JP4727864B2 - 側条施肥機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、田植機に搭載し、移植と同時に施肥するための側条施肥機の構造に関し、特に、側条施肥機の残留肥料排出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走行車両の後部に植付部を昇降自在に連結し、走行車両の後部且つ植付部の前方に側条施肥機を装備して、植付作業と同時に施肥作業を行う乗用型田植機が存在している。一般的に、施肥機は肥料ホッパと、その下部に位置する肥料繰出ケースと、該肥料繰出ケースに接続された施肥用ホースを具備し、施肥用ホース先端に設けた側条作溝器より泥土層に施肥するように構成されている。そして、施肥作業後、掃除やメンテナンス或いは残留肥料を次回の施肥作業に供するために、肥料繰出ケース及び肥料ホッパ内の残留肥料を排出する。このための構成として、特開平10−215622号公報では、肥料繰出ケース下部に設けるエアタンクと施肥用ホースとの接続部材に、経路切り替え板を設け、繰出ケース側方下部であってエアタンクよりも後方に設けた切換レバーによる操作で施肥用経路と排出用経路を切換可能に構成し、前記接続部材の経路切り替え板下方位置に排出用経路の肥料取出口を設けて個々に排出用ホースを接続し、さらに、複数の排出用ホースを合流させる合流管路を設けて該合流管路の先端を前輪と後輪の間に位置させ、残留肥料排出作業を行うことができるようにしたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来技術では、施肥作業終了後に残留肥料排出作業を行ったあと、複数設けられた切換レバーを操作して経路切り替え板を施肥用経路側へ切り替えることを忘れると、次に作業を行うために肥料ホッパに肥料を投入すると、排出用ホースより肥料を排出してしまい、施肥用ホース先端に設けた側条作溝器から泥土層に施肥することができず施肥ムラが生じ、その結果、生育ムラが生じるという不具合が生じる虞れがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、肥料ホッパと肥料繰出ケースを有する施肥ユニットを設け、該施肥ユニットを複数並設した側条施肥機において、前記各肥料繰出ケースにシャッターを備えた残留肥料取出口を設け、操作部材を施肥作業位置と残留肥料排出作業位置に切り替えることでシャッターを開閉操作可能に構成し、前記操作部材の残留肥料排出作業位置は、肥料取出口に接続され、収納位置にセットされた状態にある排出用ホースと干渉する位置としたものである。
【0006】
請求項2においては、前記操作部材に付勢部材を係合して、施肥作業位置と残留肥料排出作業位置に、死点越えにより各々の位置に保持されるよう構成するとともに、残留肥料排出作業位置にある操作部材は、排出用ホースを収納位置にセットすることで施肥作業位置に至るよう構成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を基に説明する。図1は本実施例に係る乗用田植機の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は車体フレームとミッションケースの概略斜視図である。図4は側条施肥機の正面図、図5は同じく概略平面図、図6は同じく左側面図、図7は同じく左側面拡大図、図8は同じく左側面断面図、図9は側条施肥機の動力取り出し構成を示す左側面図、図10は側条施肥機の伝動機構を示す正面断面図、図11は施肥ユニットの左側面図、図12は残留肥料排出作業時の乗用田植機の全体側面図である。
【0008】
初めに、本実施例に係る乗用田植機の全体構成について、図1乃至図3を用いて説明する。但し、本実施例は四条植え式の植付部9を搭載する乗用田植機であり、従って、後述する側条施肥機30には四組の施肥ユニット48・48・・が具備されるが、これに限定されるものではなく、植付部9は六条植え式や八条植え式であってもよく、このとき側条施肥機30には条数に対応する施肥ユニット48・48・・を備えるものとする。
【0009】
乗用田植機は、走行車両1と、該走行車両1の後部に連結した植付部9とで構成されている。そして、走行車両1の前部及び後部にはそれぞれ前輪2・2と後輪3・3とが懸架され、車体フレーム4の前部には動力部であるエンジン5が搭載されてボンネット22で覆われている。前記ボンネット22の両側には予備苗載台90が配設され、同じくボンネット22の後上方には操向ハンドル8が配設されている。そして、操向ハンドル8の周囲であってボンネット22には主変速レバー75、全動力を入切操作可能な苗継ぎレバー76、アクセルレバー72等が配設され、該操向ハンドル8の左側下方には主クラッチペダル74、同じく右側下方にブレーキペダル73が配設されている。
【0010】
エンジン5後方であって車体フレーム4の左右略中央には前後方向に長く形成したミッションケース6が配置されており、該ミッションケース6の前部で前輪2・2が支持され、後部で後輪3・3が支持されている。ミッションケース6は、ボンネット22後方且つ運転席7前方に位置するステップ20c、運転席の側方に位置するステップ20b・20b及び運転席7を設置するための台座を一体的に形成した車体カバー20によって覆われており、該車体カバー20の後上部には運転席7が設けられている。さらに、車体カバー20の運転席7側方には植付部9の昇降・植付の入切・植付時の変速・線引きマーカ等の操作を行うシフトレバー77や油圧感度調節レバー141等が設けられている。
【0011】
前記走行車両1の後部には、植付部9を構成する植付伝動フレーム92が、該植付伝動フレーム92の前部にローリング支点軸17を介して設けられたヒッチ94の上部に枢支されたトップリンク11と、同じくヒッチ94の下部に枢支されたロワリンク12とで構成された昇降リンク機構10を介して連結されている。
【0012】
前記昇降リンク機構10を構成するトップリンク11は、車体フレーム4を構成する背面視逆U字状のリアフレーム43の上部に固設された取付部43aに軸支される。一方、ロワリンク12は、該ロワリンク12の前部に設けられた側面視三角状の支持体12aの前部が、前記リアフレーム43の下部に軸支され、該支持体12aの上部には、昇降リンク機構10を昇降駆動させる昇降シリンダ15が連結されている。
【0013】
なお、リアフレーム43は昇降リンク機構10の支持部として利用されると共に、取付プレート39を介して前記ミッションケース6の後部に一体的に設けられているリアアクスルケース38が連結されている。そして、リアフレーム43の上方であって、運転席7と植付部9の間には後述する側条施肥機30が配設されている。
【0014】
上述の如く走行車両1の後部に連結された植付部9は、四条植え式の苗載台91や複数の植付爪93・93・・・等から構成されており、前高後低に配設した苗載台91を、下部レール95及びガイドレール96を介して植付伝動フレーム92に左右往復摺動自在に支持させると共に、ロータリケース93a・93a・・の回転により先端が楕円状軌跡を描いて回転しながら苗を植え付ける植付爪93・93・・・を、植付伝動フレーム92の後部に配設している。
【0015】
植付部9の下部には、センターフロート97とサイドフロート98・98が配設されている。前記センターフロート97は、走行車両1の左右中心線上に配置され、センターフロート97の左右対称位置にサイドフロート98・98が配設されて、植付部9の左右のバランスを良好に保ち、植え付け姿勢を安定させて、正確に植え付けができるようにしている。そして、前記サイドフロート98・98には各植付条における苗の植え付け部位に隣接する側条作溝器33・33・・が設けられ、該側条作溝器33・33・・は接地面よりも下方側に向けて泥土層に入り込み、肥料を供給するための溝を形成しながら、前記側条施肥機30から搬送ホース32・32・・を介して送られた肥料を泥土層に施肥するようにしている。
【0016】
このようにして、上述の乗用田植機は、エンジン5の動力を利用して前輪2・2及び後輪3・3を走行駆動して走行移動させると共に、左右に往復摺動可能な苗載台91から一株分の苗を植付爪93・93・・・によって取り出して連続的に苗を植え付け、さらに、植え付けと同時に施肥できるように構成されている。
【0017】
ここで、本発明に係る側条施肥機30について説明する。まず、側条施肥機30の支持構成から説明する。図3に示す如く、前記車体フレーム4の構成部材である左右の前後フレーム44・44の後部には背面視逆U字状のリアフレーム43が固設されており、該リアフレーム43左右両側部には、平面L字状のステップ支持フレーム109・109が固設され、その連結部はそれぞれ支持ブラケット108・108によって補強されている。そして、左右の支持ブラケット108・108にステーを介して機体左右方向に施肥下部フレーム106cを横架している。なお、側条施肥機30を田植機に装備しないときは前記支持ブラケット108・108に図示せぬリヤデッキを支持させて車体カバー20を後方へ延設することができる。
【0018】
さらに、施肥下部フレーム106cの左右両端には、施肥サイドフレーム101L・101Rが設けられ、施肥下部フレーム106cと同様に施肥前部フレーム106a及び施肥後部フレーム106bがそれぞれ施肥サイドフレーム101L・101R間に架設されている。そして、施肥前部フレーム106aで後述する肥料繰出ケース47の前部を、施肥後部フレーム106bで肥料繰出ケース47の後部を、施肥下部フレーム106cで肥料繰出ケース47の下部を支持している。そして、これら施肥前部フレーム106a、施肥後部フレーム106b、施肥下部フレーム106c及び施肥サイドフレーム101L・101R等で施肥フレーム106を構成している。
【0019】
前記左側の施肥サイドフレーム101Lにはエアタンク51と送風機50を連通するための孔が穿設されており、また、左側の施肥サイドフレーム101Lには送風機50を支持するための取付部103が固設されており、ここに送風機50の前部に設けたステー104が着脱自在且つ回動自在に取り付けられている。また、送風機50の側部に設けた固定フランジ102とサイドフレーム101Lとを該固定フランジ102側に設けたフック状係止具28で係止して、送風機50とサイドフレーム101Lとを固定している。このようにして、上述の如く構成された施肥フレーム106にエアタンク51及び送風機50を装備し、さらに、肥料ホッパ49・49・・・及び肥料繰出ケース47・47・・・等を装備して側条施肥機30を構成する。
【0020】
図1、図4及び図5に示す如く、側条施肥機30には、粉粒状の肥料を貯溜する肥料ホッパ49と、肥料繰出部であって肥料を所定量ずつ繰り出す肥料繰出装置を内装する肥料繰出ケース47と、フロート97・98・98の側条作溝器33にフレキシブル型搬送ホース32を介して肥料を排出させるターボブロワ型の送風機50と、円筒形のエアタンク51とを備えると共に、該エアタンク51一側端(本実施例においては左側)に前記送風機50を取り付け、四条分四組の肥料繰出ケース47・47・・をエアタンク51上方に配設している。そして、前記肥料ホッパ49、肥料繰出ケース47、及び搬送ホース32などから施肥ユニット48が構成され、該施肥ユニット48は機体左右方向に並設して配置されている。
【0021】
ここで、前記施肥ユニット48・48・・について説明する。但し、施肥ユニット48・48・・は略等しい構成であるので、そのうち一組の施肥ユニット48を用いてその構造を詳細に説明する。図6乃至図8に示す如く、施肥ユニット48に具備される肥料繰出ケース47の上面前側の入口47aには、肥料ホッパ49の下部出口49aを嵌着させる一方、肥料繰出ケース47の下面には、前傾状(上端側が前、下端側が後方向に傾斜)の底蓋56を着脱自在に固定させている。該底蓋56は、硬質合成樹脂製で漏斗型(逆円錐型)に形成されると共に、底蓋56下部には、ジョイント部56bが一体成形されており、底蓋56とジョイント部56bは小さな口面積の出口56aを介して連通されている。
【0022】
そして、該ジョイント部56b前端部は、前記エアタンク51に前端部を嵌着させる接合パイプ59後端部に連結接続されると共に、ジョイント部56b後端部には、前記搬送ホース32が嵌着されており、前記送風機50からの空気をエアタンク51からジョイント部56b及び搬送ホース32に吹き出させ、底蓋56の出口56aからジョイント部56b中間に落下する肥料を、搬送ホース32を介して側条作溝器33位置まで空気搬送するように構成している。
【0023】
さらに、肥料繰出装置として、取入口61aを有する入口板61と、同一円周上に複数の繰出口63a・63a・・を有する繰出板63と、排出口65aを有する出口板65とを備え、略円形平板状の前記各板61・63・65を肥料繰出ケース47と底蓋56との間に前傾且つ多層状に配設させている。
【0024】
そして、肥料繰出ケース47の内部に繰出軸66を前傾姿勢で回転自在に軸支させ、各板61・63・65の中央部に繰出軸66下端側を貫通させ、入口板61と出口板65を肥料繰出ケース47に係止させ、各板61・65に対して繰出軸66を遊転させると共に、繰出板63を繰出軸66に係合軸支させ、繰出軸66によって繰出板63を強制的に回転させて、取入口61aから繰出口63aに入った肥料を排出口65aに移動させて出口56a方向に落下させるように構成している。
【0025】
また、肥料繰出ケース47前部には残留肥料取出口47eを開設しており、、後述する残留肥料排出機構により、ここから施肥作業終了後に肥料ホッパ49及び肥料繰出ケース47内の残留肥料を外部に確実に排出除去するようにしている。図8に示す如く、残留肥料取出口47eにはシャッター82が備えられており、シャッター操作レバー84を操作することによってシャッター82を開閉できるように構成している。このようにして、シャッター82を開閉することで残留肥料取出口47eの開閉を行うようにしている。
【0026】
前記残留肥料取出口47eには、合成樹脂素材(例えば、硬質ゴム等)で構成されたエルボ管85が連結され、該エルボ管85には、フレキシブル型排出用ホース86が連結されており、残留肥料排出作業時には、排出用ホース86を機体側方に延ばした状態にして排出する。なお、排出用ホース86・86・・を収納するときには、図4及び図5に示す如く、該排出用ホース86・86・・を曲げて前記施肥前部フレーム106aに固定したホースクランプ89・89・・にその先端を挟持させて車体カバー20後端上方であって側条施肥機30の前方に収納する。また、施肥フレーム106左右両側下部より前下方へ突出した状態に設けたホースクランプ105・105で排出用ホース86・86・・を支持させて収納することもできる。
【0027】
次に、側条施肥機30の肥料繰出装置への伝動機構について説明する。図8乃至図10に示す如く、側条施肥機30を駆動する駆動源となるエンジン5からの出力は、ミッションケース6の前後中途部に設けられた動力取り出し機構31によって植付部9側と側条施肥機30側とに分岐して取り出される。中間軸35により取り出された側条施肥機30への動力は中間軸35後端に連結された無段変速装置入力軸34bによって後述する無段変速装置34に入力され、該無段変速装置34により変速された動力は、無段変速装置出力軸34cに連結された伝動軸37bに伝達され、さらに、該伝動軸37b後端に設けたベベルギア37aと変速出力軸36上に設けられたベベルギア36aを介して変速出力軸36に伝達される。この間に、無段変速装置34により肥料繰出ケース47より繰り出される肥料の繰出量を調整し、さらに、安全クラッチ装置37が伝動軸37bに作用するようにしている。そして、変速出力軸36は、回転軸40を介して施肥フレーム106の左右略中央に配設した支持プレート106dに固定した駆動ケース46より突設した繰出入力軸41に連結連動されると共に、該繰出入力軸41には、一対のベベルギア42を介して、機体左右方向に延設された繰出駆動軸45が連結連動されている。
【0028】
このような構成において、前記繰出駆動軸45より伝達されてきた動力が、一対のベベルギア68を介して、前記繰出軸66を駆動すると、肥料ホッパ49内の肥料は所定の繰出量だけジョイント部56b中間に落下し、落下した肥料は、そのまま搬送ホース32を介して側条作溝器33位置まで空気搬送される。
【0029】
なお、繰出駆動軸45は複数の軸45a・45b・45c・・・から成り、これらは連結具69により連結されると共に、各施肥ユニット48・48・・にはクラッチ装置70が介設されており、側条施肥機30の前方に位置するユニットクラッチレバー81・81によって、左右二条分の施肥ユニット48・48を選択的に駆動可能な構成としている。
【0030】
ここで、前記残留肥料排出機構について説明する。側条施肥機30では、施肥作業終了後に肥料ホッパ49及び肥料繰出ケース47に残留した肥料は再度の利用を図るために全部排出して湿気等を防いだ状態で保存され、次回の施肥作業に供される。本発明に係る側条施肥機30では、残留肥料の排出作業が簡易となるための構造を備えていることを特徴としている。
【0031】
前述の如く、肥料繰出ケース47前部には残留肥料取出口47eを開設して、残留肥料排出機構によって、肥料ホッパ49及び肥料繰出ケース47内の残留肥料を外部に確実に排出除去するようにしており、残留肥料取出口47eを肥料繰出ケース47の前部に設けることで、残留肥料排出作業を側条施肥機30の前方から行うことができるようにしている。そして、図8に示す如く、肥料繰出ケース47に一体的に形成された残留肥料取出口47eにはシャッター82が備えられており、該肥料繰出ケース47の側部に設けられたシャッター82の開閉操作部材であるシャッター操作レバー84を操作することによってシャッター82を開閉できるように構成している。このようにして、シャッター82を開閉することで残留肥料取出口47eの開閉を行っている。シャッター82及びシャッター操作レバー84は各肥料繰出ケース47・47・・に設けられて、所望の植付条の残留肥料のみを排出することができるようにしている。
【0032】
なお、前記シャッター操作レバー84は、略垂直の状態にあるときにシャッター82が閉じた状態であり施肥作業位置であって、略水平の状態にあるときにシャッター82が開いた状態であり残留肥料排出作業位置となるようにしている。すなわち、施肥作業中や肥料補給時にはシャッター操作レバー84は略垂直な状態であり、残留肥料排出作業時には該シャッター操作レバー84は略水平な状態にあることになる。そして、図11にも示す如く、シャッター操作レバー84は、該シャッター操作レバー84に付設されたねじりバネ等で構成した付勢部材83に付勢されている。付勢部材83は一端を繰出ケース47に一体的に形成したピン47fに、他端をシャッター操作レバー84に一体的に形成されたピン84aに支持されており、該付勢部材83の死点越えによって、施肥作業位置Sと残留肥料排出作業位置Tのそれぞれの位置に切り替わるようにしていて、施肥作業位置Sから残留肥料排出作業位置Tへ、また、その逆においてもシャッター操作レバー84は速やかに切り替わり各々の位置に保持される。
【0033】
肥料繰出ケース47に一体的に形成された残留肥料取出口47eには、合成樹脂素材(例えば、硬質ゴム等)で構成されたエルボ管85が連結されている。なお、図4及び図5に示す如く、四条植え式の植付部9を備える田植機では、右側二組の施肥ユニット48・48に設けられたエルボ管85・85の先端は右側に、また、左側二組の施肥ユニット48・48に設けられたエルボ管85・85の先端は左側に向くようにそれぞれ肥料繰出ケース47・47・・の残留肥料取出口47e・47e・・に連結されている。
【0034】
そして、前記エルボ管85・85・・には、少なくとも一部が伸縮自在且つ曲折自在な排出用ホース86・86・・が連結されており、残留肥料排出作業時には、図4及び図12に示す如く、排出用ホース86・86・・を機体側方に延ばした状態にして機体側方に配置した容器168(又は袋等)に排出する。なお、排出用ホース86・86・・の先端は着脱自在なキャップで閉塞可能として、排出用ホース86・86・・が収納位置にあるとき雨水等が浸入して肥料が湿ることを防止している。
【0035】
前記排出用ホース86・86・・をエルボ管85・85・・を介して残留肥料取出口47e・47e・・に連結することで、肥料の排出角度を自在に調節することができ、特に、肥料が排出され難い機体中央側の施肥ユニット48・48の残留肥料排出時には排出用ホース86(86C)・86(86C)の傾斜角を大きくする等の措置を施すことが簡易であり、迅速であって且つ詰まりのない残留肥料の排出が可能である。さらに、排出用ホース86・86・・はステップ20b・20bの形成された車体カバー20後端とエアタンク51前方の間を通って側方に引き出すように配設されており、車体カバー20後端とエアタンク51前方の間は障害物が無いために排出用ホース86・86・・が引き出しやすく、また、車体カバー20後端部及びエアタンク51前面側をホースガイドとして利用することも可能である。
【0036】
残留肥料排出時に、機体側部にある施肥ユニット48と、機体中央部にある施肥ユニット48では、略同一高さに排出用ホース86・86の先端を位置させると、排出用ホース86・86は機体側方へ引き出した状態で排出作業を行うので、特に、中央部に位置する施肥ユニット48に連結された排出用ホース86(86C)の角度が緩やかになってしまい、肥料の排出が滞ってしまうことが予想される。しかし、排出用ホース86は、前記の如く、少なくとも一部が伸縮自在且つ曲折自在に構成しているため角度を自由に設定することができ、機体外側に位置する排出用ホース86は後輪3上方に、機体中央側に位置する排出用ホース86(86C)は後輪3のスポーク3a部分を通すことができる。従って、中央部に位置する排出用ホース86(86C)でも排出に十分な傾斜角度を形成することが可能となり、排出速度を促進させることができると共に、排出用ホース86内の肥料詰まりを防止することができる。
【0037】
そして、排出用ホース86・86・・を収納するときには、図4及び図5に示す如く、該排出用ホース86・86・・を曲げて前記施肥前部フレーム106aに固定したホースクランプ89・89・・にその先端を挟持させる。このとき、排出用ホース86・86・・は車体カバー20後端上方であって側条施肥機30の前部に収まっている。このように、排出用ホース86に曲折可能且つ伸縮可能なホースを採用することで、排出作業時には伸長させて作業者の近傍まで排出用ホース86の先端を持ってくることができ、また、排出用ホース86の収納時にはホースを縮めてコンパクトに収納させることができる。
【0038】
なお、前記シャッター操作レバー84が略水平な状態にあるとき、すなわち、残留肥料排出作業位置にあるとき、排出用ホース86が収納位置にあると、これらは互いに干渉しあうようにしている。すなわち、排出用ホース86を収納しようとしたときに、シャッター操作レバー84が略水平な状態にあると該排出用ホース86が収納できないようにしている。さらに、排出用ホース86を収納しようとしてホースクランプ89の位置まで持ってくると、残留肥料排出作業位置Tにあるシャッター操作レバー84に当接し、該シャッター操作レバー84は排出用ホース86によって下方へ押圧されて施肥作業位置Sまで移動する。前述の如く、シャッター操作レバー84は付勢部材83の死点越えによって残留肥料排出作業位置Tと施肥作業位置Sとに切り替わるに構成されているため、排出用ホース86が当接すると速やかに残留肥料排出作業位置Tから施肥作業位置Sに切り替わるのである。
【0039】
従って、排出用ホース86が収納された状態にあるときには、シャッター操作レバー84は常に略垂直な位置にあり、肥料繰出ケース47に一体的に形成された残留肥料取出口47eに内装されたシャッター82は閉じた状態になっている。このようにシャッター操作レバー84と排出用ホース86を構成することで、側条施肥機30に設けられた何れのシャッター82・82・・も閉じ忘れを防止して、施肥作業時にシャッター82・82・・が開いたままの状態となって正常に施肥されなくなり施肥ムラが生じることを未然に防いでいる。上述の如く配設した排出用ホース86は、側条施肥機30前方にあるので作業者は走行車両1に搭乗した状態で残留肥料排出作業することが可能となり、シャッター操作レバー84・84・・の操作や排出用ホース86・86・・の取り扱いが簡易となる。
【0040】
また、前述した特開平10−215622号公報に掲載されている構造では、施肥作業中に肥料取出口に設けた経路切り替え板の切り替え忘れや排出用ホース86の収納状態が不良である等の事態が発生したときに、運転席にいる作業者から視認し難いところに経路切り替え板の操作レバーや排出用ホースの先端を設けているため、作業者は肥料の零れ等に気付かず施肥ムラが生じてしまう虞れがある。これに対し、本実施例では排出用ホース86の先端部の少なくとも一部が車体カバー20上面よりも上方に位置する状態に収納し、且つ、シャッター操作レバー84は運転席7から視認でき切り替え忘れのない構造としているので、作業者は運転席7に着座した状態でも後方を見ると排出用ホース86の収納不良を発見することができる。
【0041】
さらに、排出用ホース86を車体カバー20より少なくとも一部が上方にある状態で収納することで、排出用ホース86を収納した状態で行われる苗の植付作業では田植機は泥土の中を走行するが、このとき、排出用ホース86に泥土が付きにくい。従って、植付作業後に残留肥料を肥料繰出ケース47から排出するために排出用ホース86を引き出すことが容易になり、作業者に泥土が付着することがない。そして、排出用ホース86に泥土が付かないので、残留肥料排出作業時に排出用ホース86を通って排出される肥料が吸水し難く、排出された肥料を良好な状態で再度の施肥作業に供することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0043】
即ち、請求項1に示す如く、肥料ホッパと肥料繰出ケースを有する施肥ユニットを設け、該施肥ユニットを複数並設した側条施肥機において、前記各肥料繰出ケースにシャッターを備えた残留肥料取出口を設け、操作部材を施肥作業位置と残留肥料排出作業位置に切り替えることでシャッターを開閉操作可能に構成し、前記操作部材の残留肥料排出作業位置は、肥料取出口に接続され、収納位置にセットされた状態にある排出用ホースと干渉する位置としたので、排出用ホースを収納するときに操作部材が残留肥料排出作業位置であれば容易に気付くことができ、該操作部材の施肥作業位置への戻し忘れを未然に防止して、施肥ムラの発生を防止する。
【0044】
請求項2に示す如く、前記操作部材に付勢部材を係合して、施肥作業位置と残留肥料排出作業位置に、死点越えにより各々の位置に保持されるよう構成するとともに、残留肥料排出作業位置にある操作部材は、排出用ホースを収納位置にセットすることで施肥作業位置に至るよう構成したので、排出用ホースを収納位置へ移動させると自動的に操作部材が施肥作業位置となり、該操作部材の施肥作業位置への戻し忘れを未然に防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係る乗用田植機の全体側面図。
【図2】 同じく平面図。
【図3】 車体フレームとミッションケースの概略斜視図。
【図4】 側条施肥機の正面図。
【図5】 同じく概略平面図。
【図6】 同じく左側面図。
【図7】 同じく左側面拡大図。
【図8】 同じく左側面断面図。
【図9】 側条施肥機の動力取り出し構成を示す左側面図。
【図10】 側条施肥機の伝動機構を示す正面断面図。
【図11】 施肥ユニットの左側面図。
【図12】 残留肥料排出作業時の乗用田植機の全体側面図。
【符号の説明】
30 側条施肥機
47 肥料繰出ケース
47e 残留肥料取出口
48 施肥ユニット
49 肥料ホッパ
82 シャッター
83 付勢部材
84 シャッター開閉操作レバー
86 排出用ホース
89 ホースクランプ
Claims (2)
- 肥料ホッパと肥料繰出ケースを有する施肥ユニットを設け、該施肥ユニットを複数並設した側条施肥機において前記各肥料繰出ケースにシャッターを備えた残留肥料取出口を設け、操作部材を施肥作業位置と残留肥料排出作業位置に切り替えることでシャッターを開閉操作可能に構成し、前記操作部材の残留肥料排出作業位置は、肥料取出口に接続され、収納位置にセットされた状態にある排出用ホースと干渉する位置としたことを特徴とする側条施肥機。
- 前記操作部材に付勢部材を係合して、施肥作業位置と残留肥料排出作業位置に、死点越えにより各々の位置に保持されるよう構成するとともに、残留肥料排出作業位置にある操作部材は、排出用ホースを収納位置にセットすることで施肥作業位置に至るよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の側条施肥機。
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