JP3047802B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
係り、特にマイクロ波を用いたプラズマによって半導体
素子等の試料を処理するのに好適なプラズマ処理装置に
関するものである。
成し、そして該プラズマを利用して試料を処理する技術
としては、例えば、金井他著「マイクロ波プラズマエッ
チング装置」,日立評論Vol.73 No.9,p.
23〜28,(1991)に記載のものが知られてい
る。図17にその装置を示す。本装置は、マイクロ波を
伝播する導波管22内に石英製の半球状の放電管である
石英ベルジャ24を設置し、ソレノイドコイル23の外
部磁場とマグネトロン21からのマイクロ波の電界との
相互作用により石英ベルジャ24内でプラズマを生成さ
せ、該プラズマを利用して処理室内の試料台26に搭載
された被処理物であるウエハ5の処理を行うようになっ
ている。ここで、27は、試料台26に接続された高周
波電源であり、エッチング処理時に試料台26にRFバ
イアス電圧を印加する。28は石英ベルジャ24内に導
入するエッチングガスを示し、29は処理室内からの排
気を示す。
装置として、例えば、特開平4−167424号公報に
記載のものが知られている。本装置は、プラズマ反応室
に隣接して円筒空洞共振器を設け、円筒空洞共振器へマ
イクロ波を導入し、円筒空洞共振器内にマイクロ波の特
定モードの共振を生じさせて、特定モードの高エネルギ
密度のマイクロ波の一部をプラズマ反応室内径と同径の
石英等で成る平板状のマイクロ波放射窓からプラズマ反
応室へ導入し、プラズマ反応室内に磁場とマイクロ波電
界とを作用させてプラズマを発生させ、該プラズマを利
用して試料を処理するようになっている。
導体製造プロセスにおいては、試料台に搭載された試料
に対して電気的ダメ−ジを与えることなく、均一に処理
することが必要である。これに対し、前述の従来技術
は、将来の大口径微細化に対応したプラズマ性能、すな
わち、高密度均一プラズマを得るにはまだ充分なもので
なかった。
ング装置は、マイクロ波透過部材として半球状の石英ベ
ルジャを導波管内に設置し、石英ベルジャ内にプラズマ
を発生させる構造となっている。そのため、導波管内を
伝播してきたマイクロ波は石英ベルジャの影響を受けや
すくなり、特に大径の導波管内では複数のモードのマイ
クロ波が存在しえ、マイクロ波が半球状の石英ベルジャ
及び石英ベルジャ内部に生成されるプラズマによって導
波管内で複雑な反射と屈折を繰り返し石英ベルジャ内部
のプラズマに吸収される。その結果、試料直径8インチ
以上の大口径対応の装置とした場合、マイクロ波は導波
管内でさまざまなモ−ドに励起され、生成されるプラズ
マの状態が一定せず、マイクロ波は時間的に複数のモー
ド間で遷移し、プラズマ状態が時間的に変化する。この
ようなプラズマ状態の変化に伴ってプラズマのインピー
ダンスが変わり、プラズマへの効率的なマイクロ波エネ
ルギの伝達ができず高密度のプラズマ生成が難しくな
る。また、大口径試料に対応した広い範囲での均一なプ
ラズマの生成が難しくなる。
技術後者のものがある。後者従来技術のマイクロ波プラ
ズマエッチング装置は、マイクロ波透過部材として、円
筒空洞共振器の一部とプラズマ反応室との間にプラズマ
反応室内径と同径の平板状のマイクロ波放射窓を設け、
プラズマ反応室内にプラズマを生成させる構造となって
いる。これにより、円筒空洞共振器によって得られた安
定な特定モードの高エネルギ密度のマイクロ波の一部が
マイクロ波放射窓を通してプラズマ反応室へ導入される
ので、プラズマ反応室内で高密度で均一なプラズマが得
られるとしている。しかしながら、本装置では、プラズ
マ反応室内へ導かれるマイクロ波は円筒空洞共振器内で
共振させたマイクロ波の一部であるため、円筒空洞共振
器内部でのマイクロ波エネルギのロスは避けられず、マ
イクロ波エネルギの伝達効率が低下し、より高密度のプ
ラズマを得ることが困難である。また、試料直径8イン
チ以上の大口径化に対応する場合は、さらに円筒空洞共
振器が大きくなり装置が大型化するという問題がある。
大口径化に対応し、試料の処理速度及び均一処理の向上
を図ることのできるプラズマ処理装置を提供することに
ある。
上の大口径ウエハが配置できる内径を有しマイクロ波が
伝播可能な導電性の材料でなる円筒容器内を円板状のマ
イクロ波透過部材で仕切り、円筒容器内の一方を減圧雰
囲気とし、円筒容器内の他方にマイクロ波導波管を接続
し、マイクロ波透過部材の減圧雰囲気側の面を、マイク
ロ波導波管を接続した円筒容器端面からマイクロ波の管
内波長のn/2倍の距離以内の該距離近傍に位置させる
ことにより、達成される。
ら図6により説明する。真空処理装置は、一体化された
架台16と、架台16に取り付けられる矩形の真空処理
部1およびローダー2とからなっている。ローダー2
は、カセット12を配置可能なテーブルと、ウェハオリ
エンテーションフラット合せ11と、大気搬送ロボット
9を有する。真空処理部1は、バッファ室3と、ロード
ロック室4と、アンロードロック室5と、処理室6と、
後処理室7と、真空搬送ロボット10を有する。
有すると共に上下左右方向に移動可能で、カセット12
内のウエハ8を1枚毎に搬出または収納し、ローダー2
のカセット12からウェハオリエンテーションフラット
合せ11,ウェハオリエンテーションフラット合せ11
からロードロック室4までウェハ8を搬送すると共に、
アンロードロック室5とカセット12との間でウェハ8
を搬送する。
1を有し、ロードロック室4から処理室6までウェハ8
を搬送すると共に、処理室6,後処理室7,アンロード
ロック室5間でウェハ8を搬送する。また、真空搬送ロ
ボット10は、伸縮アーム101の旋回軌跡がロードロ
ック室4と処理室6を結ぶと共に、処理室6、アンロー
ドロック室5並びに後処理室7を含む軌跡になるように
して設けられている。
ト12は、製品ウェハ用カセット12A,12B及びダ
ミーカセット12Cからなっている。各カセット12の
周囲にはウエハサーチ機構121(A,B,C)、12
2(A,B,C)が設けてあり、カセット12がセット
されたときに、ウエハサーチ機構121が各カセット内
の試料を認識する。
理室7には、ウェハ押し上げ機構14A,14Bがそれ
ぞれ設けられており、それぞれ各ロボットの伸縮アーム
91,101にウェハ8を受渡しできる構成となってい
る。処理室6のウェハ押し上げ機構14Bは、電極を兼
ねたウェハ配置用の試料台の内部に組み込まれている。
15はバッファ室3内を仕切り処理室6を形成するリン
グゲートである。13はエッチング用の放電手段、14
は後処理(アッシング)用の放電手段である。32は覗
き窓である。
処理、例えば、プラズマエッチング処理する室であっ
て、真空処理部1の図示左下部に設けられている。ロー
ドロック室4とアンロードロック室5とは、真空搬送ロ
ボット10を挟んで処理室6の反対側、すなわち真空処
理部1の図示右辺部分にそれぞれ設けられている。後処
理室7は、エッチング処理済みのウェハ8を1個ずつ後
処理する室であって、アンロードロック室5と対応して
真空処理部1の中間部分に設けられている。
の構造物100の厚さ方向に開口部を設け、ロ−ドロッ
ク室4,アンロードロック室5,処理室6,後処理室7
及び真空搬送ロボット10の取り付けスペースを形成し
てあると共に、真空搬送ロボット10が取り付けられる
スペースである開口部を中心に、それぞれの開口部を連
結するように単一の構造物100の内部をくりぬいて試
料搬送用の通路102を形成してある。これにより、各
室相互の位置関係が正確に位置決めされるので、精度の
高い真空処理装置を得ることができる。さらに、真空処
理部1とローダー2も一体の架台16に取り付けてある
のでさらに精度の高い真空処理装置を提供することがで
きる。
た試料搬送用の通路であり、第二の処理室35は二点鎖
線で示したようにバッファ室3の側壁に連結して配置さ
れる。通常、この通路103は真空処理部1の内部点検
等に利用することができる。すなわち、真空処理部1の
一方の側端近くに、処理室6,真空搬送ロボット10,
ロードロック室4が配置してあるので、作業者は無理な
姿勢をとらなくても真空搬送ロボット10の点検修理が
でき、また、真空搬送ロボット10の空間を介した各室
の簡単な点検修理ができメンテナンスを容易に行なうこ
とができる。
におけるウェハ処理操作について説明する。まず、大気
搬送ロボット9を所望のカセット12の前へ移動させ、
伸縮アーム91をローダーのカセット12側に向かって
動作させ、伸縮アーム91のフォークをカセット内のウ
ェハ8の下方に挿入し、大気搬送ロボット9を少し上昇
させフォーク上にウェハ8を移載する。次に、大気搬送
ロボット9をオリエンテーションフラット合わせ11の
前へ移動させ、伸縮アーム91をオリエンテーションフ
ラット合わせ11上まで移動し、大気搬送ロボット9を
少し下降させオリエンテーションフラット合わせ11に
ウエハ8を移載する。ウエハ8のオリエンテーションフ
ラット合わせの間、伸縮アーム91は退避位置に戻る。
ウエハ8のオリエンテーションフラット合わせが終わる
と、大気搬送ロボット9の逆動作により再びウエハ8を
大気搬送ロボット9のフォーク上に移載する。そして、
ウェハ押し上げ機構14によって支持部材34をロード
ロック室4の下面に気密に当接させてロードロック室を
形成させ、ロードロック室4のゲートバルブ33を開い
た状態で大気搬送ロボット9の伸縮アーム91をロード
ロック室4内に移動し、ウェハ8を搬入する。その後、
大気搬送ロボット9を少し下降させてウェハ8を支持部
材34上に移載する。そして、伸縮アーム91を退避さ
せ、ゲートバルブ33を閉じロードロック室4を真空排
気した後、ウェハ押し上げ機構14を動作させて支持部
材34を下降させる。そして、真空搬送ロボット10の
伸縮アーム101を支持部材34上のウエハ8下部に移
動させ、ウェハ押し上げ機構14を動作させて支持部材
34を少し下降させてに伸縮アーム101のフォーク上
にウェハ8を受渡す。真空搬送ロボット10は伸縮アー
ム101を移動させて、バッファ室1内の通路102を
介して真空中を処理室6までウエハ8を搬送する。ま
た、この逆の動作によりウェハ8をローダー2のアンロ
ード側カセット位置まで搬送する。なお、後処理が必要
な場合は、真空搬送ロボット10の伸縮アーム101に
より後処理室7を経由して搬送する。後処理室7では、
エッチング処理済みの試料8に対してプラズマ後処理が
実施される。
跡は、例えば、ロードロック室4,処理室6及び後処理
室7にウェハ8があって、アンロードロック室5にはウ
エハがない状態を考えると次のようになる。すなわち、
真空搬送ロボット10の伸縮アーム101は、まず、後
処理室7のウェハ8をアンロードロック室5に移し、次
に、処理室6のウェハ8を後処理室7に移動させ、次
に、ロードロック室4のウェハ8を処理室6に搬送す
る。伸縮アーム101は、以下、同様の軌跡を繰り返
す。また、図3に示したように、ロードロック室4(中
心O1)と、アンロードロック室5(中心O2)との中間位
置Cと処理室の中心O3とを結ぶ線XXの左右いずれか
一方に、すなわち真空処理部1の側端側にずらして、真
空搬送ロボット10のアームの旋回中心O4を配置して
ある。また、線分XXの反対側に後処理室7(中心O5)
を配置してある。このような構成によれば、真空搬送ロ
ボット10のアームの旋回範囲θ(図3参照)は、円周
一周の約半分、実施例では190度、となる。ウェハを
搬送する真空搬送ロボット10のアームの旋回範囲を略
半円内とすることにより、一周の略半分内の円運動で、
ロードロック室4、アンロードロック室5、処理室6、
後処理室7に、一枚のウェハ8をそれぞれ搬送可能であ
る。このように、真空搬送ロボット10のアームの旋回
範囲を略半円内としているので、真空搬送ロボット10
のアームの旋回範囲が狭く、タクトタイムが短縮され
る。
外径は、他の室すなわち、ロードロック室4、アンロー
ドロック室5及び後処理室7の外径よりも大きい。この
処理室6を真空処理部1の一端側に寄せて配置し、他の
室及び真空搬送ロボット10は二つずつ並列配置するこ
とにより、所定のスペース以内に真空搬送ロボット10
と共に上記各室を適切に配置できる。
置を具備しているタイプの処理室である場合、有磁場マ
イクロ波発生装置を付加する分だけ外形が大きくなる
が、上記配置によれば、このような大きな処理室を用い
る場合でも、他の室及び真空搬送ロボットを二つずつ並
列配置しているため、これらの各室を適切に配置し、真
空処理部1をコンパクトにまとめることができる。
れるプラズマ処理装置を説明する。図4はプラズマ処理
装置の一実施例を示す。図5は図4におけるガス導入部
の詳細であり、図6は図4におけるプラズマ生成部分を
拡大した図である。本実施例はプラズマを生成する手段
としてマイクロ波と磁界を利用した例である。61はマ
イクロ波を発生するマグネトロン、62はマイクロ波を
伝播する矩形の導波管、63は円矩形変換導波管、64
は円筒空洞部、641は円筒空洞部64の天板、65は
磁場を発生するソレノイドコイル、66はマイクロ波透
過窓(例えば石英平板)、67は真空容器、68は試料
であるウエハを配置する試料台、69は試料台を上下に
移動させる駆動機構、610はプラズマ処理、例えば、
エッチング時に試料台に高周波バイアス電圧を印加する
ための高周波電源、611は処理ガス、例えば、エッチ
ングガスを真空容器67に導入するためのシャワープレ
ート、111はシャワープレート611に設けられたガ
ス吹き出し口、112はガス導入経路、612は真空容
器67内の圧力の調整を行うバリアブルバルブ、613
は真空容器67を真空に減圧するためのタ−ボ分子ポン
プ、614は粗引用の真空ポンプである。
り付けられている。下部容器31にはバッファ室3の開
口に対応して試料台68が設けられている。下部容器3
1は途中にバリアブルバルブ612を有し、下部容器3
1の端部にはターボ分子ポンプ613が設けられてい
る。ターボ分子ポンプ613には粗引用の真空ポンプ6
14が連結されている。
試料台上部が上下動可能となっている。試料台68には
高周波電源610が接続され、試料台68に高周波バイ
アス電圧を印加可能になっている。
器67が取り付けられ、真空容器67の上部開口部には
平板状のマイクロ波透過窓66が気密に取り付けられ、
真空容器67とマイクロ波透過窓66とにってプラズマ
発生室が形成される。マイクロ波透過窓66の上部に
は、真空容器67と略同径に構成された円筒壁642が
真空容器67と電気的に接続されて設けられ、円筒壁6
42の上部開口部には中央に円形の開口部を有する天板
641が円筒壁642と電気的に接続されて設けられ、
マイクロ波透過窓66と円筒壁642と天板641とで
囲まれた円筒空洞部64が設けられる。天板641の中
央の円形開口部には円矩形変換導波管63が電気的に接
続されて設けられ、円矩形変換導波管63に続いて導波
管62およびマグネトロン61が順次電気的に接続され
て設けられる。
搬送空間である通路102と処理室6とを仕切る円筒状
の仕切り弁であるリングゲート15が設けられている。
リングゲート15は、真空容器67の内径と同径もしく
は略同径に形成され、バッファ室3の下方から組み込ま
れ、リングゲート15の中心軸に対称に配置した2つの
エアーシリンダ36によって上下方向に駆動される。
部にはソレノイドコイル65が設けてある。ソレノイド
コイル65は、円筒空洞部64および真空容器67の外
周部に巻装したソレノイドコイル652および653
と、円筒空洞部64の天板641上部に配置した内径が
小さく円周方向に巻数を多くしたソレノイドコイル65
1とから成る。ソレノイドコイル651は主磁束用とし
て用いられ、ソレノイドコイル652および653は磁
力線の制御用として用いられる。さらに、ソレノイドコ
イル651,652および653の外周には、これらソ
レノイドコイルを囲んでヨーク654が設けてある。ヨ
ーク654のソレノイドコイル651に対応した内側上
端部は円筒空洞部64および真空容器67の軸心と同心
で、円筒空洞部64に向けて下方に曲げて形成されてい
る。
示すようにガス吹き出し口111を多数有するシャワー
プレート611がマイクロ波透過窓66との間にわずか
な隙間を有して設けてあり、マイクロ波透過窓66とシ
ャワープレート611との隙間にはガス導入経路112
が接続されている。
うに、真空容器67からの金属汚染をさけるために石
英,セラミックなどの耐プラズマ性の材料で形成された
円筒状の絶縁物カバー671を設置してある。また、真
空容器67の内側には電極である試料台68近傍に接地
電位の部材であるアース電極672を配置する。アース
電極672は、接地電位となっているバッファ室3に電
気的に接続され、真空容器67の内側に向けて真空容器
67との間に溝部を設けて取り付けられている。絶縁物
カバー671は、この場合、真空容器67の内壁面とア
ース電極672とにより形成された溝部に落とし込まれ
て保持される。絶縁物カバー672は強度的およびメン
テナンス周期を考慮し、例えば、5mm以上の厚さを有
するようにしてある。アース電極672は、絶縁物カバ
ー672によって電気的に絶縁された真空容器67とプ
ラズマ615との電気導通性を取る働きをする。
は、この他に、耐プラズマ性のある絶縁体(例えば石
英、Al2F3、ムライト、Cr2O3等)や半導体(Si
C等)で真空容器67内面を被っても良い。なお、試料
台68に高周波バイアス電力を印加し、処理する場合に
は、上記耐プラズマ性のある絶縁物の厚みは1mm以下
にし、アース効果を得られやすくするのが好ましい。
空容器67内にプラズマを発生させるには、まず、真空
容器67の内部はターボ分子ポンプ613と真空ポンプ
614によって減圧される。試料を処理する場合、プロ
セスガスをガス導入経路112からマイクロ波透過窓6
6とシャワープレート611の間に導入し、シャワープ
レート611に設けられたガス吹き出し口111から真
空容器67に導く。真空容器67の内部圧力はバリアブ
ルバルブ612によって調節される。なお、シャワープ
レート611を用いず、マイクロ波透過窓66の下面の
周辺等にガス吹き出し口を設けても同様な効果が得られ
る。
の場合、2.45GHzのマイクロ波は矩形の導波管6
2,円矩形変換導波管63を経由し、円筒空洞部64内
に導かれる。この場合、導波管62内は矩形TE10モ
ードのマイクロ波が伝播され、円矩形変換導波管63に
よって円形TE11モードのマイクロ波に変換されて円
筒空洞部64に導かれる。円筒空洞部64内に導入され
たマイクロ波は、マイクロ波透過窓66,シャワープレ
ート611を経て真空容器67内に導かれる。一方、真
空容器67の周囲に設けられたソレノイドコイル65に
よって真空容器67の内部には、真空容器67の軸方向
の磁界が形成される。真空容器67内に導入されたマイ
クロ波及びソレノイドコイル65による磁界の作用によ
って、プラズマ中の電子は磁界からローレンツ力を受け
て旋回運動を行う。旋回運動の周期とマイクロ波の周波
数がほぼ一致したとき、電子はマイクロ波から効率良く
エネルギーを受け取り、電子サイクロトロン共鳴現象
(ElectronCyclotron Resona
nce、以下「ECR」と略す。)によって密度の高い
プラズマ15が生成される。本装置では、ECR条件を
満たす等磁界面(以下「ECR面」と略す。)を真空容
器67の内部に存在させる。この場合、ECR面におけ
る磁場の強さは875ガウスである。これによって、真
空容器67内に密度の高いプラズマ615を生成する。
図4に破線で示したECR面152を示す。ECR面1
52は、主磁束用のソレノイドコイル651と制御用の
ソレノイドコイル652,653とによって、真空容器
67内の所望の高さ位置に制御・調整される。なお、本
実施例では、ソレノイドコイル65をヨーク65によっ
て囲み、主磁束用のソレノイドコイル651の内周部ま
でヨーク654を絞り込んでいるので、ソレノイドコイ
ル65内に形成される磁界を軸方向に集中させ易く、制
御用のソレノイドコイル652,653とよってECR
面を容易に平坦かできると共に、ECR面の高さ位置が
制御し易くなっている。また、この場合は、ヨーク65
4の上部端部を軸方向に折り返すことにより、軸方向へ
の磁界の集中をさらに効率良く行なわせるようにしてい
るが、ヨーク654の上部端部を軸方向に折り返さなく
ても充分に目的は達成される。
波の様子を示す。円筒空洞部64に導かれたマイクロ波
は、まず、円筒空洞部64及びマイクロ波透過窓66を
介して真空容器67内に導かれ試料台68を反射端とし
て反射する定在波となったり、円筒空洞部64の天板6
41とマイクロ波透過窓66の上面または下面さらには
シャワープレート611との間で反射を繰り返す定在波
になったりする。この間、真空容器67内に導入された
マイクロ波によって真空容器67内のプロセスガスが励
起されプラズマ化される。なお、生成されたプラズマの
密度が一定密度を越えた場合(有磁場条件の場合は、電
子密度>1×1011個/cm3)、該密度のプラズマ
部分ではプラズマに入射されるマイクロ波の一部を反射
するという特性がある。ECRを用いた放電では、プラ
ズマ密度が前述したマイクロ波を反射する密度まで容易
に高くなる。このため、プラズマ615の該密度の部分
が境界面151となってマイクロ波の一部を反射し、円
筒空洞部64の天板641とプラズマ615の境界面1
51との間で反射を繰り返し定在波cとなる。また、生
成されたプラズマの密度が一定密度を越えた場合(有磁
場条件の場合は、電子密度>1×1011個/cm3)
は、定在波cが支配的となる。
ラズマ615の境界面151はある厚みを有するが、以
下、原理説明のため境界面151の厚みを無視して説明
する。すなわち、円筒空洞部64の天板641からプラ
ズマ615の境界面151までの距離(マイクロ波に対
する等価距離:L0=∫√εr dx([0,l]の積分),
εr=比誘電率、を用いる)が、あるモードの管内波長
の1/2の整数倍となるとき、該モードは共振を起こし
て定在波として円筒空洞部64の天板641からプラズ
マ615の境界面151の間に存在することが可能とな
る。この定在波には円矩形変換導波管63から円筒空洞
部64に新たに導入されたマイクロ波が重なり、定在波
と管内波長の等しいモードのマイクロ波が、定在波と共
振してさらに強い電界の定在波となる。上記の条件を満
たさないモードは減衰して円筒空洞部64の天板641
からプラズマ615の境界面151の間に存在すること
ができなくなる。
に選ぶことにより、共振してさらに強い電界となった特
定の単一モードもしくは特定の複数のモードのマイクロ
波を、マイクロ波透過窓66及びシャワープレート61
1を介して、円筒空洞部64内のモードのまま真空容器
67に導くことが可能となる。これにより、プラズマが
生成された後の不特定多数のモード間でのモードの遷移
がなくなり、均一で安定な高密度のプラズマを発生させ
ることができる。
換導波管63からTE11モードのマイクロ波を導く。
拡大された内径の大きい円筒空洞部64内には、TE,
TMの種々のモードのマイクロ波が存在し得るが、円矩
形変換導波管63からTE11モードのマイクロ波を導
入するようにしているので、基本的にTEのモードが生
じ易くなる。TEのモードとしては、TE11,TE2
1,TE01,TE31,TE41,TE12,TE5
1,TE22,TE02,TE61等が生じ得る。この
場合、円筒空洞部64に導入するマイクロ波がTE11
モードのマイクロ波であるため、TE11モードでの伝
播割合が多くなる。円筒空洞部64内の大きさは、TE
01モードの定在波cが形成されるように設定されてい
る。これにより、円筒空洞部64内には、主体としてT
E11モードおよびTE01モードのマイクロ波が伝播
する。これら以外のモードは、位相のずれによってプラ
ズマ615の境界面151で一部が反射されながら、新
たに導入されるマイクロ波と打消合い次第に減衰する。
TE11モードのマイクロ波は中央部の電界強度が強
く、TE01モードのマイクロ波は周辺部の電界強度が
強いので、この二つのモードのマイクロ波が重なること
により、円筒空洞部64内に広い範囲にわたって電界強
度が強く、略均一な電界強度のマイクロ波を伝播させる
ことができる。これにより、真空容器67内に均一で安
定な高密度のプラズマを発生させることができる。
器67との内径をほぼ同径にすることにより、円筒空洞
部64の天板641からプラズマ615の境界面615
までの空間に至るまで極端な内径の誤差がなく、円筒空
洞部64を伝播するモードのマイクロ波をそのまま真空
容器67に伝播させることができる。したがって、基本
的には、円筒空洞部64と真空容器67との内径は同一
であることが好ましいが、本装置ではマイクロ波透過窓
66の取り付け等設計上の制約により多少真空容器67
の内径を小さくしている。ちなみに、円筒空洞部64に
比べ真空容器67の内径を少し小さくした理由は、シャ
ワープレート611及びマイクロ波透過窓66の取付け
方にあり、特に、円筒空洞部64が大気圧側で真空容器
67が負圧側になるので、この圧力差を利用してマイク
ロ波透過窓66を真空容器67上端部に押し付け、真空
容器67内部を気密に保持するためである。
を軸方向に等しくしているが、図7に示すようにプラズ
マ615の境界面151部が少なくとも円筒空洞部64
と略同径になるようにしておけば、それから下方の内径
を徐々に変えても同様の効果が得られる。この場合、内
径を徐々に拡大し試料台68の部分で必要な大きさにす
ることによって、円筒空洞部の大きさを小さくすること
ができ、ソレノイドコイル65を含めた全体を小型化す
るのに効果がある。
性能を図8から図15により説明する。本装置構成のプ
ラズマ性能を調べるための装置構成として、円筒空洞部
64の直径を405mm、高さ(L1)を0〜160mm
の可変とした。またマイクロ波透過窓66の直径を40
4mm、真空容器67の直径を350mm、マイクロ波
透過窓66の下面と試料台68の上面との距離を175
mmとした。
上述した装置の寸法に限定されるものではない。すなわ
ち、マイクロ波プラズマを用いて試料を処理する場合、
マイクロ波透過窓をマイクロ波の進行方向に対して略垂
直に配置し真空容器内の略全面にマイクロ波を透過させ
るようにし、マイクロ波を円筒空洞部を介して円筒空洞
部と略同径の真空容器内に導入するようにすれば、上述
した装置の寸法に限定されることなく共通して有する性
質である。
化させたときの試料に到達するイオン電流密度の大きさ
と均一性を示し、図9に、そのときのマイクロ波の反射
波の挙動を示す。図8及び図9によると、円筒空洞部4
の高さ寸法(L1)を変化させることにより、飽和イオン
電流密度の大きさ、均一性及びマイクロ波の反射波が変
化することが判る。ここで図8において飽和イオン電流
密度が大きく、且つ均一性が良好な円筒空洞部寸法(L
1)の条件(l1〜l2の範囲)を図5にあてはめると、反
射波が0となる条件にも、最大となる条件にもなってお
らず、両条件の中間部分、即ちある程度の反射波が生じ
ている条件になっている。なお、このときの反射波は、
導波管63,62を介してもドル反射波である。また、
飽和イオン電流密度が大きく、且つ均一性が良好な円筒
空洞部寸法(L1)の条件(l1〜l2の範囲)は、飽和イ
オン電流密度及び均一性がピーク値でなく、ある程度広
い範囲で許容できる範囲を設定している。ある程度の反
射波が生じている円筒空洞部寸法(l1〜l2の範囲)
のときのは、マイクロ波は単一モードと言うよりは特定
の複数モードの合成になっていると考えられる。なお、
導波管62あるいは円矩形変換導波管63の部分にスタ
ブチューナ等の整合手段を設けることにより、図8にお
いて反射波の大きい円筒空洞部寸法(L1)のときでも、
マイクロ波を有効にプラズマに入力させることができ
る。
面との距離(L2)を変えたときの円筒空洞部寸法(L1)と
イオン電流密度の均一性との関係を示す。図10を別観
点で傾向的にまとめると図11に示すようになる。図1
1は、ECR面と試料を搭載する試料台68との距離を
一定として、マイクロ波透過窓66とECR面の距離を
変化させたときの試料に到達する飽和イオン電流密度の
大きさと均一性を示す。これらからマイクロ波透過窓6
6とECR面の距離(L2)を離すに従って、飽和イオン
電流密度分布の均一性が向上することが判る。また、別
の実験によれば、飽和イオン電流密度の均一性を10%
以下にするためには、マイクロ波透過窓66とECR面
の距離を50mm以上にする必要があることが判明し
た。
る試料台との距離(L3)を変えたときの円筒空洞部寸法
(L1)とイオン電流密度の均一性との関係を示す。図1
2を別観点で傾向的にまとめると図13に示すようにな
る。図13は、マイクロ波透過窓66とECR面の距離
を一定として、ECR面と試料を搭載する試料台68と
の距離を変化させたときの試料に到達する飽和イオン電
流密度の大きさと均一性を示す。これらからECR面と
試料を搭載する試料台68との距離を離すに従って飽和
イオン電流密度分布の均一性が向上することが判る。ま
た、別の実験によればECR面と試料を搭載する試料台
68との距離を30mmよりも小さくすると均一性が急
に悪くなるため、飽和イオン電流密度分布の均一性を1
0%以下にするためには、ECR面と試料を搭載する試
料台68との距離を30mm以上にする必要があること
が判明した。
空洞部寸法(L1)と試料に到達するイオン電流密度の大
きさ,イオン電流密度の均一性及び放電安定性を示す。
なお、図(a)はイオン電流密度の大きさを示し、図(b)
はイオン電流密度の均一性を示し、図(c)は放電の安定
性を示す。図14を別観点で傾向的にまとめると図15
に示すようになる。図15は、ECR面の中心における
磁場勾配を変化させたときの試料に到達する飽和イオン
電流密度の大きさと均一性を示す。これらから磁場勾配
の値を変化させたとき、50G/cm、40G/cm、
30G/cmに設定した場合の放電安定性に大きな差は
無い。しかし、20G/cmに設定した場合は、やや放
電が安定しない傾向が出はじめる。別の実験によれば、
磁場勾配を15G/cm以下に設定した場合、放電が安
定しないことが判明した。また、図15から磁場勾配の
値を上げていった場合、飽和イオン電流密度の試料内で
の平均値に大差は無いが、均一性が悪化する傾向があ
る。以上のことから、安定かつ均一な高密度のプラズマ
を得るためには、ECR面の中心における磁場勾配の値
を20G/cm以上、50G/cm以下の範囲内に設定
することが有効である。さらに均一なプラズマを得るに
はECRを起こす条件を満たす等磁界面を試料の処理面
に対して平行な略平坦面とする必要がある。
磁束用のソレノイドコイル651の内径もしくはヨーク
654の内径(Dy)を、試料やマイクロ波透過窓66
の直径より小さくすることにより、真空容器67の中心
軸上の磁場強度を容易に強くすることができる。また、
ソレノイドコイル651の磁束と合わせ、制御用のソレ
ノイドコイル652,653の磁束を制御することによ
り、磁場勾配20G/cm以上、50G/cm以下でか
つ試料の表面に平行な面内で平坦な磁場を容易に得るこ
とができる。また、上述のように磁場を制御するため
に、主磁束用のソレノイドコイル651と制御用のソレ
ノイドコイル652,653とは、それぞれ大きな空隙
を設けることなく連続させて配置してある。また、真空
容器67の直径としては、試料の直径に対して+50m
m以上にすれば10%以下の均一性を確保することが可
能であった。
て、試料台68に接続された高周波電源610によっ
て、試料台68に配置された試料へのプラズマ中のイオ
ンの入射エネルギーは、プラズマの生成とは独立に制御
される。図示を省略した電力制御装置によってソレノイ
ドコイル651,652及び653に流れる電流値を制
御し、磁場勾配強度を変化させることによって、放電空
間内に発生させる磁場のECR条件となる共鳴磁場分布
(ECR面)を平面状にすることができ、プラズマ処理
室となる真空容器67内の試料載置面からのプラズマ位
置を移動させることができる。
材がAl合金であり、ホトレジストをマスク材としたも
のとし、エッチングガスとしてBCl3+Cl2を15
0sccm供給し、処理圧力を12mTorrに保持し
て、マイクロ波電力を約1000Wとし、高周波電力を
85Wとして、ソレノイドコイル651,652及び6
53に流れる電流値を制御し、試料載置面からのプラズ
マの位置を変化させたとき、プラズマの位置が試料から
離れるにしたがい、試料の被処理材料のエッチング速度
はあまり変化しないまま、マスク材および下地材のエッ
チング速度が速くなっている。また、試料台に生じるV
pp値は、プラズマの位置が試料から離れるにしたがい
大きくなる、すなわち、バイアス電圧が大きくなりプラ
ズマ中のイオンの入射エネルギが大きくなって、エッチ
ング中の残渣が減少する傾向となる。
ッチング時は、残渣の発生しないプラズマの高さ位置に
設定、すなわち、試料載置面からのプラズマ高さを小さ
くし、オーバエッチング時は、対下地材の選択比の高い
プラズマの高さ位置に設定、すなわち、試料載置面から
のプラズマ高さを高くすることで、これらを達成するこ
とができる。
地材とし、被処理材がTiN膜またはTiW膜の上にA
l合金膜を積層した積層膜とし、ホトレジストをマスク
材とした試料の場合、例えば、エッチングガスとしてB
Cl3+Cl2またはBCl3+CF6等を用い、Al
合金膜のエッチング中はプラズマの位置を近付けて残渣
のないエッチングを行ない、TiN膜またはTiW膜の
エッチング中はプラズマの位置を遠ざけてマスク材およ
び下地材との選択比を大きくしたエッチングを行なう。
なお、ここではAl合金膜のエッチング中はプラズマの
位置を近付け、TiN膜またはTiW膜のエッチング中
はプラズマの位置を遠ざけるようにしているが、エッチ
ングガスの混合比および圧力等によってもプラズマ位置
の条件が異なるので、このケースに限られるものではな
い。
N膜またはTiW膜の上にAl合金膜を積層した積層膜
の場合であるが、被処理材がこれらの材料以外の場合に
おいても処理を行なう被処理材の各材料に対するエッチ
ング特性を把握することにより、有効なエッチング条件
を見出すことができる。
り磁場を制御してプラズマ位置を変えるようにしたが、
試料台68を動かしてプラズマとの間隔を変化させるよ
うにしても同様の効果がある。
イドコイル65によって形成する磁場を、ECR面の高
さ,形状,磁束密度の勾配等広い範囲で制御でき、ま
た、電極である試料台68の高さを、例えば、レシピ設
定して、試料への入射イオン電流密度を試料台の高さに
よっても制御できるので、材料毎にイオン電流密度を変
えることができ、材料に合わせたエッチング等の最適な
プラズマ処理ができる。
は、ターボ分子ポンプ613を主ポンプとして使用し、
排気経路を大型化して、高速排気を可能としている。ち
なみに、ターボ分子ポンプ613の排気速度は2000
l/sで、試料台68の試料配置部の実効排気速度は約
900l/s(N2換算)である。高速排気について
は、例えば、特開平5−259119に高速排気の有用
性について述べている。この考え方によれば、ポリシリ
コンのエッチングにおいては、プラズマ密度を大きく保
ち、エッチャントの供給律速にならないように高排気速
度で低圧力を維持しつつ、反応ガスを十分供給してシリ
コンのエッチング速度を大きくすることができる。
つことにより、下地材料のエッチング速度を小さくして
選択比を増大させることが可能となる。ところで、この
ような高速排気によった条件下では、反応生成物の濃度
が低下するために形状制御性(マスク材料に忠実に垂直
加工形状を得ること)が難しくなる。このために何らか
の形状制御性を向上させる手段が必要となる。そこで、
エッチャントである塩素ガスに酸素を添加し、さらに試
料を冷却してエッチングする。
l/分以上)では従来の酸素添加量よりもより小さな領
域(1.5%以下)で、合わせて試料を低温(試料温度
を0℃以下)に保持することにより、試料温度を室温と
した処理時に得られるエッチング速度より大きなエッチ
ング速度を得ることができる。これにより、従来よりも
生産性を向上させることができる。
は、プラズマ密度が十分でなく、エネルギ−律速となっ
ていたり、排気性能が十分でなくエチャントの供給律速
となっていたりすることが多く、かならずしもシリコン
のエッチング速度を大きくすることができなかった。高
密度のプラズマを維持しつつ、高速排気をし、合わせて
試料を低温にすることで、従来以上のエッッチャントを
シリコン表面に吸着させ、酸素添加による化学反応平衡
の適正化により、エッチング速度を大きくすることがで
きたと考えられる。一方、シリコン酸化膜のほうは試料
温度が−100℃を下回るような非常に低温の領域で初
めて反応を抑制できることが知られており、エッチング
速度に対しての低温化による抑制効果はないものと考え
られる。むしろ、酸化膜表面への過剰酸素の供給による
化学的エッチング抑制(Si−Oの再結合等)が支配的
と考えられる。
15の内径を略同径にして処理室、この場合、エッチン
グ室の形状をシンプル化し、真空容器67,リングゲー
ト15及び試料台68を同心状に配置しており、また、
高速排気を用いた装置構成としているので、処理室内面
に凹凸がなく反応性生物等の堆積物が付着しにくく、ガ
ス流れも均一でスムーズになり、プラズマ処理時に発生
する反応生成物の堆積を防止することができ、総合的に
経時変化の少ない装置とすることができる。また、ガス
流れが均一になることから、プロセス性能の均一性の向
上も図れる。
実施例を図16に示す。本実施例はプラズマを生成する
手段としてマイクロ波のみを利用した例である。本図に
おいて図4と同符号は同一部材を示し説明を省略するす
とともに、共通の構成部分の図示を省略する。
を発生させるためのソレノイドコイルを有しておらず、
円筒空洞部64を介して真空容器67内にマイクロ波の
みを導入し、真空容器内のプロセスガスをプラズマ化す
る点で前記実施例と異なる。
1010個/cm3を超えるとマイクロ波の一部が反射
される。しかしながら、前記実施例の装置と同様に、マ
イクロ波の反射端がプラズマ616の境界面152とな
るため、磁場に起因する物理現象以外の作用は前記一実
施例の場合と同じである。
ば、プラズマ発生室である真空容器67のマイクロ波導
入部に真空容器67の内径と略同径のマイクロ波透過窓
66を設け、真空容器67の内径と略同径であって真空
容器67内に生成されるプラズマのマイクロ波反射境界
面との間で特定モードのマイクロ波を共振させる空洞部
である円筒空洞部64をマイクロ波透過窓を介して真空
容器67に隣接し、円筒空洞部64を介して真空容器6
7内の放電空間にマイクロ波を導入することにより、円
筒空洞部64を介して真空容器67内に導入されたマイ
クロ波によって真空容器67内にプラズマが生成され
る。プラズマの生成に伴ってプラズマに吸収されなかっ
た円筒空洞部64からのマイクロ波がプラズマのマイク
ロ波反射境界面で反射される。反射されたマイクロ波が
円筒空洞部64の反射端面である天板641でさらに反
射され、プラズマのマイクロ波反射境界面と円筒空洞部
64の反射端面との間で定在波として反射が繰り返され
ると共に、新たに入射されるマイクロ波と重なって共振
状態になる。これにより、円筒空洞部64には特定モー
ドのマイクロ波が形成され、プラズマに特定モードのマ
イクロ波の高いエネルギが加わりプラズマを高密度化す
ることができる。また、円筒空洞部64と放電空間とを
略同径としてあるので円筒空洞部64とプラズマとの略
等価な全反射面でマイクロ波が共振させられ、特定モー
ドのマイクロ波をそのままプラズマに伝達させることが
できるので、電界の均一性の良い特定なモードのマイク
ロ波を共振させることにより、安定して均一性の良いプ
ラズマを生成することができる。
に、ソレノイドコイル65による磁界を作用させること
により、ECRを利用してさらに高密度のプラズマを生
成することができる。
円筒形に構成することにより、任意の位置における軸方
向の断面積が等しく、真空容器67内の軸方向において
ECR面の位置を変化させても、ECR面の面積が変わ
ることがなく、真空容器67内の軸方向の任意の位置で
のプラズマを高密度均一にできる。すなわち、プラズマ
状態を任意の位置で不変にすることができる。
に伝達させるための空間となるECR面とマイクロ波導
入用の石英平板でなるマイクロ波透過窓66との間の空
間の距離を50mm以上とすることにより、生成される
プラズマを均一にすることができ、また、生成されたプ
ラズマを拡散により拡げる空間となるECR面と被処理
物である試料を搭載する試料台との間の空間の距離を3
0mm以上とすることにより、拡散の効果により試料台
に搭載された試料に到達するプラズマを均一にして、イ
オン電流密度で10%以下の一様分布とすることができ
る。
20G/cm以上に設定することにより、磁場発生用の
ソレノイドコイルに流す電流のわずかな変動によってE
CR面の位置が大きく変動するのを抑えることができ
る。また、ECR面における磁場勾配の値を50G/c
m以下の範囲内にすることにより、ECR面の厚さの減
少が抑えられ、マイクロ波の強度分布がそのままプラズ
マ密度に反映するのを防止できるので、試料台に搭載さ
れた試料に到達するプラズマの不均一を防止でき、飽和
イオン電流密度の均一性の悪化を防止できる。
れるイオン電流密度を10%以下の一様分布とすること
が可能であり、これによって8インチウエハ等の大口径
の試料を均一にエッチングすることができる。
面に絶縁物カバーを設けることにより、真空容器内での
プラズマによる金属汚染を防止することができるので、
エネルギー分布の一様なマイクロ波による均一なプラズ
マの生成とともに、8インチウエハ等の大口径の試料を
均一に歩留まり良く処理することができる。
えば2.45GHz)を用いて説明したが、何らこれに
限定されるものではない。電磁波によってプラズマを発
生させものであれば同様な効果が期待できる。
ウエハが配置できる内径を有しマイクロ波が伝播可能な
導電性の材料でなる円筒容器内を円板状のマイクロ波透
過部材で仕切り、円筒容器内の一方を減圧雰囲気とし、
円筒容器内の他方にマイクロ波導波管を接続し、マイク
ロ波透過部材の減圧雰囲気側の面を、マイクロ波導波管
を接続した円筒容器端面からマイクロ波の管内波長のn
/2倍の距離以内の該距離近傍に位置させることによ
り、減圧雰囲気となった円筒容器内に該円筒容器端面に
接続したマイクロ導波管からマイクロ波を導入して、減
圧雰囲気である円筒容器内にプラズマを発生させ、円筒
容器端面からマイクロ波の管内波長のn/2倍の距離以
内の該距離近傍に位置するプラズマと該円筒容器端面と
の間でプラズマに吸収されなかったマイクロ波を特定モ
ードで共振させるようにし、このようなマイクロ波によ
って発生させられたプラズマにより試料を処理する。こ
れにより、試料直径8インチ以上の大口径化に対応し
て、試料の処理速度及び均一処理の向上を図ることので
きるという効果がある。
る真空処理装置の縦断面図である。
実施例のプラズマ処理装置の縦断面図である。
細図である。
ある。
る。
変化させたときの被処理物に到達するイオン電流密度の
大きさおよび均一性を示した図である。
変化させたときのマイクロ波の反射波を示す図である。
平板とECR面との距離(L2)を変えたときの空洞部
寸法(L1)とイオン電流密度の均一性との関係を示す
図である。
平板とECR面との距離(L2)を変化させたときの被
処理物に到達するイオン電流密度の大きさおよび均一性
を示した図である。
載する試料台との距離(L3)を変えたときの空洞部寸
法(L1)とイオン電流密度の均一性との関係を示す図
である。
載する試料台との距離(L3)を変化させたときの被処
理物に到達するイオン電流密度の大きさおよび均一性を
示した図である。
洞部寸法(L1)と被処理物に到達するイオン電流密度
の大きさ,イオン電流密度の均一性および放電安定性を
示す図であり、(a)はイオン電流密度の大きさを示す
図であり、(b)はイオン電流密度の均一性を示す図で
あり、(c)は放電の安定性を示す図である。
きの被処理物に到達するイオン電流密度の大きさおよび
均一性を示した図である。
断面図である。
構成図である。
導波管、64…円筒空洞部、65…ソレノイドコイル、
66…マイクロ波透過窓、67…真空容器、68…試料
台、610…高周波電源、611…シャワープレート、
613…タ−ボ分子ポンプ、615…高密度プラズマ、
151…境界面。
Claims (4)
- 【請求項1】8インチ以上の大口径ウエハが配置できる
内径を有しマイクロ波が伝播可能な導電性の材料でなる
円筒容器内を円板状のマイクロ波透過部材で仕切り、前
記円筒容器内の一方を減圧雰囲気とし、前記円筒容器内
の他方にマイクロ波導波管を接続し、前記マイクロ波透
過部材の前記減圧雰囲気側の面を、前記マイクロ波導波
管を接続した前記円筒容器端面からマイクロ波の管内波
長のn/2倍の距離以内の該距離近傍に位置させたこと
を特徴とするプラズマ処理装置。 - 【請求項2】請求項1において、前記円筒容器の内径が
350mm以上で、前記マイクロ波導波管が円形TE1
1モードのマイクロ波を伝播するプラズマ処理装置。 - 【請求項3】請求項2において、前記マイクロ波導波管
及び前記円筒容器外周に磁場処理手段を設けたプラズマ
処理装置。 - 【請求項4】請求項3において、前記円筒容器の減圧雰
囲気側は前記マイクロ波透過部材の取り付け代分だけ前
記マイクロ波透過部材よりも内径が小さいプラズマ処理
装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
JP7332165A JP3047802B2 (ja) | 1995-12-20 | 1995-12-20 | プラズマ処理装置 |
Related Parent Applications (1)
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