JP2002054408A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーン部材をハウジング部材に対して進角方
向もしくは遅角方向に付勢するのに偏平断面の渦巻きば
ねを用いる場合に、部品点数の増加や加工コストの高騰
等を来すことなく、渦巻きばねの端部をハウジング部材
に確実に係止できるようにする。 【解決手段】 フロントカバー１２から突出する締結ボ
ルト１１Ａの頭部に係止軸部４３を設け、この係止軸部
４３に渦巻きばね３の端部を係止させる。ボルト１１Ａ
の締付力は渦巻きばね３の端部に及ばないため、渦巻き
ばね３の端部には変形が生じない。また、ハウジング本
体５とフロントカバー１２及びリヤカバー１３を結合す
るボルト１１Ａの頭部を利用して渦巻きばね３の端部を
係止させるため、部品点数の増加等の不具合も生じな
い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関（以下、
「エンジン」と言うものとする。）の吸気弁や排気弁の
開閉タイミングを運転条件に応じて制御するためのバル
ブタイミング制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジンのクランクシャフトと同期回転
するタイミングプーリやチェーンスプロケット等の駆動
力伝達部材と、外周に駆動カムを有するカムシャフトと
の組付角を回動操作することにより、吸気弁や排気弁の
開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング制御装
置が従来より案出されており、この技術は、例えば、特
開平１０-６８３０６号公報等に開示されている。

【０００３】この公報に記載のバルブタイミング制御装
置は、径方向外側に突出する複数枚の羽根部を備えたベ
ーン部材をカムシャフトの端部に一体に取付け、前記ベ
ーン部材を駆動力伝達部材と一体のハウジング部材の内
部に収容配置すると共に、このハウジング部材の内部に
進角油圧室及び遅角油圧室を設け、この各油圧室に選択
的に油圧を吸排することによってベーン部材をハウジン
グ部材に対して相対的に回動させ、それにより駆動力伝
達部材とカムシャフトとの回転位相を変化させて吸気弁
や排気弁の開閉タイミングを変更するようになってい
る。

【０００４】また、このバルブタイミング制御装置に
は、ベーン部材をハウジング部材に対して進角方向若し
くは遅角方向に付勢するばね部材が設けられ、このばね
部材による付勢によってエンジン始動時等に機関弁を所
定の開閉タイミングで制御できるようにしている。ベー
ン部材を付勢するばね部材としては、円形断面の捩りば
ねを平面状に巻いたものや、偏平断面の渦巻きばね等が
用いられているが、円形断面の捩りばねを平面状に巻い
たものは、偏平断面の渦巻きばねに対して同一トルク定
数で比較した場合に耐久性で劣り、実用に耐えない。ま
た、耐久性を向上させるために線径を太くした場合に
は、トルク定数及び作動時応力が大きくなって、その分
操作のためのポンプ油圧を大きく設定しなければならな
くなり、線径を変えずに巻き数を多くした場合には、装
置全体が大型化し好ましくない。このようなの理由か
ら、現在、偏平断面の渦巻きばねの使用が検討されてい
る。

【０００５】また、上記バルブタイミング制御装置の場
合、渦巻きばねの取付構造として、同ばねの径方向内側
の端部を、ベーン部材と一体回転するカムシャフトスリ
ーブの溝に係止させる一方で、同ばねの径方向外側の端
部を、ハウジング部材の側壁に一体形成された突起部に
係止させたものが採用されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このバ
ルブタイミング制御装置のように、ハウジング部材に一
体に形成した突起部に渦巻きばねを係止させる場合、突
起部の形成が実際上むずかしく、形成できたとしても製
造コストの増大等の別の不具合を生じる。

【０００７】即ち、突起部を焼結によってハウジング部
材と一体に形成した場合には、突起部が渦巻きばねのト
ルクに耐えられずに強度不足を招いてしまい、また、突
起部を鍛造によってハウジング部材と一体に形成した場
合には、渦巻きばねのトルクに耐え得る充分な強度は確
保されるものの、鍛造後の仕上げ加工に多くの労力を費
やさなければならないため、結果として製造コストの高
騰を招く。

【０００８】したがって、渦巻きばねの端部を係止する
突起部としては、ハウジング部材に一体に形成するので
はなく、別体に形成して後にねじ止め等によって取付け
ることが検討されているが、この場合、部品点数が増加
する分製造コストの高騰につながるため、現在この点の
改善が望まれている。

【０００９】尚、特開平３-１８５２０４号公報には、
ハウジング部材の本体部とカバー部材を固定するための
締結ボルトによって捩りばねの端部を共締めする技術が
開示されているが、この技術は円形断面の捩りばねを用
いるときには実現可能であるが、そのまま偏平断面の渦
巻きばねの取り付けに適用すると、ばねの端部が変形し
て所望の特性を得られなくなる。

【００１０】そこで本発明は、ベーン部材をハウジング
部材に対して進角方向もしくは遅角方向に付勢するのに
偏平断面の渦巻きばねを用いる場合に、部品点数の増加
や加工コストの高騰等を来すことなく、渦巻きばねの端
部をハウジング部材に確実に係止させることのできる内
燃機関のバルブタイミング制御装置を提供しようとする
ものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に請求項１に記載の発明は、内燃機関のクランクシャフ
トによって駆動される駆動力伝達部材と、外周に機関弁
を作動させるための駆動カムを有する一方で前記駆動力
伝達部材が必要に応じて相対回転できるように組み付け
られ、前記駆動力伝達部材から動力を伝達されて従動回
転するカムシャフトと、前記駆動力伝達部材とカムシャ
フトのいずれか一方と一体化されて回転するハウジング
部材と、前記ハウジング部材内に収容され、前記駆動力
伝達部材とカムシャフトの他方と一体化されて回転する
ベーン部材と、前記ハウジング部材内に設けられ、油圧
によって前記ベーン部材を回動させる進角油圧室及び遅
角油圧室と、前記進角油圧室及び遅角油圧室に連通し、
これらの油圧室に選択的に油圧を吸排する油圧吸排手段
と、前記ベーン部材をハウジング部材に対して進角方向
若しくは遅角方向に付勢する扁平断面の渦巻きばねと、
を備え、前記ハウジング部材が、ベーン部材の周域を囲
繞する略円筒状のハウジング本体と、このハウジング本
体の端面に軸方向に沿う締結ボルトによって結合された
板状のカバー部材とによって構成された内燃機関のバル
ブタイミング制御装置において、前記渦巻きばねの径方
向内側の端部を、ベーン部材若しくはそれと一体に回転
する部材に係止させる一方で、前記カバー部材の端部か
ら突出する締結ボルトの頭部に係止軸部を設け、前記渦
巻きばねの径方向外側の端部をこの係止軸部に係止させ
るようにした。

【００１２】この発明の場合、渦巻きばねの径方向外側
の端部がボルトの頭部の係止軸部に係止されるため、ボ
ルトの締結荷重が渦巻きばねに作用しなくなる。

【００１３】請求項２に記載の発明は、前記締結ボルト
の頭部のカバー部材から離間する側の端部に抜け止めフ
ランジを設けるようにした。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。

【００１５】図１において、１は、エンジンの排気側の
カムシャフトである。このカムシャフト１は、図外のシ
リンダヘッドに軸受を介して回転自在に支持されると共
に、その基幹部外周に、機関弁としての排気弁を開閉す
るための図外の駆動カムが設けられている。本発明にか
かるバルブタイミング制御装置２はこのカムシャフト１
の一端側に設けられている。

【００１６】バルブタイミング制御装置２は、タイミン
グチェーン（図示せず。）を介してクランクシャフトに
よって回転駆動される駆動力伝達部材としてのチェーン
スプロケット４と、このチェーンスプロケット４が外周
面に一体に形成されたハウジング部材５と、一端部にこ
のハウジング部材５が必要に応じて回動できるように組
み付けられた前記カムシャフト１と、このカムシャフト
１の一端に一体に組み付けられ前記ハウジング部材５の
内部に回動自在に収容されたベーン部材７と、このベー
ン部材７をエンジンの運転状態に応じて油圧によって正
逆回転させる油圧吸排手段８と、前記カムシャフト１に
作用する回転変動トルクに伴なうベーン部材７の変動を
規制する回動規制手段９と、ベーン部材７をハウジング
部材５に対して進角方向に付勢する偏平断面の渦巻きば
ね３と、を備えている。

【００１７】前記ハウジング部材５は、外周面に前記チ
ェーンスプロケット４が一体に形成された略円筒状のハ
ウジング本体１０と、このハウジング本体１０の前後の
端面に複数のボルト１１Ａ及び１１によって結合された
円板状のフロントカバー１２（板状のカバー部材）及び
リヤカバー１３を備えており、ハウジング本体１０の内
周面には、図２に示すように、ほぼ９０°間隔で断面台
形状の仕切壁１４が４つ突設されている。

【００１８】一方、前記ベーン部材７は、略円柱状の胴
部１６と、この胴部１６の外周面に放射状に突設された
４つの羽根部１７を備えており、胴部１６はハウジング
部材５の軸心位置に配置され、各羽根部１７はハウジン
グ部材５の隣接する仕切壁１４，１４間に配置されてい
る。そして、ベーン部材７の各羽根部１７の一方側の側
面とそれに対峙する仕切壁１４の間は進角油圧室１８と
され、各羽根部１７の他方側の側面とそれに対峙する仕
切壁１４の間は遅角油圧室１９とされている。したがっ
て、この装置においては進角油圧室１８と遅角油圧室１
９の対が計４組設けられている。

【００１９】また、ベーン部材７はカムシャフト１の端
部が嵌合される凹部２０が胴部１６の後面側に形成され
ると共に、フロントカバー１２の中心孔２１を貫通して
前方に突出するボス部２２が胴部１６の前面側に形成さ
れている。そして、胴部１６には、前記各進角油圧室１
８と凹部２０内を連通する第１径方向孔２３と、前記各
遅角油圧室１９と凹部２０内を連通する第２径方向孔２
４が形成され、凹部２０にカムシャフト１の端部が嵌合
された状態において、各径方向孔２３，２４がカムシャ
フト１の第１吸排孔２５と第２吸排孔２６に夫々連通す
るようになっている。ベーン部材７とカムシャフト１は
ベーン部材７の胴部１６の軸心部を貫通する図示しない
ボルトによって結合されている。

【００２０】前記油圧吸排手段８は、第１吸排孔２５に
接続されて進角油圧室１８に油圧を吸排する第１油圧通
路２８と、第２吸排孔２６に接続されて遅角油圧室１９
に油圧を吸排する第２油圧通路２９の２系統の油圧通路
を有し、この両油圧通路２８，２９には、供給通路３０
とドレン通路３１が夫々通路切換用の電磁切換弁３２を
介して接続されている。前記供給通路３０には、オイル
パン３３内の油を圧送するオイルポンプ３４が設けられ
ており、ドレン通路３１の端部は前記オイルパン３３内
に連通している。また、電磁切換弁３２はコントローラ
３５によって制御されるが、このコントローラ３５に
は、エンジンの運転状態を示す各種信号が入力されるよ
うになっている。

【００２１】一方、回動規制手段９は、エンジン始動時
等にベーン部材７が進角側に回動制御されているときに
ハウジング部材５とベーン部材７の相対的な回動を機械
的にロックするものであり、ベーン部材７の一つの羽根
部１７に軸方向に沿って進退自在に収容支持されたロッ
クピン３６と、このロックピン３６を突出方向（リヤカ
バー１３方向）に付勢するばね部材３７と、リヤカバー
１３の内側面の設定位置に配置され、ベーン部材７がハ
ウジング部材５に対して進角側に最大に変位した位置で
ロックピン３６の先端が嵌合されるロック穴３８とを備
えている。尚、ロック穴３８の底部は遅角油圧室１９に
連通し、ロックピン３６の嵌合時に、その先端部に遅角
油圧室１９の油圧が作用するようになっている。

【００２２】また、前記渦巻きばね３はフロントカバー
１２の前面側に配置され、径方向内側の端部がフロント
カバー１２から突出したベーン部材７のボス部２２に係
止されると共に、径方向外側の端部が図５に示す特殊形
状のボルト１１Ａの頭部４０に係止されている。ベーン
部材７のボス部２２には半径方向に沿ってスリット４１
が設けられ、渦巻きばね３の径方向内側の屈曲端部がこ
のスリット４１に挿入係合されている。

【００２３】一方、ボルト１１Ａは、他のボルト１１と
同様、フロントカバー１２を貫通してハウジング本体１
０とリヤカバー１３にねじ止めされる軸部４２と、フロ
ントカバー１２の前面に当接する前記頭部４０とを有し
ているが、この頭部４０には、渦巻きばね３の幅よりも
若干長さの長い断面円形状の係止軸部４３と、この係止
軸部４３の先端において径方向外側に張り出した抜け止
めフランジ４４とが設けられている。尚、４５は、ボル
ト１１Ａの頭部端面に形成された工具係合用の六角穴で
ある。

【００２４】また、渦巻きばね３の径方向外側の端部に
は略Ｕ字状のフック部４６が設けられ、このフック部４
６が前記ボルト１１Ａの係止軸部４３に係合されてい
る。ここで、渦巻きばね３は拡開方向の弾発力によって
ベーン部材７を進角方向に付勢するものであり、ベーン
部材７には、図２中の矢印Ｆで示すようなハウジング部
材５に対する相対回転力が作用している。

【００２５】かかる構造において、電磁切換弁３２の操
作によって進角油圧室１８に高圧の作動油が供給される
と、渦巻きばね３の付勢力も手伝ってベーン部材７がハ
ウジング部材５に対して最進角位置に変位し、その状態
のままハウジング部材５に入力された回転駆動力がベー
ン部材７を介してカムシャフト１に伝達される。排気弁
はこれによって進角タイミングで開閉されることとな
る。

【００２６】尚、ベーン部材７がハウジング部材５に対
して最進角位置に変位したときには、ロックピン３６が
ハウジング部材５のロック穴３８に係合し、ベーン部材
７がハウジング部材５に対して機械的にロックされる。

【００２７】また、この状態から電磁切換弁３２の操作
によって遅角油圧室１９が供給通路３０に連通し、進角
油圧室１８がドレン通路３１に連通するようになると、
遅角油圧室１９に導入される高圧の作動油により、ベー
ン部材７が渦巻きばね３の付勢力に抗して最遅角位置に
変位し、その状態のまま回転駆動力がベーン部材７を介
してカムシャフト１に伝達される。排気弁はこれによっ
て遅角タイミングで開閉されることとなる。

【００２８】こうしてベーン部材７が進角位置から遅角
位置に変位しようとする際には、遅角油圧室１９に導入
された高圧の作動油がロック穴３８の底部に作用するた
め、このときロックピン３６が後退してベーン部材７と
ハウジング部材５の機械的な結合が解除される。

【００２９】このバルブタイミング制御装置２は以上の
ように作動するが、渦巻きばね３の径方向外側の端部
を、ハウジング本体１０とフロントカバー１２の締結ボ
ルト１１Ａを利用してハウジング部材５に係止させてい
るため、部品点数の増加を来すことなく、渦巻きばね３
の端部を確実にハウジング部材１０に係止させることが
できる。そして、渦巻きばね３の径方向外側の端部はボ
ルト１１Ａの頭部４０に形成した係止軸部４３に係止さ
せているため、ボルト１１Ａの締付力が渦巻きばね３の
端部に及ぶことがなく、したがって、渦巻きばね３の端
部に変形を来す不具合は生じない。

【００３０】また、この実施形態のバルブタイミング制
御装置は、ボルト１１Ａの頭部４０に、渦巻きばね３の
フック部４６が係合する係止軸部４３と共に、抜け止め
フランジ４４が設けられているため、渦巻きばね３の端
部が係止軸部４３から脱落するのをこのフランジ４４に
よって確実に防止することができる。さらに、渦巻きば
ね３の端部に捩れが生じようとしたときには、フック部
４６の幅方向の両端部がフロントカバー１２と抜け止め
フランジ４４に当接するため、渦巻きばね３の端部の捩
れ変形も確実に抑制することができる。

【００３１】尚、以上では本発明にかかるバルブタイミ
ング制御装置を排気側のカムシャフトの端部に設けた場
合について説明したが、吸気側のカムシャフトの端部に
設ける場合にも同様の構成を採用することができる。た
だし、吸気側に適用する場合には、渦巻きばねによるベ
ーン部材の付勢方向が遅角方向となる。

【００３２】

【発明の効果】以上のように請求項１に記載の発明は、
渦巻きばねの径方向外側の端部をボルトの頭部の係止軸
部に係止させるため、ボルトの締結荷重が渦巻きばねに
作用して変形を来す等の不具合を生じることなく、部品
点数の削減と加工コストの低減を図ることができる。

【００３３】請求項２に記載の発明は、渦巻きばねの端
部の係止軸部からの脱落を抜け止めフランジによって確
実に阻止することができるうえ、抜け止めフランジとカ
バー部材によって渦巻きばねの捩れ変形をも抑制するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示す図２のＡ−Ａ線に沿
う断面図。

【図２】同実施形態を示す図１のＢ−Ｂ線に沿う断面
図。

【図３】同実施形態を示す図１のＣ矢視図。

【図４】同実施形態を示すフロントカバーの斜視図。

【図５】同実施形態を示す締結ボルトの側面図。

【符号の説明】

１…カムシャフト ２…バルブタイミング制御装置 ３…渦巻きばね ４…チェーンスプロケット（駆動力伝達部材） ５…ハウジング部材 ７…ベーン部材 ８…油圧吸排手段 １０…ハウジング本体 １１Ａ…ボルト（締結ボルト） １２…フロントカバー（カバー部材） １８…進角油圧室 １９…遅角油圧室 ４０…頭部 ４３…係止軸部 ４４…抜け止めフランジ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日高 章 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内 Ｆターム(参考） 3G018 AB12 BA10 BA33 CA19 DA73 FA08 GA02 GA03

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のクランクシャフトによって駆
   動される駆動力伝達部材と、 外周に機関弁を作動させるための駆動カムを有する一方
   で前記駆動力伝達部材が必要に応じて相対回転できるよ
   うに組み付けられ、前記駆動力伝達部材から動力を伝達
   されて従動回転するカムシャフトと、 前記駆動力伝達部材とカムシャフトのいずれか一方と一
   体化されて回転するハウジング部材と、 前記ハウジング部材内に収容され、前記駆動力伝達部材
   とカムシャフトの他方と一体化されて回転するベーン部
   材と、 前記ハウジング部材内に設けられ、油圧によって前記ベ
   ーン部材を回動させる進角油圧室及び遅角油圧室と、 前記進角油圧室及び遅角油圧室に連通し、これらの油圧
   室に選択的に油圧を吸排する油圧吸排手段と、 前記ベーン部材をハウジング部材に対して進角方向若し
   くは遅角方向に付勢する扁平断面の渦巻きばねと、を備
   え、 前記ハウジング部材が、ベーン部材の周域を囲繞する略
   円筒状のハウジング本体と、このハウジング本体の端面
   に軸方向に沿う締結ボルトによって結合された板状のカ
   バー部材とによって構成された内燃機関のバルブタイミ
   ング制御装置において、 前記渦巻きばねの径方向内側の端部を、ベーン部材若し
   くはそれと一体に回転する部材に係止させる一方で、前
   記カバー部材の端部から突出する締結ボルトの頭部に係
   止軸部を設け、前記渦巻きばねの径方向外側の端部をこ
   の係止軸部に係止させたことを特徴とする内燃機関のバ
   ルブタイミング制御装置。
2. 【請求項２】 前記締結ボルトの頭部のカバー部材から
   離間する側の端部に抜け止めフランジを設けたことを特
   徴とする請求項１に記載の内燃機関のバルブタイミング
   制御装置。