JP2000306890A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP2000306890A
JP2000306890A JP11113186A JP11318699A JP2000306890A JP 2000306890 A JP2000306890 A JP 2000306890A JP 11113186 A JP11113186 A JP 11113186A JP 11318699 A JP11318699 A JP 11318699A JP 2000306890 A JP2000306890 A JP 2000306890A
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JP
Japan
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plasma
electromagnetic wave
plasma processing
processing apparatus
frequency
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JP11113186A
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English (en)
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Hitoshi Tamura
仁 田村
Seiichi Watanabe
成一 渡辺
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高品質なプラズマ処理を高い均一性で行うこと
を目的とする。 【解決手段】プラズマ中伝搬特性の変化を防止するため
にプラズマ発生用電磁波の周波数をプラズマ密度に対応
するプラズマ振動周波数に比べて小さくする。これによ
りプラズマ分布等の特性を安定化し、プラズマ不安定を
防止することができる。そのため使用できるプロセス条
件範囲が拡大し、高品質なプラズマ処理が行える。 【効果】均一かつ安定なプラズマが広い範囲のプロセス
条件で得られるため、高品質なプラズマ処理を得られる
という効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁波によりプラズ
マを発生するプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波電力によりプラズマを発生さ
せるプラズマ処理装置ではマイクロ波源として波長が真
空中で12cm程度となる周波数2.45GHzのもの
を用いることが多い。この理由は、比較的安価に処理に
適した出力のマイクロ波源が容易に入手できるためであ
る。マイクロ波を石英、アルミナセラミックなどの誘電
体製のマイクロ波導入窓を介して、処理に適した圧力、
ガス雰囲気に保持された処理室に投入し、プラズマを発
生させる。被処理基板は通常マイクロ波導入窓と対向し
て処理室内に設置される。
【0003】マイクロ波の周波数と電子のサイクロトロ
ン周波数を一致させる程度の静磁界を処理室に加え、電
子サイクロトロン共鳴現象によりプラズマ発生を行う場
合もある。電子サイクロトロン共鳴現象を用いることに
より、高密度のプラズマを低い圧力でも容易に生成でき
る。
【0004】直径300mmまたはこれを越える直径を
持つ被処理基板に均一にプラズマ処理を行うにはプラズ
マの分布を被処理基板近傍で均一に制御する必要があ
る。プラズマを構成する電子、イオン等はガス分子との
衝突等により発生領域から拡散する。従ってプラズマ分
布の制御はプラズマ発生領域、またはプラズマ拡散の制
御により行うことができる。
【0005】電子サイクロトロン共鳴を利用したプラズ
マ処理装置では、プラズマ発生領域、プラズマ拡散の制
御は静磁界の調整によって行うことができる。電子サイ
クロトロン共鳴を起こす場所でマイクロ波電力はプラズ
マに強く吸収され、主としてプラズマはこの領域で発生
するといわれている。静磁界の制御により電子サイクロ
トロン共鳴を起こす場所を制御してプラズマ発生領域を
制御することができる。またプラズマは静磁界と垂直な
方向への拡散が抑制されるため、静磁界分布の調整によ
りプラズマ拡散を制御することができる。
【0006】マイクロ波を用いたプラズマ処理装置でプ
ラズマ分布を制御する他の方法としてマイクロ波電磁界
を制御してプラズマ発生領域の分布を制御する方法があ
る。例えば特願平08−78934号公報に開示された
方法のようにマイクロ波電磁界の制御を空洞共振器とス
ロットアンテナを用いて行う方法がある。この方法によ
ればプラズマ発生領域の分布を制御でき、直径300m
mまたはこれを越える直径を持つ被処理基板に均一にプ
ラズマ処理を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般にプラズマ処理装
置では投入するマイクロ波電力によりプラズマ分布など
のプラズマ特性が変動する。例えばマイクロ波電力を増
大させていくとプラズマ分布等の特性が変化する。この
プラズマ特性変動が使用するプロセス条件の近辺で大き
い場合や、1台の装置で異なる種類のプラズマ処理を行
うなど広い範囲のプラズマ発生条件で使用する時に問題
となる場合がある。また時間的にプラズマ特性が変動す
る場合があり、高品質なプラズマ処理を行う上で問題と
なることがある。
【0008】電力によりプラズマ特性が変動する原因は
明確でないが、例えば「プラズマ物理入門」(F.F.Chen
著、内田岱二郎訳 、丸善、昭和61年)に記載されて
いるように、理論的にプラズマ振動周波数と投入する電
磁波の周波数の大小関係でプラズマ中伝搬特性が異なる
ことが知られている。例えば無磁場のプラズマ中ではプ
ラズマ振動周波数より低い周波数の電磁波は伝搬できな
いが、プラズマ振動周波数より高い周波数の電磁波は伝
搬できることが知られている。
【0009】マイクロ波電力によりプラズマ特性が変動
する要因の一つとして以下のように考えることができ
る。プラズマ振動周波数はプラズマ中の電子密度の平方
根に比例する。マイクロ波電力が小さいときは電子密度
も低いためプラズマ振動周波数も低く、プラズマ中をマ
イクロ波は伝搬できる。マイクロ波はプラズマ中で吸収
され、プラズマ密度を増加させる。マイクロ波電力を増
加させるにつれ、電子密度が増大し、プラズマ振動周波
数が高くなる。プラズマ振動周波数とマイクロ波の周波
数が一致する密度まで電子密度が上昇するとプラズマ中
をマイクロ波は伝搬できなくなり、マイクロ波電磁界は
プラズマとマイクロ波投入口の接続面付近にのみ存在で
きるようになる。そのためプラズマ発生領域がマイクロ
波投入口付近に局在するように変化する。その結果プラ
ズマ分布などのプラズマ特性変動が生じる。
【0010】従来技術によれば静磁界によりプラズマ発
生領域およびプラズマの拡散を制御できるが、その両者
を独立に制御することは困難であった。またその制御幅
は十分広いとは言えない課題があった。またスロットア
ンテナを用いた方法ではスロットアンテナの長さと分布
の制御は可能であるが、前記プラズマ特性の変動の不具
合があり、低電力域、高電力域の両者で両立するスロッ
トアンテナパターンを見出すことが困難であるという課
題があった。
【0011】本発明の目的は、上記プラズマ特性変動を
低減するプラズマ処理装置の提供にある。さらに上記プ
ラズマ特性が変動する付近のプロセス条件でプラズマが
不安定な状態となることを防止するプラズマ処理装置の
提供にある。
【0012】本発明の他の目的は、プラズマ分布を制御
するプラズマ処理装置の提供にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は、プラズマ発
生に用いる電磁波の周波数をプラズマ処理に使用するプ
ラズマの電子密度に対応するプラズマ振動周波数に比べ
て小さくすることで解決できる。すなわち電磁波の電力
を変化させても、発生するプラズマの振動周波数に比べ
て電磁波の周波数が小さい電磁波によりプラズマを発生
させることで上記課題の一つは解決できる。
【0014】プラズマ分布の制御についてはプラズマ振
動周波数に比べて周波数の小さい電磁波に対応したスロ
ットアンテナ等を用いることで解決できる。
【0015】プラズマ振動周波数に比べて電磁波の周波
数が小さいので、プラズマ発生直後の過渡的な状態を除
いてプラズマ特性の遷移が発生しにくい。そのため、プ
ラズマ分布および時間的に不安定となることを防止する
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】第1図から第5図を用いて本発明
の第1の実施例を説明する。第1図に本発明を用いたエ
ッチング装置を示す。第1図において、電磁波源111
から放射された電磁波はアイソレータ110、整合器1
09を介して同軸線路108により伝送される。電磁波
の周波数として例えば500MHzのものを用いてい
る。空洞共振器112は同軸構造となっており、内部に
石英、アルミナセラミックなどの誘電体が装荷されてお
り、波長を短くすることで小形化を図っている。空洞共
振器112の構造は同軸構造に限定されるものではな
く、例えば円柱空洞共振器を用いてもよい。また小形化
等の必要がない場合には誘電体を装荷しなくともよい。
空洞共振器112は例えばアルミニウム、銅などの導電
率の高い材質でできており、電磁波電力の損失を防止し
ている。空洞共振器112の高さは誘電体中の波長に対
し概略半波長の整数倍となっている。空洞共振器112
はスロット板114上の結合孔113から電磁波を効率
良く放射できるよう、その内部の電磁界を調整するため
に用いられる。
【0017】空洞共振器112の導入窓103側には結
合孔113を持つスロット板114が設けられ、導入窓
103を介して処理室107内に電磁波を放射する。導
入窓103の材質は電磁波の損失が小さく、プラズマ処
理に悪影響を与にくい誘電体として例えば石英、アルミ
ナセラミックスなどが用いられる。処理室107の周囲
には静磁界発生装置102が設置されており、処理室1
07内に静磁界を加えることができる。静磁界を処理室
107内に加え、これを制御することにより、処理室内
に発生したプラズマの拡散、発生領域を制御して、プラ
ズマ分布を制御することができる。また静磁界の大きさ
を投入する電磁波に対して電子サイクロトロン共鳴を起
こす程度の大きさとすることもできる。電子サイクロト
ロン共鳴とは静磁界中でサイクロトロン運動をする電子
の回転周期と外部から加える電磁波の周期が一致したと
き電磁波のエネルギーが電子の運動エネルギーに共鳴的
に変換される現象をいう。電磁波の周波数が500MH
zの場合電子サイクロトロン共鳴を起こす静磁界の大き
さはおよそ0.0179テスラとなる。電子サイクロト
ロン共鳴によりプラズマが容易に発生できるようになる
ため、高真空域など従来プラズマ発生が困難であった領
域でもプラズマ処理が可能となる。
【0018】処理室107は図示しない真空排気系、お
よび図示しないガス供給系によりプラズマ処理に適した
圧力、ガス雰囲気に保持されている。処理室107内に
被処理基板104を設置するための基板電極が設置され
ている。基板電極は直流的に絶縁され、整合器105を
介して高周波電源106が接続されている。高周波電源
106により数百kHzから数十MHz程度の周波数の
電磁波を被処理基板104に加え、バイアス電位を発生
させることができる。
【0019】プラズマ周波数とプラズマ密度の関係は例
えば「プラズマ物理入門(F.F.Chen著、内田岱二郎訳
、丸善、昭和61年)」に示されているように理論的
に第1式のように表現できる。第4図に両者の関係を示
す。
【0020】
【数4】
【0021】例えば周波数2.45GHzに対して7.
4×10の16乗(/m3)、915MHzに対して
1.0×10の16乗(/m3)、500MHzに対し
て3.1×10の15乗(/m3)の密度でそれぞれプ
ラズマ周波数と投入する電磁波の周波数が一致する。こ
の前後のプラズマ密度でプラズマ中電磁波の伝搬特性が
異なるため、プラズマ特性が異なる。すなわち例えば周
波数500MHzの電磁波でプラズマを発生した場合、
3.1×10の15乗(/m3)以上の密度領域でプラ
ズマ特性が大幅に変動することなく安定したプラズマを
発生することができる。
【0022】結合孔113として例えばスロットアンテ
ナを用いることができる。スロット板114は導電率の
高い材質として例えばアルミニウム、銅などでできてい
る。さらに導電率の高い銀等を表面に被覆してもよい。
【0023】スロットアンテナの動作原理を簡単に第2
図を用いて説明する。電磁界中におかれた導体板201
にスロット状の穴202を設けると、導体板201上を
流れる表面電流203が穴202によりさえぎられ、穴
202の縁に電荷204が誘起される。電荷204が新
たな電磁波の放射源として動作し、電磁波を放射する。
穴202の縁に誘起される電荷204はスロット状の穴
202の中央付近に蓄積されやすい。従ってスロット状
の穴202の中央付近から最も強く電磁波が放射される
傾向がある。
【0024】第3図にスロットアンテナの特性例を示
す。横軸に電磁波の波長で規格化したスロットアンテナ
の長さ、縦軸に入射電力で規格化した透過電力、反射電
力を示す。ここで透過電力とはスロットアンテナにより
放射された電力をさし、反射電力とは放射されずに電力
を入射した側に戻った電力をいう。スロットアンテナの
長さが約半波長になったところで透過電力が最大、反射
電力が最小になっていることがわかる。すなわちスロッ
トアンテナはその長さを電磁波の波長に対し約半分の長
さにしたとき効率良く電磁波を放射することができる。
さらにスロットアンテナの長さが半波長の整数倍であっ
ても効率良く電磁波を放射することができる。半波長の
整数倍の長さのスロットアンテナは半波長のスロットア
ンテナを複数個配置した場合とほぼ等価であると考える
ことができるためである。
【0025】電磁波の周波数が500MHzの場合、波
長は自由空間でおよそ600mmとなる。スロットアン
テナが自由空間にある場合にはその長さを波長の1/2
である約300mmとすると効率良く電磁波を放射する
ことができる。波長の長くなる低い周波数を用いる場
合、スロットアンテナの長さも波長に応じて長くする必
要がある。しかし誘電体を用いることでスロットアンテ
ナの長さは短くすることができ、サイズを小形化するこ
とができる。第2式に誘電体の比誘電率と誘電体中の電
磁波の波長の関係を示す。
【0026】
【数5】
【0027】例えば本実施例で空洞共振器112内部の
誘電体、および導入窓103の材質として石英を用いる
と、石英の比誘電率は4程度であるため、波長が約半分
に短くなり、スロットアンテナの長さも半分程度と短く
できる。同様に誘電体としてアルミナセラミックを用い
た場合、比誘電率は9から10程度であるため、スロッ
トアンテナの長さをおよそ1/3程度にすることができ
る。スロットアンテナとして動作する穴内部に誘電体を
装荷してもよい。波長を短くするためにはかならずしも
スロットアンテナの周囲総てを誘電体で覆う必要はな
く、例えばスロットアンテナの片側のみを誘電体に接し
て設置することで波長は短縮できる。このとき放射効率
が高くなるスロットアンテナの最適な長さは誘電体中の
半波長と自由空間の半波長の間の値をとる。異なる比誘
電率の誘電体でスロットアンテナを囲んだ場合も同様に
両媒質中の半波長の間の値をとる。
【0028】スロットアンテナはスロット板上を流れる
表面電流を遮るように配置すればよい。第5図にスロッ
トアンテナの配置の例を示す。空洞共振器内の電磁界分
布や表面電流分布は円柱、同軸、直方体等の基本的な構
造については例えば「マイクロ波回路の基礎とその応用
(小西良弘著、総合電子出版社、1992年)」に記載
のように理論的に明らかになっている。本実施例では空
洞共振器として同軸空洞共振器を用いているため、スロ
ット板上では放射状に表面電流が流れる。従ってスロッ
トアンテナは半径方向に対してゼロでないある角度をも
って配置することで表面電流を遮ることができる。
【0029】第5図(a)は直線状のスロットアンテナ
を同一円周上に配置した例である。スロットアンテナは
放射状に流れる表面電流に垂直に配置しているため表面
電流を効率良く遮る効果がある。第5図(b)は第5図
(a)の各スロットアンテナを半径方向に対して一定角
度傾斜させた例である。第5図(a)と比べて半径方向
の広い範囲にわたってスロットの開口部があるため、半
径方向に均一に電磁波を放射する効果がある。
【0030】またスロットアンテナは必ずしも直線状と
する必要はない。第5図(c)は円弧状のスロットアン
テナを配置した例である。円弧状スロットアンテナ等非
直線状スロットアンテナの場合もスロットアンテナの長
さと透過率の関係は前述の直線状スロットアンテナの場
合と概略同様であり、電磁波の波長の約1/2の長さで
透過率が最大となる。アンテナ近傍に誘電体が存在する
場合も直線状スロットアンテナと同様である。円弧状の
スロットアンテナを用いることでスロット板上にスロッ
トアンテナを密に配置することができるほか、比較的長
いスロットアンテナであってもスロット板上に配置する
ことができる。また円弧状スロットアンテナの場合も直
線状スロットアンテナの場合と同様マイクロ波の放射は
スロットアンテナの中心付近で強く行われる。従って第
5図(c)に示すように各スロットアンテナの中心位置
を角度方向に均等に配置することで角度方向にも均一に
マイクロ波を放射することができる。非円弧状、非直線
状スロットアンテナの場合も同様に考えることができ、
スロット板の形状、スロット板を流れる表面電流分布、
電磁波の波長等を考慮してスロットアンテナの形状、配
置を決定することができる。
【0031】第6図に空洞共振器として円形導波管のT
M11モードで共振する場合のスロットアンテナの例を
示す。第6図(a)は円形導波管のTM11モードの電界
に垂直になるようスロットアンテナを配置した例であ
る。スロットアンテナの長さは前述のように用いるアン
テナ周囲の誘電体中電磁波の波長の半分としている。第
6図(b)は第6図(a)の中央部のスロットアンテナ
を取り除き、プラズマ発生領域の分布を中央で低く、周
囲で高い分布となるよう調整した例である。
【0032】スロットアンテナから放射された電磁波に
より発生するプラズマの分布は概略以下の過程により決
まると考えられる。処理室に電磁波を投入すると処理室
の形状等に応じた電磁界が形成される。処理室内のガス
分子が形成された電磁界により電離し、プラズマが発生
する。発生したプラズマはガス分子との衝突により拡散
する。一方発生したプラズマにより処理室内の電磁界分
布が変化するためプラズマ発生領域が移動する。発生し
たプラズマがの密度が上昇するとプラズマ中を電磁波は
伝搬しなくなり、電磁界は電磁波の投入機構としてのス
ロットアンテナ付近のみに局在することになる。従って
プラズマ発生領域もスロットアンテナの近傍に局在す
る。従ってプラズマ発生領域の分布はスロットアンテナ
の配置により制御することができる。
【0033】一般にプラズマは主に壁面で損失するた
め、プラズマ処理室内部では中央で高く、壁面近傍で低
い密度となる傾向がある。均一なプラズマ処理を被処理
基板に行うには被処理基板近傍でプラズマを均一にする
必要があるが、そのためにはプラズマ発生領域の分布を
壁面付近で高く、中央付近で低くすることで、壁面近傍
での密度低下を防止することができる。プラズマ発生領
域制御のためにスロットアンテナをリング状に配置する
ことでプラズマ発生領域をリング状にし、被処理基板付
近で均一なプラズマ密度分布に制御する。
【0034】電磁波がプラズマで遮断されるには前述の
ように電磁波の周波数がプラズマ振動周波数に比べて小
さい必要がある。プラズマ振動周波数はプラズマ密度に
対応するので使用するプラズマの密度を決めれば用いる
電磁波の周波数の上限が定まる。
【0035】したがって電磁波の周波数上限については
概略第3式のように表現できる。
【0036】
【数6】
【0037】通常のドライエッチング装置に用いるプラ
ズマの密度は1立方メートルあたり10の16乗個以上
であり、これに対応するプラズマ振動周波数は約900
MHzとなる。
【0038】一方スロットアンテナにより効率よく電磁
波を放射するには前述のようにスロットアンテナの長さ
を電磁波の半波長またはその整数倍程度にする必要があ
る。あるサイズのスロット板上にスロットアンテナを配
置するにはスロットアンテナが該スロット板に収まるよ
う電磁波の周波数とスロット板周囲の比誘電率を定める
なければならない。したがってスロット板のサイズおよ
び周囲の比誘電率が決まれば電磁波の周波数の下限が定
まる。スロット板に配置できる最大のスロットアンテナ
長さと電磁波の周波数の関係は第4式の様に表現でき
る。
【0039】
【数7】
【0040】本実施例ではスロット板のサイズは被処理
基板と同程度としている。均一なプラズマ処理を被処理
基板に施すには被処理基板付近で均一なプラズマを生成
する必要がある。そのため被処理基板と対向した位置に
前述のように概略リング状にスロットアンテナを配置
し、被処理基板と同等サイズのプラズマを生成する。そ
のためスロット板に配置できるスロットアンテナ長さの
最大値は概略被処理基板サイズと同等の大きさとなる。
従って第4式はさらに概略第5式の様に表現できる。
【0041】
【数8】
【0042】例えば被処理基板が直径300mmの円板
である場合、被処理基板のサイズとして300mm、ス
ロットアンテナ周囲にアルミナセラミック(比誘電率1
0とする。)を配置した場合、第5式で求める電磁波の
周波数下限は158MHzとなる。
【0043】本実施例では静磁界発生装置102により
プラズマに静磁界を加えているが必ずしも必須のもので
なく、電子サイクロトロン共鳴の利用や静磁界によるプ
ラズマ拡散制御を行わない場合には省いてもよい。
【0044】本実施例では電磁波の放射にスロットアン
テナを用いた例を説明したが、必ずしもこれに限定され
るものではない。第8図、第9図を用いてスロットアン
テナに代えて使用可能なアンテナの一例としてパッチア
ンテナを示す。誘電体板801上に線状のパターン80
2が設けられている。パターン802は導電率の高い
銀、銅、アルミニウムなどを膜状に形成したものであ
る。誘電体板801は例えば石英、アルミナセラミック
などのプラズマ処理に悪影響を与えにくくかつ電磁波の
損失が比較的小さい物質でできている。一般に電磁界中
に導電体を設けるとその表面に電流が流れる。本実施例
の場合パターン802表面に沿って電流が流れる。パタ
ーン802の長さが電磁波の1/2波長の整数倍である
と表面電流が共振し、効率良く電磁波を放射するアンテ
ナとして動作する。ただし電磁波による表面電流は完全
導体表面では理論的に電磁波の磁界と導体表面の法線方
向ベクトルの両者のベクトル積方向に流れるため、磁界
と導体表面の法線方向ベクトルが平行の場合、表面に電
流は流れない。従って線状のパターン802は電磁波の
磁界803に沿った方向に設けることを避ける必要があ
る。
【0045】第9図にパッチアンテナのパターンを例示
する。第9図(a)は放射状にパターンを設けた例であ
る。本実施例では電磁波は同軸線路により導入されてい
ることに対応し、電磁波の磁界に対し垂直な方向に線状
のパターンを設けている。第9図(b)は線状のパター
ンを若干傾斜させた例であり、各パッチアンテナの放射
電磁界を互いに重ねあわせることで広い領域で均一に電
磁波を放射する効果がある。
【0046】パッチアンテナの線状パターンに替わり導
体棒を用いても良い。この場合パターンを固定するため
の誘電体板を用いなくてもよい。またこの第3の実施例
では第2の実施例におけるスロットアンテナに置き換え
て使用することも可能である。
【0047】実施例2 第7図を用いて本発明の第2の実施例を説明する。第1
の実施例では被処理基板と同等の広さにわたってプラズ
マ生成領域を持つのに対し、第2の実施例ではプラズマ
生成領域が被処理基板に対して小さくなっている。この
生成領域からのプラズマを拡散により拡大している点の
みが異なる。そのため共通する部分の説明を省略する。
【0048】第1の実施例における処理室107に相当
する部分が第2の実施例ではプラズマ発生室701とプ
ラズマ拡散室702に分離している。プラズマ発生室7
01で発生したプラズマは静磁界発生装置703および
静磁界発生装置704による静磁界にそってプラズマ拡
散室702で拡散させ、被処理基板付近で均一なプラズ
マとしている。プラズマ拡散室の静磁界を細かく制御す
る必要がない場合は静磁界発生装置704は不要であ
る。拡散によるプラズマ均一化を行っているため、プラ
ズマ発生部分を小さくできる利点がある。プラズマ発生
室701とプラズマ処理室702は必ずしも明確に分離
している必要はなく、一つの処理室としてもよい。
【0049】静磁界中でプラズマは静磁界と垂直な方向
への拡散が抑制され、主に静磁界の方向に拡散する。本
実施例でプラズマはマイクロ波導入窓707付近で発生
し、磁力線にそって拡散し被処理基板705付近に輸送
される。従って被処理基板705付近で均一なプラズマ
とするには被処理基板705を横切る磁力線がマイクロ
波導入窓707と交差する領域付近でのプラズマを均一
となるよう制御すればよい。すなわち被処理基板705
の周囲を横切る磁力線706がマイクロ波導入窓707
と交差する領域で均一なプラズマを発生させればよい。
【0050】本実施例ではプラズマ生成領域が被処理基
板に対して小さくできるため第1の実施例における第5
式に相当する式は第6式のように表現できる。
【0051】
【数9】
【0052】ただし第6式においてプラズマ面積の拡大
率αを第7式のように定義する。
【0053】
【数10】
【0054】
【発明の効果】本発明によりプラズマの分布が圧力、電
力等の使用条件を変更しても広い領域で安定しているこ
と、またプラズマが明滅する等の不安定も防止できるこ
とにより高品質なプラズマ処理を施すことのできるプラ
ズマ処理装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたエッチング装置を示す断面図で
ある。
【図2】スロットアンテナの動作を示す説明図である。
【図3】スロットアンテナの長さと放射効率の関係を示
す説明図である。
【図4】プラズマ振動周波数とプラズマ密度の関係を示
す説明図である。
【図5】スロットアンテナの形状と配置を示す説明図で
ある。
【図6】スロットアンテナの形状と配置を示す説明図で
ある。
【図7】本発明を用いたエッチング装置を示す断面図で
ある。
【図8】パッチアンテナを示す説明図である。
【図9】パッチアンテナの形状と配置を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
102…静磁界発生装置、103…導入窓、104…被
処理基板、105…整合器、106…高周波電源、10
7…処理室、108…同軸導波管、109…整合器、1
10…アイソレータ、111…電磁波源、112…空洞
共振器、113…結合孔、114…スロット板、201
…導体板、202…スロット状の穴、203…表面電
流、204…電荷、701…プラズマ発生室、702…
プラズマ処理室、703…静磁界発生装置、704、静
磁界発生装置、801…誘電体板、802…線状のパタ
ーン、803…電磁波の磁界。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K057 DA16 DD01 DG20 DM18 DM22 DM28 DM29 DM33 DN01 5F004 AA00 BA14 BA16 BB11 BB14 BB18

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁波によりプラズマを発生させるプラズ
    マ処理装置において、真空排気系、処理ガスの供給系、
    被処理基板載置用基板電極、複数の電磁波放射手段を有
    し、プラズマ処理を行う条件におけるプラズマの密度に
    対応するプラズマ振動周波数fp、プラズマ発生用電磁
    波の周波数f、被処理基板を規定するサイズの最も大き
    い寸法D、電磁波放射手段周囲の比誘電率εの間に、次
    の(但しcは光速)の関係が成立することを特徴とする
    プラズマ処理装置。 【数1】
  2. 【請求項2】請求項1記載のプラズマ処理装置におい
    て、電磁波放射手段がスロットアンテナであることを特
    徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のプラズマ処理装置におい
    て、電磁波放射手段がパッチアンテナであることを特徴
    とするプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載のプラズマ処理装置におい
    て、スロットアンテナのスロット長さが概略電磁波のス
    ロットアンテナ周辺の媒質中での波長の1/2の整数倍
    であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】請求項2記載のプラズマ処理装置におい
    て、概略線状のパッチアンテナの長さが概略電磁波のス
    ロットアンテナ周辺の媒質中での波長の1/2の整数倍
    であることを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】電磁波によりプラズマを発生させるプラズ
    マ処理装置において、、真空排気系、処理ガスの供給
    系、被処理基板戴置用基板電極、複数の電磁波放射手段
    を有し、プラズマ発生用電磁波の周波数fに、次の関係
    が成立することを特徴とするプラズマ処理装置。 【数2】
  7. 【請求項7】請求項6記載のプラズマ処理装置におい
    て、電磁波放射手段がスロットアンテナであることを特
    徴とするプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】請求項6記載のプラズマ処理装置におい
    て、電磁波放射手段がパッチアンテナであることを特徴
    とするプラズマ処理装置。
  9. 【請求項9】電磁波によりプラズマを発生させるプラズ
    マ処理装置において複数の電磁波放射手段、静磁界の発
    生手段、電磁波の導入窓を有し、プラズマ処理を行う条
    件におけるプラズマの密度に対応するプラズマ振動周波
    数fp、プラズマ発生用電磁波の周波数f、電磁波放射
    手段周囲の比誘電率ε、被処理基板の周囲を横切る磁力
    線がマイクロ波導入窓と交差する領域の直径dの間に、
    次の(但しcは光速)の関係が成立することを特徴とす
    るプラズマ処理装置。 【数3】
  10. 【請求項10】請求項9記載のプラズマ処理装置におい
    て、電磁波放射手段がスロットアンテナであることを特
    徴とするプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】請求項9記載のプラズマ処理装置におい
    て、電磁波放射手段がパッチアンテナであることを特徴
    とするプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】請求項4記載のプラズマ処理装置におい
    て、アンテナ周囲の媒質の比誘電率が9以上であること
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  13. 【請求項13】請求項5記載のプラズマ処理装置におい
    て、アンテナ周囲の媒質の比誘電率が9以上であること
    を特徴とするプラズマ処理装置。
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