JP2913131B2 - マイクロ波プラズマ装置 - Google Patents

マイクロ波プラズマ装置

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JP2913131B2 JP19753192A JP19753192A JP2913131B2 JP 2913131 B2 JP2913131 B2 JP 2913131B2 JP 19753192 A JP19753192 A JP 19753192A JP 19753192 A JP19753192 A JP 19753192A JP 2913131 B2 JP2913131 B2 JP 2913131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波プラズマ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年半導体デバイスの微細化が急速に進
展しているため、ドライエッチング技術に対する微細加
工性、低汚染、低損傷性、選択性などの要求が一段と厳
しくなってきている。
【0003】そこで最近において、磁場中での電子のサ
イクロトロン運動とマイクロ波との共鳴現象を用いてマ
イクロ波放電を起こす方法が採用されている。このよう
なマイクロ波放電によれば、高真空で高密度のプラズマ
を無電極放電で生成できるため、高速な表面処理を実現
でき、またウエハの汚染のおそれがないなどの利点があ
る。
【0004】従来この種のマイクロ波プラズマ装置とし
ては、特公昭58−13626号公報に記載されている
ように、周囲に磁場形成手段が配置されたプラズマ発生
室内に上方側からマイクロ波を導入して電子サイクロト
ロン共鳴によりプラズマを発生させ、このプラズマ中の
イオンをイオン引き出し電極により、プラズマ発生室の
底部から処理室内に引き出して、処理室内に配置された
被処理体の表面にイオンを照射するものが知られてい
る。
【0005】また他の装置としては、特開昭59−20
2635号公報に記載されているように、プラズマ発生
室を構成する放電管をマイクロ波導入方向から被処理体
方向に向かって広がった構造とし、かつ磁場勾配を持た
せてイオンを被処理体に輸送すると共に面積の広いプラ
ズマ処理を行うようにしたものも知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前者即ち
特公昭58−13626号公報に記載された装置は、プ
ラズマ発生室とは別個に処理室を設置しなければならな
いので装置が大型化すると共に、イオン引き出し電圧と
して1000V前後の高電圧が必要となるためイオンエ
ネルギーが大きく、被処理体表面のダメージが大きいと
いう問題があった。
【0007】また後者即ち特開昭59−202635号
公報に記載された装置は、プラズマ発生領域から被処理
体表面に至るまで磁場勾配があるので、磁力線が被処理
体表面に対して傾斜しており、このためイオンが被処理
体表面に斜めに入射し、例えばエッチングの垂直性が悪
くなって、良好な微細加工が困難になるという問題があ
る。
【0008】一方プラズマ発生室内に被処理体を配置し
てこの中に一様な強さの磁場を形成すれば、上述のよう
に別途処理室を設置しなくて済むし、またイオンを被処
理体表面に垂直に入射することができるが、その反面こ
の場合には電子サイクロトロン共鳴現象により電子のエ
ネルギー(温度)が非常に高くなり、しかも低圧下にお
いては電子とイオンとの衝突確率が小さいので、電子が
高いエネルギーを持ったまま被処理体の表面に衝突して
チャージアップが起こり、フローティング電位が例えば
100eVと相当高くなるため、イオンはイオンシース
を通過したときにエネルギーが可成り高められて被処理
体の表面に衝突し、更に高エネルギーの電子の衝突にも
起因して、結局被処理体の表面に対する熱的、静電的な
ダメージが大きくなり、加えてマイクロ波のエネルギー
が被処理体に吸収されて高温に加熱されるという不具合
もある。
【0009】本発明は、このような事情のもとになされ
たものであり、その目的は、被処理体の表面に対するダ
メージを抑えることのできるマイクロ波プラズマ装置を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はプラズマ発生室
内に被処理体を配置してこの中に一様な強さの磁場を形
成する場合に、被処理体のダメージの基の原因である電
子の高エネルギー化という点を取り上げ、電子サイクロ
トロン共鳴条件からわずかに外れた条件でプラズマを発
生させることにより電子のエネルギーを低く抑えるとい
う着想に基づくものである。
【0011】具体的には本発明は、放電空間を形成する
プラズマ発生室内にて被処理体を支持手段により支持
し、プラズマ発生室内にマイクロ波導入口を介してマイ
クロ波を導入すると共に磁場形成手段により磁場を形成
して、プラズマを発生させるマイクロ波プラズマ装置に
おいて、前記放電空間の磁束密度の大きさが一様で、磁
力線が被処理体の被処理面に対して垂直となるように
場形成手段を構成し、前記磁場の強さを、電子サイクロ
トロン共鳴条件を満たす強さよりも低い磁場の強さに設
して、放電空間内には電子サイクロトロン共鳴条件と
なる強さの磁場が存在しないようにすることを特徴とす
る。
【0012】例えば前記磁場の強さは、電子サイクロト
ロン共鳴条件を満たす磁場の強さに対して0.3%〜
1.8%外れた値とする。
【0013】そして本発明では、被処理体または放電空
間と反対側の被処理体の近傍にてマイクロ波を反射させ
ることが望ましく、この場合被処理体を支持する支持手
段の支持面または被処理体の表面からマイクロ波導入口
までの距離を、マイクロ波の波長の1/2の整数倍とす
ることができる。
【0014】またマイクロ波を導入する部分の構造につ
いては、マイクロ波伝送用の同軸ケ−ブルの中心導体を
誘電体に接続し、この誘電体に接合した導体板に前記マ
イクロ波導入口を設けることもできる。
【0015】
【作用】プラズマ発生室内にマイクロ波を導入すると共
に、磁力線の方向が下向きでかつ被処理体に対して垂直
である磁場を形成し、プラズマ発生室内の磁束密度を電
子サイクロトロン共鳴条件から得られる値よりも例えば
若干小さくする。電子サイクロトロン共鳴条件からのず
れ分が小さいため電子サイクロトロン共鳴現象は起こる
が、電子のエネルギーは電子サイクロトロン共鳴条件を
満たす場合よりも低く抑えられる。この結果フローティ
ング電位が小さくなるので被処理体に衝突するイオンの
エネルギーも適切な大きさになり、被処理体表面のダメ
ージが抑えられる。
【0016】また例えば支持手段の支持面からマイクロ
波導入口までの距離をマイクロ波の波長の1/2の整数
倍に設定することにより、マイクロ波の電力をプラズマ
に一層効率よく吸収させることができると共に、前記支
持面にてマイクロ波が反射されるので被処理体の加熱が
抑えられる。
【0017】そしてマイクロ波導入口を設けた導体板に
誘電体を接合し、この誘電体に同軸ケ−ブルの中心導体
を接続することにより、前記マイクロ波導入口より放射
されるマイクロ波の波長を小さく、マイクロ波の密度を
高くすることができる。従って、前記マイクロ波導入口
に対向して設けられた被処理体の面内に均一なプラズマ
処理を行うことができる。
【0018】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す縦断面図であ
り、1は電子サイクロトロン共鳴によりプラズマを発生
させるための放電空間を形成するプラズマ発生室であ
る。このプラズマ発生室1は、例えば直径600mmの
円筒状に形成されており、その壁部は例えばアルミニウ
ム合金あるいはステンレス鋼などの非磁性体により構成
され、底部には被処理体であるウエハWを支持するため
の支持手段としての導電性のウエハ支持台2が配設され
ている。このウエハ支持台2はプラズマ発生室1に対し
て電気的にフロ−ティングの状態となっている。またウ
エハ支持台2の中には当該ウエハ支持台2上のウエハを
冷却するよう、冷媒例えば−50℃程度の冷却において
は冷却水が、−150℃程度の冷却には液体窒素が循環
する冷媒流路21が形成されている。
【0019】またこのプラズマ発生室1には、例えばC
、SF、CFなどの処理ガスを導入するためガ
ス導入管11、12と、図示しない排気手段に結合され
た排気管13が接続されていて、プラズマ発生室1内が
所定の真空雰囲気に維持されるようになっており、排気
管13の排気口には後述するマイクロ波の通過を遮断す
るための導電性メッシュ体よりなるフィルタ14が設け
られている。前記プラズマ発生室1の上面は、例えば石
英ガラスよりなるマイクロ波透過窓3により構成されて
おり、このマイクロ波透過窓3は、プラズマ発生室1の
壁部の上端にOリング31を介して装着されている。
【0020】前記プラズマ発生室1の上方には、偏平中
空形状の矩形導波管4が配設されており、この矩形導波
管4は、図示しないマイクロ波供給源であるマグネトロ
ンに接続されていて、プラズマ発生装置本体の側方から
プラズマ発生室1の上方に例えば2、45GHzのマイ
クロ波を導くようになっている。そしてこの矩形導波管
4の先端部下面には複数のスリット状のマイクロ波導入
口5が穿設されており、これらマイクロ波導入口5が前
記マイクロ波透過窓3の上面に位置している。前記マイ
クロ波導入口5のスリット幅は、矩形導波管4内のマイ
クロ波の波長をλtとすると、例えば(λ/2×1c
m)の大きさとされる。また矩形導波管4の先端面には
矩形導波管4内で発生した反射波を吸収するためのマイ
クロ波吸収体41が設けられており、これによって反射
波がマグネトロンに戻るのを防止すると共に、吸収体4
1を冷却することにより矩形導波管4の加熱を抑えてい
る。
【0021】そして前記マイクロ波導入口5からウエハ
支持台2の支持面までの領域はマイクロ波空洞共振器構
造とされており、これらの間の距離は、図2に示すよう
にマイクロ波導入口5からプラズマ発生室1側に導入さ
れたマイクロ波の波長をλとすると、(λ/2)×
n(整数)、例えば(λ/2)×2の大きさに設定さ
れている。このようにマイクロ波空洞共振器構造とすれ
ば、マイクロ波電力をプラズマに一層効率よく吸収させ
ることができると共に、ウエハ支持台2の支持面がマイ
クロ波の反射面に位置しているのでウエハ支持台2がマ
イクロ波によって加熱されないし、またウエハ内に吸収
されるマイクロ波の電力は零に近いことから、マイクロ
波によるウエハの温度上昇を抑えることができるなどの
利点がある。
【0022】前記プラズマ発生室1の上方側には、前記
矩形導波管4を介して上部磁極61が、またプラズマ発
生室1の下方側には下部磁極62が夫々互に対向するよ
うに配置され、これら磁極61、62は永久磁石Mを介
して互に例えば軟鉄からなるヨーク6により結合される
と共に、磁極61、62の周囲には各々磁場発生用コイ
ル63が巻装されている。この実施例では、磁極61、
62、コイル63、ヨーク6及び永久磁石Mにより磁場
形成手段60が構成される。この磁場形成手段60は、
プラズマ発生室1内に磁束密度の大きさが一様であり、
かつ磁力線AがウエハWに対して垂直な状態で上から下
に向かう磁場を形成するためのものであり、プラズマ発
生室1内の磁束密度の大きさは、例えばマイクロ波の周
波数が2、45GHzのときの電子サイクロトロン共鳴
条件を満たす875ガウスよりも低い865ガウスに設
定される。
【0023】次に上述実施例の作用について説明する。
図示しないマグネトロンから例えば電力800W、周波
数2、45GHzのマイクロ波を導波管4内に伝幡さ
せ、マイクロ波導入口5からマイクロ波透過窓3を介し
て例えばTEモードでプラズマ発生室1内に導入すると
共に、磁場形成手段60の永久磁石M及び磁場発生用コ
イル63の励磁により、例えば磁束密度の大きさが86
5ガウス、磁力線Aの方向が下向きでかつ支持台2上の
ウエハWに対して垂直である磁場をプラズマ発生室1に
形成する。そしてガス導入口11、12から処理ガス例
えば塩素ガスをプラズマ発生室1内に流量10SCCM
で導入し、図示しない排気手段により真空引きしてプラ
ズマ発生室1内を例えば1×10−4Torr程度の圧
力に維持する。
【0024】ここでマイクロ波の周波数に対応する電子
サイクロトロン共鳴条件を満足する磁束密度の大きさは
875ガウスであるから、今プラズマ発生室1内に形成
されている磁束密度はこの値よりも若干低い値(865
ガウス)であるが、そのずれ分は小さいためプラズマ発
生室1内に電子サイクロトロン共鳴現象が起こると共
に、この例ではマイクロ波導入口5からウエハ支持台2
の支持面の間の領域を空洞共振器構造としているので電
子にマイクロ波の電力が効率よく吸収されることも加わ
って、電子のエネルギー(電子の温度)が高くなり、こ
の電子との衝突によりエネルギーの高められたイオンが
ウエハWのフローティング電位により加速されてウエハ
W表面に衝突し、これにより表面処理例えばエッチング
が行われる。
【0025】ところで「発明が解決しようとする課題」
の項にて述べたように、磁束密度を電子サイクロトロン
共鳴条件を満足する875ガウスに設定した場合には電
子が100eV付近もの非常に高い温度になるため、ウ
エハ表面の熱的、静電的なダメージが大きかったが、こ
の実施例のように磁束密度の大きさを875ガウスの値
から若干外れた値とすることによって、ウエハ表面のダ
メージを抑えることができる。その理由については、電
子の温度は電子サイクロトロン共鳴現象により上昇する
が、磁束密度とマイクロ波の周波数との関係が電子サイ
クロトロン共鳴の条件から外れているので計算上では十
数eV程度まで上昇した後減少し、その後再び上昇した
後減少するというサイクルを繰り返し、暴走的に上昇す
ることがなくて低い値に抑えられ、この結果電子により
ウエハ表面がチャージアップされてもフローティング電
位が小さいので、ウエハ表面に衝突するイオンのエネル
ギーが表面処理には十分でありながら小さな値になるか
らであると推察される。
【0026】またこの実施例では、ウエハ支持台2から
上方側に(1/4×λ)及び(3/4×λ)だけ夫
々離れた2個所の位置でプラズマの強度が最大となる
が、前記マイクロ波透過窓3を例えばウエハ支持台2の
上方(1/2×λ)の位置に設定すれば、プラズマの
最大強度位置は支持台2の上方1個所のみになり、プラ
ズマがウエハWの表面上で面状に形成され、良好な表面
処理を行うことができる。この場合プラズマの最大強度
位置はウエハの近傍であるが、上述の如く電子の温度が
低く抑えられているので、電子によるウエハ熱的な、あ
るいは静電気的なダメージのおそれもない。
【0027】更にマイクロ波の電力を大きくすると、電
子とイオンとの衝突確率が高くなる傾向にあり、従って
実施すべき表面処理の種類などに応じて、電子の温度と
衝突確率とを適切な値にするために、電子サイクロトロ
ン共鳴条件からの外れの程度とマイクロ波の電力値とを
適宜選定すればよい。
【0028】また図1の実施例において、鎖線で示すよ
うに支持台2に高周波電源7を接続してバイアス電位を
与えるようにしてもよく、このようにすればイオンの引
き出しを一層効率よく行うことができる。
【0029】ここで磁束密度とマイクロ波の周波数との
関係について、電子サイクロトロン共鳴条件からどの程
度外すことが適切であるかを調べるために、マイクロ波
の周波数が2、45GHzの場合において、磁束密度の
大きさに応じてプラズマ中の電子のエネルギー(温度)
がどのような値になるかを電子のサイクロトロン運動方
程式を用いて数値計算により演算したところ、図3に示
す結果が得られた。この結果からわかるように計算上で
は、磁束密度が電子サイクロトロン共鳴条件を満足する
875ガウスのときには無限大である。そしてウエハを
傷つけることなく良好な表面処理を行うことのできる電
子の温度がおよそ8eV程度〜およそ80eV程度であ
ること、及び磁束密度が875ガウスのときに実際には
電子がガス分子や原子などと衝突し、運動エネルギ−が
減少するので無限大とはならず100eV程度であるこ
とを考慮すれば、磁束密度の適切な範囲は電子サイクロ
トロン共鳴条件を満足する875ガウスを中心にして±
0、3%〜±1、8%となる。そしてより一層望ましい
電子の温度範囲がおよそ10eV程度〜およそ60eV
程度であることからすれば、磁束密度のより適切な範囲
は875ガウスを中心にして±0、5%〜±1、5%と
なる。
【0030】なお本発明は、電子サイクロトロン共鳴条
件からの外れの程度は、電子サイクロトロン共鳴現象が
完全に起こらなくなる場合を含むものではないが、装置
の構造などに応じて設定される。
【0031】以上において本発明では、マイクロ波を装
置本体の側方から導入する代わりに、図4に示すように
装置本体の上方から導入してもよく、図4の実施例で
は、底面に複数のスリット状のマイクロ波導入口5を有
するラジアル導波管8を用いてマイクロ波導入口5をマ
イクロ波透過窓3の上面に位置させると共に、図示しな
いマグネトロンに接続された同軸ケーブル80を、ラジ
アル導波管8の上面中央開口部まで挿入した構成となっ
ている。この場合上下に対向する磁極61、62を連結
するヨーク6は、装置の鉛直方向の中心線に対して対称
に例えば4分割される。
【0032】次に図5及び図6を参照しながら本発明の
更に他の実施例について説明すると、この実施例では、
ヨ−ク6は、鉛直方向の中心線に対して対称に4分割さ
れると共に、4分割された部分の角部の平面形状が長方
形状に形成されており、従ってヨ−ク6をあまり外方に
向けて広げなくともヨ−ク6の断面積が大きくなるから
大きな磁束密度が得られる。またヨ−ク6の上部側、下
部側には永久磁石は用いられておらず、夫々上部磁極6
1及び下部磁極62が設けられ、これらにコイル63が
巻装されて電磁石64が構成される。このように電磁石
64のみにより磁界を発生させるようにすれば、磁場強
度の強弱を電流により制御できるので条件設定が容易で
あり、また組み立ても簡単である。
【0033】またマイクロ波導入窓3の上面には、導体
板である金属板81が接合して配置され、この金属板8
1には、例えば図7に示すようにマイクロ波導入口をな
すT字形に近い形状のスリット部82が渦巻状のライン
に沿って配列して形成されている。この金属板8の上面
側にはセラミック板83が接合して設けられており、ヨ
−ク6及び電磁石64の中心部に形成された穴を通って
同軸ケ−ブル84の一端側が誘電体であるセラミック板
83の上面の中心部に導かれ、同軸ケ−ブル84の中心
導体85がセラミック板83を突き抜けて金属板81の
表面に接触している。この同軸ケ−ブル84の他端側
は、ヨ−ク6の上方に設けられたマイクロ波発生器86
に接続されている。
【0034】このように金属板81にセラミック板83
を接合すれば、セラミックの誘電率は9程度であり、セ
ラミック中を伝播するマイクロ波の波長は空気中の場合
のほぼ1/3になるから、金属板81のスリット部82
の離間間隔を小さくすることができ、従ってスリット部
82の配設密度を高くすることができるのでウエハWに
対して均一なプラズマ処理をすることができる。また前
記内部導体85の下端が金属板81に接しているのでこ
の間で放電するおそれはない。同軸ケ−ブル84の中心
導体の端部は必ずしも金属板81に接続していなくとも
よいが、少なくともセラミック板83に接続されている
ことが必要であり、例えばセラミック板83内に突入さ
れているかあるいはセラミック板83の表面に接触して
いることが必要である。
【0035】そしてプラズマ発生室1には、ロ−ドロッ
ク室9がOリング91を介して気密に連結されており、
このロ−ドロック室9内には、例えば多関節ア−ムより
なるウエハWの搬送機構92が設けられると共に、プラ
ズマ発生室1との間及び大気雰囲気との間を夫々開閉す
るためのゲ−トバルブG1、G2が配設されている。9
3、94はゲ−トバルブG1、G2の駆動機構である。
【0036】更にヨ−ク6の下方側にはウエハ支持台2
を昇降させるための2例えばピニオン、ラック機構及び
モ−タMを組み合わせてなる昇降機構22が設置される
と共に、ここからヨ−ク6及び電磁石64の中心部の穴
を通って昇降ロッド23が伸びており、この昇降ロッド
24の上端がウエハ支持台2に取り付けられている。ウ
エハ支持台2は、例えばウエハWの搬入、搬出時にこの
昇降機構22により昇降する。このウエハ支持台2の上
面には、被処理体を載置し保持する静電チャック24が
設けられている。この静電チャック24には、前記ウエ
ハ支持台2の下部の給電配線を介して、前記プラズマ発
生室1の外部に設けられた直流電源25に接続されるよ
うに構成されている。
【0037】そしてまたマイクロ波の波長に対して十分
大きな導体板例えば直径600mm、厚さ5mmの円盤
状の金属板からなる導体板に、前記マイクロ波の導入口
となるスロット(細長い穴)を形成し、そのスロットの
長さを前記マイクロ波の半波長にした構造のマイクロ波
アンテナをプラズマ発生室1に設け、前記導体板に誘電
体例えばセラミック板を接合するようにしてもよい。
【0038】更に本発明では、マイクロ波を支持台の支
持面で反射させることに限定されるものではなく、例え
ば被処理体の表面にて反射させるために被処理体の表面
からマイクロ波導入口までの距離をマイクロ波の波長の
1/2の整数倍に設定してもよく、このようにすれば、
被処理体が厚い場合にも被処理体のマイクロ波の電力の
吸収を避けられる利点がある。
【0039】更にまた本発明は、マイクロ波を支持台や
被処理体で反射させない構造のECRプラズマ装置に適
用してもよい。
【0040】なお本発明はエッチング、アッシングある
いはCVDなどの各種のプラズマ表面処理を行う場合に
適用することができ、この場合例えば支持台を加熱や冷
却する構造を付加するなどの対処を行うことが望まし
い。
【0041】
【発明の効果】請求項1または請求項2の発明によれ
ば、プラズマ発生室内に磁束密度の大きさ(磁場の強
さ)が一様な磁場を形成しているため、イオンが被処理
体の表面に対して垂直または略垂直に入射するから例え
ば垂直性の良いエッチングができるなど微細加工性が良
い。そして電子サイクロトロン共鳴の条件を満足する場
合には、先述したように電子のエネルギーが非常に高い
ため被処理体の表面のダメージが大きいが、本発明では
電子サイクロトロン共鳴の条件を外しているため電子の
エネルギーを低く抑えることができ、この結果フローテ
ィング電位が小さくなるため被処理体の表面に衝突する
イオンのエネルギーを低く抑えることができ、従って被
処理体の表面のダメージが抑えられて良好な表面処理を
行うことができる。またプラズマ発生室内に被処理体を
配置しているため、プラズマ発生室内からイオンを別途
反応室へ引き出すといった構造を採用しなくて済むた
め、装置を小型化できる。
【0042】請求項3または4の発明によれば、被処理
体または被処理体の近傍にてマイクロ波を反射させるよ
うにしているため、例えば被処理体の支持手段の支持面
あるいは被処理体の表面で反射させるようにしているた
め、被処理体の加熱が抑えられ、このため被処理体の熱
による悪影響を避けることができ、加えてプラズマ強度
の最大位置が被処理体の表面の近傍に位置するので効率
よく表面処理を行うことができる。
【0043】請求項5の発明によれば、導体板のマイク
ロ波導入口を通るマイクロ波を小さくすることができる
とともに、マイクロ波の密度を高くすることができるの
で、被処理体の面内に均一なプラズマ処理を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】ウエハ支持台の支持面の位置とマイクロ波の波
長との関係を示す説明図である。
【図3】磁束密度と電子のエネルギーとの関係を示す特
性図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施例を示す断面図である。
【図6】図5に示す装置の概観を示す斜視図である。
【図7】マイクロ波導入口を備えた金属板の一実施例を
示す平面図である。
【符号の説明】
1 プラズマ発生室 2 ウエハ支持台 3 マイクロ波透過窓 4 導波管 5 マイクロ波導入口 6 ヨーク 60 磁場形成手段 61、62 磁極 W ウエハ 81 金属板 83 セラミック板 84 同軸ケ−ブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−299826(JP,A) 特開 平3−277775(JP,A) 特開 昭64−64221(JP,A) 特開 昭63−288022(JP,A) 特開 昭62−92443(JP,A) 特開 昭63−148634(JP,A) 特開 昭63−166971(JP,A) 特開 昭61−258428(JP,A) 特開 昭64−81321(JP,A) 特開 平1−184923(JP,A) 特開 平1−179323(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/3065 C23F 4/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間を形成するプラズマ発生室内に
    て被処理体を支持手段により支持し、プラズマ発生室内
    にマイクロ波導入口を介してマイクロ波を導入すると共
    に磁場形成手段により磁場を形成して、プラズマを発生
    させるマイクロ波プラズマ装置において、 前記放電空間の磁束密度の大きさが一様で、磁力線が被
    処理体の被処理面に対して垂直となるように磁場形成手
    段を構成し、 前記磁場の強さを、電子サイクロトロン共鳴条件を満た
    す強さよりも低い磁場の強さに設定して、放電空間内に
    は電子サイクロトロン共鳴条件となる強さの磁場が存在
    しないようにすることを特徴とするマイクロ波プラズマ
    装置。
  2. 【請求項2】 磁場の強さを、電子サイクロトロン共鳴
    条件を満たす磁場の強さに対して0.3%〜1.8%外
    れた値に設定する請求項1記載のマイクロ波プラズマ装
    置。
  3. 【請求項3】 被処理体に対して放電空間と反対側の当
    該被処理体の近傍にて、または被処理体にてマイクロ波
    を反射させる請求項1記載のマイクロ波プラズマ装置。
  4. 【請求項4】 被処理体を支持する支持手段の支持面ま
    たは被処理体の表面からマイクロ波導入口までの距離
    を、マイクロ波の波長の1/2の整数倍とした請求項1
    記載のマイクロ波プラズマ装置。
  5. 【請求項5】 マイクロ波伝送用の同軸ケ−ブルの中心
    導体を誘電体に接続し、この誘電体に接合した導体板に
    前記マイクロ波導入口を設けたことを特徴とする請求項
    1記載のマイクロ波プラズマ装置。
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