JP2009185766A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベーンロータ5は、ハウジング3に収容され、油圧によりハウジング3に対して遅角側または進角側に相対回動するように駆動される。ブッシング8は有底筒状に形成され、ハウジング3に対しベーンロータ5を進角側または遅角側に付勢するアシストスプリング10を収容する。ブッシング8とベーンロータ5の軸中心にボルトが挿入されてカムシャフト2と結合する。アシストスプリング10は一端11が回巻部16から径外方向に延びた延長部12でハウジング3に係止され、他端13が中心軸と平行に延びる係止部14を有する。係止部14はブッシング8の第1嵌合孔84を挿通してベーンロータ5の第2嵌合孔55に圧入され、ブッシング8とベーンロータ5との軸中心にボルトを締結する際の位置決めをする。
【選択図】図1
Description
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1〜図6に示す。本実施形態のバルブタイミング調整装置1は作動流体として作動油を用いる油圧制御式であり、内燃機関の排気弁について始動時の位相を進角側に制御するバルブタイミングを調整するものである。
駆動側回転体であるハウジング3は、図1〜図3に示すように、チェーンスプロケット32、シューハウジング33から構成される。チェーンスプロケット32は、図示しない内燃機関の駆動軸としてのクランクシャフトとチェーンにより結合し、クランクシャフトと同期して回転する。クランクシャフトの駆動力は、バルブタイミング装置1を経由してカムシャフト2に伝達され、排気弁を開閉駆動する。
前面31には固定ピン35が設けられ、前面31の中心には、ブッシング8を嵌合させるための円孔40が開口している。
筒部81は内側にアシストスプリング10を収容し、開口側にアシストスプリング10の一端11を通すための切欠部83を有する。この切欠部83は、ベーンロータ5がハウジング3に対し相対回動する角度、即ち最進角と最遅角との位相差にあたる角度で外周の筒部81壁面を切り欠いている。
底部82は、ブッシング8の軸中心にボルト孔85を有する。ボルト孔85及びベーンロータ5のボルト孔53には、図示しないボルトが挿入されてブッシング8及びベーンロータ5とカムシャフト2とを結合する。ボルトの頭部は、突出部86のブッシング8が開口している側の面に当接する。
シール部材21、22、23は、ロータ51のシュー37、38、39と径方向に向き合う面に設けられ、シュー37、38、39に液密に摺接する。シール部材24、25、26は、ベーン56、57、58のシュー周壁36と径方向に向き合う面に設けられ、シュー周壁36と液密に摺接する。シール部材21、22、23、24、25、26は、進角室44、45、46と遅角室47、48、49との間の作動油の流れを防止する。
<内燃機関停止時>
内燃機関停止状態ではストッパピストン71は嵌合リング72に嵌合している。内燃機関を始動した直後の状態では、進角室44、45、46、遅角室47、48、49、油圧室73、74に油圧ポンプから十分に作動油が供給されないので、ストッパピストン71は嵌合リング72に嵌合した状態を維持し、クランクシャフトに対しカムシャフト2は最進角位置に保持されている。これにより、作動油が各油圧室に供給されるまでの間、カムシャフトが受けるトルク変動によりハウジング3とベーンロータ5とが揺動振動して衝突し、打音が発生することを防止する。
内燃機関始動後、油圧ポンプから作動油が十分に供給されると、油圧室73、74に供給される油圧によりストッパピストン71が嵌合リング72から抜け出すので、ハウジング3に対しベーンロータ5は相対回動自在となる。そして、各進角室および各遅角室に加わる油圧を制御することにより、クランクシャフトに対するカムシャフト2の位相差を調整する。
バルブタイミング調整装置1が進角作動するとき、内燃機関の制御装置(ECU)は、切換弁に供給する駆動電流を制御する。切換弁は、油圧ポンプと進角通路64、65、66を接続し、遅角通路61、62、63とオイルパンとを接続する。油圧ポンプから吐出される作動油は、進角通路64、65、66を経由し、進角室44、45、46に供給される。進角室44、45、46の油圧は、ベーン56、57、58に作用し、ベーンロータ5を進角側に付勢するトルクを発生する。このとき、遅角室47、48、49の作動油は、遅角通路61、62、63を経由し、オイルパンに排出される。進角室44、45、46の油圧の発生するトルクと、アシストスプリング10の復元力がベーンロータ5を進角側へ回動させるトルクとの合力により、ベーンロータ5は、ハウジング3に対し進角側に回転する。
バルブタイミング調整装置1が遅角作動するとき、ECUは、切換弁に供給する駆動電流を制御する。切換弁は、油圧ポンプと遅角通路61、62、63を接続し、進角通路64、65、66とオイルパンとを接続する。油圧ポンプから吐出される作動油は、遅角通路61、62、63を経由し、遅角室47、48、49に供給される。遅角室47、48、49の油圧がベーン56、57、58に作用し、ベーンロータ5を遅角側に付勢するトルクを発生する。このとき、進角室44、45、46の作動油は進角通路64、65、66を経由し、オイルパンに排出される。油圧の発生するトルクが、アシストスプリング10の発生するトルクに抗し、ベーンロータ5は、ハウジング3に対し遅角側に回転する。
ベーンロータ5が目標位相に到達すると、ECUは切替弁に供給する駆動電流のデューティ比を制御する。これにより、切替弁は、油圧ポンプと、進角通路64、65、66及び遅角通路61、62、63との接続を遮断し、進角室44、45、46及び遅角室47、48、49からオイルパンに作動油が排出されることを防止する。このため、ベーンロータ5は目標位相に保持される。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図7〜図11に示す。なお、第2実施形態と実質的に同一構成部分には同一符号を付す。第1実施形態との違いは、図9に示す支持部材としてのブッシング9において、第1嵌合孔94がボルト孔95の外周から突出部96と底部92とに径外方向へ形成された成形溝であることである。第2実施形態のブッシング9は鉄焼結製であり、第1嵌合孔94はボルト95と同軸方向に一体成形されて第2嵌合孔55へ通じる。また、筒部91と切欠部93とは、第1実施形態の筒部81と切欠部83とに対応している。
上記実施形態では、内燃機関の排気弁について始動時の位相を進角側に制御するバルブタイミング調整装置について説明した。これに対し、内燃機関の排気弁について始動時の位相を遅角側に制御するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。また、内燃機関の吸気弁について始動時の位相を遅角側または進角側に制御するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。
Claims (5)
- 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁および前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
前記駆動軸および前記従動軸の一方とともに回転し、回転方向に所定角度範囲で形成される収容室を有するハウジングと、
前記駆動軸および前記従動軸の他方とともに回転し、前記収容室を遅角室および進角室に仕切り、前記遅角室および前記進角室に供給される作動流体の圧力により遅角側または進角側に前記ハウジングに対して相対回動するように駆動されるベーンロータと、
筒状に形成される筒部及び前記筒部の一端を塞ぐ底部からなり、前記ベーンロータの反従動軸側に前記底部を当接し、前記筒部の中心軸と前記ベーンロータの回動軸とが同軸線上に設けられる支持部材と、
前記支持部材の前記筒部の内側に収容され、前記ハウジングに対し前記ベーンロータを進角側または遅角側に付勢する付勢手段と、
を備え、
前記支持部材は、前記底部に第1嵌合孔を有し、前記底部が前記ベーンロータに当接し、
前記ベーンロータは、前記支持部材が当接する外壁面で前記第1嵌合孔と同軸線上に開口する第2嵌合孔を有し、
前記付勢手段は、一端が径外方向へ延び前記ハウジングに係止される延長部を有し、他端が前記筒部の中心軸と平行に軸方向へ延び前記ベーンロータに係止される係止部を有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記係止部は、前記第1嵌合孔を挿通し、第2嵌合孔に挿入され、前記支持部材を前記ベーンロータの相対回転方向に対して位相固定することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
- 前記第1嵌合孔は、前記底部において前記ベーンロータの回動中心軸から偏心した位置にあることを特徴とする請求項1または2記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記付勢手段は、略円筒状のコイルスプリングであり、コイル状の巻回部と、前記延長部と、前記係止部とからなり、
前記係止部は、前記巻回部の端部から軸方向へ延出していることを特徴とする請求項1、2または3記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記付勢手段は、略円筒状のコイルスプリングであり、コイル状の巻回部と、前記延長部と、前記係止部とからなり、
前記係止部は、前記巻回部から径内方向に曲げられる中途部と、この中途部の内端から軸方向へ延出している先端部とを有することを特徴とする請求項1、2または3記載のバ
ルブタイミング調整装置。
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