JP3872650B2 - プラズマ処理装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波の電磁界によりプラズマを生成して所定の処理を行うプラズマ処理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置やフラットパネルディスプレイの製造において、酸化膜の形成や半導体層の結晶成長、エッチング、またアッシングなどの処理を行うために、プラズマ処理装置が多用されている。これらのプラズマ処理装置の中に、アンテナから処理容器内へ高周波の電磁界を導入して高密度プラズマを発生させる高周波プラズマ処理装置がある。この高周波プラズマ処理装置は、プラズマガスの圧力が比較的低くても安定してプラズマを生成することができるので、用途が広いという特色がある。
【0003】
図20は、従来の高周波プラズマ処理装置を用いたエッチング装置の構成を示す図である。この図20では、一部構成について断面構造が示されている。
円筒形状の処理容器111の上部開口に、誘電体板113が水平配置されている。これらの接合部にシール部材112を介在させることにより、処理容器111内部の気密性を確保している。処理容器111の底部には真空排気用の排気口114が設けられ、また処理容器111の側壁にはガス供給用のノズル116が設けられている。処理容器111内には、エッチング対象の基板121を置くための載置台122が収容されている。この載置台122はバイアス用の高周波電源126に接続されている。
【0004】
また、誘電体板113上部にはラジアルアンテナ130が配設されている。誘電体板113及びラジアルアンテナ130の周囲はシールド材117によって覆われている。
ラジアルアンテナ130は、ラジアル導波路136を形成する互いに平行な2枚の導体板131,132と、これらの導体板131,132の外周部を接続するリング部材133とから構成される。放射面を構成する導体板131には、スロット134が多数形成されている。ラジアル導波路136内を伝搬する電磁界の波長(以下、管内波長という)がλg であるとき、径方向における隣接スロット間のピッチp2は管内波長と同じλg に設定される。また、導体板132の中央部には、ラジアル導波路136内に電磁界を導入する導入口135が形成されている。この導入口135には導波路141を介して高周波発生器145が接続されている。
【0005】
次に、このエッチング装置の動作を説明する。
まず、処理容器111内を所定の真空度にした後、ノズル116から例えばCF4 とArとの混合ガスを流量制御して供給する。この状態で、高周波発生器145から導波路141を介して、高周波の電磁界をラジアルアンテナ130に供給する。
ラジアルアンテナ130に供給された電磁界はラジアル導波路136の内部を伝搬しつつ、導体板131に形成された多数のスロット134から放射される。径方向における隣接スロット間のピッチp2がλg に設定されているので、この電磁界は導体板131(放射面)に対してほぼ垂直方向に放射される。そして、誘電体板113を透過して、処理容器111内に導入される。
【0006】
処理容器111内に導入された電磁界の電界は、処理容器111内のガスを電離させて、処理対象の基板121の上部空間S1にプラズマを生成する。このとき、処理容器111内に導入された電磁界のすべてが直接プラズマ生成によって吸収されるわけではない。吸収されずに残った電磁界は、処理容器111内で反射を繰り返して、ラジアルアンテナ130とプラズマ生成空間S1との間の空間S2に定在波を形成する。この定在波の電界もプラズマ生成に関与することが分かっている。
このようにして生成されたプラズマのイオンは、載置台122の負電位によって引き出されて、エッチング処理に利用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図20に示した従来のエッチング装置では、空間S2に形成された定在波がプラズマ生成に与える影響が大きい。この定在波の電界分布を制御することは困難であるので、従来のエッチング装置ではプラズマを均一に生成することができなかった。例えば、このエッチング装置で処理容器111内に生成されたプラズマを観察したところ、後掲する図10(a)に示されるように、プラズマ発生領域160の中央付近に、プラズマが高密度に発生する部分161A,161Bが確認された。
このため、従来では、処理対象の基板121で、プラズマが高密度になっている下の領域ほど、エッチング処理が速く進行するという問題が発生していた。このような処理量に斑が生じるという問題は、図20に示したエッチング装置だけでなく、従来のプラズマ処理装置に共通する問題であった。
【0008】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、高周波の電磁界により生成されたプラズマの分布を改善することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明のプラズマ処理装置は、放射面に形成された複数のスロットより処理容器内に電磁界を放射するスロットアンテナを用いたプラズマ処理装置であって、スロットアンテナが、放射面の法線方向に対して傾斜する方向に電磁界を放射するように、スロットアンテナ内部での電磁界の伝搬方向における隣接スロット間のピッチが調整され、スロットアンテナ内部の比誘電率ε v とスロットアンテナ外部の比誘電率ε a との比ε v / ε a をε r 、スロットアンテナ内部を伝搬する電磁界の波長をλ g 、隣接スロット間のピッチをp=α・λ g (α>0)とし、Nを0以上の整数とすると、
−1≦ε r 1/2 ( N / α−1 ) ≦1
かつ Nが1以上の場合に、N≠α
を満たすようにε r ,N,αが設定されていることを特徴とする。
誘電体板がアンテナ放射面に平行に配置されている場合、電磁界は誘電体板の法線方向に対して傾斜する方向に放射される。また、処理容器内において誘電体板と対向するプラズマ面はこの誘電体板に沿った形状となるので、スロットアンテナから誘電体板を介して処理容器内のプラズマに直接入射する電磁界は、このプラズマ面の法線方向に対して傾斜する方向に入射することになる。
プラズマと誘電体板との境界からプラズマ密度がカットオフ密度となる地点に至るまでの電磁界の電界変化を簡単に説明すると、プラズマ面に平行な方向成分の強度はほぼ一定値を維持するが、プラズマ面の法線方向成分の強度は単調に大きくなって行く。したがって、電磁界をプラズマ面の法線方向に対して傾斜する方向に入射させることにより、プラズマ面の法線方向に入射させた場合と比較して、両成分を合成した電界強度を大きくさせることができる。これにより、スロットアンテナから直接入射した電磁界の電界によるプラズマ生成効率を向上させることができる。
これにより、スロットアンテナから処理容器内に直接入射した電磁界の電界によるプラズマ生成への寄与が大きくなるので、処理容器内に形成される定在波の電界によるプラズマ生成への関与が相対的に低くなる。前者は後者よりも制御が容易であるので、プラズマの分布を従来よりも改善することができる。
【0010】
ここで、前記隣接スロット間のピッチは、スロットアンテナ内部での電磁界の伝搬方向で変化していてもよい。これにより、電磁界の放射方向に分布をもたせて、プラズマの分布を調整することができる。
【0011】
また、スロットアンテナと載置台の載置面とを隔離するように配置され、スロットアンテナの放射面に対して傾斜する面を有する誘電体部材を更に有するようにしてもよい。ここで、誘電体部材は、ドーム状をしていてもよい。また、誘電体部材は、処理容器の内面の少なくとも一部を載置台の載置面から隔離するものであってもよい。
あるいは、スロットアンテナと載置台の載置面とを隔離するように配置されスロットアンテナの放射面に対して傾斜する面を有する第1の誘電体部材と、この第1の誘電体部材に対して載置台と異なる側に配置され第1の誘電体部材と共に密閉空間を形成する第2の誘電体部材と、この密閉空間に流体を流通させて第1の誘電体部材の温度を調整する流通手段とを更に有するようにしてもよい。ここで、第2の誘電体部材は、第1の誘電体部材とスロットアンテナとの間に配置されてもよいし、スロットアンテナの給電線途中に配置されてもよい。
【0012】
また、スロットアンテナとして、互いに離間して対向配置された第1及び第2の導体板と、外周部で第1の導体板と第2の導体板との間をシールドするリング部材とを備え、第1の導体板に複数のスロットが形成され、第1の導体板と第2の導体板との間に電磁界を導入する導入口が第2の導体板の中央部に形成されたラジアルアンテナを使用してもよい。また、スロットアンテナとして、矩形導波路の一面に複数のスロットが形成された矩形導波路アンテナを使用してもよい。
【0013】
また、本発明のプラズマ処理方法は、スロットアンテナ内部の比誘電率ε v とスロットアンテナ外部の比誘電率ε a との比ε v / ε a をε r 、スロットアンテナ内部を伝搬する電磁界の波長をλ g 、スロットアンテナ内部での電磁界の伝搬方向における隣接スロット間のピッチをp=α・λ g (α>0)とし、Nを0以上の整数とすると、
−1≦ε r 1/2 ( N / α−1 ) ≦1
かつ Nが1以上の場合に、N≠α
を満たすようにε r ,N,αを設定することにより、隣接スロット間のピッチを調整し、スロットアンテナが放射面の法線方向に対して傾斜する方向に電磁界を放射して処理容器内に電磁界を供給し、この電磁界で生成されたプラズマにより被処理体に対して所定の処理を行うことを特徴とする。これにより、プラズマの分布を従来よりも改善することができる。
ここで、スロットアンテナ内部での電磁界の伝搬方向で隣接スロット間のピッチを変えて、この方向で電磁界の放射方向を変えることにより、プラズマの分布を調整するようにしてもよい。
【0014】
また、スロットアンテナと被処理体とを隔離する誘電体部材からスロットアンテナまでの距離を変えて、電磁界の放射方向を変えることにより、プラズマの分布を調整するようにしてもよい。
また、スロットアンテナの放射面に対して傾斜する面を有しスロットアンテナと被処理体とを隔離する誘電体部材を配置するようにしてもよい。ここで、この誘電体部材をドーム状に形成してもよい。また、誘電体部材で処理容器の内面の少なくとも一部を被処理体から隔離するようにしてもよい。
あるいは、スロットアンテナの放射面に対して傾斜する面を有する第1の誘電体部材でスロットアンテナと被処理体とを隔離し、この第1の誘電体部材に対して被処理体と異なる側に第2の誘電体部材を配置して第1及び第2の誘電体部材により密閉空間を形成し、この密閉空間に流体を流通させて第1の誘電体部材の温度を調整するようにしてもよい。ここで、第2の誘電体部材を、第1の誘電体部材とスロットアンテナとの間に配置してもよいし、スロットアンテナの給電線途中に配置してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明をエッチング装置に適用した例を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態であるエッチング装置の構成を示す図である。この図1では、一部構成について断面構造が示されている。また、説明の都合上、垂直方向をZ軸方向と定義する。
【0016】
図1に示したエッチング装置は、上部が開口している円筒形状の処理容器11を有している。この処理容器11は、アルミニウムなどの導体部材で形成されている。処理容器11の上部開口には、平板状に成形された誘電体板13が水平に配置されている。この誘電体板13には、厚さ20〜30mm程度の石英ガラス又は(Al2 O3 又はAlN等の)セラミックなどが用いられる。処理容器11と誘電体板13との接合部はOリングなどのシール部材12を介在させており、これにより処理容器11内部の気密性を確保している。
【0017】
処理容器11の底部には、真空ポンプ(図示せず)に連通する排気口14が設けられており、処理容器11内部を所望の真空度にすることができる。
また、処理容器11の側壁には、処理容器11内にArなどのプラズマガスを導入するためのプラズマガス供給ノズル15と、CF4 などのエッチングガスを導入するための処理ガス供給ノズル16とが上下に設けられている。これらのノズル15,16は石英パイプなどで構成されている。
処理容器11内には、エッチング対象の基板(被処理体)21を配置する載置面を有する載置台22が収容されている。この載置台22は、処理容器11の底部に絶縁板24を介して固設された支持台23上に固定されている。また、載置台22はマッチングボックス25を介して、バイアス用の高周波電源26に接続されている。この高周波電源26は、例えば2〜13.56MHzの高周波を発生する。
【0018】
また、誘電体板13上部には、スロットアンテナの1つであるラジアルアンテナ30が、放射面(後述する導体板31)を下にして配設されている。このラジアルアンテナ30は、誘電体板13を介して処理容器11内に高周波の電磁界を放射するものである。ラジアルアンテナ30は、誘電体板13により処理容器11から隔離されており、処理容器11内で生成されるプラズマから保護されている。
また、誘電体板13及びラジアルアンテナ30の周囲は、円筒形状のシールド部材17によって覆われている。このシールド部材17は、例えばアルミニウムなどの金属で形成されている。ラジアルアンテナ30から放射された電磁界は、このシールド部材17により遮蔽されるので、エッチング装置の外部に漏れることはない。
【0019】
ラジアルアンテナ30は、同軸線路41、矩形・同軸変換器42及び矩形導波管43を介して、高周波発生器45に接続されている。この高周波発生器45は、例えば2.45GHzの高周波を発生するものである。なお、高周波発生器45の出力周波数は1GHz〜10数GHzの範囲内であればよい。また、矩形導波管43の途中にインピーダンスのマッチングを行うマッチング回路44を設けることにより、電力の使用効率を向上させることができる。
【0020】
次に、ラジアルアンテナ30の構成について、さらに説明する。
図1に示すように、ラジアルアンテナ30は、放射面を構成する第1の導体板31と、この導体板31に対して上方位置に対向配置された第2の導体板32と、導体板31,32の外周部を接続して導体板31,32間をシールドするリング部材33とから構成されている。
アンテナ上面をなす導体板32の中央部には、2枚の導体板31,32により構成されるラジアル導波路36内に高周波発生器45からの高周波の電磁界を導入する導入口35が形成されている。また、アンテナ下面をなす導体板31には、多数のスロット34が形成されている。この導体板31は誘電体板13に平行に配置されている。
【0021】
ラジアル導波路36内を伝搬する電磁界の波長(以下、管内波長という)がλg であるとき、2枚の導体板31,32の間隔はλg/2未満に設定される。例えば周波数が2.45GHzの高周波を使用する場合、ラジアル導波路36内の比誘電率εv が1であれば、導体板31,32の間隔は6cm未満となる。λg/2未満とすることにより、導体板31,32間に定在波が形成されることを防止することができる。ただし、2枚の導体板31,32間の放電を防止するため、導体板31,32間の間隔を0.5/(εv)1/2cm以上とすることが望ましい。
【0022】
以上の導体板31,32及びリング部材33は、銅又はアルミニウムなどの導体により形成される。なお、導体板31,32の間すなわちラジアル導波路36内に、図1に示すようにセラミックなどの誘電体部材(比誘電率εv >1)39を配置してもよい。
上述したように、ラジアルアンテナ30には、高周波発生器45に接続された同軸線路41が接続されている。この同軸線路41の外部導体41Aは、導体板32の導入口35周縁に接続されている。また、同軸線路41の内部導体41Bの先端は円錐状に成形され、この円錐の底部が導体板31の中心に接続されている。
【0023】
図2は、ラジアルアンテナ30の放射面をなす導体板31の一構成例を示す図である。ここで、図2(a)は、導体板31全体の平面図、図2(b)は、導体板31の径方向において隣り合う2つのスロット34の拡大図である。
図2(a)に示すように導体板31には、略周方向に延びるスロット34が、導体板31の中心の周りに同心円状に多数形成されている。この同心円の半径は等差数列的に増えている。この同心円の半径の増加分を、径方向(すなわち、ラジアル導波路36内における電磁界の伝搬方向)における隣接スロット間のピッチpと定義する。この径方向における隣接スロット間のピッチpは、導体板31の法線方向すなわち垂直方向に対して傾斜する方向に電磁界が放射されるように設定される。
【0024】
以下に、ピッチpの設計方法を説明する。ただし、誘電体板13はラジアルアンテナ30の放射面(導体板31)から十分離れて配置され、ラジアルアンテナ30外部の等価比誘電率εa は1に近似できるものとする。この条件下では、ラジアルアンテナ30内部(すなわちラジアル導波路36)の比誘電率εv の値は、εv とεa との比εr (=εv/εa)と等しくなる。
【0025】
図3は、径方向における隣接スロット間のピッチpの設計方法の説明図である。電磁界の放射方向とは、放射された電磁界が強め合う方向である。電磁界の強め合いは、図3を用いて言えば、A点から放射される電磁界51Aと、A点からB点を経由してC点に達する電磁界51Bとが同じ位相となったときに起こる。その条件は(1)式に示すようになる。
p/λg+(p・cosθ)/λ=N ・・・(1)
ここで、θは放射角度(導体板31に平行な方向と電磁界51A,51Bの放射方向とのなす角度)、λは真空中における電磁界51A,51Bの波長、Nは自然数である。
【0026】
いま、ピッチpを(2)式のように定義する。
p=α・λg (α>0) ・・・(2)
また、比誘電率がεv であるラジアル導波路36内を伝搬する電磁界の波長λg は、
λg=λ/εv 1/2=λ/εr 1/2 ・・・(3)
で表されるので、(2)式及び(3)式を(1)式に代入して整理すると、(4)式が得られる。
cosθ=εr 1/2[(N/α)−1] ・・・(4)
【0027】
(4)式より、εr ,N,αは
−1≦εr 1/2[(N/α)−1]≦1 ・・・(5)
の関係を満たす必要がある。このとき、角度θが
θ=cos-1[εr 1/2[(N/α)−1]] ・・・(6)
となる方向で電磁界51A,51Bの位相がそろい、この方向に電磁界が放射されることになる。
しかし、(4)式においてN=αのとき、 cosθ=0すなわちθ=(2M−1)π/2(Mは自然数)となり、垂直方向に電磁界51A,51Bが放射されることになる。したがって、径方向における隣接スロット間のピッチpを、(5)式を満たすと共にN≠αとなるように設計することにより、垂直方向に対して傾斜する方向に電磁界を放射させることができる。
【0028】
以下、具体例を示す。まず、ラジアル導波路36内にAl2O3(εv =εr ≒9)からなる誘電体部材39が配置されている場合を示す。
(5)式を変形すると、
N/[1+(1/εr 1/2)]≦α≦N/[1−(1/εr 1/2)] ・・・(7)
となるので、εr =9のとき、Nとαとの関係は
3/4×N≦α≦3/2×N ・・・(8)
で表される。図4は、(8)式により規定されるNとαとの関係を棒グラフで表した図である。ただし、上述したようにN=αのとき垂直放射となるので、図4ではN=αの点を白丸で示し、除外している。
【0029】
図4では、α<N(各棒グラフにおける白丸の左側)で放射角度θが鋭角になり、α>N(各棒グラフにおける白丸の右側)で放射角度θが鈍角になる。したがって、各棒グラフが相互に重なる部分(網目を付した部分)では、鋭角及び鈍角の両方向に電磁界が放射されることになる。なお、各棒グラフの左端は放射角度θ=0゜、右端は放射角度θ=180゜となり、放射された電磁界は導体板31に沿った伝搬となる。
αが大きくなると、(2)式よりスロット間のピッチpが大きくなり、それに応じて導体板31に形成できるスロット34の数が少なくなり、電磁界の放射効率が低くなる。このため実用上は、N=1、0.75≦α≦1.5、α≠1とするのが望ましい。図5は、この条件下における放射角度θのスロットピッチp依存性を示す図である。横軸は隣接スロット間のピッチp[cm]、縦軸は放射角度θ[゜]である。ただし、管内波長λg =4[cm]とした。
【0030】
次に、ラジアル導波路36内に誘電体部材39が配置されていない場合、すなわちラジアル導波路36内が空気(εv =εr ≒1)である場合を示す。εr ≒1のとき、(5)式は
−1≦(N/α)−1≦1 ・・・(9)
すなわち、
α≧N/2 ・・・(10)
となる。図6は、(10)式により規定されるNとαとの関係を棒グラフで表した図である。ただし、上述したようにN=αのとき垂直放射となるので、図6ではN=αの点を白丸で示し、除外している。
【0031】
図6では、α<N(各棒グラフにおける白丸の左側)で放射角度θが鋭角になり、α>N(各棒グラフにおける白丸の右側)で放射角度θが鈍角になる。また、各棒グラフが相互に重なる部分(網目を付した部分)では、複数の方向に電磁界が放射されることになる。なお、各棒グラフの左端は放射角度θ=0゜、右端(図示せず)は放射角度θ=180゜となり、放射された電磁界は導体板31に沿った伝搬となる。
上述した例と同じ理由から、実用上は、N=1、0.5≦α≦2、α≠1とするのが望ましい。図7は、この条件下における放射角度θのスロットピッチp依存性を示す図である。横軸は隣接スロット間のピッチp[cm]、縦軸は放射角度θ[゜]である。ただし、管内波長λg =12[cm]とした。
【0032】
なお、ラジアルアンテナ30の放射面をなす導体板31には、図8(a)に示すように、対をなすスロット34A,34Bをハの字形をなすように形成してもよい。ここで、図8(b)に示すように、導体板31の中心をO、略径方向に隣り合う2つのスロット34Aの中心をそれぞれ34A1,34A2、略径方向に隣り合う2つのスロット34Bの中心をそれぞれ34B1,34B2とすると、O−34A1間距離とO−34B1間距離との差を略λg/4とする。34A2,34B2についても同様とする。また、上述した径方向における隣接スロット間のピッチpは、O−34A1間距離とO−34A2間距離との差又はO−34B1間距離とO−34B2間距離との差により定義され、このように定義されたピッチpを上述した(5)式を満たすと共にN≠αとなるように設計することにより、導体板31の法線方向に対して傾斜する方向に電磁界を放射させることができる。この際、図8(a)に示すように、スロット34A,34Bの対を螺旋状に形成してもよい。
【0033】
次に、図1に示したエッチング装置の動作を説明する。
基板21を載置台22の上面に置いた状態で、処理容器11内を例えば0.01〜10Pa程度の真空度にする。この真空度を維持しつつ、プラズマガス供給ノズル15からプラズマガスとしてArを供給し、処理ガス供給ノズル16からCF4 などのエッチングガスを流量制御して供給する。
処理容器11内にプラズマガス及びエッチングガスが供給された状態で、高周波発生器45からの高周波の電磁界を矩形導波管43、矩形・同軸変換器42及び同軸線路41を介してラジアルアンテナ30に供給する。
【0034】
ラジアルアンテナ30に供給された電磁界は、導体板31,32によって構成されるラジアル導波路36の中央部から外周部に向かって放射状に伝搬してゆき、導体板31に形成された多数のスロット34から少しずつ放射される。導体板31の径方向における隣接スロット間のピッチpは、上述した(5)式を満たすと共にN≠αとなるように設計されているので、導体板31の法線方向(図1ではZ軸方向)に対して傾斜する方向に電磁界が放射される。導体板31は誘電体板13に平行に配置されているので、電磁界は誘電体板13の法線方向(図1ではZ軸方向)に対して傾斜する方向に放射されることになる。
この高周波の電磁界は、誘電体板13を透過して処理容器11内に導入され、処理容器11に電界を形成してArを電離させることにより、処理対象の基板21の上部空間S1にプラズマを生成する。
このエッチング装置では、載置台22に負電位をバイアスすることにより、生成されたプラズマからイオンが引き出されて、基板21に対してエッチング処理が行われる。
【0035】
次に、図1に示したエッチング装置の効果を、図20に示した従来のエッチング装置と対比して説明する。ここでは図1,図20に示したエッチング装置で生成されたプラズマの分布を調べるために、これらのプラズマの写真撮影を行った。図9は、この写真撮影に使用した装置の説明図である。ここで、図9(a)は図20に示したエッチング装置のラジアルアンテナ130の寸法を示す断面図、図9(b)は図1に示したエッチング装置のラジアルアンテナ30の寸法を示す断面図、図9(c)はCCDカメラの配置図である。
【0036】
プラズマの写真撮影は、図9(c)に示すように、基板21,121が置かれていない載置台22,122の中央部にCCDカメラ29を配置し、管内波長λg がおよそ4cmである電磁界を処理容器11,111内に放射したときのプラズマ生成空間S1を撮影することにより行った。このとき、従来のエッチング装置に関しては、図9(a)に示すような寸法のラジアルアンテナ130を使用した。すなわち、導体板131の直径を48cm、厚みを0.03cm、径方向における隣接スロット間のピッチp2を4cm(=λg )とし、リング部材133の高さを0.5cmとした。また、図1に示したエッチング装置に関しては、図9(b)に示すような寸法のラジアルアンテナ30を使用した。すなわち、導体板31の直径と厚み、リング部材33の高さを上記ラジアルアンテナ130と同寸法とし、導体板31の径方向における隣接スロット間のピッチpを3.5cm(=0.875λg )とした。
【0037】
図10は、このような条件の下でプラズマを写真撮影したときに得られた像の模式図であり、図10(a)は図20に示したエッチング装置で得られた像、図10(b)は図1に示したエッチング装置で得られた像を示している。図10(a)に示されているように、隣接スロット間のピッチp2=λg であるラジアルアンテナ130を使用した従来のエッチング装置では、プラズマ発生領域160の中央付近に、プラズマが高密度に発生する部分161A,161Bが観測された。これに対して、隣接スロット間のピッチp=0.875λg であるラジアルアンテナ30を使用した図1に示したエッチング装置では、図10(b)に示すように、プラズマ発生領域60にプラズマが高密度に発生する部分161A,161Bはなく、均一に分布するプラズマが観測された。
このように図1に示したエッチング装置では、従来のエッチング装置と比較して均一に分布するプラズマを生成できるので、基板21に対するエッチングの斑を抑制できるという効果が得られる。
【0038】
次に、図1に示したような構造を有するラジアルアンテナ30を使用することで、プラズマの分布を改善できた理由を説明する。
ラジアルアンテナ30から処理容器11に導入された電磁界の一部がプラズマ生成においても吸収されず、ラジアルアンテナ30とプラズマ生成空間S1との間の空間S2に定在波を形成し、この定在波の電界がプラズマ生成に関わっていることは、従来のエッチング装置と同様である。したがって、図1に示したエッチング装置でも、ラジアルアンテナ30からプラズマへ直接入射した電磁界の電界と、処理容器11内に形成された定在波の電界の両方がプラズマ生成に関与していると言える。
【0039】
図11は、Z軸方向(図1では垂直方向)に対して垂直なプラズマ面を有するプラズマの密度変化及びこのプラズマに入射した電磁界の電界強度変化を示す概念図である。図11(a)において、横軸はプラズマと誘電体板13との境界面からZ軸方向の距離であり、縦軸はプラズマ密度及び電界強度である。また、Z軸に垂直にX軸を設けると、実線は電磁界の電界EのX軸方向成分(すなわち、プラズマ面に平行な方向成分)EX の強度、点線は電磁界の電界EのZ軸方向成分(すなわち、プラズマ面の法線方向の成分)EZ の強度、一点鎖線はプラズマ密度をそれぞれ示している。
プラズマ面がZ軸に対して垂直なプラズマの密度は、プラズマと誘電体板13との境界面からZ軸方向に離れるにしたがって、図11(a)の一点鎖線で示すように上昇してゆく。ここで、ある周波数に対してプラズマの誘電率がゼロになる密度を、その周波数におけるカットオフ密度という。
【0040】
このようなプラズマに対して、図11(b)に示すように電磁界をZ軸方向に対して傾斜する方向に入射させた場合、電界のX軸方向成分EX の強度は図11(a)の実線で示すように、プラズマ密度がカットオフ密度となる地点Z1までほぼ一定値を維持するが、この地点Z1をこえると指数関数的に低下する。これに対して、電界のZ方向成分EZ の強度は図11(a)の点線で示すように、プラズマに入射した直後から上昇し、地点Z1で極大を示してから下降に転ずる。この原理は「R.B.White,F.F.Chen,Amplification and Absorption of Electromagnetic Waves in Overdense Plasmas,Plasma Physics,vol.16,pp565-587」に記載されている。
Z軸方向(すなわちプラズマ面の法線方向)に対して傾斜する方向に電磁界を入射させれば、電界のZ方向成分EZ ができるので、Z軸方向に入射させた場合と比較して、両成分EX,EZを合成した電界強度を大きくすることができる。
【0041】
図1に示したエッチング装置では、ラジアルアンテナ30からの電磁界は垂直方向(Z軸方向)に対して傾斜する方向に放射され、水平配置された誘電体板13の法線方向(Z軸方向)に対して所定の角度をもって入射する。一方、処理容器11内のプラズマ生成空間S1は誘電体板13により制約されるので、誘電体板13と対向するプラズマ面はこの誘電体板13に沿った形状となり水平面となる。したがって、ラジアルアンテナ30から放射された電磁界は、誘電体板13と対向するプラズマ面の法線方向(Z軸方向)に対して傾斜する方向に入射することになる。
【0042】
したがって、上述した原理にしたがえば、ラジアルアンテナ30を使用することにより、プラズマ生成空間S1に従来よりも大きな電界を形成できるので、ラジアルアンテナ30から直接入射した電磁界の電界によるプラズマ生成効率を向上させることができる。これにより、ラジアルアンテナ30から直接入射した電磁界の電界によるプラズマ生成への寄与が大きくなり、処理容器11内の空間S2に形成される定在波の電界によるプラズマ生成への関与が相対的に低くなる。
【0043】
ラジアルアンテナ30からプラズマへ直接入射した電磁界の電界によるプラズマの生成は、比較的容易に制御できる。例えば、放射面(導体板31)に形成される各スロットの長さを径方向で調整して、各スロットから放射される電界の強度を適当に調整することで、プラズマの生成を制御できる。これに対して、定在波の電界によるプラズマの生成は制御が困難である。図1に示したエッチング装置では、上述したように、直接入射した電磁界の電界によるプラズマ生成を、定在波の電界によるプラズマ生成よりも優勢にすることができるので、所望のプラズマ分布となるようにプラズマの生成を制御することができる。よって、図10(b)に示したような均一なプラズマ分布を得ることができた。
【0044】
図12は、電磁界の吸収係数の角度依存性を示す図である。横軸は電磁界の放射角度θ(図3参照)の余弦であり、縦軸は吸収係数ηである。この図から、プラズマ中の電子密度ne にもよるが、放射角度θがおよそ30゜〜50゜において吸収係数が最大となることが分かる。したがって、このような角度θで電磁界を放射することにより、ラジアルアンテナ30から直接入射した電磁界によるプラズマ生成が支配的になるので、プラズマ分布の制御を正確に行うことができる。
なお、隣接スロット間のピッチpは、径方向(すなわち、ラジアル導波路36内における電磁界の伝搬方向)で一定であってもよいし、変化していてもよい。径方向で隣接スロット間のピッチpに変化をつけると、この径方向で電磁界の放射方向が変化する。図12から分かるように、電磁界の放射方向が変化すれば電磁界の吸収係数も変化するので、径方向でプラズマの生成効率を制御してプラズマ分布を調整することができる。
【0045】
以上ではラジアルアンテナ30を用いた例を説明したが、これに限定されるものではなく、他のスロットアンテナ、例えば矩形導波路アンテナを用いても同様の効果を得られる。図13は、本発明に使用可能な矩形導波路アンテナアレーの構成を示す斜視図である。
このアンテナアレーは、矩形導波路の一面に複数のスロット74が形成された矩形導波路アンテナ70を、その短め方向に連続配置したものである。ここで、矩形導波路アンテナ70のスロット74は、矩形導波路内における電磁界の伝搬方向に等間隔に形成され、隣接スロット間のピッチpは、上述した(5)式を満たすと共にN≠αとなるように設計されている。なお、スロットを図8に示したようにハの字形に形成してもよい。また、隣接スロット間のピッチpを、矩形導波路内における電磁界の伝搬方向で変化をつけてもよい。図13において、81は高周波発生器(図示せず)に接続された電磁界分配用の矩形導波路である。
【0046】
(第2の実施の形態)
ラジアルアンテナ30の放射面(導体板31)に多数形成されるスロット34のピッチpの設計方法に関し、第1の実施の形態では、アンテナ30外部の等価比誘電率εa を1に近似したときの設計方法について説明したが、ここではそれを一般論に拡張して説明する。
図3において、A点から放射される電磁界51Aと、A点からB点を経由してC点に達する電磁界51Bとが同じ位相となる条件は、(11)式に示すようになる。
p/λg+(p・cosθ)/λa=N ・・・(11)
ここで、λa はアンテナ30の外部を伝搬する電磁界51A,51Bの波長、Nは0以上の整数である。
【0047】
真空中における電磁界の波長をλとすると、
λg=λ/εv 1/2,λa=λ/εa 1/2 ・・・(12)
で表されるので、この(12)と、(2)式で定義したp=α・λgとを(11)式に代入して整理すると、
cosθ=(εv/εa)1/2・[(N/α)−1] ・・・(13)
となる。εv/εa=εrとすると、(13)式は、
cosθ=εr 1/2[(N/α)−1] ・・・(14)
となる。
【0048】
この(14)式より、εr ,N,αは
−1≦εr 1/2[(N/α)−1]≦1 ・・・(15)
の関係を満たす必要がある。このとき、角度θが
θ=cos-1[εr 1/2[(N/α)−1]] ・・・(16)
となる方向で電磁界51A,51Bの位相がそろい、この方向に電磁界が放射されることになる。
したがって、電磁界の放射に関して、以下の事項が導き出される。
【0049】
1.N=0の場合:
θ=cos-1(−εr 1/2) であるから、
▲1▼ εr >1の場合、解がなく、電磁界は放射されない。
▲2▼ εr =1の場合、θ=180゜となり、水平方向に電磁界51A,51Bが放射される。
▲3▼ εr <1の場合、電磁界はεr に依存した角度θに放射される。
【0050】
2.Nが1以上で、N=αの場合:
cosθ =0すなわちθ=(2M−1)π/2(Mは自然数)となり、垂直方向に電磁界51A,51Bが放射されることになる。
【0051】
3.Nが1以上で、N≠αの場合:
(15)式を変形すると、次の2式が得られる。
N≧α・[1−(1/εr 1/2)] ・・・(17)
N≦α・[1+(1/εr 1/2)] ・・・(18)
▲1▼ εr >1の場合
(17)式から、α≦N/[1−(1/εr 1/2)] ・・・(19)
(18)式から、α≧N/[1+(1/εr 1/2)] ・・・(20)
したがって、Nとαとの関係は、
N/[1+(1/εr 1/2)]≦α≦N/[1−(1/εr 1/2)] ・・・(21)
となる。
【0052】
▲2▼ εr <1の場合
(17)式から、α≧N/[1−(1/εr 1/2)] ・・・(22)
ただし、(2)式より、α>0
(18)式から、α≦N/[1+(1/εr 1/2)] ・・・(23)
したがって、Nとαとの関係は、
0≦α≦N/[1+(1/εr 1/2)] ・・・(24)
となる。
【0053】
▲3▼ εr =1の場合
(15)式より
−1≦(N/α)−1≦1 ・・・(25)
となるので、Nとαとの関係は、
α≧N/2 ・・・(26)
となる。
【0054】
以上より、ラジアルアンテナ30の放射面(導体板31)に形成されるピッチpの設計に関して、次のように言える。すなわち、径方向における隣接スロット間のピッチpを(15)式を満たすように設計することにより、所定の角度θに電磁界を放射させることができる。この放射角度θは、ラジアルアンテナ30の内外の比誘電率の比εr によって決定される。ただし、Nが1以上でN=α(=p/λg)の場合には、放射面に対して垂直方向に電磁界が放射されるので、Nが1以上の場合にはN≠αとなるようにピッチpを設計することにより、垂直方向に対して傾斜する方向に電磁界を放射させることができる。
以上説明したように、プラズマ処理装置の使用状況に応じて変化するラジアルアンテナ30外部の等価誘電率εa を考慮し、アンテナ30の内外の比誘電率の比εr に基づいてピッチpを設計することにより、適切なスロット配置を得られる。
【0055】
(第3の実施の形態)
図14は、図1に示したラジアルアンテナ30から誘電体板13に至る一部構成を拡大して示す断面図である。誘電体板13の厚みと比誘電率をそれぞれd1 ,ε1 、この誘電体板13とラジアルアンテナ30の放射面(導体板31)との間の距離と比誘電率をそれぞれd2 ,ε2 とし、d1+d2=dとする。この場合、ラジアルアンテナ30外部の等価比誘電率εa は、
εa=ε1・ε2/[ε1・(1−β)+ε2・β] ・・・(27)
で求められる。ここで、
β=d1/d ・・・(28)
である。
【0056】
いま、図15に示すように、誘電体板13とラジアルアンテナ30の放射面との距離をd2 からΔdだけ小さくすると、dもΔdだけ小さくなるので(28)式よりβが大きくなり、ε1≠ε2の場合にはεa が変化する。一方、(16)式から分かるように、放射角度θはラジアルアンテナ30の内外の比誘電率の比εr=εv/εaで決定されるので、εa が変化すれば放射角度θも変化する。したがって、ラジアルアンテナ30を上下に動かして、誘電体板13からラジアルアンテナ30の放射面までの距離を変えることにより、放射角度θを制御することができる。
【0057】
図16は、ラジアルアンテナ30を上下に動かしたときのプラズマ分布の変化を示す概念図である。横軸は処理容器11の中心軸(O)から半径方向への距離であり、縦軸はプラズマ密度である。この図から分かるように、誘電体板13からラジアルアンテナ30の放射面までの距離をd2 −Δd,d2 ,d2 +Δd(Δdは数mm程度)と変化させることにより、それに応じてプラズマ分布が変化する。
以上より、誘電体板13からラジアルアンテナ30の放射面までの距離を変えて、電磁界の放射方向を変えることにより、プラズマの分布を調整できると言える。
【0058】
(第4の実施の形態)
図17は、本発明の第4の実施の形態であるエッチング装置の構成を示す図である。この図において、図1と同一部分を同一符号をもって示し、適宜その説明を省略する。
このエッチング装置では、ラジアルアンテナ30の放射面(導体板31)に対向配置される誘電体板13Aが、ドーム状をしている。したがって、この誘電体板13Aは、ラジアルアンテナ30の放射面に対して傾斜する面を有している。なお、誘電体板13Aは、載置台22の載置面に対して垂直な中心軸に対して、対称な形状をしている。
【0059】
処理容器11内のプラズマ生成空間S1は誘電体板13Aにより制約されるので、誘電体板13Aと対向するプラズマ面はこの誘電体板13Aに沿った曲面となる。このプラズマ面の法線方向は、中心軸付近を除き、鉛直方向(Z軸方向)に対して傾斜しているので、仮に電磁界を鉛直方向(Z軸方向)に放射しても、その電磁界はプラズマ面の法線方向に対して傾斜する方向に入射することになる。このように、ドーム状の誘電体板13Aを用いることにより、図1に示したエッチング装置と同様の条件を作り出すことが可能である。
【0060】
しかし、3〜30mmという比較的薄い誘電体板をドーム状に成形すると、曲率が必要以上に大きくなり、所望の曲率に成形することができない場合がある。一方、比較的厚い誘電体板を用いれば曲率を小さくすることは可能であるが、電磁界の損失が大きくなってしまう。そこで、誘電体板13Aの曲率が必要以上に大きい場合には、放射面(導体板31)の法線方向に対して傾斜する方向に電磁界を放射するラジアルアンテナ30を用いて、誘電体板13Aへの電磁界の入射角を小さくするとよい。このようにして処理容器11内における電界強度の分布を調整することにより、プラズマの分布を改善することができる。ここで、径方向で隣接スロット間のピッチpに変化をつけて、この方向で電磁界の放射方向に分布をもたせることにより、プラズマの分布を調整してもよい。
なお、誘電体板13Aは、ラジアルアンテナ30の放射面(導体板31)に対して傾斜する面を有していればよいので、上又は下に凸の円錐面状など、他の凸形状であってもよい。
【0061】
(第5の実施の形態)
図18は、本発明の第5の実施の形態であるエッチング装置の構成を示す図である。この図において、図1及び図17と同一部分を同一符号をもって示し、適宜その説明を省略する。
このエッチング装置は、ドーム状の誘電体板13Aに代えて、処理位置にある基板21の周囲を覆う半球状又はドーム状のベルジャー18を有している。具体的には、半球状又はドーム状のベルジャー18の開口部を下側にして処理位置上方からかぶせ、処理位置下方の処理容器11側壁にベルジャー18の開口部を固定した構造となっている。したがって、プラズマが比較的高密度で存在する空間に近接する処理容器11Aの側壁は、ベルジャー18により載置台22Aから隔離される。このベルジャー18は、厚さ3〜30mm程度の石英ガラス又は(Al2 O3 又はAlN等の)セラミックなどの誘電体で形成されている。また、処理容器11とベルジャー18との接合部には、Oリングなどのシール部材12Aを介在させている。
【0062】
基板21が配置される載置台22Aは、処理容器11Aの底部を遊貫する昇降軸28によって支持され、上下動自在となっている。基板を搬入搬出口19から搬入又は搬出するときは、載置台22Aを下に降ろし、エッチング処理を行うときは、載置台22Aを上げて基板21を処理位置に配置することができる。
処理容器11の底部には、セラミックなどからなる絶縁板24Aが設けられている。また、処理容器11Aとベルジャー18とで形成された処理室の気密性を確保するため、載置台22Aと絶縁板24Aとの間に、昇降軸28を囲むようにベローズ29が設けられている。
さらに、処理容器11Aの底部には、真空ポンプ(図示せず)に接続された排気口14Aが設けら、処理容器11Aの側壁には、処理室内にプラズマガス及びエッチングガスを導入するためのノズル15Aが設けられている。このノズル15Aは基板12の処理位置の上側までのびており、ガスが載置台22Aの上部空間に放出されるようになっている。
【0063】
上述したように、ベルジャー18は半球状又はドーム状をしており、ラジアルアンテナ30の放射面(導体板31)に対して傾斜する面を有している。したがって、図17に示したエッチング装置と同様に、放射面の法線方向に対して傾斜する方向に電磁界を放射するラジアルアンテナ30を用いて、処理室における電界強度の分布を調整することにより、プラズマの分布を改善することができる。また、プラズマ生成空間S1を含むプラズマが比較的高密度で存在する空間に近接する領域では、処理容器11Aの側壁がベルジャー18でカバーされているので、生成されたプラズマが処理容器11Aの側壁に接触して表面をスパッターすることによって起こる処理室内の汚染を抑制することができる。
なお、半球状又はドーム状のベルジャーが載置台22Aの載置面に乗る構造にして、載置台22Aとベルジャーとにより処理室が形成されるようにしてもよい。
【0064】
(第6の実施の形態)
以上では、本発明をエッチング装置に適用した例を説明してきたが、例えばプラズマCVD(chemical vaper deposition )装置などの他のプラズマ処理装置に本発明を適用してもよい。そこで次に、本発明をCVD装置に適用した例を説明する。図19は、本発明の第6の実施の形態であるCVD装置の構成を示す図である。この図において、図1及び図18と同一部分を同一符号をもって示し、適宜その説明を省略する。
このCVD装置は、基板21を加熱するヒーター91や、処理室内にSiH4 とH2 との混合ガスなどを導入するガス供給ノズル92など、CVD装置に必要な構成を有するほか、放射面の法線方向に対して傾斜する方向に電磁界を放射するラジアルアンテナ30と、処理位置にある基板21の周囲を覆う半球状又はドーム状のベルジャー(第1の誘電体部材)18とを備え、図19に示したエッチング装置と同様の特徴を有している。
【0065】
また、このCVD装置では、処理容器11Aの上部開口が誘電体板(第2の誘電体部材)13で密閉されている。また、ベルジャー18と誘電体板13と処理容器11Aとによって囲まれた密閉空間に所定温度のガスを流通させてベルジャー18を温度調整するために、流通手段としてノズル93と排気口94とが処理容器11Aの側壁に設けられている。ノズル93から導入されるガスには、高周波電磁界を吸収しにくいガスとして例えばN2 が用いられる。このガスの温度は、ベルジャー18よりも高い温度に設定され、その上限は600℃とする。
【0066】
図19に示したCVD装置の動作を説明する。
まず、ヒーター91を150℃程度にして基板21を加熱した状態で、ガス供給ノズル92から処理室内にSiH4 とH2 との混合ガスを導入する。ラジアルアンテナ30から処理室内に電磁界を供給すると、SiH4 が解離してSiHx (x=1,2,3,4)となり、このSiHx が基板21の表面で反応してアモルファスSi(以下、a−Siと略記する)が成膜される。このとき、ベルジャー18が常温であれば、ベルジャー18の内面にSiHx が付着し、a−Siが成膜される。このa−Siによってラジアルアンテナ30からの電磁界の導入が阻害されることになる。しかし、ベルジャー18と誘電体板13との間の空間に600℃以下の温度、例えば150℃〜300℃のN2 を流通させてベルジャー18を加温することによりSiHx が付着しにくくなるので、ベルジャー18内面におけるa−Siの成膜を低減できる。したがって、ベルジャー18を介して処理室内に導入される電磁界の損失を低減し、効率よくプラズマを生成して成膜を行うことができる。
【0067】
なお、ベルジャー18と誘電体板13と処理容器11Aとによって囲まれた密閉空間に流通させる流体は、ガスに限らず、液体であってもよい。この場合、例えばガルデン(パーフルオロポリエーテル)又はフロリケートなど、高周波電磁界を吸収しにくい液体を用いることが好ましい。
また、上記の温度より低温の流体を密閉空間に流通させて、ベルジャー18を冷却するようにしてもよい。電磁界の作用によってベルジャー18の温度が高くなりすぎると、ベルジャー18が破損する原因となる。また、図18に示したエッチング装置では、ベルジャー18の輻射熱で基板21上のレジストが焼け、所望のパターンにエッチンできないことがある。しかし、このようにしてベルジャー18を冷却することにより、上記の問題を回避することができる。
また、ベルジャー18と共に密閉空間を形成する第2の誘電体部材は、ベルジャー18に対して載置台22A又は基板21と異なる側に配置されればよい。したがって、ラジアルアンテナ30の給電線である同軸線路41の途中に第2の誘電体部材を詰めて密閉空間を形成してもよい。この場合、ラジアルアンテナ30の内部にも流体が流通することになる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、スロットアンテナから処理容器内に電磁界を放射する際に、アンテナ放射面の法線方向に対して傾斜する方向に電磁界を放射するものである。これにより、スロットアンテナから直接入射する電磁界によるプラズマ生成を、処理容器内で形成される定在波の電界によるプラズマ生成よりも優勢にすることができる。前者は後者よりも制御が容易であるので、プラズマの分布を従来よりも改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態であるエッチング装置の構成を示す図である。
【図2】 ラジアルアンテナの放射面をなす第1の導体板の一構成例を示す図である。
【図3】 第1の導体板の径方向における隣接スロット間のピッチpの設計方法の説明図である。
【図4】 比誘電率εr ≒9のときのNとαとの関係を棒グラフで表した図である。
【図5】 比誘電率εr ≒9のときにおける放射角度θのスロットピッチp依存性の一例を示す図である。
【図6】 比誘電率εr ≒1のときのNとαとの関係を棒グラフで表した図である。
【図7】 比誘電率εr ≒1のときにおける放射角度θのスロットピッチp依存性の一例を示す図である。
【図8】 ラジアルアンテナの放射面をなす第1の導体板の他の構成例を示す図である。
【図9】 プラズマの写真撮影に使用した装置の説明図である。
【図10】 プラズマを写真撮影したときに得られた像の模式図である。
【図11】 Z軸方向に対して垂直なプラズマ面を有するプラズマの密度変化及びこのプラズマに入射した高周波の電界強度変化を示す概念図である。
【図12】 電磁界の吸収係数の角度依存性を示す図である。
【図13】 本発明に使用可能な矩形導波路アンテナアレーの構成を示す斜視図である。
【図14】 図1に示したラジアルアンテナから誘電体板に至る一部構成を拡大して示す断面図である。
【図15】 図14に示した誘電体板とラジアルアンテナの放射面との距離を狭めたときの断面図である。
【図16】 ラジアルアンテナを上下に動かしたときのプラズマ分布の変化を示す概念図である。
【図17】 本発明の第4の実施の形態であるエッチング装置の構成を示す図である。
【図18】 本発明の第5の実施の形態であるエッチング装置の構成を示す図である。
【図19】 本発明の第6の実施の形態であるエッチング装置の構成を示す図である。
【図20】 従来の高周波プラズマ処理装置を用いたエッチング装置の構成図である。
【符号の説明】
11…処理容器、13…誘電体板、21…基板、22…載置台、30…ラジアルアンテナ、31,32…導体板、34,34A,34B,74…スロット、35…導入口、70…矩形導波路アンテナ。
Claims (15)
- 処理容器内に収容され被処理体を配置する載置面を有する載置台と、この載置台の載置面に対向配置され放射面に形成された複数のスロットより前記処理容器内に電磁界を放射するスロットアンテナとを備えたプラズマ処理装置において、
前記スロットアンテナは、前記放射面の法線方向に対して傾斜する方向に前記電磁界を放射するように、前記スロットアンテナ内部での電磁界の伝搬方向における隣接スロット間のピッチが調整され、
前記スロットアンテナ内部の比誘電率ε v と前記スロットアンテナ外部の比誘電率ε a との比ε v / ε a をε r 、前記スロットアンテナ内部を伝搬する電磁界の波長をλ g 、前記隣接スロット間のピッチをp=α・λ g (α>0)とし、Nを0以上の整数とすると、
−1≦ε r 1/2 ( N / α−1 ) ≦1
かつ Nが1以上の場合に、N≠α
を満たすようにε r ,N,αが設定されていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
前記隣接スロット間のピッチは、前記スロットアンテナ内部での電磁界の伝搬方向で変化していることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1または2記載のプラズマ処理装置において、
前記スロットアンテナと前記載置台の載置面とを隔離するように配置され前記スロットアンテナの放射面に対して傾斜する面を有する誘電体部材を更に有することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項3記載のプラズマ処理装置において、
前記誘電体部材は、ドーム状をしていることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項3記載のプラズマ処理装置において、
前記誘電体部材は、処理容器の内面の少なくとも一部を前記載置台の載置面から隔離することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1または2記載のプラズマ処理装置において、
前記スロットアンテナと前記載置台の載置面とを隔離するように配置され前記スロットアンテナの放射面に対して傾斜する面を有する第1の誘電体部材と、
この第1の誘電体部材に対して前記載置台と異なる側に配置され前記第1の誘電体部材と共に密閉空間を形成する第2の誘電体部材と、
前記密閉空間に流体を流通させて前記第1の誘電体部材の温度調整をする流通手段とを更に有することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1〜6何れか1項記載のプラズマ処理装置において、
前記スロットアンテナは、互いに離間して対向配置された第1及び第2の導体板と、外周部で前記第1の導体板と前記第2の導体板との間をシールドするリング部材とを備え、前記第1の導体板に前記複数のスロットが形成され、前記第1の導体板と前記第2の導体板との間に電磁界を導入する導入口が前記第2の導体板の中央部に形成されたラジアルアンテナであることを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項1〜6何れか1項記載のプラズマ処理装置において、
前記スロットアンテナは、矩形導波路の一面に前記複数のスロットが形成された矩形導波路アンテナであることを特徴とするプラズマ処理装置。 - スロットアンテナの放射面より処理容器内に電磁界を放射し、この電磁界で生成されたプラズマにより被処理体に対して所定の処理を行うプラズマ処理方法において、
前記スロットアンテナ内部の比誘電率ε v と前記スロットアンテナ外部の比誘電率ε a との比ε v / ε a をε r 、前記スロットアンテナ内部を伝搬する電磁界の波長をλ g 、前記スロットアンテナ内部での電磁界の伝搬方向における隣接スロット間のピッチをp=α・λ g (α>0)とし、Nを0以上の整数とすると、
−1≦ε r 1/2 ( N / α−1 ) ≦1
かつ Nが1以上の場合に、N≠α
を満たすようにε r ,N,αを設定することにより、前記隣接スロット間のピッチを調整し、前記スロットアンテナが前記放射面の法線方向に対して傾斜する方向に前記電磁界を放射することを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項9記載のプラズマ処理方法において、
前記スロットアンテナ内部での電磁界の伝搬方向で前記隣接スロット間のピッチを変えて、この方向で電磁界の放射方向を変えることにより、プラズマの分布を調整することを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項9記載のプラズマ処理方法において、
前記スロットアンテナと前記被処理体とを隔離する誘電体部材から前記スロットアンテナまでの距離を変えて、電磁界の放射方向を変えることにより、プラズマの分布を調整することを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項9または10記載のプラズマ処理方法において、
前記スロットアンテナの放射面に対して傾斜する面を有し前記スロットアンテナと前記被処理体とを隔離する誘電体部材を配置することを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項12記載のプラズマ処理方法において、
前記誘電体部材をドーム状に形成することを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項12記載のプラズマ処理方法において、
前記誘電体部材で処理容器の内面の少なくとも一部を前記被処理体から隔離することを特徴とするプラズマ処理方法。 - 請求項9または10記載のプラズマ処理方法において、
前記スロットアンテナの放射面に対して傾斜する面を有する第1の誘電体部材で前記スロットアンテナと前記被処理体とを隔離し、
この第1の誘電体部材に対して前記被処理体と異なる側に第2の誘電体部材を配置して前記第1及び第2の誘電体部材により密閉空間を形成し、
前記密閉空間に流体を流通させて前記第1の誘電体部材の温度を調整することを特徴とするプラズマ処理方法。
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