JP2009191657A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブタイミング調整装置において応答性を確保すること。
【解決手段】 ベーンロータ14に連繋する従動側端部102並びに端部102とは反対側の反従動側端部106を有し、進角方向に端部102から出力されると共に遅角方向に反端部106から出力されるメイン復原力を発生し、ベーンロータ14から端部102の遅角方向に作用する相対回転力が増大するに従ってメイン復原力を増大させるメイン弾性部材100と、ハウジング11に連繋する駆動側端部112並びに端部112とは反対側において端部106に連繋する反駆動側端部116を有し、端部116から出力されて端部106の進角方向に作用するサブ復原力を発生し、端部106から遅角方向に出力されて端部116に作用するメイン復原力が増大するに従ってサブ復原力を増大させるサブ弾性部材110と、を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動して回転する駆動側回転体並びにカム軸と連動して回転する従動回転体を備えた流体駆動式のバルブタイミング調整装置が、広く用いられている。一般に流体駆動式バルブタイミング調整装置では、駆動側回転体と従動側回転体との間に形成した進角室又は遅角室への流体供給により、従動側回転体の駆動側回転体に対する進角方向又は遅角方向に相対回転力が作用することで、バルブタイミングが調整されるようになっている。
こうした流体駆動式バルブタイミング調整装置の一種として特許文献1には、トーションスプリングの一端部を従動側回転体に連繋させると共に、当該トーションスプリングの他端部を駆動側回転体に連繋させるものが、開示されている。具体的に特許文献1の装置では、従動側回転体から作用する相対回転力によってトーションスプリングの一端部が遅角方向にねじられることで、進角方向の復原力が当該従動側回転体に出力されるようになっている。故に、トーションスプリングの復原力によって従動側回転体を駆動側回転体に対する進角方向に迅速に相対回転させて、応答性を高めることができるのである。また、流体供給の停止時には、トーションスプリングの復原力によって従動側回転体が駆動側回転体に対する進角方向に付勢されるため、カム軸から変動トルクが作用する従動側回転体であっても、騒音や位相ずれの要因となる暴れを抑えて進角方向の最端位相に留めておくこともできる。
特開平10−252420号公報
さて、特許文献1の装置では、トーションスプリングにおいて従動側回転体との連繋端部が遅角方向の相対回転力によりねじられるに従って、当該相対回転力に抗して従動側回転体へと出力される復原力が増大する。そのため、遅角方向の相対回転力増大により従動側回転体が駆動側回転体に対して相対回転するほど、増大するトーションスプリングの復原力に抗した当該遅角方向の相対回転速度が低下することになるので、応答性を十分に確保し得なくなるおそれがあった。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミング調整装置において応答性を確保することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、クランク軸と連動して回転する駆動側回転体と、カム軸と連動して回転し、駆動側回転体との間に進角室及び遅角室を形成し、進角室又は遅角室への流体供給により駆動側回転体に対する進角方向又は遅角方向に相対回転力が作用する従動側回転体と、従動側回転体に連繋する従動側端部並びに従動側端部とは反対側の反従動側端部を有し、駆動側回転体に対する進角方向及び遅角方向の一方である第一方向に従動側端部から出力されると共に駆動側回転体に対する進角方向及び遅角方向の他方である第二方向に反従動側端部から出力されるメイン復原力を発生し、従動側回転体から従動側端部の第二方向に作用する相対回転力が増大するに従ってメイン復原力を増大させるメイン弾性部材と、駆動側回転体に連繋する駆動側端部並びに駆動側端部とは反対側においてメイン弾性部材の反従動側端部に連繋する反駆動側端部を有し、反駆動側端部から出力されて反従動側端部の第一方向に作用するサブ復原力を発生し、反従動側端部から第二方向に出力されて反駆動側端部に作用するメイン復原力が増大するに従ってサブ復原力を増大させるサブ弾性部材と、を備えることを特徴とする。
したがって、請求項1に記載の発明によると、サブ弾性部材において駆動側回転体に連繋する駆動側端部とは反対側の反駆動側端部は、メイン弾性部材において従動側回転体に連繋する従動側端部とは反対側の反従動側端部に対して、直列的に連繋した状態となる。ここで、メイン弾性部材において駆動側回転体に対する第一方向に従動側端部から出力されると共に駆動側回転体に対する第二方向に反従動側端部から出力されるメイン復原力は、従動側回転体から従動側端部の第二方向に作用する相対回転力の増大に従って増大するようになっている。故に、各弾性部材の直列的連繋状態下、メイン弾性部材の反従動側端部から第二方向に出力されてサブ弾性部材の反駆動側端部に作用するメイン復原力が、第二方向の相対回転力に追従して増大するような場合、反駆動側端部から出力されて反従動側端部の第一方向に作用するサブ復原力も増大することになる。これによれば、第二方向の相対回転力の増大によって従動側回転体の駆動側回転体に対する相対回転が進んでも、サブ復原力が増大する分、メイン復原力の増大が抑制されることで、従動側回転体の相対回転速度が低下し難くなる。以上、請求項1に記載の発明によれば、メイン復原力による従動側回転体の第一方向の相対回転時のみならず、メイン復原力に抗した従動側回転体の第二方向の相対回転時にも、応答性を確保することが可能である。
請求項2に記載の発明によると、サブ弾性部材のセット荷重は、メイン弾性部材のセット荷重以上に設定される。故に、駆動側回転体に対する従動側回転体の第一方向の最端位相においては、第二方向に作用する従動側回転体の相対回転力がメイン弾性部材のセット荷以下であるにも拘らずサブ弾性部材がサブ復原力を当該相対回転力と釣り合わせるように弾性変形する事態を、回避し得る。これによれば、流体供給の開始直後において相対回転力の小さな従動側回転体にカム軸から変動トルクが作用することになっても、騒音や位相ずれの要因となる従動側回転体の暴れを抑えることができるのである。
請求項3に記載の発明によると、駆動側回転体は、駆動側回転体に対する従動側回転体の第一方向の最端位相においてメイン弾性部材の反従動側端部を係止するストッパを有する。故に、駆動側回転体に対する従動側回転体の第一方向の最端位相においては、メイン弾性部材の反従動側端部がストッパにより係止されることで、第二方向に作用の相対回転力がメイン弾性部材のセット荷重以下であるにも拘らず従動側回転体が相対回転する事態を、回避し得る。これによれば、セット荷重がメイン弾性部材以上のサブ弾性部材による作用と相俟って、変動トルクに起因する従動側回転体の暴れの抑え効果が高められることとなる。
請求項4に記載の発明によると、サブ弾性部材のセット荷重は、メイン弾性部材のセット荷重と等しく設定される。これによれば、第二方向に作用する従動側回転体の相対回転力がメイン弾性部材のセット荷重を超えると、駆動側回転体に対して従動側回転体が第一方向の最端位相から第二方向に相対回転を開始する。このときメイン復原力は、メイン弾性部材と直列的連繋状態にあるサブ弾性部材のセット荷重を超えるように増大するので、サブ復原力の増大によるメイン復原力の増大抑制機能が従動側回転体の相対回転の開始初期から得られることになる。したがって、流体供給の開始直後における小さな相対回転力によっても従動側回転体を第二方向に迅速に相対回転させて、応答性の向上を図ることが可能となる。
請求項5に記載の発明によると、サブ弾性部材は、駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回転位相範囲の全域においてメイン復原力の増大に従ってサブ復原力を増大させる。これによれば、駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回転位相範囲の全域においてサブ復原力の増大によるメイン復原力の増大抑制機能が得られることになるので、当該全域での応答性の向上が可能となる。
請求項6に記載の発明によると、駆動側回転体は、駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回転位相範囲のうち中間位相と第二方向の最端位相との間においてメイン弾性部材の反従動側端部を係止するストッパを有する。これによれば、駆動側回転体に対する従動側回転体の相対回転位相範囲のうち中間位相と、第二方向の最端位相との間においては、メイン弾性部材の反従動側端部がストッパにより係止されることで、サブ復原力の増大、ひいてはメイン復原力の増大抑制機能が制限されることになる。したがって、従動側回転体に相対回転力を与える作動油の圧力低下が生じたとしても、メイン弾性部材から大きなメイン復原力を従動側回転体に与えて、位相ずれの抑制を図ることが可能である。
請求項7に記載の発明によると、サブ弾性部材のセット荷重は、メイン弾性部材のセット荷重よりも大きく設定される。これによれば、第二方向に作用する従動側回転体の相対回転力がメイン弾性部材のセット荷重を超えると、駆動側回転体に対して従動側回転体が第一方向の最端位相から第二方向に相対回転を開始する。このとき、まずメイン復原力は、メイン弾性部材と直列的連繋状態にあるサブ弾性部材のセット荷重以下の範囲で増大するので、サブ復原力の増大はなく、故に大きなメイン復原力が得られることになる。したがって、流体供給の開始後においてカム軸の変動トルクと共に従動側回転体に作用する相対回転力が小さな状態にあっても、位相ずれの要因となる従動側回転体の暴れをメイン復原力によって抑えることができる。またさらに、メイン復原力が増大してサブ弾性部材のセット荷重を超えた場合には、サブ復原力の増大によるメイン復原力の増大抑制機能が得られるので、応答性の向上に貢献することもできるのである。
請求項8に記載の発明によると、サブ弾性部材の反駆動側端部を覆って設けられ、メイン弾性部材の反従動側端部に当接する当接体を備え、第一方向のサブ復原力は、サブ弾性部材の反駆動側端部から当接体を介してメイン弾性部材の反従動側端部に作用する。これによれば、サブ弾性部材の反駆動側端部を覆う当接体は、反駆動側端部よりも広い面積にてメイン弾性部材の反従動側端部に当接し得る。したがって、このような当接体を介することで、第一方向のサブ復原力をサブ弾性部材の反駆動側端部からメイン弾性部材の反従動側端部へと確実に作用させて、サブ復原力の増大によるメイン復原力の増大抑制機能、ひいては応答性を確保する上での信頼性を高めることができる。
請求項9に記載の発明によると、サブ弾性部材は圧縮スプリングからなり、メイン復原力の増大に従って反駆動側端部が圧縮されることによりサブ復原力を増大させる。このような圧縮コイルスプリングからなるサブ弾性部材によれば、小さな体格にて大きなサブ復原力を出力可能となるので、装置の小型化に貢献することができる。
請求項10に記載の発明によると、サブ弾性部材はトーションスプリングからなり、メイン復原力の増大に従って反駆動側端部が第二方向にねじられることによりサブ復原力を増大させる。このように、反駆動側端部の第二方向へのねじりによってサブ復原力を増大させる、サブ弾性部材としてのトーションスプリングによれば、当該サブ復原力を反駆動側端部からメイン弾性部材の反従動側端部の第二方向に正確に作用させて、メイン復原力の増大抑制機能を確実に発揮させることができる。したがって、応答性を確保する上での信頼性が高められ得る。
請求項11に記載の発明によると、メイン弾性部材はトーションスプリングからなり、従動側回転体から第二方向に作用する相対回転力の増大に従って従動側端部が第二方向にねじられることによりメイン復原力を増大させる。このように、従動側端部の第二方向へのねじりによってメイン復原力を増大させる、メイン弾性部材としてのトーションスプリングによれば、当該メイン復原力を従動側端部から従動側回転体の第一方向に正確に作用させることができる。したがって、従動側回転体の第一方向への相対回転時において応答性を確保する上での信頼性が高められ得る。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を車両の内燃機関に適用した例を示している。バルブタイミング調整装置1は、「作動流体」として作動油を用いる流体駆動式であり、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本的構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本的構成を説明する。バルブタイミング調整装置1は、内燃機関のクランク軸の機関トルクを内燃機関のカム軸2に伝達するトルク伝達系に設置されて作動油により駆動される位相調整部10と、位相調整部10への作動油供給を制御する制御部30とを備えている。
(位相調整部)
図1,2に示すように位相調整部10において、ハウジング11は、周壁部材12、スプロケット部材13及びフロント部材18等から構成されている。
周壁部材12は金属によって形成され、有底円筒状の筒部12a及び仕切部としての複数のシュー12b,12c,12d,12eを有している。
各シュー12b〜12eは、筒部12aにおいて回転方向に略等間隔となる箇所から、径方向内側に突出している。各シュー12b〜12eの突出側端面は、図2の紙面垂直方向から見て円弧形の凹面状であり、ベーンロータ14のボス部14aの外周壁面に摺接する。回転方向において隣り合うシュー12b〜12eの間には、それぞれ収容室50が形成されている。
スプロケット部材13及びフロント部材18は、共に金属によって円環板状に形成されており、それぞれ周壁部材12の両端部に同軸上に螺子留めされている。スプロケット部材13は、タイミングチェーンを介してクランク軸と連繋する。故に内燃機関の運転中は、クランク軸からスプロケット部材13へ機関トルクが伝達されることによって、ハウジング11がクランク軸と連動して図2の時計方向に回転する。
ベーンロータ14は金属によって形成されており、ハウジング11内に同心上に収容されて軸方向の両端部をハウジング11に摺接させる。ベーンロータ14は、円柱状のボス部14a及び複数のベーン14b,14c,14d,14eを有している。
ボス部14aは、カム軸2に対して同軸上に螺子留めされている。これによりベーンロータ14は、カム軸2と連動して図2の時計方向に回転すると共に、ハウジング11に対して相対回転可能となっている。また、図3に示すようにベーンロータ14には、ハウジング11に対する進角方向(以下、単に「進角方向」ともいう)と、ハウジング11に対する遅角方向(以下、単に「遅角方向」ともいう)との間で交互に変動する変動トルクが、カム軸2から作用するようになっている。
図1,2に示すように各ベーン14b〜14eは、ボス部14aにおいて回転方向に略等間隔となる箇所から径方向外側に突出し、それぞれ対応する収容室50内に揺動自在に収容されている。各ベーン14b〜14eの突出側端面は、図2の紙面垂直方向から見て円弧形の凸面状に形成されており、筒部12aの内周壁面に摺接する。
各ベーン14b〜14eは、それぞれ対応する収容室50を回転方向に二分することによって、進角室及び遅角室をハウジング11との間に形成している。具体的には、シュー12bとベーン14bの間に進角室52、シュー12cとベーン14cの間に進角室53、シュー12dとベーン14dの間に進角室54、シュー12eとベーン14eの間に進角室55がそれぞれ形成されている。また、シュー12cとベーン14bの間に遅角室56、シュー12dとベーン14cの間に遅角室57、シュー12eとベーン14dの間に遅角室58、シュー12bとベーン14eの間に遅角室59がそれぞれ形成されている。
このような構成の位相調整部10では、進角室52〜55への作動油供給並びに遅角室56〜59からの作動油排出によって、進角方向の相対回転力がベーンロータ14に作用する。その結果、ベーンロータ14がハウジング11に対して進角方向に相対回転し、バルブタイミングが進角することになる。そして、図2に示すようにベーン14dが進角方向のシュー12eに当接することで、ハウジング11に対するベーンロータ14の相対回転位相が進角方向の最端位相(以下、「最進角位相」という)に制限される。尚、本実施形態においては、ハウジング11に対するベーンロータ14の最進角位相が、内燃機関の始動に適した始動位相となっている。
一方、位相調整部10では、遅角室56〜59への作動油供給並びに進角室52〜55への作動油排出によって、遅角方向の相対回転力がベーンロータ14に作用する。その結果、ベーンロータ14がハウジング11に対して遅角方向に相対回転し、バルブタイミングが遅角することになる。そして、図4に示すようにベーン14dが遅角方向のシュー12dに当接することで、ハウジング11に対するベーンロータ14の相対回転位相が遅角方向の最端位相(以下、「最遅角位相」という)に制限される。
さて、図2に示すように位相調整部10には、さらにロックピン20及び付勢部材22が設けられている。
ロックピン20は金属によって形成され、ベーン14bに嵌合保持されている。付勢部材22は金属製の圧縮コイルスプリングからなり、ロックピン20のフロント部材18側においてベーン14bに保持されている。ロックピン20は、図2の最進角位相において付勢部材22の復原力によって移動してスプロケット部材13の嵌合孔24に嵌合することで、ベーンロータ14をハウジング11に対してロックする。一方、ロックピン20は、ベーン14bを挟む進角室52及び遅角室56の少なくとも一方から供給される作動油の圧力によって嵌合孔24から離脱することで、ハウジング11に対するベーンロータ14のロックを解除して、それら要素11,14間の相対回転を許容する。
(制御部)
図1に示す制御部30において、カム軸2及びその軸受(図示しない)を通じて設けられる進角通路60は、進角室52〜55と連通している。また、カム軸2及びその軸受を通じて設けられる遅角通路62は、遅角室56〜59と連通している。
供給通路64は、流体供給源であるポンプ4の吐出口と連通しており、また排出通路66は、ポンプ4の吸入口側のオイルパン5に作動油を排出可能に設けられている。ポンプ4は、オイルパン5から汲み上げた作動油を加圧して供給通路64へと供給する。ここで本実施形態のポンプ4は、クランク軸により駆動されることで内燃機関の運転と共に作動する、所謂メカポンプである。即ち、ポンプ4からの作動油供給は、内燃機関の始動に伴って開始され、内燃機関の運転中は継続されて、内燃機関の停止に伴いカットされることになる。
制御弁70は、ソレノイド72の発生する電磁駆動力及びリターンスプリング74の発生する復原力を利用してスプールを駆動するスプール弁である。ここで制御弁70には、進角通路60と連通する進角ポート80、遅角通路62と連通する遅角ポート82、供給通路64と連通する供給ポート84、並びに排出通路66と連通する排出ポート86が設けられている。制御弁70は、ソレノイド72への通電に応じて作動することにより、供給ポート84及び排出ポート86に対する進角ポート80及び遅角ポート82の連通状態を制御する。
制御回路90は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、制御弁70のソレノイド72と電気的に接続されている。制御回路90は、ソレノイド72への通電を制御する機能と共に、内燃機関の運転を制御する機能を備えている。
このような構成の制御部30では、制御回路90によって制御されたソレノイド72への通電に従って制御弁70が作動し、ポート84,86に対するポート80,82の連通状態が制御される。具体的には、供給ポート84及び排出ポート86にそれぞれ進角ポート80及び遅角ポート82を連通させるときには、ポンプ4からの供給作動油が通路64,60を経由して進角室52〜55に供給されると共に、遅角室56〜59の作動油が通路62,66を経由してオイルパン5に排出される。一方、供給ポート84及び排出ポート86にそれぞれ遅角ポート82及び進角ポート80を連通させるときには、ポンプ4からの供給作動油が通路64,62を経由して遅角室56〜59に供給されると共に、進角室52〜55の作動油が通路60,66を経由してオイルパン5に排出される。
(特徴的構成)
以下、第一実施形態の特徴的構成を説明する。図1,2に示すように位相調整部10には、さらにメイン弾性部材100、サブ弾性部材110及び当接体120が設けられている。
メイン弾性部材100は金属製のヘリカルトーションスプリングからなり、ボス部14aに対して同軸上にハウジング11内に収容されている。メイン弾性部材100の一端部102は、ボス部14aに設けられた連繋溝104内に嵌入されることで、「従動側回転体」としてのベーンロータ14と連繋する従動側端部102を構成している。また、メイン弾性部材100において従動側端部102とは反対側の反従動側端部106は、ボス部14aに設けられた通孔107内並びにシュー12bに設けられたストッパ溝108内に進角方向と遅角方向とに変位自在に挿入され、当該溝108の進角方向の内端面109と当接可能となっている。
このような構成のメイン弾性部材100は、従動側端部102の遅角方向へのねじり及び反従動側端部106の進角方向へのねじりの少なくとも一方によって弾性変形することで、従動側端部102から進角方向に且つ反従動側端部106から遅角方向に出力されるメイン復原力を発生する。したがって、従動側端部102から出力されてベーンロータ14の進角方向に作用することになるメイン復原力は、ベーンロータ14から遅角方向に作用する相対回転力の増大に従って当該端部102が遅角方向にねじられることにより、増大変化する。尚、ここで、本実施形態のメイン弾性部材100については、最も形状復原した図2の初期状態においてもメイン復原力を発生するように、当該初期状態のセット荷重Fmが設定されている。
図2に示すように、サブ弾性部材110は金属製の圧縮コイルスプリングからなり、その中心線方向がハウジング11の回転方向に略沿うように配置されている。サブ弾性部材110の一端部112側は、シュー12bにおいてストッパ溝108の遅角方向の内端面113に開口する連繋孔114内に嵌入されることで、「駆動側回転体」としてのハウジング11と連繋する駆動側端部112を構成している。サブ弾性部材110において駆動側端部112とは反対側の反駆動側端部116は、図2の如くストッパ溝108内に突出可能且つ図4の如く連繋孔114内に退避可能となっている。以上の構成のサブ弾性部材110は、反駆動側端部116の圧縮により弾性変形することで、当該端部116から出力されるサブ復原力を発生する。
図1,2に示すように、当接体120は金属によって段付円柱状に形成され、その中心線方向がハウジング11の回転方向に略沿うように配置されている。当接体120において小径側のロッド部122は、連繋孔114内に挿入されてサブ弾性部材110の反駆動側端部116に嵌入されている。これにより当接体120において、反駆動側端部116の端面を覆った形となっている大径側の頭部124は、図2の如くストッパ溝108内に突出可能且つ図4の如く連繋孔114内に退避可能となっている。また、このような頭部124は、ストッパ溝108内において遅角方向の内端面113側からメイン弾性部材100の反従動側端部106に常時当接し、それによって反駆動側端部116を反従動側端部106に直列的に連繋させている。尚、頭部124において反従動側端部106との当接端面は、凸状に湾曲する曲面状とされている。これにより、回転方向に変位する反従動側端部106に対して、実質的に直線変位する頭部124が当接し易くなっている。
したがって、サブ弾性部材110の反駆動側端部116から出力されて当接体120を介してメイン弾性部材100の反従動側端部106の進角方向に作用するサブ復原力は、反従動側端部106から遅角方向に作用するメイン復原力の増大に従って反駆動側端部116が圧縮されることにより、増大変化する。尚、ここで、本実施形態のサブ弾性部材110については、最も形状復原した図2の初期状態においてもサブ復原力を発生するように、当該初期状態のセット荷重Fsがメイン弾性部材100のセット荷重Fmと略等しい値に設定されている。これにより、サブ弾性部材110の初期状態においては、反従動側端部106が反駆動側端部116によって当接体120を介してストッパ溝108の進角方向の内端面109に押圧されることで、進角方向には変位不能に係止されるのである。
(特徴的作動)
以下、第一実施形態の特徴的作動を、図2,4,5,6を参照しつつ説明する。尚、図5は、ハウジング11に対するベーンロータ14の相対回転位相が図2の最進角位相と図4の最遅角位相との間の所定の中間位相にある状態を示している。また、図6において実線グラフは、実施形態の例を示し、二点鎖線グラフは、サブ弾性部材110を設けないでメイン弾性部材100の反従動側端部106をシュー12bに直接固定した場合の例(特許文献1の装置に相当するものであり、以下では、「従来例」という)を示している。
内燃機関の停止中は、ポンプ4から進角室52〜55及び遅角室56〜59のいずれにも作動油が供給されず、メイン弾性部材100及びサブ弾性部材110は共に図2の初期状態となる。
内燃機関が始動すると、制御回路90は、制御弁70を制御してポンプ4から進角室52〜55への作動油供給を行うことで、ハウジング11に対するベーンロータ14のロックを解除する。
この後、制御回路90は、制御弁70を制御して遅角室56〜59への作動油供給を開始する。すると、相互連繋要素14,100の従動側端部102に作用する遅角方向の相対回転力がメイン弾性部材100のセット荷重Fm以下の範囲で増大する間は、当該弾性部材100が弾性変形することなく初期状態を維持する(図6の区間A参照)。またこのとき、図6に示すようにメイン弾性部材100と略等しいセット荷重Fsのサブ弾性部材110も、弾性変形することなく初期状態を維持するので、メイン弾性部材100の反従動側端部106は、「ストッパ」としてのストッパ溝108の内端面109に係止されて変位制限される。したがって、相対回転力の小さなベーンロータ14にカム軸2から変動トルクが作用する状態にあっても、騒音や位相ずれの要因となる従動側回転体の暴れが抑えられることになる。
遅角室56〜59への作動油供給が継続されることにより、相互連繋要素14,100に作用する遅角方向の相対回転力が当該弾性部材100のセット荷重Fmを超えると、ベーンロータ14が最進角位相から遅角方向に相対回転し始める。このときメイン弾性部材100のメイン復原力は、サブ弾性部材110のセット荷重Fsを超えるように遅角方向の相対回転力に追従して増大することになる(図6の区間B参照)ので、それに従ってサブ弾性部材110が圧縮されることで、サブ復原力が増大する。その結果、遅角方向の相対回転力増大によってベーンロータ14の相対回転が進んでも、サブ復原力が増大する分、メイン復原力の増大が従来例よりも抑制されることになる(図6の区間B参照)ので、ベーンロータ14の相対回転速度は低下し難いのである。ここで特に第一実施形態では、図2,5,4に示すようにハウジング11に対するベーンロータ14の相対回転位相範囲のうち最進角位相を除いて、各弾性部材100,110の端部106,116の変位を許容し得るよう、それら弾性部材100,110の弾性率が調整されている。これにより、サブ復原力の増大によるメイン復原力の増大抑制機能がベーンロータ14の相対回転位相範囲の全域で発揮されることになる(図6の区間B参照)ので、ベーンロータ14の相対回転速度は相対回転位相によらず低下し難いものとなる。
尚、制御回路90が制御弁70を制御して遅角室56〜59からの作動油排出並びに進角室52〜55への作動油供給を行うときには、ベーンロータ14がメイン弾性部材100のメイン復原力によって進角方向に付勢されながら、当該進角方向に相対回転する。したがって、このような第一実施形態では、ベーンロータ14の進角方向への相対回転速度が、遅角方向への相対回転速度とのトレードオフバランスを図る形で高められることになるのである。
以上説明した第一実施形態によれば、メイン弾性部材100のメイン復原力によるベーンロータ14の進角方向の相対回転時のみならず、当該メイン復原力に抗した遅角方向の相対回転時にも、相対回転位相範囲の全域で応答性を確保することができる。
(第二実施形態)
図7〜9に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、サブ弾性部材210の初期状態においてもサブ復原力を発生する点は第一実施形態と同様であるが、図7に示すように当該初期状態のセット荷重Fsがメイン弾性部材100のセット荷重Fmよりも大きく設定されている。故に、内燃機関始動後の遅角室56〜59への作動油供給により相互連繋要素14,100に作用する遅角方向の相対回転力がセット荷重Fm以下の間は第一実施形態と同様の作動となる(図7の区間A参照)が、当該相対回転力がセット荷重Fmを超えた後は第一実施形態と異なる作動となる。
具体的には、遅角方向の相対回転力がセット荷重Fmを超えると、ベーンロータ14が最進角位相から遅角方向に相対回転し始めるが、このときメイン弾性部材100のメイン復原力は、まずサブ弾性部材210のセット荷重Fs以下の範囲で増大する(図7の区間B参照)。これにより、サブ弾性部材210は弾性変形することなく初期状態を維持するので、従来例と同様な大きなメイン復原力がメイン弾性部材100からベーンロータ14へと与えられることになる。したがって、内燃機関の始動後においてポンプ4から供給される作動油の圧力が低いために、ベーンロータ14に作用する相対回転力が小さい状態にあっても、位相ずれの要因となるベーンロータ14の暴れをメイン弾性部材100のメイン復原力によって抑えることができる。
また、遅角室56〜59への作動油供給の継続により遅角方向の相対回転力が増大し、図8に示す所定の中間位相においてメイン弾性部材100のメイン復原力がサブ弾性部材210のセット荷重Fsを超えると、当該メイン復原力によってサブ弾性部材110が圧縮されることで、サブ復原力が増大する。ここで特に第二実施形態では、ベーンロータ14が図8の中間位相を超えて図9の最遅角位相に達するまでの間において各弾性部材100,210の端部106,116の変位を許容し得るよう、それら弾性部材100,210の弾性率が調整されている。したがって、図8の中間位相と図9の最遅角位相との間においてベーンロータ14が遅角方向に相対回転するときには、サブ復原力の増大分、メイン復原力の増大が抑制されて(図7の区間C参照)、ベーンロータ14の相対回転速度が低下し難くなる。このような第二実施形態によれば、ベーンロータ14の相対回転位相範囲のうち特に、大きなメイン復原力が当該ロータ14に働く位相において、応答性の向上を図ることができるのである。
(第三実施形態)
図10〜12に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。第三実施形態では、サブ弾性部材310の弾性率設定によりメイン弾性部材100の反従動側端部106が、図10に示す所定の中間位相と図11に示す最遅角位相との間においてストッパ溝308の遅角方向の内端面313に当接可能となっている。
こうした第三実施形態では、内燃機関始動後の遅角室56〜59への作動油供給により相互連繋要素14,100に作用する遅角方向の相対回転力がセット荷重Fm以下の間は第一実施形態と同様の作動となる(図12の区間A参照)が、当該相対回転力がセット荷重Fmを超えた後は第一実施形態と異なる作動となる。
具体的には、遅角方向の相対回転力がセット荷重Fmを超えると、まずベーンロータ14が図10の中間位相に達するまでは、遅角方向の相対回転力に追従してメイン弾性部材100のメイン復原力、さらにはサブ弾性部材310のサブ復原力が増大することになる。故にこのときには、メイン復原力の増大抑制機能が発揮されて(図12の区間B参照)、ベーンロータ14の相対回転速度が低下し難くなる。
また、遅角室56〜59への作動油供給の継続により遅角方向の相対回転力が増大することで、ベーンロータ14が図10の中間位相を超えると、メイン弾性部材100の反従動側端部106は、遅角方向のメイン復原力によりストッパ溝308の内端面313に押圧される。その結果、反従動側端部106は、「ストッパ」としての内端面313に係止されて遅角方向の変位を制限されるので、当該端部106に当接するサブ弾性部材310の反駆動側端部116の圧縮も制限されて、サブ復原力の増大が止められることになる。これによりメイン弾性部材100は、内端面313を形成するシュー12bに反従動側端部106が固定された状態と等価となるので、メイン復原力を、サブ復原力によって抑制することなく増大させることとなる(図12の区間C参照)。したがって、第三実施形態によれば、ベーンロータ14に相対回転力を与える作動油に圧力低下が生じたとしても、メイン弾性部材100によって大きなメイン復原力を当該ロータ14に与えて、位相ずれを抑制することが可能となる。
(第四実施形態)
図13,14に示すように、本発明の第四実施形態は第一実施形態の変形例である。第四実施形態では、圧縮コイルスプリングの代わりに、ヘリカルトーションスプリングをサブ弾性部材410として採用している。
具体的にサブ弾性部材410は、メイン弾性部材100と同一巻き方向(本実施形態では左巻き)の金属製のヘリカルトーションスプリングからなり、ハウジング411のフロント部材418に対して同軸上にハウジング11外に配置されている。サブ弾性部材410の一端部412は、フロント部材418に設けられた連繋溝414内に嵌入されることで、「駆動側回転体」としてのハウジング411と連繋する駆動側端部412を構成している。サブ弾性部材410において駆動側端部412とは反対側の反駆動側端部416は、フロント部材418に設けられた通孔419内並びにシュー12bのストッパ溝108内に、進角方向と遅角方向とに変位自在に挿入されている。また、反駆動側端部416は、ストッパ溝108内のメイン弾性部材100の反従動側端部106に対して遅角方向の内端面113側から直接に常時当接しており、それによって当該端部106と直列的に連繋する形となっている。即ち本実施形態では、当接体120を介さないで各弾性部材100,410の端部106,416同士が連繋しているのである。
このような構成のサブ弾性部材410は、反駆動側端部416の遅角方向へのねじりにより弾性変形することで、当該端部416から進角方向に出力されるサブ復原力を発生する。したがって、反駆動側端部416から出力されてメイン弾性部材100の反従動側端部106の進角方向に作用するサブ復原力は、反従動側端部106から作用するメイン復原力の増大に従って反駆動側端部416が遅角方向にねじられることにより、増大変化することとなる。尚、ここで、本実施形態のサブ弾性部材410については、最も形状復原した図14の初期状態においてもサブ復原力を発生するように、当該初期状態のセット荷重Fsがメイン弾性部材100のセット荷重Fmと略等しい値に設定されている。これにより、サブ弾性部材410の初期状態においては、反従動側端部106が反駆動側端部416によってストッパ溝108の進角方向の内端面109に直接押圧されることで、進角方向には変位不能に係止されるのである。
以上説明した特徴的構成を有する第四実施形態では、第一実施形態に準ずる作動を実現することにより、ベーンロータ14の進角方向の相対回転時のみならず、遅角方向の相対回転時にも、相対回転位相範囲の全域で応答性を確保することができるのである。尚、第四実施形態においては、第一実施形態に準ずる作動を実現する代わりに、第二又は第三実施形態に準ずる作動を実現して先に説明の効果を享受するようにしてもよい。
(第五実施形態)
図15,16に示すように、本発明の第五実施形態は第一実施形態の変形例である。第五実施形態では、段付円柱状の代わりに、有底円筒状の当接体520を採用している。
具体的に当接体520は、金属によって有底円筒状に形成され、その中心線方向がハウジング11の回転方向に略沿うように配置されている。当接体520において開口部522側は、シュー12bの連繋孔114内に挿入されてサブ弾性部材110の反駆動側端部116に外嵌されている。これにより当接体520において、反駆動側端部116の端面を覆った形となっている底部524は、図15の如くストッパ溝108内に突出可能且つ図16の如く連繋孔114内に退避可能となっている。また、このような底部524は、ストッパ溝108内において遅角方向の内端面113側からメイン弾性部材100の反従動側端部106に常時当接することで、反従動側端部106に対して反駆動側端部116を直列的に連繋させている。尚、底部524において反従動側端部106との当接端面は、第一実施形態の場合に準じた曲面状とされている。
したがって、反駆動側端部116から出力されて当接体520を介して反従動側端部106の進角方向に作用することになるサブ復原力は、反従動側端部106から遅角方向に作用するメイン復原力の増大に従って反駆動側端部が圧縮されることにより、増大変化するのである。
以上説明した特徴的構成を有する第五実施形態では、第一実施形態に準ずる作動を実現することにより、ベーンロータ14の進角方向の相対回転時のみならず、遅角方向の相対回転時にも、相対回転位相範囲の全域で応答性を確保することができるのである。尚、第五実施形態においては、第一実施形態に準ずる作動を実現する代わりに、第二又は第三実施形態に準ずる作動を実現して先に説明の効果を享受するようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、第一〜第五実施形態において「進角」及び「遅角」の関係を、先に説明のものとは逆にしてもよい。また、第一〜第五実施形態においては、ヘリカルトーションスプリングの代わりに、例えばトーションスプリングとしてのスパイラルスプリング(渦巻きばね)や圧縮スプリングとしての圧縮コイルスプリング等をメイン弾性部材100として採用してもよい。
さらに、第一〜第三実施形態においては、第四実施形態に準じて当接体120を設けないようにし、サブ弾性部材110,210,310の反駆動側端部116をメイン弾性部材100の反従動側端部106に直接連繋させてもよい。またさらに、第四実施形態においては、第一実施形態に準じて、サブ弾性部材410の反駆動側端部416をメイン弾性部材100の反従動側端部106に当接体を介して連繋させてもよい。
加えて、第三実施形態においては、図10の中間位相から図11の最遅角位相に達するまで、メイン弾性部材100の反従動側端部106をストッパ溝308の内端面313には当接させないようにし、その代わりに非線形特性のサブ弾性部材310を採用して、サブ復原力を当該中間位相から急激に増大させるようにしてもよい。この場合には、中間位相と最遅角位相との間においてメイン復原力の増大抑制機能を低下させて、作動油の圧力低下時の位相ずれを抑制することが可能となる。
そして、本発明は、排気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての吸気弁のバルブタイミングを調整する装置や、排気弁及び吸気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも、適用することもできる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す構成図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1の位相調整部に作用する変動トルクについて説明するための模式図である。 図2とは異なる作動状態を示す断面図である。 図2,4とは異なる作動状態を示す断面図である。 本発明の第一実施形態の特徴的作動について説明するための特性図である。 本発明の第二実施形態の特徴的作動について説明するための特性図である。 本発明の第二実施形態のバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2に対応する断面の図である。 図8とは異なる作動状態を示す断面図である。 本発明の第三実施形態のバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2に対応する断面の図である。 図10とは異なる作動状態を示す断面図である。 本発明の第三実施形態の特徴的作動について説明するための特性図である。 本発明の第四実施形態のバルブタイミング調整装置を示す構成図であって、図14のXIII−XIII線断面図である。 図13のXIV−XIV線断面図である。 本発明の第五実施形態のバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2に対応する断面の図である。 図15とは異なる作動状態を示す断面図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、10 位相調整部、11,411 ハウジング(駆動側回転体)、12 周壁部材、12a 筒部、12b,12c,12d,12e シュー、13 スプロケット部材、14 ベーンロータ(従動側回転体)、14a ボス部、14b,14c,14d,14e ベーン、18,418 フロント部材、20 ロックピン、30 制御部、52,53,54、55 進角室、56,57,58,59 遅角室、100 メイン弾性部材、102 従動側端部、104 連繋溝、106 反従動側端部、108,308 ストッパ溝、109 内端面(ストッパ)、110,210,310,410 サブ弾性部材、112,412 駆動側端部、113 内端面(ストッパ)、114 連繋孔、116,416 反駆動側端部、120,520 当接体、122 ロッド部、124 頭部、414 連繋溝、419 通孔、520 当接体、522 開口部、524 底部、Fm メイン弾性部材のセット荷重、Fs サブ弾性部材のセット荷重

Claims (11)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランク軸と連動して回転する駆動側回転体と、
    前記カム軸と連動して回転し、前記駆動側回転体との間に進角室及び遅角室を形成し、前記進角室又は前記遅角室への流体供給により前記駆動側回転体に対する進角方向又は遅角方向に相対回転力が作用する従動側回転体と、
    前記従動側回転体に連繋する従動側端部並びに前記従動側端部とは反対側の反従動側端部を有し、前記進角方向及び前記遅角方向の一方である第一方向に前記従動側端部から出力されると共に前記進角方向及び前記遅角方向の他方である第二方向に前記反従動側端部から出力されるメイン復原力を発生し、前記従動側回転体から前記従動側端部の前記第二方向に作用する前記相対回転力が増大するに従って前記メイン復原力を増大させるメイン弾性部材と、
    前記駆動側回転体に連繋する駆動側端部並びに前記駆動側端部とは反対側において前記反従動側端部に連繋する反駆動側端部を有し、前記反駆動側端部から出力されて前記反従動側端部の前記第一方向に作用するサブ復原力を発生し、前記反従動側端部から前記第二方向に出力されて前記反駆動側端部に作用する前記メイン復原力が増大するに従って前記サブ復原力を増大させるサブ弾性部材と、
    を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記サブ弾性部材のセット荷重は、前記メイン弾性部材のセット荷重以上に設定されることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記駆動側回転体は、前記駆動側回転体に対する前記従動側回転体の前記第一方向の最端位相において前記反従動側端部を係止するストッパを有することを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記サブ弾性部材のセット荷重は、前記メイン弾性部材のセット荷重と等しく設定されることを特徴とする請求項2又は3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記サブ弾性部材は、前記駆動側回転体に対する前記従動側回転体の相対回転位相範囲の全域において前記メイン復原力の増大に従って前記サブ復原力を増大させることを特徴とする請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記駆動側回転体は、前記駆動側回転体に対する前記従動側回転体の相対回転位相範囲のうち中間位相と前記第二方向の最端位相との間において前記反従動側端部を係止するストッパを有することを特徴とする請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記サブ弾性部材のセット荷重は、前記メイン弾性部材のセット荷重よりも大きく設定されることを特徴とする請求項2又は3に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記反駆動側端部を覆って設けられ、前記反従動側端部に当接する当接体を備え、
    前記第一方向の前記サブ復原力は、前記反駆動側端部から前記当接体を介して前記反従動側端部に作用することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 前記サブ弾性部材は圧縮スプリングからなり、前記メイン復原力の増大に従って前記反駆動側端部が圧縮されることにより前記サブ復原力を増大させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記サブ弾性部材はトーションスプリングからなり、前記メイン復原力の増大に従って前記反駆動側端部が前記第二方向にねじられることにより前記サブ復原力を増大させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記メイン弾性部材はトーションスプリングからなり、前記従動側回転体から前記第二方向に作用する前記相対回転力の増大に従って前記従動側端部が前記第二方向にねじられることにより前記メイン復原力を増大させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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DE102016207177B3 (de) * 2016-04-27 2017-10-19 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Nockenwellenversteller mit einer axial gewickelten Drehfeder und einem umgeformten, federführenden und druckmitteldichten Blechfederdeckel

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