JP2003332320A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents
プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法Info
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Abstract
ナを有し、均一で高密度なプラズマを生成可能とする。 【解決手段】 位相制御された複数の給電点を備えたア
ンテナにより装置の中心軸に垂直な電界成分を持つ高周
波をプラズマ処理室に投入することで均一で、高密度な
プラズマを生成できるエッチング装置を提供する。装置
の中心軸付近への電界集中を防止し、均一で高密度なプ
ラズマを形成する。
Description
300mm程度またはこれを越える直径を持つ被処理基
板に均一にプラズマ処理を施すためのプラズマ処理装置
及びプラズマ処理方法に関する。
4号公報に開示されたエッチング装置がある。この従来
技術では円盤状アンテナおよびここに設けたスロットア
ンテナにより処理室内の電磁界分布を調整することで均
一性のよいプラズマ分布を実現する。円盤状アンテナは
誘電体窓を介してプラズマ処理室に電磁波を供給する構
造となっている。
する課題として、前記従来技術では中心付近でプラズマ
発生用に投入した電磁波の電界集中が起き、処理条件に
よってはプラズマ密度分布の均一性が悪化する場合があ
った。
界が集中しないモードで電磁波を処理室に投入すること
で解決できる。前記、従来技術では円形導波管のTM0
1、TM02、TM03等のモードが誘電体窓中に励振
され、これらのモードが主体でプラズマを形成すると考
えられる。これらのモードは中心付近に導波管管軸方向
の電界を持ち、これが中心付近の電界集中をもたらす。
一方、TM21、TM31、TM41等のモードは導波
管中心軸上で電界を持たないため、中心軸付近で電界集
中を起こしにくい。またTM11等のモードは中心付近
で導波管間軸方向の電界成分を持たないため、同様の問
題を生じることがない。これらのモードを用いることで
上記課題は解決できる。
1等のモードは円形導波管の中心軸上で電界を持たず、
中心への電界集中が原理的に発生しない。またTM11
等のモードは導波管間軸方向の電界成分を中心軸上で持
たない。このため装置中心軸上で特異な現象が起きず、
均一性の良いプラズマを発生することができる。
て本発明の一実施例を説明する。図1に本発明を用いた
エッチング装置を示す。周波数450MHzの高周波電
源0101による電磁波は自動整合機0102を介して
同軸線路0103で位相調整回路0104に伝送され
る。位相調整回路0104には円盤状のアンテナ011
3およびアンテナ0114が接続され、誘電体窓010
5、シャワープレート0106を介して処理室0112
に電磁波を放射している。放射された電磁波により処理
室0112内にプラズマを発生させる。処理室0112
内には被処理基板0108を設置するための基板電極0
109が設けられ、さらに基板電極0109には整合機
0110を介して高周波バイアス電源0111が接続さ
れている。高周波バイアス電源0111により被処理基
板0108にバイアス電位を与え、プラズマ中のイオン
を被処理基板0108に引き込むことでエッチング処理
の高速化、形状制御などを行うことができる。処理室0
112には図示しない真空排気系、ガス導入系が接続さ
れ、処理室内をエッチング処理に適した圧力、雰囲気に
保持している。ガスはシャワープレート0106と誘電
体窓0105の間に設けた間隙を介して、シャワープレ
ート0106に多数設けたガス導入口から処理室011
2に導入される。誘電体窓、シャワープレートの材質と
して、電磁波に対して損失が小さく、プラズマ処理に悪
影響を与えない材質、例えば石英、アルミナセラミック
等を用いることができる。本実施例では石英を誘電体
窓、シャワープレートの材質として用いた。また、本実
施例は高周波バイアス電源により被処理基板にバイアス
電位を与え、エッチング処理する事例で説明したが、本
願発明はこれに限定されるものではない、つまり、CV
D装置等ではバイアス電源による被処理基板へのバイア
ス電位は不要である。
2、図3に示す。図2は図1の拡大図、図3は図2に示
す線AAでの断面図を示す。同軸線路0103は金属板
0201に接続している。金属板0201は誘電体01
15の上に配置され、アンテナ0113、アンテナ01
14に450MHz電磁波を分岐して伝送する。アンテ
ナ0113、アンテナ0114はそれぞれ同軸線路の内
部導体を構成している。アンテナ0114と同軸線路0
103の内部導体間の距離d1、アンテナ0113と同
軸線路0103の内部導体間の距離d2の差が金属板0
201を伝わる450MHz電磁波の半波長となるよう
調整されている。従って同軸線路0103から伝わった
電磁波は分岐された後、半波長の経路差を持ってアンテ
ナ0113、アンテナ0114を励振する。そのため両
アンテナは互いに180度の位相差を持って励振され
る。
で構成される導波路の断面形状を示す。一般にマイクロ
ストリップ線路と呼ばれる構造である。導電率の高い金
属で構成された断面が長方形の外部導体内部に誘電体0
115が装荷されている。金属板0201が内部導体と
して動作する。誘電体0115をアルミナセラミック
(比誘電率9.8)とし、各部のサイズを図4に示す様
に定め、図4に示す空気層厚さに対し、本導波路中を伝
播する450MHzの電磁波の波長を計算した結果を図
5に示す。ただし空気層部分の比誘電率を1とした。例
えば空気層厚さ10mmの時、管内波長は291mmと
なり、この場合、半波長の経路差はその1/2の146
mmとなる事が分かる。空気層厚さを変化させることで
管内波長が変化するため、管内波長が計算で求めた値と
真の値が異なる場合、空気層厚さで微調整することがで
きる。管内波長が計算値と異なる要因として計算誤差、
比誘電率の違い等があげられる。図4に示すサイズで空
気層厚さを10mmに設定した場合、図2に示すd1、
d2の差を146mmとすればよいことがわかる。同様
にd1、d2の差を設定することで位相差を任意に調整
することができる。
イクロストリップ線路を用いたが、本願発明はこれに限
定されるものではない、つまり、マイクロストリップ線
路は比較的小型で構造も単純であり製作上有利である
が、他の線路として例えば同軸線路等を用いてもよい。
ベクトルを示す。円形導波管断面の2点から放射状に電
界が出たような分布となっている。図1に示す誘電体窓
0105内部にこのような分布の電磁界を励振するには
放射状に電界を発生させるアンテナを2個用意し、これ
らを互いに逆位相で励振し、TM11モードの電界が放
射状に発生した位置付近に、2つのアンテナを配置すれ
ばよい。アンテナ間の距離を300mmとした場合、図
2におけるd1、d2は両者の差が146mm、両者の
和が300mmとなるのでそれぞれd1を223mm、
d2を77mmとすればよいことがわかる。同様に管内
波長と両アンテナ間の距離が決まれば図2のd1、d2
が定まり、同様の方法で各部のサイズを決定することが
できる。
の電界分布をシミュレーションした結果を示す。処理室
内に均一なプラズマがあるとした場合の電界分布を計算
した。計算量削減のため、1/2モデルで計算した。円
形導波管のTM11モードと同様の分布がプラズマに投
入されることがわかった。
換えて使用できる各種アンテナを示す。図8(a)では
図7に示す実施例で用いた円盤状アンテナを示す。円盤
の中心に給電している。図8(b)に示す例では円盤状
アンテナに偏心して給電しており、アンテナの配置に自
由度が増す、アンテナから放射される電磁界分布が中心
給電のものと比べ異なるなどの効果がある。また同図
(c)に示すように円盤状アンテナの個数は2個に限ら
ず、さらに多くても良い。またアンテナの形状は円盤に
限らず、楕円、線状、円弧状等他の形状であってもよ
い。(c)では2点の給電線をそれぞれ2個に分岐する
回路を設け、4個のアンテナを励振している。(d)で
はさらに分岐点からアンテナまでの距離に経路差を設
け、各アンテナを励振する位相を調整している。4つの
アンテナを90度づつ異なる位相で給電することで、4
つのアンテナ全体から放射される電磁界が回転する円偏
波を発生することができる。静磁界を加えたプラズマ中
で運動する電子は静磁界に垂直方向のローレンツ力を受
け、磁力線に巻き付くようなサイクロトロン運動を行
う。このサイクロトロン運動を加速する方向に回転する
円偏波をプラズマに投入すると、プラズマに対する電磁
波の吸収特性を改善できるほか、軸対称性が良いプラズ
マ密度分布を得ることができる。また(a)〜(d)の
例は複数個のアンテナを励振しているが、例えば
(e)、(f)、(g)に示すように1個のアンテナで
も良い。(e)は円盤、(f)は中心に穴を設けた円
盤、(g)は楕円である。(f)、(g)ではそれぞれ
楕円の穴、楕円の円盤とすることで、TM11モードの
持つ非軸対称性を緩和することができる。また円盤を基
本とした形態を説明したが、アンテナ形状は円盤に限ら
ず、(h)、(i)に示すように線状のアンテナや平
板、螺旋など種々の形状を用いることができる。
相差を与えるために、長さの異なる導波路を用いたが、
位相差を与える他の方法として、コンデンサ、コイルな
どの受動電気回路素子を用いてもよい。図15に回路図
を示す。高周波電源1501にインピーダンスがそれぞ
れRa1+jXa1Ω、Ra2+jXa2Ωのアンテナ
が、それぞれインピーダンスがR1+jX1Ω、R2+
jX2Ωの受動回路素子1502、1503を介して接
続されているものとする。各アンテナに発生する電圧V
a1、Va2はオームの法則により Va1=(Ra1+jXa1)/(R1+jX1+R
a1+jXa1)V Va2=(Ra2+jXa2)/(R2+jX2+R
a2+jXa2)V となる。仮にXa1=Xa2=0、R1=R2=0とす
ると高周波電源1401との位相差はそれぞれ ―tan−1(X1/Ra1) ―tan−1(X2/Ra2) となり、受動回路素子1502、1503を調整するこ
とでアンテナに供給する位相差を調整することが可能と
なる。また位相制御された複数の高周波電源を用いて
も、同様に位相調整が可能であり、これらを用いること
もできる。
数として450MHzを用いた。一般に閉じた空間内で
の電磁波の電磁界分布は、周波数を高めると様々な分布
をとりうるようになり、逆に周波数を下げるととりうる
分布は限られてくる。プラズマ処理装置の場合、周波数
が高くとりうる電磁界分布のパターンが多いと、プラズ
マ密度等のパラメータ変動により電磁界分布が変化し、
生成されるプラズマ処理特性が大きく変化することにつ
ながる。従ってプラズマ処理の均一性を広いプロセス条
件範囲で保つことが難しくなる傾向がある。一方、周波
数が低すぎるとパラメータ変動に対する安定性は高まる
が、プラズマの制御性が乏しくなり、プラズマ処理特性
の制御が困難となる。上記観点からプラズマ発生用電磁
波の周波数に最適範囲があると考える。
直上のプラズマを概略均一に生成する必要がある。電磁
波は概略波長のオーダーで変化するパターンを空間内で
取る傾向にあり、変化するパターンがプラズマ分布の不
均一となり現われやすい。この観点から均一なプラズマ
を得るには被処理基板のサイズと同程度以上の波長を持
つ電磁波を使用するか、あるいは被処理基板のサイズに
比べ波長の極端に短い電磁波を使用するかのどちらかが
望ましい。超LSIなどの半導体装置製造において直径
300mmの被処理基板が今後の主流となる。波長が3
00mmの電磁波の周波数は1GHzとなる。例えば
2.45GHzの周波数で発生したプラズマは比較的プ
ロセスパラメータに敏感であり、先のプラズマ制御性の
議論において高い周波数に相当すると考える。プラズマ
の制御性、プラズマの均一性両面から考えてプラズマ発
生用周波数として1GHz以下が適していると考える。
と実質的に装置内のどの場所も同一の位相で励振される
傾向にあることから、装置内で位相差を設けることが困
難となる。周波数10MHz以上で位相制御の効果が現
われると考える。
の異なる4つのアンテナを給電する本発明の他の実施例
を示す。図8(d)に示す例では位相制御のための導波
路構造とアンテナ部の電磁的な分離が十分でなく、プラ
ズマ発生条件により位相差を4つのアンテナに明確に与
えることができない場合があるが、この点に改良を加え
たものである。アンテナ部以外の部分は図1に示す実施
例と同様であるため、共通する部分の説明を省略する。
図9(a)は、(b)、(c)はそれぞれ装置の断面図
であり、図9(a)は図9(c)のAA断面を、図9
(b)は図9(c)のBB断面を、図9(c)は図9
(a)、(b)のCC断面をそれぞれ示す。位相調整回
路以外の部分については図1に示す実施例と同一である
ので、説明を省略する。電磁波の導入ポート0901か
ら投入された450MHzの電磁波は第1の分岐部09
02で分岐され、それぞれ相対的にプラス90度、マイ
ナス90度の位相で、さらに分岐部0903a、090
3bに電磁波が供給される。分岐部0903a、090
3bはそれぞれ相対的にプラス45度、マイナス45度
の位相で電磁波を分岐し、それぞれ給電部0904a、
0904b、0904c、0904dに電磁波を伝送す
る。最終的にそれぞれ隣り合う各給電部は90度位相の
異なる電磁波で励振される。各給電部にはそれぞれアン
テナ0905が接続され、それぞれ90度異なる位相で
電磁波をプラズマ処理室に放射する。これにより円偏波
を発生し、プラズマ分布の均一性を高める。さらに前述
のように静磁界と組み合わせた場合に、電界の回転方向
を電子のサイクロトロン運動を加速する方向にすること
で、電磁波のプラズマに対する吸収を効率よく行うこと
ができる等の効果がある。
分に分割された例を示したが1つの部品であってもよ
い。
903a、0903bは同じ構造を用いており、1段目
の分岐と2段目の分岐で2層の構造となっている。これ
を分岐部0903a、0903bをいわゆるT型の分岐
とし、1層の構造とすることもでき、図10にこの方法
で簡略化した装置の断面図を示す。図10(a)は図1
0(b)のAA断面を、図10(b)は図10(a)の
BB断面を示す。1層構造とすることで装置の小型化、
部品点数の削減ができる。
本発明の他の実施例を示す。実施例2で示した例は長さ
の異なる導波路を用いることで位相差を与えたが、図1
1の実施例では共振条件に摂動(perturbati
on)を与えたアンテナを用いることで位相差を与え、
回転電界を実現する。
なるので共通する部分の説明を省略する。180度の位
相差で励振された2点の給電点で給電されたアンテナ板
1101が設置され、アンテナ板1101上にアルミナ
セラミックなどの誘電体が装荷されたスロットアンテナ
1102がある。アンテナ板1101、スロットアンテ
ナ1102の詳細を図12に示す。
セラミックが装荷された2つのスロット1202、12
03が配置されている。スロット1203は共振長さに
対し長め、スロット1202は短めの長さとなってい
る。給電点1201(a)、1202(b)は互いに1
80度の位相差を持って励振された電磁波が供給されて
いる。スロット1202と1203は互いに直行する。
さらに給電点1201(a)、1201(b)とスロッ
ト1202、1203はスロット1202、1203の
それぞれの長軸と給電点1201(a)と1201
(b)を結ぶ線が互いに45度の角度を持って交差する
関係にある。
ロットアンテナとして動作する。スロットアンテナはそ
の長さが電磁波の半波長、およびその整数倍となったと
き共振し、効率よく電磁波を放射する。スロット内に装
荷する誘電体の比誘電率を調整することにより、共振す
るスロット長さを調整することができる。本実施例では
アルミナセラミックにより、スロットアンテナを小型化
している。スロット長さを共振する長さから若干長く、
または短くした場合、スロットから放射される電磁波の
位相がずれる。互いに直行するスロットからは互いに直
行する方向の電界が放射されるが、これらの電磁波に位
相差を与えると回転する成分を生じさせることができ
る。直行する電界を放射する2つのスロットで同電力の
電磁波を放射する場合、90度の位相差で効率よく回転
する電磁波を励振することができる。この効果を用いて
回転する電界成分を持つ電磁波を放射することができ、
実施例2と同様の効果を上げることができる。
トアンテナで説明したが、同様の効果はスロットアンテ
ナの個数をさらに増やしても得られる。給電点、スロッ
トアンテナの角度関係も本実施例にあげた数値に限定さ
れるものでなく、各スロットアンテナから放射される電
力、給電点の位相差などに応じて調整してもよい。また
本実施例は90度の位相差を持ち、互いに電界の角度が
90度となる2つの電磁波の合成で回転する電磁波を作
る方法を説明したが、同様に例えば互いに60度の位相
差、電界の角度が互いに60度となる3つの電磁波の合
成でも回転する電磁界を作ることができる。
使用できる他のアンテナ例を示す。概略円形の導体板に
切りかき1301(a)、1301(b)を設けてい
る。これにより切りかきのある方向とこれに直行する方
向で共振点をずらし、図12に示すスロットと同様の効
果を与えることができる。
もアンテナ部分が誘電体窓の大気側に設置されていた
が、アンテナ部をプラズマ処理室側に配置することもで
きる。装置構造が複雑になるが、誘電体窓等を介さず直
接プラズマに電磁波を供給できるため、プラズマの制御
性が増す、プラズマ密度の増大が容易になる、等の利点
がある。図14にアンテナをプラズマ処理室側に配置し
た本発明の他の実施例を示す。図11に示す実施例とは
アンテナ付近の構造が異なるのみであるので、共通する
部分の説明を省略する。図14に示す実施例ではアンテ
ナ板1401にほぼ接するようにシリコンなどのプラズ
マ処理に悪影響を与えない材質で構成されたシャワープ
レート1402が設けられている。アンテナ板1301
は図8または図12または図13に示す構造を用いるこ
とができる。シャワープレート1402からは図示しな
いガス供給系により供給された処理ガスをプラズマ処理
室に供給する。アンテナ板1401により中心軸付近に
静磁界と垂直方向の電界成分を発生でき、中心付近での
密度向上や、プラズマ密度均一化に利点がある。また回
転電界を発生させることでさらにプラズマ均一性の向上
を図ることができる。またアンテナ板を介してシャワー
プレート1402に例えば13.56MHzのバイアス
電源を接続し、バイアス電位を与えることもできる。こ
れにより例えば過剰に発生したプラズマ中の活性種をシ
ャワープレート1402表面で反応させ、活性種の量を
調整する等の効果を上げることができる。
トアンテナ等で発生させる例を示したが、同様に実施例
1,2,3で示した経路差を用いた方法を使用すること
もできる。
発明の他の実施例を説明する。図16に本発明を用いた
エッチング装置を示す。本実施例は図1に示す第1の実
施例とUHFの分岐回路部および分岐回路に接続された
アンテナの構造が異なり、処理室に投入するUHFのモ
ードが異なる以外は同一であるので共通する部分の説明
を省略する。450MHzのUHF電力が自動整合機、
同軸線路を介して位相調整回路1601に伝送される。
位相調整回路1601は図17で説明するように同軸線
路から入力された電磁波を4つの出力ポートに出力す
る。4つの出力ポートにはそれぞれ円盤状のアンテナ1
602、1603、1604、1605が接続され、誘
電体窓、シャワープレートを介して処理室に電磁波を放
射している。放射された電磁波により処理室内にプラズ
マを発生させ、これにより処理室内に設置された被処理
基板にエッチング処理を行う。
17に示す。図17は位相調整回路1601を図16に
示す方向と直角の方向から見た図である。位相調整回路
は主に図4に示すいわゆるマイクロストリップ線路と呼
ばれる導波路とこれを用いた分岐回路で構成されてお
り、1つの入力ポートから最終的に4つの出力ポートに
電磁波を決まった位相差で分岐する働きをする。
1はマイクロストリップ線路で構成された第1の分岐部
1707に接続され、マイクロストリップ線路に変換す
るとともに2方向に電磁波を分岐する。それぞれ分岐さ
れたマイクロストリップ線路は第2の分岐部1702
a、1702bでさらにそれぞれ2方向に分岐される。
最終的に同軸線路1701から入力された電磁波は4つ
の出力ポート1703、1704、1705、1706
に分岐される。分岐部1702aから出力ポート170
3、1704への距離D1、D2はその径路差の絶対値
|D2−D1|がマイクロストリップ線路内での電磁波
の波長λに対し、λ/2となるように調整されている。
そのため出力ポート1703と1704に出力される電
磁波の位相差は180度となる。出力ポート1705、
1706についても同様の構造となっており、出力され
る電磁波の位相差は180度となる。そこで最終的に出
力ポート1703と1705には同位相の電磁波が出力
され、1704と1706にはこれと180度位相の異
なる電磁波が出力される。また各出力ポート1703、
1704、1705、1706はそれぞれの中心位置が
正方形の頂点になるよう配置されている。各出力ポート
1703、1704、1705、1706には円盤状ア
ンテナ1602、1603、1604、1605が接続
されている。
導波路にインピーダンスの不整合部があるとその場所で
反射波が生じる。図17に示す位相調整回路の内部では
分岐部等でUHF電力の反射波が生じる。反射波が生じ
ると投入した電力が有効にプラズマ処理室まで伝送され
なくなる。そこで分岐部等での反射を防止するために位
相調整回路内にインピーダンス整合部を設けてもよい。
構造として、例えばマイクロストリップ線路内部導体の
幅や高さを変えた構造、外部導体の高さ、幅を変えた構
造等が使用できる。
た導波路と同一の構造であり説明を省略する。本実施例
でも実施例1と同様に位相調整用導波路としてはマイク
ロストリップ線路に限定されるものではなく、他の導波
路たとえば同軸線路等を用いてもよい。また経路差を持
った導波路でなく、インダクタ、キャパシタ等の回路素
子を用いた位相調整回路を用いてもよい。
ベクトルを模式的に示す。円形導波管内の2点から放射
状に電界が出て、他の2点に吸い込まれるような分布と
なっている。前述の位相調整回路1601を用いて、互
いに隣り合う2点間に180度位相の異なる電磁波を供
給することで図18に示すTM21モードを励振するこ
とができる。
4つの出力ポート1703、1704、1705、17
06にそれぞれ円盤状のアンテナ1602、1603、
1604、1605を接続してUHF電力を放射した。
しかし、出力ポートに接続するアンテナの形状は円盤状
に限定されるものではなく、他の形状であっても良い。
図19に出力ポートに接続できるアンテナ形状を示す。
図19(a)は4つの円盤状アンテナの中心にそれぞれ
出力ポートの内部導体を接続して給電した場合であり、
(b)は各円盤状アンテナの給電点を中心から偏芯した
位置に接続した例である。(b)に示すアンテナにより
出力ポートの位置を変えないで円盤状アンテナ間の距離
を近づけることができ、アンテナ配置に自由度が増す効
果がある。(c)は(b)の円盤状アンテナを方形アン
テナに変形した例である。各アンテナ間の中心位置をあ
る程度以上に近づけるには、円盤状アンテナでは各円盤
アンテナの直径を小さくする必要がある。アンテナのU
HF導入窓への投影面積が小さいとプラズマの着火性が
悪化する場合があるが、方形アンテナ形状では前記投影
面積をある程度確保できるため、着火性の悪化を防止す
ることができる等の効果がある。(d)は各出力ポート
の内部導体に2つの棒状アンテナを接続した例であり、
さらに(e)は2つの棒状アンテナに至る経路に差を与
えた例である。(d)では合計8つの励振点でUHF電
力を供給するため、プラズマの分布をなだらかにする効
果がある。さらに(e)では各出力ポートに接続された
2つの棒状アンテナに至る経路に経路差を与えており、
この経路差を位相差で90度付近になるよう調整するこ
とで、電界分布を回転させることができる。電界分布が
回転により平均化されるため、さらにプラズマ分布を平
坦にすることができる。(f)、(g)は各出力ポート
の内部導体に円弧状アンテナを接続した例である。
(f)は各円弧の中央で給電した場合、(g)は円弧の
端で給電した場合である。円弧状アンテナとすることで
円弧に沿ってUHFが伝播しながらプラズマに吸収され
るため発生するプラズマの分布を平準化する効果があ
る。また(h)は(f)、(g)に示す円弧をつないで
リング状とした場合である。リング状とすることで
(f)、(g)に示す円弧の場合よりプラズマと相互作
用する面積またはUHF導入窓への投影面積を大きく
し、プラズマの着火性等を改善する効果がある。
位相調整回路では、負荷と出力ポートの接合面で反射波
が生じると、この反射波の影響で位相調整回路内に定在
波が生じるため、負荷に所望の位相差で電磁波を供給す
ることができなくなる場合がある。そこで負荷と出力ポ
ートの間にインピーダンス整合回路を設けてインピーダ
ンス整合をとることで、反射波を防止する場合が多い。
しかし図16に示す構成で誘電体窓内にTM21モード
を励振する場合には誘電体窓自身がこのモードの電磁界
分布を取り易い性質を持つため、反射波防止用のインピ
ーダンス整合回路を必ずしも設ける必要が無い。同様に
位相調整回路0104内で設ける径路差D1−D2を正
確に半波長にする必要がなく、径路差に多少のずれが生
じてもTM21モードを誘電体窓内に励振することがで
きる。このように誘電体窓自身をモードの選択に用いる
ことができる。
への電界集中を防止することができ、均一なプラズマ処
理をより容易に得ることができる。
す図。
る高周波電界分布を示す図。
図。
図。
図。
路図。
図。
Claims (16)
- 【請求項1】 電磁波によりプラズマを発生するプラズ
マ処理装置において、プラズマ発生用電磁波の発生装置
と、プラズマ処理室と、プラズマ処理室に電磁波を投入
するための電磁波放射機構と、プラズマ処理室に電磁波
を投入するための誘電体窓と、該プラズマ処理室内に被
処理基板を戴置するための基板電極と、プラズマ処理室
を所定の圧力、ガス雰囲気に制御するための真空排気系
およびガス導入系と、を備え、一定の位相差で励振され
る給電点を複数備えたアンテナを用いてプラズマ発生用
電磁波をプラズマ処理室に投入するように構成したこと
を特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ処理装置におい
て、静磁界を被処理基板に略垂直に印加する機構を備え
たことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のプラズマ処理装
置において、プラズマ処理室に電磁波を投入するための
誘電体窓に概略接して複数の給電点により励振されるア
ンテナを配置したことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項4】 請求項1または2記載のプラズマ処理装
置において、一定の位相差で励振される給電点が、18
0度の位相差を有することを特徴とするプラズマ処理装
置。 - 【請求項5】 請求項1または2記載のプラズマ処理装
置において、一定の位相差で励振される給電点をN個
(Nは3以上の整数)有し、隣り合う給電点の位相差が
360/N度であることを特徴とするプラズマ処理装
置。 - 【請求項6】 請求項1または2記載のプラズマ処理装
置において、位相差の形成に給電点までの長さが異なる
導波路を用いることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項7】 請求項1または2記載のプラズマ処理装
置において、位相差の形成にコンデンサ、コイルなどの
受動電気回路素子を用いたことを特徴とするプラズマ処
理装置。 - 【請求項8】 請求項1または2記載のプラズマ処理装
置において、位相差の形成に位相制御された複数の高周
波電源を用いたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項9】 請求項1または2記載のプラズマ処理装
置において、アンテナ部がプラズマ処理室に直接露出し
ていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項10】 請求項1または2記載のプラズマ処理
装置において、プラズマ発生に使用する電磁波の周波数
が1GHz以下、10MHz以上であることを特徴とす
るプラズマ処理装置。 - 【請求項11】 請求項1または2記載のプラズマ処理
装置において、アンテナから放射される電磁波が円偏波
となることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項12】 請求項11記載のプラズマ処理装置に
おいて、静磁界の印加機構を備え、該静磁界の向きに対
し電界が右向きに回転することを特徴とするプラズマ処
理装置。 - 【請求項13】 電磁波によりプラズマを発生するプラ
ズマ処理装置において、プラズマ発生用電磁波の発生装
置と、プラズマ処理室と、プラズマ処理室に電磁波を投
入するための電磁波放射機構と、プラズマ処理室に電磁
波を投入するための誘電体窓と、該プラズマ処理室内に
被処理基板を戴置するための基板電極と、プラズマ処理
室を所定の圧力、ガス雰囲気に制御するための真空排気
系およびガス導入系と、を備え、プラズマ発生用電磁波
が出力ポートから出力され、前記出力ポートが略正方形
状に配置され、互いに隣り合う出力ポートから出力され
る電磁波の位相差があり、前記出力ポートに接続された
アンテナを用いて前記プラズマ発生用電磁波をプラズマ
処理室に投入するように構成したことを特徴とするプラ
ズマ処理装置。 - 【請求項14】 請求項13記載のプラズマ処理装置に
おいて、4つの出力ポートからなり、電磁波の位相差が
略180度となることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項15】 電磁波によりプラズマを発生し該発生
したプラズマにより被処理基板を処理するプラズマ処理
方法において、プラズマ発生用電磁波を略正方形状に配
置された4つの出力ポートから出力する工程と、互いに
隣り合う出力ポートから出力される電磁波の位相差を略
180度とする工程と、前記出力ポートに接続されたア
ンテナを用いて前記プラズマ発生用電磁波をプラズマ処
理室に投入する工程とを有し、被処理基板を処理するこ
とを特徴とするプラズマ処理方法。 - 【請求項16】 電磁波によりプラズマを発生するプラ
ズマ処理方法において、プラズマ発生用電磁波を発生す
る工程と、該発生した電磁波をプラズマ処理室に投入す
る工程と、該プラズマ処理室内に被処理基板を戴置する
工程と、該戴置した被処理基板を発生したプラズマによ
り処理する工程と、プラズマ処理室を所定の圧力、ガス
雰囲気に制御する工程と、一定の位相差で励振される給
電点を複数備えたアンテナを用いてプラズマ発生用電磁
波をプラズマ処理室に投入する工程とを具備することを
特徴とするプラズマ処理方法。
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