JP4204799B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ処理装置に関し、特に、チャンバ内にマイクロ波を導入することにより形成されるプラズマ生成領域によって、基板に所定の処理を施すためのプラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体装置の高密度化および微細化に伴って、半導体装置の製造工程において、成膜、エッチング、アッシング等の処理を施すためにプラズマ処理装置が使用されている。特に、マイクロ波を用いてプラズマを発生させるマイクロ波プラズマ処理装置では、約0.1〜10Paの比較的圧力が低い(高真空)条件のもとでも安定してプラズマを発生させることができる。そのため、たとえば周波数2.45GHzのマイクロ波を用いたマイクロ波プラズマ処理装置が注目されている。
【0003】
そのような従来のプラズマ処理装置の一例について説明する。図6に示すように、プラズマ処理装置は、基板115を収容して所定の処理を施すためのチャンバ101と、マイクロ波を発生するため高周波電源109と、マイクロ波をプラズマ処理装置まで導くための導波管119と、マイクロ波をチャンバ101内に放射するためのアンテナ部107とを備えている。
【0004】
アンテナ部107は、導波管119の下端に接続される金属製のラジアル導波路107aと、ラジアル導波路107の下端の開口を覆う円板状のスロットアンテナ107bを備えている。スロットアンテナ107bの上の導波管119と対向する位置には、インピーダンスの調整を行うためのバンプ108が設けられている。また、導波路107a内には大気が存在する。
【0005】
スロットアンテナ107bは、たとえば厚さ0.1mmから数mm程度の銅板等から形成されている。そのスロットアンテナ107bには、マイクロ波をチャンバ101内に向けて放射するための複数のスロット(開口部)が設けられている。
【0006】
チャンバ101の上部には、チャンバ101の隔壁の一部を構成する天板105が配設されている。天板115は、たとえば石英等の誘電体から形成されている。天板105とチャンバ101の隔壁との間には、たとえばOリングなどのシール部材113が設けられている。アンテナ部107はこの天板105の上方に間隔を隔てて配置され、アンテナ部107と天板105との間には空気の層120が形成されている。
【0007】
チャンバ101内には基板115を保持するためのサセプタ103が設けられている。そのサセプタ103には、バイアス用高周波電源111が接続されている。さらに、チャンバ101には、チャンバ101内を排気するための真空ポンプ(図示せず)が取り付けられている。
【0008】
上述したプラズマ装置では、真空ポンプによりチャンバ101内が排気されて、所定の圧力範囲のもとでプラズマを生成するためのガスとして、たとえばアルゴンガスがチャンバ101内に導入される。
【0009】
高周波電源109により発生したTE11モードのマイクロ波は、円偏波変換器(図示せず)により導波管119の軸線の回りに回転させられて導波管119を伝わり、アンテナ部107のラジアル導波路107aに到達する。
【0010】
ラジアル導波路107aに到達したマイクロ波は、ラジアル導波路107aの周縁方向へ伝播する。周縁方向へ伝播するマイクロ波は、スロットアンテナ107bを介してチャンバー101内に電磁界を発生させる。
【0011】
チャンバ101内に発生した電磁界によってアルゴンガスが解離し、基板115と天板105との間にプラズマ生成領域が形成されて、所定のプラズマ処理が行なわれる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のプラズマ処理装置では次のような問題点があった。まず、ラジアル導波路107aに到達してラジアル導波路107aの周縁方向へ伝播するマイクロ波がラジアル導波路107aの内周面によって反射されて、ラジアル導波路107a内には第1の定在波が形成される。
【0013】
また、スロットアンテナ107bから放射されるマイクロ波と、そのマイクロ波がチャンバ101内に生成したプラズマ生成領域によって反射されて戻ってくるマイクロ波との相互結合によって、天板105と空気の層120が位置する領域に第2の定在波が形成される。
【0014】
チャンバ101内のプラズマ生成領域は、上述した第1の定在波と第2の定在波との相互結合によって維持されることになる。このとき、第1の定在波と第2の定在波との相互結合が比較的弱い場合には、プラズマ生成領域の維持に第2の定在波の寄与が支配的になる傾向にある。
【0015】
一方、この第2の定在波は、チャンバ101内の圧力、チャンバ内に導入されるガスの種類、あるいは供給する電力量等のプロセス条件によって変動しやすいという傾向がある。
【0016】
ところで、図6に示すように、第1の定在波はラジアル導波路107aの内径PAと給電されるマイクロ波のモードに依存して形成され、第2の定在波は、天板105と空気の層120が位置する領域の内径PBとプラズマの状況に依存して形成される。
【0017】
さらに、第2の定在波の形成にはプラズマ生成領域によって反射されて戻ってくるマイクロ波も関与するため、プラズマ生成領域の大きさにも依存することになる。プラズマ生成領域の大きさはチャンバ101の内径PCに制約される。したがって、第2の定在波はチャンバ101の内径PCにも依存して形成されることになる。
【0018】
しかしながら、従来のプラズマ処理装置では、ラジアル導波路107aの内径PA、天板105と空気の層120が位置する領域の内径PBおよびチャンバ101の内径PCは任意に設定されているため、各PA、PB、PCの寸法によっては、プラズマ生成領域の維持に第2の定在波の寄与が支配的になることがある。
【0019】
上記のように、第2の定在波は、チャンバ101内の圧力等のプロセス条件によって変動しやすい。このため、プラズマ生成領域の維持にこのような不安定な第2の定在波の寄与が支配的になると、プラズマ生成領域を形成するための電磁界を制御することが困難になる。
【0020】
電磁界の制御が困難になると、チャンバ101内にてプラズマ密度にばらつきが生じることになる。その結果、基板面内におけるプラズマ処理の程度にばらつきが生じ、たとえばエッチングレートや成膜レートにばらつきが生じるという問題が発生する。
【0021】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、プラズマ生成領域を形成するための電磁界を制御して、プラズマ密度の均一なプラズマ生成領域が形成されるプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプラズマ処理装置は、基板をプラズマ生成領域に晒して所定の処理を施すためのプラズマ処理装置であって、チャンバーと天板部とアンテナ部とを備えている。チャンバには基板が収容される。天板部は、チャンバ内に導入される基板の上方に配置され、チャンバの隔壁の一部をなす。アンテナ部は、天板部との間に空間を形成して設けられ、チャンバ内に高周波電磁界を供給することにより、チャンバー内における天板部と基板部との間の領域にプラズマ生成領域を形成する。そのアンテナ部は所定の内径を有するラジアル導波路を含んでいる。ラジアル導波路内には高周波の第1の定在波が形成されるとともに、天板部と空間には第2の定在波が形成される。チャンバは、天板部およびアンテナ部が位置する部分では所定の内径を有している。そのラジアル導波路の内径をA、天板部およびアンテナ部が位置する部分の内径をB、天板部の誘電率と空間の誘電率との合成誘電率に基づく高周波電磁界の波長をλgとすると、次の式、(B−A)/2=(λg/2)・N(Nは、0または自然数)を満たすように設定されている。なお、この関係式において、λg/10程度の寸法誤差はこの関係を満たすものと解される。
【0023】
この構造によれば、各内径が実質的に上記関係を満たすように設定されていることで、ラジアル導波路内に形成される第1の定在波と、天板部およびアンテナ部が位置する部分に形成される第2の定在波の位相が揃って、第1の定在波と第2の定在波との相互結合が、従来のプラズマ処理装置の場合よりも強くなる。これにより、プラズマ生成領域の形成維持に第1の定在波の寄与が支配的となる。その結果、プラズマ生成領域の形成維持をアンテナ部によって制御することができ、プラズマ密度のばらつきが低減される。
【0024】
また、チャンバは、プラズマが形成される領域に臨む部分では所定の内径を有し、そのプラズマが形成される領域に臨む部分の内径をCとすると、次の式、C≦Aを満たすように設定されていることが好ましい。なお、この関係式においても、λg/10程度の寸法誤差はこの関係を満たすものと解される。
【0025】
これは、内径Cが内径Aよりも大きい場合には、チャンバ内に形成されるプラズマ生成領域がより大きくなってしまい、このプラズマ生成領域によって天板部の誘電率と空間の誘電率との合成誘電率の値がプラズマの状況とともに変化して上記関係を満たすことができなくなり、第1の定在波と第2の定在波との相互結合を強くすることができないと考えられるからである。
【0026】
第2の定在波が形成される領域に位置する天板部は、具体的には石英板等の誘電体を含むことが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るプラズマ処理装置について説明する。図1に示すように、プラズマ処理装置は、基板15を収容して所定の処理を施すためのチャンバ1と、マイクロ波を発生するため高周波電源9と、マイクロ波をプラズマ処理装置まで導くための導波管19と、マイクロ波をチャンバ1内に放射するためのアンテナ部7とを備えている。
【0028】
アンテナ部7は、導波管19の下端に接続される金属製のラジアル導波路7aと、ラジアル導波路7aの下端の開口を覆う円板状のスロットアンテナ7bを備えている。スロットアンテナ7bの上の導波管19と対向する位置には、インピーダンスの調整を行うためのバンプ8が設けられている。また、導波路7a内には大気が存在する。
【0029】
スロットアンテナ7bは、たとえば厚さ0.1mmから数mm程度の銅板等から形成されている。そのスロットアンテナ7bには、マイクロ波をチャンバ1内に向けて放射するための複数のスロット(開口部)が設けられている。
【0030】
チャンバ1の上部には、チャンバ1の隔壁の一部を構成する天板5が配設されている。天板5は、たとえば石英等から形成されている。天板5とチャンバ1の隔壁との間には、たとえばOリングなどのシール部材13が設けられている。アンテナ部7はこの天板5の上方に間隔を隔てて配置され、アンテナ部7と天板5との間には空気の層20が形成されている。
【0031】
チャンバ1内には基板15を保持するためのサセプタ3が設けられている。そのサセプタ3には、バイアス用の高周波電源11が接続されている。さらに、チャンバ1には、チャンバ1内を排気するための真空ポンプ(図示せず)が取り付けられている。
【0032】
本プラズマ処理装置では、天板5およびアンテナ部7が位置する領域の内径Bとラジアル導波路7aの内径Aとの差の半分の長さが、天板5およびアンテナ部7が位置する領域における大気(空気の層20)の誘電率と天板5の誘電率との合成誘電率に基づくマイクロ波の波長λgの半分の長さの0を含む自然数倍となっている。すなわち、およそ次の式で表される寸法関係になっている。
【0033】
(B−A)/2=(λg/2)・N (N:0または自然数)
さらに、チャンバ1の内径Cはラジアル導波路7aの内径Aより短く設定されているか、後述するように内径Cは内径Aと同じである。なお、Nが0の場合は、内径Aと内径Bとが実質的に等しい場合である。また、上記寸法関係の式において、λg/10程度の寸法誤差は、この関係を満たすものと解される。
【0034】
次に、上述したプラズマ処理装置の動作について説明する。まず、真空ポンプによりチャンバ1内が排気されて、所定の圧力範囲のもとでプラズマを生成するためのガスとして、たとえばアルゴンガスがチャンバ1内に導入される。
【0035】
高周波電源9によりマイクロ波として、円偏波のTE11モードのマイクロ波が発生する。図2に示すように、TE11モードのマイクロ波は、導波管19に設けられた円偏波変換器(図示せず)によって、導波管19の軸線の回りに矢印Yに示す方向に回転させられるマイクロ波21として導波管19を伝わって、ラジアル導波路7aに到達する。
【0036】
ラジアル導波路7aに到達したマイクロ波は、ラジアル導波路7aの周縁方向へ伝播する。周縁方向へ伝播するマイクロ波は、スロットアンテナ7bを介してチャンバ1内に電磁界を発生させる。
【0037】
チャンバ1内に発生した電磁界によってアルゴンガスがイオン化し、基板15と天板5との間にプラズマ生成領域が形成されてプロセスガスが解離され、基板15に対して所定のプラズマ処理が行なわれる。
【0038】
このとき、図3に示すように、ラジアル導波路7aの周縁方向へ伝播するマイクロ波がラジアル導波路7aの内周面によって反射されて、ラジアル導波路7a内には第1の定在波S1が形成される。
【0039】
また、スロットアンテナ7bから放射されるマイクロ波と、そのマイクロ波がチャンバ1内に生成したプラズマ生成領域17によって反射されて戻ってくるマイクロ波との相互結合によって、天板5およびアンテナ部7が位置する領域に第2の定在波S2が形成される。
【0040】
このプラズマ処理装置では、上述した内径A、内径Bおよびマイクロ波の波長が上記関係式を満足することで、天板5およびアンテナ部7が位置する領域における内径Bと内径Aとの差の半分の長さに対応する部分Lでは、第2の定在波S2において、実質的に波長λg/2の自然数N倍または0倍の定在波が形成されることになる。なお、図3では、簡単のためにNを1として、波長λg/2の定在波が形成されている。
【0041】
しかも、チャンバ1の内径Cがラジアル導波路7aの内径Aと実質的に同じかそれよりも短いことで、チャンバ1内に形成維持されるプラズマ生成領域17によって、天板5と空気の層20が位置する領域における大気の誘電率と天板5の誘電率との合成誘電率の値が影響を受けることはほとんどないものと考えられる。
【0042】
このことによって、図3に示すように、天板5と空気の層20が位置する領域において中心から長さA/2の位置P1では、第2の定在波S2の節が位置することになるとともに、中心から長さB/2の位置P2においても節が位置することになる。
【0043】
一方、ラジアル導波路7a内の中心から長さA/2の位置P3においては、第1の定在波S1の節が位置することになる。
【0044】
これにより、定在波S1と定在波S2の位相のずれがなくなって両定在波S1、S2の位相が揃うことになる。その結果、定在波S1と定在波S2の相互結合が、従来のプラズマ処理装置の場合に比べてより強くなる。定在波S1と定在波S2の相互結合が強くなることで、チャンバ1内にプラズマ生成領域17を形成維持するのに定在波S1の寄与が支配的になる。
【0045】
ところで、TE11モードのマイクロ波は、導波管19の軸線の回りに回転させられるマイクロ波21として導波管19を伝わって、ラジアル導波路7aに到達するため、図4に示すように、定在波S1はラジアル導波路7a内において、矢印Yに示す方向に回転している。これによって、ラジアル導波路7a内では、定在波S1の節と腹とが略同心円状に位置することになる。
【0046】
したがって、プラズマ生成領域17を形成維持するのを支配する定在波S1において節と腹とが略同心円状に位置することによって、チャンバ1内には略同心円状のプラズマ密度分布を有するプラズマ生成領域17が形成維持されることになる。
【0047】
すなわち、プラズマ生成領域17を形成維持するのにアンテナ部7のラジアル導波路7a内に形成される定在波S1の寄与が支配的になることで、プラズマ生成領域17を形成維持するための電磁界をアンテナ部7によって制御することができることになる。
【0048】
これにより、従来のプラズマ処理装置の場合のように、不安定な定在波S2によって支配されるプラズマ生成領域に比べて、プラズマ生成領域17におけるプラズマ密度分布のばらつきが低減される。
【0049】
その結果、基板15面内におけるプラズマ処理の程度のばらつきが低減されて、エッチングレートや成長レート等の基板15面内の均一性をより向上することができる。
【0050】
なお、上述したプラズマ処理装置では、チャンバ1の内径Cがラジアル導波路7aの内径Aよりも短い場合を例に挙げて説明したが、図5に示すように、内径Cが内径Aと実質的に同じ長さを有するプラズマ処理装置であってもよい。
【0051】
このようなプラズマ処理装置の場合においても、チャンバ1内に形成維持されるプラズマ生成領域17によって、天板5およびアンテナ部7が位置する領域における合成誘電率の値の変化はほとんどないものと考えられるため、定在波S1(アンテナ部7)によってプラズマ生成領域17を制御することができる。
【0052】
なお、チャンバ1の内径Cがラジアル導波路7aの内径Aよりも長くなる場合には、チャンバ1内に形成維持されるプラズマ生成領域17がより大きくなる(たとえば、図6を参照)。
【0053】
この場合には、プラズマ生成領域のプラズマの状態によって、天板5とアンテナ部7が位置する領域における合成誘電率の値が変化すると考えられる。合成誘電率の値が変化することで、波長λgの値が変わり上記関係式が満たされなくなり、定在波S1と定在波S2の相互結合を強くすることができなくなる。その結果、定在波S1(アンテナ部)によってプラズマ生成領域17の形成維持を制御することが困難になる。
【0054】
したがって、本プラズマ処理装置では、上記関係式を満足するとともに、チャンバ1の内径Cはラジアル導波路7aの内径Aと実質的に同じ長さかそれよりも短く設定されていることで、プラズマ生成領域17をアンテナ部7によって制御することができ、プラズマ密度のばらつきが低減されて基板15面内におけるプラズマ処理の均一性をより向上することができる。
【0055】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は上記の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0056】
【発明の効果】
本発明に係るプラズマ処理装置によれば、各内径が(B−A)/2=(λg/2)・N(Nは、0または自然数)という関係を満たすように設定されていることで、ラジアル導波路内に形成される第1の定在波と、天板部およびアンテナ部が位置する部分に形成される第2の定在波の位相が揃って、第1の定在波と第2の定在波との相互結合が、従来のプラズマ処理装置の場合よりも強くなる。これにより、プラズマ生成領域の形成維持に第1の定在波の寄与が支配的となる。その結果、プラズマ生成領域の形成維持をアンテナ部によって制御することができ、プラズマ密度のばらつきが低減される。なお、この関係式において、λg/10程度の寸法誤差はこの関係を満たすものと解される。
【0057】
また、チャンバは、プラズマが形成される領域に臨む部分では所定の内径を有し、そのプラズマが形成される領域に臨む部分の内径をCとすると、次の式、C≦Aを満たすように設定されていることが好ましく、これは、内径Cが内径Aよりも大きい場合には、チャンバ内に形成されるプラズマ生成領域がより大きくなってしまい、このプラズマ生成領域によって天板部の誘電率と空間の誘電率との合成誘電率の値がプラズマの状況とともに変化して上記関係を満たすことができなくなり、第1の定在波と第2の定在波との相互結合を強くすることができないと考えられるからである。なお、この関係式においても、λg/10程度の寸法誤差はこの関係を満たすものと解される。
【0058】
第2の定在波が形成される領域に位置する天板部は、具体的には石英板等の誘電体を含むことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るプラズマ処理装置の断面図である。
【図2】 同実施の形態において、プラズマ処理装置の動作を説明するためのマイクロ波の回転を示す図である。
【図3】 同実施の形態において、プラズマ処理装置の動作を説明するための定在波の様子を示す断面図である。
【図4】 同実施の形態において、プラズマ処理装置の動作を説明するためのラジアル導波路内において回転する定在波を示す図である。
【図5】 同実施の形態において、変形例に係るプラズマ処理装置の断面図である。
【図6】 従来のプラズマ処理装置の断面図である。
【符号の説明】
1 チャンバ、3 サセプタ、5 天板、7 アンテナ部、7a ラジアル導波路、7b スロットアンテナ、8 バンプ、9,11 高周波電源、13 Oリング、15 基板、17 プラズマ生成領域、19 導波管、21 マイクロ波、S1,S2 定在波。
Claims (3)
- 基板をプラズマ生成領域に晒して所定の処理を施すためのプラズマ処理装置であって、
基板を収容するためのチャンバと、
前記チャンバ内に導入される基板の上方に配置され、前記チャンバの隔壁の一部をなす天板部と、
前記天板部との間に空間を形成して設けられ、前記チャンバ内に高周波電磁界を供給することにより、前記チャンバ内における前記天板部と前記基板部との間の領域にプラズマ生成領域を形成するためのアンテナ部と
を備え、
前記アンテナ部は所定の内径を有するラジアル導波路を含み、
前記ラジアル導波路内には高周波の第1の定在波が形成されるとともに、前記天板部と前記空間には第2の定在波が形成され、
前記チャンバは、前記天板部および前記アンテナ部が位置する部分では所定の内径を有し、
前記ラジアル導波路の内径をA、前記天板部および前記アンテナ部が位置する部分の内径をB、前記天板部の誘電率と前記空間の誘電率との合成誘電率に基づく高周波電磁界の波長をλgとすると、次の式、
(B−A)/2=(λg/2)・N(Nは、0または自然数)
を満たすように設定された、プラズマ処理装置。 - 前記チャンバーは、前記プラズマが形成される領域に臨む部分では所定の内径を有し、
前記プラズマが形成される領域に臨む部分の内径をCとすると、次の式、
C≦A
を満たすように設定された、請求項1記載のプラズマ処理装置。 - 前記天板部は誘電体を含む、請求項1または2に記載のプラズマ処理装置。
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