JP4723770B2 - 織機における緯糸検知方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、緯糸をスリットに形成された光通過領域を通過させることにより緯糸を検知する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水噴射式織機における緯糸検知装置の1つとして、投光器と受光器とを筬打ちの際に緯糸が通過する糸移動軌跡を挟む状態に対向させてフィーラヘッドに配置し、緯入れされた緯糸が筬打ちにともなって投光器と受光器との間を通過したことにより緯糸を検知する技術がある(特公昭57−13653号公報)。
【0003】
これらの従来技術においては、いずれも、投光器と受光器とにより形成されるスリットを狭くして、そのスリットに水をその表面張力により常時保持させており、投光器から受光器に向かう光がスリットに保持されている水を通過する構造とされている。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術では、緯入れ可能な糸種に対応して適切なスリット間隔が存在するにもかかわらず、スリット間隔が固定である。このため、緯入れピックに対応して糸種が変更される多色緯入れ織機に上記従来技術を適用すると、緯入れ可能の全ての緯糸に対応するスリット間隔に設定することができず、糸検出精度の信頼性の面で問題を生じる。
【0005】
例えば、太番手及び細番手の緯糸を選択的に緯入れに用いる場合、スリット間隔は、太番手の緯糸に対応して設定せざるを得ない。そのようにすると、太番手の緯糸の緯入れ時には何ら問題を生じないが、細番手の緯糸の緯入れ時には、保持されている水の揺らぎによるノイズ信号と、緯糸通過による糸信号との違いが微少になり、緯糸検知が確実には行えない。
【0006】
上記のように緯糸検知が不確実になると、緯糸が存在するにもかかわらず、緯糸が存在しない、という誤検知による織機の止まりや、緯糸が存在しないにもかかわらず、緯糸が存在する、という誤検知による見逃しが発生する。
【0007】
本発明の目的は、緯入れする緯糸の種類が変更されても、緯糸を確実に検知可能にすることにある。
【0008】
【解決手段、作用、効果】
本発明に係る緯糸検知方法は、緯糸をフィーラヘッドのスリットに形成された光通過領域に通過させることにより緯糸を検知する方法であって、前記光通過領域を含む前記スリットの間隔を緯入れされる緯糸に応じて決定するステップを含む。
【0009】
光通過領域を含むスリットの間隔は、例えば、緯入れに用いる緯糸を表す緯糸選択信号を用いて決定することができる。これにより、光通過領域を含むスリットの間隔は、緯入れする緯糸に応じて調整又は変更されるから、緯糸が光通過領域を通過するときに、糸信号が確実に得られ、その結果緯入れする緯糸の種類が変更されても、緯糸を確実に検知することができる。
【0010】
前記決定するステップは、緯入れ可能の緯糸に個々に対応されて対応する緯糸に応じた間隔を有する前記スリットを備えた複数のフィーラヘッドを織機に配置しておき、緯入れすべき緯糸の切り替わり時に、切り替えられた緯糸に対応するフィーラヘッドを選択することできる。
【0011】
上記の代わりに、前記決定するステップは、間隔を変更可能の前記スリットを備えたフィーラヘッドを織機に配置しておき、緯入れすべき緯糸の切り替わり時に、切り替えられた緯糸に応じて前記スリットの間隔を変更してもよい。
【0012】
本発明に係る緯糸検知装置は、緯入れ可能の緯糸に個々に対応されて対応する緯糸に応じた間隔を有するスリットを備えた複数のフィーラヘッドであって緯入れされた緯糸が前記スリットに形成された光通過領域を通過することを許す複数のフィーラヘッドと、緯入れすべき緯糸を表す緯糸選択信号を受け、受けた緯糸選択信号により表される緯糸に対応するフィーラヘッドを選択する選択回路とを含む。
【0013】
そのような緯糸検知装置において、光通過領域を含むスリットの間隔は、緯糸選択信号を用いて所定のフィーラヘッドを選択することにより、緯入れすべき緯糸に応じて変更される。このため、緯糸が光通過領域を通過するときに、糸信号が確実に得られるから、緯入れする緯糸の種類が変更されても、緯糸を確実に検知することができる。
【0014】
前記複数のフィーラヘッドは、細い緯糸に対応するフィーラヘッドほど、織端から離れた箇所に位置するように、緯入れ方向に配置されていることができる。
【0015】
本発明に係る他の緯糸検知装置は、間隔を変更可能のスリットを備えたフィーラヘッドであって緯入れされた緯糸が通過することを許す間隔の前記スリットに光通過領域を含むフィーラヘッドと、光通過領域を含む前記スリットの間隔を変更するアクチュエータと、緯入れすべき緯糸を表す緯糸選択信号を受け、受けた緯糸選択信号により表される緯糸に応じたスリット間隔に変更すべく前記アクチュエータを制御する回路とを含む。
【0016】
他の緯糸検知装置において、スリットの間隔は、緯糸選択信号を用いて、緯入れすべき緯糸に応じた値に調整又は変更される。このため、緯糸が光通過領域を通過するときに、糸信号が確実に得られるから、緯入れする緯糸の種類が変更されても、緯糸を確実に検知することができる。
【0017】
前記フィーラヘッドは、共同して前記スリット及び前記光通過領域を形成すべく相寄り相離れる方向へ移動可能に組み合わされた一対の部材を含み、前記アクチュエータは少なくとも一方の前記部材に連結されていてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1及び図2を参照するに、緯糸検知装置10は、複数の緯糸12a,12b,12cを選択的に緯入れする水噴射式織機に、緯入れされた緯糸12bを反緯入れ側において検出する装置として用いられている。
【0019】
水噴射式織機は、緯入れ可能の緯糸12a,12b及び12cに個々に対応された複数の緯入ノズル14a,14b及び14cを備えており、選択された緯糸12bを対応する緯入ノズル14bの圧力水を噴射流にのせて、その緯糸12bを経糸16の開口に緯入れし、筬18により織布20の織前22に筬打ちする。
【0020】
筬打ちされた緯糸12は、その先端部(反緯入れ側の端部)を複数の絡み糸24に絡み付けられ、その後適宜なタイミングで反緯入れ側の織布端26と絡み糸24との間に配置されてカッタ28により先端部を織布20からまとめて切り離される。
【0021】
緯糸検知装置10は、カッタ24と絡み糸24との間に緯入れ方向に間隔をおいて配置された複数の検知ヘッドすなわちフィーラヘッド30a,30b,30cを含む。フィーラヘッド30a,30b,30cの各々は、ブラケット32により織機のステー34に共通に組み付けられている。ステー34は、織機のフレームに支持されている。
【0022】
フィーラヘッド30a,30b及び30cは、それぞれ、緯糸12a,12b及び12cと緯入ノズル14a,14b及び14cとの組み合わせに対応されている。具体的には、フィーラヘッド30a,30b及び30cは、それぞれ、太い緯糸12a,中位の緯糸12b及び細い緯糸12cにそれぞれ対応されていると共に、それらの緯糸に対応する緯入ノズル14a,14b及び14cに対応されている。
【0023】
図においては、同じ組みを形成する緯糸、緯入ノズル及びフィーラヘッドは、それらを代表して表す算用数字12,14及び30に同じアルファベットを付して示す。また、緯糸、緯入ノズル及びフィーラヘッドの組が3つ示されているが、本発明はそれ以上の緯糸、緯入ノズル及びフィーラヘッドを備えた織機にも適用することができる。
【0024】
織布20に最も近いブラケット32aは、緯入ノズル14a,14b,14cから噴射される圧力水がフィーラヘッド30a,30b,30cに衝突することを防止する遮蔽板35を支持している。
【0025】
フィーラヘッド30a,30b及び30cは、織布端26から遠ざかるにつれて、太番手の緯糸(太い緯糸)に対応するものから細番手の緯糸(細い緯糸)に対応するものとなるように、すなわち細い緯糸に対応するフィーラヘッドほど、織布端26から遠くなるように、配置されている。
【0026】
一方、緯入ノズル14a,14b,14cの上流側には、緯糸12a,12b,12cのそれぞれに対し、図示しない緯糸測長貯留装置が設けられている。図2に示すように、各緯糸の1ピック分の長さは、正しく緯入れされたとき、先端が緯糸の飛走方向における対応するフィーラヘッドとその下流側に位置するフィーラヘッドとの間となるように、換言すれば、先端が対応するフィーラヘッドには達しているが、その下流側のフィーラヘットには達しないように、各測長装置の測長長さが設定されている。
【0027】
フィーラヘッド30a,30b及び30cの各々は、筬打ち時に対応する緯糸12a,12b又は12cの先端部が通過することを許すスリット36と、そのスリット36を通過した緯糸を受け入れる空間38を備えている。フィーラヘッド30a,30b及び30cのスリット間隔d1,d2及びd3は、それぞれ、対応する緯糸12a,12b及び12cの太さに応じた大きさを有している。したがって、それらのスリット間隔は、d1>d2>d3の関係を有している。
【0028】
フィーラヘッド30a,30b及び30cの各々は、また、図示しない光源からの光をスリット36に指向させる投光用光ガイド40と、光ガイド40からの光を受ける受光用光ガイド42とを備えている。両光ガイド40及び42は、例えば光りファイバーなどの光を伝送する部材で構成されており、各ガイドの端部は、投光面及び受光面をスリット36を介して対向させている。これにより、糸感知用の光通過領域がスリット36に形成される。
【0029】
緯入れされた緯糸12a,12b又は12cは、筬打ちにともなって先端部を対応するフィーラヘッド30a,30b又は30cのスリット36を通過し、その際そのスリット36を通る光、換言すれば光通過領域を横切る。これにより、スリット36を通る光の少なくとも一部が遮断されるから、後に説明する受光器の出力信号が緯糸の存在を意味する糸信号に変化する。
【0030】
図3は、上記のように緯入れ可能の緯糸毎の複数のフィーラヘッド30a〜30nを備えた多色緯入れ無杼織機における緯糸検知装置10の電気回路の一実施例を示す。
【0031】
緯入れ検知装置10は、緯入れ可能の糸種毎のフィーラヘッド30a〜30nのほかに、フィーラヘッド30a〜30nに個々に対応された複数の信号処理回路44a〜44nを含む。各信号処理回路44a〜44nは、近接スイッチ46からのタイミング信号FTと、緯糸選択信号発生器48からの緯糸選択信号SYとを受ける。
【0032】
近接スイッチ46は、織機の主軸50に組み付けられたドグ52を検出することにより、緯糸の有無を記憶すべきタイミングに対応するタイミング信号FTを発生する公知の装置である。タイミング信号FTは、信号処理回路44a〜44nのほかに、緯糸選択信号発生器46にも供給される。信号FTの波形の一例を図4(A)に示す。
【0033】
緯糸選択信号発生器46は、図示しないピック信号(フィーラタイミング信号FTで代用してもよい)を基に、緯入れすべき緯糸を表す緯糸選択信号SYを発生する公知の装置である。緯糸選択信号SYは、各信号処理回路44a〜44nのほかに、緯入れ装置、緯糸測長貯留装置等にも供給される。
【0034】
信号処理回路44a〜44nの各々は、受光用光ガイド42からの光を受光器54の受光素子に受けて、受光量に対応する電気信号を増幅器56に出力する。増幅器56で増幅された信号S1は、比較器58において閾値設定器60に設定された閾値と比較される。受光器54の出力信号及び増幅器56の出力信号S1のレベルは、受光量が少ないほど、低くなる。信号S1の波形の一例を図4(B)に示す。
【0035】
比較器58は、増幅器56の出力信号S1のレベルが閾値設定器60に設定された閾値に満たないときだけHレベルになる信号S2をアンド回路62の一方の入力端子に供給する。タイミング信号FTは、開閉器64を介してアンド回路62の他方の入力端子に供給される。
【0036】
開閉器64は、緯糸選択信号SYを受け、受けた緯糸選択信号SYが対応する緯糸を表すときだけ閉路されて、タイミング信号FTをアンド回路62に供給する。このため、開閉器64は、フィーラヘッドを選択する選択回路として作用する。
【0037】
アンド回路62の出力信号は、タイミング信号FTが入力しているときに、比較器58の出力信号S2がHレベルのときだけ、Hレベルになる。アンド回路62の出力信号は、フリップフロップ66のセット入力端子Sに供給される。
【0038】
フリップフロップ66は、タイミング信号FTを基にパルス発生器68で発生されたパルス信号P1の立ち上がり時にリセットされる。パルス信号P1は、タイミング信号FTの立ち上がり時と同時に立ち上がる。このため、フリップフロップ66は、タイミング信号FTの立ち上がり時にリセットされた後に、比較器58の出力信号S2を記憶する。信号S2の波形の一例を図4(C)に示す。
【0039】
論理信号発生器70は、例えばフリップフロップで構成されており、フリップフロップ66からのQ出力、パルス発生器74からのパルス信号P4、及びパルス発生器72からのパルス信号P2を、それぞれ、入力端子S、ラッチ端子D、及びリセット端子Rに受ける。つまり、織機が運転状態にあることを表す運転信号P2を基にパルス発生器72で発生されたパルス信号P3の立ち上がり時にリセットされ、タイミング信号FTを基にパルス発生器74で発生されたパルス信号P4の立ち下がり時にフリップフロップ66のQ出力を記憶する。信号S3及びS4の波形の一例をそれぞれ図4(C)及び(D)に示す。
【0040】
論理信号発生器70は、また、フリップフロップ66は、タイミング信号FTの立ち上がり時にリセットされた後に、比較器58の出力信号S2を記憶する。論理信号発生器70に記憶された信号S4は、オア回路76に供給される。オア回路76は、全ての信号処理回路44a〜44nの出力信号を受け、それらの信号のオア信号S5を織機の主制御装置に出力する。
【0041】
各信号処理回路44a〜44nにおいて、フィリップフロップ66及び論理信号発生器70は、タイミング信号FTが発生されている間に、対応する緯糸がフィーラヘッドのスリットを通過すると、受光量が減少する結果、フリップフロップ66のQ出力がOFF(糸あり)となり、対応する緯糸がフィーラヘッドのスリットを通過しないと、フリップフロップ66のQ出力がON(糸なし)を維持することになる。論理信号発生器70は、フリップフロップ66のQ出力を受けてタイミング信号のOFF時に糸あり又は糸なしに対応する出力を発生する。
【0042】
それゆえに、糸ありのときの信号S1,S2,S3,S4は、図4において左方のような波形になる。これに対し、糸なしのときの信号S1,S2,S3,S4は、図4において右方のような波形になる。糸なしのときのオア回路76の出力信号は、織機を停止させる織機停止信号として、織機の主制御装置に供給される。
【0043】
緯糸検知装置10においては、緯入れすべき緯糸に対応する信号処理回路の開閉器64が閉路されて、対応する信号処理回路、ひいては対応するフィーラヘッドが選択されるから、スリット間隔が緯入れする緯糸に応じて設定される。その結果、緯糸が対応するフィーラヘッドのスリットを通過するときに、糸信号が確実に得られ、その結果多色緯入れ、つまり緯入れピックに基づき緯糸の種類の切り替えが行われたとしても、これに対応するヘッドが選択されるから、緯糸を確実に検知することができる。
【0044】
上記の実施例では、緯入れ可能の緯糸毎に信号処理回路を備えているが、例えば、各選択回路すなわち各開閉器64を対応するフィーラヘッドと1つの信号処理回路の受光器54との間に配置して、その信号処理回路を複数の緯糸、ひいてはフィーラヘッドで共通に使用するようにしてもよい。この場合、増幅器56のゲインや比較器58で用いる閾値等の信号処理用パラメータを緯入れすべき緯糸に応じて選択的に用いるようにしてもよい。
【0045】
上記実施例では、緯入れ可能の緯糸に個々に対応された複数のフィーラヘッドを用いているが、スリット間隔を変更可能の1つのフィーラヘッドを緯入れ可能の複数の緯糸で共通に使用してもよい。
【0046】
図5は、そのようなフィーラヘッド80の一実施例を示す。フィーラヘッド80は、一対のヘッド部材82,84をガイド86で上下方向に相対的に移動に組み付け、両ヘッド部材82,84の間隔を回転式のアクチュエータ88で調節することにより、間隔を変更可能のスリット36と空間38とを形成している。
【0047】
ガイド86は、ヘッド部材82の穴90を下方から貫通してガイド86のねじ穴92にねじ込まれた複数のねじ部材(図示せず)によりヘッド部材82に組み付けており、また他方のヘッド部材84のT字状の箇所94を上下方向へ伸びるT字状のガイド溝96に上下方向へ移動可能に受け入れている。
【0048】
図示の例では、アクチュエータ88は、サーボモータのように位置制御可能及び逆転可能の回転式のものである。アクチュエータ88は、緯入れすべき緯糸に応じて回転量を制御される。アクチュエータ88の回転軸100は、ガイド部材82の貫通穴102を貫通しており、またガイド部材84のねじ穴104に螺合されたねじ部106を先端部に有している。
【0049】
各ヘッド部材82及び84は、厚さ方向に貫通してスリット36に開放する穴108を有している。一方の穴108には投光用の光ガイドの端部が挿入され、他方の穴108には受光用の光ガイドの端部が挿入される。このため、糸感知用の光通過領域が両光ガイドによりスリット36に形成されている。
【0050】
フィーラヘッド80において、アクチュエータ88が正転されると、ヘッド部材82,84が相寄る方向(又は、相離れる方向)へ移動され、アクチュエータ88が逆転されると、ヘッド部材82,84が相離れる方向(又は、相寄る方向)へ移動される。これにより、両ヘッド部材82,84により形成されるスリット36の間隔が変更される。
【0051】
上記のようなフィーラヘッド80によれば、1つのフィーラヘッドを複数の緯糸に共通に使用することができるから、緯入れ可能の緯糸の種類が多くても、織機へのフィーラヘッドの装着領域を大きくする必要がなく、したがって既存の織機に配置することができる。しかも、図2の装置のように糸種によって緯糸測長長さを換える必要がなく、緯糸の消費量を節約できる。
【0052】
また、スリット間に水が滞留するフィーラヘッドの場合、スリットを形成する面の加工の度合い(面相)が糸検知性能に大きく影響し、面相が粗いと、織機の振動による水信号(ノイズ信号)が大きくなる。しかし、フィーラヘッド80では、スリットが分割された2つのヘッド部材82,84により形成されるから、スリット面を高精度に容易に加工することができるのみならず、その表面加工状態及び表面状態(面相)を容易に確認することができる。
【0053】
両ヘッド部材82,84を相寄り相離れる方向へ移動させるためのアクチュエータとして、回転式のアクチュエータ88を用いる代わりに、リニアモータのような直線移動式のアクチュエータを用いてもよい。
【0054】
図6は、図5に示すフィーラヘッド80を用いた緯糸検知装置110の一実施例を示す。
【0055】
緯糸検知装置110は、図4に示す1つの信号処理回路44とこれに関連する各種の回路46,48,64,66,72,74のほかに、アクチュエータを駆動させるための設定器112及び制御器114を選択回路としての開閉器64の代わりに備えている。
【0056】
設定器112には、複数のスリット間隔が緯入れ可能の緯糸に個々に対応して緯入れすべき緯糸を表す緯糸選択信号SYを利用して設定されている。設定されたスリット間隔は、緯糸選択信号SYを用いて制御器114に読み出される。
【0057】
制御器114は、緯糸選択信号SYにより表される緯糸に対応するスリット間隔を設定器112から緯糸選択信号SYを用いて読み出し、読み出したスリット間隔に応じてアクチュエータ88を正転又は逆転させることにより、ヘッド部材82,84を相寄る方向又は相離れる方向へ移動させて、スリット36の間隔を変更する。
【0058】
信号処理回路44は、受光用光ガイド42の光を受光器54において受光量に応じた電気信号に変換し、その電気信号を増幅器56において増幅し、増幅された信号S1を比較器58において閾値設定器60に設定された閾値と比較する。閾値設定器60は、糸種毎の閾値を設定しておき、緯糸選択信号に応じた閾値を比較器58に出力する回路としてもよい。
【0059】
比較器58は、信号S1が閾値以下のときだけHレベルになる信号S2をアンド回路62の一方の入力端子に供給する。タイミング信号FTは、アンド回路62の他方の入力端子に供給される。アンド回路62は、信号S2とタイミング信号FTとを基に、タイミング信号FTが入力しているときに、比較器58の出力信号S2がHレベルのときだけ、Hレベルになる信号をフリップフロップ66のセット入力端子Sに出力する。
【0060】
フリップフロップ66は、タイミング信号FTを基にパルス発生器68で発生されたパルス信号P1の立ち上がり時、すなわち、タイミング信号FTの立ち上がり時にリセットされた後に、比較器58の出力信号S2を記憶する。
【0061】
論理信号発生器70は、織機が運転状態にあることを表す運転信号P2を基にパルス発生器72で発生されたパルス信号P3の立ち上がり時にリセットされ、タイミング信号FTを基にパルス発生器74で発生されたパルス信号P4の立ち下がり時にフリップフロップ66のQ出力を記憶する。
【0062】
また、フリップフロップ66は、タイミング信号FTの立ち上がり時にリセットされた後に、比較器58の出力信号S2を記憶する。論理信号発生器70に記憶された信号S4は、織機の主制御装置に出力する。
【0063】
信号処理回路44においても、フィリップフロップ66及び論理信号発生器70は、タイミング信号FTが発生されている間に、対応する緯糸がフィーラヘッドのスリットを通過すると、受光量が減少する結果、フリップフロップ66のQ出力がOFF(糸あり)となり、対応する緯糸がフィーラヘッドのスリットを通過しないと、フリップフロップ66のQ出力がON(糸なし)を維持することになる。論理信号発生器70は、フリップフロップ66のQ出力を受けてタイミング信号のOFF時に糸あり又は糸なしに対応する出力を発生する。
【0064】
論理信号発生器70に記憶された“糸なし”を表す信号は、織機を停止させる織機停止信号として、織機の主制御装置に供給される。
【0065】
上記実施例は、いずれも、投光ガイド40や受光ガイド42をフィーラヘッドに配置しているが、それの代わりに、投光器や受光器をフィーラヘッドに配置してもよい。
【0066】
本発明は、上記実施例に限定されない。例えば、本発明は、フィーラヘッドが織機のフレームに支持される技術のみならず、フィーラヘッドが筬に支持されて筬と共に移動される技術にも適用することができるし、また、水噴射式織機のみならず空気噴射式織機のような他の無杼織機にも適用することができる。それゆえに、本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る緯糸検知装置を備えた織機の主要部の一実施例を示す図である。
【図2】図1における反緯入れ側の部分を概略的に示す平面図である。
【図3】本発明に係る緯糸検知装置の電気回路の一実施例を示すブロック図である。
【図4】図4に示す緯糸検知装置における電気信号の波形の一例を示す図である。
【図5】フィーラヘッドの他の実施例を示す図である。
【図6】図5に示すフィーラヘッドを用いた緯糸検知装置の電気回路の一実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,110 緯糸検知装置
12,12a〜12c 緯糸
14a,14b,14c 緯入ノズル
16 経糸
18 筬
20 織布
28 カッタ
30a〜30n,80 フィーラヘッド
36 スリット
40,42 光ガイド
64 開閉器(選択回路)
68,72,74 パルス発生器
82,84 ヘッド部材
86 ガイド部材
88 アクチュエータ
Claims (7)
- 緯糸をフィーラヘッドのスリットに形成された光通過領域に通過させることにより緯糸を検知する方法であって、
前記光通過領域を含む前記スリットの間隔を緯入れされる緯糸に応じて決定するステップを含む、織機における緯糸検知方法。 - 前記決定するステップは、緯入れ可能の緯糸に個々に対応されて対応する緯糸に応じた間隔を有する前記スリットを備えた複数のフィーラヘッドを織機に配置しておき、緯入れすべき緯糸の切り替わり時に、切り替えられた緯糸に対応するフィーラヘッドを選択することを含む、請求項1に記載の緯糸検知方法。
- 前記決定するステップは、間隔を変更可能の前記スリットを備えたフィーラヘッドを織機に配置しておき、緯入れすべき緯糸の切り替わり時に、切り替えられた緯糸に応じて前記スリットの間隔を変更することを含む、請求項1に記載の緯糸検知方法。
- 前記複数のフィーラヘッドを、細い緯糸に対応するフィーラヘッドほど、織端から離れた箇所に位置するように、緯入れ方向に配置しておくことを含む、請求項2に記載の緯糸検知方法。
- 緯入れ可能の緯糸に個々に対応されて対応する緯糸に応じた間隔を有するスリットを備えた複数のフィーラヘッドであって緯入れされた緯糸が前記スリットに形成された光通過領域を通過することを許す複数のフィーラヘッドと、
緯入れすべき緯糸を表す緯糸選択信号を受け、受けた緯糸選択信号により表される緯糸に対応するフィーラヘッドを選択する選択回路とを含む、織機における緯糸検知装置。 - 間隔を変更可能のスリットを備えたフィーラヘッドであって緯入れされた緯糸が通過することを許す間隔の前記スリットに光通過領域を含むフィーラヘッドと、
光通過領域を含む前記スリットの間隔を変更するアクチュエータと、
緯入れすべき緯糸を表す緯糸選択信号を受け、受けた緯糸選択信号により表される緯糸に応じたスリットの間隔に変更すべく前記アクチュエータを制御する回路とを含む、織機における緯糸検知装置。 - 前記フィーラヘッドは、共同して前記スリット及び前記光通過領域を形成すべく相寄り相離れる方向へ移動可能に組み合わされた一対の部材で構成されていると共に、前記アクチュエータは少なくとも一方の前記部材に連結されている、請求項6に記載の緯糸検知装置。
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JP2001291811A JP4723770B2 (ja) | 2001-09-25 | 2001-09-25 | 織機における緯糸検知方法及び装置 |
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