JP4727377B2 - 真空処理装置、真空処理装置における高周波電力供給方法 - Google Patents

真空処理装置、真空処理装置における高周波電力供給方法 Download PDF

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Description

本発明は真空処理装置に関し、特にプラズマを用いて基板や製膜の施された基板に処理を行う真空処理装置、真空処理装置における高周波電力供給方法に関する。
近年、薄膜太陽電池パネルの製造技術分野では、需要の高まりに応じて薄膜太陽電池パネルの生産性を高めるため、薄膜太陽電池パネルの基板の大面積化が進められている。このため、大面積の基板に対して短時間で高品質の製膜を行うことができる真空処理装置が求められている。
従来の真空処理装置の概略構成を図1に示す。従来の真空処理装置は、プラズマを発生するための真空チャンバ10内のグランド上に設置される、例えば太陽電池パネル用の大型ガラス基板6に対向して配設される電極5と、電極5に対して大型ガラス基板6と反対方向に設置され、真空チャンバ10内に設置されている基板以外の構成要素に電極により発生されるプラズマからの生成物が付着するのを防止するための防着板11とを備えている。また、真空チャンバ10内に設置される電極5には、高周波電力を伝送するための同軸ケーブル8および同軸ケーブル9がそれぞれ電極5の上下端部であるガスヘッダ4Aおよび4Bを介して接続されている。また、高周波電力を供給するための高周波電源1A、1Bと電極5とを接続するそれぞれの伝送線路上には、電極5における高周波電力の電圧位相を制御するための整合器(マッチングボックス)2A、2Bと、複数の電極5に対して電力を分配するための電力分配器3A、3Bとがそれぞれ直列に配置される。真空チャンバ10内部にはガスが供給され、電極5に供給される高周波電力によりプラズマ化される。そして、プラズマで分解されたガスの膜成分分子は真空チャンバ10内のグランド側に引き付けられて基板7上に薄膜を形成する。
上記した、従来の真空処理装置により薄膜太陽電池パネルの大面積化された基板に対して製膜を行うためには、当該電極5に対して大電力の高周波電力を供給することが必要となる。しかしながら、現在の真空処理装置において大きな高周波電力を当該電極に供給するには、以下に示すような問題がある。
(1)真空チャンバ10内の同軸ケーブル8、9は、誘電体に有機物が使えないためセラミックスのビーズ等を使用している。このため、同軸ケーブル8、9内部における誘電体が不連続であり、真空チャンバ10内部における当該同軸ケーブル8、9の配設の違いによって、電極5の両端部それぞれに入力される高周波電力に電圧位相差が生じる。
(2)同軸ケーブル8、9に大きな高周波電力を伝送する場合、同軸ケーブルの放熱性が悪いため、大電力伝送時に同軸ケーブル内部に定在波に起因する発熱分布が生じる。そして、発熱の大きい部分では焼損の恐れがある。
(3)大電力を取り扱える任意の特性インピーダンスを有する同軸ケーブル(50Ωよりも低い側)を製作しにくいため、電極5のインピーダンス(一般に50Ωより低い)に整合させた給電路を構成しにくい。
このため、大面積の薄膜太陽電池パネルを製造して生産効率を向上させるためには、大電力を如何に効率良く電極5に入射してプラズマを発生させて、大面積基板6上における製膜速度を向上させるか、また、電極5における高周波電力の電圧位相を如何に精度良く制御するかが問題とされており、電極5に対して安定的に電圧位相制御された高周波電力を伝送する伝送線路の確立が望まれている。
上記した技術に関連して、以下に示すような報告がなされている。
特開平6−333697号公報に開示されている「マイクロ波プラズマ処理装置」では、マイクロ波をプラズマへ放射する平面状アンテナと磁場を発生させる電磁石または永久磁石を備え、マイクロ波で電子を加速して中性ガスを衝突電離することによりプラズマを発生させるプラズマ処理装置において、平面アンテナとプラズマ発生領域との境界にマイクロ波が透過可能な材質で且つ処理過程において不純物混入の影響の小さい材質により平面状アンテナとプラズマとを分離し、平面状アンテナのマイクロ波給電側にマイクロ波の真空波長の2分の1以下の距離に金属板を設け、金属板の平面状アンテナと反対側に設けた誘電体上又は金属板から一定の距離に設けたストリップライン回路により平面状アンテナの各部にマイクロ波を分配し給電したマイクロ波プラズマ処理装置が提案されている。
特開平6−333697号公報
本発明の目的は、特にプラズマを用いて大面積基板に対して製膜処理を行うために真空室内部に設置される電極に対して安定的に電圧位相制御された大容量の高周波電力を伝送する伝送線路を備えた真空処理装置、真空処理装置における高周波電力供給方法を提供することである。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用する括弧付き符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の真空処理装置(50)は、真空室(62)と、真空室の内壁に設定されるグランド(51)上に載置される基板(63)に対向するように配設される電極(54)と、電極に対して基板と反対方向に配設され、グランドと電気的に接続される防着板(64)と、電極の両方の端部それぞれと、電極の両方の端部それぞれに対応して、外部に配置されている高周波電源から出力される高周波電力を真空室の内部に導入するための真空室の壁部(51)に設けられる導入端子(57a、57b)とを接続し、高周波電源(58A、58b)から出力される高周波電力を電極の両方の端部それぞれに伝送するためのマイクロストリップライン(52A、52B)とを備え、マイクロストリップラインは、それぞれマイクロストリップラインのグランドが真空室の内壁に設定されるグランドと一致するように配設され、また、マイクロストリップライン(52A、52B)は、高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の長さに設定された、導入端子と電極との間におけるインピーダンスを整合するためのインピーダンス整合部を含み、インピーダンス整合部のインピーダンスの値が導入端子のインピーダンスと電極のインピーダンスの中間の値とされる第1マイクロストリップライン、高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の長さに設定され、インピーダンス整合部とリアクタンス整合部を含み、インピーダンス整合部のインピーダンスの値が導入端子のインピーダンスと電極のインピーダンスとの中間の値とされるとともに、該リアクタンス整合部はリアクタンス成分を除去してインピーダンスが純抵抗成分となり、インピーダンス整合部のインピーダンスの値が電極のインピーダンスの値とされるとされる第2マイクロストリップライン、及び高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の2倍の長さに設定されるとともに、多段構造のインピーダンス整合部とリアクタンス整合部を含み、該リアクタンス整合部はリアクタンス成分を除去してインピーダンスが純抵抗成分となり、該多段構造のインピーダンス整合部のインピーダンスの値が電極のインピーダンスの値とされる第3マイクロストリップラインの何れかとされる
また、本発明の真空処理装置(50)において、第3マイクロストリップラインのインピーダンス整合部(52A、52B)は、複数の線路幅を有する導体パターン(52a4)により構成される。
また、本発明の真空処理装置(50)はさらに、第2マイクロストリップライン又は第3マイクロストリップラインは、インピーダンス整合部(52a2、52b2)、(52a3、52b3)に対して並列に接続される、あるいはインピーダンス整合部と電極(54)の端部との間に直列に接続される、インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスが純抵抗分となるようにするリアクタンス整合部(52a4、52b4)を備える。
また、本発明の真空処理装置(50)におけるマイクロストリップラインの導体部(52a)は、全周を誘電体(52c)で充填される。
また、本発明の真空処理装置(50)において、外部に配置されている高周波電源(58A、58B)から出力される高周波電力の電流周波数は、10MHzから200MHzまでの周波数帯域を包括する。
また、本発明の真空処理装置(50)における高周波電力供給方法は、真空室(62)と、真空室の内部に設定されるグランド(51)上に載置される基板(63)に対向するように配設される電極(54)と、電極に対して基板と反対方向に配設され、グランドと電気的に接続される防着板(64)と、電極の両方の端部それぞれと、電極の両方の端部それぞれに対応して、外部に配置されている高周波電源から出力される高周波電力を真空室の内部に導入するための真空室の壁部(51)に設けられる導入端子(57a、57b)とを接続し、高周波電源(58A、58b)から出力される高周波電力を電極の両方の端部それぞれに伝送するためのマイクロストリップライン(52A、52B)とを備え、マイクロストリップラインは、それぞれマイクロストリップラインのグランドが真空室の内壁に設定されるグランドと一致するように配設され、また、マイクロストリップライン(52A、52B)は、高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の長さに設定された、導入端子と電極との間におけるインピーダンスを整合するためのインピーダンス整合部を含み、インピーダンス整合部のインピーダンスの値が導入端子のインピーダンスと電極のインピーダンスの中間の値とされる第1マイクロストリップライン、高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の長さに設定され、インピーダンス整合部とリアクタンス整合部を含み、インピーダンス整合部のインピーダンスの値が導入端子のインピーダンスと電極のインピーダンスとの中間の値とされるとともに、該リアクタンス整合部はリアクタンス成分を除去してインピーダンスが純抵抗成分となり、インピーダンス整合部のインピーダンスの値が電極のインピーダンスの値とされるとされる第2マイクロストリップライン、及び高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の2倍の長さに設定されるとともに、多段構造のインピーダンス整合部とリアクタンス整合部を含み、該リアクタンス整合部はリアクタンス成分を除去してインピーダンスが純抵抗成分となり、該多段構造のインピーダンス整合部のインピーダンスの値が電極のインピーダンスの値とされる第3マイクロストリップラインの何れかとされる真空処理装置の高周波電力供給方法であって、外部に配置されている高周波電源(58A、58B)から出力される高周波電力を真空室(62)の内部に導入するための真空室の壁部(51)に設けられる導入端子(57a、57b)に供給する高周波電力供給ステップと、真空室内部に設置されてプラズマを生成するための電極(54)のそれぞれの端部と接続されるマイクロストリップライン(52A、52B)を介して、電極のそれぞれの端部に高周波電力を入力する高周波電力入力ステップとを備える。
また、本発明の真空処理装置(50)における高周波電力供給方法は、高周波電力入力ステップは、第2マイクロストリップライン又は第3マイクロストリップラインが、インピーダンス整合部(52a2、52b2)、(52a3、52b3)に対して並列に接続される、あるいはインピーダンス整合部と電極の端部との間に直列に接続される、インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスが純抵抗成分となるようにするリアクタンス整合部(52a4、52b4)を備えたマイクロストリップラインを介して、電極のそれぞれの端部に高周波電力を入力する。
本発明により、特にプラズマを用いて大面積基板に対して製膜処理を行うために真空室内部に設置される電極に対して安定的に電圧位相制御された大容量の高周波電力を給電する給電線路を備えた真空処理装置、真空処理装置における高周波電力供給方法を提供することができる。
これにより、電圧位相制御された大電力を効率良く電極に入射してプラズマを発生させることにより、大面積基板上における製膜速度を向上させることができる。また、製膜においては、電極における高周波電力の電圧位相を効果的に変動させることにより、基板上におけるプラズマ密度の均一化を実現し、基板上に製膜される膜厚の均一化を実現する。そして、大面積の薄膜太陽電池パネルの生産効率を、品質を保持したまま向上させることができる。また、大電力伝送時における給電線路の信頼性の向上により、給電線路のメンテナンスに要する材料費および作業費用の削減が可能になり、真空装置全体としての信頼性の向上が実現する。
添付図面を参照して、本発明による真空処理装置、真空処理装置における高周波電力供給方法を実施するための最良の形態を以下に説明する。
本発明の真空処理装置は、真空チャンバ内部の給電線路として、特に大電力を伝送することが出来るマイクロストリップラインを備えている。そして、電極の上下端部に電力を供給するマイクロストリップラインそれぞれの長さを最適に設定することにより、電極の上下端部に対して電圧位相の揃った高周波電力を入力することができる。このため、電極に対する高周波電力入力時の電圧位相が安定し、装置の稼働中に電極において不規則な電圧位相変動が生じにくい。また、本発明の実施の形態に係わるマイクロストリップラインは、そのグランドを真空チャンバの内壁としている。このため、真空チャンバ内部における給電線路の冷却能力が高く、給電線路の温度上昇による線路の損傷や溶融などの事故を予め防止できる。
これにより大電力製膜時における真空処理装置の信頼性向上が実現する。
また、本発明の実施の形態に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインは、高周波電源と電極との間におけるインピーダンスを整合するためのインピーダンス整合部、および当該インピーダンス整合部に対して並列に接続される、あるいは当該インピーダンス整合部と電極入力端との間に直列に接続される、インピーダンス整合用のリアクタンス整合部を備える。そして、本発明の真空処理装置においては、上記高周波電源側から見ると、電極に対して完全な整合を取ることができ、電力損失を0.1%というレベルにまで抑制することができる。これにより、本発明の実施の形態においては、大面積の基板を対象として大電力を用いた製膜処理をするための高効率真空処理装置、および当該真空処理装置における高周波電力供給方法を提供することができる。
上記した給電線路の構造は、原理的には低い周波数(従来から使用されている13.56MHz)の装置に対しても適用可能な技術であるが、給電線路の長さが高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の1/4を基本とするものであるため真空チャンバのサイズあるいは製膜対象となる基板のサイズに比べて大きく、これまで使われてこなかったものである。具体的に数値で示すと周波数13.56MHzの場合,波長は(3×10E8)/(13.56×10E6)=22.1mであり、当該波長の1/4は5.5mとなる。この値は従来の真空装置のサイズと比較して大きいため、真空チャンバ内に給電線路を構成することが困難であった。
しかし、本発明に係わる真空処理装置においては、製膜対象となる基板の大型化によりチャンバのサイズが2m程度になってきたこと,また製膜周波数が高くなったことで波長が短くなり,1/4波長の長さがチャンバのサイズよりも小さくなったことからチャンバ内に平面回路による伝送線路を設けることが容易になった。具体的な数値を示すと周波数60MHzの場合,波長は(3×10E8)/(60×10E6)=5.0mであり、当該波長の1/4は1.25mとなる。
この値は、本願の実施の形態に係わる真空装置のサイズと同程度になっており、真空チャンバ内にマイクロストリップラインにより構成される給電線路を適用することが実用的になってきた。実際の給電線路の製作にあたっては、マイクロストリップラインの基板に比誘電率が大きな誘電体を使用するため、電気長が1/4波長に相当する線路の長さ(機械長)は1.25mよりもさらに短くなる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係わる真空処理装置の概略構成を図2に示す。本実施の形態に係わる真空処理装置50は、プラズマガスを発生するための真空室62内のグランド上に設置される、例えば太陽電池パネル用の大型ガラス基板63に対向して、真空チャンバ51の内壁に支持絶縁ガイシ53を介して配設されるプラズマ電極54と、プラズマ電極54に対して大型ガラス基板63と反対方向に設置され、真空室62内部に設置されている基板63以外の構成要素にプラズマ電極54により発生されるプラズマからの生成物が付着するのを防止するための防着板64とを備えている。また、真空室62内に設置されるプラズマ電極54には、真空室外部に設置される高周波電源58Aおよび58Bから出力される高周波電力を伝送するための給電線路がそれぞれプラズマ電極54の上下端部を介して接続されている。特に、本実施の形態に係わる真空処理装置50においては、真空室62内部における給電線路として、大電力を伝送することのできるマイクロストリップライン52Aおよび52Bを備えている。
本実施の形態に備えられるマイクロストリップラインの概略構成を、図3Aおよび図3Bに示す。本実施の形態に備えられるマイクロストリップラインは、高周波電力の電圧位相変動を抑制し、大電力を伝送することを目的として開発されたものである。図3A(a)に示されるように、本実施の形態に備えられるマイクロストリップラインは、グランドとしての真空チャンバ51壁面をグランドとして、その上に誘電体52bと導体52aとが順次積層されたものである。真空チャンバ51の内壁に当該マイクロストリップラインが配設される概略構成は、図3A(b)に示されるように、真空チャンバ51の内壁に設けられた穴70に対して、誘電体52bが自身に設けられた長円71を介して固定ボルト74によって固定される。そして、誘電体52b上に設けられた穴72に対して、導体52aが自身に設けられた長円73を介して絶縁ボルト75によって固定され、最終的には、図3A(c)に示される断面形態が構成される。本実施の形態においては、図3A(c)に示される断面形態に限定されずに、図3Bに示される断面形態としても良い。図3Bに示される断面形態においては、誘電体52bおよび導体52aの上に、さらに誘電体52bと同じ素材であるカバー材52cが積層される。図3Bに示される断面形態を有したマイクロストリップラインでは、プラズマ蒸着中における導体52aの破損や、真空チャンバ51壁面と導体52aとの間に導電性物質が付着するなどして電力の短絡が生じることが防止される。
真空室62の外部に配置され、プラズマ電極54の上端部に電力を供給する高周波電源58Bは、真空室62の外部において、インピーダンス整合を行うための整合回路59Bと、真空室内部に複数配置されるプラズマ電極(図示されているものはそのうちの1つ)に対して電力を分配する分配器61Bとを介して、真空室62の壁面に設置されて真空室外部と内部との電気的な導通をとる導入端子57bに電気的に接続される。導入端子57bは、真空室内部において銅やステンレスなどの導体板56bを介してマイクロストリップライン52Bに接続される。マイクロストリップライン52Bは、真空チャンバ51の内壁面上に載置されることにより、真空チャンバ51の内壁をグランドとする。そして、マイクロストリップライン52Bは、さらに銅やステンレスなどの導体板55bを介してプラズマ電極54の上端部に電気的に接続される。一方、真空室62の外部に配置され、プラズマ電極54の下端部に電力を供給する高周波電源58Aは、真空室62の外部において、インピーダンス整合を行うための整合回路59Aと、真空室内部に複数配置されるプラズマ電極(図示されているものはそのうちの1つ)に対して電力を分配する分配器61Aとを介して、真空室62の壁面に設置されて真空室外部と内部との電気的な導通をとる導入端子57aに電気的に接続される。導入端子57aは、真空室62内部において銅やステンレスなどの導体板56aを介してマイクロストリップライン52Aに接続される。マイクロストリップライン52Aは、真空チャンバ51の内壁面上に載置されることにより、真空チャンバ51の内壁をグランドとする。そして、マイクロストリップライン52Aは、さらに、銅やステンレスなどの導体板55aを介してプラズマ電極54の下端部に電気的に接続される。
本実施の形態においては、外部から供給される電力の電圧がプラズマ電極54の上端部および下端部において同位相で入力されるように、マイクロストリップライン52Aおよびマイクロストリップライン52Bの長さは、高周波電源AおよびBから供給される電力の電流周波数の伝送線路内波長の1/2に設定される。但し、外部から供給される電力の電圧が、プラズマ電極54の上端部および下端部において同位相で入力される設定であれば、マイクロストリップライン52Aおよびマイクロストリップライン52Bの長さは、高周波電源AおよびBから供給される電力の電流周波数の伝送線路内波長の1/2に限定されることはない。また、導入端子57a、57bとマイクロストリップライン52A、52Bとを接続するための銅やステンレスなどの導体板56a、56bの長さ、および、マイクロストリップライン52A、52Bとプラズマ電極54の上下端部それぞれを接続するための銅やステンレスなどの導体板55a、55bの長さは、それぞれ高周波電源AおよびBから供給される電力の電流周波数の自由空間内波長の1/50以下であることが望ましい。
(実施の形態1の動作原理)
本実施の形態に係わる真空処理装置50が起動すると、高周波電源58Aおよび58Bから、規定された同じ周波数を有する高周波電力が、同じ電圧位相で出力される。同じ電圧位相で出力された高周波電力は、高周波電源58A、58Bとそれぞれの給電線路(50Ω)とのインピーダンス整合をするためのインピーダンス整合回路59A、59Bを介して分配器60A、60Bに入力される。分配器60Bから出力された電力は、同軸ケーブル61Bを通って導入端子57bを介して真空室62内部に導入される。そして、導入端子57bとマイクロストリップライン52Bを電気的に接続する銅やステンレスなどの導体板56bを通って真空室62の真空チャンバ51内壁面をグランドとするマイクロストリップライン52Bに入力される。そして当該高周波電力は、マイクロストリップライン52Bを伝送し、最終的に電極の上端部とマイクロストリップライン52Bとを電気的に接続する銅やステンレスなどの導体板55bを介してプラズマ電極54に入力される。一方、分配器60Aから出力された高周波電力は、同軸ケーブル61Aを通って導入端子57aを介して真空室62内部に導入される。そして、導入端子57bとマイクロストリップライン52Bを電気的に接続する銅やステンレスなどの導体板56aを通って真空室62の真空チャンバ51内壁面をグランドとするマイクロストリップライン52Aに入力される。そして当該高周波電力は、マイクロストリップライン52Aを伝送し、最終的に電極の下端部とマイクロストリップライン52Aとを電気的に接続する銅やステンレスなどの導体板55aを介してプラズマ電極54に入力される。
本実施の形態に係わる真空処理装置50に備わるマイクロストリップラインの具体的なパターン形状の1つを図4Aに示す。本実施の形態においては、マイクロストリップライン52Aとマイクロストリップライン52B(導体52b1、アルミナ基板52a1)との線路長が、それぞれ高周波電源58A、58Bから出力される電力における電流周波数の自由空間波長の1/2に対応する長さに設定されているために、プラズマ電極54の上下端部には、それぞれ高周波電力の電圧において同位相となる電力が入力される。また、本実施の形態におけるマイクロストリップライン52Aとマイクロストリップライン52Bとの特性インピダンスは、高周波電源58A、58Bからプラズマ電極54まで高周波電力を伝送してくる給電線路と、プラズマ電極54とのインピーダンス整合を一般的な50Ωで整合するように50Ωとなっている(図5の電気特性一覧を参照)。また、本実施の形態に係わるマイクロストリップラインのパターン形状に基づくインピーダンスをスミスチャート上にプロットしたもの(“0”で示される位置)を図6Aに示す。この結果によると、本実施の形態における真空処理装置50による高周波電力給電方法による電圧定在波比(VSWR)は、2.76(プラズマ電極54に供給すべき電力の電力損失が22%)であることが判る。
以上説明してきたように、本実施の形態に係わる真空処理装置50においては、(a)真空チャンバ51内部の給電線路として、特に大電力を伝送することが出来るマイクロストリップラインを備えることにより、電極の上下端部に対して電圧位相の揃った高周波電力を入力することができ、また、電力伝送時の電圧位相差が安定しているために、装置の稼働中に電極において不規則な位相変動が生じにくい。このため、電極により生成されるプラズマの電圧位相制御が容易となり、蒸着対象となる基板63上に製膜される薄膜の品質が向上する。また、大電力が安定してプラズマ電極54に対して供給できるため、蒸着対象となる基板63の面積が増大した場合においても、製膜速度を飛躍的に増加させることが出来る。
(b)また、本実施の形態に係わるマイクロストリップラインは、そのグランドを真空チャンバ51の内壁としているため、真空チャンバ51内部における給電線路の冷却能力が高く、給電線路の温度上昇による線路の損傷や溶融などの事故を予め防止できる。これにより大電力製膜時における装置の信頼性向上が実現する。
(c)また、本実施の形態においては、真空チャンバ51内部における給電線路として、真空チャンバ51の内壁をグランドとしたマイクロストリップラインを備えており、当該マイクロストリップラインは、銅板を介して、電気的および機械的に電極と接続されている。このため、真空処理装置の稼働中においても同軸ケーブルと電極との接続が同軸ケーブルの芯線のみで固定されていた従来の装置と比較しても、給電線路と電極との電気的、機械的接続の信頼性が向上する。このことは、装置全体に対しても、メンテナンス時間並びに保全費用の削減が可能となり、信頼性の向上が実現する。さらに、本実施の形態に係わる真空処理装置50における電極のプラズマ制御性向上により、基板上に製膜される膜厚分布の改善が図れ、太陽電池の品質おいび発電性能の向上が実現する。また、当該真空処理装置による生産工程の工数および生産時間の短縮が可能となる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係わる真空処理装置の基本的な構成および当該真空処理装置における高周波電力供給方法は、実施の形態1におけるそれらと同様である。但し、本実施の形態に係わる真空処理装置50に備わるマイクロストリップラインのパターンは、実施の形態1におけるマイクロストリップラインが、真空チャンバ51の壁面に設けられた導入端子57a、57bとプラズマ電極54との間におけるインピーダンスを整合するためのインピーダンス整合部となる。
本実施の形態に係わる真空処理装置50に備わるインピーダンス整合部の具体的なパターン形状の1つを図4Bに示す。本実施の形態においては、マイクロストリップライン52Aとマイクロストリップライン52Bとが、上記したインピーダンス整合部(導体52b2、アルミナ基板52a2)としての機能を有しているため、プラズマ電極54の上下端部には、電圧において同位相となる高周波電力が極めて低損失で入力される。
特に本実施の形態においては、インピーダンス整合部の伝送線路電気長を、高周波電源58A,58Bそれぞれから出力される高周波電力の電流周波数に対応する自由空間内波長の1/4とし、同時にこの部分の伝送線路の特性インピーダンスを、導入端子57a、57bにおけるインピーダンスと、プラズマ電極54のインピーダンスとの中間の値としている。つまり、上記1/4波長を有するインピーダンス整合部の特性インピーダンスZmは、プラズマ電極54のインピーダンスをZ1、導入端子57a、57bのインピーダンスをZ0としたときに、Zm=(Z1×Z0)1/2の関係となっている(図5の電気特性一覧を参照)。実際に装置が稼働している場合には、プラズマ電極54のインピーダンスは50Ωよりも低いインピーダンスになっており、本実施の形態におけるマイクロストリップラインのパターン設計においては、上記したプラズマ電極54の実質的なインピーダンスをZ1の値として採用することにより、適宜最適なマイクロストリップラインを実現することができる。
また、本実施の形態に係わるマイクロストリップラインのパターン形状に基づくインピーダンスをスミスチャート上にプロットしたもの(“1”で示される位置)を図6Bに示す。この結果によると、本実施の形態における真空処理装置50による高周波電力給電方法による電圧定在波比(VSWR)は、2.0(プラズマ電極54に供給すべき電力の電力損失が11.1%)であることが判る。
以上説明してきたように、本実施の形態に係わる真空処理装置50においては、実施の形態1に記載した作用効果に加えて、
(d)インピーダンス整合部(導体52b2、アルミナ基板52a2)となるマイクロストリップラインにおいて、導入端子57a、57bとプラズマ電極54との間におけるインピーダンス整合を行うことにより、高周波電源58A、58Bから見た電圧定在波比(VSWR)を小さくすることが出来る。これにより、給電線路上において定在波に起因するジュール発熱を抑制することができる、信頼性の高い真空処理装置を実現できる。
(e)また、電力損失の低減を実現することができることにより、実際に使用する高周波電源58A、58Bの小容量化が実現し、本実施の形態を有する真空処理システム全体としての経済効率が向上する。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係わる真空処理装置の基本的な構成および当該真空処理装置における高周波電力供給方法は、実施の形態2におけるそれらと同様である。但し、本実施の形態に係わる真空処理装置50に備わるマイクロストリップラインのパターンは、さらに、実施の形態2に備えられているインピーダンス整合部に対して並列に接続される、あるいは当該インピーダンス整合部とプラズマ電極54の上端部あるいは下端部との間に直列に接続される、上記インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスが純抵抗分となるようにするリアクタンス整合部を備えている。
本実施の形態に係わる真空処理装置50に備わるインピーダンス整合部とリアクタンス整合部とにより構成されるマイクロストリップライン(52a3、52b3)の具体的なパターン形状の1つを図4Cに示す。本実施の形態においては、マイクロストリップライン52Aとマイクロストリップライン52Bとが、上記した導入端子57a、57bと、プラズマ電極54との間におけるインピーダンス整合、および上記インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスを純抵抗分となるようにするリアクタンス整合を行う機能を有しているため、プラズマ電極54の上下端部には、電圧において同位相となる高周波電力が、実施の形態1および2の場合よりもさらに低損失で入力される。
特に本実施の形態においては、インピーダンス整合部の伝送線路電気長は、実施の形態2と同様に、高周波電源58A,58Bそれぞれから出力される高周波電力の電流周波数に対応する自由空間内波長の1/4とし、同時にこの部分の伝送線路の特性インピーダンスを、導入端子57a、57bにおけるインピーダンスと、プラズマ電極54のインピーダンスとの中間の値としている。また、リアクタンス整合部は、例えば特性インピーダンスを50Ω、伝送線路電気長を、上記インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスが純抵抗分となるような長さに設定されている(図5の電気特性一覧を参照)。
本実施の形態に係わるマイクロストリップラインのパターン形状に基づくインピーダンスをスミスチャート上にプロットしたもの(“2”で示される位置)を図6Cに示す。この結果によると、上記インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスは、プラズマ電極54のインピーダンスと概ね一致しており、またリアクタンス成分も除去されている。本実施の形態における真空処理装置50による高周波電力給電方法による電圧定在波比(VSWR)は、1.06(プラズマ電極54に供給すべき電力の電力損失が0.1%)であることが判る。
以上説明してきたように、本実施の形態に係わる真空処理装置50においては、実施の形態1または2に記載した作用効果に加えて、
(f)実施の形態2に備えられているインピーダンス整合部に加えて、さらにインピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスが純抵抗分となるようにするリアクタンス整合部を備えているため、高周波電源58A,58B側から見たプラズマ電極54の負荷が純抵抗になっている。このため、高周波電源58A,58B側から見ると、プラズマ電極54に対して完全な整合を取ることができ、電力損失を0.1%というレベルにまで抑制することができる。
このため、本実施の形態においては、大面積の基板を対象として大電力を用いた製膜処理をするための高効率真空処理装置、および当該真空処理装置における高周波電力供給方法を提供することができる。なお、本実施の形態における説明においては、リアクタンス整合部がインピーダンス整合部の電極側端部に対して直列に接続されている場合について説明してきたが、インピーダンス整合部に対して並列に接続される形態としても良い。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係わる真空処理装置の基本的な構成および当該真空処理装置における高周波電力供給方法は、実施の形態3におけるそれらと同様である。但し、本実施の形態に係わる真空処理装置50に備わるマイクロストリップラインのパターンにおいては、より広帯域な周波数に対応するために、インピーダンス整合部が多段構造を有している。
本実施の形態に係わる真空処理装置50に備わるインピーダンス整合部とリアクタンス整合部とにより構成されるマイクロストリップライン(52a4、52b4)の具体的なパターン形状の1つを図4Dに示す。本実施の形態においては、マイクロストリップライン52Aとマイクロストリップライン52Bとが、上記した導入端子57a、57bと、プラズマ電極54との間におけるより広帯域な周波数に対応したインピーダンス整合、および上記インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスを純抵抗分となるようにするリアクタンス整合を行う機能を有しているため、プラズマ電極54の上下端部には、電圧において同位相となる高周波電力が、実施の形態3の場合よりもさらに広い電源周波数に対応して低損失で入力される。
特に本実施の形態においては、インピーダンス整合部の伝送線路が、プラズマ電極54のインピーダンスをZ1、導入端子57a、57bのインピーダンスをZ0としたときに、1段目および2段目の1/4波長伝送線路のそれぞれの特性インピーダンスZm1およびZm2は、Zm1=(Z1×Z0)1/4、Zm2=(Z1×Z01/4の関係となるように設定されている。(図5の電気特性一覧を参照)。
本実施の形態に係わるマイクロストリップラインのパターン形状に基づくインピーダンスをスミスチャート上にプロットしたもの(“3”で示される位置)を図6Dに示す。この結果によると、上記インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスは、実施の形態3で示されたのと同様、プラズマ電極54のインピーダンスと概ね一致しており、またリアクタンス成分も除去されている。本実施の形態における真空処理装置50による高周波電力給電方法による電圧定在波比(VSWR)は、1.06(プラズマ電極54に供給すべき電力の電力損失が0.1%)であることが判る。
以上説明してきたように、本実施の形態に係わる真空処理装置50においては、実施の形態1〜3までに記載した作用効果に加えて、
(g)プラズマ電極54におけるプラズマコントロールにおいて、位相変調以外に複数周波数の重畳や周波数変調による方法の適用が容易となる。このため、高周波電源58A,58B側から見ると、実施の形態1〜3よりさらに広帯域な周波数に渡って、プラズマ電極54に対する完全整合を取ることができる。
このため、本実施の形態においては、大面積の基板を対象として大電力を用いた製膜処理をするための高効率真空処理装置、および当該真空処理装置における信頼性に優れた高周波電力供給方法を提供することができる。
従来の真空処理装置の概略構成を示す図である。 本実施の形態に係わる真空処理装置の概略構成を示す図である。 本実施の形態に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインの概略構成を示す図である。 本実施の形態に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインの概略構成を示す図である。 実施の形態1に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインのパターン形状を示す図である。 実施の形態2に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインのパターン形状を示す図である。 実施の形態3に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインのパターン形状を示す図である。 実施の形態4に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインのパターン形状を示す図である。 実施の形態1〜3に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインのパターン形状に基づく電気特性一覧を示す図である。 実施の形態1に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインのパターン形状に基づくインピーダンスをスミスチャート上に示した図である。 実施の形態2に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインのパターン形状に基づくインピーダンスをスミスチャート上に示した図である。 実施の形態3に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインのパターン形状に基づくインピーダンスをスミスチャート上に示した図である。 実施の形態4に係わる真空処理装置に備わるマイクロストリップラインのパターン形状に基づくインピーダンスをスミスチャート上に示した図である。
符号の説明
1A…高周波電源A
1B…高周波電源B
2A、2B…マッチングボックス
3A、3B…電力分配器
4A、4B…ガスヘッダ
5…ラダー電極
6…基板
7…アース電極
8…同軸ケーブル(上側)
9…同軸ケーブル(下側)
10…真空チャンバ
11…防着板
50…真空処理装置
51…真空チャンバ(壁)
52…マイクロストリップライン
52a、52a1、52a2、52a3、52a4…導体
52b、52b1、52b2、52b3、52b4…誘電体
52c…カバー材
53…支持絶縁ガイシ
54…プラズマ電極
55a、55b、56a、56b…導体板
57…導入端子
58A、58B…高周波電源
59A、59B…整合回路
60A、60B…分配器
61A、61B…同軸ケーブル
62…真空室
63…基板
64…防着板
70、72…穴
71、73…長穴
74…固定ボルト
75…絶縁ボルト

Claims (7)

  1. 真空室と、
    前記真空室の内壁に設定されるグランド上に載置される基板に対向するように配設される電極と、
    前記電極に対して前記基板と反対方向に配設され、前記グランドと電気的に接続される防着板と、
    前記電極の両方の端部それぞれと、前記電極の両方の端部それぞれに対応して、外部に配置されている高周波電源から出力される高周波電力を前記真空室の内部に導入するための前記真空室の壁部に設けられる導入端子とを接続し、前記高周波電源から出力される前記高周波電力を前記電極の両方の前記端部それぞれに伝送するためのマイクロストリップラインと
    を具備し、
    前記マイクロストリップラインは、それぞれ前記マイクロストリップラインのグランドが前記真空室の内壁に設定される前記グランドと一致するように配設され、
    また、前記マイクロストリップラインは、
    前記高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の長さに設定された、前記導入端子と前記電極との間におけるインピーダンスを整合するためのインピーダンス整合部を含み、前記インピーダンス整合部のインピーダンスの値が前記導入端子のインピーダンスと前記電極のインピーダンスの中間の値とされる第1マイクロストリップライン、
    前記高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の長さに設定され、前記インピーダンス整合部とリアクタンス整合部を含み、前記インピーダンス整合部のインピーダンスの値が前記導入端子のインピーダンスと前記電極のインピーダンスとの中間の値とされるとともに、該リアクタンス整合部はリアクタンス成分を除去してインピーダンスが純抵抗成分となり、前記インピーダンス整合部のインピーダンスの値が前記電極のインピーダンスの値とされるとされる第2マイクロストリップライン、
    及び前記高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の2倍の長さに設定されるとともに、多段構造の前記インピーダンス整合部とリアクタンス整合部を含み、該リアクタンス整合部はリアクタンス成分を除去してインピーダンスが純抵抗成分となり、該多段構造の前記インピーダンス整合部のインピーダンスの値が前記電極のインピーダンスの値とされる第3マイクロストリップラインの何れかとされる真空処理装置。
  2. 請求項1に記載の真空処理装置において、
    第3マイクロストリップラインの前記インピーダンス整合部は、複数の線路幅を有する導体パターンにより構成される真空処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の真空処理装置において、
    前記第2マイクロストリップライン又は前記第3マイクロストリップラインは、前記インピーダンス整合部に対して並列に接続される、あるいは前記インピーダンス整合部と前記電極の前記端部との間に直列に接続される、前記インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスが純抵抗分となるようにする前記リアクタンス整合部を備える真空処理装置。
  4. 請求項1から3までの少なくとも一項に記載の真空処理装置において、
    前記マイクロストリップラインの導体部は、全周を誘電体で充填される真空処理装置。
  5. 請求項1から4までの少なくとも一項に記載の真空処理装置において、
    外部に配置されている前記高周波電源から出力される前記高周波電力の電流周波数は、10MHzから200MHzまでの周波数帯域を包括する真空処理装置。
  6. 真空室と、
    前記真空室の内壁に設定されるグランド上に載置される基板に対向するように配設される電極と、
    前記電極に対して前記基板と反対方向に配設され、前記グランドと電気的に接続される防着板と、
    前記電極の両方の端部それぞれと、前記電極の両方の端部それぞれに対応して、外部に配置されている高周波電源から出力される高周波電力を前記真空室の内部に導入するための前記真空室の壁部に設けられる導入端子とを接続し、前記高周波電源から出力される前記高周波電力を前記電極の両方の前記端部それぞれに伝送するためのマイクロストリップラインと
    を具備し、
    前記マイクロストリップラインは、それぞれ前記マイクロストリップラインのグランドが前記真空室の内壁に設定される前記グランドと一致するように配設され、
    また、前記マイクロストリップラインは、
    前記高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の長さに設定された、前記導入端子と前記電極との間におけるインピーダンスを整合するためのインピーダンス整合部を含み、前記インピーダンス整合部のインピーダンスの値が前記導入端子のインピーダンスと前記電極のインピーダンスの中間の値とされる第1マイクロストリップライン、
    前記高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の長さに設定され、前記インピーダンス整合部とリアクタンス整合部を含み、前記インピーダンス整合部のインピーダンスの値が前記導入端子のインピーダンスと前記電極のインピーダンスとの中間の値とされるとともに、該リアクタンス整合部はリアクタンス成分を除去してインピーダンスが純抵抗成分となり、前記インピーダンス整合部のインピーダンスの値が前記電極のインピーダンスの値とされるとされる第2マイクロストリップライン、
    及び前記高周波電源から出力される電力の周波数における電磁波波長の4分の1の2倍の長さに設定されるとともに、多段構造の前記インピーダンス整合部とリアクタンス整合部を含み、該リアクタンス整合部はリアクタンス成分を除去してインピーダンスが純抵抗成分となり、該多段構造の前記インピーダンス整合部のインピーダンスの値が前記電極のインピーダンスの値とされる第3マイクロストリップライン
    の何れかとされる真空処理装置の高周波電力供給方法であって、
    外部に配置されている高周波電源から出力される高周波電力を真空室の内部に導入するための前記真空室の壁部に設けられる導入端子に供給する高周波電力供給ステップと、
    前記導入端子と接続されるマイクロストリップラインを介して、前記電極のそれぞれの前記端部に前記高周波電力を入力する高周波電力入力ステップとを具備する高周波電力供給方法。
  7. 請求項6に記載の真空処理装置における高周波電力供給方法において、
    前記高周波電力入力ステップは、前記第2マイクロストリップライン又は前記第3マイクロストリップラインが、前記インピーダンス整合部に対して並列に接続される、あるいは前記インピーダンス整合部と前記電極の前記端部との間に直列に接続される、前記インピーダンス整合部の出力端部から見たインピーダンスが純抵抗分となるようにする前記リアクタンス整合部を備えたマイクロストリップラインを介して、前記電極のそれぞれの前記端部に前記高周波電力を入力する高周波電力供給方法。
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