフローは
図示しない制御装置により実施されるが、動作状態の明
確化のために一部のステップは制御動作を示すステップ
ではなく動作状態を示すステップとなっている。
【0038】エンジン1がスタ−トした直後では、M/
G2は、一方向クラッチ11、シャフト12、遊星ギヤ
機構18を通じて増速回転されている。エンジン回転数
が定常回転数に達し(S112)、さらに連続して数秒
連続して定常回転を超えたら(S114)、電磁ブレー
キ200をOFFする(S116)。すると、内部シャ
フト26の惰性回転による減速後、シャフト12と26
が同じ回転数になった時点で一方向クラッチ22がオン
し(S118)、シャフト12、26は一方向クラッチ
22で結合されて等速で回転する(S120)。
【0039】この変速後、M/G2は等速回転モードで
従動回転して発電している。この等速回転モードにおい
て、検出したエンジン回転数が定常回転数未満となる状
態が所定時間継続したら124)、M/G2を発電動作
から電動動作に切り替え(S126)、内部シャフト2
6を駆動して、内部シャフト26の回転数をシャフト1
2の回転数の増速比分の値まで増速し(S130)、こ
の値に達した時点でM/G2を電動動作から発電動作に
切り替えるとともに(SW132)、電磁ブレーキ20
0をONし、遊星ギヤ機構18を増速モードとする(S
134)。
【0040】この回転数同期を行ってから変速を行うこ
とにより、変速ショックは、図4、図5に示すように大
幅に軽減することができる。すなわち、変速時におけ
る、トルク変動値が小さく、トルクの最高変動値までの
到達時間が長いので、各部品に与える変速ショックを軽
減することができる。
【0041】なお、上記実施例では等速と増速とをエン
ジン定常回転数を境に切り替える制御を行っているが、
エンジン回転数が定常回転数付近を瞬時に変動し、定常
回転数付近を上下するようなときは変速させず、安定し
て定常回転数域を越えるあるいは下回る場合のみ変速さ
せる制御を行うことも可能である。 (エンジン始動モ
ード)M/G2をたとえばアイドルストップ後に再始動
する場合、M/G2を電動動作させる。この時、電磁ク
ラッチ16をON(通電)する。これにより、M/Gプ
ーリ6、10が一体化して同一回転数で回転する。この
エンジン始動モードでは、一方向クラッチ22はフリー
となっており、内部シャフト26のトルクは遊星ギヤ機
構18により減速された後、シャフト12、電磁クラッ
チ16を通じてプーリ7に伝達される。
【0042】この時、電磁ブレーキ200はオン(通
電)して、遊星ギヤ機構18の変速比を大きく設定す
る。これにより、大きなエンジン始動トルクを得ること
ができる。
【0043】(アイドルストップ時の補機駆動モード)
アイドルストップ時にM/G2により補機3を駆動する
場合、電磁クラッチ16をOFF(通電遮断)する。こ
の時、一方向クラッチ11、22はフリー状態となって
いる。このモードにおいて、電磁ブレーキ200をON
すれば、M/Gプーリ10のみが回転し、M/G2によ
り補機3のみが駆動される。
【0044】(回生モード)M/G2を回生制動動作さ
せる場合を説明する。この時、M/G2は発電中である
のでエンジン1に従動している。すなわち、一方向クラ
ッチ11はオン(接続)し、電磁クラッチ16がオフさ
れている。
【0045】このとき、電磁ブレーキ200をオンして
遊星ギヤ機構18の変速比を増大させ、エンジン1から
みた負荷としてのM/G2を駆動するのに必要なトルク
を増大し、エネルギ回生量をアップする。
【0046】なお、エンジンブレーキ時には燃料噴射が
されないことを利用し、エンジン1から入力される燃料
噴射信号を用いて、エンジンシフトダウンと同時にM/
G2の発電電力を増加させ、エネルギ回生量を増大する
ことが好ましい。
【0047】以上の構成、動作をもつ上記実施例の車両
用補機駆動装置は、エンジン始動機能、アイドルストッ
プ中の補機駆動機能、2段変速可能な発電機能、回生制
動機能を実現することができる。
【0048】(実施例2)他の実施例を図6、図7を参
照して説明する。
【0049】上記した車両用補機駆動装置で用いた遊星
ギヤ機構18は、噛み合い伝動を行うため噛み合い次数
とハウジング等の共振周波数とに決定される周波数の放
射騒音を有している。
【0050】そこでこの実施例では、遊星ギヤ機構18
の代わりに遊星ギヤ機構18Aを用いる。この遊星ギヤ
機構18Aは、ギヤ噛合騒音を低減するために、歯車噛
み合い部にベルト29を介してベルト伝動にする構成を
採用するので、噛み合い部で発生する振動、騒音を低減
することができる。この遊星ギヤ機構18Aは、上記実
施例で説明した遊星ギヤ機構18と代替使用することが
できる。
【0051】たとえば、インターナルギヤ25が固定さ
れて停止している場合、ピン23は時計回りに回転し、
このシャフト23にベアリング24を介して固定されて
いる遊星ギヤ19はピン23を中心に反時計回りに回転
する。このとき、ベルト29は、インターナルギヤ25
が停止しているために遊星ギヤ19の周りを反時計回り
に回転し、更にサンギア20がベルト29の回転により
時計回りに回転される。この作動により、静止している
インターナルギヤ25上をベルト29がくいつきながら
プラネタリギア19周りをキャタピラのように回転して
すサンギア20をベルト駆動する。この構成によりそれ
ぞれのギアは互いにベルト29を介して連結されるた
め、振動、騒音を大幅に低減することができる。(変形
態様)電磁クラッチ16の磁路部材をなすM/Gプーリ
10は、アーマチャ28に対面する前端壁100の径方
向中央部においてリング状の非磁性部材が介設されても
よい。これにより、アーマチャ17を迂回する短絡磁界
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の車両用補機駆動装置のブロック図で
ある。
【図2】図1のM/G近傍の拡大軸方向断面図である。
【図3】変速制御の一例を示すフローチャートである。
【図4】回転数同期時と非同期時の変速時トルク変動を
示すタイミングチャートである。
【図5】回転数同期時のトルク変動割合を示すタイミン
グチャートである。
【図6】実施例2の車両用補機駆動装置の要部拡大軸方
向断面図である。
【図7】図6のA−A線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 発電電動機 3 補機 6、10 プーリ 11 一方向クラッチ 12 シャフト(回転軸) 16 電磁クラッチ 18 電磁ブレーキ一体型遊星ギヤ機構 22 一方向クラッチ 200 電磁ブレーキ
フロントページの続き (72)発明者 井上 孝 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 松田 三起夫 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 森川 正美 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3J058 AA43 AA47 AA53 AA78 CB12 CC13 FA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発電電動機と、 前記発電電動機に双方向トルク伝達可能に結合される回
    転軸と、 前記回転軸に一方向クラッチを介して嵌着されてクラン
    ク軸プーリにベルト結合される第1プーリと、 前記第1プーリに隣接して前記回転軸に相対回転不能に
    嵌着されて補機プーリにベルト結合される第2プーリ
    と、 前記ハウジングに固定されて前記第1プーリと前記回転
    軸とを相対回転不能に結合、分離する電磁クラッチと、 を備えることを特徴とする電磁クラッチ付き二連プーリ
    装置を有する車両用補機駆動装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電磁クラッチ付き二連プー
    リ装置を有する車両用補機駆動装置において、 前記電磁クラッチは、 ハウジングに固定されて前記第2プーリ内に収容された
    コイルと、 前記第1プーリの後端部に配設された軟磁性のアーマチ
    ャと、 前記コイルと鎖交する有ギャップ磁気回路を前記アーマ
    チャとともに構成する継鉄部材と、 を備えることを特徴とする電磁クラッチ付き二連プーリ
    装置を有する車両用補機駆動装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の電磁クラッチ付き二連プー
    リ装置を有する車両用補機駆動装置において、 前記発電電動機のシャフトと前記回転軸とを連結する遊
    星ギヤ機構と、 前記発電電動機のシャフトと前記回転軸とを前記遊星ギ
    ヤ機構に対して機械的に並列に連結する一方向クラッチ
    と、 前記遊星ギヤ機構のインターナルギヤの回転を規制する
    電磁ブレーキと、を備えることを特徴とする電磁クラッ
    チ付き二連プーリ装置を有する車両用補機駆動装置。
  4. 【請求項4】発電電動機と、 エンジンとトルク授受する回転軸と、 前記発電電動機のシャフトと前記回転軸とをトルク伝達
    可能に連結する遊星ギヤ機構と、 前記遊星ギヤ機構のインターナルギヤの回転と停止とを
    切り替える電磁ブレーキと、 前記発電電動機のシャフトと前記回転軸とを前記遊星ギ
    ヤ機構に対して機械的に並列に連結する一方向クラッチ
    と、 を備える発電電動機の制御方法において、 前記電磁ブレーキのオンによる前記発電電動機のシャフ
    トの等速状態から増速状態への変速以前に、前記発電電
    動機を電動駆動して前記回転軸と前記シャフトと回転数
    差を低減することを特徴とする発電電動機の制御方法。
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