JP3294839B2 - プラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理方法

Info

Publication number
JP3294839B2
JP3294839B2 JP2000302140A JP2000302140A JP3294839B2 JP 3294839 B2 JP3294839 B2 JP 3294839B2 JP 2000302140 A JP2000302140 A JP 2000302140A JP 2000302140 A JP2000302140 A JP 2000302140A JP 3294839 B2 JP3294839 B2 JP 3294839B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
antenna
processing chamber
processing
high frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000302140A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001160553A (ja
Inventor
次郎 畑
信雄 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2000302140A priority Critical patent/JP3294839B2/ja
Publication of JP2001160553A publication Critical patent/JP2001160553A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3294839B2 publication Critical patent/JP3294839B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、LSI等の半導体デバイスの製
造工程を例にとって説明すると、エッチング、アッシン
グ、CVD、スパッタリングなどの各種プロセスにおい
て、処理ガスのイオン化や化学反応を促進するために、
プラズマを発生させるプラズマ装置が多く利用されてい
るが、近年では、半導体ウエハ(以下、「ウエハ」とい
う)などの被処理体に施すパターンの微細化が進むにつ
れ、プラズマのエネルギー密度分布、及びプラズマとサ
セプタとの間のバイアス電位をより高い精度で調整した
り、電極からの重金属汚染を減少させる観点から、渦巻
状のアンテナを用いるいわゆる高周波誘導方式のプラズ
マ装置が提案されている。
【0003】例えば欧州特許公開明細書第379828
号に開示されているように、気密に構成された処理容器
(チャンバ)におけるウエハ載置台と対向部分(一般に
上壁部分)を石英ガラス等の絶縁物で構成し、その外側
の壁面にスパイラル状のアンテナを固定しこれに高周波
電流を流して処理容器内に高周波電磁場を作り、これに
よって処理容器内に供給される処理ガスを電離させ、プ
ラズマを生成するようにしている。かかる方式を用いる
プラズマ装置では、アンテナの真下に位置する処理容器
内の空間にプラズマが生成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記した
従来のプラズマ装置によれば、次のような問題がある。
即ち、一般的にプラズマの生成密度は、スパイラル状の
アンテナの半径方向における中心と外側との中間部に対
応する位置でプラズマ密度が最も高く、それより内側及
び外側に向かうほどプラズマ密度が低くなっている。即
ちプラズマ密度が均一ではない。そのためプラズマ処理
についての均一性、再現性が未だ十分ではなかった。ま
たかかるプラズマ密度の調整を行うための方法も十分に
開示されていなかった。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、被処理体における被処理面付近のプラズマ密度の
均一性を向上させてプラズマ処理における均一性に優れ
たプラズマ処理方法を提供することをその目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1によれば、処理室の上面に位置する絶縁体の外
側にアンテナ手段に高周波を印加して,前記処理室内に
プラズマを生成させて,前記処理室内のサセプタ上の被
処理体に処理を施す方法において,前記アンテナ手段と
して前記処理室の外側の中央から外周方向に向かって曲
がって延びる形状の複数のアンテナ部分を備える渦巻き
アンテナを用いると共に,前記処理室内に被処理体を搬
送して,前記サセプタ上に被処理体を載置する工程と,
前記処理室内に所定のプロセスガスを導入する工程と,
高周波電源からマッチングボックスを介して前記渦巻き
アンテナに高周波を印加する工程とを有することを特徴
とする,プラズマ処理方法が提供される。
【0007】かかるプラズマ処理によれば,効率よく交
番電界を形成できると共に、均一なプラズマを発生させ
て処理することができる。また例えばエッチング処理の
場合には,高い選択比を実現させることが可能である。
【0008】かかるプラズマ処理方法において,前記サ
セプタに対して他の高周波電源から高周波バイアスを印
加する工程を有するようにしてもよい。これによって,
プラズマ中のイオンを加速させることができる。
【0009】また請求項3のように,高周波電源からマ
ッチングボックスを介して前記渦巻きアンテナに高周波
を印加する際には,前記アンテナ手段の中央部に印加す
るようにしてもよい。
【0010】アンテナ手段として,アンテナ導体のピッ
チが半径方向で変化しているものを使用すれば,プラズ
マ密度をより均一化させることができる。
【0011】被処理体が例えばLCD基板など,長方形
の場合には,アンテナ手段として,長方形のループ状に
形成されたものを使用したり,順次中央部から直角に折
曲していく長方形の渦巻状に形成されたもを使用しても
よい。
【0012】なおアンテナ手段の上方に、垂直下方に向
かって徐々に発散する磁力線を有する静磁場を形成可能
な電磁コイルを設置すれば、前記アンテナ手段とこの電
磁コイルの出力を適当に調整することで、所望の領域、
例えば被処理体の処理表面の上方20〜30cm領域に
ECR領域を形成することが可能である。
【0013】
【0014】絶縁体としては,例えば石英板を用いるこ
とができる。
【0015】
【0016】なお例えばアンテナ手段の上方に,垂直下
方に向かって徐々に発散する磁力線を有する静磁場を形
成可能な電磁コイルを設置すれば,前記アンテナ手段と
この電磁コイルの出力を適当に調整することで,所望の
領域,例えば被処理体の処理表面上方20〜30cm領
域にECR領域を形成することが可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の好ましい実施の形態について説明する。まず本実施の
形態を実施するための装置の基本例であるプラズマ装置
1について,図1〜図4に基づいて説明する。
【0018】このプラズマ装置1は、図1に概略的に示
すように、プラズマ発生部Aとプラズマ処理部Bとから
構成されている。プラズマ発生部Aは、例えば頂部がド
ーム形状の円筒石英管2と、その石英管2の周囲を囲む
アンテナ手段3と、そのアンテナ手段3の上方において
前記石英管2を囲むように配置された電磁コイル4とか
ら構成される。
【0019】前記アンテナ手段3はマッチングボックス
5を介して第1の高周波電源6に接続されて、コントロ
ーラ7からの指令に応じて、高周波電流を印加すること
が可能である。また、前記電磁コイル4は電源8に接続
されて、コントローラ7からの指令に応じて、所望の静
磁場を励起可能に構成されている。また、前記石英管2
のドーム部分の頂部には、第1のガス源9から、図示し
ないマスフローコントローラを介して第1のプロセスガ
ス、例えばアルゴンなどの不活性ガスを導入可能な第1
のガス導入管路10が取り付けられている。
【0020】図2に詳細に示されるように、前記アンテ
ナ手段3は、上部リング部材3a、下部リング部材3b
及び両リング部材を連結する連結部材3cから構成さ
れ、前記第1の高周波電源6から前記マッチングボック
ス5を介して、図2の矢印で示すように、所望の高周波
電流を印加することにより、前記円筒石英管2内に交番
電界を形成することが可能なように構成されている。な
お、アンテナの構造は交番電界を所望の領域に形成でき
ればよく、前記形状に特定されない。
【0021】また、図2及び図3から明かなように、前
記電磁コイル4は、前記アンテナ手段3の上部におい
て、前記円筒石英管2を取り囲むように配置されてい
る。なお、図2では、構造の理解を容易にするために、
前記電磁コイル4の略半分を切り欠いた状態で示してい
る。図3の平面図に矢印で示したように、前記電源8に
より電磁コイル4を励起することにより、前記交番電界
と直交する方向、すなわち図示の例では垂直方向(円筒
石英管の軸方向)下方に向かう静磁場を形成するように
構成されている。
【0022】なお、プラズマ発生部を構成する前記石英
管2、アンテナ手段3、電磁コイル4の寸法及び出力
は、後述するように、被処理体であるウエハWの反応表
面の上方、約20〜30cm付近、すなわち図1の例で
は、前記石英管2と後述の処理室11の接続部分付近
に、ECR領域(Ec)が形成されるように調整され
る。
【0023】再び図1を参照して、第1の実施の形態に
係るプラズマ装置1のプラズマ処理部Bの構成について
説明する。前記プラズマ処理部Bは、前記プラズマ発生
部Aで発生したプラズマ流により被処理体、例えばウエ
ハWを処理する処理室11を備え、その処理室11内に
は、前記ウエハWを載置固定するためのサセプタ12が
収納されている。このサセプタ12はマッチングボック
ス13を介して第2の高周波電源14に接続されてお
り、前記コントローラ7からの指令によりエッチング処
理を行う際には、RFバイアスを前記サセプタ12に印
加することが可能なように構成されている。
【0024】前記処理室11の肩口には、第2のガス源
18から図示しないマスフローコントローラを介して第
2のプロセスガスを導入可能な第2のガス供給管路19
が設けられており、同処理室11の反対側下方には、例
えば真空ポンプなどの排気系15に連通する排気管16
が接続されており、処理工程に応じて、前記処理室91
内にプロセスガスを導入したり、あるいは前記処理室1
1内を真空引きすることができるように構成されてい
る。
【0025】さらにこのプラズマ装置1によれば、前記
処理室11の側壁を取り囲むように磁場形成手段17が
配置されている。この磁場形成手段17は、図4に詳細
に示すように、複数の永久磁石17a、17b等を交互
に極性が異なるように環状に配して成るもので、図4の
矢印に示すような磁力線を有する多極磁場を構成する。
この多極磁場の作用により、後述するように、プラズマ
発生部Aから導入されたプラズマ流を、被処理体である
ウエハWの処理表面付近にて整形保持することが可能に
なる。
【0026】プラズマ装置1は以上のように構成されて
おり、次にその動作について説明すると、エッチング処
理を行う場合には、図示しないカセット室から搬送アー
ムにより図示しないロードロック室に搬送された被処理
体であるウエハWが、前記ロードロック室から図示しな
いゲートバルブを介して、処理室11内に搬送される。
即ち予め減圧雰囲気、例えば10−6Paに設定された
処理室11内に搬送され、その処理室11内のサセプタ
12上に、図示しない静電チャックなどの固定手段によ
り載置固定される。
【0027】次いで、前記石英管12のドーム頂部の前
記第1のガス供給管路10及び前記処理室11の肩口に
設けられた前記第2のガス供給管路19から、ウエハW
にプラズマエッチングを施すための所定のプロセスガス
が、前記石英管12及び前記処理室11に導入される。
この時、処理室11内の圧は、例えば10−3Torr
に調節されている。例えば、前記第1のガス供給管路1
0からアルゴンなどの不活性ガスを導入し、第2のガス
供給管路19からClやCHFを供給することが可
能である。このように、2系列のガス供給管路からプラ
ズマ発生部A及びプラズマ処理部Bにプロセスガスを供
給可能なように構成することにより、エッチングに最適
なプロセスガスの混合比を、プラズマ発生部A及びプラ
ズマ処理部B、それぞれにおいて、別個にパラメータ設
定して、より制御性に優れたプラズマエッチング処理が
可能となる。
【0028】プラズマを発生させる際には、第1の高周
波電源6から適当な高周波電流をアンテナ手段3に送る
ことにより、処理室11内に交番電界を形成すると共
に、電源8により電磁コイル4を励起することにより、
垂直方向下方、すなわち石英管2の軸方向に磁力線を有
する静磁場が形成される。そして後述するECR条件が
満足されると、ECR領域に存在する電子はその磁界の
磁力線に巻き付くように螺旋運動をしてプラズマ電位に
到達し、弱磁界方向、すなわち垂直方向下方に加速され
る。この結果、被処理体であるウエハWの処理表面に対
して垂直方向に向かうプラズマ流を形成することが可能
となる。
【0029】ここで、電子サイクロトロン共鳴(EC
R)条件は、 B=2πm/e を満足させることで得られる。ただし、上式において、
Bは磁束密度、m は電子の質量、f は周波数、e
は電荷である。そのため、従来のマイクロ波ECRプラ
ズマ装置においては、工業的に利用可能な2.45GH
zのマイクロ波に対してECR条件を満たす磁場として
875Gaussが必要であったので、磁場を得るため
に大きな重いマグネットが必要となり、装置が大型化せ
ざるを得なかった。また、マイクロ波を伝播するための
特別な導波管も必要であった。
【0030】しかし、低い周波数を用いれば、それだけ
低い磁場でECR条件を達成することが可能なことは、
上式から明らかである。そこで本実施の形態に基づくプ
ラズマ装置1によれば、アンテナ手段3に、例えば10
0MHz以下の高周波電流を供給することにより、交番
電界を形成することが可能なので、例えば35Gaus
s程度の非常に小さい磁場を形成すれば、ECR条件を
満足させることが可能である。そのため、従来の装置に
比較して遥かに小さな電磁コイルを使用すれば十分なの
で、装置の簡易化、小型化を図ることができる。
【0031】図3に示すように、第1の磁場形成手段に
よる磁力線は、垂直方向下方に向かうにつれて処理室外
方に反れる発散磁界を形成している。そのため、被処理
体Wに向かうプラズマ流も発散する傾向を有している。
特に従来のマイクロ波ECRプラズマ装置では、875
Gaussという大きな磁界を使用せざるを得ないの
で、処理室11内に形成される発散磁界も大きなものと
なり、プラズマ流の発散傾向も大きくなり、ウエハWの
処理表面にプラズマ流を垂直に入射させることが困難で
あった。
【0032】しかしながら、前記プラズマ装置1によれ
ば、例えば35Gaussといった小さな磁場を用いる
ことが可能なので、処理室11内に生じる発散磁界も小
さくすることができ、前記処理室11内に導入されたプ
ラズマ流の発散傾向を最小限に抑えることが可能であ
る。特に、ECR領域と20〜30cm程度離れた地点
では発散磁界の影響はほとんど無視することができるの
で、ウエハWの処理表面にプラズマ流を垂直に案内する
ことが可能になるので、選択比の高い良好な異方性エッ
チングを達成することができる。
【0033】また、図1に示すプラズマ装置1の処理室
11の周囲には図4に示すような多極構成の磁場形成手
段17が配置されているので、プラズマ発生部Aから処
理室11内に導入されたプラズマ流を被処理体Wの処理
表面に対応するように整形保持することが可能である。
またかかる多極構成の磁場形成手段17によって上述の
プラズマ流の発散傾向を減少させ、処理表面に垂直入射
するプラズマ流とすることで、高い選択比及びエッチン
グの均一化を確保することが可能となる。
【0034】また、図1に示すプラズマ装置1ではサセ
プタ12にマッチングボックス13を介して第2の高周
波電源14からRFバイアスを印加することが可能なよ
うに構成されている。そのため、使用される処理ガスや
ガス圧力に応じて、RFバイアスを適宜印加することに
より、プラズマ流中のイオンの加速を図ると共に、イオ
ン流の均一化を図ることが可能である。
【0035】前記のようにして被処理体であるウエハW
の処理が完了すると、排気管路16を開放して、真空ポ
ンプなどの排気系15により前記処理室11内の残留処
理ガスや反応性生物を十分に排気した後に、前記処理室
11の側面に設けられた図示しないゲートバルブが開口
され、搬送アームによりサセプタ上の被処理体をロード
ロック室に搬出する。以上が、第1の実施の形態にかか
るプラズマ装置1を用いた場合の動作説明である。
【0036】次に、前記石英管2の頂部ドーム部分の第
1のガス供給管路10からのプロセスガスの導入経路に
関するさらに別の例について、図5及び図6を参照しな
がら説明する。図1の第1の実施の形態おいては、石英
管2の頂部ドーム部分に形成された第1のガス供給管路
10から処理ガスが、直接石英管2内に導入されるが、
処理ガスを処理室11内に均一かつ迅速に分散させるた
めに、図5又は図6に示す構成を採用することが可能で
ある。図5に示す他の実施の形態においては、複数の貫
通孔20が穿設された板部材21を介して処理ガスを導
入することにより、ガス分散の均一化及び加速を図って
いる。
【0037】また、図6に示す他の例においては、スポ
ンジ状の多孔性材料22が前記第1のガス供給管路10
付近に設置されており、処理ガスは前記多孔性材料22
中の微小孔23を介してプラズマ発生部Aに導入し、ガ
ス分散の均一化及び加速を図ることができるように構成
されている。
【0038】次に、図7及び図8を参照して、本実施の
形態を実施するためのプラズマ装置について説明する。
ただし、図1に示したプラズマ装置1と同じ機能及び構
造を有する構成部材については、同一の番号を付すこと
により、重複説明を省略している。このプラズマ装置に
おいては、図1に示す石英管2に代えて、石英板30が
処理室11の上面に配置されており、この石英板30の
外側表面上に、アンテナ手段31が設置されている。
【0039】このアンテナ手段31は、図8に示すよう
に、渦巻形状を有する渦巻アンテナであり、高周波電源
6からマッチングボックス5を介して高周波電流を印加
することにより効率よく交番電界を形成することが可能
である。なお、石英板30の外側表面に設置されるアン
テナ構造については、所望の領域に所望の交番電界を形
成できればよく、前記形状に限定されない。
【0040】例えば図9〜図15に示された各種形態の
アンテナを使用することができ、またかかる場合、図9
〜図15に示された高周波電源、キャパシタの接続構成
を採ることが可能である。しかもアンテナ、高周波電源
の接続等をそのように構成することにより、対応する箇
所で述べたように、プラズマ密度の均一化を図って、よ
り均一なプラズマ処理を施すことが可能になるものであ
る。なお図9において、51はリング状のアンテナ、5
1a、51bは端子、52はキャパシタ、53は高周波
電源である。また図10において、55はアンテナであ
って、中央部の空間領域の径は、アンテナの渦巻き数
(旋回数)、その端子55a、55bに接続される高周
波電源53の出力電力、被処理体であるウエハWの直
径、アンテナ55とウエハW間の距離等に応じて適宜選
択される。
【0041】また図11において、60は中央部に空間
領域を有するスパイラル状のアンテナであって、アンテ
ナ中心部を縦方向に貫通する磁束の本数が減少するた
め、その直径で誘起される交番電界の強度が小さくな
り、プラズマ生成領域が半径方向において外側に変位す
る。この場合も、中央部の空間領域の径は、アンテナの
渦巻き数(旋回数)、その端子60a、60bに接続さ
れる高周波電源53の出力電力、被処理体であるウエハ
の直径、アンテナ60とウエハ間の距離等に応じて適宜
選択される。
【0042】図12に示された例では、スパイラル状
(渦巻状)のアンテナ65において、アンテナ導体のピ
ッチを半径方向で変化させ、アンテナ外側部では密に、
アンテナ中心部では疎になっている。このような渦巻き
構造によれば、アンテナ直下で誘起される同心円状の交
番電界が、相対的に内周部(中心部)で小さくなるた
め、プラズマ生成領域も半径方向外側にシフトし、プラ
ズマ密度がより均一化される。
【0043】図13の例では、リング状のアンテナ81
及び82を同心状に、好ましくは同一平面上に設け、外
側のアンテナ81の端子81a及び81bとの間には、
マッチング回路としてのキャパシター83を介して第1
の高周波電源84が接続されている。他方、内側のリン
グ状のアンテナ82の端子82a及び82bとの間に
は、マッチング回路としてのキャパシター85を介して
第2の高周波電源86が接続された構成を有している。
【0044】前記第1および第2の高周波電源84、8
6は、夫々独立した第1および第2の高周波電力を同一
周波数(たとえば13.56MHz)、かつ同位相でそ
れぞれ外側および内側のリング状アンテナ81、82に
供給する。
【0045】これにより、外側のリング状のアンテナ8
1には、相対的に大きな高周波電流iARFが流れるとと
もに、内側のリング状のアンテナ82には相対的に小さ
な高周波電流iBRFが流れる。この場合、アンテナ直下
のチャンバ内空間におけるプラズマ生成領域が、単一の
アンテナに同一の高周波電流が流れた場合のプラズマ生
成領域よりも外側にシフトするので、プラズマ密度の均
一化を図ることができる。
【0046】なおこの場合、図13に示すように、外側
のリング状のアンテナ81と内側のリング状のアンテナ
82との間に対応する位置に、被処理体としてのウエハ
Wが位置するように、各アンテナを配置することが、プ
ラズマ密度を一層均一化するうえで好ましい。また、リ
ング状のアンテナは図13のように2つに限らず、3つ
以上であってもよい。
【0047】さらに誘導部材としてのアンテナをこのよ
うに構成することにより、内側のアンテナと外側のアン
テナとで高周波電力を独立に設定できるため、プラズマ
生成領域をより精細かつ広範囲に制御することができ
る。なお、高周波電源と両アンテナ81、82との間に
電力分配回路を設けることで、第1および第2の高周波
電源84、86を一つの高周波電源で共用化することも
可能である。
【0048】図14の例では、同心状に2つのスパイラ
ル状のアンテナ91及び92を配置した例を示す。すな
わち、スパイラル状のアンテナ91の内側にスパイラル
状のアンテナ92を設け、夫々キャパシター93、94
を介して、対応する高周波電源95、96を接続したも
のである。この場合にも、図13に示した例と同様の効
果が得られる。なお各スパイラル状のアンテナ91、9
2の巻数は、各高周波電源の出力、被処理体であるウエ
ハの直径、アンテナとウエハとの距離等に応じて任意に
選択することができる。
【0049】図15では、スパイラル状のアンテナ10
1とリング状のアンテナ102とを同心状に配置した例
であるが、この場合にも同様の効果を得ることができ
る。なお、図15のようにリング状のアンテナ102が
内側であってもよいし、リング状アンテナ102が外側
であってもよい。なお各アンテナ101、102には夫
々キャパシター93、94を介して、対応する高周波電
源95、96が接続される。
【0050】また、前記した装置においても、図1に示
した装置例と同様に、前記アンテナ手段31の上方には
電磁コイル4が設置されており、垂直方向下方に向かっ
て徐々に発散する磁力線を有する静磁場を形成すること
が可能に構成されている。このように、本装置例におい
ても、前記アンテナ手段31と前記電磁コイル4の出力
を適当に調整することにより、所望の領域、例えば、被
処理体の処理表面の上方、20〜30cm領域にECR
領域を形成することが可能である。
【0051】さらに、図7以下の装置例によれば、図1
に示したプラズマ装置1における石英管2のような、嵩
高の構成部材を使用する必要がないので、プラズマ装置
のより小型化を図ることが可能である。そして図7以下
の装置例を用いて例えばエッチング処理を実施する場合
にも,図示しないカセット室から搬送アームにより図示
しないロードロック室に搬送された被処理体であるウエ
ハWが、前記ロードロック室から図示しないゲートバル
ブを介して、処理室11内に搬送される。そして予め減
圧雰囲気に設定された処理室11内に搬送され、その処
理室11内のサセプタ12上に、図示しない静電チャッ
クなどの固定手段により載置固定される。 次いで、ウエ
ハWにプラズマエッチングを施すための所定のプロセス
ガスが、前記処理室11に導入される。そしてプラズマ
を発生させる際には、第1の高周波電源6から適当な高
周波電流をアンテナ手段31に送ることにより、処理室
11内に交番電界を形成すると共に、電源8により電磁
コイル4を励起することにより、垂直方向下方静磁場が
形成される。そして前述のECR条件が満足されると、
ECR領域に存在する電子はその磁界の磁力線に巻き付
くように螺旋運動をしてプラズマ電位に到達し、弱磁界
方向、すなわち垂直方向下方に加速される。この結果、
被処理体であるウエハWの処理表面に対して垂直方向に
向かうプラズマ流を形成することが可能となる。したが
って,ウエハWの処理表面にプラズマ流を垂直に案内す
ることが可能になるので、選択比の高い良好な異方性エ
ッチングを達成することができる。
【0052】以上、本発明に基づくプラズマ処理方法
ついて実施の形態に基づいて説明したが、本発明に基づ
くプラズマ処理方法は前記した例に限定されず、アッシ
ング装置、スパッタ装置、イオン注入装置、プラズマC
VD装置などにおいても適用することが可能である。
【0053】また被処理体ついても、例えばLCD基板
の処理を実施する各種のプラズマ装置においても適用可
能である。かかる場合の誘導手段の誘導部材、アンテナ
手段の形態については、当該基板の平面形態に合わせて
構成すればよい。例えばLCD基板が長方形の場合に
は、ループ状の誘導部材やアンテナ手段も、線状、管状
の導電性材料でいわば長方形のループ状に形成すればよ
い。また渦巻状の形態についても、順次内側に直角に折
曲していくいわば長方形の渦巻状に形成すればよい。こ
のように構成することにより、長方形の被処理体に対し
ても既述の各実施の形態と同様の作用効果が得られ、こ
れを均一にプラズマ処理することが可能である。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、均一なプラズマを発生
させることができるから、均一なプラズマ処理が実施で
きる。特に請求項4の場合には、極めて精細でかつ広範
囲にプラズマ密度の制御が行える。そして請求項5の場
合には、プラズマ中のイオンをより加速させることが可
能であるから、例えばエッチング処理においては、エッ
チングレートを向上させることができる。また請求項
7、8の場合には、LCD基板など被処理体が長方形の
場合に、均一なプラズマ処理が可能である。請求項9の
場合には、前記アンテナ手段とこの電磁コイルの出力を
適当に調整することで、所望の領域にECR領域を形成
することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】基本的なプラズマ装置の概略的な縦断面図であ
る。
【図2】図1に示すプラズマ装置のプラズマ発生部分の
概略的な見取図である。
【図3】図1に示すプラズマ装置のプラズマ発生部分を
水平方向に切断した概略的な断面図である。
【図4】図1に示すプラズマ装置のプラズマ処理部分を
水平方向に切断した概略的な断面図である。
【図5】図1のプラズマ装置で用いることができるプラ
ズマ発生部分へのガス導入経路の他の例を示す概略的な
断面図である。
【図6】図1のプラズマ装置で用いることができるプラ
ズマ発生部分へのガス導入経路の他の例を示す概略的な
断面図である。
【図7】本実施の形態を実施するためのプラズマ装置の
概略的な縦断面図である。
【図8】図7に示すプラズマ装置の概略的な平面図であ
る。
【図9】図7のプラズマ装置で用いることができるアン
テナの他の例であるループ状のアンテナを示す平面説明
図である。
【図10】図7のプラズマ装置で用いることができるア
ンテナの他の例である渦巻状のアンテナを示す平面説明
図である。
【図11】図7のプラズマ装置で用いることができるア
ンテナの他の例を示す平面説明図である。
【図12】図7のプラズマ装置で用いることができるア
ンテナの他の例を示す平面説明図である。
【図13】図7のプラズマ装置で用いることができるア
ンテナの他の例を示す平面説明図である。
【図14】図7のプラズマ装置で用いることができるア
ンテナの他の例を示す平面説明図である。
【図15】図7のプラズマ装置で用いることができるア
ンテナの他の例を示す平面説明図である。
【符号の説明】
1 プラズマ装置 2 円筒石英管 3 アンテナ手段 3a 上部リング部材 3b 下部リング部材 4 電磁コイル 5、13 マッチングボックス 6 第1の高周波電源 7 コントローラ 9 第1のガス源 11 処理室 12 サセプタ 14 第2の高周波電源 18 第2のガス源 30 石英板 31 アンテナ手段 A プラズマ発生部 B プラズマ処理部 W ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−68773(JP,A) 特開 平3−79025(JP,A) 特開 平5−275383(JP,A) 特開 平3−119680(JP,A) 特開 平6−69160(JP,A) 特開 平8−227878(JP,A) 特開 昭64−32634(JP,A) 特開 昭59−154803(JP,A) 特開 昭59−221105(JP,A) 特開 昭58−189981(JP,A) 米国特許5401350(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23F 4/00 H05H 1/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理室の上面に位置する絶縁体の外側に
    アンテナ手段に高周波を印加して,前記処理室内にプラ
    ズマを生成させて,前記処理室内のサセプタ上の被処理
    体に処理を施す方法において, 前記アンテナ手段として前記処理室の外側の中央から外
    周方向に向かって曲がって延びる形状の複数のアンテナ
    部分を備える渦巻きアンテナを用いると共に, 前記処理室内に被処理体を搬送して,前記サセプタ上に
    被処理体を載置する工程と, 前記処理室内に所定のプロセスガスを導入する工程と, 高周波電源からマッチングボックスを介して前記渦巻き
    アンテナに高周波を印加する工程と を有することを特徴とする,プラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 前記サセプタに対して他の高周波電源か
    ら高周波バイアスを印加する工程を有することを特徴と
    する,請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】 高周波電源からマッチングボックスを介
    して前記渦巻きアンテナに高周波を印加する際には,前
    記アンテナ手段の中央部に印加することを特徴とする,
    請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 前記アンテナ手段として,アンテナ導体
    のピッチが半径方向で変化しているものを使用すること
    を特徴とする,請求項1,2又は3に記載のプラズマ処
    理方法。
  5. 【請求項5】 前記被処理体は長方形であって,前記ア
    ンテナ手段として,順次中央部から直角に折曲していく
    長方形の渦巻状に形成されたものを使用することを特徴
    とする,請求項4に記載のプラズマ処理方法。
JP2000302140A 1993-01-12 2000-10-02 プラズマ処理方法 Expired - Lifetime JP3294839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000302140A JP3294839B2 (ja) 1993-01-12 2000-10-02 プラズマ処理方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-19193 1993-01-12
JP1919393 1993-01-12
JP5-19217 1993-01-12
JP1921793 1993-01-12
JP2000302140A JP3294839B2 (ja) 1993-01-12 2000-10-02 プラズマ処理方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05159099A Division JP3205542B2 (ja) 1993-01-12 1999-02-26 プラズマ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001160553A JP2001160553A (ja) 2001-06-12
JP3294839B2 true JP3294839B2 (ja) 2002-06-24

Family

ID=27282532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000302140A Expired - Lifetime JP3294839B2 (ja) 1993-01-12 2000-10-02 プラズマ処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3294839B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106470522A (zh) * 2016-09-07 2017-03-01 电子科技大学 一种放电条纹自适应的等离子体射频电源装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100422488B1 (ko) * 2001-07-09 2004-03-12 에이엔 에스 주식회사 플라즈마 처리 장치
KR100464808B1 (ko) * 2001-08-28 2005-01-05 최대규 다중 유도 결합 플라즈마 인덕터
KR100647779B1 (ko) 2004-05-14 2006-11-23 에이피티씨 주식회사 플라즈마 챔버에서의 균일한 플라즈마 형성을 위한플라즈마 소스
TW200845197A (en) * 2007-03-28 2008-11-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd Plasma etching apparatus
JP6097317B2 (ja) * 2015-01-30 2017-03-15 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理方法
JP6062461B2 (ja) * 2015-01-30 2017-01-18 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106470522A (zh) * 2016-09-07 2017-03-01 电子科技大学 一种放电条纹自适应的等离子体射频电源装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001160553A (ja) 2001-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100238627B1 (ko) 플라즈마 처리장치
JP3114873B2 (ja) プラズマ処理装置、及び、蒸着或いはエッチングの方法
US4877509A (en) Semiconductor wafer treating apparatus utilizing a plasma
EP0379828B1 (en) Radio frequency induction/multipole plasma processing tool
US5767628A (en) Helicon plasma processing tool utilizing a ferromagnetic induction coil with an internal cooling channel
JP3233575B2 (ja) プラズマ処理装置
JPH0680641B2 (ja) 高周波誘導プラズマ処理システムおよび方法
US20040168771A1 (en) Plasma reactor coil magnet
JPH07221078A (ja) プラズマ装置およびこれを用いたプラズマ処理方法
JP3254069B2 (ja) プラズマ装置
JP3294839B2 (ja) プラズマ処理方法
US6136140A (en) Plasma processing apparatus
JPS61213377A (ja) プラズマデポジシヨン法及びその装置
US5470426A (en) Plasma processing apparatus
JP3205542B2 (ja) プラズマ装置
JPH06120169A (ja) プラズマ生成装置
JP3047801B2 (ja) プラズマ処理方法及び装置
JPH08203881A (ja) 表面処理装置
JPH0963792A (ja) 磁気中性線放電プラズマ源
JP3047802B2 (ja) プラズマ処理装置
USRE40963E1 (en) Method for plasma processing by shaping an induced electric field
KR200240816Y1 (ko) 플라즈마 처리 장치
JPH06314665A (ja) プラズマ処理方法
JPH04361529A (ja) マイクロ波プラズマ装置
JP2913121B2 (ja) Ecrプラズマ発生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020319

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110405

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term