JPH10134996A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

Info

Publication number
JPH10134996A
JPH10134996A JP8307208A JP30720896A JPH10134996A JP H10134996 A JPH10134996 A JP H10134996A JP 8307208 A JP8307208 A JP 8307208A JP 30720896 A JP30720896 A JP 30720896A JP H10134996 A JPH10134996 A JP H10134996A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
antenna
frequency
antenna element
antenna elements
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8307208A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Sagawa
誠二 寒川
Kojin Nakagawa
行人 中川
Hisaaki Sato
久明 佐藤
Tsutomu Tsukada
勉 塚田
Kibatsu Shinohara
己拔 篠原
Yasuo Niimura
保夫 新村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Anelva Corp
Nihon Koshuha Co Ltd
NEC Corp
Original Assignee
Nihon Koshuha Co Ltd
NEC Corp
Anelva Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Koshuha Co Ltd, NEC Corp, Anelva Corp filed Critical Nihon Koshuha Co Ltd
Priority to JP8307208A priority Critical patent/JPH10134996A/ja
Priority to TW086116292A priority patent/TW350977B/zh
Priority to US08/962,390 priority patent/US6043608A/en
Priority to KR1019970056931A priority patent/KR19980033361A/ko
Publication of JPH10134996A publication Critical patent/JPH10134996A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32009Arrangements for generation of plasma specially adapted for examination or treatment of objects, e.g. plasma sources
    • H01J37/32082Radio frequency generated discharge
    • H01J37/321Radio frequency generated discharge the radio frequency energy being inductively coupled to the plasma
    • H01J37/3211Antennas, e.g. particular shapes of coils
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32009Arrangements for generation of plasma specially adapted for examination or treatment of objects, e.g. plasma sources
    • H01J37/32082Radio frequency generated discharge
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32431Constructional details of the reactor
    • H01J37/3244Gas supply means
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32431Constructional details of the reactor
    • H01J37/32458Vessel
    • H01J37/32477Vessel characterised by the means for protecting vessels or internal parts, e.g. coatings

Abstract

(57)【要約】 【課題】 100MHzから1000MHzの範囲の周
波数の高周波を使用してプラズマ形成することができる
実用的な装置を提供する。 【解決手段】 プラズマ形成のための高周波電界を設定
するアンテナ44は、放射線上に中心対称的に配置され
た複数のアンテナ素子441と、各アンテナ素子441
の先端を短絡した同心円環状の先端短絡用導体442
と、各アンテナ素子443の周辺側端部を保持した円筒
状の保持枠443で構成されており、500MHz2k
w程度の高周波電源43から高周波電力を高周波線路4
5は一つのアンテナ素子441にのみ接続されている。
隣接する二つのアンテナ素子441と先端短絡用導体は
高周波の波長の1/2の長さを有して共振回路を構成す
る。一つのアンテナ素子441に供給された高周波が共
振しながら隣接するアンテナ素子441に効率よく伝搬
するため、アンテナ44全体が均一に励振され、均一性
の高いプラズマが高効率で形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、プラズマを利
用して半導体ウェーハ等の基板の所定の処理を施すプラ
ズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマを利用して半導体ウェーハや液
晶基板等の表面に所定の処理を施す装置は、プラズマC
VD(化学的気相成長)装置やプラズマエッチング装置
等として広く知られている。このようなプラズマ処理装
置では、処理速度を高めるなどの要請から高密度プラズ
マを形成する必要があり、しかも、微細加工の精度向上
などの観点から、より低い圧力で高密度プラズマを形成
することが要求されている。
【0003】より低い圧力でより高い密度のプラズマを
形成するには、電離効率の向上等の改良が必要となって
くるが、高密度プラズマを低圧で形成できる装置とし
て、ヘリコン波プラズマ処理装置、ECRプラズマ処理
装置、誘導結合型プラズマ処理装置等が開発されてき
た。図12は、このような従来のプラズマ処理装置の一
例を示したものであり、特開平3−79025号公報に
開示された誘導結合型プラズマ処理装置の概略を示した
正面断面斜視図である。
【0004】図12に示すプラズマ処理装置は、上部壁
面に誘電体窓11を有する真空容器1と、真空容器1内
の所定位置に基板を配置するための基板ホルダー2と、
真空容器内にプラズマ形成用ガスを導入する不図示のガ
ス導入手段3と、真空容器1の外側であって誘電体窓1
1に近接した位置に配置された高周波コイル40と、整
合器41を介して高周波コイル40に所定の高周波電力
を印加する高周波電源42等から主に構成されている。
【0005】真空容器1は、排気系12を備えた気密な
容器であり、ガス導入手段3によって所定のプラズマ形
成用ガスが導入されるようになっている。また、真空容
器1内の下方には、基板ホルダ2が配設されており、上
面に基板20を保持するようになっている。そして、高
周波コイル40は、基板20の板面に垂直な方向を中心
軸として基板20の板面に平行な面内に渦巻き状に形成
されたものである。
【0006】高周波電源42から高周波コイル40に印
加された高周波電力は、誘電体窓11を通して真空容器
1内に誘導電界を発生させる。真空容器1内に導入され
たプラズマ形成用ガスはこの誘導電界によって放電を生
じ、プラズマが形成される。この際、高周波コイル40
とプラズマとは、誘電体窓11を通してインダクティブ
に結合していることから、誘導結合型プラズマと呼ばれ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図12に例示したよう
なプラズマ処理装置は、10-3Torr台で1011cm-3台の
高密度プラズマを形成することが可能である。しかしな
がら、このようなプラズマ処理装置では、高密度のプラ
ズマを発生させようとすると、同時にエネルギーの高い
電子も生じ、この高エネルギーの電子が表面処理に悪影
響を与える問題がある。
【0008】具体的に説明すると、例えばC4F8等の
反応性ガスを利用したSiO2 /Siの選択エッチング
をプラズマエッチング法により行うことが従来から研究
されている。この選択エッチングは、SiO2 層では酸
素が存在するため揮発性のCO,CO2 ,COF2 が生
成されて炭素重合膜が形成されないものの、Si層では
酸素がないため炭素重合膜が形成されてエッチングが停
止するという現象を利用している。
【0009】発明者の研究によると、SiO2 /Siの
選択エッチングでは、プラズマに対する投入エネルギー
を大きくするにつれてSiO2 /Siの選択性が低下す
ることが明らかになっている。この理由は、投入エネル
ギーの増大によって高エネルギーの電子が多く生成さ
れ、この高エネルギーの電子によってC48ガスが過度
に解離してしまうことが原因と考えられる。詳細なメカ
ニズムは断定できないが、例えば、高エネルギーの電子
によって活性化したフッ素系化学種を取り込んで炭素重
合膜が形成されるか、または炭素重合膜の形成過程がフ
ッ素活性種の存在下で行われることで、Siのエッチン
グが進行してしまうこと等によるものと推定できる。
【0010】図12に例示したようなプラズマ処理装置
を使用した場合、上記のような問題を生ずる高エネルギ
ー電子の生成が行われる可能性が高い。この原因には、
使用する高周波の周波数が関係している。即ち、図12
に示す装置では、13.56MHzのような10数MH
z帯の高周波を発生させる電源を使用し、この程度の周
波数の交番電界をプラズマ形成空間に印加している。こ
の場合、電子は電界の向きが変わるたびに向きを変えて
プラズマ形成空間中を移動する。この際、交番電界によ
る周期的な運動(振動)だけでなく中性粒子との衝突に
よって電子の運動の向きが変化している場合、当該電子
は交番電界に追従して運動することによりエネルギーが
増大し、高エネルギー電子が生成される。
【0011】交番電界に追従することでエネルギーが増
大する電子の割合を減少させるには、印加する高周波の
周波数を100MHz以上にしてやればよい。この程度
まで周波数を高くすると、電界の逆転により反転移動す
る際の電子の移動距離が短くなるので、エネルギーの増
大が抑えられ、高エネルギー電子の生成が抑制される。
しかしながら、図12に示すような渦巻き状の高周波コ
イルによって100MHz以上の高周波を励振すること
は、非常に困難である。
【0012】ここで、数GHz程度の高周波(マイクロ
波)を使用する場合には、高周波コイルではなく導波管
等の立体回路を用いて高周波を結合させることができ
る。例えば、ECRプラズマ処理装置は、2.45GH
zのマイクロ波を方形導波管等で導いて使用している。
この程度まで周波数が高くなると、電界の逆転により反
転移動する際の電子の移動距離が短くなるので、10数
MHz帯の周波数で見られたような有害な高エネルギー
電子の生成は確かに抑制される。
【0013】しかしながら、この程度まで周波数を高く
してしまうと、逆に、電界による電子の運動エネルギー
のみではプラズマを形成又は維持することが困難になっ
てしまい、磁界によるサイクロトロン運動等の力を借り
る必要がある。事実、ECRプラズマ処理装置は、10
00ガウス近くの強い磁界を設定してECR(電子サイ
クロトロン共鳴)条件を成立させ、これを利用して高密
度プラズマを形成するようにしている。
【0014】しかし、上記ECRプラズマ処理装置のよ
うに強い磁界を設定してプラズマを形成する場合、電子
は磁界と電界との相互作用によって連続的に加速される
ため、磁界の影響によって基板に対する処理が不均一に
なる問題がある。また、磁力線によって荷電粒子が運ば
れる結果、基板上の磁場分布に応じたチャージアップが
基板表面に発生し、不均一なチャージアップにより生ず
る基板面内電位差によって絶縁膜が絶縁破壊して損傷す
るチャージアップダメージが発生する問題も生じやす
い。
【0015】発明者の研究によれば、処理に有害な高エ
ネルギー電子の生成が抑制でき、かつ、ECRプラズマ
処理装置のような高い磁界の設定も不要である高周波の
周波数は、100MHzから1000M(1G)Hzの
範囲である。しかしながら、この帯域の周波数の高周波
を使用してプラズマを形成する実用的な装置は、従来に
は存在しなかった。本願の発明は、上述したような各課
題を解決するためになされたものであり、100MHz
から1000MHzの範囲の周波数の高周波を使用して
プラズマ形成することができる実用的な装置を提供する
ことを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、プラズマ形成用のガ
スに所定の高周波電力を供給するアンテナを具備してお
り、アンテナから供給された高周波電力によってプラズ
マを形成し、形成されたプラズマによって基板の表面に
所定の処理を行うプラズマ処理装置であって、前記アン
テナは、基板と同軸上の中心点に対して中心対称的に配
置された複数のアンテナ素子を有し、各アンテナ素子の
先端は、中心点に対して中心対称的に高周波電流の経路
を設定する先端短絡用導体によって短絡されているとい
う構成を有する。また、上記課題を解決するため、請求
項2記載の発明は、上記請求項1の構成において、各ア
ンテナ素子と先端短絡用導体によって、供給する高周波
電力の周波数で共振する複数の共振回路が中心対称的に
形成されているという構成を有する。また、上記課題を
解決するため、請求項3記載の発明は、上記請求項1又
は2の構成において、複数のアンテナ素子のうちの隣り
合う二本のアンテナ素子の合計の長さと、その隣り合う
アンテナ素子の先端を短絡する先端短絡用導体による高
周波電流の経路の長さとの和が、当該高周波電流の経路
における高周波の波長の1/2の長さに相当していると
いう構成を有する。また、上記課題を解決するため、請
求項4記載の発明は、上記請求項1、2又は3の構成に
おいて、複数のアンテナ素子は、基板の表面と平行な方
向のアンテナ面の上に配設されており、これらのアンテ
ナ素子が配設される空間とプラズマが形成される基板側
の空間とを隔絶する誘電体製の隔壁が設けられていると
いう構成を有する。また、上記課題を解決するため、請
求項5記載の発明は、上記請求項1、2、又は3の構成
において、複数のアンテナ素子は、基板の表面と平行な
方向のアンテナ面の上に配設されており、これらのアン
テナ素子と先端短絡用導体とによってアンテナ面上に形
成される開口を気密に塞ぐ誘電体製の隔絶ブロックを備
えているという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項6記載の発明は、上記請求項1、2、
3、4又は5の構成において、複数のアンテナ素子は、
基板の中心と同軸上の中心点を中心とした等間隔の放射
線上に中心点から等距離離間して配設された同一長さの
棒状のものであり、これらのアンテナ素子の周辺側の端
部を一体に保持した円環状又は円筒状の保持枠が設けら
れているという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項7記載の発明は、上記請求項1、2、
3、4,5又は6の構成において、高周波電力の周波数
が100から1000MHzであるという構成を有す
る。また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発
明は、上記請求項1、2、3、4,5,6又は7の構成
において、アンテナは、当該アンテナを構成する複数の
アンテナ素子のうちの一つのアンテナ素子にのみ高周波
線路が接続されているという構成を有する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明の第一の実施形態のプ
ラズマ処理装置の概略構成を示す正面図である。また、
図2は、図1に示す及びこのプラズマ処理装置における
アンテナの概略構成を示した平面図である。図1に示す
プラズマ処理装置は、排気系12を備えた真空容器1
と、この真空容器1内の所定位置に処理する基板20を
配置する基板ホルダー2と、真空容器1内の基板20の
上方の空間にプラズマ形成用のガスを導入するガス導入
手段3と、導入されたガスに高周波電力を供給してプラ
ズマを形成する電力供給手段4とから主に構成されてい
る。
【0018】まず、真空容器1は、不図示のゲートバル
ブを備えた気密な容器であり、電気的には接地されてい
る。真空容器1に付設された排気系12は、油回転ポン
プとターボ分子ポンプの組み合わせのように多段の真空
ポンプを備えた構成とされ、真空容器1内を例えば10
-6Torr程度以下の圧力まで排気可能に構成されてい
る。
【0019】また、基板ホルダー2は、不図示の静電吸
着機構等を備えて真空容器1内の下方の所定位置で基板
20を保持するようになっている。基板ホルダー2内に
は、基板20を所定温度に加熱するヒーター等の温度調
節機構が必要に応じて設けられる。さらに、基板ホルダ
ー2に所定の高周波電圧を印加してプラズマとの相互作
用によって基板20に所定のバイアス電圧を与える基板
バイアス電源が、必要に応じて基板ホルダー2に接続さ
れる。
【0020】ガス導入手段3は、所定のガスを溜めた不
図示のボンベと真空容器1とを繋ぐガス導入用配管31
と、ガス導入用配管31に設けられたバルブ32や流量
調整器33等から構成されている。導入されるガスはプ
ラズマ形成用のものであるが、基板20に対する処理の
内容によっても異なる。例えば、基板20の表面に対し
てプラズマエッチングを行う場合には、フッ素化合物ガ
ス等の反応性ガスを導入してプラズマを形成し、プラズ
マ中で生成されるフッ素活性種の作用を利用してエッチ
ングを行う。また、アモルファスシリコン膜の作成を行
う処理の場合には、シラン系のガスと水素の混合ガスを
導入してプラズマを形成し、プラズマ中でのシラン系ガ
スの分解を利用して基板20上にアモルファスシリコン
膜を作成する。
【0021】電力供給手段4は、所定の高周波電力を発
生させる高周波電源43と、高周波電源43が発生させ
た高周波電力を真空容器1内のプラズマ形成用ガスに供
給するアンテナ44と、高周波電源43とアンテナ44
とを接続する高周波線路45と、高周波線路45上に設
けられたスタブチューナー46とから主に構成されてい
る。
【0022】高周波電源43としては、100Mから1
000MHzの帯域の高周波電力を発生させるものが好
ましい。即ち、100M以下であると、前述したような
有害な高エネルギー電子の生成を抑制できない。また、
1000MHz以上であると、磁界の設定等の手段を併
用しなくては高密度プラズマの形成が不可能である。よ
り具体的には、高周波電源43としては、本実施形態で
は発振周波数500MHzのUHF波を発生させるもの
が使用されており、出力は2kWのものが使用されてい
る。
【0023】高周波線路45としては、例えば同軸ケー
ブルが使用される。スタブチューナー46は、下流側の
インピーダンスを所定の値に整合を取るものであり、高
周波電源43への反射波が無いように調整される。
【0024】アンテナ44の構成は、本実施形態の装置
の大きな特徴点を成している。図1及び図2に示すよう
に、アンテナ44は、基板20と同軸上の中心点に対し
て中心対称的に配置された複数のアンテナ素子441
と、各アンテナ素子441の先端を短絡した中心点に対
して中心対称的な高周波電流の経路を設定する先端短絡
用導体442と、各アンテナ素子441の周辺側の端部
を一体に保持した円筒状の保持枠443とから構成され
ている。
【0025】各アンテナ素子441は、図1及び図2に
示すように、基板20の中心と同軸上の中心点を中心と
した等間隔の放射線上に中心点から等距離離間して配設
された同一長さの丸棒状のものである。また、各アンテ
ナ素子441は、同一平面上に、より具体的には、基板
20の表面と平行な方向のアンテナ面の上に配設されて
いる。アンテナ素子441は、計6本設けられており、
60度間隔で配設されている。各アンテナ素子441の
長さは、例えば120mm程度である。太さは直径15
mm程度である。
【0026】また、先端短絡用導体442は、本実施形
態では、各アンテナ素子441の先端をつなぐように設
けられた円環状の部材で構成されている。先端短絡用導
体442は、幅10mm程度、厚さ1mm程度の帯状の
部材を円周状に形成した形状であり、幅方向の中央部分
で見た円の直径は100mm程度になっている。先端短
絡用導体442は、その上面を各アンテナ素子441の
先端の下縁に接合することで各アンテナ素子441に保
持されている。
【0027】さらに、保持枠443は、上壁部を有し、
下面が開口になっている円筒状のものであり、各アンテ
ナ素子441の周辺側の端部を内側面に固定して保持し
ている。保持枠443の内径は350mm程度、外径は
360mm程度である。図1に示すように、真空容器1
の上壁部分には、保持枠443の直径よりも少し小さい
開口が設けられており、保持枠443はこの開口を上か
ら塞ぐように真空容器1に対して気密に接続されてい
る。保持枠443は、高周波線路45等の貫通部分を気
密に封止した気密な容器であり、保持枠443は真空容
器1の器壁の一部を成すよう兼用されている。
【0028】また、各アンテナ素子441、先端短絡用
導体442及び保持枠443は、いずれもアルミニウム
又は銅等の金属又は合金で形成されており、各々の接合
は、溶接、ハンダ付け、ロー付け又はネジ止め等の方法
により行われる。
【0029】さて、本実施形態におけるアンテナ44の
構成では、六本のアンテナ素子441のうちの特定の一
本のアンテナ素子441に高周波線路45が接続されて
おり、このアンテナ素子441にまず高周波が供給され
るようになっている。そして、各アンテナ素子441
は、隣接する他のアンテナ素子441に高周波が結合
(カップリング)可能な状態となっており、一本のアン
テナ素子441に印加された高周波は、隣接する他のア
ンテナ素子441に結合されて伝わり、各アンテナ素子
441が均一に励振されるようになっている。尚、各ア
ンテナ素子441を保持した保持枠443は、高周波線
路45として用いた同軸ケーブルのアース線が接続され
ている。
【0030】また、隣り合う二本のアンテナ素子441
と先端短絡用導体442内の高周波電流の経路とが、供
給される高周波電力の周波数における共振回路を構成し
ている。具体的に説明すると、隣り合う二本のアンテナ
素子441と先端短絡用導体442内の高周波電流の経
路とによって形成される高周波の伝送線が共振する構成
は、受電端短絡の高周波線路の共振の場合に相当してい
る。受電端短絡の高周波線路の共振条件は、周知のよう
に、 l=nλ/2……(1) である。この式(1)において、lは線路の長さ、nは
自然数、λは高周波の波長である。
【0031】図3は、共振条件を説明した図である。図
3の(A)は、上記(1)において、n=1の場合、
(B)はn=2の場合を示している。例えば(A)のn
=1の場合の寸法例について説明すると、上記式(1)
は、λ=c/f(cは真空中の光速)から、 l=nc/2f……(2) となる。従って、この式(2)に、n=1、f=500
×106 (Hz)、c=2.99792458×108
(m/s)を代入すると、l≒0.29(m)となる。
【0032】一方、前述したアンテナ素子441及び先
端短絡用導体442の寸法例から線路の長さを求める
と、線路の長さは、(アンテナ素子441の長さ)×2
+(先端短絡用導体442の周の長さ)/6に相当して
いるから、120×2+100π/6より、ほぼ292
mmとなって前記lに殆ど一致していることが分かる。
つまり、前述した寸法例によると、図3に示す(A)の
状態で共振することになるのである。尚、この図3
(A)から分かるように、共振状態では、線路の中央部
分即ち先端短絡用導体442の部分で電圧最大で電流最
小、接地されている保持枠443の接合部分で電圧最小
で電流最大の分布となる。
【0033】上記計算による共振条件は、線路の誘導性
リアクタンスL及び容量性リアクタンスCが自由空間に
おける場合と同様であるとしているが、発明者が確認し
たところでは、充分満足できる共振状態が得られてい
る。但し、厳密に言えば、各アンテナ素子441と先端
短絡用導体442による高周波電流の経路の長さとの和
が、「当該高周波電流の経路における高周波の波長の1
/2」に相当している場合、最も良好な共振状態とな
る。つまり、自由空間における高周波の波長ではなく、
各アンテナ素子441と先端短絡用導体442とで形成
される高周波線路が有する誘導性リアクタンス及び容量
性リアクタンスのもとでの高周波の波長の1/2という
ことである。
【0034】また、図1に示すように、各アンテナ素子
441を臨む保持枠443の上壁部分に導体よりなる保
持棒444をアンテナ素子441に向けてそれぞれ上下
動可能に設け、各保持棒444の下端に導体板445を
固定するとともに保持棒444を上下動させることによ
って各アンテナ素子441の上側の空間容量を調節する
ようにすると、線路の容量性リアクタンスCを調整する
ことが可能である。
【0035】実際の設計では、各アンテナ素子441の
長さや先端短絡用導体442の大きさは、処理する基板
20の大きさ等の関係から決まってしまう場合が多い。
この場合には、上記のようにして容量性リアクタンスを
調整し、「高周波の波長の1/2」の方を「二本のアン
テナ素子と先端短絡用導体による高周波電流の経路の長
さ」に一致させていくことが行われる。
【0036】次に、上記アンテナ44の動作について説
明する。図4は、アンテナ44の動作を説明するための
概略図である。上述した六本のアンテナ素子441を便
宜上時計回りに第一アンテナ素子441a、第二アンテ
ナ素子441b、第三アンテナ素子441c、第四アン
テナ素子441d、第五アンテナ素子441e、第六ア
ンテナ素子441fとする。また、第一アンテナ素子4
41aに高周波線路45が接続されて高周波電力が最初
に供給されるものとする。
【0037】第一アンテナ素子441aに高周波電力が
供給されると、その第一アンテナ素子441aから先端
短絡用導体442を経由して隣接する第二アンテナ素子
441b及び第六アンテナ素子441fに高周波電流i
が流れる。この際、第一アンテナ素子441aと第二ア
ンテナ素子441b、及び、第一アンテナ素子441a
と第六アンテナ素子441fによって共振回路が形成さ
れ、共振状態で三つのアンテナ素子441a,b,cが
励振される。
【0038】そして、第二アンテナ素子441bとの結
合によって第三アンテナ素子441cに高周波電流iが
流れ、第六アンテナ素子441fとの結合によって第五
アンテナ素子441eに流れる。即ち、第二アンテナ素
子441bに流れる高周波電流iによって誘起された磁
界により第三アンテナ素子441cに高周波電流iが流
れ、第六アンテナ素子441fに流れる高周波電流iに
よって誘起された磁界により第五アンテナ素子441e
に高周波電流iが流れる。そして、第二アンテナ素子4
41bと第三アンテナ素子441c、及び、第六アンテ
ナ素子441fと第五アンテナ素子441eによってそ
れぞれ共振回路が形成され、共振状態でこれらのアンテ
ナ素子441b,c,e,fが励振される。
【0039】そして、第四アンテナ素子441dには、
第三アンテナ素子441cの高周波と第五アンテナ素子
441fの高周波とが結合されて高周波電流iが流れ、
第三アンテナ素子441cと第四アンテナ素子441
d、及び、第五アンテナ素子441eと第四アンテナ素
子441dによって共振回路が形成されて共振状態で励
振される。
【0040】このようにして、第一アンテナ素子441
aに供給された高周波は、隣接するアンテナ素子441
との間で共振状態を作りながら周方向に伝搬し、アンテ
ナ44全体が均一に励振される。上記のように、一つの
アンテナ素子441のみに高周波線路45を接続して一
つのアンテナ素子441のみに最初に高周波を供給する
ようにする構成は、アンテナ44までの高周波の伝送手
段を簡略化させる大きなメリットがある。
【0041】即ち、他のアンテナ素子441への高周波
の伝搬が充分でない場合、例えば180度離れた二本の
アンテナ素子441等のように複数のアンテナ素子44
1に高周波線路45を接続して複数のアンテナ441に
同時に高周波を供給する構成が採用される場合がある。
しかし、この場合には、高周波を二以上の線路に分配す
る分配器が必要になり、伝送手段の構成が複雑化する。
また、分配器を使用して充分均等に高周波を分配するこ
とは技術的に難しい面があり、各アンテナ素子441に
供給される高周波のバランスが悪くなるためにアンテナ
44全体が均一に励振できないことがある。
【0042】一方、本実施形態の装置では、各アンテナ
素子441の結合が強化されているため、二以上のアン
テナ素子441に最初に高周波を供給するようにする必
要はない。従って、伝送手段の構成が簡略化でき、ま
た、アンテナ44全体の励振バランスが悪くなることも
ない。
【0043】上述した構成及び作用のアンテナ44を備
えた本実施形態の装置では、アンテナ面に平行な面内で
極めて均一なプラズマを高い効率で形成させることがで
きる。この点を以下に説明する。
【0044】図5は、本実施形態の装置の効果を確認し
た実験の結果を示した図である。この実験は、真空容器
1内のプラズマ形成空間においてアンテナ面に平行な面
方向(図1にX−Xで示す)でのプラズマ密度の分布を
測定したものである。図5の実線が本実施形態の装置の
プラズマ密度分布、点線が本実施形態の装置において先
端短絡用導体442を設けない構成(以下、比較例)の
プラズマ密度分布を示している。両方とも、アンテナ4
4への投入電力は同じである。
【0045】図5に点線で示す通り、比較例の装置で
は、高周波線路45が接続されたアンテナ素子441の
直下の部分でプラズマ密度が突出しており、他の部分で
はプラズマ密度はかなり低下している。これは、高周波
線路45が接続されたアンテナ素子441の部分で高周
波電力が多く消費され、他のアンテナ素子441には伝
搬していかない状況を示している。
【0046】一方、図5に実線で示す通り、本実施形態
の装置によれば、プラズマ密度はアンテナ面に平行な面
内で均一となり、均一なプラズマが形成されることが分
かる。また、プラズマ密度の平均値も比較例の装置より
も向上しており、プラズマの形成効率の点でも改善され
ていることが分かる。
【0047】このようなプラズマ密度の均一化及びプラ
ズマ形成効率の向上の原因については、一概に明らかで
はないが、以下のような点が原因していると想像され
る。まず、プラズマ密度の均一化については、図6を使
用して説明する。図6は、比較例のアンテナ44におけ
る高周波の伝搬状況を示した斜視概略図である。
【0048】先端短絡用導体442を使用しなかった場
合、隣接するアンテナ素子441同士は、図6に示すよ
うに、アンテナ素子441の先端部分で挟まれた空間の
容量C1 を介して結合して一つの共振回路を形成すると
想定される。即ち、二本のアンテナ素子441と空間容
量C1 とによって一つの共振回路が形成されているもの
と思われる。
【0049】この場合、各アンテナ素子441の結合
は、空間容量C1 を介した容量性結合であり、先端短絡
用導体442によって直接結合している本実施形態の場
合に比べかなり弱くなっているものと思われる。つま
り、高周波線路45が接続されたアンテナ素子441が
励振された際に、隣接するアンテナ素子441に流れる
高周波電流は、先端短絡用導体442で直結された場合
に比べ相当程度低くなっているものと思われる。
【0050】一方、各アンテナ素子441から放射され
る電界によって形成されたプラズマPと各アンテナ素子
441との間にも空間容量C2 が存在し、各アンテナ素
子441とプラズマPとは容量性結合している。即ち、
プラズマPとアンテナ素子441とを結ぶ方向(アンテ
ナ面に垂直な方向)に成分を持つ電界が空間容量C2
介して各アンテナ素子441によってプラズマ形成空間
に設定され、この電界によって周期的に電子は加速され
る。そして、各アンテナ素子441に供給された高周波
電力は、この空間容量C2 を介したプラズマPとの結合
によって消費される。即ち、電子にエネルギーを与えて
プラズマを形成又は維持する。
【0051】ここで、比較例の場合、アンテナ素子44
1同士の結合が弱いため、高周波は、最初に供給された
アンテナ素子441とプラズマPとの結合を経て消費さ
れる割合が高いものと推定される。つまり、アンテナ4
41同士の結合が弱いため、高周波は隣接するアンテナ
素子441には伝搬せず、最初に供給されたアンテナ素
子441の直下の部分でのプラズマPへのエネルギー供
給に専ら消費されてしまうものと考えられる。
【0052】図5に示した点線で示したプラズマ密度の
突出は、このようなメカニズムによって生じているもの
と思われる。そして、プラズマ密度の高い領域がいった
ん形成されると、その領域のインピーダンスが低下し、
この結果、更に結合が強くなってプラズマ密度が高くな
る。これは、丁度正のフィードバックがかかって発振が
始まるのと同じ原理であり、プラズマがどんどん局在化
するようになってしまう。
【0053】一方、本実施形態の装置では、先端短絡用
導体442によって隣接するアンテナ素子441の結合
が強化されているため、一つのアンテナ素子441に供
給された高周波は、そのアンテナ素子441の直下の部
分で消費される量に対して相対的に多くの量が各アンテ
ナ素子441に伝搬していくものと思われる。この結
果、各アンテナ素子441から放射される電界は均一で
バランスが取れたものとなり、従って、各アンテナ素子
441の直下の部分で消費される高周波電力の量も均一
でバランスの取れたものとなる。このようなメカニズム
によって、前述したプラズマ密度の均一化が達成されて
いるものと思われる。
【0054】尚、本実施形態の装置では、各アンテナ素
子441により多くの電流が流れるため、プラズマに対
する高周波の結合は、比較例の場合に比べ、容量性結合
よりも誘導性結合の割合が増加しているものと推定され
る。即ち、各アンテナ素子441中に流れる高周波電流
により誘起された磁界によってプラズマ形成空間に電界
が誘導され、この誘導電界によって電子が加速されてエ
ネルギーを受け取る割合が高くなっているものと推定さ
れる。但し、投入電力が同じである場合、単に先端短絡
用導体442を設けただけでは、アンテナ44に流れる
高周波電流の増大はそれ程大きくなく、誘導結合が完全
に支配的となるには投入電力の増大が必要であると思わ
れる。
【0055】次に、プラズマ形成効率の改善について説
明する。前述したプラズマ形成効率改善の効果は、以下
のような理由によるものと考えられる。即ち、プラズマ
形成効率は、投入全エネルギーに対する平均プラズマ密
度の割合であると概略的には表現できる。上記のように
アンテナ44を介して高周波エネルギーをプラズマに供
給する構成では、アンテナ44までの高周波線路45に
おける損失が一定であるとすると、アンテナ44の部分
における高周波エネルギーの損失がプラズマ形成効率を
決定することになる。
【0056】アンテナ44における高周波エネルギーの
損失は、まずアンテナ素子441が完全導体ではないこ
とに起因する損失が上げられる。これは、アンテナ素子
441のインピーダンスの実数部が影響するが、同一の
材質や表面状態のアンテナ素子441を使用する限りは
基本的に改善はない。アンテナ44の部分における高周
波電力の損失を低減させる最も効果的な方法は、前述し
たようにアンテナ素子441によって共振回路が形成さ
れるようにすることである。共振条件が達成されれば、
リアクタンスは最低になるので、アンテナ素子441の
部分における高周波エネルギーの損失は最低となる。
【0057】ここで、周知のように、プラズマを気体放
電によって形成する場合、プラズマと電極との間にはプ
ラズマシースが形成され、このプラズマシースの電界に
よって荷電粒子が加速される。本実施形態及び参考例の
構成では、プラズマのアンテナ44側の境界部分に隣接
してプラズマシースが形成され、前記空間容量C2には
このプラズマシースの部分の空間容量が含まれる。
【0058】プラズマシースの厚さは、プラズマ密度に
よって影響を受け、プラズマ密度が高くなった部分では
プラズマシースの幅が狭くなり、プラズマ密度が低くな
った部分ではプラズマシースの幅が広くなる。プラズマ
シースが狭くなると、その部分の空間容量が大きくなる
ので結果的に空間容量C2 が大きくなり、プラズマシー
スが広くなると、その部分の空間容量が小さくなるので
結果的に空間容量C2が小さくなる。つまり、各アンテ
ナ素子441の部分で空間容量C2 が不均一になる。
【0059】この空間容量C2 は、前述した共振回路を
構成する線路の容量性リアクタンスCに含まれるから、
空間容量C2 の不均一化は、共振周波数のずれをもたら
す。即ち、特定のアンテナ素子441では共振するが、
他のアンテナ素子442では共振しなくなったり、もし
くは全てのアンテナ素子441で共振しなくなってしま
ったりする。
【0060】アンテナ素子441が共振しなくなると、
アンテナ44とスタブチューナー46との間に定在波が
発生し、この定在波によってアンテナ44とスタブチュ
ーナー46との間の伝送路に変位電流が流れるため、損
失が増大する。この結果、プラズマの形成効率が低下す
る。また、アンテナ素子441相互に共振周波数のずれ
が生じると、各アンテナ素子441相互の高周波の結合
が充分でなくなり、反射波の発生等の損失が生じる。
【0061】一方、本実施形態の装置では、前述のよう
に均一な密度のプラズマが形成されるため、プラズマシ
ースの空間容量の不均一化が生じない。また、本実施形
態の装置では、前述した通り、プラズマが各アンテナ素
子441と誘導性結合してエネルギーを受け取る割合が
相対的に高くなっている。誘導性結合では、アンテナ素
子441の長さ方向に成分を持った誘導電界によって電
子が加速されてプラズマが形成されるので、容量性結合
のようにプラズマ密度の高いところプラズマシースが狭
くなるようなことはない。従って、何らかの事情でプラ
ズマ密度が不均一化しても、それによって共振周波数が
影響を受けることは少ない。このようなことから、本実
施形態の装置の高いプラズマ形成効率が得られるものと
思われる。
【0062】尚、各アンテナ素子441とプラズマとの
容量性結合をどの程度弱くしておけばよいかは、次のよ
うに説明できる。図7は、各アンテナ素子441とプラ
ズマとの容量性結合の度合いについての説明図である。
各アンテナ素子441とプラズマとの容量性結合の程度
は、「プラズマ密度の変化が共振周波数の変動に影響を
与えない程度」と表現できる。即ち、図7に示すよう
に、共振周波数の半値幅をΔfとし、予想されるプラズ
マ密度の変化に伴う共振周波数のずれの最大値をΔf0
とした場合、Δfに対してΔf0 が充分小さく(Δ
f》Δf0 )なる程度に容量性結合を弱くしておけば良
い。
【0063】また、前述した通り、アンテナ44とプラ
ズマとが誘導性結合する割合を大きくためには、アンテ
ナ44への投入電力を大きくすることが重要である。こ
の点を図8を使用して説明する。図8は、誘導性結合に
ついての説明図であり、図1の装置において投入電力を
大きくしていった場合のプラズマ密度分布の変化を示し
た図である。図8中、P1,P2,P3,P4はいずれ
も高周波電力であり、P1<P2<P3<P4である。
【0064】図8に示すように、高周波電力が小さい
(P1,P2,P3)うちは、アンテナ素子441の先
端部分の直下においてプラズマ密度が高く、保持枠44
3との接合部分である周辺側の端部の部分でプラズマ密
度が弱くなる。前述の通り、アンテナ素子441が形成
する共振回路では、アンテナ素子441の先端部分で電
圧が最も高く(電流が最も低く)、周辺部の端部の部分
で電圧が最も低くなる(電流が最も高くなる)ので、図
8に示す電力P1,P2,P3の場合のプラズマ密度の
分布は、アンテナ素子441とプラズマとの結合は容量
性結合が支配的であることを示している。
【0065】一方、高周波電力がある限度を越えて大き
くなると(P4)、アンテナ素子441の周辺側の端部
の下方でもプラズマ密度は高くなり、ほぼ均一な分布と
なる。これは、アンテナ素子441に流れる電流が高く
なる部分でプラズマ密度が高くなることを示しており、
アンテナ素子441とプラズマとの結合は誘導性結合が
支配的になったことを示している。尚、原理的には、中
央部分に比べて周辺部分でプラズマ密度が高くなるはず
であるが、周辺部分では保持枠443(又は真空容器
1)の側壁でのプラズマの損失があるので、この分で相
殺される。電力とともに圧力をある程度高くすると、周
辺部分でのプラズマ密度の突出が見られる。
【0066】誘導性結合は、各アンテナ素子441を先
端短絡用導体442で短絡させたために、大電力の投入
によって大きな電流を流すことが可能になり、この結果
可能になったものである。誘導性結合させると、前述し
た通りプラズマ密度の変動によっては共振周波数が変化
することがなくなり、均一で高密度のプラズマを安定し
て形成することが可能になる。従って、実用的なメリッ
トは大きい。
【0067】どの程度まで、投入電力を大きくすれば誘
導性結合に移行するかは、圧力等によっても異なるので
一概には言えないが、アンテナ44への投入電力を保持
枠443の断面積で割った電力密度でいうと、1W/c
2 程度以上であれば誘導性結合が支配的になるものと
考えられる。
【0068】上述したようなアンテナ44の下方には、
隔壁5が設けられている。隔壁5は、図1に示すよう
に、アンテナ素子441が配設される空間とプラズマが
形成される基板20側の空間とを隔絶するようにして設
けられている。隔壁5は、石英ガラスやアルミナ等の誘
電体で形成された板状の部材である。隔壁5は、保持枠
443の内側に保持枠443に対して気密に取り付けら
れている。
【0069】このような隔壁5は、プラズマが基板20
側の空間のみに形成されるようにする作用を有してい
る。即ち、アンテナ素子441は基板20側のみなら
ず、基板20と反対側の空間に対しても高周波電界を放
射しているので、隔壁5が無いと、基板20とは反対側
の空間にもプラズマ形成用ガスが拡散してプラズマが形
成されてしまう恐れがある。
【0070】このような場所に形成されたプラズマは基
板20の処理には利用できない無駄なものであり、単な
る高周波電力の損失になる。また、図1に示すようなア
ンテナ44の構成では、各アンテナ素子441と保持枠
443の上壁部分との間の空間の容量が共振条件に影響
を与えるが、この空間にプラズマが形成されると、この
空間の容量が大きく変化し、この結果共振周波数が激し
く変動する。従って、隔壁5は、無駄な場所でのプラズ
マ形成を抑制するとともに共振状態を安定化させるのに
顕著な効果がある。
【0071】次に、本実施形態の装置の全体の動作につ
いて説明する。まず、真空容器1には不図示のロードロ
ックチャンバーが気密に接続されており、ロードロック
チャンバー内に基板20を配置してロードロックチャン
バーと真空容器1とを10-6Torr程度まで排気す
る。この状態で不図示のゲートバルブを開けて基板20
を真空容器11内に搬入し、基板ホルダー2上に載置す
る。そして、ゲートバルブを閉めた後、ガス導入手段3
を動作させ、所定のガスを所定の流量で真空容器1内に
導入する。導入されたガスは真空容器1内を拡散し、ア
ンテナ44の下方のプラズマ形成空間に達する。
【0072】次に、電力供給手段4を動作させ、高周波
電源43から高周波線路45を伝ってアンテナ44に高
周波電力を供給する。供給された高周波電力は、前述し
たように各アンテナ素子441に均一に伝搬し、プラズ
マ形成空間に均一な放射電界又は誘導電界を設定する。
この電界によってプラズマが形成され、プラズマの作用
によって基板20の表面に所定の処理が施される。即
ち、前述したに、フッ素化合物ガスを導入して形成した
プラズマによってエッチングを行ったり、シランと水素
の混合ガスを導入してアモルファスシリコン膜を作成し
たりする処理を行う。このような処理を所定時間行った
後、真空容器1内を再度排気し、その後基板20を真空
容器1から取り出す。上記動作において、前述したよう
に均一で高密度のプラズマが形成されるので、均一性の
高い処理を高効率で行うことが可能になる。
【0073】次に、本願発明の他の実施形態について説
明する。図9は、本願発明の第二の実施形態の主要部を
示した図であり、第二の実施形態におけるアンテナ44
の概略構成を示した平面図である。この第二の実施形態
では、先端短絡用導体442として円板状の部材を使用
している。各アンテナ素子441の先端は、円板状の先
端短絡用導体442の端面に接合されている。円板の厚
さはアンテナ素子441と同程度であり、材質は第一の
実施形態と同じくアルミニウムや銅等の金属又は合金で
ある。この第二の実施形態においても、第一の実施形態
と同様、先端短絡用導体442によってアンテナ素子4
41同士の結合が強化され、前述したのと同様のプラズ
マ密度の均一化とプラズマ形成効率の向上の効果が得ら
れる。
【0074】図10は、本願発明の第三の実施形態の主
要部を示したものであり、第三の実施形態におけるアン
テナ44の概略構成を示した平面図である。この第三の
実施形態では、先端短絡用導体442として、帯板状の
部材を丸めて円環状にした形状のものを使用している。
帯板の幅はアンテナ素子441の太さと同程度であり、
材質は同様にアルミニウムや銅等の金属又は合金であ
る。この第三の実施形態においても、第一第二の実施形
態と同様、先端短絡用導体442によってアンテナ素子
441同士の結合が強化され、前述したのと同様にプラ
ズマ密度の均一化とプラズマ形成効率の向上の効果が得
られる。
【0075】また、この第三の実施形態では、先端短絡
用導体442がプラズマに対向する面の面積は、前述し
た第一第二の実施形態に比べ小さくなる。このため、先
端短絡用導体442の部分におけるプラズマとの高周波
結合は、第一第二の実施形態の場合に比べ、容量性結合
の度合いはさらに少なくなる。従って、隣接するアンテ
ナ素子441への結合の強化によるプラズマ密度の均一
化や共振周波数のずれの抑制によるプラズマ形成効率改
善の効果が向上する。
【0076】さらに図11は、本願発明の第四の実施形
態の主要部を示したものであり、第四の実施形態におけ
るアンテナ44の概略構成を示した平面図である。この
第四の実施形態では、アンテナ44の構成は上記第三実
施形態の場合とほぼ同様であるが、アンテナ素子441
と先端短絡用導体442とによってアンテナ面上に形成
される開口を気密に塞ぐ誘電体製の隔絶ブロック6が備
えられている。そして、この第四の実施形態では、図1
に示すような隔壁5は設けられない。絶縁ブロック6が
隔壁5の代わりになっている。
【0077】この第四の実施形態によれば、隔壁5を使
用しないので、各アンテナ素子441とプラズマ形成空
間と距離を短くすることができ、プラズマの形成効率を
さらに高くすることができる。即ち、アンテナ44によ
る電界のうち、放射電界は距離に反比例して小さくなる
傾向を示すは、アンテナ素子441とプラズマ形成空間
との距離を小さくすることで、放射電界の高い領域を利
用してプラズマ形成することができるので、プラズマ形
成効率が向上する。また、隔絶ブロック6の合計の体積
は、図1に示す隔壁5の場合に比べて小さくすることが
できるので、誘電体損も図1の場合に比べて小さくする
ことができる。この点もプラズマ形成効率の向上に寄与
している。
【0078】上述した各実施形態の装置の構成におい
て、等間隔の放射線上への各アンテナ素子441の配置
は中心対称的な配置の一例であり、これ以外にも多くの
ものが考えられる。例えば、棒状のアンテナ素子を平行
に等間隔をおいて並べた配置等である。また、先端短絡
用導体442の構成も同様であり、前述した円環状又は
円板状の構成の他、中心対称的な構成として他の多くの
ものが採用できる。例えば、アンテナ素子441の数に
応じた正多角形状のリング状又は板状等である。
【0079】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1の発
明によれば、各アンテナ素子と先端短絡用導体によって
中心対称的な高周波電流の経路が設定されるので、アン
テナ素子同士の高周波の結合が強化される。このため、
各アンテナ素子に高周波が均一に伝搬し、この結果、均
一なプラズマが形成されて基板の処理の均一化が図られ
る。また、請求項2又は3の発明によれば、上記効果に
加え、各アンテナ素子と先端短絡用導体によって共振回
路が形成されるので、アンテナの部分における損失が最
低となり、高効率のプラズマ形成に寄与する。また、請
求項4又は5の発明によれば、上記効果に加え、不必要
な場所へのプラズマの形成が無くなるので、電力の無駄
が無くなり、この点でさらにプラズマ形成効率が向上す
る。また、請求項6の発明によれば、上記効果に加え、
アンテナ素子とプラズマ形成空間との距離が小さくなる
ので、さらにプラズマ形成効率が向上する。また、請求
項7の発明によれば、上記効果に加え、有害な高エネル
ギー電子の生成が抑制されるとともに、磁場印加の必要
なくして高密度プラズマが得られるという効果が得られ
る。また、請求項8の発明によれば、上記効果に加え、
アンテナへの高周波の伝送路の構成が簡略化され、アン
テナ全体の励振のバランスが悪くなることがないという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一の実施形態のプラズマ処理の概
略構成を示した正面図である。
【図2】図1に示す及びこのプラズマ処理装置における
アンテナの概略構成を示した平面図である。
【図3】図1の装置におけるアンテナの共振条件を説明
した図である。
【図4】図1の装置におけるアンテナの動作を説明する
ための外略図である。
【図5】本実施形態の装置の効果を確認した実験の結果
を示した図である。
【図6】比較例のアンテナにおける高周波の伝搬状況を
示した斜視概略図である。
【図7】各アンテナ素子とプラズマとの容量性結合の度
合いについての説明図である。
【図8】誘導性結合についての説明図であり、図1の装
置において投入電力を大きくしていった場合のプラズマ
密度分布の変化を示した図である。
【図9】本願発明の第二の実施形態の主要部を示した図
であり、第二の実施形態におけるアンテナの概略構成を
示した平面図である。
【図10】本願発明の第三の実施形態の主要部を示した
ものであり、第三の実施形態におけるアンテナの概略構
成を示した平面図である。
【図11】本願発明の第四の実施形態の主要部を示した
ものであり、第四の実施形態におけるアンテナの概略構
成を示した平面図である。
【図12】従来のプラズマ処理装置の一例を示した図で
ある。
【符号の説明】
1 真空容器 12 排気系 2 基板ホルダー 20 基板 3 ガス導入手段 4 電力供給手段 43 高周波電源 44 アンテナ 441 アンテナ素子 442 先端短絡用導体 443 保持枠 45 高周波線路 5 隔壁 6 隔絶ブロック
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】図12に示すプラズマ処理装置は、上部壁
面に誘電体窓11を有する真空容器1と、真空容器1内
の所定位置に基板を配置するための基板ホルダー2と、
真空容器内にプラズマ形成用ガスを導入するガス導入手
3と、真空容器1の外側であって誘電体窓11に近接
した位置に配置された高周波コイル40と、整合器41
を介して高周波コイル40に所定の高周波電力を印加す
る高周波電源42等から主に構成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】真空容器1は、排気系12を備えた気密な
容器であり、ガス導入手段3によって所定のプラズマ形
成用ガスが導入されるようになっている。また、真空容
器1内の下方には、基板ホルダー2が配設されており、
上面に基板20を保持するようになっている。そして、
高周波コイル40は、基板20の板面に垂直な方向を中
心軸として基板20の板面に平行な面内に渦巻き状に形
成されたものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】具体的に説明すると、例えば 等の
反応性ガスを利用したSiO/Siの選択エッチング
をプラズマエッチング法により行うことが従来から研究
されている。この選択エッチングは、SiO層では酸
素が存在するため揮発性のCO,CO,COFが生
成されて炭素重合膜が形成されないものの、Si層では
酸素がないため炭素重合膜が形成されてエッチングが停
止するという現象を利用している。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】アンテナ44の構成は、本実施形態の装置
の大きな特徴点を成している。図1及び図2に示すよう
に、アンテナ44は、基板20と同軸上の中心点に対し
て中心対称的に配置された複数のアンテナ素子441
と、各アンテナ素子441の先端を短絡して中心点に対
して中心対称的な高周波電流の経路を設定する先端短絡
用導体442と、各アンテナ素子441の周辺側の端部
を一体に保持した円筒状の保持枠443とから構成され
ている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】アンテナ44における高周波エネルギーの
損失は、まずアンテナ素子441が完全導体ではないこ
とに起因する損失があげられる。これは、アンテナ素子
441のインピーダンスの実数部が影響するが、同一の
材質や表面状態のアンテナ素子441を使用する限りは
基本的に改善はない。アンテナ44の部分における高周
波電力の損失を低減させる最も効果的な方法は、前述し
たようにアンテナ素子441によって共振回路が形成さ
れるようにすることである。共振条件が達成されれば、
リアクタンスは最低になるので、アンテナ素子441の
部分における高周波エネルギーの損失は最低となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】ここで、周知のように、プラズマを気体放
電によって形成する場合、プラズマと電極との間にはプ
ラズマシースが形成され、このプラズマシースの電界に
よって荷電粒子が加速される。本実施形態及び参考例の
構成では、プラズマのアンテナ44側の境界部分に隣接
してプラズマシースが形成され、前記空間容量 には
このプラズマシースの部分の空間容量が含まれる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】プラズマシースの厚さは、プラズマ密度に
よって影響を受け、プラズマ密度が高くなった部分では
プラズマシースの幅が狭くなり、プラズマ密度が低くな
った部分ではプラズマシースの幅が広くなる。プラズマ
シースが狭くなると、その部分の空間容量が大きくなる
ので結果的に空間容量Cが大きくなり、プラズマシー
スが広くなると、その部分の空間容量が小さくなるので
結果的に空間容量 が小さくなる。つまり、各アンテ
ナ素子441の部分で空間容量Cが不均一になる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正内容】
【0062】尚、各アンテナ素子441とプラズマとの
容量性結合をどの程度弱くしておけばよいかは、次のよ
うに説明できる。図7は、各アンテナ素子441とプラ
ズマとの容量性結合の度合いについての説明図である。
各アンテナ素子441とプラズマとの容量性結合の程度
は、「プラズマ密度の変化が共振周波数の変動に影響を
与えない程度」と表現できる。即ち、図7に示すよう
に、共振周波数の半値幅をΔfとし、予想されるプラズ
マ密度の変化に伴う共振周波数のずれの最大値をΔ
とした場合、Δfに対してΔfが充分小さく(Δf》
Δf)なる程度に容量性結合を弱くしておけば良い。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】この第四の実施形態によれば、隔壁5を使
用しないので、各アンテナ素子441とプラズマ形成空
間と距離を短くすることができ、プラズマの形成効率を
さらに高くすることができる。即ち、アンテナ44によ
る電界のうち、放射電界は距離に反比例して小さくなる
傾向を示すが、アンテナ素子441とプラズマ形成空間
との距離を小さくすることで、放射電界の高い領域を利
用してプラズマ形成することができるので、プラズマ形
成効率が向上する。また、隔絶ブロック6の合計の体積
は、図1に示す隔壁5の場合に比べて小さくすることが
できるので、誘電体損も図1の場合に比べて小さくする
ことができる。この点もプラズマ形成効率の向上に寄与
している。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一の実施形態のプラズマ処理の概
略構成を示した正面図である。
【図2】図1に示すプラズマ処理装置におけるアンテナ
の概略構成を示した平面図である。
【図3】図1の装置におけるアンテナの共振条件を説明
した図である。
【図4】図1の装置におけるアンテナの動作を説明する
ための概略図である。
【図5】本実施形態の装置の効果を確認した実験の結果
を示した図である。
【図6】比較例のアンテナにおける高周波の伝搬状況を
示した斜視概略図である。
【図7】各アンテナ素子とプラズマとの容量性結合の度
合いについての説明図である。
【図8】誘導性結合についての説明図であり、図1の装
置において投入電力を大きくしていった場合のプラズマ
密度分布の変化を示した図である。
【図9】本願発明の第二の実施形態の主要部を示した図
であり、第二の実施形態におけるアンテナの概略構成を
示した平面図である。
【図10】本願発明の第三の実施形態の主要部を示した
ものであり、第三の実施形態におけるアンテナの概略構
成を示した平面図である。
【図11】本願発明の第四の実施形態の主要部を示した
ものであり、第四の実施形態におけるアンテナの概略構
成を示した平面図である。
【図12】従来のプラズマ処理装置の一例を示した図で
ある。
【符号の説明】 1 真空容器 12 排気系 2 基板ホルダー 20 基板 3 ガス導入手段 4 電力供給手段 43 高周波電源 44 アンテナ 441 アンテナ素子 442 先端短絡用導体 443 保持枠 45 高周波線路 5 隔壁 6 隔絶ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 行人 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 (72)発明者 佐藤 久明 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 (72)発明者 塚田 勉 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 (72)発明者 篠原 己拔 神奈川県横浜市緑区中山町1119番地日本高 周波株式会社内 (72)発明者 新村 保夫 神奈川県横浜市緑区中山町1119番地日本高 周波株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ形成用のガスに所定の高周波電
    力を供給するアンテナを具備しており、アンテナから供
    給された高周波電力によってプラズマを形成し、形成さ
    れたプラズマによって基板の表面に所定の処理を行うプ
    ラズマ処理装置であって、 前記アンテナは、基板と同軸上の中心点に対して中心対
    称的に配置された複数のアンテナ素子を有し、各アンテ
    ナ素子の先端は、中心点に対して中心対称的に高周波電
    流の経路を設定する先端短絡用導体によって短絡されて
    いることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記各アンテナ素子と前記先端短絡用導
    体によって、供給する高周波電力の周波数で共振する複
    数の共振回路が中心対称的に形成されていることを特徴
    とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のアンテナ素子のうちの隣り合
    う二本のアンテナ素子の合計の長さと、その隣り合うア
    ンテナ素子の先端を短絡する前記先端短絡用導体による
    高周波電流の経路の長さとの和が、当該高周波電流の経
    路における高周波の波長の1/2の長さに相当している
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記複数のアンテナ素子は、基板の表面
    と平行な方向のアンテナ面の上に配設されており、これ
    らのアンテナ素子が配設される空間とプラズマが形成さ
    れる基板側の空間とを隔絶する誘電体製の隔壁が設けら
    れていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のプ
    ラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記複数のアンテナ素子は、基板の表面
    と平行な方向のアンテナ面の上に配設されており、これ
    らのアンテナ素子と前記先端短絡用導体とによってアン
    テナ面上に形成される開口を気密に塞ぐ誘電体製の隔絶
    ブロックを備えていることを特徴とする請求項1、2又
    は3記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 前記複数のアンテナ素子は、基板の中心
    と同軸上の中心点を中心とした等間隔の放射線上に中心
    点から等距離離間して配設された同一長さの棒状のもの
    であり、これらのアンテナ素子の周辺側の端部を一体に
    保持した円環状又は円筒状の保持枠が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のプラ
    ズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 前記高周波電力の周波数が100から1
    000MHzであることを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5又は6記載のプラズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 前記アンテナは、当該アンテナを構成す
    る複数のアンテナ素子のうちの一つのアンテナ素子にの
    み高周波線路が接続されていることを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5,6又は7記載のプラズマ処理装
    置。
JP8307208A 1996-10-31 1996-10-31 プラズマ処理装置 Pending JPH10134996A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8307208A JPH10134996A (ja) 1996-10-31 1996-10-31 プラズマ処理装置
TW086116292A TW350977B (en) 1996-10-31 1997-10-30 Plasma processing apparatus
US08/962,390 US6043608A (en) 1996-10-31 1997-10-31 Plasma processing apparatus
KR1019970056931A KR19980033361A (ko) 1996-10-31 1997-10-31 플라즈마 처리 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8307208A JPH10134996A (ja) 1996-10-31 1996-10-31 プラズマ処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10134996A true JPH10134996A (ja) 1998-05-22

Family

ID=17966349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8307208A Pending JPH10134996A (ja) 1996-10-31 1996-10-31 プラズマ処理装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6043608A (ja)
JP (1) JPH10134996A (ja)
KR (1) KR19980033361A (ja)
TW (1) TW350977B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6749763B1 (en) 1999-08-02 2004-06-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Plasma processing method
KR100647779B1 (ko) 2004-05-14 2006-11-23 에이피티씨 주식회사 플라즈마 챔버에서의 균일한 플라즈마 형성을 위한플라즈마 소스
JP2010086685A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nagano Japan Radio Co プラズマ処理装置

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3482904B2 (ja) * 1999-05-10 2004-01-06 松下電器産業株式会社 プラズマ処理方法及び装置
KR100338057B1 (ko) * 1999-08-26 2002-05-24 황 철 주 유도 결합형 플라즈마 발생용 안테나 장치
US6262538B1 (en) * 1999-08-26 2001-07-17 International Business Machines Corporation High density plasma tool with adjustable uniformity and stochastic electron heating for reduced gas cracking
US7220937B2 (en) * 2000-03-17 2007-05-22 Applied Materials, Inc. Plasma reactor with overhead RF source power electrode with low loss, low arcing tendency and low contamination
US6528751B1 (en) * 2000-03-17 2003-03-04 Applied Materials, Inc. Plasma reactor with overhead RF electrode tuned to the plasma
US7030335B2 (en) * 2000-03-17 2006-04-18 Applied Materials, Inc. Plasma reactor with overhead RF electrode tuned to the plasma with arcing suppression
US8617351B2 (en) 2002-07-09 2013-12-31 Applied Materials, Inc. Plasma reactor with minimal D.C. coils for cusp, solenoid and mirror fields for plasma uniformity and device damage reduction
US8048806B2 (en) * 2000-03-17 2011-11-01 Applied Materials, Inc. Methods to avoid unstable plasma states during a process transition
US6894245B2 (en) * 2000-03-17 2005-05-17 Applied Materials, Inc. Merie plasma reactor with overhead RF electrode tuned to the plasma with arcing suppression
US7196283B2 (en) 2000-03-17 2007-03-27 Applied Materials, Inc. Plasma reactor overhead source power electrode with low arcing tendency, cylindrical gas outlets and shaped surface
US6900596B2 (en) * 2002-07-09 2005-05-31 Applied Materials, Inc. Capacitively coupled plasma reactor with uniform radial distribution of plasma
US20070048882A1 (en) * 2000-03-17 2007-03-01 Applied Materials, Inc. Method to reduce plasma-induced charging damage
US7141757B2 (en) * 2000-03-17 2006-11-28 Applied Materials, Inc. Plasma reactor with overhead RF source power electrode having a resonance that is virtually pressure independent
US7030045B2 (en) * 2000-11-07 2006-04-18 Tokyo Electron Limited Method of fabricating oxides with low defect densities
KR20030040119A (ko) * 2001-11-14 2003-05-22 아네르바 가부시키가이샤 발열체 cvd 장치 및 이것을 이용한 발열체 cvd 방법
TWI283899B (en) * 2002-07-09 2007-07-11 Applied Materials Inc Capacitively coupled plasma reactor with magnetic plasma control
JP3854909B2 (ja) * 2002-08-06 2006-12-06 株式会社日立製作所 プラズマ処理装置
US6998565B2 (en) * 2003-01-30 2006-02-14 Rohm Co., Ltd. Plasma processing apparatus
US7470626B2 (en) * 2003-05-16 2008-12-30 Applied Materials, Inc. Method of characterizing a chamber based upon concurrent behavior of selected plasma parameters as a function of source power, bias power and chamber pressure
US7795153B2 (en) * 2003-05-16 2010-09-14 Applied Materials, Inc. Method of controlling a chamber based upon predetermined concurrent behavior of selected plasma parameters as a function of selected chamber parameters
US7452824B2 (en) * 2003-05-16 2008-11-18 Applied Materials, Inc. Method of characterizing a chamber based upon concurrent behavior of selected plasma parameters as a function of plural chamber parameters
US7910013B2 (en) 2003-05-16 2011-03-22 Applied Materials, Inc. Method of controlling a chamber based upon predetermined concurrent behavior of selected plasma parameters as a function of source power, bias power and chamber pressure
US7247218B2 (en) * 2003-05-16 2007-07-24 Applied Materials, Inc. Plasma density, energy and etch rate measurements at bias power input and real time feedback control of plasma source and bias power
US7901952B2 (en) * 2003-05-16 2011-03-08 Applied Materials, Inc. Plasma reactor control by translating desired values of M plasma parameters to values of N chamber parameters
JP2005056768A (ja) * 2003-08-06 2005-03-03 Canon Inc プラズマ処理装置及び方法
US7359177B2 (en) * 2005-05-10 2008-04-15 Applied Materials, Inc. Dual bias frequency plasma reactor with feedback control of E.S.C. voltage using wafer voltage measurement at the bias supply output
WO2007028813A2 (de) * 2005-09-09 2007-03-15 INP Institut für Niedertemperatur-Plasmaphysik e.V. Verfahren und vorrichtung zum zünden und erzeugen eines sich ausdehnenden, diffusen mikrowellenplasmas sowie verfahren und vorrichtung zur plasmabehandlung von oberflächen und stoffen mittels dieses plasmas
US7518092B2 (en) * 2007-03-15 2009-04-14 Capital Technologies, Inc. Processing apparatus with an electromagnetic launch
EP2251898A4 (en) * 2008-02-18 2013-05-22 Mitsui Shipbuilding Eng ATOMIC LAYER DEPOSITION APPARATUS AND ATOMIC LAYER DEPOSITION METHOD
JP5208547B2 (ja) * 2008-03-19 2013-06-12 東京エレクトロン株式会社 電力合成器およびマイクロ波導入機構
KR101591404B1 (ko) * 2008-05-22 2016-02-03 가부시키가이샤 이엠디 플라즈마 생성장치 및 플라즈마 처리장치
JP4992885B2 (ja) * 2008-11-21 2012-08-08 日新イオン機器株式会社 プラズマ発生装置
JP5451324B2 (ja) * 2009-11-10 2014-03-26 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理装置
GB201210607D0 (en) * 2012-06-14 2012-08-01 Welding Inst Plasma source apparatus and method for generating charged particle beams
TWI826925B (zh) * 2018-03-01 2023-12-21 美商應用材料股份有限公司 電漿源組件和氣體分配組件
CN112335342B (zh) 2018-06-14 2023-07-14 Mks仪器公司 用于远程等离子源的自由基输出监控器和使用方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1266325A (en) * 1985-07-23 1990-02-27 Fumihiro Ito Microwave antenna
BE1007770A3 (nl) * 1993-11-12 1995-10-17 Philips Electronics Nv Ontladingslamp voorzien van bimetaalschakelaar en bimetaalschakelaar geschikt voor een lamp.
US5580385A (en) * 1994-06-30 1996-12-03 Texas Instruments, Incorporated Structure and method for incorporating an inductively coupled plasma source in a plasma processing chamber
US5800621A (en) * 1997-02-10 1998-09-01 Applied Materials, Inc. Plasma source for HDP-CVD chamber

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6749763B1 (en) 1999-08-02 2004-06-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Plasma processing method
KR100647779B1 (ko) 2004-05-14 2006-11-23 에이피티씨 주식회사 플라즈마 챔버에서의 균일한 플라즈마 형성을 위한플라즈마 소스
JP2010086685A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nagano Japan Radio Co プラズマ処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
TW350977B (en) 1999-01-21
US6043608A (en) 2000-03-28
KR19980033361A (ko) 1998-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10134996A (ja) プラズマ処理装置
JP3739137B2 (ja) プラズマ発生装置及びこのプラズマ発生装置を使用した表面処理装置
KR100255703B1 (ko) 전자기 rf연결부를 사용하는 플라즈마 처리기 및 방법
JP3238082B2 (ja) 電子デバイス製造装置
US6239553B1 (en) RF plasma source for material processing
US7767056B2 (en) High-frequency plasma processing apparatus
KR101094124B1 (ko) 균일한 프로세스 레이트를 발생시키는 안테나
JP3233575B2 (ja) プラズマ処理装置
EP0791949A2 (en) Plasma processing method and apparatus
JPH088095A (ja) プラズマ処理用高周波誘導プラズマ源装置
JP2004055600A (ja) プラズマ処理装置
JP2001035839A (ja) プラズマ生成装置および半導体製造方法
US7323081B2 (en) High-frequency plasma processing apparatus
WO2013124906A1 (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
KR100972371B1 (ko) 복합 플라즈마 소스 및 이를 이용한 가스 분리 방법
JPH09289099A (ja) プラズマ処理方法および装置
JP4678905B2 (ja) プラズマ処理装置
JP4900768B2 (ja) プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置
JP2932946B2 (ja) プラズマ処理装置
JP4017098B2 (ja) プラズマ発生装置及びプラズマ処理装置
JPH11195500A (ja) 表面処理装置
JP3208995B2 (ja) プラズマ処理方法及び装置
JP3047801B2 (ja) プラズマ処理方法及び装置
WO2024084762A1 (ja) プラズマ処理装置
JP3047802B2 (ja) プラズマ処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050324

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050405

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050802