JP4723096B2 - 歯科材料 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、歯科組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、歯の治療において歯科分野で使用するのに独特の取り扱い特性を有する組成物に関する。
【0002】
発明の背景
歯の構造を修復するための修復剤として、またはシ−ラントもしくは接着剤として、レジン、場合によってはフィラーを含む歯科材料を使用する。これらの材料を、硬化していない状態で塗布し、次いで、多くの場合、重合反応を開始する硬化光に暴露することにより口腔内で硬化する。硬化していない状態で最初に塗布する時の材料の粘稠度は、この材料の流動性が望ましい流動性より高い可能性がある点で問題となり得る。このことは、無秩序に流動する傾向がある接着剤またはシ−ラントの場合、特に当てはまる。歯科修復剤の部類にある高充填材料は、ゆっくりとした流動特性(「スランプ(slump)」と呼ばれる)を示す傾向がある。歯科材料に与えられた形状が、医師による成形と光暴露による材料重合との間の時間に変化することがあるので、スランプは問題となる場合がある。
【0003】
ある修復剤(特に、臼歯用コンポジットとして使用する材料の修復剤)は、特に高い粘度になるように設計されている。理想的には、レジンベ−スの材料が、挿入により口腔内で填塞されるアマルガム充填剤の装着性を模倣するように配合される。この挿入工程の間に、アマルガムは、マトリックスバンド(修復用の型として働き、修復物と隣接する歯列との適切な接触を確実なものにする薄金属片)を押しのけるように填塞する。レジンベ−ス製品の望ましい挿入可能な粘度を達成するのに現行技術では、高フィラー充填および/または有益な大きさと形状を有するフィラーが用いられる。このアプロ−チに関連する問題は、前述の材料が乾燥しているように見えることが多く、取り扱う時に、ぼろぼろに崩れやすいことである。別のアプロ−チは、レジンの粘度を高めて、高粘稠度の材料を作成することである。このアプロ−チによる材料は、粘着性がありすぎて最適に使用することができない場合があり、これも、乾燥し、ぼろぼろに崩れやすい可能性がある。
【0004】
発明の要約
歯科材料の成分の水素結合特性に基づいて独特の取り扱い特性を示す歯科材料が提供される。さらに詳細には、約10,000を超える分子量を有するポリマーである水素結合可能な化合物である成分i)と、水素結合可能な架橋化合物である成分ii)を含む、歯科材料が提供される。成分i)およびii)の一方は、化合物1個当たり2つ以上の水素結合ドナー部位を含み、成分i)またはii)の他方は、化合物1個当たり2つ以上の水素結合アクセプター部位を含む。この水素結合アクセプター部位は、水素結合ドナー部位として働くことができない。成分i)およびii)は、少なくとも10%高い相対粘度を示すのに十分な量で存在し、任意に、i)またはii)の少なくとも一方は重合可能である。前記材料が、化合物1個当たり1つだけしか水素結合ドナー部位または水素結合アクセプター部位を有さない任意のさらなる化合物を含む場合、水素結合ドナー部位を1つだけしか有さない化合物上の水素結合ドナー部位と、化合物1個当たり2つ以上の水素結合ドナー部位を有する化合物上の水素結合ドナー部位との比は0.25未満であり、水素結合アクセプター部位を1つだけしか有さない化合物上の水素結合アクセプター部位と、化合物1個当たり2つ以上の水素結合アクセプター部位を有する化合物上の水素結合アクセプター部位との比は0.25未満である。
【0005】
本発明の目的のために、用語「化合物」は、モノマ−、オリゴマー、ポリマー、またはフィラー粒子を含む任意の化学的実体を意味する。
【0006】
本発明の目的のために、「相対粘度」は、硬化していない望ましい本発明の組成物である本組成物と、水素結合ドナー部位が官能化されている以外は本組成物と組成が同一であり、その結果、もはや水素を供与することができない比較組成物の粘度とを比較したものである。たとえば、ヒドロキシ官能基である水素結合ドナー部位を、無水酢酸または塩化アセチルと反応させて、エステルまたは酢酸エステルを形成することにより官能化することができる。この評価を行うのに適した官能化は、化合物との反応を行いながら、水素ドナー部位を除去するのに必要なさらなる化学的実体だけしか付加しない能力に基づいて選択される。出発水素結合ドナー部位に応じて、酢酸エステルまたはメチルエーテルもしくはエチルエーテルあるいはそれらの等価物を形成する官能化により、成分i)とii)との水素結合相互作用の効果を示す適切な比較が行われることが意図される。
【0007】
本発明は、広範囲の歯科材料クラスより優れた独特の取り扱い特性を提供する。当業者が調製するために選択されるこの特定のクラスの歯科材料は、このクラスの材料に特有の成分を組み込むか、またはこのクラスに必要とされる特定の物理的特性(例えば、初期粘度)をもたらすように配合することにより決定される。従って、本明細書中で充填性(packable)、成形性(shapeable)、または流動性(flowable)コンポジットと定義されるカテゴリー内の歯科修復剤、ならびに粘度のより低い歯科材料(例えば、シーラントおよび接着剤)について、改善した特性を観察することができる。
【0008】
発明の詳細な説明
水素結合アクセプターとして働く材料と水素結合ドナーとして働く材料との間の水素結合を利用して、歯科材料、特に、歯科コンポジット材料のレオロジーを改善および制御する新規の方法を開発した。理論に束縛されるものではないが、本明細書中で述べられる特定の成分を選択することにより、材料が非硬化状態にある場合、水素結合マトリックスが生成されると考えられる。このマトリックスは、材料が妨害されていない場合、または材料の大きな表面に力が加えられている場合、独特の構造的性質を示す。しかしながら、材料にバルク剪断力または局所的剪断力が加えられた場合、材料は劇的に異なるレオロジー特性を示す。従って、この材料は、水素結合マトリックスの存在により、留まることが望ましい場所に留まる傾向があり、水素結合マトリックスを妨害するように力を加えることにより、簡単に移動させることが望ましいときに容易に移動する。
【0009】
この新規のアプローチを用いて、本発明者らは、歯科処置の取り扱いと使いやすさの面に有益な優れたレオロジー特性を有する歯科材料を作成した。本発明の1つの態様では、歯科コンポジット材料(すなわち、重合可能な成分とフィラー材料から作られる歯科修復材料)のレオロジーは、従来の歯科コンポジット材料と比較して著しく改善されている。
【0010】
本発明の1つの実施態様では、歯科コンポジットは、「充填性」コンポジットをもたらす高粘稠度の特性を示すことができる。「充填性」コンポジットは、窩洞に配置することができ、歯科用消息子で押しつけるとマトリックスバンドを変形させるのに十分な横向きの力を出し、さらに、歯科用消息子をコンポジット材料から取り外した後に、本質的にこの変形された位置でマトリックスバンドを保持する傾向がある材料である。好ましくは、この充填性材料は、9.5mm〜28mmの2.5kg稠性値(consistency value)(本明細書中で説明する)と400〜1200グラムの配置力値(placement force value)(本明細書中で説明する)を有する材料として定義される。
【0011】
より好ましくは、本発明のコンポジットは、本明細書中で説明するアーチ試験で定義されるようにアーチ形に形成される能力を示し、その位置をスランピング(slumping)も変形もなく保持するという点で、独特の性質を示す。
【0012】
非スランピング特性および非粘着特性により、材料の取り扱いおよび操作が容易になる。本発明のコンポジットは、咬合面に解剖学的構造を作成するように彫り、成形することもでき、それにより仕上げ段階および研磨段階での時間が節約される。
【0013】
本発明により、歯科材料の全組成物を決定することに大きな柔軟性が得られる。なぜなら、組成物のレオロジーが、水素結合アクセプター材料と水素結合ドナー材料との比を変えることにより、ならびにレジン粘度とフィラー充填を調節することにより制御されるからである。
【0014】
従って、本発明によって、非常にフェザラブルな(featherable)歯科コンポジットを配合することができる。フェザラビリティ(fetherability)は、材料表面を引き裂くことも凹凸にすることもなく、材料を厚い層から薄い層に広げる能力である。この特性は、歯科医師が、一般に、比較的厚みのある材料としてコンポジットを塗布し、その材料を歯科用器具で操作して所望の形状にするので重要である。コンポジット材料を広げると表面が引き裂かれるか、または凹凸になる場合、これらの表面を平らにして必要とする最終的な外観にするのに、さらに時間が必要である。このような余計な最終仕上げ時間は、費用がかかり、かつ患者に不快感を感じさせる。
【0015】
本発明の好ましい実施態様として、「充填性」でないが、改善したレオロジー特性(減少したスランプを含む)を有する歯科コンポジットが挙げられる。「充填性」および「流動性」コンポジットもまた機械的に成形性であるが、このような修復剤を、本明細書中では参照のために便宜上、一般に「成形性」としか呼ばない。本発明の「成形性」コンポジットは、スランプなく優れた取り扱い特性を示し、歯科用器具に粘着しないように配合することもできるので、先行技術のコンポジットより好ましい。
【0016】
本発明はまた、注射器または比較的小さな出口を有する他の貯蔵容器から投与することができる充填歯科修復材料である「流動性」コンポジットを意図する。好ましくは、本発明の流動性コンポジットは、2mm/分のクロスヘッドスピードで2.5kg未満の圧力を注射器に加えることにより、20ゲージ皮下注射針を備える1cc注射器(本体の寸法は内径6.17mm、長さ56.77mmであり、先端は直径1.96mm、長さ8.0mmである)から投与でき、さらに、500mgの試料が縦のガラス面から流出しないように静止系での流出に十分に抵抗する。
【0017】
充填性でも成形性でも流動性でも、本発明のコンポジット材料には全て、フッ化物放出材料(例えば、「コンポマー」と呼ばれる材料)または類似のハイブリッド系である歯科コンポジットのクラスが含まれることが好ましい。
【0018】
本発明のさらなる別の実施態様として、粘度がより低い材料(例えば、歯科用接着剤およびシーラント)が挙げられる。これらの組成物は充填されていても、充填されていなくてもよい。これらの組成物は、一旦、所望の支持層に配置したら流動しないが、貯蔵容器から容易に押し出されるか、または投与され、例えば、ブラシ、スポンジ、もしくは他の塗布用具から塗布するために力が加えられると、所望の支持層に容易に広げられる。
【0019】
さらなる本発明の特に好ましい実施態様は、歯科矯正用接着剤である。この種類の接着剤は、一般に、23〜32mmの1kg稠性値を有し、驚くことに、硬化前に長時間、支えのないブラケットまたはバンドを歯の上に保持するのに十分な粘稠度を有する。この実施態様は、予め塗られたブラケット(すなわち、接着剤がすでに付けられて工場から出荷されているブラケット)として特に好ましい。ブラケット上に予め塗られた硬化していない接着剤を固定剤として使用して、このようなブラケットを表面(例えば、パッケージ(package)の下部)につけることが好ましい。本発明による歯科矯正用接着剤は、ブラケットの重みによりブラケットの下から押し出されないし、はみ出さない。予め塗られたブラケットは、本明細書中に参考として援用される米国特許第5,015,180号および同第5,354,199号に開示されている。
【0020】
本発明の別の実施態様として、歯科材料を2部配合物として提供することができる。ここで、成分i)を第1部(A部)に提供し、成分ii)を第2部(B部)に提供する。A部およびB部を混合すると、歯科材料は、いずれか個々の部より著しく高い粘度を示す。これにより、歯科材料の投与および取り扱いが容易になり、混合すると優れた高粘度の取り扱い特性が得られる。A部およびB部を、別々の容器に、または任意に静的混合装置が取り付けられた複数の注射外筒のある注射器の別々の側に提供することができる。従って、A部およびB部を、投与の際に静的混合装置により自動的に混合してもよいし、任意に、使用者が別の適切な技術(例えば、へら操作)によって混合してもよい。
【0021】
この2部システムに、任意に、光重合開始系を設けてもよいし、あるいは、重合系の成分を混合すると重合を開始する2部化学(例えば、「暗所」)硬化系を設けてもよい。
【0022】
本発明の材料の成分i)およびii)は、水素結合ドナー部位または水素結合アクセプター部位のいずれかを含んでいる。水素結合アクセプター部位は、材料中の他の化合物の水素結合ドナー部位より大きな、活性水素と配位結合する親和性を有するように選択されることが好ましい。従って、水素結合ドナー部位は全て他の水素結合ドナー官能基と配位結合する能力を有するが、本発明による水素結合アクセプター部位は水素を含まない。従って、水素結合ドナー部位は、水素結合アクセプター部位と優先的に配位結合する。
【0023】
好ましい水素結合アクセプター部位として、窒素上に活性水素を含まない窒素含有化合物が挙げられる。このような官能基の例として、アミド(RR’NC(O)R’’、上式でRおよびR’はHではない。例えば、N−アルキルアクリルアミドおよびN−アルキルメタクルアミド)、ビニルアザラクトン(vinyl azalactone)、第3級アミン官能基、N上にアルキル基を有する第4級アンモニウムカチオン、および適切な複素環式化合物(例えば、ピリジン、ピロリドン、およびオキサゾリン)が挙げられる。
【0024】
水素結合ドナー部位は、水素結合アクセプター部位と容易に配位結合する活性水素を含む官能基である。好ましい水素結合ドナー部位は、ヒドロキシ基、第1級または第2級アミン、酸、S−H官能基、ならびにアミド、ウレタン、および尿素基中のN−H官能基である。
【0025】
前述のように、本発明の歯科材料は、約10,000を超える分子量を有するポリマーである水素結合可能な化合物である成分i)を含む。前述のポリマーは、約20,000を超える分子量を有することがより好ましく、約50,000を超える分子量を有することが最も好ましい。一般に、この成分は、本発明の組成物中で多量に存在することを必要としない。成分i)は、本発明のレジン成分の約0.05〜8%として存在することが好ましく、本発明のレジン成分の約0.1〜5%として存在することがより好ましい。
【0026】
成分i)は、水素結合アクセプター部位を含むことが好ましい。特に好ましい成分i)の化合物は、ポリ(N−ビニルピロリドン)ポリマー(「p−NVP」)である。ビニルピロリドンと他のモノマーとのコポリマー、またはグラフトポリ(N−ビニルピロリドン)と他の基とのコポリマーもまた好ましい。但し、コモノマーまたはグラフト基は、水素結合に不利な量の活性水素を含まない。例えば、ポリ(1−ビニルピロリドン−co−スチレン)、ポリ(1−ビニルピロリドン−co−酢酸ビニル)などが好ましい。コモノマーを慎重に選択することにより、ある特定のレジン配合のコポリマーの溶解度を制御または改善することができる。
【0027】
アクセプター官能基とドナー官能基を両方有する化合物を使用してもよいが、一般に、それ自体で配位結合する傾向があるので、あまり望ましくない。
【0028】
本発明の歯科材料はまた、水素結合可能な架橋化合物である成分ii)を含む。従って、成分ii)は、必要に応じて、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはフィラー粒子でもよい。成分ii)は、モノマーまたはフィラー粒子であることが最も好ましい。成分ii)がモノマーである場合、水素結合部位は、効果的な架橋を生じるために少なくとも約9オングストローム離れていることが好ましい。水素結合部位は、立体的に固定した部分により間隔を空けられており、その結果、この間隔が歯科材料のレジン系で物理的に維持されることがより好ましい。水素結合部位は、1または複数の環状部分により、特に、1または複数の芳香族部分により間隔を空けられていることが最も好ましい。
【0029】
レジンの成分ii)として使用するのに好ましい材料の例として、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(「BisGMA」);ジウレタンジメタクリレート(「DUDMA」、例えば、CAS番号41137−60−4、Rohm Tech,Inc.(Malden,MA)からROHAMERE 6661−0として市販されている);2,2’ビス(4−アクリルオキシフェニル)プロパン;2,2’−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ−フェニル)]プロパン;2,2’−ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−メタクリレート]プロパン;2,2’−ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−アクリレート]プロパン;ジ−2−メタクリロイルオキシエチル(oxethyl)ヘキサメチレンジカルバメート;ジ−2−メタクリルオキシエチルトリメチルヘキサンエチレン(hexanethylene)ジカルバメート;ジ−2−メタクリロイルオキシエチルジメチルベンゼンジカルバメート;メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート;ジ−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート;メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート;ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチル−ヘキサメチレンジカルバメート;ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート;ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート;メチレン−ビス−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート;ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート;ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート;ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート;ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート;メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート;ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート;ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート;ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート;ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート;メチレン−ビス−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート;ジ−b1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート;ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート;ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート;ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート;メチレン−ビス−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメートなどが挙げられる。
【0030】
あるいは、成分ii)はポリマーでもよい。水素結合ドナー化合物の場合、好ましくは、成分ii)を、ポリビニルアルコール、およびポリビニルアルコールと他の官能基のコポリマーから選択することができる。別のポリマーとして、カルボキシ官能基(例えば、ポリカルボン酸)を有するポリマー、およびイタコン酸とアクリル酸のコポリマーが挙げられる。
【0031】
さらに別の実施態様では、成分ii)は、適宜、水素結合アクセプター官能基または水素結合ドナー官能基のいずれかを有する官能化フィラー粒子であってもよい。例えば、コロイドシリカ(例えば、ヒュームドシリカ(fumed silica))は、かなりの数のヒドロキシル基を含み、p−NVPポリマーと共に優れた架橋化合物として働く。コロイドシリカは、有効な成分ii)材料として働くように、総フィラーの1〜100重量%として存在してもよい。驚くことに、少量の官能化フィラーが、本発明における架橋化合物の機能を実行することができる。従って、総フィラーの1〜10%ほどの少ない量であっても所望の効果を示す。コロイドシリカは、任意に、シラン処理されていてもよい。
【0032】
アクセプター官能基とドナー官能基を両方有する化合物を使用してもよいが、一般に、それ自体で配位結合する傾向があるので、あまり望ましくない。
【0033】
本発明のレジンは、水素結合ドナー部位を1つだけしか含まない化合物である成分iii)をさらに含んでもよい。これらの化合物は、成分i)またはii)の水素結合部位と競合し、レジンマトリックス内での物理的な水素結合架橋を少なくするので、少量だけで存在してもよい。少量のこのような材料の添加は、レオロジーを改善し、所望の取り扱い特性を微調整するための別の方法として有益に使用することができる。単一の水素結合ドナー官能基を有し、重合可能であるレジン材料として、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、およびポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0034】
本発明の組成物は、本発明の水素結合のための希釈剤として働くと言える、水素結合しない化合物を含むことが好ましい。本発明のために、希釈剤または重合可能な希釈剤は、1種類の化学的実体でも2種類以上の化学的実体の混合物でもよい。これらの希釈剤化合物は重合可能であり、その結果、口腔内の最終生成物である硬化マトリックスの一部であることが好ましい。これらの希釈剤は、一般に、低粘度であり、その結果、所望の最終用途に適した非硬化材料の配合を可能にし、溶媒として働いて比較的均一に全成分を混合することを可能にする。本発明のために記載された希釈剤のクラスは、本発明の水素結合に寄与しないが、歯科材料に有益な他の特性をもたらす官能基をさらに含んでもよい。
【0035】
本発明による希釈剤の好ましい例として、トリエチレングリコールジメタクリレート(「TEGDMA」)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(「PEGDMA」)、および2,2’−ビス(4−メタクリルオキシ(エトキシ)nフェニル)プロパン(n=1〜5)(「BisEMA」)が挙げられる。
【0036】
希釈剤のさらなる例は、メチルアクリレート;メチルメタクリレート;エチルアクリレート;エチルメタクリレート;プロピルアクリレート;プロピルメタクリレート;イソプロピルアクリレート;イソプロピルメタクリレート;テトラヒドロフルフリルアクリレート;テトラヒドロフルフリルメタクリレート;グリシジルアクリレート;グリシジルメタクリレート;エチレングリコールジアクリレート,エチレングリコールジメタクリレート;ポリエチレングリコールジアクリレート(酸化エチレンの繰り返し単位の数は2〜30である);ポリエチレングリコールジメタクリレート(酸化エチレンの繰り返し単位の数は2〜30である);ネオペンチルグリコールジアクリレート;ネオペンチルグリコールジメタクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート;トリメチロールプロパントリメタクリレート;ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトールのテトラアクリレートおよびメタクリレート;1,3−ブタンジオールジアクリレート;1,3−ブタンジオールジメタクリレート;1,4−ブタンジオールジアクリレート;1,4−ブタンジオールジメタクリレート;1,6−ヘキサンジオールジアクリレート;1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートである。
【0037】
本発明の1つの実施態様は、特に、セメント反応を組成物のさらなる硬化様式としてさらに利用するように設計された組成物である。これらの組成物は、セメント反応のために、水の存在下で組成物のレジン部分に存在する酸官能基と反応する反応性フィラーを含んでいる。この反応性フィラーはフッ化物を放出する特性を有してもよいし、有さなくてもよい。このようなフィラーとして、通常、アイオノマーと共に使用してアイオノマーセメントを形成するフィラーが挙げられる。適切な反応性フィラーの例として、金属酸化物(例えば、酸化亜鉛および酸化マグネシウム)ならびにイオン浸出ガラス(ion−leachable glass)(例えば、米国特許第3,655,605号;同第3,814,717号;同第4,143,018号;同第4,209,434号;同第4,360,605号および同第4,376,835号に記載)が挙げられる。取り扱い特性を改善するために、または最終組成物の硬化特性に変化をもたらすために、このような反応性フィラーを含めてもよい。セメント反応のために十分な量の反応性フィラーを有する組成物は、一般に、非硬化状態では水に対して耐性がない。なぜなら、医師が使用する前に、水があるとセメント反応があまりにも早く始まってしまうからである。反応性フィラーを含む組成物には余分な水が実質的にないことが好ましい。
【0038】
反応性フィラーは、細かい反応性フィラーであることが好ましい。反応性フィラーは、都合よく他の成分と混合し、口腔内で使用できるように十分に細かくなくてはならない。反応性フィラーの好ましい平均粒径は、約0.2〜約15ミクロンであり、より好ましくは約1〜10ミクロンであり、例えば、沈降分析機を使用して測定される。
【0039】
適切な酸反応性フィラーとして、金属酸化物、金属塩、およびガラスが挙げられる。好ましい金属酸化物として、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、および酸化亜鉛が挙げられる。好ましい金属塩として、多価カチオンの塩(例えば、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硝酸アルミニウム、硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウム、フルオロホウ酸カルシウム)が挙げられる。好ましいガラスとして、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、およびフルオロアルミノシリケートガラスが挙げられる。
【0040】
最も好ましい酸反応性フィラーは、フッ化物を放出する酸反応性フィラーである。フッ化物放出ガラスは、前述のように良好な操作性と最終組成物特性をもたらすのに加えて、例えば、口腔内で使用されるフッ化物を長期放出するという利益をもたらす。フルオロアルミノシリケートガラスが特に好ましい。適切な酸反応性フィラーはまた、当業者に周知の様々な商業的供給源から入手可能である。例えば、適切なフィラーを、市販されている多数のガラスアイオノマーセメントから得ることができる。所望であれば、フィラーの混合物を使用することができる。
【0041】
所望であれば、酸反応性フィラーを表面処理することができる。適切な表面処理として、酸洗浄、リン酸での洗浄、キレート剤(例えば、酒石酸)での洗浄、シランカップリング剤またはシラノールカップリング剤での洗浄が挙げられる。特に好ましい酸反応性フィラーは、米国特許第5,332,429号(この開示は、本明細書中に参考としてはっきりと援用される)に記載されているシラノール処理されたフルオロアルミノシリケートガラスフィラーである。
【0042】
非酸反応性フィラーを、例えば、歯科修復組成物に現在使用されているフィラーなど、医療に使用される組成物に混合するのに適した任意の材料の1または複数から選択することができる。フィラーは細かく、その最大粒径は約10ミクロン未満であり、平均粒径は約1.0ミクロン未満であることが好ましい。フィラーの最大粒径は約1.0ミクロン未満であり、平均粒径は約0.1ミクロン未満であることがより好ましい。フィラーの粒径分布は、単峰性でも多峰性(例えば、二峰性)でもよい。フィラーは無機材料でもよい。フィラーはまた重合可能なレジンに溶けず、かつ任意に無機フィラーで充填された架橋有機材料でもよい。フィラーは、どのような場合でも無毒であり、かつ口腔での使用に適しているべきである。フィラーは、X線不透過性でも非X線不透過性でもよい。
【0043】
適切な非酸反応性無機フィラーの例は、石英、窒化物(例えば、窒化ケイ素)、例えば、Ce、Sb、Sn、Zr、Sr、Ba、およびAlから誘導されたガラス、コロイドシリカ、長石、ホウケイ酸ガラス、カオリン、タルク、チタニア、亜鉛ガラス;モース硬度が小さなフィラー(例えば、米国特許第4,695,251号に記載のフィラー);ならびにサブミクロンシリカ粒子(例えば、Degussaから販売されている「Aerosil」シリーズ「OX50」、「130」、「150」、「200」シリカ、およびCabot Corp.から販売されている「Cab−O−Sil M5」シリカなどのパイロジェンシリカ)などの天然材料または合成材料である。適切な非反応性有機フィラー粒子の例として、充填または非充填の微粉化ポリカーボネート、ポリエポキシド、ポリアクリル酸などが挙げられる。好ましい非酸反応性フィラー粒子は、水晶、サブミクロンシリカ、および米国特許第4,503,169号に記載のタイプの非ガラス微粒子である。これらの非酸反応性フィラーの混合物、ならびに有機材料および無機材料から作られる組み合わせフィラーもまた意図される。
【0044】
フィラーと重合可能なレジンとの結合を強化するために、フィラー粒子の表面をカップリング剤で処理することが好ましい。適切なカップリング剤として、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0045】
所望であれば、本発明の組成物は、添加剤(例えば、共溶媒、顔料、抑制剤、硬化促進剤、安定剤、粘度調節剤、界面活性剤、レオロジー調節剤、着色剤、医薬品、および当業者に明らかな他の成分)を含むことができる。
【0046】
本発明の別の態様では、特定の工程段階を使用することにより、本発明の歯科修復組成物の製造が容易になる。多くの場合、高粘稠度の材料が望まれるが、高粘度のために製造しにくく(例えば、混合および押し出ししにくく)、容器に入れにくい(例えば、注射器に充填しにくい)。この問題は、混合の間に、成分i)またはii)の一方または他方(例えば、p−NVP)を固形粉末の形で添加することにより回避することができる。あるいは、成分i)またはii)をフィラー表面上に予め分散させることができる。この工程を使用して、材料の粘度は、製造工程の間、比較的低レベルに保たれる。材料の製造工程および容器に入れる工程が終わった後、固形の成分i)またはii)がレジンマトリックスに徐々に溶解するにつれて、材料の粘度はだんだんと望ましいレベルまで増加する。
【0047】
本発明のペーストの非スランピング特性を証明するために、簡単な「アーチ」試験を開発した。この評価では、1本の細いペーストのひもをアーチの形にする。このアーチは、スランピングも変形もなく長時間立ち続けていればいるほど、非スランピング特性が優れている。さらに詳細には、試験しようとするペースト材料を、約2mmの出口を有する標準的な歯科修復剤カプセルに充填する。次いで、ペーストを、直径約2mm、長さ2cmの細いひもとしてカプセルから押し出す。このペーストのひもをアーチのような形にし、アーチの両端を、1cm離してガラス板にくっつける(この時、ひもは、ガラス板上に立っているシャクトリムシに似ている)。この試験は、室温(約22℃)または高温(例えば、37℃)で行うことができる。アーチがスランピングも変形もなく立ち続けている時間から、どの程度、材料の非スランピング特性が優れているかが分かる。アーチは、室温で1時間を超えてその形を保つことが好ましい。アーチは、37℃で1時間を超えてその形を保つことがより好ましい。
【0048】
コンポジットに関連した本発明の態様では、本発明は、非スランピング材料を提供する。本発明の材料は、本質的に「設置した場所から動かない」ので、歯科医は、市販されている流動性のある材料に現在必要とされるように、窩洞を余分にふさぐ必要はない。本発明はまた、縁に合うようにさらに容易に操作され、その後、吻合面に解剖学的構造を作成するように彫られる材料を提供する。従って、歯科医師は、本発明の材料を使用すると、修復処置において、特に、縁適合および仕上げ/研磨段階において時間と材料を節約することができる。
【0049】
さらに、本発明の歯科コンポジットは、最終的な修復の美しさに望ましいクリーム調の光沢のある外観を示す。この外観は、高フィラー充填によりパッカビリティ(packability)または低スランプ特性を達成する材料では得ることができない。
【0050】
本発明の流動性および成形性歯科材料の粘度を、間隔が0.5mmのパラレルプレートレオメーター(モデルARES,Rheometric Scientific,NJ)と直径25mmのプレートを使用して測定した。レオメーターの振動数は0.1ラジアン/秒であり、歪みは200%である。粘度測定分野の当業者に明らかなように、非常に低い粘度または非常に高い粘度を有する本発明の他の材料については、粘度測定のセットアップパラメータを調節する。従って、ある特定の粘度範囲の材料の粘度を測定するためには、特定の測定パラメータが必要な場合がある。これらの他の材料の特定の粘度測定値は重要でないが、本発明の材料ではない材料と比較した相対粘度が、特定の測定技術にかかわらず当業者に評価される。
【0051】
実施例
以下の実施例は本発明を例示するために提供され、本発明の最も広い概念を限定すると意図されない。特に他に表示のない限り、全ての部およびパーセントは重量部および重量パーセントであり、全ての分子量は重量平均分子量である。
【0052】
試験手順
以下の全試験を室温(約22℃)で行った。
【0053】
試験A
稠性値
稠性値を以下の手順を使用して行った。円柱形ペースト試料(直径1cm、高さ0.7cm、重量約1.2g)を、正方形のガラス板(10×10×5mm)の上に置いた。次いで、重量115gのガラス板(10×10×5mm)を、試験しようとするペースト試料の上に置いた。この上板の上に、さらなるスチールまたは真鍮製の円柱形おもりを置いた。ガラス上板と円柱形おもりを含む、円柱形ペースト試料の上に配置された総重量は、1kgまたは2.5kgであった。その重量でペーストを平らにするか、または押しつけることにより生じる円の直径を、1kgの重量を使用した場合は2分後に、または2.5kgの重量を使用した場合は4分後に測定した。平らにされたペースト円柱の円直径を測定し、「稠性値(mm)」として記録した。
【0054】
試験B
配置力値
本発明の歯科修復物を窩洞に配置するのに必要な力を、以下の手順により評価した。
【0055】
試料を、QTS25テクスチャーアナライザ(Stevens Mechtric,United Kingdom)に配置した。この機器は、円柱形の、ステンレス鋼製の頭が平らな消息子(部品番号TA39)(直径2mmおよび長さ20mm)を、試験試料(ペーストを充填したTeflonTMカップ(直径20mmおよび深さ6.5mm))に向けて、2mmの総移動距離を70mm/分の速度で移動させる。この機器は、消息子の頭部が移動する間に発生するピーク抵抗を記録する。
【0056】
試験C
フィラー低充填ペーストのドリップ試験
少量のペースト(約33mg)を、縦向きにした顕微鏡ガラススライドの上に置いた。1分後に、ペーストがガラススライドの下方に動いた距離を測定および記録した。より粘性のあるペーストについては、500mgまでの試料と5分までの時間を使用することができる。
【0057】
以下は、実施例で使用した略語のリストである。
BISEMA6エトキシル化(6モル酸化エチレン)ビスフェノールAジメタクリレート(Sartomer CD541,Union Carbide)
BHT,2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
PDMA,2,2−ジ(N−メタクリルオキシエチルカルバモイルメチル)プロピオン酸
TEGDMA,トリエチレングリコールジメタクリレート
DUDMA−−−ジウレタンジメタクリレート,CAS番号41137−60−4(Rohm Tech,Inc.(Malden,MA)からRohamere6661−0として市販されている)
p−NVP,ポリ(N−ビニルピロリドン)(38,000MW)
EDMAB,エチル4−ジメチルアミノベンゾエート
BisGMA,2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシ−プロポキシ)フェニル]プロパン
DPI PF6,ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート
CPQ,カンファーキノン
GDMA,グリセロールジメタクリレート
Tinuvin−P,2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール(Ciba−Geigy)
【0058】
予備フィラー実施例1
ゾルゲル由来フィラーを以下のように調製した。25.5部のシリカゾル(「Ludox」LS:E.I.DuPont de Nemours & Co.)を、0.255部の濃硝酸を迅速に添加することにより酸性にした。別の容器に、12.9部のイオン交換された酢酸ジルコニル(Magnesium Elektron,Inc.)を20部の脱イオン水で希釈し、結果として生じた溶液を0.255部の濃硝酸で酸性にした。シリカゾルを、攪拌された酢酸ジルコニル溶液にポンプで入れ、1時間混合した。攪拌された混合物を、3mmフィルター、続いて1mmフィルターに通して濾過した。濾液を、約25mmの深さまでトレーに注ぎ、強制空気オーブン(forced air oven)内で65℃で約35時間(hrs)、乾燥させた。結果として生じた乾燥材料をオーブンから取り出し、950℃まで予め加熱したロータリーチューブファーネス(Harper Furnace Corp.)で乾燥させた。平均粒径が0.5〜1.2ミクロンになるまで(Micromeritics 5100 Sedigraphで測定)、焼成材料を、1/4インチアルミナ媒体と共に転動ボールミル内で粉末にした。ミル投入物には、75部の焼成材料、3部のメタノール、1.9部の安息香酸、および1.1部の脱イオン水が含まれた。次いで、フィラーをセラミックス製のさやに入れ、電気炉(L & L Furnace Corp.)内で880〜900℃で約8時間、空気中で焼いた。次いで、焼かれたフィラーを、4〜5時間ボールミルにかけた。ミル投入物には、32部の焼かれたフィラー、1.25部のエタノール、および0.3部の脱イオン水が含まれた。次に、フィラーを、振動ふるい(Vortisiv V/S 10010)内の74mmナイロンスクリーンに通した。次いで、フィラーを、V−ブレンダー(Patterson−Kelly Corp.)で約15分間混合した。
【0059】
シラン処理は以下のとおりであった。32重量部(pbw)のフィラーを、激しく攪拌しながら48.94pbwの脱イオン水に添加した。0.104pbwのトリフルオロ酢酸(TFAA)をゆっくりと添加した。次いで、5pbw刻みでTFAAをさらに添加することにより、pHを3.0〜3.3に調節した。次いで、3.56pbwのシランA−174(Inc.)を添加した。スラリーを約2時間攪拌し、内側をプラスチックシートで覆ったトレーに注ぎ、次いで、90℃に設定したオーブン内で13時間乾燥させた。乾燥フィラーのケークを押しつぶし、74umスクリーンに通した。
【0060】
予備フィラー実施例2
処理フュームドシリカ(OX−50)を以下のように作成した。3312gのMeOHと720gの脱イオン水からなる溶液を、1分間、予め混合した。この水溶液に、1024gの氷酢酸、続いて、4968gのA−174シランをゆっくりと添加した。前述の溶液を1時間混合した。加水分解段階の終わりには、この溶液は透明であった。この溶液を、加水分解後30分以内に使用した。前述の溶液と20700gのOX−50粉末を約40分間混合し、直ぐに、処理されたフィラーを乾燥トレーに注ぎ、67℃で約3.75時間乾燥させ、100℃でさらに1.25時間乾燥させた。乾燥フィラーを、振動ふるい(Vortisiv V/S 10010)内の74mmナイロンスクリーンに通してふるいにかけた。
【0061】
予備実施例−PDMAの調製
ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸ジ(N−メタクリルオキシエチル)カルバメート(PDMA)を、以下のように2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(BHMPA)と2当量のイソシアネートエチルメタクリレート(IEM)を反応させることにより合成した。2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(BHMPA,225.21g,1.679モル)と、少量の1または複数の安定化剤(例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT,1.6781g,7.615mmole)および/またはトリフェニルアンチモン(TPS,1.3463g,3.813mmole))と、触媒量のジブチルスズジラウレート(dibutlytin dilaurate)(2.4396g,3.863mmole)と、乾燥THFまたは他の適切な溶媒を、リアクターに最初に添加した。溶液を短時間攪拌した後、IEM(592.64g,3.823モル)を添加した。常に攪拌しながら、反応物を65℃に30分間加熱した。転化が完了した後、溶媒を除去した。最終生成物PDMAは、無色の粘性のある液体であった。
【0062】
流動性組成物
実施例1
30pbwの以下のレジン成分を、70pbwの予備フィラー実施例1と混合した。
【0063】
【表1】
Figure 0004723096
【0064】
比較例2
30pbwの以下のレジン成分を、70pbwの予備フィラー実施例と混合した。
【0065】
【表2】
Figure 0004723096
【0066】
【表3】
Figure 0004723096
【0067】
PDMAを含む実施例1は、1分間の試験の間、移動しなかった。
【0068】
実施例3〜5
標準的な条件下で表4に列挙するレジン成分を混合して、実施例3〜5を作成した。次いで、18.2pbwの各レジンを、81.8pbwの予備フィラー実施例1と混合した。総重量1kgと2分間の試験手順Aを用いることにより、結果として生じるペーストの稠性値(表5)を集めた。
【0069】
【表4】
Figure 0004723096
【0070】
【表5】
Figure 0004723096
【0071】
一連の実施例3〜5から、p−NVPの混合により、水素結合ドナー部位を1つだけしか有さない化合物であるGDMAを添加してもペーストの稠性値が著しく減少することが分かる。p−NVPの混和を助けるために、GDMAをこの系に取り入れた。可溶化を助けるために非水素結合ドナー化合物を使用した組成物は、ペーストのレオロジーに対してさらに素晴らしい効果を示すと予想される。
【0072】
実施例6
表6に列挙する成分を混合して、水素結合可能なポリマーとしてp−NVPの代わりにポリ(エチルオキサゾリン)(MW200,000)を含む、および含まない2種類のレジン配合物を作成した。各レジン実施例の粘度(表7)を、歪み制御式レオメーター(モデルAres,Rheometric Scientific,NJ)を使用して測定した。レジン試料を、0.5mmの間隔で2つのパラレルプレート(直径25mm)の間に入れ、0.1ラジアン/秒の振動数と200%の歪み速度で評価した。
【0073】
【表6】
Figure 0004723096
【0074】
【表7】
Figure 0004723096
【0075】
BisGMA/TEGDMA OX50系では、0.5%ポリ(エチルオキサゾリン)を添加することにより、粘度が劇的に約280倍増加した。
【0076】
実施例7
表8に示すレジンR1〜R4で始めることにより、ペースト試料P1〜P10を調製した。明記した量の重合可能な成分を、p−NVPを含めて、またはp−NVPを含めずに十分に混合して、レジン混合物R1〜R4を得た。表10に明記したように、レジン混合物の1つ(40pbw)を予備実施例1または予備実施例2の処理フィラー(60pbw)と混合することにより、ペーストP1〜P8を配合した。60pbwのレジン混合物R1またはR2を40pbwの未処理OX50(Degussa)と混合することにより、ペーストP9およびP10を調合した。
【0077】
これらの各ペースト試料の粘度を、歪み制御式レオメーター(モデルAres,Rheometric Scientific,NJ)を使用して測定した。ペースト試料を、0.5mmの間隔で2つのパラレルプレート(直径25mm)の間に入れた。粘度の測定を、0.00625s-1から始めて1.0s-1まで、ずり速度が対数目盛り12刻みで変化するずり速度で行った。0.025s-1の低いずり速度を用いて粘度値を比較した。なぜなら、この条件が、臨床の場で最もよくみられるからである。表9は、実施例7a〜7jの粘度値をまとめたものである。
【0078】
【表8】
Figure 0004723096
【0079】
【表9】
Figure 0004723096
【0080】
前述の実施例において、少量のp−NVPがペーストの成分となっている場合、粘度はかなり劇的に増加する。このことは、p−NVPとドナー部位との水素結合相互作用の効果を表している。ペースト7c、7d、7g、および7hについては、ドナー部位は、処理フィラー表面により提供されている。他の6つのペーストについては、レジンならびに処理フィラーがドナー部位を提供している。7fおよび7j(未処理フィラー対処理フィラー)を比較すると、フィラー表面のドナー特性の効果は劇的であることが分かる。

Claims (5)

  1. 10〜40重量%の樹脂と60〜90重量%のフェラーを含む歯科材料であって、前記樹脂が、
    樹脂の全重量に基づいて0.05〜8重量%の、窒素上に活性水素を含まない窒素含有ポリマー、
    樹脂の全重量に基づいて30〜60重量%の、少なくとも2つの水酸基を含む化合物、及び
    樹脂の全重量に基づいて36〜69.8重量%の、非水素結合性で重合可能な希釈剤を含む、歯科材料。
  2. 前記歯科材料が5,000〜50,000Pa-sの粘度を有する、請求項に記載の歯科材料。
  3. 窒素上に活性水素を含まない窒素含有ポリマーは、ポリN−ビニルピロリドン、ポリビニルアセトアミド、ポリ(1−ビニルピロリドン−co−スチレン)、ポリ(1−ビニルピロリデン−co−ビニルアセテート)、およびポリエチルオキサゾリンからなる群から選択される、請求項1に記載の歯科材料。
  4. 少なくとも2つの水酸基を含む化合物は、ビスフェノールAのグリシジルメタアクリレート、ジウレタンジメタクリレート、並びに、ポリビニルアルコールのポリマー及びコポリマーからなる群から選択される、請求項1に記載の歯科材料。
  5. 少なくとも2つの水酸基を含む化合物は、ヒドロキシル官能基を有するフィラーを含む、請求項1に記載の歯科材料。
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