JPH09289099A - プラズマ処理方法および装置 - Google Patents

プラズマ処理方法および装置

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JPH09289099A
JPH09289099A JP9036521A JP3652197A JPH09289099A JP H09289099 A JPH09289099 A JP H09289099A JP 9036521 A JP9036521 A JP 9036521A JP 3652197 A JP3652197 A JP 3652197A JP H09289099 A JPH09289099 A JP H09289099A
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JP
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microwave
plasma
mode
cavity resonator
slot antenna
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Application number
JP9036521A
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English (en)
Inventor
Seiichi Watanabe
成一 渡辺
Muneo Furuse
宗雄 古瀬
Hitoshi Tamura
仁 田村
Toru Otsubo
徹 大坪
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マイクロ波プラズマの均一性を制御しやすく
し、被処理基板が12インチ以上になっても均一なプラ
ズマ処理を行う。 【解決手段】空洞共振器6の底部に設けたスロットアン
テナ8から放射されるマイクロ波を用いてプラズマを生
成する際に、空洞共振器6の底部に流れる表面電流と平
行でも垂直でもない角度でスロットアンテナ8を設け、
スロットアンテナ8から放射されるTE0mモードとTM
0nモード(m,nは正の整数)の混在したマイクロ波に
よってリング状のプラズマを生成し、試料を処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理方法
および装置に係り、特にマイクロ波によりプラズマを発
生させ、ウエハ等の被処理基板に対してエッチング,成
膜等のプラズマ処理を施すのに好適なプラズマ処理方法
および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロ波プラズマ処理装置とし
ては、例えば、EP−A−0674334号公報(特開
平6−48287号公報)に記載のように、空洞共振器
と空洞共振器の底部に流れる表面電流に対し直交方向に
配置したスロットアンテナとを用いた装置が知られてい
る。該スロットアンテナの使用により、空洞共振器内の
マイクロ波モードと同じモードのマイクロ波をスロット
アンテナにより放射し、プラズマを生成するよう構成さ
れていた。
【0003】また、従来のスロットアンテナを用いた装
置としては、例えば、U.S.P.4,776,918号明
細書(特開昭63−103088号公報,特開昭63−
236327号公報,特開昭63−263725号公報
および特開昭63−293825号公報)に示されたよ
うに空洞共振器の一部にスリットを設け、該スリットを
プラズマ発生室に向けて設置したもの、および、U.S.
P.5,134,965号明細書(特開平3−94422
号公報)に示されたように同軸型の空洞共振器の基板に
対向する面にスロットを設けたり、プラズマ室に第1の
スロット板を介して第1空洞共振室を設け、第1空洞共
振室に第2のスロット板を介して第2空洞共振室を設け
たものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、複数
モードのマイクロを組み合わせたプラズマ制御の点につ
いて配慮されておらず、単一モードのマイクロ波による
プラズマしか生成できず、プラズマの均一性を制御する
のに問題があった。
【0005】ところで、半導体集積回路の集積度が高く
なるに伴い生産性を高めるために、ウエハと呼ばれる被
処理基板のサイズは大きくなってきている。次世代の集
積回路では直径12インチ(約300mm)といった巨
大な基板に多くの半導体装置を形成しなければならない
といわれており、この巨大な基板に均一な成膜またはエ
ッチング等の処理を行う必要がある。しかしながら、上
記従来技術においては、被処理基板の大口径化に対して
十分考慮されていなかった。
【0006】本発明の目的は、プラズマの均一性を制御
しやすいプラズマ処理方法および装置を提供することに
ある。また、マイクロ波を用いたプラズマ処理におい
て、直径が12インチ(約300mm)以上になっても
被処理基板に対して半径方向に亘って均一なプラズマ処
理を行うことができるプラズマ処理方法および装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は真空排気装置が接続され内部を減圧可能な
処理室と、前記処理室内へガスを供給するガス供給装置
と、空洞共振器底部に設けたスロットアンテナから放射
されるマイクロ波を利用して前記処理室内部にプラズマ
を発生させるプラズマ発生手段とから成るプラズマ処理
装置において、前記スロットアンテナが配置された面に
流れる表面電流に対し平行および直角を除く角度で前記
スロットアンテナを設けたものである。また、本発明は
TM01モードのマイクロ波を空洞共振器内に導入し、T
0mnモード(m,nは正の整数)のマイクロ波を空洞
共振器内に励振し、空洞共振器底部に流れる表面電流の
方向と平行でも垂直でもない角度でリング状に配置した
スロットアンテナからマイクロ波を放射させたものであ
る。すなわち、TM01モードのマイクロ波を空洞共振器
内に導入することにより、TM0mnモード(m,nは正
の整数)のマイクロ波を空洞共振器内に容易に励振でき
る。この空洞共振器の底面には放射状に、つまり径方向
に表面電流が流れる。スロットアンテナを表面電流の方
向と平行でも垂直でもないある一定の角度で交わるよう
に、そしてリング状に配置するようにすると、径方向お
よび周方向のマイクロ波電界がスロットアンテナより放
射される。言い替えると、TE0nモードとTM0mモード
(m,nは正の整数)の混在したマイクロ波が放射され
る。したがって、スロットアンテナと前記表面電流の交
わる角度を選定することにより、TE0nモードとTM
0mnモード(m,nは正の整数)の比を最適化できるの
で、生成されるマイクロ波プラズマの均一性を容易に制
御できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1な
いし図6により説明する。図1は、本発明のプラズマ処
理装置の一実施例である有磁場マイクロ波ドライエッチ
ング装置を示す。1は、容器1aとその上部に設けられ
た放電管1bと放電管1bの上部開講に設けた石英窓2
とから構成され、内部を気密保持可能な処理室である。
3は、放電管1bの外側に巻装されたコイルである。4
はマイクロ波を発振するマグネトロンである。5はマグ
ネトロン4からのマイクロ波を伝播する導波管であり、
この場合、マグネトロン4を一端に設け矩形TE10モー
ドのマイクロ波を伝播させる矩形導波管5aと、矩形導
波管5aの他端に直交して接続され円形TM01モードの
マイクロ波を伝播させる円形導波管5bと、矩形導波管
5aの他端に設けられ矩形導波管5aから円形導波管5
bに伝播するマイクロ波の伝播モードを変換させる導電
性直方体でなる短絡板5cとから構成される。6は円形
導波管5bの他端に接続され、TM011モードのマイク
ロ波を共振させる共振器である。7は共振器6の底面を
成し、スロットアンテナ孔8を有するスロットアンテナ
板である。9は容器1aの底部に電気的に絶縁され貫通
して設け、処理室1内部でウエハ10を配置する試料台
である。11は試料台9に接続された高周波電源であ
る。
【0009】上記のように構成された装置において、容
器1a,放電管1b及び石英窓2で区画された処理室1
の内部を真空排気装置(図示省略)によって減圧した
後、ガス供給装置(図示省略)によりエッチングガスを
処理室1内に導入し、所望の圧力に調整する。また、処
理室1はコイル3によって形成される磁場領域内にあ
る。マグネトロン4から発振された、この場合、2.4
5GHzのマイクロ波は、導波管5内、すなわち、矩形
導波管5aおよび円形導波管5b内を伝播し、共振器6
内に導入される。共振器6の底面はスロットアンテナ板
7が設けられている。スロットアンテナ板7より放射さ
れたマイクロ波は、石英窓2内を伝播する間に特定のモ
ードを形成し、石英窓2を透過して処理室1内に入射さ
れる。
【0010】この場合、石英窓2の板厚を厚く、具体的
には、板厚を25mm程度としており、スロットアンテナ
とプラズマ界面間の距離を媒質中でのマイクロ波の管内
波長の1/4以上の長さとしている。この距離を設ける
ことにより、スロットアンテナ板7から放射されたマイ
クロ波が石英窓2内を伝播する間に一定のモードを形成
し、プラズマ中、すなわち、処理室1内に投入されるよ
うになる。
【0011】このマイクロ波によって生成されたプラズ
マより、試料台9に配置されたウエハ10がエッチング
処理される。また、ウエハ10のエッチング形状を制御
するため、試料台9には整合器(図示省略)を介して高
周波電源11を接続し、高周波電圧を供給することによ
り試料台9にバイアス電圧を印加可能になっている。
【0012】本実施例の場合、図2に示すように矩形導
波管5aと円形導波管5bとの接合部にモード変換器で
ある、この場合、矩形導波管の断面と同じサイズの導電
性直方体からなる短絡板5cを設置し、矩形導波管5a
内を伝播する矩形TE10モードのマイクロ波から円形T
01モードのマイクロ波へモード変換させて、円形導波
管5b内へTM01モードのマイクロ波を伝播させてい
る。TM01モードのマイクロ波が共振器6に導入される
ことにより、共振器内ではTM011モードを容易に励振
できるという効果がある。また、マイクロ波のモードを
変換させて伝播させる導波管5および共振器6は全て空
洞の導波管で構成されており、導波路内で異常な放電が
発生することなく、高出力のマイクロ波を投入できるよ
うになっている。
【0013】TM011モードの共振器6の底部には、図
3に示すように、中心から径方向に放射状の表面電流8
1が流れる、すなわち、径方向に放射する電界となる。
ここで、横長のスロットアンテナ孔、すなわち、表面電
流に垂直な方向に長い孔を有するスロットアンテナ孔を
配置した場合には、スロットアンテナ孔の最短の孔の距
離の方向が径方向の電界の方向と一致し、スロットアン
テナ孔内で表面電流と同方向にマイクロ波電界が向くの
で、石英窓2内へは、共振器6内で共振したTM01モー
ドのマイクロ波と同方向の表面電流をもつマイクロ波が
放射され、石英窓2内を伝播するうちにTM01モードの
マイクロ波が形成されることになる。また、縦長のスロ
ットアンテナ孔、すなわち、表面電流と平行に長い孔を
有するスロットアンテナ孔を配置した場合には、表面電
流と同方向のスロットアンテナ孔内に生じる電界強度は
孔の間隔が大きくなるので弱くなり、石英窓2へはマイ
クロ波がほとんど放射されない状態となる。
【0014】これに対し、本実施例では、図3に示すよ
うにスロットアンテナ孔8を表面電流81に対し、垂直
でも平行でもない角度で配置する。このように配置した
場合には、スロットアンテナ孔8内には、径方向の電界
Erと周方向の電界Eθとが、スロットアンテナ孔7a
と表面電流との角度θに応じた割合で生じる。したがっ
て、石英窓2内へは、図4に示すように径方向の電界を
もつTM01モードと、径方向に略直角の方向の電界をも
つTE01モードとの混在した表面電流のマイクロ波が放
射される。TE01モードのマイクロ波は、導波管径の約
1/2の箇所で最も電界強度が大きくなるため、図3に
示すようにスロットアンテナ孔8をリング状に配置する
リング中心径φcを共振器6の内径の約1/2にすると
効率良くTE01モードのマイクロ波が放射される。スロ
ットアンテナ孔8と表面電流81との角度θを45度と
し、リング中心径φcを共振器6の内径の約1/2とす
ると石英窓2へはTM01モードとTE01モードのマイク
ロ波が、ほぼ1:1の割合で放射される。TM01モード
およびTE01モードはともに軸対称の電界強度分布を有
しており、これらモードの混在したマイクロ波を処理室
1に投入することにより、軸対称分布をしたプラズマを
容易に生成できるという効果がある。なお、図5にスロ
ットアンテナ孔8と表面電流81との角度θを変化させ
たときのマイクロ波モードの透過率の変化を示す。
【0015】生成されるプラズマは、外周部である処理
室1の壁面では大きく損失するが、中央部中心軸上では
損失は少ない。したがって、リング状にプラズマ生成領
域を設けることにより、広範囲で均一なプラズマが容易
に生成される。本実施例のようにTM01モードとTE01
モードの混在したマイクロ波を処理室1内に投入するこ
とにより、図6(a)に示すようにリング状にプラズマ
生成領域を設けることができ、またTM01モードとTE
01モードの比率を変更することにより、リング状プラズ
マ生成領域のリング径を変更でき、プラズマ均一性を制
御できる。TM01モードとTE01モードの比率の変更
は、前述のようにスロットアンテナ孔8と表面電流81
とが交わる角度θの変更、あるいはスロットアンテナ孔
8の形状、あるいはスロットアンテナ孔8の位置により
変更できる。また、放電管1bの外周に巻装したコイル
3(この場合、上下2段に配置)に供給する電流または
電圧を調整して磁場を制御することにより、図6(b)
に示すように広範囲でほぼ均一なプラズマを形成するこ
ともできる。
【0016】以上本実施例では、共振器6内にTM011
モードが励振される場合について説明したが、一般に、
共振器6内に高次のTM0mn(m,nは正の整数)モー
ドが励振される場合には、スロットアンテナ孔の配置,
形状により、高次のTM0mモード(mは正の整数)およ
び高次のTE0m(mは正の整数)の混在したマイクロ波
が放射される。これら各種のマイクロ波モードの比率を
変更するには、例えば、スロットアンテナ孔の幅Lを長
手方向で変えたりすることも有効である。
【0017】また図7にはスロットアンテナ板の他の実
施の形態を示す。スロットアンテナ孔8aが「ハ」の字
状に並べられている。角度θを調整することにより空洞
共振器6と処理室1の電磁的な結合の度合を調整するこ
とができる。すなわち角度θの絶対値が0度に近いとき
電磁的な結合が弱く、90°に近いとき結合が強くな
る。電磁的な結合が強すぎると空洞共振器内の電磁界が
所望の電磁界からずれる度合が大きくなる。また電磁的
な結合が弱すぎると電磁波が処理室内に放射されにくく
なる。そのため最適な結合の度合に設定する必要があ
り、角度θの調整により容易に最適な結合の度合を得る
ことができる。ただし、円形TM011モードの空洞共振
器6において、スロットアンテナ孔8aを「ハ」の字状
に並べた場合には、隣接するスロットから放射されるマ
イクロ波電磁界の角度方向(q方向)の成分は相殺され
て(打ち消され合って)、半径方向の成分のみとなり、
中心部が凸となるマイクロ波電力分布を形成するものと
なる。いずれにしても、このスロットアンテナの構成方
法は、本実施の形態に特異のものではなく、後述の空洞
共振器を用いた場合にも同様に適用することができる。
【0018】また結合孔としてのスロットアンテナ孔
8,8aを設ける導体板(スロットアンテナ板7,7
a)の厚みは、通常1mmから5mm程度の薄いものが
用いられるが、5mm程度を越える厚いものを用いるこ
ともできる。厚い導体板を用いた場合、結合孔の部分が
厚さ方向に導波管として働くため、結合孔の形状に対す
る自由度が薄い導体板の場合と比べて低くなる。矩形の
導波管の場合、長いほうの辺の長さが自由空間中のマイ
クロ波(電磁波)の波長の1/2より短くなると導波管
の軸方向に電磁界は伝搬せず、指数関数的に減衰する。
そのため厚い導体板を用いた場合、結合孔としてのスロ
ットアンテナ孔の長軸方向の長さを半波長より大きくす
る必要がある。マイクロ波の周波数が2.45GHzの
場合、自由空間での波長は122.4mmとなるのでス
ロットアンテナ孔長軸の長さは61.2mmより大きく
する必要がある。ただし、厚いスロットアンテナ板を用
いた場合、スロットアンテナ板内部に冷媒を循環させ、
冷却する等ができる。
【0019】本発明の第2の実施例を図8および図9に
より説明する。本図において、図1と同符号は同一部材
を示し説明を省略する。本図が前記一実施例と異なる点
は、石英窓2aをドーナツ状にしてスロットアンテナ板
の中央部を処理室内に面して設けた点と、スロットアン
テナ板をウエハ10に対向して接地された電極12とし
て設けた点である。ウエハ10に対向して電極12を設
けることにより、ウエハ10に印加される高周波電圧の
ウエハ10面内の均一性が向上する。したがって、ウエ
ハ10に入射されるイオンのエネルギーがウエハ10面
内で均一となり、均一なエッチング処理ができるという
効果がある。電極12は、ガス,冷媒および電力の供給
ライン13を通して、温度制御およびガス供給ができる
構造となっている。電極12の構造を図9に示す。図9
では、ガス供給口14よりエッチングガスが導入され、
分散板15を通して処理室1内に導入される。ウエハ1
0上部より容易にガスが供給でき、プラズマにより生成
されたラジカルを効率良くウエハ10に輸送できるの
で、エッチレートの向上およびエッチング均一性の向上
に効果がある。また図示していないチラーユニットによ
り温度制御された冷媒が、冷媒給排出口16を通して、
電極12内を流れており、電極12を温度制御すること
ができる。これにより電極12上に堆積するプラズマ重
合膜の堆積速度を制御できるので、プラズマ中のラジカ
ル組成を制御することができ、最終的にエッチング特性
の経時変化防止等に効果がある。
【0020】またこの場合、電極12は中央部がマイク
ロ波導入窓2aの形状にあわせて突出した形状となって
いるが、図9に示す突出量dは任意である。この突出量
dを調整してマイクロ波導入窓2aの底面と側面の面積
比を調整し、マイクロ波電力放射の方向、量を制御する
ことができる。また、電極12を電気的に接地せず、高
周波を給電することもできる。
【0021】また、図10は、図9に示した電極12の
他の実施例を示すもので、電極12内にヒーター17を
設置した例である。この場合には電極12を26℃以上
に過熱することができ、プラズマ重合膜の堆積を減少あ
るいは防止することが容易となる。この場合には電極上
に堆積したプラズマ重合膜の剥離等に伴う発塵を抑制で
き、最終的に半導体素子の歩留りを向上できるという効
果がある。
【0022】本第1および第2の実施例によれば、マイ
クロ波が導入される空洞共振器の底面に流れる表面電流
と該底面であるスロットアンテナ板に設置されたスロッ
トアンテナ孔との交わる角度を変更することにより、ス
ロットアンテナ板より放射される各種マイクロ波モード
の比率を変更できるので、生成されるマイクロ波プラズ
マの均一性を容易に制御できるという効果がある。
【0023】次に、本発明の第3の実施例を図11およ
び図12を用いて説明する。ところで、閉じた空間内に
プラズマが存在する場合、処理室壁面でプラズマが損失
するため、空間の中心部で高く周囲で低いプラズマ密度
分布となりやすい傾向にある。プラズマ処理装置に用い
られるプラズマの場合も同様の傾向があり、プラズマ処
理の不均一をもたらす原因の一つとなる場合がある。こ
れを防止するにはプラズマの損失の原因である処理室壁
面付近でのプラズマ発生量が多くなるように設定するな
どの方策が考えられる。
【0024】また、円盤状の被処理基板が処理対象とな
る場合、円筒形のプラズマ処理室を用いることが自然で
あり、この場合円筒側壁でのプラズマ損失がプラズマ処
理室の基板内均一性に影響を与える。プラズマ発生量の
分布によって被処理基板付近のプラズマ不均一を緩和す
るには側壁近傍で高く中心部で低いリング状の発生量分
布に調整する必要がある。角型の処理室を用いた場合も
同様に処理室壁面近傍で高く中心部で低いリング状の発
生量分布に調整する必要がある。
【0025】プラズマの発生量はプラズマ発生用エネル
ギーの消費量と正の相関がある。プラズマ発生用エネル
ギーの消費量はエネルギーの供給量と損失の割合で決ま
る。損失の割合がほぼ空間的に一定であればエネルギー
の供給量によりほぼプラズマ発生量は決まる。従って側
壁近傍で高く中心部で低いリング状のプラズマ発生量分
布に調整するにはプラズマに供給するエネルギーの分布
をリング状にすることが重要となる。
【0026】図11に本発明に係るリング状空洞共振器
を用いたエッチング装置の断面図を示す。プラズマ発生
用エネルギー源としてマイクロ波を用いる。リング状の
電力分布を得るのにリング状の空洞共振器27を用いる
ことができる。自由空間での波長λが10cm程度のマ
イクロ波は空洞共振器27内の電磁界もオーダー的に1
0cm程度の周期で強弱を示す分布をとりやすくなる傾
向がある。被処理基板32の直径Dが例えば10インチ
(約254mm)、12インチ(約305mm)と順次
大きくなったとき、リング状空洞共振器27もこれとオ
ーダー的に同程度の大きさが必要となる。従ってリング
状空洞共振器27として内部の電磁界が数個から十数個
程度のピークを持つ分布になるリング状空洞共振器を用
いることになる。
【0027】図示しないマイクロ波発生源により供給さ
れたマイクロ波電力は図示しないアイソレータ、図示し
ない整合器を介して方形導波管26によりリング状空洞
共振器27に伝送される。リング状空洞共振器27には
マイクロ波の放射孔28が設けられ、プラズマ放電室2
1にマイクロ波導入窓23を介してマイクロ波を放射す
る。リング状空洞共振器27はマイクロ波電力の損失を
低減するため導電率の高い物質、例えば、アルミニウム
や銅などでできている。マイクロ波導入窓23はマイク
ロ波に与える損失が少なく、かつプラズマ処理に悪影響
をおよぼしにくい材質として例えば石英、アルミナセラ
ミックなどの誘電体でできている。またマイクロ波導入
窓23はリング状空洞共振器27の大きさに合わせたリ
ング状の形状になっている。マイクロ波導入窓23から
プラズマ放電室21内に放射されたマイクロ波によりプ
ラズマがプラズマ放電室21内に発生する。
【0028】マイクロ波導入窓23もリング状の形状と
なっている。空洞共振器27から放射孔28を介して放
射されたマイクロ波はマイクロ波導入窓23の中心軸に
対して、平行な面と垂直な面からプラズマ放電室21内
に放射される。円盤状部品24を導電率の高い物質で作
ると、マイクロ波は円盤状部品24の表面で反射され
る。円盤状部品24の厚さtを調整することでマイクロ
波導入窓23の中心軸に対して平行な面の処理室にさら
される面積を調整でき、マイクロ波導入窓23の2つの
面から放射されるマイクロ波電力の割合を調整できる。
すなわち円盤状部品24の厚さtをマイクロ波導入窓2
3とほぼ同じ厚さにするとマイクロ波導入窓23の中心
軸に対し平行な面を完全に遮蔽することになり、この面
から放射されるマイクロ波電力をなくすことができる。
また円盤状部品24の厚さtを薄くし、中心軸に対し平
行な面をプラズマ放電室21に多く露出することでこの
面からのマイクロ波の放射の割合を大きくすることがで
きる。マイクロ波導入窓23の上記2つの面からのマイ
クロ波電力の放射の割合を制御することでプラズマ放電
室21内のマイクロ波電力の分布を調整でき、プラズマ
発生量の分布を調整することができる。
【0029】即ち、マイクロ波導入窓23の厚さtを調
整することによりマイクロ波導入窓23からプラズマに
供給されるマイクロ波電力を最適化することができる。
マイクロ波導入窓23から見た負荷としてのプラズマの
インピーダンスに応じてマイクロ波導入窓23の厚さt
をマイクロ波の半波長の整数倍の厚さに対して厚さを増
すあるいは減らす方向に調整してインピーダンス整合を
はかり、透過電力を最適化することができる。このよう
にマイクロ波導入窓23の厚さtについても、設計段階
において最適化しておくことが必要となる。
【0030】円盤状部品24はマイクロ波導入窓23に
囲まれて設置される。処理室は容器20,プラズマ放電
室21,マイクロ波導入窓23および円盤状部品24か
ら構成され、内部を気密保持可能である。このため円盤
状部品24には、リング状空洞共振器27の軸心部を通
して電力や処理ガスや冷媒等を供給することが可能とな
る。従って、円盤状部品24は図示しない温度制御機構
により処理に適した温度に加熱あるいは冷却することが
できる。円盤状部品24を加熱する場合には、円盤状部
品24内に例えばヒータを埋め込むことによって円盤状
部品24の加熱を実現することができる。また円盤状部
品24を冷却する場合には、円盤状部品24内に例えば
水等の冷媒を通す通路を埋め込むことによって円盤状部
品24の冷却を実現することができる。
【0031】またガス供給機構25を円盤状部品24に
接続することによって、処理に適した1種類または複数
種類の雰囲気ガスを所定の流量でプラズマ放電室21に
供給することができる。容器20には図示しない排気系
が接続され、処理室は処理に適した圧力に制御されてい
る。また円盤状部品24は電気的に接地し、被処理基板
32に整合器(図示省略)を介して接続された高周波電
源31によって供給される、例えば、周波数13.56
MHzの高周波電力の接地電極として用いることができ
る。次に円盤状部品24の接地電極としての働きについ
て図11を用いて説明する。プラズマ中の高周波電流は
質量が小さく、高周波電界に追随しやすい電子電流が主
体となる。しかし図11に示す如く複数の静磁界発生装
置29,30による静磁界HSを加えるとこの静磁界に
より静磁界と垂直方向の電子の移動は抑制され、この方
向に高周波電流が流れにくくなる。従って高周波電流は
主に静磁界HSにそって流れる。円盤状部品24は、被
処理基板32と対向して設置されており、静磁界HS
被処理基板32とほぼ垂直に加えるため、被処理基板3
2に加えられた高周波により流れる電流は被処理基板3
2と円盤状部品24のあいだをほぼ均一に流れる。従っ
て、直径Dが例えば10インチ(約254mm)、12
インチ(約305mm)、それ以上の大きな被処理基板
32に対しても、周囲と中央付近で流れる高周波電流の
大きさはほぼ同じであり、被処理基板32に加えられる
高周波の影響を均一にすることができる。
【0032】そのほか、円盤状部品24からガス供給を
行うことができ、プラズマ放電室21内のガスの流れを
均一にすることができる。
【0033】被処理基板32は、例えば10インチ(約
254mm),12インチ(約305mm)またはそれ
以上の直径を有する円盤状基板である。プラズマ放電室
21を取り囲むように複数の静磁界発生装置29,30
が設置され、処理室内に電子サイクロトロン共鳴現象を
起こす程度の大きさの静磁界HSを発生させることがで
きる。静磁界HSは被処理基板32に対してほぼ垂直な
方向に発生させる。マイクロ波の周波数fが2.45G
Hzの場合、電子サイクロトロン共鳴現象を起こす静磁
界HSの大きさは0.0875テスラとなる。複数の静
磁界発生装置29,30が電磁石である場合、電磁石に
流す電流の大きさを調整することによりプラズマ放電室
21内の静磁界分布を制御でき、電子サイクロトロン共
鳴を起こす大きさの静磁界となる位置を制御することが
できる。その他の静磁界発生装置を用いた場合にも、例
えば静磁界発生装置と処理室の位置関係を調整すること
により処理室内の静磁界を制御することができる。とこ
ろで、電子サイクロトロン共鳴現象を用いたプラズマ処
理装置でマイクロ波電力は電子サイクロトロン共鳴を起
こす場所で強く吸収され、プラズマは主としてこの場所
で発生する。静磁界を制御することでプラズマの発生領
域を制御できる。またプラズマ中の電子は静磁界に垂直
方向の移動が抑制される。そのため静磁界を調整するこ
とによりプラズマ中の電子の拡散を制御することができ
る。
【0034】また電子サイクロトロン共鳴現象はマイク
ロ波の電界Eと静磁界HSとが直交する場合に発生する
ため、電子サイクロトロン共鳴現象を利用する場合には
TEモード(電界Eが空洞共振器27の半径方向(r方
向)に生じるため)の方が、TMモード(電界Eが空洞
共振器27の軸方向(z方向)に生じるため)に比べて
有利となる。
【0035】一方、TMモードの場合、軸方向(z方
向)に電磁界の変化がなく、共振器高さhを小さくでき
るモードが存在するので装置の小型化に有利である。
【0036】次に示す表1にマイクロ波の周波数が2.
45GHzの場合のTEm1モードのリング状空洞共振器
のサイズを求めた例を示す。
【0037】
【表1】
【0038】同様に次に示す表2にマイクロ波の周波数
が2.45GHzの場合のTMm1モードの軸方向に電磁
界の変化のない場合のリング状共振器のサイズ求めた例
を示す。
【0039】
【表2】
【0040】空洞共振器27にマイクロ波を放射するた
めの放射孔28を設ける際には、マイクロ波磁界と平行
に放射孔28をスロット状に設けると効率良く電磁波を
放射することができる。図12(この場合TE41モード
を示す。)に示すように、磁界Hとスロットアンテナ孔
である放射孔28の角度θを調整して空洞共振器27内
の電磁界とマイクロ波導入窓23およびプラズマ放電室
21との電磁的な結合の強さを調整することができる。
これにより、空洞共振器27内の電磁界を所望モードに
維持しつつ、効率良くマイクロ波をプラズマ放電室21
内に放射することができる。
【0041】空洞共振器27内の電磁界とマイクロ波導
入窓23およびプラズマ放電室21の電磁的な結合の強
さを調整する他の方法としてスロットアンテナ孔の長さ
を制御する方法が有る。スロットアンテナ孔の長さを短
くすると電磁的な結合は弱くなり、長くすると強くする
ことができる。
【0042】リング状空洞共振器27におけるTEm1
ードの場合、図12(この場合TE41モードを示す。)
に示すように中心軸に垂直な面ではマイクロ波磁界HTE
は半径方向(r方向)成分を持たない。そのため放射孔
28としてのスロットの長軸方向と半径方向(r方向)
のなす角度θが小さいとき、空洞共振器27内電磁界と
マイクロ波導入窓23およびプラズマ放電室21との電
磁的な結合が大きくなる。そして、放射孔28としての
スロットをハの字形状に形成することによって、隣接す
るスロットから放射されるマイクロ波の電磁界の内、半
径方向の成分は相殺されて(打ち消し合わされて)、角
度(q方向)成分が残された形、即ちTE0n(n=1,2,3
…)モードを主体とする電磁界がマイクロ波導入窓23
を通してプラズマ放電室21内に放射されることにな
り、その結果、中心部が凹となるリング状のプラズマを
発生することになり、被処理基板32の径Dが、例え
ば、10インチ(約254mm)、12インチ(約30
5mm)、それ以上の大きさになって、処理室壁面でプ
ラズマが消失されたとしても、被処理基板32の半径方
向に亘って均一なプラズマ処理、例えば、エッチング処
理を行うことができる。
【0043】リング状空洞共振器27におけるTMm1
ードの場合のマイクロ波電界および空洞共振器底面を流
れる表面電流を図13(この場合TM61モードを示
す。)に模式的に示す。マイクロ波電界ETMは、軸方向
(z方向)成分のみを持ち、定在波の腹が角度方向(q
方向)にできる。また空洞共振器27の底面を流れる表
面電流は、電界定在波の腹の位置を中心に放射状に流れ
る。そこで、図13(この場合TM61モードを示す。)
は、電界定在波の腹と腹との間にスロットアンテナ孔と
しての放射孔28aを表面電流に垂直、かつ空洞共振器
27の中心に対して放射状に設けた場合を示す。放射孔
28aからは、主にTE61モードの電磁界がマイクロ波
導入窓23を通してプラズマ放電室21内に放射される
ことになり、その結果、放射孔28aの先にできるスポ
ットがつながって、中心部が凹となるリング状のプラズ
マを発生することが可能となる。
【0044】図14(この場合TM61モードを示す。)
は、図13の放射孔28aを一つおきに設けた場合を示
す。この場合には、放射孔28bからは、主にTE0n(n
=1,2,3…)モードを主体とする電磁界がマイクロ波導入
窓23を通してプラズマ放電室21内に放射されること
になり、その結果中心部が凹となるリング状のプラズマ
を発生することになり、被処理基板32の径Dが例えば
10インチ(約254mm)、12インチ(約305m
m)、それ以上の大きさになって、処理室壁面1403
でプラズマが消失されたとしても、被処理基板32の半
径方向に亘って均一なプラズマ処理、例えば、エッチン
グ処理を行うことができる。
【0045】なお、本実施例においては、被処理基板3
2の直径が例えば10インチ(約254mm),12イ
ンチ(約305mm)と順次大きくなったときでも、半
径方向に亘って均一のプラズマ処理が行えるように、中
心部が凹のリング状プラズマを発生できれば良く、後述
するように必ずしもリング状空洞共振器を用いる必要は
ない。
【0046】また、円盤状部品24に高周波電力を給電
し、発生するプラズマを調整することもできる。
【0047】次に本発明の第4の実施例を図15により
説明する。本図において図11と同符号は同一部材を示
し説明を省略する。本図が前記第3の実施と異なる点
は、高さの低い空洞共振器を用いた点と、静磁界の発生
装置を持たない点と、試料台へ接続した高周波電源を持
たない点である。マグネトロン管などの図示しないマイ
クロ波源から放射された例えば周波数2.45GHzの
マイクロ波は、図示しないアイソレータ、図示しない整
合器を通り方形導波管26aによりリング状の空洞共振
器27aに投入される。空洞共振器27a内ではTMm1
モード、例えば、TM61モードを共振させる。これによ
り、高さの低い空洞共振器にできる。空洞共振器27a
の底面には図12,図13または図14に示すような放
射孔28aが設けられ、リング状マイクロ波導入窓23
aを通してプラズマ放電室21にマイクロ波を供給す
る。リング状空洞共振器27aおよびマイクロ波導入窓
23aの中央部にはガス供給管33に接続されたガス供
給器24aが設けられている。ガス供給器24aのプラ
ズマ放電室21に面した面には複数のガス供給穴があり
プラズマ放電室21内に1種類または複数種類の処理ガ
スを所定の流量供給可能になっている。
【0048】このようにTMm1モードを共振させる空洞
共振器を用いれば、高さ方向を低くできるので、プラズ
マ処理装置を小型化できる。また、図13または図14
に示すような放射孔を用いればTE0nモードのマイクロ
波を放射させることができるので、この場合は、磁場を
用いた装置にも適用できる。
【0049】次に本発明の第5の実施例を図16および
17により説明する。本図において、図11と同符号は
同一部材を示し説明を省略する。本図が前記第3の実施
例と異なる点は、マイクロ波の伝達にマイクロ波立体回
路を用いた点と、図1に示したスロットアンテナ板およ
び石英窓のようなマイクロ波導入部分を用いた点であ
る。マイクロ波源39から放射されたマイクロ波は図示
しないアイソレータ、整合器を介して方形導波管から同
軸線路部に伝送される。同軸導波管変換器38は少ない
電力損失でマイクロ波電力を方形導波管から同軸線路に
伝えることができる。同軸線路部37の先端には整合室
40が設けられ空洞共振器36と同軸線路部37の境界
で生じるマイクロ波電力の反射を防止し、効率良く空洞
共振器36内にマイクロ波電力を伝送する。
【0050】図17に示すように整合室40の高さLを
マイクロ波の波長λの1/4にすることによって反射波
が合成される際、半波長分の位相がずれることによって
相殺されて(打ち消し合って)マイクロ波電力の反射を
抑制することができる。なお、整合室40は、インピー
ダンスの異なる線路を挿入してインピーダンス整合作用
を持たせるようにすればよく、図16に示す構成に限定
されるものではない。
【0051】ところで、マイクロ波(電磁波)は、媒質
の定数や境界が不連続に変化する部分があるとそこで電
力の一部が反射される。空洞共振器36を励振するため
に導波路を接続すると接続面で反射が生じ、マイクロ波
電力を効率良くプラズマ放電室21内に伝送することに
悪影響を与える。そこで接続部に整合室40を設け整合
室の直径、高さを最適化し、反射波を打ち消すことによ
り、全体としてマイクロ波電力をプラズマ放電室21内
に効率良く伝送することができる。
【0052】これにより、マイクロ波電力を、方形導波
管から少ない電力損失で同軸導波管変換器38を介して
同軸線路部37に伝え、整合室40により空洞共振器3
6と同軸線路部37の境界で生じるマイクロ波電力の反
射を防止して効率良く空洞共振器36内に伝送し、空洞
共振器36に対して角度方向(q方向)に電磁界が変化
しない、例えば、円形TM011モードと呼ばれるモード
で共振させることができる。
【0053】空洞共振器36は、この場合、円形TM
011モードと呼ばれるモードで共振するサイズになるよ
う構成されている。空洞共振器36はアルミニウム、銅
などの導電率の高い金属でできており、マイクロ波電力
の損失を防止している。空洞共振器36のマイクロ波導
入窓34側にはスロットアンテナ板35が設けられ、ス
ロットアンテナ板35には図3に示すようなスロットア
ンテナ孔8が設けられ、マイクロ波導入窓34を介して
プラズマ放電室21内にマイクロ波を放射する。マイク
ロ波導入窓34の材質はマイクロ波の損失が小さく、プ
ラズマ処理に悪影響を与えない、例えば、石英,アルミ
ナセラミックスなどが用いられる。プラズマ放電室21
内は、異物等が生じないように石英カバーで覆われてい
る(図示省略)。従って、空洞共振器36の底部に設け
られたスロットアンテナ孔8からリング状のマイクロ波
電磁界が、マイクロ波導入窓34を通してプラズマ放電
室21内に放射され、静磁界発生装置29,30による
静磁界HSによって電子サイクロトロン共鳴現象を発生
させて中心部が凹となるリング状のプラズマを発生さ
せ、基板電極に高周波電源31による高周波電力を供給
して被処理基板32に対してプラズマ処理であるエッチ
ング処理が施されることになる。
【0054】円形TM011モードは、角度方向(q方
向)に電磁界が変化しないため、角度方向に均一にマイ
クロ波を放射するのに有利である。円形TM011モード
を励振するには接続面で円形TM011モードの電磁界に
類似した電磁界となるよう接続された導波路を用いるこ
とが必要となる。本実施例では、同軸線路37を空洞共
振器36中央に接続することにより、円形TM011モー
ドに類似した電磁界で接続することができ、その結果、
空洞共振器36に対して角度方向(q方向)に電磁界が
変化しない円形TM011モードで励振することができ
る。
【0055】空洞共振器36の底面には図3に示したよ
うなスロット板7が設けられている。円形TM011モー
ドの空洞共振器36の底面では、中心軸から放射状に表
面電流81(ベクトルJとする。)が流れる。図3に示
すスロットアンテナ孔8の長軸方向の外向き単位ベクト
ル82(ベクトルnsとする。)と半径方向のなす角度
θを調整するとスロットアンテナ孔8によりさえぎられ
る表面電流の大きさと放射されるマイクロ波電界の方向
を制御でき、プラズマ放電室21内に放射されるマイク
ロ波電磁界を制御することができる。図3のスロットア
ンテナの場合、角度θが90°に近いとき半径方向電界
成分の割合が大きくなり、角度θが0°に近いとき角度
方向電界成分の割合が大きくなる。また放射される電磁
界の強度はスロットアンテナ孔8によりさえぎられる電
流の大きさに比例すると考えられる。従って放射される
電磁界の強度はベクトルnsとJのベクトル積ns×Jの
大きさに比例すると考えられる。またスロットアンテナ
孔8によりスロットアンテナ板35の処理室側に誘起さ
れる表面電流Jpはスロットアンテナ孔8の長軸方向と
垂直になる。図3に示すようにスロットアンテナ孔(結
合孔)8を並べるとJpはスロットアンテナ板35の角
度方向(q方向)に流れる成分(TE01モード)をも
ち、これによりリング状に分布するマイクロ波電界強度
分布を得ることができる。即ち、角度θを付けることに
よってスロットアンテナ孔8から、図4に示すようにT
01モードのマイクロ波電磁界とTM01モードのマイク
ロ波電磁界とが合成された形でマイクロ波導入窓34を
通してプラズマ放電室21内に放射される。なお、TE
01モードのマイクロ波電磁界(リング状のマイクロ波電
磁界)は、中心部が凹となるリング状のマイクロ波電力
分布を形成してリング状のプラズマを発生させるもので
ある。他方、TM01モードのマイクロ波電磁界は、中心
部が凸となるマイクロ波電力分布を形成するものであ
る。
【0056】以上説明したように、角度θを付けること
によってスロットアンテナ孔8からリング状のマイクロ
波電磁界(TE01モードのマイクロ波電磁界)が、マイ
クロ波導入窓34を通してプラズマ放電室21内に放射
されるため、中心部が凹となるリング状のマイクロ波電
力分布を形成してリング状のプラズマを発生させ、被処
理基板32の径Dが、例えば、10インチ(約254m
m),12インチ(約305mm)またはそれ以上の大
きさになって、処理室壁面でプラズマが消失されたとし
ても、被処理基板32の半径方向に亘って均一なプラズ
マ処理を実現することができる。
【0057】このように上記スロットアンテナ孔8の角
度θを調整することにより、前記リング状電界強度分布
の程度を調整でき、プラズマの均一性を制御することが
できる。このスロットアンテナの構成方法は本実施例に
特異のものではなく、第3および第4の実施例など他の
空洞共振器を用いた場合にも同様に適用することができ
る。
【0058】本実施例によれば、10インチを越えるよ
うな巨大な被処理基板に対して均一なエッチング処理等
のプラズマ処理を行うことができる効果を奏する。
【0059】また本実施例によれば、マイクロ波を用い
たプラズマ処理装置においてマイクロ波立体回路部分の
電力損失が抑制されるため、マイクロ波電力の有効利用
を図ることができる効果を奏する。また電力損失が抑制
されるためマイクロ波立体回路部分の不要な加熱が抑え
られる効果もある。
【0060】次に、本発明の第6実施例を第18図から
第21図により説明する。第18図は、本発明のプラズ
マ処理装置の一実施例である有磁場マイクロ波ドライエ
ッチング装置を示す。容器1a、放電管1b及び石英窓
2で区画された処理室1の内部を真空排気装置(図示省
略)により減圧した後、ガス供給装置(図示省略)によ
りエッチングガスを処理室1内に導入し、所望の圧力に
調整する。また、処理室1は、コイル3により生成され
る磁場領域内にある。マグネトロン4から発振された、
この場合、2.45GHzのマイクロ波は、矩形導波管
44内を伝播し、同軸導波管変換器38aを介して同軸
導波管37a内を伝播する。同軸導波管37a内を伝播
したマイクロ波は、整合室40aを介して空洞共振器3
6a内に導入される。空洞共振器36aの底部にはスロ
ットアンテナ板7が設けられている。スロットアンテナ
板7のスロットアンテナ孔8より放射されたマイクロ波
は、モードフィルタ41内を伝播した後、石英窓2を透
過して処理室1内に入射される。このマイクロ波によっ
て生成されたプラズマより、試料台9に配置されたウエ
ハ10がエッチング処理される。またウエハ10のエッ
チング形状を制御するため、試料台9には整合器を介し
て高周波電源11が接続され、高周波電圧を印加するこ
とが可能になっている。
【0061】第19図は、第18図におけるXIX−X
IX断面の矢視図である。スロットアンテナ孔8は、径
方向に対し、一定の角度で傾斜させ、リング状に配置さ
れている。空洞共振器36aは、TM011モードで共振
するように設計されている。したがって、前述のいわゆ
る傾斜スロットアンテナからは、TM01モードとTE01
モードとが混在して、モードフィルタ41に導入され
る。モードフィルタ41は、概略三角形の断面を有する
複数の導波管42で構成されている。第20図に示すよ
うに、個々の三角形の断面を有する導波管42は、単一
のモードのマイクロ波しか伝播できないサイズとなって
いる。第20図は、伝播するマイクロ波の電界17強度
分布を示している。したがって第21図に示すように、
三角形の断面を有する複数の導波管42の全体としての
電界強度分布は、リング状の電界強度分布を有するTE
01モードと概略一致する。このように、スロットアンテ
ナ板7とマイクロ波導入窓2との間にTE01モード用の
モードフィルタ41を設けることにより、処理室1内に
はリング状の電界強度分布を有するTE0n(nは任意の
正の整数)モードのマイクロ波のみを導入することがで
きる。このため主たるプラズマ生成領域であるECR面
上では、概略リング状のプラズマ分布となり、結果とし
てウェハ10上では均一なプラズマ分布が得られ、均一
なプラズマ処理が可能となると言う効果がある。
【0062】モードフィルタ41の他の例として、モー
ドフィルタ41の中心部に内導体を設け、全体としてド
ーナツ状の断面にする。最も電界強度が大きくなるの
は、概略、内導体の外径ΦCとモードフィルタ41の内
径ΦDの中間の位置である。したがってΦCとΦDを適
当に選ぶことにより、処理室1内に導入するマイクロ波
の最も電界強度の強い位置を変更することができる。こ
のため、前述したECR面上で形成されているリング状
のプラズマ生成領域のリング径を制御することができる
ので、ウェハ10上でのプラズマ分布を制御でき、しい
てはウェハ10のプラズマ処理の均一性を制御できると
いう効果がある。
【0063】次に、本発明の第7の実施例を第22図お
よび第23図により説明する。本図において図18と同
符号は同一部材を示し説明を省略する。本図が前記第6
の実施と異なる点は、図18のモードフィルタ41に代
えて、TE011空洞共振器45を設けた点である。また
TE011空洞共振器45の下部には、第23図に示すよ
うな放射状のスロットアンテナ孔47を有したスロット
アンテナ板46が配置されている。傾斜スロットアンテ
ナ板7より放射されたTM01モードとTE01モードのマ
イクロ波は、TE011空洞共振器45を通過することに
より、TE0nモード(nは任意の正の整数)のマイクロ
波のみが、スロットアンテナ孔47を介して処理室1内
に導入される。
【0064】したがって本実施例においても、第6の実
施例と同様にウェハ10上で均一なプラズマ分布を得る
ことができるので、ウェハ10を均一にプラズマ処理す
ることができると言う効果がある。また第23図に示す
ように、空洞共振器45の内部を放射状の導体板48で
仕切り、第21図に示すモードフィルタ41と同様の構
造としてもよい。これにより更に純粋なTE0nモード
(nは任意の正の整数)のマイクロ波のみが、スロット
アンテナ47を介して処理室1内に導入され、ウェハ1
0を高均一にプラズマ処理することができるという効果
がある。
【0065】これら第6および第7の実施例によれば、
スロットアンテナ板とマイクロ波導入窓との間にTE01
モード用のモードフィルタを設けることにより、処理室
内にはリング状の電界強度分布を有するTE0n(nは任
意の正の整数)モードのマイクロ波を導入することがで
きるので、主たるプラズマ生成領域であるECR面上で
は、概略リング状のプラズマ分布となり、結果としてウ
ェハ上では均一なプラズマ分布が得られ、均一なプラズ
マ処理ができるという効果がある。
【0066】以上説明したこれら実施例は、エッチング
装置のみに限定されるものではなく、導入する処理ガス
を変更することでCVD(Chemical Vapor Depositio
n)装置,アッシング装置等他のプラズマ処理装置に適
用することができる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロ波が導入され
る空洞共振器の底面に流れる表面電流と該底面であるス
ロットアンテナ板に設置されたスロットアンテナ孔との
交わる角度を変更することにより、スロットアンテナ板
より放射される各種マイクロ波モードの比率を変更でき
るので、生成されるマイクロ波プラズマの均一性を容易
に制御できるという効果がある。
【0068】また、スロットアンテナ板からリング状の
マイクロ波電磁界を放射させてリング状プラズマを生成
させることができるので、10インチを越えるような大
口径の試料であっても、試料上で均一なプラズマ分布が
得られ、半径方向に亘って均一なプラズマ処理を行うこ
とができるという効果がある。
【0069】さらに、本発明によれば、スロットアンテ
ナ板とマイクロ波導入窓との間にTE01モード用のモー
ドフィルタを設けることにより、処理室内にリング状の
電界強度分布を有するTE0nモードのマイクロ波を導入
することができるので、プラズマ生成領域にリング状プ
ラズマを生成でき、試料上で均一なプラズマ分布が得ら
れ、均一なプラズマ処理ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理装置の一実施例である有
磁場マイクロ波ドライエッチング装置を示す縦断面図で
ある。
【図2】図1におけるII−II断面の矢視図である。
【図3】図1におけるスロットアンテナ形状を示す平面
図である。
【図4】図3に示すスロットアンテナ板から放射される
マイクロ波電磁界を示す図である。
【図5】図3のスロットアンテナ孔の傾斜角度を変化さ
せたときのモードの透過率を示す図である。
【図6】図1の装置におけるコイルによる磁場を変化さ
せたときのプラズマ密度分布を示す図である。
【図7】図3のスロットアンテナ形状の他の実施例を示
す平面図である。
【図8】本発明のプラズマ処理装置の第2の実施例であ
る有磁場マイクロ波ドライエッチング装置を示す縦断面
図である。
【図9】図8の装置におけるウエハに対向する電極の詳
細を示す縦断面図である。
【図10】は図9の電極の他の実施例を示す縦断面図で
ある。
【図11】本発明のプラズマ処理装置の第3の実施例で
あるマイクロ波プラズマ処理装置を示す縦断面図であ
る。
【図12】図11の装置においてTEモードで共振され
たリング状空洞共振器の底部に「ハ」字状にスロットア
ンテナを形成した場合を示す平面図である。
【図13】図11の装置においてTMモードで共振され
たリング状空洞共振器の底部に設けた他の実施例のスロ
ットアンテナを示素平面図である。
【図14】図13のスロットアンテナの他の実施例を示
す平面図である。
【図15】本発明のプラズマ処理装置の第4の実施例で
あるマイクロ波プラズマ処理装置を示す縦断面図であ
る。
【図16】本発明のプラズマ処理装置の第5の実施例で
あるマイクロ波プラズマ処理装置を示す縦断面図であ
る。
【図17】図16の整合室の詳細を示す図である。
【図18】本発明のプラズマ処理装置の第6の実施例で
ある有磁場マイクロ波ドライエッチング装置を示す縦断
面図である。
【図19】図18におけるXIX−XIX断面の矢視図
である。
【図20】三角形の断面を有する導波管の基本モードの
マイクロ波の電界強度分布を示す図である。
【図21】図18におけるXXI−XXI断面の矢視図
である。
【図22】本発明のプラズマ処理装置の第7の実施例で
ある有磁場マイクロ波ドライエッチング装置を示す縦断
面図である。
【図23】図22におけるXXIII−XXIII断面の矢視
図である。
【符号の説明】
1…処理室,2,2a…石英窓,3…コイル,4…マグ
ネトロン,5…導波管,6…共振器,7,35…スロッ
トアンテナ板,12…電極,21…プラズマ放電室,2
3,34…マイクロ波導入窓,27,36…空洞共振
器,28…放射孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C30B 25/02 H01L 21/302 A (72)発明者 大坪 徹 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空洞共振器の中心軸付近を中心にして角度
    成分を有するマイクロ波電磁界を前記空洞共振器からマ
    イクロ波導入窓を介して処理室内に放射し、被処理基板
    に対向する領域にリング状のプラズマを発生させ、該発
    生したリング状のプラズマにより前記被処理基板に対し
    てプラズマ処理を施すことを特徴とするプラズマ処理方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の前記マイクロ波電磁界は、
    TE0nモードとTM0mモード(m,nは正の整数)の混
    在したマイクロ波電磁界であるプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の前記マイクロ波電磁界は、
    TE0mnモード(m,nは正の整数)のマイクロ波電磁
    界であるプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】TM01モードのマイクロ波を空洞共振器内
    に導入し、TM0mnモード(m,nは正の整数)のマイ
    クロ波を空洞共振器内で共振させ、空洞共振器底部に流
    れる表面電流の方向と平行でも垂直でもない角度でリン
    グ状に配置したスロットアンテナからTE0nモードとT
    0mモード(m,nは正の整数)の混在したマイクロ波
    を処理室内に放射させ、該放射されたマイクロ波によっ
    てプラズマを生成し試料を処理することを特徴とするプ
    ラズマ処理方法。
  5. 【請求項5】空洞共振器底部のスロットアンテナとマイ
    クロ波導入窓との間でマイクロ波電磁界をTE0mnモー
    ド(m,nは正の整数)に限定し、該限定されたモード
    のマイクロ波を前記マイクロ波導入窓を介して処理室内
    に放射し、被処理基板に対向する領域にリング状のプラ
    ズマを発生させ、該発生したリング状のプラズマにより
    前記被処理基板に対してプラズマ処理を施すことを特徴
    とするプラズマ処理方法。
  6. 【請求項6】真空排気装置が接続され内部を減圧可能な
    処理室と、前記処理室内へガスを供給するガス供給装置
    と、空洞共振器底部に設けたスロットアンテナから放射
    されるマイクロ波を利用して前記処理室内部にプラズマ
    を発生させるプラズマ発生手段とから成るプラズマ処理
    装置において、前記スロットアンテナが配置された面に
    流れる表面電流に対し平行および直角を除く角度で前記
    スロットアンテナを設けたことを特徴とするプラズマ処
    理装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載のプラズマ処理装置におい
    て、前記スロットアンテナのマイクロ波放射側にマイク
    ロ波の管内波長の1/4以上の長さを有する板厚の石英
    窓を設けたことを特徴とするマイクロ波プラズマ処理装
    置。
  8. 【請求項8】真空排気装置が接続され内部を減圧可能な
    処理室と、前記処理室内へガスを供給するガス供給装置
    と、マイクロ波を利用して処理室内部にプラズマを発生
    させるプラズマ発生手段とから成るプラズマ処理装置に
    おいて、前記プラズマ発生手段はTE0mモードとTM0n
    モード(m,nは正の整数)の混在したマイクロ波を発
    生させる手段を有したことを特徴とするプラズマ処理装
    置。
  9. 【請求項9】マイクロ波源と、該マイクロ波源から放射
    したマイクロ波を伝送するマイクロ波導波管と、該マイ
    クロ波導波管で伝送されたマイクロ波を共振させる空洞
    共振器と、被処理基板を載置する試料台を内部に設置し
    た処理室と、前記空洞共振器の中心軸付近を中心にして
    角度成分を有するマイクロ波電磁界を前記空洞共振器か
    らマイクロ波導入窓を通して前記処理室内に放射して前
    記被処理基板に対向する領域にリング状のプラズマを発
    生させるマイクロ波電磁界放射手段とを備えたことを特
    徴とするプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】マイクロ波源と、該マイクロ波源から放
    射したマイクロ波を伝送するマイクロ波導波管と、該マ
    イクロ波導波管で伝送されたマイクロ波を伝送する同軸
    線路部と、該同軸線路部に同軸状に接続して同軸線路部
    から伝送されたマイクロ波を共振させる空洞共振器と、
    被処理基板を載置する試料台を内部に設置した処理室
    と、前記空洞共振器の中心軸付近を中心にして角度成分
    を有するマイクロ波電磁界を前記空洞共振器からマイク
    ロ波導入窓を通して前記処理室内に放射して前記被処理
    基板に対向する領域にリング状のプラズマを発生させる
    マイクロ波電磁界放射手段とを備えたことを特徴とする
    プラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の前記空洞共振器はTM
    モードで共振するように構成したプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】請求項10記載の前記マイクロ波電磁界
    放射手段をスロットアンテナで形成したプラズマ処理装
    置。
  13. 【請求項13】請求項10記載の前記マイクロ波電磁界
    放射手段を、前記処理室内にTE0nモードとTM0nモー
    ドとの合成されたマイクロ波電磁界が放射されるスロッ
    トアンテナで形成したプラズマ処理装置。
  14. 【請求項14】マイクロ波源と、該マイクロ波源から放
    射したマイクロ波を伝送するマイクロ波導波管と、該マ
    イクロ波導波管で伝送されたマイクロ波を共振させるリ
    ング状の空洞共振器と、被処理基板を載置する試料台を
    内部に設置した処理室と、前記リング状の空洞共振器か
    らマイクロ波電磁界をマイクロ波導入窓を通して前記処
    理室内に放射して前記被処理基板に対向する領域にリン
    グ状のプラズマを発生させるマイクロ波電磁界放射手段
    とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  15. 【請求項15】真空排気装置が接続され内部を減圧可能
    な処理室と、前記処理室内へガスを供給するガス供給装
    置と、空洞共振器底部に設けたスロットアンテナから放
    射されるマイクロ波を利用して前記処理室内部にプラズ
    マを発生させるプラズマ発生手段とから成るプラズマ処
    理装置において、前記スロットアンテナと前記処理室の
    一部を形成するマイクロ波導入窓との間にTE0mnモー
    ド(m,nは正の整数)のモードフィルタを設けたこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  16. 【請求項16】請求項15記載の前記モードフィルタ
    が、TE0mnモード(m,nは正の整数)の空洞共振器
    であるプラズマ処理装置。
  17. 【請求項17】請求項15記載の前記モードフィルタ
    が、断面が三角形の複数の導波管より構成されたプラズ
    マ処理装置。
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