JP4727255B2 - ヒンジおよび該ヒンジを用いた開閉装置 - Google Patents
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Description
この従来技術では、同特許文献1の段落[0030]に記載されているように、「従来のようにドア開時にパネル体間に比較的広い隙間ができ、ドア閉時にその隙間が挟まるから指などを挟む心配があった訳で、本実施例のように最初から隙間(支柱体(20a,20b)間の隙間)が殆ど無ければ、指や物を挟み込むという心配も無い。さらに、歯車(22a,22b)は支柱上端,下端の極めて限られた部位のみに設けているので、この歯車が、係る挟み込みに関与することも想定されない」とされている。
更に、支柱上下端部の歯車(22a,22b)間においても、例えば、子供等の悪戯により物体が挿入されれば、その物体が両歯車(22a,22b)間に巻き込まれてしまうおそれがある。
また、上記二つのリンク部材は、該リンク部材の回動軸の軸方向から視て、交差状に配置されていればよく、これら両リンク部材は、軸方向に近接または接触していてもよいし、軸方向に所定間隔を置いて設けられていてもよい。
また、上記「・・・隙間を、該隙間への指の挿入が阻まれる程度に小さく設定」とは、より具体的には、上記隙間を、例えば、平均的な子供や幼児の指における先側の部分の最大寸法よりも小さい寸法とすればよい。
また、上記「・・・隙間が、指を遊挿可能な程度に大きく設定されている」とは、より具体的には、上記隙間を、例えば、平均的な大人の指における先側の部分の最大寸法よりも大きい寸法とすればよい。
一方のヒンジ本体に対し他方のヒンジ本体が略直線的に配置されている状態から、双方のヒンジ本体間の角度を狭めるようにして、双方のヒンジ本体を揺動させると、両ヒンジ本体の内角側において、双方のリンク部材は、両ヒンジ本体の谷間から離れる方向へ迫り出すようにして揺動する。
また、一方のヒンジ本体に対し他方のヒンジ本体が折れ曲がるようにして配置されている状態から、双方のヒンジ本体の間の角度を広げるようにして、双方のヒンジ本体を揺動させると、両ヒンジ本体の外角側において、双方のリンク部材は、両ヒンジ本体の谷間への物体の侵入を阻むようにして回動する。
よって、一方のヒンジ本体に相対して他方のヒンジ本体が揺動した際に、両ヒンジ本体の谷間(外側の谷間である場合と内側の谷間である場合を含む)に物体が近接または接触している場合であっても、その物体が、両リンク部材の谷間へ巻き込まれたり挟み込まれたりするのを防ぐことができる。
また、前記嵌合状態において、一方のヒンジ本体を他方のヒンジ本体に相対して揺動させる外力が作用すると、その外力によって、凸部は、凹部から離脱しながら弾性的に没入する。したがって、凸部と凹部との係止状態が解除されて、一方のヒンジ本体が他方のヒンジ本体に相対して自在に揺動するようになる。
ひいては、例えば、幅方向に隣り合う二つの開閉体を上記ヒンジにより連結するようにした折戸において、両開閉体が折られる方向を、回動方向規制部材の係脱により限定することができる。すなわち、所謂両折の折戸や、所謂片折の折戸を、回動方向規制部材の係脱により選択的に構成することができる。
また、双方のヒンジ本体間の角度が所定角度よりも小さい場合には、一方のヒンジ本体を、同付勢手段の付勢力によって、前記揺動方向と逆の揺動方向へ揺動させることができる。
ひいては、開閉体を開放してその開放された開口部を通過する際、開閉体を所定位置よりも開放方向の位置まで開放すれば、その開放状態の開閉体を手等によって保持しておく必要がなく、その開閉体は自動的に開放されることになる。したがって、途中まで開放した開閉体が自動閉鎖して通過者に当接してしまうのを防ぐことができる。
本実施の形態の好ましい一例である開閉装置Aは、開閉方向へ連設された複数(図示例によれば二つ)の開閉体1a,1bと、これら開閉体1a,1b間の隙間を塞ぐ閉塞部材1c,1cと、一方の開閉体1aに相対して他方の開閉体1bを揺動させる複数(図示例によれば二つ)のヒンジ1,1と具備した折戸である(図1参照)。
この開閉装置Aは、建物等の構造物の開口部に設置され、開閉体1a,1bを折り畳んだり広げたりするようにして開閉動作させる。
この閉鎖部材1cによれば、一方の開閉体1aに相対して他方の開閉体1bを揺動させた際、両閉塞部材1c,1c間に指等の物体が挟まれたとしても、各閉塞部材1cが弾性的に変形するため、前記物体が損傷するのを防ぐことができる。
なお、突片部11aにはリンク部材20を枢支せず、突片部12aにのみ枢支する構成としてもよく、また逆に、突片部12aにはリンク部材20を枢支せず、突片部11aにのみ枢支する構成としてもよい。
また、図示例のヒンジ本体10は、上記したように複数の金属片を重ね合わせて構成することで、その生産性を良好にした好ましい一例であるが、上記複数の取付孔10aや突片部11a,12a,11a等を具備するようにすれば、単一の部材で構成したり、他の形状の部材を複数用いて構成したり等してもよい。
したがって、仮に、開閉体1a,1b間の下端に、子供が悪戯で指等の物体を挿入した場合でも、その挿入された物体が前記隙間s1に挿入されるため、その物体が両ヒンジ本体10,10間に巻き込まれたり挟み込まれたりするのを防ぐことができる。
そして、この中央片部材12の厚さ方向(図3における上下方向)の寸法は、その揺動軸方向の両側に配設される両リンク部材20,20間の隙間s2に、人の指が挿入されない程度に、適宜に設定されている。
したがって、仮に、前記隙間s2に、子供が悪戯で指等の物体を挿入した場合でも、その挿入された物体が前記隙間s2に挿入不能であるため、その物体が両突片部12a,12a間に巻き込まれたり挟み込まれたりするのを防ぐことができる。
これら軸部材30,30は、開閉体厚さ方向(図2における上下方向)に所定間隔を置いて配設されている。
各軸部材30は、リンク部材20,20を回動自在に支持するようにすれば、突片部11a,12a,11aの全てを貫通する構成としてもよいし、突片部11a,12a,11aを部分的に貫通する構成、例えば突片部12aのみを貫通する構成等であってもよい。
また、突片部11a及び/又は突片部12aとリンク部材20とを凹凸状に嵌合させる構成とすることで、軸部材30を省くことも可能である。
各リンク部材20は、その一端側を一方のヒンジ本体10における突片部11a,12a,11a側に枢着するとともに、その他端側を他方のヒンジ本体10における突片部11a,12a,11a側に枢着している。
そして、このリンク部材20は、その回動軸方向(図3における上下方向)において、突片部11aと突片部12aとの間に配設される。
一方のヒンジ本体10に対し他方のヒンジ本体10が略直線的に配置されている状態(図5(a)参照)から、双方のヒンジ本体10,10間の角度を狭めるようにして、一方または双方のヒンジ本体10,10を揺動させると、両ヒンジ本体10,10の内角側(図5(a)におけるヒンジ1の下側)において、双方のリンク部材20,20は、両ヒンジ本体10,10の谷間から離れる方向へ迫り出すようにして回動する(図5(b)参照)。
すなわち、各リンク部材20は、その一端側が一方のヒンジ本体10に支持されながら、その他端側を、他方のヒンジ本体10の揺動方向に沿って回動させる。そのため、各リンク部材20の側縁部が、両ヒンジ本体10,10の谷間から離れる方向(図5によれば下方向)へ迫り出すようにして回動することになる。
したがって、両ヒンジ本体10,10の谷間(詳細には両突片部12a,12a間の谷間)に指等の物体xが近接または接触していたとしても、その物体xは、両ヒンジ本体10,10の揺動に伴って回動する両リンク部材20,20によって、前記谷間から離れる方向へ押されることになる。
よって、ヒンジ1によれば、両ヒンジ本体10,10の谷間に指等の物体xが近接または接触している場合であっても、その物体xが、両ヒンジ本体10,10の谷間へ巻き込まれたり挟み込まれたりするのを防ぐことができる。
したがって、両ヒンジ本体10,10における前記外角側の谷間へ物体xが巻き込まれたり挟み込まれたりするのを防ぐことができる。
より詳細に説明すれば、この係止手段40は、一方のヒンジ本体10における中央片部材12’の突片部12a先端に、開閉体幅方向(図7における左右方向)の有底穴43を形成し、該有底穴43内に、出没可能な凸部41および付勢部材42を設け、その一方で、他方のヒンジ本体10における中央片部材12”の突片部12a先端に、前記凸部41と係脱可能な曲面状の凹部44を形成している。
前記凸部41は、図示例によれば先端側を突曲面状に形成した略砲弾状の部材であり、その先端側を突片部12aの先端面から出没させるように、有底穴43内に遊挿され、該有底穴43内から抜け落ちることがないように該有底穴43内面に係合している。
また、付勢部材42は、スプリングやゴム等の弾性部材であり、凸部41と有底穴43の底面との間に配設されて、凸部41を突出方向へ付勢している。
また、開閉体1a,1bを開放させる操作等の外力によって、一方のヒンジ本体10に相対して他方のヒンジ本体10を揺動させた際には、凸部41が弾性的に没入しながら凹部44から抜け出す。
したがって、凸部41と凹部44とが嵌り合わない位置においては、両ヒンジ本体10,10を自在に揺動させることができる。
なお、本実施の形態の好ましい一例によれば、凸部41が凹部44からスムーズに抜け出すように、凸部41と凹部44の双方を曲面状に形成してあるが、何れか一方を曲面状に形成した構成とすることも可能である。
また、上記構成によれば、一方のヒンジ本体10を他方のヒンジ本体10に対し所定の角度で係止させる構成としたが、一方のヒンジ本体10を他方のヒンジ本体10に対し任意の角度で係止させる構成とすることも可能である。より具体的に説明すれば、例えば、上記構成から凹部44を省き、凸部41の先端と他方のヒンジ本体10側の突片部12aの先端とが摩擦接触するなどして、両ヒンジ本体10,10間の角度が任意に保持されるようにすればよい。
より詳細に説明すれば、この係止手段50は、少なくとも一方のリンク部材20を磁性体により形成するとともに、前記磁性体のリンク部材20を吸着可能なマグネット51を、ヒンジ本体10に固定することで構成されている。
マグネット51は、前記一方のリンク部材20によって当接されるスペーサ13に配設され、より詳細には、前記スペーサ13に切欠部を形成し、該切欠部の内面に嵌合されている。
この状態を解除するためには、マグネット51による吸着力よりも強い外力(例えば、開閉体1a,1bを閉鎖動作する力)によって両ヒンジ本体10を前記揺動方向と逆の方向へ揺動させればよい。
また、図8に示す一例によれば、マグネット51を一方のヒンジ本体10側に備えた構成としているが、二つのマグネット51,51を双方のヒンジ本体10,10の各々に備えた構成とすることも可能である。
また、上記係止手段40または係止手段50は、後述する係止手段40’あるいは係止手段40”に置換することが可能である。
端部片部材14は、揺動軸方向の一端側(図9によれば下端側)に配置され、突片部12a’を、他方の端部片部材14の突片部12a’に近接もしくは接触させている。この端部片部材14は、上述したヒンジ1のヒンジ1をそのまま用いた態様とすることも可能である。
係止手段40’は、端部片部材15に形成された凹状または貫通孔状の部位に、略球状の回転体41’を遊挿するとともにヒンジ1内部側へ突出させ、該回転体41’を板バネ等の弾性部材42’によって、ヒンジ1内部側へ付勢した構成とされる。
すなわち、回転体41’は、端部片部材15の突片部15a内に回転可能に支持された状態で、後述するリンク部材20’側へ付勢される。
また、リンク部材20’は、上述したリンク部材20に対し、上記回転体41’を嵌合させるための曲面状の凹部21’を形成したものである。
一方のヒンジ本体10を他方のヒンジ本体10に相対して揺動させた際には、弾性部材42’の弾性的な変形により回転体41’が没入して、回転体41’が凹部21’から抜け出るため、両ヒンジ本体10,10が自在に揺動する。
なお、図示例によれば、ヒンジ2における揺動軸方向の上端側のみに係止手段40’を備えた構成としたが、両端側に係止手段40’を備えた構成とすることも可能である。
端部片部材16は、その突片部16aの内面側に、曲面状の凹部16bを形成している。
前記凸部21”は、前記凹部16bに係脱可能な曲面状に形成されている。
凹部22”,22”は、前記凸部21”と逆側の面に配設され、二つの弾性部材41”,41”の一端側が嵌め合わせられるようにしている。
また、中間片部材17”にも、二つの弾性部材41”,41”の他端側を嵌め合わせるための二つの凹部17a”,17a”が形成されている。
各弾性部材41”は、スプリングや板バネ、ゴム等からなり、リンク部材20”の両端部側の各々に配置され、上下の凹部22”,17a”間に支持されている。
また、一方のヒンジ本体10を他方のヒンジ本体10に相対して揺動させた際には、弾性部材41”,41”の弾性的な変形により凸部21”が凹部16bから抜け出るため、両ヒンジ本体10,10を自在に揺動することができる。
なお、図示例によれば、ヒンジ2における揺動軸方向の上端側のみに係止手段40”を備えた構成としたが、その両端側や、中間側に係止手段40”を備えた構成とすることが可能である。
図11に示す一例では、上記ヒンジ1に対し、回動方向規制部材60,60の着脱が可能な構成となっている。なお、この図11は、本態様の特徴を明瞭に示すために、端部片部材11を外した状態を示している。
回動方向規制部材60は、ヒンジ本体10におけるリンク部材20に当接可能な位置に着脱される部材であり、図11に示す一例によれば、略扇形状の本体部61と、該本体部61から延設された取付部62とから一体に構成されている。
本体部61は、端部片部材11と中央片部材12との間(図3参照)に挿入可能な厚さの略扇形板状の部材であり、両ヒンジ本体10,10が略直線状に配置された際に、前記空間に挿入されて一方のリンク部材20に当接する。
また、取付部62は、前記本体部61が前記空間に挿入された際に、ヒンジ本体10の側面に対し、ネジ等の止着部材によって止着される。
また、回動方向規制部材60を外した状態では、再度、ヒンジ本体10,10および開閉体1a,1bを両方向へ揺動させることができる。
したがって、現場での使い勝手に応じて、いわゆる両折りの折戸、または片折りの折戸を、選択的に構成することができる。
また、回動方向規制部材60の着脱は、開閉体厚さ方向から容易に行うことができるため、開閉体1a,1bが構造物の開口部に装着された後であっても可能である。なお、同回動方向規制部材60を、端部片部材11(図3参照)を貫通するネジ等によって固定する構成とすることも可能である。
この回動方向規制部材60’は、端部片部材11に対し貫通状に固定される筒部61’と、該筒部61’に遊挿される軸部62’とからなる。
筒部61’は、その周壁に、略コ字状の案内孔61a’を貫通形成している。
軸部62’は、その外周面に、径方向へ突出して前記案内孔61a’に遊挿された略軸状の操作部62a’を備え、該操作部62a’を端部片部材11の外部に露出している。
この操作部62a’は、案内孔61a’に沿って略コ字状に移動するため、案内孔61a’の上下端側の各々に係止して、軸方向へ移動不能にすることが可能である。
また、ヒンジ本体10,10を一方向へのみ揺動可能にしたい場合には、操作部62a’の係止状態を解除し、同操作部62a’を下端まで移動して係止すればよく、この係止状態では、軸部62’がリンク部材20側へ突出するため、該軸部62’をリンク部材20に当接させることで、リンク部材20の回動方向を規制することができる。
また、上記回動方向規制部材60(又は60’)は、一方のリンク部材20における長手方向の一端側に当接する構成(図12に示す一例)とすれば足りるが、同リンク部材20における長手方向の両端側に当接する構成(図11に示す一例)としてもよい。
更に、図11〜13に示す回動方向規制部材60(又は60’)によれば、両ヒンジ本体10,10が略直線状に位置した際に、リンク部材20の回動方向を規制するようにしたが、回動方向規制部材60(60’)の配置により、両ヒンジ本体10,10が略平行に位置した際や、両ヒンジ本体10,10が所定の角度に位置した際に、リンク部材20の回動方向を規制する構成とすることも可能である。
更に、リンク部材20の幅方向の両縁部に対し、それぞれ回動方向規制部材を当接させることで、開閉体1a,1bを何れの方向へも開放不能な状態にロックする構成とすることも可能である。
より具体的に説明すれば、図14及び図15に示すヒンジ4は、揺動軸方向の両端側の端部片部材18,18の間に、リンク部材20,20を配置するとともに、各端部片部材18の外側の端面に、閉塞部材1cと嵌り合う凸部18aを備えた構成としている。
各リンク部材20は、軸部材30によって端部片部材18に支持される。
このヒンジ4を用いた開閉装置Bによれば、閉塞部材1cと凸部18aとが重なり合うため、閉塞部材1cとヒンジ本体10との間に隙間が形成されてしまうのを防ぐことができる。
しかも、このヒンジ4は、上下対称に構成されるため、その上側の部材と下側の部材とを共通部品とすることができ、生産性が良好である。
その揺動力に抗する外力(例えば開閉体1a,1bを開放しようとする力)によって、両ヒンジ本体10,10を、その間の角度θが狭まる方向(図16によれば下方)へ揺動させると、前記角度θが所定角度よりも小さくなった時点で、両ヒンジ本体10,10は、その間の角度θが狭まる方向へ、両付勢手段70,70により付勢される。
したがって、この状態においては、前記外力が解除されても、両ヒンジ本体10,10が、それらの間の角度θを徐々に狭めるようにして、自動的に揺動することになる。
よって、ヒンジ本体10,10に対する外力が除去された後も、両ヒンジ本体10,10が狭まる方向へ自動的に揺動することになる。
また、図16に示す好ましい一例によれば、一つのリンク部材20に対し二つの付勢手段70を用いるようにしたが、二つの付勢手段70,70の内の一方を省いた構成とすることも可能である。
このヒンジ6は、上述したヒンジ1に対し付勢部材70’を備えた構成とされる。
付勢部材70’は、略直線状に配置された際の両ヒンジ本体10,10における開閉体厚さ方向(図17における上下方向)の片半部側、換言すれば、図中ヒンジ本体10を開閉体厚さ方向へ分割する仮想中心線L0よりも上側に配置され、その一端側が一方のヒンジ本体10に止着され、他端側が他方のヒンジ本体10に止着されている。
その揺動力に抗する外力(例えば開閉体1a,1bを開放しようとする力)によって、両ヒンジ本体10,10を他方向(図17によれば下方)へ揺動させると、一方のヒンジ本体10と他方のヒンジ本体10との角度θが所定角度を超えた時点で、両ヒンジ本体10,10が他方向へ付勢される。
すなわち、両ヒンジ本体10,10を、その間が狭まる方向へ揺動させた場合、付勢部材70’の一方の止着点dと他方の止着点eとを結ぶ仮想直線deが、一方のヒンジ本体10の中心線L1と他方のヒンジ本体10の中心線L2とが交差する仮想中心点pを超えた時点で、付勢手段70’による引っ張り揺動方向が、両ヒンジ本体10,10を狭める方向へ変換する。
したがって、この状態においては、ヒンジ本体10に対する外力が解除されても、両ヒンジ本体10,10が、それらの間を狭める方向へ自動的に揺動することになる。
この開閉装置Cは、2つの開閉体1a,1bを、その上下端側の各々でヒンジ5により連結している(図18参照)。
一方の開閉体1aは、その幅方向(図示による左右方向)の中央近傍の部分が、図示しないレールによって回動自在かつ幅方向へスライド自在に吊られている。したがって、この開閉体1aは、開閉動作する際に前記レールに沿って幅方向へ移動しながら回動する。
他方の開閉体1bは、その幅方向におけるヒンジ5側と逆側の端部が回動軸qによって回動自在に支持されている。
前記回動軸qは、上下の枠部材等の不動部位に支持され、開閉体1bを回動自在に支持している。
したがって、両開閉体1a,1b間の角度θが前記所定角度よりも大きい範囲内では、前記外力が除去された場合、両開閉体1a,1bが自動的に閉鎖動作する(元に戻ろうとする)ことになる。
したがって、両開閉体1a,1b間の角度θが前記所定角度よりも小さい範囲内では、前記外力が除去されると、両開閉体1a,1bが自動的に開放動作することになる。
また、上記開閉装置Cでは、開閉体1a,1bが厚さ方向の両側へ折れ曲がるようにして開放する両折り式の折戸を構成したが、上述した回動方向規制部材60(図11参照)や、回動方向規制部材60’(図12及び13参照)、枠部材側に設けられる当て板(図示せず)等を用いて、片折り式の折戸を構成するようにしてもよい。
また、上記開閉装置Cによれば、二つの開閉体1a,1bを折戸状に構成し、これら開閉体1a,1bの間にヒンジ5を備えた開閉装置の一例を示したが、他例としては、三以上の開閉体を折戸状に構成した開閉装置であって、隣合う開閉体の間にヒンジ5を備えるようにしてもよい。
また、単数の開閉体がその幅方向の端部側を中心にして回動する所謂ドア装置において、その回動中心部の構造として上記ヒンジ5を用いた構成とすることも可能である。
また、上記開閉装置Cにおいて、ヒンジ5を上述したヒンジ6(図17参照)に置換した構成としても、略同様の作用効果を得ることができる。
1a:開閉体
1b:開閉体
10:ヒンジ本体
20:リンク部材
11a:突片部
12a:突片部
40,40’,40”,50:係止手段
60,60’:回動方向規制部材
A,B,C:開閉装置
Claims (3)
- 近接または接触する二つのヒンジ本体を備え、これらヒンジ本体の内の一方を他方に相対して揺動させるようにしたヒンジにおいて、
双方の前記ヒンジ本体にわたって二つのリンク部材を交差状に配設し、各リンク部材の一端側を一方のヒンジ本体に枢着するとともに、その他端側を他方のヒンジ本体に枢着し、
前記ヒンジ本体は、揺動軸方向における両端部分を構成する一対の端部片部材と同揺動軸方向における中央部分を構成する中央片部材とを備え、前記端部片部材と前記中央片部材には、前記各ヒンジ本体における揺動軸方向の少なくとも一端側に、前記リンク部材を部分的に覆うようにして他方のヒンジ本体側へ突出する突片部がそれぞれ設けられ、
前記二つのリンク部材のそれぞれは、その一端側が一方の前記ヒンジ本体における前記中央片部材の前記突片部と一方の前記端部片部材の前記突片部との間で枢着され、その他端側が他方の前記ヒンジ本体における前記中央片部材の前記突片部と一方の前記端部片部材の前記突片部との間で枢着されており、
対向する前記ヒンジ本体における前記端部片部材の前記突片部間には、隙間が確保されるように、前記端部片部材の突片部は前記中央片部材の突片部よりもその突出寸法が小さく設定され、前記隙間の間隔は人の指が余裕を持って挿入可能な程度に大きく設定されており、
対向する前記ヒンジ本体おける前記中央片部材の前記突出片は、当該突出片の双方が近接又は接触するようにその突出寸法が設定され、当該中央片部材の厚さ方向の寸法は、その揺動軸方向の両側に配設される前記二つのリンク部材間の隙間が当該隙間への指の挿入が阻まれる程度に小さくなるように設定されることで、
一方の前記ヒンジ本体に相対して他方の前記ヒンジ本体を揺動させた際に、これらヒンジ本体の間に物体が進入するのを、その揺動に伴って回動する前記リンク部材により阻むようにしたことを特徴とするヒンジ。 - 前記ヒンジ本体は、前記中央片部材とそれぞれの前記端部片部材との間にスペーサを介在させて形成されることを特徴とする請求項1記載のヒンジ。
- 単数の開閉体、または開閉方向へ連設された複数の開閉体を揺動させて開閉するようにした開閉装置において、
前記開閉体を揺動させるための機構として請求項1又は2記載のヒンジを用いたことを特徴とする開閉装置。
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