図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、テーブル保持手段115、パターン決定手段116、保留制御手段117、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
パターン決定手段116は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
テーブル保持手段115は、変動パターンを決定するための抽選値であるパターン抽選値と変動パターンの対応関係が規定されたパターンテーブルを保持する。パターン決定手段116は、当否抽選のたびにパターン抽選値として乱数値を取得するとともに、テーブル保持手段115のパターンテーブルを参照してパターン抽選値に対応する変動パターンを選択する。パターン決定手段116は、選択した変動パターンをメイン表示制御手段118へ送出するとともに、決定した変動パターン番号を演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段117は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、パターン決定手段116により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば100回に至るまで継続される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。複数の変動パターンデータには、それぞれ一意の変動パターン番号が付与されており、テーブル保持手段115が持つパターンテーブルにパターン抽選値との対応関係が定められる。
演出決定手段132は、パターン決定手段116により決定された変動パターン番号に応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
以下、本実施例におけるパターンテーブルについて説明する。パターンテーブルは、複数のメインパターンテーブルと複数のサブパターンテーブルで構成され、遊技状態に応じてメインパターンテーブルとサブパターンテーブルが選択的に参照される。これらのパターンテーブルには、パターン抽選値と変動パターンの対応付けとして、変動パターン番号を用いた対応関係の規定はされていない。その代わりに、パターン抽選値に応じた計算結果により変動パターン番号を求める方式を採用している。具体的には、パターン決定手段116はパターン抽選値に応じたカウントを繰り返し、そのカウント値をそのまま変動パターン番号として用いることができる。パターンテーブルには、パターン抽選値と変動パターンの対応関係を示す複数の参照値がその参照順序とともに規定される。本実施例のパターン抽選値は、0〜39999とする。
図4は、メインパターンテーブルの内容を模式的に示す。メインパターンテーブル200には、メインパターンテーブル番号202として「A1」「A2」「A3」などの番号が割り当てられており、それぞれが一つのメインパターンテーブルを構成して異なる遊技状態に対応する。例えば、当否抽選の保留数が0個または1個の場合、保留数が2個または3個の場合、保留数が4個の場合で異なるメインパターンテーブルが参照される。また、時短中の場合や確変中の場合にもそれぞれ異なるメインパターンテーブルが参照される。
テーブル参照値204として、メインパターンテーブルごとに参照値が定められている。これらのテーブル参照値204は、そのテーブルから複数のサブパターンテーブルのいずれかに振り分けるためにパターン抽選値と比較する値であり、その参照順序とともに規定される。例えば本図のメインパターンテーブル「A1」の場合、「38022」「1632」「244」「102」の各値が規定され、この順序で参照され、パターン抽選値と比較される。テーブル参照値204のそれぞれには、サブパターンテーブル番号206とカウント初期値208が対応付けられる。カウント初期値208は、変動パターン番号をカウント値で表すためにそのカウントの初期値として設定される値である。
パターン決定手段116は、まず遊技状態に応じたメインパターンテーブルを選択し、そのテーブルに規定された参照順序にしたがって次々にテーブル参照値204とパターン抽選値を比較する。その比較において、パターン抽選値がテーブル参照値204より小さくなければそのパターン抽選値からテーブル参照値204を減算し、次の比較では減算後の差分値としてのパターン抽選値と次のテーブル参照値とを比較する。この比較は、パターン抽選値からテーブル参照値204を減算していった値がテーブル参照値204より小さくなるまで繰り返され、テーブル参照値204より小さくなったときのそのテーブル参照値204に対応するサブパターンテーブル番号206とカウント初期値208が選択される。以下、パターン抽選値からテーブル参照値を減算した差分値も、便宜上「パターン抽選値」と総称する。テーブル参照値204より小さくなったパターン抽選値はサブパターンテーブルの参照に引き継がれる。このようにテーブル参照値204はパターン抽選値から参照順序にしたがって減算していくことを前提としてその値が定められている。
ここで、メインパターンテーブル番号「A1」を参照する場合を例にして説明する。遊技状態が「A1」に対応する状態である場合に「A1」が参照される。最初にテーブル参照値「38022」が参照され、この値より小さい場合、すなわちパターン抽選値が「0〜38021」の場合に、「38022」に対応付けられたサブパターンテーブル番号「1」とカウント初期値「1」が選択される。パターン抽選値が「38022〜39999」の場合は、その値からテーブル参照値「38022」が減算され、その差分値としてのパターン抽選値と次のテーブル参照値「1632」が比較される。例えばパターン抽選値が「38022〜39653」の場合、最初のテーブル参照値「38022」が減算されると差分値としてのパターン抽選値が「0〜1631」となる。これらは、2番目のテーブル参照値「1632」より小さいため、そのテーブル参照値に対応付けられたサブパターンテーブル番号「2」とカウント初期値「20」が選択される。パターン抽選値が「39654〜39999」の場合は、最初のテーブル参照値「38022」が減算されたパターン抽選値からさらに2番目のテーブル参照値「1632」が減算され、その差分値としてのパターン抽選値と次のテーブル参照値「244」が比較される。例えばパターン抽選値が「39654〜39897」の場合、テーブル参照値「38022」および「1632」が減算されるとパターン抽選値が「0〜243」となる。これらは、3番目のテーブル参照値「244」より小さいため、そのテーブル参照値に対応付けられたサブパターンテーブル番号「3」とカウント初期値「30」が選択される。パターン抽選値が「39898〜39999」の場合は、テーブル参照値「38022」および「1632」が減算されたパターン抽選値からさらに3番目のテーブル参照値「244」が減算され、そのパターン抽選値と次のテーブル参照値「102」が比較される。例えばパターン抽選値が「39898〜39999」の場合、テーブル参照値「38022」「1632」「244」が減算されるとパターン抽選値が0〜101となる。これらは、4番目のテーブル参照値「102」より小さいため、そのテーブル参照値に対応付けられたサブパターンテーブル番号「4」とカウント初期値「40」が選択される。
図5は、サブパターンテーブルの内容を模式的に示す。サブパターンテーブル210には、サブパターンテーブル番号212として「1」「2」「3」「4」などの番号が割り当てられており、それぞれが一つのサブパターンテーブルを構成し、それぞれに複数のパターン参照値214が対応付けられる。これら複数のパターン参照値214は、そのサブパターンテーブルから複数の変動パターンのいずれかに振り分けるために、メインパターンテーブル200から引き継がれた差分値を含むパターン抽選値と比較される値であり、その参照順序とともに規定される。パターン決定手段116は、メインパターンテーブル200において選択されたサブパターンテーブル番号206と同じ番号のサブパターンテーブル番号212を参照する。そのサブパターンテーブルに規定された参照順序にしたがって次々にパターン参照値214とメインパターンテーブル200から引き継がれたパターン抽選値とを比較する。その比較において、パターン抽選値がパターン参照値214より小さくなければそのパターン抽選値からパターン参照値214を減算し、次の比較では減算後のパターン抽選値と次のパターン参照値214とを比較する。この比較は、パターン抽選値からパターン参照値214を減算していった値がパターン参照値214より小さくなるまで繰り返される。このとき、メインパターンテーブル200から選択されたカウント初期値208に対して上記の減算があるたびにカウントの増加がなされ、パターン抽選値がパターン参照値214より小さくなったときのカウント値がそのまま変動パターン番号を表す。このようにパターン参照値214はパターン抽選値から減算していくことを前提としてその値が定められている。パターン決定手段116は、パターン抽選値がパターン参照値214より小さくなったときのカウント値を変動パターン番号とする変動パターンを選択する。
ここで、サブパターンテーブル番号212として「1」が選択された場合を例にして説明する。メインパターンテーブル200においてサブパターンテーブル番号「1」が選択される場合とは、パターン抽選値が「0〜38021」の場合であり、このときカウント初期値208として「1」がサブパターンテーブル210に引き継がれる。最初にパターン参照値「22872」が参照され、この値より小さい場合、すなわちメインパターンテーブル200から引き継がれたパターン抽選値が「0〜22871」の場合に、カウント初期値「1」がそのまま変動パターン番号を表すこととなる。パターン抽選値が「22872〜38021」の場合は、その値からパターン参照値「22872」が減算され、カウント初期値に対してカウントが一つ加算されてカウント値は「2」となり、減算後のパターン抽選値と次のパターン参照値「1200」が比較される。例えばパターン抽選値が「22872〜24071」の場合、最初のパターン参照値「22872」が減算されるとパターン抽選値が「0〜1199」となり、2番目のパターン参照値「1200」より小さいため、カウント値「2」が変動パターン番号を表すこととなる。パターン抽選値が「24072〜38021」の場合は、その値からパターン参照値「22872」および「1200」が減算され、カウントが一つ加算されてカウント値は「3」となり、減算後のパターン抽選値と次のパターン参照値「1250」が比較される。例えばパターン抽選値が「24072〜25321」の場合、パターン参照値「22872」および「1200」が減算されるとパターン抽選値が「0〜1249」となり、3番目のパターン参照値「1250」より小さいため、カウント値「3」が変動パターン番号を表すこととなる。サブパターンテーブル番号「1」には12個のパターン参照値214が対応付けられているので、パターン抽選値に応じて変動パターン番号1から12までのいずれかの変動パターンが選択される。
以上のように、サブパターンテーブル210には変動パターン番号そのものは含まれておらず、パターン抽選値と参照値を繰り返し比較した結果値であるカウント値が変動パターン番号として使用される。ここで、カウント値をそのまま変動パターン番号として用いるとすれば、サブパターンテーブル210に含められる複数の変動パターンの番号が連続していることが望ましい。その趣旨から、本実施例における複数の変動パターンは、遊技状態ごとに選択されるすべてのサブパターンテーブルにおいて変動パターンの番号ができる限り連続するように番号の割り当てがなされている。ただし、変動パターンの種類や数が増えるほどパターンテーブルも増えるため、遊技状態ごとに使用される変動パターンの組合せは多岐にわたることとなり、すべてのサブパターンテーブルにおいて変動パターン番号をすべて連続させることは現実には難しい。そこで、パターン抽選値と参照値の比較を繰り返すときにカウント値の増加を調整して特定の番号をスキップすることで変動パターン番号の部分的な非連続にも対応する。
例えば図5の例では、サブパターンテーブル番号「2」において、通常のパターン参照値214の他に、スキップ指定値「FF02」が2番目のパターン参照値に代わって対応付けられている。このスキップ指定値「FF02」は、「FF」の部分がスキップする旨を示し、「02」の部分が番号のスキップ幅を示す。メインパターンテーブル200においてサブパターンテーブル番号「2」が選択されるのは、パターン抽選値が「38022〜39653」の場合であり、対応するカウント初期値208は「20」である。したがって、図5のサブパターンテーブル番号「2」に対応付けられたパターン参照値214とパターン抽選値との比較では、カウント初期値「20」からカウントし、スキップ指定値「FF02」によりカウント値「21、22」がスキップされる。この値の部分ではスキップ指定値「FF02」における「02」の部分で示される通り、カウント値に2を加算することで二つ分のカウント値を一度にスキップする。このように、変動パターンが対応付けられていないカウント値の部分にパターン参照値に代わる特定値であるスキップ指定値を対応付けておくことにより、パターン参照値の数を無闇に増やすことなく、使用されない変動パターン番号と同じカウント値をスキップすることができる。また、一度にスキップする値の幅も指定できるため、スキップする値の数だけスキップ指定値を用いるのではなく一つのスキップ指定値で対応でき、データサイズの増加を抑制できる。これにより、サブパターンテーブル番号「2」から選択される変動パターン番号は「20」「23」「24」「25」のように連続する部分と非連続の部分とが混在することとなる。
一方、パターン抽選値とパターン参照値の比較および減算が繰り返されると、次第に減算後のパターン抽選値が減少するため、比較されるパターン参照値も小さくなる。また、サブパターンテーブルによっては、格納されるパターン参照値がすべて小さな値である場合もある。ここで本実施例では、パターン抽選値として2バイトの値が用いられるため、比較対象であるパターン参照値としても各パターンテーブルにおいて2バイトずつ領域が確保される。しかし、パターン参照値の実サイズは必ずしもすべてに2バイトの領域が必要というわけではなく、特に比較および減算が繰り返されてパターン抽選値が1バイトに収まるほど小さくなったときに参照されるパターン参照値は本来ならすべて1バイトの領域で十分である。そこで、各パターンテーブルにおいてパターン参照値の実サイズが1バイトを超えるサイズから1バイト以内のサイズへ切り替わる箇所に切替指定値「FE00」を挿入する。パターン決定手段116は、原則的にはパターン参照値として2バイトずつテーブルから参照するが、参照した値が切替指定値「FF00」であった場合には、その値以降は1バイトずつ参照する。例えば、図5のサブパターンテーブル「2」の場合、2バイトである「300」が連続した後、「FE00」が挿入された箇所以降は、1バイトである「240」「192」と続いている。同様に、サブパターンテーブル「3」の場合、すべてのパターン参照値214が1バイトであり、冒頭に切替指定値「FE00」が挿入され、それ以降は1バイトの値「1,100,100,22,21」が連続する。サブパターンテーブル「212」の場合もまたすべてのパターン参照値214が1バイトであり、冒頭に切替指定値「FE00」が挿入され、それ以降は1バイトの値「65,2,8,6,5,2,3,2,9」が連続する。以上のように、パターン参照値の代わりに切替指定値を挿入しておくことにより、パターン決定手段116は参照するパターン参照値のデータサイズを切り替えられる。その切替を前提としてサブパターンテーブルにおけるパターン参照値の格納領域を小さくでき、これによりサブパターンテーブルのデータサイズを小さくすることができる。
なお、本実施例では、パターン参照値の参照データサイズの切替を指示する目的で切替指定値を用いているが、変形例として、この切替指定値をスキップ指定値として兼用できる構成としてもよい。例えば、切替指定値「FE00」の下二桁が「00」であればパターン参照値の参照データサイズの切替のみを指示することとし、この下二桁が「02」や「03」などの数値である場合にはスキップ指定値として兼用されていることを示してもよい。その場合、下二桁の数値がスキップする値幅を示す。この変形例においては、変動パターン番号が非連続となる箇所であり、かつ、その箇所以降のパターン参照値が1バイト以内のサイズであるような場合に、一つの指定値だけでスキップとスキップ値幅、参照データサイズ切替を同時指定できる。これにより、サブパターンテーブルのデータサイズが増加するのを抑制することができる。
図6は、変動パターンテーブルの内容を模式的に示す。変動パターンテーブル220には、変動パターン番号222として「1」「2」「3」のように連続する複数の番号が含まれ、それぞれに異なる変動パターン224が対応付けられている。例えば変動パターン番号「1」には変動パターン224として「通常変動」が対応付けられ、変動パターン番号「2」には変動パターン224として「短縮変動」が対応付けられる。変動パターン224として例えば100種類が用意される場合、変動パターン番号222は「1」から「100」が割り当てられる。変動パターンテーブル220は、パターン決定手段116および演出決定手段132に格納され、それぞれにおいて特別図柄の変動パターンと装飾図柄の変動パターンが変動パターン番号に応じて選択される。
従来の通常形式であれば以下のようにパターンテーブルが構成される。例えば一つの遊技状態に対して変動パターンが100種類用意される場合、参照値と変動パターン番号とがパターンテーブル中に1対1で直接対応付けられるので、その対応関係は少なくとも100通りとなる。このようなテーブルの場合、一つの参照値に2バイトを確保し、一つの変動パターン番号に1バイトを確保するので、一つの対応関係で3バイト、100通りの対応関係を規定すれば全体で300バイトとなる。遊技状態に応じて異なるパターンテーブルを参照するとして、想定する遊技状態が30種類ならば複数のパターンテーブルの合計が9キロバイトとなる。
上記の従来の例を本実施例の形式に当てはめた場合は以下のようになる。まず、パターンテーブルに変動パターン番号が含まれないため、従来は一つの対応関係に3バイトが確保されていたところ、本実施例では参照値に対する2バイトだけが確保され、単純に言えばデータ量が2/3まで大幅削減される。ただし、パターンテーブルがメインパターンテーブルとサブパターンテーブルの組合せによって構成されるため、テーブルの数自体は増加する可能性が高く、その分の容量確保は必要となる。例えば30種類の遊技状態に対してメインパターンテーブルが30個用意され、それぞれが5個のサブパターンテーブルに対応付けられ、各サブパターンテーブルが20個の変動パターンと対応付けられると想定する。その場合、遊技状態ごとに100種類の変動パターンに対応付けられることとなり、その点では上記の従来の例と同じ条件になる。この例でサブパターンテーブルの数を単純計算するなら、サブパターンテーブルの数は、のべ150個となる。その場合、サブパターンテーブルにおいて一つ2バイトのパターン参照値が20個格納されれば、150個のサブパターンテーブルは6キロバイトとなり、この時点で従来のパターンテーブルの2/3となる。また、メインパターンテーブルは、一つのサブパターンテーブルとの対応関係につき、2バイトのテーブル参照値と2バイトの変動パターン番号と1バイトのカウント初期値で計5バイトが確保される。一つのメインパターンテーブルに5個のサブパターンテーブルが対応付けられ、30個のメインパターンテーブルが用意されるので、メインパターンテーブルの合計で750バイトとなる。したがって、単純な計算では、メインパターンテーブルとサブパターンテーブルの合計で6.75キロバイトに抑えられる。
一方、パターンテーブルを複数のメインパターンテーブルと複数のサブパターンテーブルに分けてそれらを組み合せることとした結果、実際には一つのサブパターンテーブルを複数のメインパターンテーブルに対応付けることが可能となる。このようにサブパターンテーブルを共通化することにより、例えばサブパターンテーブルは120個程度に減らしても十分となり得る。その場合、サブパターンテーブルにおいて一つ2バイトのパターン参照値が20個格納されれば、120個のサブパターンテーブルは4.8キロバイトとなり、メインパターンテーブルと足しても5.5キロバイト程度に抑えられ、従来の2/3程度に大幅削減されることとなる。このように、本実施例のようなテーブル構造を採用することにより、同じ演出数でもデータ量を2/3程度に削減することが可能となり、特にメイン基板102における記憶容量の圧迫を抑制することができる。また、仮に記憶容量に余裕がある場合には、逆に演出数を増やすこともできる。その場合、データ量が2/3になる分、単純計算で言えば演出数を1.5倍程度に増やすことも可能となる。
図7は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図8は、図7におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図9は、図8におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、パターン決定手段116は、特別図柄の変動パターンを選択する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S50)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを選択する(S52)。
図10は、図9におけるS48を詳細に示すフローチャートである。パターン決定手段116は、遊技状態に応じて複数のメインパターンテーブルからいずれかを選択するとともに(S100)、パターン抽選値を取得する(S102)。取得したパターン抽選値がメインパターンテーブルのテーブル参照値より小さくなければ(S104のN)、パターン抽選値からテーブル参照値を減算し(S106)、テーブル参照値より小さくなるまでS104およびS106の処理を繰り返す。テーブル参照値より小さくなった場合(S104のY)、そのテーブル参照値に対応するサブパターンテーブル番号とカウント初期値を選択し(S108)、そのサブパターンテーブル番号で示されるサブパターンテーブルを選択する(S110)。サブパターンテーブルを参照し、パターン参照値として設定された値がスキップ指定値でない場合であって(S112のN)、パターン抽選値がパターン参照値より小さくなければ(S116のN)、パターン抽選値からパターン参照値を減算し(S118)、カウント初期値からはじめるカウント値に1を加算し(S120)、パターン参照値より小さくなるまでS112からS120までの処理を繰り返す。また、パターン参照値として設定された値がスキップ指定値であった場合(S112のY)、カウント値に2を加算してS112へ戻る(S114)。パターン抽選値がパターン参照値より小さくなったとき(S116のY)、その時点のカウント値で表される変動パターン番号を持つ変動パターンを選択する(S122)。
図11は、図7におけるS16を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上記の実施例においては、ぱちんこ遊技機を例にして本発明の構成を説明した。変形例においては、回胴式遊技機やじゃん球遊技機などの他の遊技機において本発明を実現してもよい。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 115 テーブル保持手段、 116 パターン決定手段、 118 メイン表示制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段。