JP4725655B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動して回転するハウジング並びにカム軸と連動して回転するベーンロータを備えたバルブタイミング調整装置が、広く用いられている。こうしたバルブタイミング調整装置では、ハウジングの内部においてベーンロータのベーンが回転方向に区画する遅角室又は進角室へ作動液を供給することにより、ハウジングに対するベーンロータの回転位相(以下、単に「回転位相」ともいう)を遅角側又は進角側へ変化させて所望のバルブタイミングを実現する(例えば特許文献1参照)。
さて、特許文献1のバルブタイミング調整装置は、回転位相を遅角側端及び進角側端の間の中間位相に保持して内燃機関の始動性を確保する機能を、発揮するものである。具体的に、特許文献1のバルブタイミング調整装置では、一端を固定端としてハウジングに常時係止させたねじりコイルばねの自由端を、中間位相よりも遅角側にてベーンロータに係止させることにより、当該ベーンロータをハウジングに対する進角側へ付勢するようにしている。これによれば、内燃機関の停止に際して回転位相が中間位相となるまでは、ベーンロータがねじりコイルばねによる進角側への付勢を受けてハウジングに対して相対回転するので、内燃機関の始動時における回転位相を中間位相に保持して機関始動性を確保し得るのである。
特開2007−327490号公報
特許文献1のバルブタイミング調整装置においてねじりコイルばねは、ベーンロータの回転軸となるブッシュに対して、その外周側に配置されている。そして、中間位相よりも遅角側においては、ねじりコイルばねの自由端を係止したベーンロータが付勢される一方で、中間位相よりも進角側においては、ねじりコイルばねの自由端がハウジングに係止されてベーンロータの付勢が禁止されるようになっている。
このように、ハウジングに常時係止される固定端に対して自由端がベーンロータ及びハウジングのいずれかに係止されるねじりコイルばねは、機械的な安定性から、内周側のブッシュに点接触して荷重を与える状態となる。故に、ベーンロータがハウジングに対して相対回転すると、それに伴ってねじりコイルばねが変形しつつブッシュと摺動することにより、摺動抵抗を発生するおそれがある。ここで摺動抵抗は、ハウジングに対するベーンロータの遅角側への相対回転時と進角側への相対回転時とで、即ち回転位相の遅角変化時と進角変化時とで相反方向に発生する。そのため、ねじりコイルばねによる付勢と摺動抵抗とによりベーンロータに作用するトルクには、図17に示すように、遅角変化時と進角変化時との間で大きなヒステリシスが現出する。こうしたヒステリシスは、作動液による正確な回転位相の調整、ひいては正確なバルブタイミングの調整を困難にするため、改善が望まれている。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミングを正確に調整するためのバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、ストッパを有し、クランク軸と連動して回転するハウジングと、カム軸と連動して回転する回転軸並びにハウジングの内部において進角室及び遅角室を回転方向に区画するベーンを一体に有し、遅角室又は進角室へ作動液が供給されることにより、ハウジングに対する回転位相が遅角側又は進角側へ変化するベーンロータと、最内周部分が回転軸に回転方向の巻付状態にて係止され、回転位相の遅角側端及び進角側端の間に設定される中間位相よりも遅角側又は進角側において最内周部分よりも外周部分がストッパに係止されることにより、ベーンロータをハウジングに対する進角側又は遅角側へ付勢する渦巻ばねと、を備え、ハウジングは、上記ストッパとしての第一ストッパを有し、ベーンロータは、第二ストッパを有し、渦巻ばねにおいて最内周部分よりも外周部分は、中間位相よりも遅角側において第一ストッパに係止される一方、中間位相よりも進角側において第二ストッパに係止されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明の渦巻きばねは、ベーンロータに係止される最内周部分よりも外周部分が中間位相よりも遅角側又は進角側にてハウジングのストッパに係止されることにより、ベーンロータをハウジングに対する進角側又は遅角側へ付勢する。故に、内燃機関の停止に際して回転位相が中間位相となるまでは、ベーンロータが渦巻きばねによる進角側又は遅角側への付勢を受けてハウジングに対して相対回転することになるので、内燃機関の始動時における回転位相を中間位相に保持して機関始動性を確保し得る。
それに加えて、請求項1に記載の発明の渦巻きばねは、最内周部分がベーンロータの回転軸に回転方向の巻付状態にて係止されることで変形を抑えられているので、ハウジングに対するベーンロータの相対回転に伴って回転軸と摺動し難くなる。故に、渦巻きばねの最内周部分と回転軸との摺動に起因して、ハウジングに対するベーンロータの遅角側への相対回転時と進角側への相対回転時とで、即ち回転位相の遅角変化時と進角変化時とで相反方向に摺動抵抗が発生する事態を、抑制し得る。したがって、渦巻きばねによる付勢と摺動抵抗とによりベーンロータに作用するトルクにつき、回転位相の遅角変化時と進角変化時との間で現出するヒステリシスを低減して、作動液供給による回転位相調整、ひいてはバルブタイミング調整を正確に行うことができる。
さらに、請求項1に記載の発明によると、渦巻きばねにおいてベーンロータの回転軸に係止される最内周部分よりも外周部分は、中間位相よりも遅角側ではハウジングの上記ストッパとしての第一ストッパに係止されるので、ベーンロータを進角側の中間位相まで確実に付勢し得る。これに対して中間位相よりも進角側では、渦巻きばねの最内周部分及びそれよりも外周部分はベーンロータの回転軸及び第二ストッパにそれぞれ係止されるので、当該渦巻きばねによるベーンロータの付勢が禁止されることとなる。故に中間位相よりも進角側では、平均的に偏る変動トルクによってベーンロータを、当該変動トルクの偏り側となる遅角側の中間位相まで確実に付勢し得る。以上によれば、内燃機関の始動時における回転位相を中間位相に確実に保持して、始動性の確保効果を高めることができる。
一般に、カム軸からベーンロータへ伝達される変動トルクは、ハウジングに対する遅角側へ平均的に偏っている。そこで、請求項2に記載の発明のベーンロータは、カム軸から変動トルクを伝達されることにより、ハウジングに対する遅角側へ平均的に偏って付勢され、渦巻きばねは、中間位相よりも遅角側においてハウジングの第一ストッパに係止されることにより、ベーンロータをハウジングに対する進角側へ付勢する。この発明によると、中間位相よりも遅角側では、渦巻きばねをハウジングの第一ストッパに係止させて、平均的に遅角側へ偏る変動トルクに抗してベーンロータを進角側へ付勢することにより、内燃機関の停止に際して回転位相を中間位相まで変化させ得る。また一方、中間位相よりも進角側では、平均的に遅角側へ偏る変動トルクを利用することにより、内燃機関の停止に際して回転位相を中間位相まで変化させ得る。これらによれば、内燃機関の始動時における回転位相を中間位相に両側から保持して、機関始動性を確保することが可能となる。
請求項に記載の発明の第一ストッパ及び第二ストッパは共に、回転軸の軸方向に沿う柱状に形成され、渦巻ばねにおいて最内周部分よりも外周部分となる最外周部分は、第一ストッパに係止されたときに当該第一ストッパを回転軸の径方向に挟んで回転軸の回転方向に開口するU字状の第一係止部と、第二ストッパに係止されたときに当該第二ストッパを回転軸の径方向に挟んで回転軸の回転方向に開口するU字状の第二係止部と、を形成する。この発明によると、渦巻ばねにおいて最内周部分よりも外周部分となる最外周部分の第一係止部は、中間位相より遅角側でハウジングの第一ストッパに係止される。このとき、回転軸の回転方向にU字状に開口する第一係止部は、回転軸の軸方向に沿う柱状の第一ストッパを回転軸の径方向に挟むことで、内周側へ位置ずれし難くなる。また一方、渦巻ばねの最外周部分の第二係止部は、中間位相より進角側でベーンロータの第二ストッパに係止される。このとき、回転軸の回転方向にU字状に開口する第二係止部は、回転軸の軸方向に沿う柱状の第二ストッパを回転軸の径方向に挟むことにより、内周側へ位置ずれし難くなる。以上によれば、最外周部分の係止位置のずれに起因して渦巻きばねの内外周の素線間に摺動抵抗が発生することによりベーンロータへの作用トルクにヒステリシスが現出する事態を、回転位相に拘らずに回避して、バルブタイミング調整の正確性を確保することができる。
請求項に記載の発明の渦巻ばねは、内外周の素線同士が互いに離間するひげぜんまいからなる。この発明によると、ひげぜんまいからなる渦巻きばねは、ハウジングに対するベーンロータの相対回転に伴うねじりによっても、内外周の素線同士を離間させた形状を維持し得る。これによれば、渦巻きばねの内外周の素線間に摺動抵抗が発生することによりベーンロータへの作用トルクにヒステリシスが現出する事態を、回転位相に拘らずに回避して、バルブタイミング調整の正確性を確保することができる。
請求項に記載の発明の渦巻ばねの最内周部分は、回転方向の少なくとも180度の範囲にて回転軸に巻付けられる。この発明によると、渦巻きばねにおいて回転方向の少なくとも180度の範囲にて回転軸に巻付けられる最内周部分については、形状が安定することにより、回転軸との間に摺動抵抗が発生し難くなる。これによれば、ベーンロータへの作用トルクに現出するヒステリシスの低減作用を高めて、バルブタイミングの正確な調整に貢献することができる。
請求項に記載の発明の回転軸は、回転方向において輪郭が屈曲する角部を形成し、渦巻ばねの最内周部分は、当該角部を跨いで回転軸に巻付けられる。この発明によると、回転方向において輪郭が屈曲する角部を形成の回転軸に当該角部を跨いで巻付けられる渦巻ばねの最内周部分は、回転軸による係止位置のずれを抑制された状態となる。これにより、渦巻ばねの最内周部分と回転軸との間に摺動抵抗が発生し難くなるので、ベーンロータへの作用トルクに現出するヒステリシスの低減作用を高めて、バルブタイミングの正確な調整に貢献することができる。
請求項に記載の発明において回転軸の輪郭形状は、角部を形成する多角形状であり、渦巻ばねの最内周部分は、回転方向の少なくとも180度の範囲に形成された複数の角部に跨って回転軸に巻付けられる。この発明によると、輪郭形状が多角形状の回転軸において回転方向の少なくとも180度の範囲に形成の複数の角部に跨って巻付けられる渦巻ばねの最内周部分は、回転軸による係止位置のずれを抑制されるのみならず、形状も安定することになる。これによれば、渦巻ばねの最内周部分と回転軸との間の摺動抵抗に起因してベーンロータへの作用トルクに現出するヒステリシスの低減作用を飛躍的に高めて、バルブタイミングの正確な調整に大きく貢献することができるのである。
請求項に記載の発明においてベーンロータは、渦巻ばねの最内周部分を回転軸との間に挟むガイドを有する。この発明によると、回転軸の角部に跨った巻付状態と共に、ガイドと回転軸との間に挟まれた状態となる渦巻ばねの最内周部分は、回転軸による係止位置のずれを確実に規制され得る。これによれば、渦巻ばねの最内周部分と回転軸との間の摺動抵抗に起因してベーンロータへの作用トルクに現出するヒステリシスの低減作用を飛躍的に高めて、バルブタイミングの正確な調整に大きく貢献することができるのである。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す構成図であって、図2のI−I線断面図である。 図1に示す駆動部のII−II線断面図である。 図1に示す駆動部が受ける変動トルクについて説明するための模式図である。 図1に示す駆動部のIV−IV線矢視図である。 図4に示す渦巻きばねの平面図(a)及び側面図(b)である。 図4に示す付勢構造の作動について説明するための模式図である。 図4に示す付勢構造の作動について説明するための模式図である。 図4に示す付勢構造の作動について説明するための模式図であって、図6のVIII−VIII線断面図に相当する図である。 図4に示す付勢構造の作動について説明するための模式図であって、図7のIX−IV線断面図に相当する図である。 図4に示す付勢構造の作動による作用効果について説明するための特性図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の駆動部を示す構成図であって、図4に対応する図である。 図11に示す付勢構造の作動について説明するための模式図である。 図11に示す付勢構造の作動について説明するための模式図である。 図11に示す付勢構造の作動について説明するための模式図であって、図12のXIV−XIV線断面図に相当する図である。 図11に示す付勢構造の作動について説明するための模式図であって、図13のXV−XV線断面図に相当する図である。 図4の変形例を示す構成図である。 本発明により解決する課題について説明するための特性図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を車両の内燃機関に適用した例を示している。バルブタイミング調整装置1は、カム軸2が開閉する「動弁」としての吸気弁のバルブタイミングを、「作動液」としての作動油により調整する。バルブタイミング調整装置1は、クランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されて作動油により駆動される駆動部10、並びに当該駆動部10への作動油供給を制御する制御部40を備えている。
(駆動部)
まず、駆動部10の詳細を説明する。図1,2に示す駆動部10においてハウジング11は、シューハウジング12、スプロケット13及びフロントプレート15等から構成されている。
金属製のシューハウジング12は、円筒状のハウジング本体120と、仕切部として複数のシュー121,122,123とを有している。各シュー121,122,123は、ハウジング本体120において回転方向へ所定間隔ずつあけた箇所から内周側へ突出している。各シュー121,122,123の突出側端面は円弧面状であり、ベーンロータ14の回転軸140の外周面に摺接する。回転方向において隣り合うシュー121,122,123の間には、それぞれ収容室20が形成される。
スプロケット13及びフロントプレート15は共に金属で円環板状に形成されており、それぞれシューハウジング12の両端部に同軸上に固定されている。ここで、複数の歯19が外周側へ突出してなるスプロケット13は、それらの歯19に掛けられるタイミングチェーン(図示しない)を介してクランク軸と連繋する。これにより内燃機関の運転中は、クランク軸からスプロケット13へ機関トルクが伝達されることで、ハウジング11がクランク軸と連動して図2の時計方向へ回転する。
金属製のベーンロータ14は、ハウジング11内に同軸上に収容されており、軸方向の両側にてハウジング11のスプロケット13及びフロントプレート15と摺接する。ベーンロータ14は、円筒状の回転軸140と、ベーン141,142,143とを有している。
回転軸140は、カム軸2に対して同軸上に固定されている。これによりベーンロータ14は、カム軸2と連動して図2の時計方向へ回転すると共に、ハウジング11に対して相対回転可能となっている。ここで本実施形態の回転軸140は、軸本体144の両側に、スプロケット13を軸方向に貫通してハウジング11外部のカム軸2に固定されるボス145と、フロントプレート15を軸方向に貫通してハウジング11外部に開口するブッシュ146とを固定してなる。各ベーン141,142,143は、回転軸140の軸本体144において回転方向へ所定間隔ずつあけた箇所から外周側へ突出し、それぞれ対応する収容室20内に収容されている。各ベーン141,142,143の突出側端面は円弧面状に形成され、ハウジング本体120の内周面と摺接する。
各ベーン141,142,143は、それぞれ対応する収容室20を回転方向に区画することにより、進角室22,23,24並びに遅角室26,27,28をハウジング11の内部に形成している。具体的に、シュー121及びベーン141の間には進角室22が形成され、シュー122及びベーン142の間には進角室23が形成され、シュー123及びベーン143の間には進角室24が形成されている。これら進角室22,23,24は、作動油が導入されることにより容積拡大し、シュー121,122,123に対してベーン141,142,143を進角側へ押圧する。これに対して、シュー122及びベーン141の間には遅角室26が形成され、シュー123及びベーン142の間には遅角室27が形成され、シュー121及びベーン143の間には遅角室28が形成されている。これら遅角室26,27,28は、作動油が導入されることにより容積拡大し、シュー122,123,121に対してベーン141,142,143を遅角側へ押圧する。
以上の構成により駆動部10では、進角室22,23,24への作動油導入及び遅角室26,27,28からの作動油排出により回転位相は進角側へと変化し、それに応じてバルブタイミングが進角することになる。また一方、遅角室26,27,28への作動油導入及び進角室22,23,24からの作動油排出により回転位相は遅角側へと変化し、それに応じてバルブタイミングが遅角することになる。
ここで、図2に示す作動状態により実現される回転位相は、進角側端及び遅角側端の間となる中間位相のうち、内燃機関の始動性を確保する上で最適な始動位相である。そこで、本実施形態の始動位相については、例えば内燃機関のクランキング中に気筒への吸入空気量が吸気弁の閉弁遅延により過度に減少する事態を抑制して、内燃機関の始動を許容し得るように設定される。
(制御部)
次に、制御部40の詳細を説明する。図1,2に示す制御部40において、カム軸2を貫通して設けられる進角通路42は、回転位相の変化に拘らず進角室22,23,24と常時連通する。また、カム軸2を貫通して設けられる遅角通路44は、回転位相の変化に拘らず遅角室26,27,28と常時連通する。
図1に示す供給通路46は、供給源であるポンプ4の吐出口と連通しており、オイルパン5からポンプ4の吸入口へ吸入された作動油が当該吐出口から吐出供給されるようになっている。ここで本実施形態のポンプ4は、内燃機関の回転に伴ってクランク軸により駆動されるメカポンプであり、内燃機関が停止するまで当該駆動が継続されるようになっている。また、ドレン通路48は、オイルパン5に作動油を排出可能に設けられている。
位相制御弁50は、進角通路42、遅角通路44、供給通路46及びドレン通路48に機械的に接続されている。位相制御弁50は、ソレノイド52への通電に従って作動することにより、進角通路42及び遅角通路44にそれぞれ連通する通路を供給通路46及びドレン通路48の間で切換える。
制御回路54は、マイクロコンピュータを主体に構成されており、位相制御弁50のソレノイド52と電気的に接続されている。制御回路54は、ソレノイド52への通電を制御する機能と共に、内燃機関の作動を制御する機能を備えている。
こうした構成の制御部40では、制御回路54により制御されたソレノイド52への通電に従って位相制御弁50が作動することにより、進角通路42及び遅角通路44に対する供給通路46及びドレン通路48の各連通状態が切換えられる。その結果、進角通路42及び遅角通路44にそれぞれ供給通路46及びドレン通路48が連通するときには、ポンプ4からの作動油が通路46,42を通じて進角室22,23,24へ導入され、遅角室26,27,28の作動油が通路44,48を通じてオイルパン5へと排出される。したがって、このときには、回転位相の進角側への変化によりバルブタイミングが進角することになる。また一方、遅角通路44及び進角通路42にそれぞれ供給通路46及びドレン通路48が連通するときには、ポンプ4からの作動油が通路46,44を通じて遅角室26,27,28へ導入され、進角室22,23,24の作動油が通路42,48を通じてオイルパン5へと排出される。したがって、このときには、回転位相の遅角側への変化によりバルブタイミングが遅角することになる。
(特徴構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴構成を詳細に説明する。
(変動トルクの作用構造)
ベーンロータ14の回転軸140にカム軸2が固定されている駆動部10において内燃機関の回転中は、カム軸2が開閉駆動する吸気弁からのスプリング反力等に起因して、変動トルクがベーンロータ14に作用する。ここで、図3に例示するように変動トルクは、ハウジング11に対する進角側へベーンロータ14を付勢する負トルクと、ハウジング11に対する遅角側へベーンロータ14を付勢する正トルクとの間において、交番するものである。そして、特に本実施形態の変動トルクについては、カム軸2及び軸受間のフリクション等に起因して、正トルクのピークトルクT+が負トルクのピークトルクT−よりも大きくなっており、それらの平均トルクTaveが正トルク側へ偏っている。したがって、内燃機関の回転中においてベーンロータ14は、カム軸2から伝達される変動トルクにより、ハウジング11に対する遅角側へ平均的に偏って付勢されるようになっている。
(付勢構造)
図1,4に示す駆動部10においてハウジング11には、フロントプレート15に固定されてシューハウジング12とは反対側へ突出する金属製の第一ストッパ18が、設けられている。本実施形態の第一ストッパ18は、回転軸140の回転中心Oに対して設定距離Lsを挟んで偏心する位置から、回転軸140の軸方向に沿う円柱ピン状に突出している。
ベーンロータ14において、フロントプレート15からシューハウジング12とは反対側へ突出する回転軸140のブッシュ146は、正八角形状の外周面146aにより、輪郭が回転方向にて屈曲する八つの角部146bを形成している。さらにベーンロータ14は、ブッシュ146から径方向の相反方向へ平板状に突出する一対のアーム147a,147bを有している。一方のアーム147aは、フロントプレート15側へ突出する金属製の第二ストッパ148を一体に形成している。本実施形態の第二ストッパ148は、回転軸140の回転中心Oに対して第一ストッパ18の場合と実質的に同距離Lsを挟んで偏心する位置から、回転軸140の軸方向に沿う円柱ピン状に突出し、且つ回転軸140の回転方向において第一ストッパ18と重ならないようになっている。他方のアーム147bには、それに固定されてフロントプレート15側へ突出する金属製のガイド149が設けられている。本実施形態のガイド149は、回転軸140の回転中心Oに対してストッパ18,148の場合Lsよりも小さな距離Lgを挟んで偏心する位置から、回転軸140の軸方向に沿う円柱ピン状に突出している。
回転軸140においてブッシュ146の外周側には、金属製の渦巻きばね70が配置されている。図1,4,5に示すように渦巻きばね70は、実質的に平面内での渦巻き状に形成されて内外周の素線同士が互いに離間する非接触型のひげぜんまいからなる。渦巻きばね70は、その渦巻き中心Pが回転軸140の回転中心Oに対して位置合わせされて、フロントプレート15とアーム147a,147bとの間に配置されている。
図4に示す渦巻きばね70において最内周部分72は、回転軸140の回転方向の少なくとも180度の範囲にてブッシュ146の外周面146aに沿う形状に屈曲されることで、四つの屈曲部72a(図5も参照)を形成している。各屈曲部72aは、ブッシュ146の外周面146aにおいてそれぞれ対応する角部146bに嵌合している。これにより渦巻きばね70の最内周部分72は、回転方向の少なくとも180度の範囲に形成の四つの角部146bを跨いでブッシュ146に巻付けられて、回転軸140により回転方向の両側に係止されている。さらに、渦巻きばね70の最内周部分72のうち、先端部から数えて二つ目の屈曲部72aと三つ目の屈曲部72aとの間を結ぶ線状部分72bについては、ガイド149とブッシュ146の外周面146aとの間に挟まれている。これにより渦巻きばね70の最内周部分72は、回転軸140による係止位置のずれを規制された状態となっている。したがって、本実施形態では、回転軸140に対して溶着や接着等による渦巻きばね70の固着が不要となっているが、そうした渦巻きばね70の固着を行ってもよい。
図4に示す渦巻きばね70において、最内周部分72よりも外周部分となる最外周部分74はU字状に湾曲又は屈曲されることで、係止部74a,74b(図5も参照)を形成している。ここで、係止部74a,74bの形成位置は、回転軸140の回転中心Oに対してストッパ18,148の場合と実質的に同距離Lsを挟む位置に、設定されている。
図1,4に示すように第一係止部74aは、最外周部分74において回転軸140の軸方向のフロントプレート15側に設けられ、回転軸140の回転方向のうちハウジング11に対する遅角側へ向かってU字状に開口している。図6に示すように、始動位相よりも遅角側の回転位相において第一係止部74aは、回転軸140の径方向に第一ストッパ18を挟んだ状態で当該ストッパ18により係止されることで、内周側への位置ずれを規制されるようになっている。
図1,4に示すように第二係止部74bは、最外周部分74において回転軸140の軸方向のアーム147a側に第一係止部74aからずれて設けられ、回転軸140の回転方向のうちハウジング11に対する遅角側へ向かってU字状に開口している。図7に示すように、始動位相よりも進角側の回転位相において第二係止部74bは、回転軸140の径方向に第二ストッパ148を挟んだ状態で当該ストッパ18により係止されることで、内周側への位置ずれを規制されるようになっている。
尚、最内周部分72及び最外周部分74が屈曲又は湾曲される形状の渦巻きばね70については、例えば厚さ2mm及び幅7mm程度の金属線材をダイス間へ押出して、プレス加工により当該形状を付与すること等によって製造可能である。
以上の付勢構造によれば、回転位相が始動位相よりも遅角側へ変化するときには、ベーンロータ14の回転軸140に最内周部分72を係止される渦巻きばね70は、図6,8の如く最外周部分74のうち第一係止部74aをハウジング11の第一ストッパ18に係止される。このとき、渦巻きばね70の最外周部分74のうち第二係止部74bからはベーンロータ14の第二ストッパ148が遅角側へ離間するので、渦巻きばね70によってベーンロータ14が進角側へ付勢された状態となる。
これに対し、回転位相が始動位相よりも進角側へ変化するときには、回転軸140に最内周部分72を係止される渦巻きばね70は、図7,9の如く最外周部分74のうち第二係止部74bを第二ストッパ148に係止される。このとき、渦巻きばね70の最外周部分74のうち第一係止部74aは第一ストッパ18から進角側へ離間するので、渦巻きばね70によるベーンロータ14の付勢が禁止された状態となる。
ここまで説明の第一実施形態によると、始動位相よりも遅角側では、ハウジング11の第一ストッパ18とベーンロータ14の回転軸140とに係止される渦巻きばね70により、平均的に遅角側へ偏る変動トルクに抗してベーンロータ14が進角側へ付勢される。また一方、始動位相よりも進角側では、ベーンロータ14の第二ストッパ148及び回転軸140に渦巻きばね70が係止されるので、平均的に遅角側へ偏る変動トルクによってベーンロータ14が当該遅角側へ付勢されることになる。これらによれば、内燃機関の停止に際して回転位相を遅角側からでも進角側からでも始動位相まで変化させることができるので、内燃機関の始動時における回転位相を始動位相に保持して機関始動性を確保し得るのである。
ここで、第一実施形態による渦巻きばね70の最内周部分72は、ベーンロータ14の回転軸140をなすブッシュ146に対して回転方向の巻付状態で係止されているので、ハウジング11に対するベーンロータ14の相対回転に伴って変形し難い。また特に、第一実施形態の最内周部分72については、回転方向の少なくとも180度の範囲にてブッシュ146の外周面146aに形成の四つの角部146bを跨いで巻付けられているので、形状が安定するのみならず、係止位置のずれを規制されることになる。さらにベーンロータ14において、角部146bを跨いだ巻付状態と共にブッシュ146及びガイド149間に挟まれた第一実施形態の最内周部分72は、係止位置のずれの規制作用を高められている。これらによれば、最内周部分72とブッシュ146との摺動に起因して、ハウジング11に対するベーンロータ14の遅角側への相対回転時と進角側への相対回転時とで、即ち回転位相の遅角変化時と進角変化時とで相反方向に摺動抵抗が発生する事態を、抑制し得る。
加えて、ひげぜんまいからなる第一実施形態の渦巻きばね70は、ハウジング11に対するベーンロータ14の相対回転に伴うねじりによっても、内外周の素線同士を互いに離間させた形状を維持し得る。さらに、第一実施形態において渦巻きばね70の最外周部分74は、係止部74a又は74bがストッパ18又は148に係止されることにより、素線間隔を狭める内周側への位置ずれを回転位相に拘らず規制されることになる。これらによれば、回転位相の遅角変化時と進角変化時とで相反方向の摺動抵抗が渦巻きばね70の素線間に発生する事態を、抑制し得るのである。
このように、渦巻きばね70において最内周部分72及びブッシュ146間の摺動抵抗並びに素線間の摺動抵抗が抑制される第一実施形態では、渦巻きばね70による付勢と摺動抵抗とによってベーンロータ14に作用するトルクにつき、図10の如き傾向が現出する。即ち、回転位相の遅角変化時と進角変化時との間においてベーンロータへの作用トルクに現出するヒステリシスは、先述した図17の場合と比べて低減されることになる。したがって、作動油供給による回転位相調整、ひいてはバルブタイミング調整を正確に行うことができるのである。
(第二実施形態)
図11に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態においてハウジング1011の第一ストッパ1018は、ベーンロータ14の第二ストッパ148よりも外周側に配置されている。即ち、第二ストッパ148が設定距離Lsを挟んで偏心している回転軸140の回転中心Oに対して、第一ストッパ1018は設定距離Lsよりも大きな距離lsを挟んで偏心しているのである。
さらに第二実施形態において、ひげぜんまいからなる渦巻きばね1070の最外周部分1074は、ω字状に湾曲又は屈曲されることで係止部1074a,1074bを形成している。ここで第一係止部1074aの形成位置は、回転軸140の回転中心Oに対して第一ストッパ1018の場合と実質的に同距離lsを挟む位置に、設定されている。また一方、第二係止部1074bの形成位置は、回転軸140の回転中心Oに対して第二ストッパ148の場合と実質的に同距離Lsを挟む位置に、設定されている。
こうした距離設定により回転軸140の径方向にずらされた各係止部1074a,1074bは、回転軸140の回転方向のうちハウジング1011に対する遅角側へ向かってU字状に開口している。図12に示すように、始動位相よりも遅角側の回転位相において第一係止部1074aは、回転軸140の径方向に第一ストッパ1018を挟んだ状態で当該ストッパ1018により係止されることで、内周側への位置ずれを規制されるようになっている。また一方、図13に示すように、始動位相よりも進角側の回転位相において第二係止部1074bは、回転軸140の径方向に第二ストッパ148を挟んだ状態で当該ストッパ148により係止されることで、内周側への位置ずれを規制されるようになっている。
以上の構成により、回転位相が始動位相よりも遅角側へ変化するときには、回転軸140に最内周部分72を係止される渦巻きばね1070は、図12,14の如く最外周部分1074のうち第一係止部1074aを第一ストッパ1018に係止される。このとき、渦巻きばね1070の最外周部分1074のうち第二係止部1074bからは第二ストッパ148が遅角側へ離間するので、渦巻きばね1070によってベーンロータ14が進角側へ付勢された状態となる。
これに対し、回転位相が始動位相よりも進角側へ変化するときには、回転軸140に最内周部分72を係止される渦巻きばね1070は、図13,15の如く最外周部分1074のうち第二係止部1074bを第二ストッパ148に係止される。このとき、渦巻きばね1070の最外周部分1074のうち第一係止部1074aは第一ストッパ1018から進角側へ離間するので、渦巻きばね1070によるベーンロータ14の付勢が禁止された状態となる。
このような第二実施形態によると、中間位相よりも遅角側では、ハウジング1011の第一ストッパ1018とベーンロータ14の回転軸140とに係止される渦巻きばね1070により、平均的に遅角側へ偏る変動トルクに抗してベーンロータ14が進角側へ付勢される。また一方、中間位相よりも進角側では、ベーンロータ14の第二ストッパ148及び回転軸140に渦巻きばね1070が係止されるので、平均的に遅角側へ偏る変動トルクによってベーンロータ14が当該遅角側へ付勢されることになる。これらによれば、第一実施形態と同様、内燃機関の停止に際して回転位相を始動位相まで両側から変化させることができるので、機関始動性を確保し得るのである。
さらに、第一実施形態と同様の原理により第二実施形態の渦巻きばね1070においても、最内周部分72及びブッシュ146間の摺動抵抗並びに素線間の摺動抵抗が抑制されて、ベーンロータへの作用トルクに現出のヒステリシスが低減され得る。したがって、作動油供給による回転位相調整、ひいてはバルブタイミング調整を正確に行うことができるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、図16に変形例(同図は、図4に示す第一実施形態の変形例)を示すように、ベーンロータ14の回転軸140においてブッシュ146の外周面146aを円筒面状に形成してもよい。この場合、渦巻きばね70,1070の最内周部分72を、好ましくは少なくとも180度の範囲で当該外周面146aに巻付けて係止させることになる。また、ベーンロータ14の回転軸140におけるブッシュ146の外周面146aについては、少なくとも一つの角部146bを形成するように、例えば輪郭形状を正八角形状以外の多角形形状にしてもよい。さらにまて、ベーンロータ14の回転軸140におけるブッシュ146の外周面146aとの間に渦巻きばね70,1070の最内周部分72を挟むガイド149については、設けないようにしてもよい。
渦巻きばね70については、実質的に平面内での渦巻き状に形成されて内外周の素線同士が互いに接触するぜんまいから、構成してもよい。また、渦巻きばね70についてストッパ18,1018,148による係止部分を、最内周部分72よりも外周側且つ最外周部分74よりも内周側に設定してもよい。
ハウジング11,1011及びベーンロータ14の回転方向については、第一及び第二実施形態の場合と反対方向(図2,4,11等の反時計方向)に、設定してもよい。この場合、「進角」及び「遅角」の関係が各実施形態にて説明のものとは逆になる。即ち、始動位相よりも進角側において渦巻きばね70,1070がベーンロータ14を遅角側へ付勢することになるのである。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調製する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用することができるのである。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、10 駆動部、11,1011 ハウジング、14 ベーンロータ、140 回転軸、141,142,143 ベーン、144 軸本体、145 ボス、146 ブッシュ、146a 外周面、146b 角部、147a,147b アーム、148 第二ストッパ、149 ガイド、15 フロントプレート、18,1018 第一ストッパ、22,23,24 進角室、26,27,28 遅角室、40 制御部、42 進角通路、44 遅角通路、50 位相制御弁、54 制御回路、70,1070 渦巻きばね、72 最内周部分、72a 屈曲部、72b 線状部分、74,1074 最外周部分、74a,1074a 第一係止部、74b,1074b 第二係止部

Claims (8)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    ストッパを有し、前記クランク軸と連動して回転するハウジングと、
    前記カム軸と連動して回転する回転軸並びに前記ハウジングの内部において進角室及び遅角室を回転方向に区画するベーンを一体に有し、前記遅角室又は前記進角室へ作動液が供給されることにより、前記ハウジングに対する回転位相が遅角側又は進角側へ変化するベーンロータと、
    最内周部分が前記回転軸に回転方向の巻付状態にて係止され、前記回転位相の遅角側端及び進角側端間に設定される中間位相よりも遅角側又は進角側において前記最内周部分よりも外周部分が前記ストッパに係止されることにより、前記ベーンロータを前記ハウジングに対する進角側又は遅角側へ付勢する渦巻ばねと、
    を備え
    前記ハウジングは、前記ストッパとしての第一ストッパを有し、
    前記ベーンロータは、第二ストッパを有し、
    前記渦巻ばねにおいて前記最内周部分よりも外周部分は、前記中間位相よりも遅角側において前記第一ストッパに係止される一方、前記中間位相よりも進角側において前記第二ストッパに係止されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記ベーンロータは、前記カム軸から変動トルクを伝達されることにより、前記ハウジングに対する遅角側へ平均的に偏って付勢され、
    前記渦巻きばねは、前記中間位相よりも遅角側において前記第一ストッパに係止されることにより、前記ベーンロータを前記ハウジングに対する進角側へ付勢することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第一ストッパ及び前記第二ストッパは共に、前記回転軸の軸方向に沿う柱状に形成され、
    前記渦巻ばねにおいて前記最内周部分よりも外周部分となる最外周部分は、
    前記第一ストッパに係止されたときに当該第一ストッパを前記回転軸の径方向に挟んで前記回転軸の回転方向に開口するU字状の第一係止部と、
    前記第二ストッパに係止されたときに当該第二ストッパを前記回転軸の径方向に挟んで前記回転軸の回転方向に開口するU字状の第二係止部と、を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記渦巻ばねは、内外周の素線同士が互いに離間するひげぜんまいからなることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記最内周部分は、回転方向の少なくとも180度の範囲にて前記回転軸に巻付けられることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記回転軸は、回転方向において輪郭が屈曲する角部を形成し、
    前記最内周部分は、当該角部を跨いで前記回転軸に巻付けられることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記回転軸の輪郭形状は、前記角部を形成する多角形状であり、
    前記最内周部分は、回転方向の少なくとも180度の範囲に形成された複数の前記角部に跨って前記回転軸に巻付けられることを特徴とする請求項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記ベーンロータは、前記最内周部分を前記回転軸との間に挟むガイドを有することを特徴とする請求項又はに記載のバルブタイミング調整装置。
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