JP3677017B2 - スロットアレイアンテナおよびプラズマ処理装置 - Google Patents

スロットアレイアンテナおよびプラズマ処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットアレイアンテナ、およびこれを用いたプラズマ処理装置に関する。本発明のスロットアレイアンテナないしプラズマ処理装置は、角形アンテナを有するプラズマ処理装置(例えば、液晶デバイス製造用のプラズマ処理装置)に特に好適に使用可能である。
【0002】
【従来の技術】
本発明のスロットアレイアンテナないしプラズマ処理装置は、半導体ないし半導体デバイス、液晶デバイス等の電子デバイス材料の製造を始めとするプラズマ処理に一般的に適用可能であるが、ここでは説明の便宜のために、液晶デバイスの背景技術を例にとって説明する。
【0003】
一般に、液晶デバイスの製造工程においては、液晶デバイス用の基材(ウエハ)に対して、CVD(化学気相堆積)処理、エッチング処理、スパッタ処理等の種々の処理を施すことが行われる。このような各種の処理のためにプラズマ処理装置が用いられる場合が多い。これは、プラズマ処理装置を用いた場合には、基材を低温に維持した状態で処理できるという長所があるからである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−123997号公報
【0005】
上記した特開2000−123997号公報(特許文献1)には、液晶デバイス製造に適用可能なプラズマ処理装置が開示されている。他方、このような液晶デバイス製造用のプラズマ処理装置においては、伝送損失が小さい高能率アンテナとして、スロットアレイアンテナが極めて有望と考えられている。中でも、アンテナ構造の形成が容易な一層構造(給電用導波管が、放射用導波管と同一面内に配置される)を有し、且つ給電用導波管の壁に設けられた窓を介して、放射用導波管に給電する装置が有力とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者の実験によれば、上記した構成を有する従来のプラズマ処理装置を用いた場合には、プラズマ処理室内のプラズマ密度を高くすることが困難であった。
【0007】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消したアンテナ、およびプラズマ処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、プラズマ処理室内のプラズマ密度を高くすることが容易なアンテナ、およびプラズマ処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意研究の結果、従来におけるように放射用導波管内のスロットを密に(すなわち、マイクロ波の波長より充分に短い間隔で)配置して指数関数的に電磁界を減衰させることが、特に放射用導波管内に比較的に誘電率が大きい(例えば、比誘電率が4以上の)材料を用いた場合には不利に作用することを見出した。
【0010】
本発明者は上記知見に基づいて更に研究を進めた結果、放射用導波管内のスロット間隔dを、前記マイクロ波の放射用導波管内での波長λmとほぼ同一とすることが、上記目的の達成のために極めて効果的なことを見出した。
【0011】
本発明のプラズマ処理装置は上記知見に基づくものであり、より詳しくは、マイクロ波を給電するための給電用導波管と;該給電用導波管の長手方向に沿って配置された複数の窓からマイクロ波をアンテナの外部へ案内するように、該複数の窓に接続された複数の矩形放射用導波管とを含み;個々の放射用導波管が、該矩形放射用導波管の長手方向に沿って配置された複数のスロットを有し、且つ複数のスロットまたはスロット対の重心点の間の間隔dが、前記マイクロ波の波長λmとほぼ同一であることを特徴とするものである。
【0012】
本発明によれば、更に、被処理体にプラズマ処理を行うためのプラズマ処理室と;プラズマ処理室内へマイクロ波を案内して、該プラズマ処理室内でプラズマを発生させるためのアンテナ手段とを含むプラズマ処理装置であって;前記アンテナ手段が、マイクロ波を給電するための給電用導波管と;該給電用導波管の長手方向に沿って配置された複数の窓からマイクロ波をアンテナの外部へ案内するように、該複数の窓に接続された複数の矩形放射用導波管とを含み;個々の放射用導波管が、該放射用導波管の長手方向に沿って配置された複数のスロットを有し、且つ複数のスロットまたはスロット対の重心点の間の間隔dが、前記マイクロ波の波長λmとほぼ同一のアンテナ手段であることを特徴とするプラズマ処理装置が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする。
【0014】
(スロットアレイアンテナ)
【0015】
本発明のスロットアレイアンテナは、マイクロ波を給電するための給電用導波管と;該給電用導波管の長手方向に沿って配置された複数の窓からマイクロ波をプラズマ処理室内へ案内するように、該複数の窓に接続された複数の放射用導波管とを含む。この複数の放射用導波管は、その長手方向が、給電用導波管の長手方向とが、ほぼ垂直になるように配置されることが通常である。本発明においては、上記した個々の放射用導波管が、該放射用導波管の長手方向に沿って配置された複数のスロットを有し、且つ複数のスロット間の間隔dが、前記マイクロ波の波長λmとほぼ同一であることが特徴である。
【0016】
これに対して、従来におけるように放射用導波管内のスロットを密に(すなわち、マイクロ波の波長より充分に短い間隔で)配置して指数関数的に電磁界を減衰させた場合には、特に放射用導波管内に比較的に誘電率が大きい材料を用いた場合には不利に作用する。
【0017】
(スロットアレイアンテナの一態様)
【0018】
図1は、本発明のスロットアレイアンテナの好適な一態様を示す模式斜視図(一部に内部構造を示す)である。
【0019】
図1を参照して、この態様のアンテナ1は、マイクロ波を給電するための給電用導波管2と、複数の放射用導波管3とを含む。給電用導波管2の長手方向に沿って配置された複数の窓4から、マイクロ波がアンテナ1の外部(例えば、図示しないプラズマ処理室内)へ案内されるように、これらの放射用導波管3は、該複数の窓4に接続される。
【0020】
個々の放射用導波管3は、該放射用導波管3の長手方向に沿って配置された複数のスロット5を有しており、該複数のスロット間の間隔dは、前記マイクロ波の波長λmとほぼ同一に設定されている。図1において、スロット5は「X」の形状を有しているが、後述するように、このスロットの形状は特に制限されない。
【0021】
本発明において、複数のスロット間の間隔dは、前記マイクロ波の波長λmとほぼ同一である。より具体的には、この複数のスロット間の間隔dと、前記マイクロ波の波長λmとの比(d/λm)が、0.75〜1.25の範囲にあることが好ましく、更には0.9〜1.1の範囲にあることが好ましい。
【0022】
本発明においては、このようなスロットの構成を採用することにより、アンテナ手段内部に誘電率の大きい材料を用いた場合であっても、プラズマ処理室内への電磁界の減衰を実質的に抑制することが容易となり、プラズマ処理室内におけるプラズマ密度を高く維持することが容易となる。このように、本発明においてプラズマ密度を高く維持することが容易となる理由は、本発明者らの検討によれば、放射された電磁界の減衰特性が指数関数ではなく(1/Z)になるから(ここでZはアンテナからアンテナに垂直な方向への距離)と推定される。
【0023】
更に、図1を参照して、給電用導波管2の長手方向に沿って、個々の窓4と対応する位置に、側壁部材(この図においては、板状の部材)6が配置されている。このような側壁部材6を配置することにより、給電用導波管内でのインピーダンスマッチングが得られ伝送効率が向上するという利点が得られる。
【0024】
また、この図1においては、2本の放射用導波管3の間の壁6に、切り込み7を設けて、該2本の放射用導波管3に対して、1つの窓4で給電する方式(「π分岐」と称される場合もある)を採用している(「π分岐」方式の詳細については、例えば高橋、広川、安藤、および後藤の文献を参照することができる)。このような給電方式の採用により、各放射用導波管3に同相で給電することが容易となる。
【0025】
(接続部分)
【0026】
図2は、給電用導波管2と、放射用導波管3との接続部分の詳細な構造の好適な一例を示す部分模式断面図である。
【0027】
図2を参照して、給電用導波管2の壁に設けられた窓4と対向する給電用導波管2の壁の位置に、側壁部材6が配置されている。更に、該窓4と対応する位置に、2本の放射用導波管3が、これら導波管3の長手方向が、給電用導波管2の長手方向と略垂直になるように配置されている。なお、給電回路の終端の給電用導波管2と、放射用導波管3との接続部分(整合素子)の近傍は、図2に示すような短絡部材8により短絡されている。したがって、このような終端部分においては、給電用導波管2と、放射用導波管3との接続部分は、窓4と短絡部材8との高次モードを考慮して設計されることが極めて好ましい。
【0028】
図2に示された給電用導波管2、2本の放射用導波管3、および側壁部材6は、給電用導波管2の内部に設けられた窓4と、切り込み部7により、電磁界結合している。給電用導波管2の幅をaとし、放射用導波管3の幅をcとし、これらの導波管の高さをbとする。結合窓4の幅をwとし、該窓4の中心は、切り込み部7の中心からdだけずれている。2本の放射用導波管3の共通の挟壁10の厚さをgとし、窓4から距離hだけ離れて配置されている。側壁部材6は、図2に示したxyz座標系でx=p、y=qの位置にあり、その厚さはrである。給電用導波管2および放射用導波管3の壁厚はtである。この図2に示す構造は、y方向に一様となっている。
【0029】
図2に示す構造において、好適な構成は、以下の通りである。
(1)結合窓4の幅w:給電用導波管2の長手方向に沿って、給電側から先端に向かって単調に増加する。この増加の態様は、単調であることが更に好ましい。
(2)切り込み部7の位置h:給電用導波管2の長手方向に沿って、給電側から先端に向かって単調に増加する。この増加の態様は、単調であることが更に好ましい。
(3)側壁部材6のx座標p:これらの値も基本的には単調に変化するが、最先端部では、インピーダンスマッチングの為、番構造に応じた特異な値になる。
(4)側壁部材6のx座標q:これらの値も基本的には単調に変化するが、最先端部では、インピーダンスマッチングの為、番構造に応じた特異な値になる。
【0030】
(好適な構造の例)
【0031】
上記した各種のパラメータの好適な値の例を以下に示す。
【0032】
マイクロ波の中心周波数 11.85GHz 2.45GHz
給電用導波管の幅a 17.3mm 83.7mm(80〜110mm)
放射用導波管の幅c 16.5mm 79.9mm(75〜100mm)
導波管の壁厚t、g 2.0mm 2.0mm
導波管の高さb 4.0mm 15mm (10〜40mm)
窓のずれd 0.0mm 0.0mm
側壁部材の厚さr 2.0mm 2.0mm
【0033】
(従来のアンテナ)
【0034】
比較のために、図3に従来のスロットアレイアンテナの模式図を示す。図3を参照して、このアンテナにおいては、図3(a)に示すように、放射用導波管を構成するスロットの幅Lは、L1<L2<・・・・Lnとなるように構成され、且つ、それらスロット間の間隔dは、図3(b)に示すように、1/2λ(λは、マイクロ波の導波管内での波長)よりも短くされている。このような従来のスロットアレイアンテナにおいては、電磁界が指数関数的に減衰するように、放射用導波管からアンテナが外部に放射される。
【0035】
(プラズマ処理装置)
【0036】
本発明のプラズマ処理装置は、被処理体にプラズマ処理を行うためのプラズマ処理室と;プラズマ処理室内へマイクロ波を案内して、該プラズマ処理室内でプラズマを発生させるためのアンテナ手段とを含むプラズマ処理装置である。この装置においては、前記アンテナ手段が、上記した構成を有する(本発明の)スロットアレイアンテナであることが特徴である。
【0037】
(プラズマ処理装置の一態様)
図4は、本発明のプラズマ処理装置の好適な一態様を示す模式断面図である。図4を参照して、密閉容器として形成されたプラズマ処理室10内には、内部にガラス基板等の被処理体11を載置する加工ステージ12が設けられている。プラズマ処理室10の天井部には、石英、セラミック等からなる誘電体で形成されているマイクロ波導入窓13が配置されている。更に、プラズマ処理室10には、反応ガスをプラズマ処理室10内に供給するためのガス供給口14が設けられている。
【0038】
このような構成を有するプラズマ処理室10の上部には、上述した構成を有するスロットアレイアンテナ部材1が配置されており該アンテナ部材1を構成する放射用導波管3から、プラズマ処理室10に対してマイクロ波が供給され、該処理室10内のプラズマ生成領域Pにプラズマが生成され、被処理体11に対して、所定のプラズマ処理が行われる。
【0039】
(各部の構成)
【0040】
上記した図1、2および4に示したアンテナないしプラズマ処理装置の各部の構成について、詳細に説明する。
【0041】
(給電用導波管)
【0042】
給電用導波管2の形状、サイズ、構造、等は特に制限されないが、この給電用導波管2は矩形導波管であることが好ましい。このような矩形の給電導波管を用いる態様によれば、マイクロ波電源を1台としコストを低減することが極めて容易となるからである。
【0043】
(導波管の材質)
【0044】
給電用導波管2、放射用導波管3、および上記したアンテナ手段を構成する他の部材の材質は、該アンテナ手段によるマイクロ波給電が可能である限り特に制限されない。壁面電流に依る損失の低減および熱伝導性の点からは、これらの材質は、銅基材に銀メッキであることが好ましい。
【0045】
(放射用導波管の誘電体)
【0046】
放射用導波管3を構成する誘電体は特に制限されないが、マイクロ波の波長とチャンバーサイズとの比率(L/λm)の点からは、誘電率がλ/5L(λはマイクロ波の真空中の波長、Lはチャンバーサイズ)以上のものであることが好ましい。
【0047】
(可変のスリット)
【0048】
図2に示した給電用導波管と、放射用導波管との接続部(給電部)4には、必要に応じて、幅wを可変とするスリットを設けてもよい。このような可変スリットを設ける態様においては、チャンバー内への放射電磁界分布を調整し従って、プラズマ生成分布を調整できるという利点を得ることができる。
【0049】
更には、必要に応じて、放射用導波管内の給電部に「棒」状の部材を立てることにより、L成分を調整して負荷整合を取ることもできる。このような棒状の部材を設ける態様においては、給電導波管内の側壁板6を省く事が出来、簡単化が可能となるという利点を得ることができる。
【0050】
(スロット)
【0051】
図1に示した態様においては、放射用導波管のスロット形状は「X」字形状であるが、この時用いた整合スロット形状は、進行波を実質的に消去(すなわち、反射波を実質的に無くすことが)可能である限り、特に制限されない。
【0052】
すなわち、このスロット形状は、公知の形状のいずれでもよい。例えば、このスロット形状は、図5の模式平面図に示すようなものを用いることができる。なお、この図5においては、各放射用導波管が異なるスロット形状を有するように描かれているが、これはあくまで便宜的なものであり、実際のスロットアレイアンテナにおいては、該アンテナを構成する各放射用導波管は同様なスロット形状を有する。
【0053】
例えば、スロット形状としては、図5の模式平面図(a)に示すような中心線に沿った「ハ」の字形状、図5(b)に示すような中心線が先開きになる「ハ」の字形状、図5(c)に示すような中心線に沿った「X」字形状、図5(d)に示すような中心線に沿った線状形状、等のいずれでもよい。
【0054】
図5(a)の「ハ」の字形状において、「ハ」の字の間隔は略λgであり、「ハ」の字がなす角は略45度である。
【0055】
図5(b)の「ハ」の字形状において、放射用導波管の中心軸から、スロットが徐々に離間するように配置されているため、終端部における反射電力の抑制が容易となる。これは、徐々に離間する各スロットで徐々に反射が抑制されるからである。なお、このような図5(b)の態様においても、終端部には、終端部用の整合スロットを配置することが好ましい。
【0056】
また、図5(c)の「X」字形状において、「X」の字の間隔は略λgであり、「X」の字がなす角は略45度としても良い。
【0057】
(角度)
【0058】
各スロットの、放射用導波管の中心軸からの傾斜角度は略45°であることが好ましい。この「ハ」の字形状スロットにおける角度θを45°より大きくすると、電磁界は給電部側へ放射される傾向が強まり、角度θを45°よりより小さくすると、終端部側へ放射される傾向が強まる。したがって、このように角度θを調整することにより、「斜め伝播」によるプラズマ生成が可能となる。
【0059】
また、各スロット対(スロット・ペア)のうちの片方のスロットを短くすると、その短い側の方へ、電磁界が放射される傾向が強まるので、この様な特性に依っても、「斜め伝播」させる事ができる。
【0060】
(定在波および進行波)
【0061】
放射用導波管のマイクロ波が図6(a)に示すような定在波である場合、これに対応するスロットは図6(b)のようになるため、該スロット直下のプラズマ強度は図6(c)に示すように、放射用導波管の長手方向に沿って不均一なものとならざるを得ない。よって、定在波を用いる場合には、被処理体との間にプラズマ強度を均一化させるための空間が必要となり、したがって装置が大型化する傾向がある。
【0062】
このような点からは、放射用導波管の長手方向に沿って、進行波が形成されることが好ましい。定在波が形成されると、上記したように、放射用導波管のスロット直下のプラズマ強度が、放射用導波管の長手方向に沿って不均一なものとなり易い傾向があるからである。
【0063】
この点、図7(a)に示すような「ハ」の字形状スロットにおいては、この図に示すようにTE10モード(厳密にはTEMモード)で円偏波を放射する。この「ハ」の字形状スロットにおける角度θを大きくすると、電磁界は給電部側へ放射される傾向が強まり、角度θを小さくすると終端部側へ放射される傾向が強まる。したがって、このように角度θを調整することにより、「斜め伝播」によるプラズマ生成が可能となる。
【0064】
他方、図7(b)に示すような「X」の字形状スロットにおいては、この図に示すようにTE10モードで直線偏波を放射するが、各スロットの長さ比や導波管中心線となす角を調整する事に依って円偏波を放射させる事もできる。
【0065】
(側壁部材)
【0066】
インピーダンス整合等の点から、側壁部材として、図2に示した「板」に代えて、「調整ピン」形状のものを使用することもできる。このような「調整ピン」は、図2に示した「側壁板」の先端の近傍に配置することが好ましい。
【0067】
(終端部)
【0068】
放射用導波管の終端部には、必要に応じて、該終端部からの反射電力を抑制するための整合スロットを配置してもよい。このように終端部に整合スロットを配置することにより、導波管内に進行波が得られる(反射波を抑止できる)という利点が得られる。
【0069】
(他のアンテナ態様)
【0070】
給電用導波管の窓と、放射用導波管とを1対1対応としてもよい。このような態様の例を図8に示す。
【0071】
図8は、本発明のプラズマ処理装置において好適に使用可能なアンテナ手段の一態様を示す模式平面図である。比較のために、従来タイプのスロットアレイアンテナの模式平面図を図9に示す。
【0072】
図2を参照して、この態様のアンテナ手段は、マイクロ波を給電するための給電用導波管21と、該給電用導波管21の長手方向に沿って配置された複数の窓からマイクロ波をプラズマ処理室内へ案内するように、該複数の窓に接続された複数の放射用導波管とを含む。これらの個々の放射用導波管は、該放射用導波管の長手方向に沿って配置された複数のスロットを有する。更に、且つ複数のスロット間の間隔dは、前記マイクロ波の波長λmとほぼ同一である。この複数のスロット間の間隔dは、前記マイクロ波の波長λmに対して、前記各スロット間の間隔dが、0.75≦λm≦1.25の範囲、更には0.9≦λm≦1.1の範囲にあることが好ましい。
【0073】
本発明においては、このようなスロットの構成を採用することにより、アンテナ手段内部に誘電率の大きい材料を用いた場合であっても、プラズマ処理室内への電磁界の減衰を実質的に抑制することが容易となり、プラズマ処理室内におけるプラズマ密度を高く維持することが容易となる。
【0074】
これに対して、図9に示すような従来タイプのスロットアレイアンテナにおいては、放射用導波管内のスロットを密に(すなわち、マイクロ波の波長より実質的に短い間隔で)配置して指数関数的に電磁界を減衰させているため、特に放射用導波管内に比較的に誘電率が大きい材料を用いた場合には不利に作用する。したがって、この図4に示すような従来タイプのスロットアレイアンテナを用いた場合には、プラズマ処理室内におけるプラズマ密度を高く維持することが困難となる。
【0075】
(他の応用例)
【0076】
本発明のアンテナないしプラズマ処理装置の適用対象は、特に制限されない。すなわち、本発明のアンテナないしプラズマ処理装置は、例えばプラズマエッチング装置、プラズマCVD装置、プラズマLCD装置等の任意のプラズマを使用する装置に適用することができる。
【0077】
上述したように、本発明のプラズマ処理装置によれば、ラズマ処理室内のプラズマ密度を高くすることが容易なプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナ部材の好適な一態様を示す模式斜視図(一部破断面で示す)である。
【図2】図1のアンテナ部材の給電用導波管−放射用導波管の接続部の構造の好適な一態様を示す模式断面図である。
【図3】従来のアンテナ部材の例を示す模式断面図である。
【図4】本発明のプラズマ処理装置の好適な一態様を示す模式断面図である。
【図5】本発明のアンテナ部材に使用可能なスロットおよび整合スロット(各放射用津波間の終端部に配置)形状の例を示す模式平面図である。
【図6】本発明のアンテナ部材によって得られる定在波の形状(a)、該定在波の形状に対応するスリットの位置(b)、および該該定在波の形状に対応するプラズマ強度(c)を模式的に示すグラフである。
【図7】本発明のアンテナ部材によって得られるTE01モード−「ハ」の字形状スロット(a)、およびTE10モード−「X」の字形状スロット(b)における電界の強度を模式的に示すグラフである。
【図8】本発明のアンテナ部材の好適な他の態様を示す模式断面図である。
【図9】従来のアンテナ部材の例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
18…プラズマ処理装置
20…プロセス容器
22…載置台
26…エッチング用の高周波電源
34…高周波アンテナ手段
38…導電部材
42…プラズマ用の高周波電源
48A,48B…交番磁界
50A,50B…交番電界
52…磁石手段
54…静磁場
E…電子
S…処理空間
W…半導体ウエハ(被処理体)

Claims (9)

  1. マイクロ波を給電するための給電用導波管と;該給電用導波管の長手方向に沿って配置された複数の窓からマイクロ波をアンテナの外部へ案内するように、該複数の窓に接続された複数の矩形放射用導波管とを含み、
    個々の放射用導波管が、該放射用導波管の長手方向に沿って配置された複数のスロットを有し、且つ複数のスロットまたはスロット対の重心点の間の間隔dが、前記マイクロ波の矩形放射用導波管内での波長λmとほぼ同一であり、且つ、
    前記放射用導波管の一面に形成されるスロットが、該放射用導波管内の長手方向中心軸から徐々に離間するように配置されていることを特徴とするスロットアレイアンテナ。
  2. マイクロ波を給電するための給電用導波管と;該給電用導波管の長手方向に沿って配置された複数の窓からマイクロ波をアンテナの外部へ案内するように、該複数の窓に接続された複数の矩形放射用導波管とを含み、
    個々の放射用導波管が、該放射用導波管の長手方向に沿って配置された複数のスロットを有し、且つ複数のスロットまたはスロット対の重心点の間の間隔dが、前記マイクロ波の矩形放射用導波管内での波長λmとほぼ同一であり、且つ、
    前記給電用導波管から放射用導波管への給電部に、幅が可変のスリットが配置されていることを特徴とするスロットアレイアンテナ。
  3. 前記マイクロ波の波長λmに対して、前記スロットまたはスロット対の重心点の間の間隔dが、0.75≦λm≦1.25の範囲にある請求項1または2に記載のスロットアレイアンテナ。
  4. 前記放射用導波管内に配置される誘電体の比誘電率が、1以上である請求項1〜3のいずれかに記載のスロットアレイアンテナ。
  5. 前記給電用導波管が、矩形導波管である請求項1〜のいずれかに記載のスロットアレイアンテナ。
  6. 前記放射用導波管内に進行波が形成されている請求項1〜のいずれかに記載のスロットアレイアンテナ。
  7. 前記放射用導波管の終端部に整合スロットが配置されている請求項1〜のいずれかに記載のスロットアレイアンテナ。
  8. 前記放射用導波管の一面に形成されるスロットの、該放射用導波管の長手方向中心軸との傾斜角度が45°である請求項1〜7のいずれかに記載のスロットアレイアンテナ。
  9. 前記放射用導波管の一面に形成されるスロットが、電磁界の進行方向に直角なスロット、「ハ」の字形状のスロット対、および電磁界の進行方向に各々略45°傾斜したスロット9対から選ばれたものである請求項1〜のいずれかに記載のスロットアレイアンテナ。
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