JP4722617B2 - 産業用ロボット - Google Patents
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従来の塗装ロボットでは、塗装ガンの移動経路を細かく指定し、塗装ロボットに教示する必要がある。移動経路の違いによって、塗装品質にばらつきが生じるからである。
複数の水平アームからなる水平多関節アームを有し、制御軸を少なくとも4軸以上有する産業用ロボットにおいて、
最上位の位置に配置され、前記制御軸をそれぞれ駆動する全てのモータが集中配置されるベース部と、
前記ベース部から下方に垂設される水平多関節アームと、
前記水平多関節アームの先端部に設けられ上下方向に移動自在な上下アームと、
前記上下アームの下端部に連結されエンドエフェクタと該エンドエフェクタの揺動軸を有する手首部と、
前記水平多関節アームの回動に連動して前記エンドエフェクタの向きを前記上下アームの上下動を許容しながら水平面内で一定の方向に保持する、伝動系に組み込まれた平行リンク機構と、を備え、
前記水平多関節アームは、
第1軸を中心に水平面上を回動する第1アームと、
前記第1アームの先端部の第2軸を中心に前記第1アームの下位にある水平面上を回動する第2アームと、を備え、
前記伝動系は、
前記ベース部と前記第1アームの関節部を連結し前記ベース部に配置された第1軸モータの動力を第1軸に減速して伝動する第1の減速機と、
前記ベース部に配置された第2軸モータと連結され第1減速機に同軸に貫通する第1伝動軸と、
前記第1アームと第2アームの関節部を連結し、第2軸モータの動力を前記第2アームに伝動する第2の減速機と、
前記第1伝動軸から動力を前記第2減速機に伝達する第1ベルト伝動機構と、
前記手首部を上下方向に昇降させる第3軸を構成するボールねじ機構に、前記ベース部に配置された第3軸モータからベルト伝動する第3軸伝動系であって、前記第3軸モータの回転が伝動され、前記第1伝動軸の外側に同軸に配置された第2伝動軸と、前記第2減速機に同軸に貫通する第3伝動軸と、前記第1ベルト伝動機構と同軸のプーリを有し第2伝動軸から動力を前記第3伝動軸に伝達する第2ベルト伝動機構と、前記第3伝動軸から動力を前記上下アームのボールねじ機構のボールねじ軸に螺合するボールナットに伝達する第3ベルト伝動機構と、からなり、前記ボールねじ機構は、ボールねじ溝ともにスプライン溝を有するボールねじと、該ボールねじに前記スプライン溝を介して嵌合するスプラインナットとを備え、前記ボールねじは、前記ボールナットの回転を前記手首部の直線運動に変換するともに、前記手首部に回転運動を伝達する第4軸伝達系の伝動軸を兼ねるようにした第3軸伝動系と、
前記上下アームの手首部を揺動させる水平な第4軸を有する揺動機構に、前記ベース部に配置された第4軸モータから動力をベルト伝動する第4軸伝動系であって、前記第4軸モータの回転が伝動され、前記第2伝動軸の外側に同軸に配置された第4伝動軸と、前記第3伝動軸の内側に同軸に配置された第5伝動軸と、前記第1ベルト伝動機構および第2ベルト伝動機構と同軸のプーリを有し第4伝動軸から動力を前記第5伝動軸に伝達する第4ベルト伝動機構と、前記第3ベルト伝動機構と同軸のプーリを有し、前記第5伝動軸から前記スプラインナットを介して前記ボールねじに回転を伝達する第5ベルト伝動機構と、を備えた第4軸伝動系と、
前記第3軸伝動系および第4軸伝動系と一体的に組み込まれた前記平行リンク機構と、から構成され、
前記平行リンク機構は、
前記第1減速機と同軸にベース側に固定され、前記第1伝動軸、第2伝動軸、第3伝動軸が同軸に収容される中空軸と、
前記中空軸に固定された第1プーリと、
前記第2減速機を同軸に貫通し、第1アーム側に固定した軸受と第2アーム側に固定した軸受によって固定されかつ前記第4伝動軸の内側に同軸に配置されたプーリ軸と、前記第1プーリと等しい歯数を有し前記軸の第1アーム側端部に固定された第2プーリと、
前記プーリ軸の第2アーム側端部に固定された第3プーリと、
前記第2プーリと第3プーリに巻き掛けられるタイミングベルトと、
前記第2アームの先端部で前記スプラインナットを介して前記ボールねじと一体に取り付けられ、前記第3プーリと等しい歯数を有する第4プーリと、
前記第3プーリと第4プーリに巻き掛けられるタイミングベルトと、からなることを特徴とするものである。
図1は、本発明による産業用ロボットを適用した塗装ロボットの実施形態の側面図であり、図1において、参照番号10は、塗装ロボットの全体を示し、11はベース部、12は2つの水平アームからなる水平多関節アームを示す。この実施形態では、水平多関節アーム12は、第1アーム14と第2アーム16とからなり、第2アーム16の先端には上下アーム18が設けられている。上下アーム18の先端の手首部20には、エンドエフェクタとして塗装ガン22が取り付けられている。
第1軸の伝動系
第1軸モータ30の回転軸にはプーリ36が軸着されている。第1減速機34の入力軸にはプーリ37が軸着されている。プーリ36とプーリ37にはタイミングベルト38が巻き掛けられており、第1軸モータ30の動力は、プーリ36、37、タイミングベルト38からなるベルト伝動機構を介して第1減速機34に伝えられ、第1減速機34の出力軸に直結した第1アーム14が回動するようになっている。
第2軸の伝動系は、大きくみると、第2軸モータ31の動力を第1伝動軸40から第2アーム16内に組み込まれたベルト伝動機構により第2減速機35に伝える構成になっている。この実施形態では、第1伝動軸40は、第2軸モータ31の回転軸に直結しており、第1減速機34を同軸に貫通して第1アーム14側まで延びている。第1アーム14の内部では、第1伝動軸40の先端部にプーリ41が固着され、第2減速機35の入力軸にはプーリ42が取り付けられている。そして、これらのプーリ41、42にタイミングベルト43が巻き掛けられて、これらは、第1伝動軸40から動力を第2減速機35に伝達する第1ベルト伝動機構を構成している。
次に、第3軸の伝動系は、第3軸モータ32の動力を手首部20を上下方向に昇降させるボールねじ機構に伝動する伝動系である。この第3軸伝動系は、大きくみると、第2伝動軸44と、第3伝動軸45と、第1アーム14内でこれらの伝動軸間でベルト伝動を行う機構と、第2アーム16内で第3伝動45とボールナット46との間でベルト伝動を行う機構とから構成されている。
次に、上下アーム18の手首部20を揺動させる揺動機構に第4軸モータから動力をベルト伝動する第4軸伝動系について説明する。
この第4軸伝動系は、大きくみると、図2において第4軸モータ(第3軸モータ32に隠れて図示されず)から順に、第4伝動軸70、第5伝動軸72、スプラインナット68、ボールねじ54と、各伝動軸間をつなげるベルト伝動機構とから構成されている。
この平行リンク機構は、基本的に、中空プーリ軸80と、プーリ軸82と、これらのプーリ軸のそれぞれに設けられたプーリとタイミングベルトから構成されている。
11 ベース部
12 水平多関節アーム
14 第1アーム
16 第2アーム
18 上下アーム
20 手首部
22 塗装ガン(エンドエフェクタ)
30 第1軸モータ
31 第2軸モータ
32 第3軸モータ
34 第1減速機
35 第2減速機
46 ボールナット
54 ボールねじ
63 ウォーム
64 ウォームホイール
68 スプラインナット
Claims (2)
- 複数の水平アームからなる水平多関節アームを有し、制御軸を少なくとも4軸以上有する産業用ロボットにおいて、
最上位の位置に配置され、前記制御軸をそれぞれ駆動する全てのモータが集中配置されるベース部と、
前記ベース部から下方に垂設される水平多関節アームと、
前記水平多関節アームの先端部に設けられ上下方向に移動自在な上下アームと、
前記上下アームの下端部に連結されエンドエフェクタと該エンドエフェクタの揺動軸を有する手首部と、
前記水平多関節アームの回動に連動して前記エンドエフェクタの向きを前記上下アームの上下動を許容しながら水平面内で一定の方向に保持する、伝動系に組み込まれた平行リンク機構と、を備え、
前記水平多関節アームは、
第1軸を中心に水平面上を回動する第1アームと、
前記第1アームの先端部の第2軸を中心に前記第1アームの下位にある水平面上を回動する第2アームと、を備え、
前記伝動系は、
前記ベース部と前記第1アームの関節部を連結し前記ベース部に配置された第1軸モータの動力を第1軸に減速して伝動する第1の減速機と、
前記ベース部に配置された第2軸モータと連結され第1減速機に同軸に貫通する第1伝動軸と、
前記第1アームと第2アームの関節部を連結し、第2軸モータの動力を前記第2アームに伝動する第2の減速機と、
前記第1伝動軸から動力を前記第2減速機に伝達する第1ベルト伝動機構と、
前記手首部を上下方向に昇降させる第3軸を構成するボールねじ機構に、前記ベース部に配置された第3軸モータからベルト伝動する第3軸伝動系であって、前記第3軸モータの回転が伝動され、前記第1伝動軸の外側に同軸に配置された第2伝動軸と、前記第2減速機に同軸に貫通する第3伝動軸と、前記第1ベルト伝動機構と同軸のプーリを有し第2伝動軸から動力を前記第3伝動軸に伝達する第2ベルト伝動機構と、前記第3伝動軸から動力を前記上下アームのボールねじ機構のボールねじ軸に螺合するボールナットに伝達する第3ベルト伝動機構と、からなり、前記ボールねじ機構は、ボールねじ溝ともにスプライン溝を有するボールねじと、該ボールねじに前記スプライン溝を介して嵌合するスプラインナットとを備え、前記ボールねじは、前記ボールナットの回転を前記手首部の直線運動に変換するともに、前記手首部に回転運動を伝達する第4軸伝達系の伝動軸を兼ねるようにした第3軸伝動系と、
前記上下アームの手首部を揺動させる水平な第4軸を有する揺動機構に、前記ベース部に配置された第4軸モータから動力をベルト伝動する第4軸伝動系であって、前記第4軸モータの回転が伝動され、前記第2伝動軸の外側に同軸に配置された第4伝動軸と、前記第3伝動軸の内側に同軸に配置された第5伝動軸と、前記第1ベルト伝動機構および第2ベルト伝動機構と同軸のプーリを有し第4伝動軸から動力を前記第5伝動軸に伝達する第4ベルト伝動機構と、前記第3ベルト伝動機構と同軸のプーリを有し、前記第5伝動軸から前記スプラインナットを介して前記ボールねじに回転を伝達する第5ベルト伝動機構と、を備えた第4軸伝動系と、
前記第3軸伝動系および第4軸伝動系と一体的に組み込まれた前記平行リンク機構と、から構成され、
前記平行リンク機構は、
前記第1減速機と同軸にベース側に固定され、前記第1伝動軸、第2伝動軸、第3伝動軸が同軸に収容される中空軸と、
前記中空軸に固定された第1プーリと、
前記第2減速機を同軸に貫通し、第1アーム側に固定した軸受と第2アーム側に固定した軸受によって固定されかつ前記第4伝動軸の内側に同軸に配置されたプーリ軸と、前記第1プーリと等しい歯数を有し前記軸の第1アーム側端部に固定された第2プーリと、
前記プーリ軸の第2アーム側端部に固定された第3プーリと、
前記第2プーリと第3プーリに巻き掛けられるタイミングベルトと、
前記第2アームの先端部で前記スプラインナットを介して前記ボールねじと一体に取り付けられ、前記第3プーリと等しい歯数を有する第4プーリと、
前記第3プーリと第4プーリに巻き掛けられるタイミングベルトと、からなることを特徴とする産業用ロボット。 - 前記エンドエフェクタは、塗装ガンからなることを特徴とする請求項1に記載の産業用ロボット。
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