JP3971230B2 - 田植機の施肥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は田植機による植付作業中に苗植付条の側方にペースト肥料の側条施肥を行う田植機の施肥装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ユニットクラッチレバーは苗載台の裏面など植付部側に配置させ、また施肥条止めレバーは走行本機側で本機センターに対して一側方に配置させた構成となっていて、ユニットクラッチを切操作したときには、対応する条止めレバーも同時に切操作する必要がある。しかし乍ら切操作する条によっては、例えばオペレータが座席の左側に身体を捻ってユニットクラッチレバーを切操作し、その後座席の右側に身体を捻って施肥条止めレバーを切操作するなどの操作の煩わしさがあり、操作性が悪く誤操作をするおそれがあった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、ペースト肥料側条施肥する施肥装置と、多条植え用の複数の植付爪の一部を停止させるユニットクラッチレバーと、多条側条施肥用の前記施肥装置の施肥条止めバルブを切換える施肥条止めレバーを備え、多条植え用の植付部及び前記施肥装置を備えた走行車の一側方に、前記ユニットクラッチレバーと、前記施肥条止めレバーと、前記施肥条止めバルブとを配置し、前記ユニットクラッチレバー及び前記施肥条止めレバーと反対側の前記走行車の他側方に、前記ペースト肥料を入れるための肥料タンクと、前記肥料タンクから前記ペースト肥料を送出す施肥ポンプとを配置してなる田植機の施肥装置において、前記走行車に搭載したミッションケースの左右のうち一側に植付駆動用PTOケースを配置し、他側に施肥駆動用PTOケースを配置し、前記ミッションケースの一側の前記植付駆動用PTOケースから植付出力軸を介して前記植付部に駆動力を伝達するように構成し、前記ミッションケースの他側の施肥駆動用PTOケースから施肥出力軸を介して前記施肥ポンプに駆動力を伝達するように構成したものである。
【0004】
【0005】
【0006】
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は乗用田植機の側面図、図2は同平面図を示し、図中1は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン2を車体フレーム3に搭載させ、前後方向に長手状のミッションケース4前方にフロントアクスルケース5を介して水田走行用前輪6を支持させると共に、前記ミッションケース4後部のリヤアクスルケース7に水田走行用後輪8を支持させる。そして前記エンジン2等を覆うボンネット9両側に予備苗載台10を取付けると共に、作業者が搭乗する車体カバー11によって前記ミッションケース4等を覆い、前記車体カバー11後側の運転台12上面に運転席13を取付け、その運転席13の前方で前記ボンネット9後部に操向ハンドル14を設ける。
【0008】
また、図中15は4条植え用の苗載台16並びに複数の苗植付爪17などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台16を下部レール18及びガイドレール19を介して植付フレーム20に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース21を前記植付フレーム20に支持させ、該ケース21の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース22・22を配設し、その爪ケース22・22先端に苗植付爪17・17を取付ける。また前記植付フレーム20の左右両端側に左右サイドフレーム23・23を立設させて苗載台16を支持させ、植付フレーム20左右中央のヒッチブラケット24をトップリンク25及びロワーリンク26を含む昇降リンク機構27を介し走行車1に連結させ、走行車1に設ける油圧昇降シリンダ28をロワーリンク26に連結させ、該昇降シリンダ28の駆動時にリンク機構27を介し植付部15を昇降させると共に、植付部15の下降時には左右に往復摺動させる苗載台16から一株分の苗を植付爪17によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0009】
また、図中29は主変速レバー、30は機体の搭乗位置は勿論のこと機体から降りた位置で走行停止などの操作を可能とさせる苗継ぎレバー、31は植付昇降・植付けの入切など行う植付操作レバー、32は植付感度調節レバー、33は油圧ストップレバーである植付昇降ストップレバー、34は主クラッチペダル、35・35は左右ブレーキペダル、36は2条分均平用センタフロート、37は1条分均平用サイドフロート、38は4条用ペースト施肥装置である。
【0010】
図3乃至図10に示す如く、前記ペースト施肥装置38は、ペースト肥料を貯留する施肥タンク40と、該タンク40内のペースト肥料を送出する4条用4つのスクリュ形施肥ポンプ41と、このポンプ41の変速を切換レバー42によって行う変速ケース43と、センタ及びサイドフロート36・37に装備させる4条用4つの施肥パイプ44毎への肥料供給を停止させる4条用条止めバルブ45と、各条止めバルブ45を操作する各条止めレバー46とを備え、平面視略長方形の施肥タンク40を本機後側となる運転席13より後方で機体中心より左側方に左右長手に配置させ、機体中心より右側方で施肥タンク40の右延長方向に苗植付爪17の駆動及び苗載台16上の苗の縦送りを停止させるユニットクラッチレバー47と前記条止めレバー46を配置させている。
【0011】
また、前記施肥タンク40は背面視逆門形状のタンクフレーム48に左右長手両端をボルト49止め固定させ、車体フレーム3後部の門形状支柱フレーム50にパイプフレーム51などを介しタンクフレーム48を連結させると共に、前記変速ケース43と施肥ポンプ41及びこの駆動ケース52を固設するケース取付板53をパイプフレーム54など介し支柱フレーム50に連結させるもので、施肥タンク40上面に肥料供給口55と肥料残量センサ56を有し、タンク40の左側下方に施肥ポンプ41を、タンク40の右側下方に変速ケース43を配置させている。
【0012】
そして前記施肥タンク40下面の肥料排出口57と各ポンプ41間をタンクホース58で、また各ポンプ41の吐出口59と条止めバルブ45の入口60間を各吐出ホース61で、さらに各条止めバルブ45の出口62と各施肥パイプ44の肥料供給口63間を肥料供給ホース64でそれぞれ連通接続させて、施肥タンク40内のペースト肥料を施肥ポンプ41によって施肥パイプ44に供給して苗植付条の側条深層或いは根圏部に強制施肥するように構成している。
【0013】
前記施肥ポンプ41の駆動は、エンジン2と無段変速装置65を介し連結するミッションケース4前側の左PTOケース66から後方に延出させる施肥出力軸67より得るもので、変速ケース43の下方位置まで施肥出力軸67の後端を延出させ、駆動ケース52右側の下方に延設する入力ケース68下部の施肥伝達軸69前端に自在継手70を介し施肥出力軸67後端を連結させ、変速ケース43の後入力軸71にスプロケット72・73及びチェン74を介し施肥伝達軸69後端を連結させている。
【0014】
また、前記施肥ポンプ41は2条分を1つのポンプユニット75とし、左右2つのポンプユニット75を取付板53にボルト76止め固定させたもので、1つのポンプユニット75の左右2つの施肥ポンプ41の後駆動軸77間をスプロケット78・78及びチェン79で連動連結させ、左右ポンプユニット75の右・左駆動軸77間をスプロケット80・80及びチェン81で連結させると共に、右ポンプユニット75の右駆動軸77に変速ケース43後左側の変速出力軸82をスプロケット83・84及びチェン85を介し連動連結させて、前記施肥出力軸67の回転力を変速自在に施肥ポンプ41に伝達して肥料吐出量を調節自在とするポンプ41の駆動を行うように構成している。なお、前記ミッションケース4前右側の右PTOケース86からは植付出力軸87を後方に延出させて植付部15に駆動力を伝達させている。
【0015】
さらに、前記ユニットクラッチレバー47は条止めバルブ45の一側近傍(実施例では右側近傍)に左右2つ配設させ、各1つのレバー47によって2条分の苗植付爪17及び苗載台16の苗縦送りベルト16aの駆動を停止させるもので、ユニットクラッチレバー47をレバーケース88より前方に突出させ、レバーケース88の後面をパイプフレーム89を介して前記支柱フレーム50に連結支持させている。
【0016】
また、前記ポンプユニット75とこの上方の施肥タンク40との間に施肥ポンプ41及び条止めバルブ45の余剰肥料をタンク40に戻す還元ホース90を配置させると共に、ポンプユニット75の下方に施肥ポンプ41を介しタンクホース58に連通接続させる排出管91を左外側に下り勾配に配設させ、排出管91の左端に接続させる蛇腹付排出ホース92の排出口92aをタンクフレーム48左側のステー93に固設するU字形止め金94に取外し自在に係合保持させ、排出口92aを止め金94より取外し排出管91より下位置で下向きとさせるとき施肥タンク40内の残留肥料を流下排出させるように構成している。
【0017】
上記からも明らかなように、ペースト肥料の側条施肥を行う施肥装置38と、苗載台16複数条の植付けを停止させるユニットクラッチレバー47と、施肥を停止させる施肥条止めレバー46を備えた田植機の施肥装置において、ユニットクラッチレバー47と施肥条止めレバー46を機体中心に対して一側方に配置させたことによって、ユニットクラッチレバー47及び施肥条止めレバー46の操作時には身体を反転させるなどの煩わしさなく、同一姿勢を保ったままで容易にこれらレバー46・47の正確な操作を行って操作性を向上させることができる。
【0018】
また、ユニットクラッチレバー47と施肥条止めレバー46を走行本機側に設けたことによって、本機側の運転席13位置よりユニットクラッチレバー47及び施肥条止めレバー46をオペレータは同一姿勢を保って容易に操作可能とさせて、操作性を一層向上させることができる。
【0019】
さらに、機体中心に対してユニットクラッチレバー47と施肥条止めレバー46とは反対側の他側方に肥料タンクである施肥タンク40を配置させたことによって、ユニットクラッチレバー47及び施肥条止めレバー46の設置或いは操作に肥料タンク40を障害とさせることなく良好に配置させて、レバー46・47設置時の自由度とレバー46・47による操作性の向上を図ることができる。
【0020】
また、機体中心に対するユニットクラッチレバー47と施肥条止めレバー46の同一配置側に本機側操作レバー31・32・33を配置させたことによって、植付部15の昇降・植付クラッチの入切など行う各種操作レバーである植付操作レバー31・植付感度調節レバー32・植付昇降ストップレバー33とユニットクラッチ及び施肥条止めレバー47・46など各種レバーを機体一側に集中させ、操作性を向上させることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように、請求項1に係る発明は、ペースト肥料側条施肥する施肥装置38と、多条植え用の複数の植付爪17の一部を停止させるユニットクラッチレバー47と、多条側条施肥用の施肥装置38の施肥条止めバルブ45を切換える施肥条止めレバー46を備え、多条植え用の植付部15及び施肥装置38を備えた走行車1の一側方に、ユニットクラッチレバー47と、施肥条止めレバー46と、施肥条止めバルブ45とを配置し、ユニットクラッチレバー47及び施肥条止めレバー46と反対側の走行車1の他側方に、ペースト肥料を入れるための肥料タンク40と、肥料タンク40からペースト肥料を送出す施肥ポンプ41とを配置してなる田植機の施肥装置において、走行車1に搭載したミッションケース4の左右のうち一側に植付駆動用PTOケース86を配置し、他側に施肥駆動用PTOケース66を配置し、ミッションケース4の一側の植付駆動用PTOケース86から植付出力軸87を介して植付部15に駆動力を伝達するように構成し、ミッションケース4の他側の施肥駆動用PTOケース66から施肥出力軸67を介して施肥ポンプ41に駆動力を伝達するように構成したものであるから、ユニットクラッチレバー47及び施肥条止めレバー46の操作性を向上させるものである。
【0022】
【0023】
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機の全体側面図である。
【図2】田植機の全体平面図である。
【図3】車体フレーム部の平面説明図である。
【図4】車体フレーム部の側面説明図である。
【図5】施肥タンク部の背面説明図である。
【図6】肥料供給部の平面説明図である。
【図7】施肥ポンプ部の側面説明図である。
【図8】施肥ポンプ部の背面説明図である。
【図9】施肥パイプ部の側面説明図である。
【図10】施肥供給系路の説明図である。
【符号の説明】
1 走行車
4 ミッションケース
15 植付部
17植付爪
38 施肥装置
40 施肥タンク(肥料タンク)
41 施肥ポンプ
45 条止めバルブ
46 条止めレバー
47 ユニットクラッチレバー
66 左PTOケース
67 施肥出力軸
86 右PTOケース
87 植付出力軸

Claims (1)

  1. ペースト肥料側条施肥する施肥装置と、多条植え用の複数の植付爪の一部を停止させるユニットクラッチレバーと、多条側条施肥用の前記施肥装置の施肥条止めバルブを切換える施肥条止めレバーを備え、
    多条植え用の植付部及び前記施肥装置を備えた走行車の一側方に、前記ユニットクラッチレバーと、前記施肥条止めレバーと、前記施肥条止めバルブとを配置し、
    前記ユニットクラッチレバー及び前記施肥条止めレバーと反対側の前記走行車の他側方に、前記ペースト肥料を入れるための肥料タンクと、前記肥料タンクから前記ペースト肥料を送出す施肥ポンプとを配置してなる田植機の施肥装置において、
    前記走行車に搭載したミッションケースの左右のうち一側に植付駆動用PTOケースを配置し、他側に施肥駆動用PTOケースを配置し、
    前記ミッションケースの一側の前記植付駆動用PTOケースから植付出力軸を介して前記植付部に駆動力を伝達するように構成し、
    前記ミッションケースの他側の施肥駆動用PTOケースから施肥出力軸を介して前記施肥ポンプに駆動力を伝達するように構成したことを特徴とする田植機の施肥装置。
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