JP5182926B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における遊技の進行を制御する技術に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。
表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像に様々なキャラクタやモチーフを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出によっても遊技者の期待感を高めている。図柄の変動表示の態様および表示過程が定められた変動パターンは、一つの機種において複数のパターンが用意され、いずれのパターンに基づいて表示されるかが図柄変動が開始されるたびに抽選で決定される(例えば、特許文献1参照)。近年、表示装置における画像の高精細化や開発競争の影響もあり、一つの機種に用意される変動パターンの種類は数を増し、パターンの豊富さや斬新さが遊技機の人気を左右する最も大きな要素となっている。また変動パターンは、その時点の遊技状態の違いによっても異なるパターンが選択されるため、多数の変動パターンから抽選で選択するために参照されるデータテーブルは年々肥大化している。
演出の種類が増加する反面で、遊技機に搭載される記憶媒体のデータ容量は、コスト抑制との関係で必ずしも増加しないため、制御や演出が複雑になるほど記憶容量は圧迫され、逆にデータ量削減の必要性が高まる。特にメイン基板においては数バイトの単位でROMのデータ量削減が求められている上、開発者に課されるコスト要求も大きく、ROM記憶容量の増加といった直接的な方法で解決することは難しい。しかも、機種ごとの部品共通化によるコスト削減といった観点でも、機種ごとにROM記憶容量を変えたり、テーブル構造を大幅に変更したりすることは避けなければならない。こうした状況の中、データ量の増大を避けながら演出的効果を高める手法は開発者によってつねに模索されている。
特開2003−230714号公報
ここで、開発者としては、遊技演出の展開を設計する上で、特定の演出による変動パターンを所望のタイミングで表示させたいといった状況が事実として生じる。しかし、すでにROM記憶容量が切迫して僅かでもデータ削減を図りたい中で、特定の変動パターンをある1回のタイミングで選択させるためだけに参照テーブルの数を増やしてしまえば、さらなるROM切迫を招くこととなり設計上好ましくない。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機におけるデータ量増加を抑制しながら遊技を適切に制御することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の実行契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、図柄の変動表示を開始するにあたり、変動表示における図柄の変動過程が定められた変動パターンを複数の変動パターンから選択するために、所定の時間間隔で更新されるカウント値をランダムな値であるパターン用抽選値として抽出し、その抽出したパターン用抽選値および当否抽選の結果に基づき、そのパターン用抽選値に対応付けられた変動パターンを選択する図柄変動決定手段と、図柄表示装置への図柄の変動表示を選択された変動パターンにしたがって制御する表示制御手段と、当否抽選の結果が当たりとなり、図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を備える。当否抽選手段および図柄変動決定手段における各種処理は、中央処理装置により実行されるとともに、その中央処理装置は反復的に処理すべきメインループ処理と一時的な実行命令として割り込まれてメインループ処理に優先して処理すべき割込処理とを実行し、図柄変動決定手段は、特定の遊技制御処理の発生と連動させて特定の遊技制御処理に関連する内容を持つ特定の変動パターンを複数の変動パターンから意図的に選択する場合、特定の遊技制御処理が含まれる一つの割込処理に、カウント値を所定の初期値へ戻す初期化処理とパターン用抽選値を抽出する処理とを含めて中央処理装置に実行させるとともに、特定の変動パターンが初期値と同じパターン用抽選値にあらかじめ対応付けられている。
ここで、「ランダムな値」である「パターン用抽選値」は、例えばソフトウェア乱数として無作為に抽出される値であってもよい。この「パターン用抽選値」は、定期的または非定期的にカウントアップされるカウント値を、「パターン用抽選値」を決定すべきタイミングにて抽出した値であってもよい。「特定の遊技制御処理」「初期化処理」「パターン用抽選値を抽出する処理」の各処理はこの順序にて実行されてもよいし、別の順序で実行されてもよいし、各処理の間には別の処理が入らない構成としてもよい。各処理の間に別の処理が入るとしても、少なくとも「初期化処理」と「パターン用抽選値を抽出する処理」の間にカウント値の更新処理が入らない構成としてもよい。
この態様によれば、初期値と同じパターン用抽選値に特定の変動パターンを対応付けておくことで、変動パターンの差し替えを伴わずに遊技機開発者が意図するタイミングで確実に特定の変動パターンを選択させることができる。これにより開発者は、特定の演出を表示させる変動パターンや特定の変動時間での図柄変動を表示させる変動パターンを意図するタイミングで選択させることができる。また、定常的に参照されるパターン決定テーブルにおいて特定の変動パターンとパターン用抽選値の対応関係を定義しておけるため、特定の変動パターンを選択させるためだけの特別なパターン決定テーブルを別途用意する必要もなく、無駄なデータ量増大を回避することができる。
なお、一例として、「メインループ処理」と「割込処理」に分けた上で、「特定の遊技制御処理」が「割込処理」に含まれることとしたが、別の例としては、割込処理の形で実行するか否かを問わず、「特定の遊技制御処理」の前後で「初期化処理」および「パターン用抽選値を抽出する処理」を実行すれば足りる。その場合、「特定の遊技制御処理」の後で「パターン用抽選値を抽出する処理」が実行され、「パターン用抽選値を抽出する処理」の前に「初期化処理」が実行され、「初期化処理」と「パターン用抽選値を抽出する処理」の間にカウント値の更新処理を実行しなければ、同様の結果が得られる。例えば、特定の遊技制御処理として特別遊技の終了処理を実行する場合は以下の通りに処理される。すなわち、その特別遊技が終了した後に生ずる最初の図柄変動としての「パターン用抽選値を抽出する処理」の前までに「初期化処理」を実行し、その「パターン用抽選値を抽出する処理」と「初期化処理」の間にカウント値の更新処理を実行しなければよい。
図柄変動決定手段は、特定の遊技制御処理として特別遊技の終了処理の発生と連動させるタイミングで、特別遊技終了後の最初の図柄変動として特定の変動パターンを意図的に選択する場合、特別遊技の終了処理が含まれる一つの割込処理に初期化処理とパターン用抽選値を抽出する処理とを含めて中央処理装置に実行させるとともに、特別遊技終了後の最初の図柄変動として表示させるべき特定の変動パターンが初期値と同じパターン用抽選値に対応付けられていてもよい。
この態様によれば、特別遊技の終了直後に、通常遊技における最初の図柄変動として特定の変動パターンにしたがった図柄変動を意図的に選択して表示させることができる。
本発明の別の態様もまた、弾球遊技機である。この弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の実行契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、図柄の変動表示を開始するにあたり、変動表示における図柄の変動過程が定められた変動パターンを複数の変動パターンから選択するために、所定の時間間隔で更新されるカウント値をランダムな値であるパターン用抽選値として抽出し、その抽出したパターン用抽選値および当否抽選の結果に基づき、そのパターン用抽選値に対応付けられた変動パターンを選択する図柄変動決定手段と、図柄表示装置への図柄の変動表示を選択された変動パターンにしたがって制御する表示制御手段と、当否抽選の結果が当たりとなり、図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、を備える。当否抽選手段および図柄変動決定手段における各種処理は、中央処理装置により実行されるとともに、その中央処理装置は反復的に処理すべきメインループ処理と一時的な実行命令として割り込まれてメインループ処理に優先して処理すべき割込処理とを実行し、図柄変動決定手段は、特定の遊技制御処理の発生と連動させて特定の遊技制御処理に関連する内容を持つ特定の変動パターンを複数の変動パターンから意図的に選択する場合、特定の遊技制御処理が含まれる一つの割込処理に、カウント値を所定の初期値へ戻す初期化処理を含めて中央処理装置に実行させ、割込処理から一定時間が経過するタイミングで特定の変動パターンを選択するための別の割込処理を発生させるとともに、特定の変動パターンが初期化処理から一定時間が経過するタイミングまで更新されたときのカウント値と同じパターン用抽選値にあらかじめ対応付けられている。
この態様においては、「初期化処理」と「特定の変動パターンを選択」の間にカウント値の更新処理が発生してもよいが、少なくともその間の更新処理回数ないし更新処理後のカウント値があらかじめ一定となるよう規定されている必要がある。この態様においても、初期値から一定時間が経過するタイミングまで更新されたときの所定のカウント値と同じパターン用抽選値に特定の変動パターンを対応付けておくことで、変動パターンの差し替えを伴わずに遊技機開発者が意図するタイミングで確実に特定の変動パターンを選択させることができる。これにより開発者は、特定の演出を表示させる変動パターンや特定の変動時間での図柄変動を表示させる変動パターンを意図するタイミングで選択させることができる。また、定常的に参照されるパターン決定テーブルにおいて特定の変動パターンとパターン用抽選値の対応関係を定義しておけるため、特定の変動パターンを選択させるためだけの特別なパターン決定テーブルを用意する必要もなく、無駄なデータ量増大を回避することができる。
図柄変動決定手段は、特定の遊技制御処理として特別遊技の終了処理の発生と連動させるタイミングで、特別遊技終了後の最初の図柄変動として特定の変動パターンを意図的に選択する場合、特別遊技の終了処理が含まれる一つの割込処理に初期化処理を含めて中央処理装置に実行させるとともに、特別遊技終了後の最初の図柄変動として表示させるべき特定の変動パターンが初期化処理から一定時間が経過するタイミングまで更新されたときのカウント値と同じパターン用抽選値にあらかじめ対応付けられていてもよい。
この態様においても、特別遊技の終了後から一定時間が経過する特定のタイミングで特定の変動パターンにしたがった図柄変動を意図的に選択して表示させることができる。
図柄変動決定手段は、特定の遊技制御処理および初期化処理が少なくとも含まれた割込処理を、その実行までに図柄の変動表示の契機となる始動入賞口への入球があったことを条件に中央処理装置に実行させてもよい。この態様は、特定の遊技制御処理を実行するための割込処理においてカウント値の初期化処理を実行するにあたって当否抽選値の保留がなされていることを条件にすることを意味してもよい。これにより、カウント値の初期化処理に続いてパターン用抽選値を抽出する処理が実行されることとなり、開発者の意図するタイミングで特定の変動パターンに対応付けられたパターン用抽選値の抽出を発生させることができる。特に、特別遊技の終了処理を実行する割込処理にカウント値の初期化処理を含ませる態様においては、特別遊技中に当否抽選値が保留されている可能性が高いため、続けて特定の変動パターンに対応付けられたパターン用抽選値の抽出が発生することも高い確度で担保できる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、遊技機の開発者が意図する演出を、データ量の増大を回避しながら効率的に実現することができる。
(第1実施例)
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であって抽選結果が所定の結果であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。抽選結果が確変への移行を示す結果であったか否かは特別遊技が終了するまでは遊技者に報知されず、特別遊技終了後の最初の図柄変動の演出において遊技者に報知される。このとき、時短と確変の双方が伴う通常遊技と、時短のみが生じる通常遊技とのいずれが開始されるかについて遊技者の期待感を煽るような特定の演出が、特別遊技終了後の最初の図柄変動において表示される。その特定の演出で期待感を煽った後にいずれの通常遊技が開始されるかが報知される。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄変動決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。本実施例における乱数としては、4msごとにカウント値をカウントアップする更新を実行し、そのカウント値を抽選のタイミングで抽出することにより乱数を生成している。当否抽選用乱数のカウント値はその初期値からカウントされて65535まで達すると初期値に戻る。当否抽選用乱数の初期値もまた別の乱数によって定期的または非定期的に更新されるので、カウント値がその初期値へ戻るたびにその初期値は違った値となる。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
図柄変動決定手段114は、図柄の変動表示を開始するにあたり、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターン、演出表示装置60に表示させる装飾図柄の変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果および所定の抽選値に応じて決定する。また、図柄変動決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄変動決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。図柄変動決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄変動決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄変動決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果、パターン用抽選値、パターン決定テーブルに基づいて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する決定をする。図柄変動決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数の変動パターンの種類をパターン決定テーブルに記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。図柄変動決定手段114は、当否判定結果が当たりの場合と外れの場合とで別個のパターン決定テーブルを参照し、時短中の場合と時短以外の場合とでも別個のパターン決定テーブルを参照する。図柄変動決定手段114は、参照するパターン決定テーブルにおいてパターン用抽選値に対応付けられた変動パターンを選択する。
図柄変動決定手段114が抽出するパターン用抽選値は、所定のパターン抽選用乱数の初期値からカウントアップするカウント値を抽選のタイミングで抽出することによって得られる乱数である。パターン抽選用乱数もまた4msごとにカウントアップする更新がなされるが、特定の変動パターンを表示させるべき特定のタイミングにおいてはカウントアップする代わりに強制的にパターン抽選用乱数の初期値へ戻す更新処理がなされる。パターン用抽選値をパターン抽選用乱数の初期値へ戻す更新処理については後に詳述する。
図柄変動決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄変動決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回まで繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。本実施例においては、特別遊技終了後の最初の図柄変動において特定の変動パターンによる演出を表示させるために、特別遊技の終了時にその特別遊技終了処理を含む特別な割込処理を実行する。割込処理については後に詳述する。
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば100回に至るまで継続される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、図柄変動決定手段114による決定にしたがい、特別図柄の変動パターンに対応する変動パターン、すなわち変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
ここで、メイン基板102に含まれる各構成、例えば当否抽選手段112や図柄変動決定手段114における各種処理は、メイン基板102に含まれるCPUにより実行される。そのCPUは反復的に処理すべきメインループ処理と一時的な実行命令として割り込まれてメインループ処理に優先して処理すべき割込処理とを実行する。メインループ処理は、例えば通常遊技や特別遊技の全体的な制御に関する処理であり、定期的な乱数更新処理も含まれる。割込処理は、例えば各種入球口への入球が発生するたびになされる抽選値取得や賞球の処理等の処理であり、乱数更新処理が含められた割込処理もある。
特定の遊技制御処理と連動させてその遊技制御処理に関連する内容を持った特定の変動パターンを開発者の意図として強制的に選択して図柄変動表示をさせたい場合、以下のように設計すればよい。例えば、特定の遊技制御処理として特別遊技の終了処理を実行した直後、あらたに開始される通常遊技の最初の変動パターンとして特定の変動パターンにしたがった図柄変動を表示させたい場合である。本実施例における特定の変動パターンは、特別遊技終了後に時短と確変の双方が発生する通常遊技と、時短のみが発生する通常遊技のどちらであるか、遊技者の期待感を煽るような演出内容を持つ変動パターンである。この場合、特別遊技の終了処理が含まれる一つの割込処理に、パターン抽選用乱数のカウント値を初期化する処理とパターン用抽選値を抽出する処理とを含めてCPUに実行させる。カウント値の初期化処理と抽出処理の間にはカウント値の更新処理を挟まないこととし、特別遊技終了処理後に最初に抽出されるパターン用抽選値はつねにパターン抽選用乱数の初期値となる構成とする。その上で、パターン決定テーブルにおいてパターン抽選用乱数の初期値と同じパターン用抽選値に特定の変動パターンを対応させておけば、特別遊技の終了直後はつねに特定の変動パターンが選択されることとなる。このようにパターン決定テーブルにおいてパターン抽選用乱数の初期値と同じパターン用抽選値に特定の変動パターンを対応付けておけば特定の変動パターンを特定のタイミングで選択することができる。また、このような特別な選択のためだけに専用のパターン決定テーブルを保持しておく必要がないため、無駄なデータ量増大を回避することができる。
なお、特別遊技が終了する時点で当否抽選値がすでに保留されていなければあらたな変動パターンが直ちに選択されることはない。そのため、あくまでも特別遊技の終了時点で保留がなされていることを条件に、パターン用抽選値の初期化処理と抽出処理が一つの割込処理に含まれた形の特別遊技終了処理が実行される。ただし、特別遊技の間に少なくとも一つは保留がなされるだけの十分な時間的余裕があるため、通常は特別遊技終了時点でいくつかの当否抽選値が保留されているものと考えられ、特別遊技終了後の最初の図柄変動における特定の変動パターンによる図柄変動表示を実質的にほぼ確実に実現することができる。また、特定の変動パターンを選択するときに参照されるパターン決定テーブルはそれ以外のときもつねに参照されるテーブルでもあるため、偶発的にパターン用抽選値がパターン抽選用乱数の初期値に一致してしまった場合は特定の変動パターンが選択されてしまうおそれもある。そのため、偶発的な選択時には、特定の変動パターンの変動時間にて特別図柄を変動表示させるとともに、装飾図柄の変動パターンとしては演出決定手段132が同じ変動時間を持つ別のパターンに差し替える処理をしてもよい。このような偶発的な選択であるか否かは、例えば特別遊技終了後から何回目の図柄変動であるかを参照することによって判定してもよい。特別遊技終了後から最初の図柄変動であれば、開発者が意図するタイミングでの特定の変動パターンによる図柄変動であると判明する一方、特別遊技終了後から2回目以降の図柄変動であれば、偶発的な選択であると判明する。なお、特別遊技が終了する時点で当否抽選値が保留されていない場合における特別遊技終了後の最初の図柄変動であれば、特定の変動パターンの意図的な選択ではなく偶発的な選択と判定する。ただし、「最初の図柄変動」であることには変わりないため、そのまま差し替え処理をせずに特定の変動パターンにて図柄変動表示する仕様としてもよいし、特別遊技終了から所定時間以内に発生した偶発的な選択であることを条件に特定の変動パターンにて図柄変動表示する仕様としてもよい。また、時短中以外は「特別遊技終了後から最初の図柄変動」でないことは明らかであるため、時短中でないことをもって偶発的な選択と判定してもよい。
図4は、特別遊技終了後の最初の図柄変動として表示させる特定の変動パターンにしたがった演出内容の例を模式的に示す図である。特別遊技終了後に最初に表示される図柄変動においては、その通常遊技が時短と確変の双方を伴う通常遊技であるのか、あるいは確変を伴わずに時短のみが伴う通常遊技であるのかが遊技者に報知される。その報知の手法として、単に結果を表示させるのではなく、比較的長い時間をかけてどちらかを決定している過程であるかのような演出的内容を表示させることによって遊技者の期待感を煽りながら報知する。本図の例では、装飾図柄190の変動表示が表示画面200の右下隅へ小さく表示される一方で、表示画面200の大半の領域を使用して第1オブジェクト202と第2オブジェクト204が争っているような映像を表示することで遊技者の期待感を煽っている。第1オブジェクト202と第2オブジェクト204はともにレーシングカーの画像であり、ゴールへ向けて順位を競いながら走っている様子を表示する。例えば第1オブジェクト202が先にゴールした場合は確変を伴う通常遊技が開始されることを示唆しておけば、遊技者は第1オブジェクト202が先にゴールすることを期待しながら演出内容に注目することとなる。そのように期待感を煽る演出の後、第1オブジェクト202が先にゴールすれば時短と確変の双方が伴う通常遊技であることを示す結果表示の演出がなされ、第2オブジェクト204が先にゴールすれば時短のみが伴う通常遊技であることを示す結果表示の演出がなされる。本実施例においては、本図のような変動パターンが特定の変動パターンとして特別遊技終了後の最初の図柄変動において意図的に選択され、表示される。
図5は、ぱちんこ遊技機10の起動から始まる遊技の実行過程におけるメインループ処理と割込処理の処理過程を例示する図である。t1においてぱちんこ遊技機10の電源がオンされ、t2までの間に起動処理が実行される。起動処理の間は処理の割込が禁止される。本図では電源オン時の起動処理を例示したが、電断後の復帰処理の間も起動処理と同様であり、割込が禁止される。t2からメインループ処理が実行される。メインループ処理においては、当否抽選用のカウント値とその初期値、パターン抽選用のカウント値が4msごとに更新され、それ以外の時間はメインループ処理に含まれるその他の処理が実行される。t2以降、4msごとに割込の有無が監視され、割込のあったt3から4ms後のt4まではメインループ処理に優先して割込処理が実行される。t3から4ms後のt4でも割込が確認されてt4から4ms後のt5まで続けて割込処理が実行される。割込のなかったt5からは再びメインループ処理が実行され、再び割込のあったt6から割込処理が実行される。ただし、t6から開始された割込処理は4msが経過する前の時点t7で完了したため、4msの経過を待たずにt7からメインループ処理を再開する。このように、メインループ処理を主に実行しつつ、割込命令があったときはその割込命令を4ms間隔で実行し、割込命令の余り時間はメインループ処理に充てられる。各割込命令にも原則として抽選用乱数の更新処理が含まれているので、4ms間隔の更新が保たれる。これにより、割込処理が続くことによって抽選用乱数の更新がなされずに同じ値が抽選値として出力してしまうことを防止することができる。
図6は、本実施例における特別遊技終了処理を含む割込処理の内容を例示する図である。本図の例では、割込処理が開始されてから割込処理が終了するまでの4ms以内に、第1の処理P1から第9の処理P9までが順次処理される。第1の処理P1として当否抽選用乱数の初期値を更新する。この当否抽選用乱数の初期値は4msごとに更新されており、当否抽選用乱数のカウント値が最大値に到達したときにその時点での当否抽選用乱数の初期値に戻されるが、戻されるたびに初期値は異なる値になっている。当否抽選用乱数の初期値もまた別の乱数を用いてランダムな値が抽出される。第2の処理P2として当否抽選用乱数のカウント値をカウントアップすることにより更新する。第3の処理P3としてパターン抽選用乱数を初期化する。パターン抽選用乱数の初期値は例えば0であり、初期化によってパターン抽選用乱数のカウント値は0に戻される。ただし、変形例として別の所定値がパターン抽選用乱数の初期値に設定されていてもよい。第4の処理P4として特別遊技の終了処理を実行する。特別遊技の終了処理は、例えば特別遊技中を示すフラグをオフにする処理や時短または確変を示すフラグをオンにする処理である。特別遊技中を示すフラグをオフにすると、その時点から通常遊技が開始される。
第5の処理P5においては、保留されていた当否抽選値を読み出す。ただし、当否抽選値が保留されていない場合にはP5からP9までの処理は実行されない。第6の処理P6として当否判定処理が実行される。当否判定処理は、P5で取得した当否抽選値が所定の当たり範囲にあるか否かによって判定される。第7の処理P7として図柄変動決定手段114がパターン用抽選値を抽出する。P7で抽出するパターン用抽選値は、P3で初期化されたパターン抽選用乱数のカウント値であり、P3からP7の間にパターン抽選用乱数の更新処理が介在しないので本実施例では必ずパターン抽選用乱数の初期値である「0」になる。第8の処理P8として図柄変動決定手段114がP7で抽出したパターン用抽選値に対応する変動パターンを選択する。第9の処理P9として図柄変動決定手段114が特別図柄を決定する。なお、本図の例では便宜上、本実施例の内容を説明するために必要な範囲の処理を挙げたに過ぎず、P1〜P9以外の処理が同じ割込処理に含まれてもよい。例えば、パターン抽選用乱数を更新する処理が割込処理に含まれてもよいが、少なくともパターン抽選用乱数の初期化からパターン用抽選値の抽出処理までの間には実行されず、それ以外のタイミングであれば含ませることは可能である。
図7は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。なお、上述の通りぱちんこ遊技機10における各種処理はメインループ処理と複数の割込処理で構成されているが、本図以降のフローチャートにおいてはそれらを特に区別せずに遊技制御の流れに沿って各処理を説明する。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理、例えば賞球の設定処理、当否抽選値の取得処理、当否抽選値の保留処理等を実行し(S10)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S13)、特別遊技中でなければ(S12のN)、S13をスキップする。続いて、通常遊技中であれば(S15のY)、当否判定や図柄変動等の通常遊技の制御処理を実行し(S16)、通常遊技中でなければ(S15のN)、S16をスキップする。S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図8は、図7におけるS13を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技の終了処理を実行する(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
図9は、図8におけるS86を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選用乱数の初期値を更新し(S100)、当否抽選用乱数のカウント値をカウントアップすることにより更新し(S102)、パターン抽選用乱数のカウント値を初期化する(S104)。特別遊技の終了処理として、特別遊技中であることを示すフラグをオフにする処理や時短または確変を示すフラグをオンにする(S106)。この時点から通常遊技の開始となる。
当否抽選値が保留されていることを条件に、次のS110以降の処理が実行され(S108のY)、当否抽選値が保留されていない場合にはS110からS124までがスキップされる(S108のN)。S108のYの場合、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出し(S110)、当否を判定する(S112)。図柄変動決定手段114はパターン用抽選値を抽出し(S114)、変動パターンを決定し(S116)、特別図柄を決定する(S118)。以上、本図においてはS100からS118までの処理が主にメイン基板102において実行されるとともに、これらの処理が図6に示すように一つの割込処理にて実行される。S116およびS118で決定された変動パターンおよび特別図柄はメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送られるとともに、演出決定手段132は装飾図柄を決定し(S120)、装飾図柄の変動パターンを選択し(S122)、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134が図柄の変動表示を開始する(S124)。本図の例では、パターン用乱数の初期化処理(S104)の次に特別遊技終了処理(S106)を実行する順序としているが、変形例としては逆の順序で実行してもよい。また、パターン用乱数の初期化処理(S106)とパターン用乱数の抽出処理(S114)の間に別の処理が実行されてもよいが、その場合に実行される別の処理は少なくともパターン用乱数の更新処理以外の処理である必要がある。
図10は、図7におけるS16の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112および図柄変動決定手段114が当否判定処理、図柄決定処理、パターン決定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。例えば図9に示すように特別遊技の終了処理を実行してすでに図柄変動を開始している場合は(S124)、S32のYにしたがう。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図11は、図9におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄変動決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、変動パターンを決定する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果および特別図柄に基づいて装飾図柄の停止図柄組合せを決定し(S50)、特別図柄の変動パターンに応じて装飾図柄の変動パターンを選択する(S52)。
(第2実施例)
第1実施例においては、図7に示すように特別遊技制御処理(S13)を先に、通常遊技制御処理(S16)を後に、それぞれ必要に応じて実行する順序を説明した。本実施例においては、図7の例とは逆に通常遊技制御処理を先に、特別遊技制御処理を後に、それぞれ必要に応じて実行する。本実施例の場合、図7にいうS12およびS13の処理が後に、S15およびS16の処理が先に実行される点だけが第1実施例との相違点であるため詳細な説明を省略する。少なくとも特別遊技制御処理の最後に特別遊技の終了処理(図8のS86)が実行される限り、その終了処理の割込処理においてパターン抽選用乱数の初期化処理(S104)とパターン用抽選値の抽出処理(S114)が実行され、第1実施例と同様の効果が得られる。
第1実施例においては、図7に示すように特別遊技制御処理(S13)を先に、通常遊技制御処理(S16)を後に、それぞれ必要に応じて実行する順序を説明した。本実施例においては、図7の例とは逆に通常遊技制御処理を先に、特別遊技制御処理を後に、それぞれ必要に応じて実行する。本実施例の場合、図7にいうS12およびS13の処理が後に、S15およびS16の処理が先に実行される点だけが第1実施例との相違点であるため詳細な説明を省略する。少なくとも特別遊技制御処理の最後に特別遊技の終了処理(図8のS86)が実行される限り、その終了処理の割込処理においてパターン抽選用乱数の初期化処理(S104)とパターン用抽選値の抽出処理(S114)が実行され、第1実施例と同様の効果が得られる。
(第3実施例)
本実施例においては、特定の遊技制御処理の発生と連動させて特定の変動パターンを意図的に選択させるために、その特定の遊技制御処理が含まれる割込処理を実行してから一定時間の経過後に、特定の変動パターンを選択するためのパターン用抽選値を抽出する。この場合、特定の遊技制御処理を実行してからパターン用抽選値の抽出までの期間を一定にしておくとともに、その間におけるパターン抽選用乱数の更新回数を一定にしておくことで、特定の変動パターンを選択するためのパターン用抽選値としてつねに一定の値を抽出することができる。
本実施例においては、特定の遊技制御処理の発生と連動させて特定の変動パターンを意図的に選択させるために、その特定の遊技制御処理が含まれる割込処理を実行してから一定時間の経過後に、特定の変動パターンを選択するためのパターン用抽選値を抽出する。この場合、特定の遊技制御処理を実行してからパターン用抽選値の抽出までの期間を一定にしておくとともに、その間におけるパターン抽選用乱数の更新回数を一定にしておくことで、特定の変動パターンを選択するためのパターン用抽選値としてつねに一定の値を抽出することができる。
図12は、特定の遊技制御処理として特別遊技終了処理を実行してから特定の変動パターンを選択するためのパターン用抽選値を抽出するまでの過程を示すタイムチャートである。本図の目盛りは4ms間隔を示し、割込処理があるときは4ms間隔で実行される。特別遊技の制御が続いた後、t1において特別遊技終了処理の割込処理が実行され、4ms後のt2において別の割込処理が実行され、さらに4ms後のt3においてさらに別の割込処理が実行される。t2およびt3に割り込まれた割込処理においても、パターン用抽選値の更新処理が含まれる。t3から4ms後のt4において、特定の変動パターンを選択するためのパターン用抽選値の抽出処理が含まれた割込処理が実行される。このように、本実施例においては特別遊技終了処理の割込処理の終了から8ms後にパターン用抽選値抽出処理の割込処理が実行され、その8msの間にパターン用抽選値のカウント値が2回更新されることが規定される。特別遊技終了処理の割込処理には、第1,2実施例と同様にパターン抽選用乱数の初期化処理が含まれるので、その割込処理によってパターン抽選用乱数のカウント値はパターン抽選用乱数の初期値である「0」となる。その後の8msの間に2回の更新処理を経てパターン抽選用乱数のカウント値は2回カウントアップされて「2」となり、その値がパターン用抽選値の抽出処理において抽出される。したがって、特別遊技終了処理の後に抽出される最初のパターン用抽選値はつねに「2」となるため、パターン用抽選値「2」に特定の変動パターンを対応付けておけば、特別遊技終了後の最初の図柄変動はつねに特定の変動パターンにしたがった図柄変動が表示されることとなる。
なお、本実施例においてはパターン抽選用乱数の初期化処理から2回の更新を経てパターン用抽選値が抽出される例を説明したが、変形例においては、2回以外の回数の更新を経てもよい。その場合、更新回数に対応するパターン用抽選値に特定の変動パターンが対応付けられていればよい。
本実施例においてもまた、所定のパターン用抽選値に特定の変動パターンを対応付けておくことで、変動パターンの差し替えを伴わずに遊技機開発者が意図するタイミングで確実に特定の変動パターンを選択させることができる。また、定常的に参照されるパターン決定テーブルにおいて特定の変動パターンとパターン用抽選値の対応関係を定義しておけるため、特定の変動パターンを選択させるためだけの特別なパターン決定テーブルを別途用意する必要もなく、無駄なデータ量増大を回避することができる。
(第4実施例)
第1〜3実施例においては、従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に本発明を説明した。本実施例においては、複数の遊技性を複合させたような機種、例えば複数の第1種ぱちんこ遊技機を複合させた機種において本発明を実現する。その場合、以下のような特殊な遊技性においても特有の効果を生ずることができる。すなわち、第1〜3実施例における始動口62に相当する始動入賞口を複数設けるとともに、それぞれの始動入賞口への入賞に起因する第1の遊技と第2の遊技とを直列的ないし相互排他的に実行する。したがって、第1の始動入賞口へ入賞すれば第1の遊技として第1の特別図柄と第1の装飾図柄が変動表示される。また、第2の始動入賞口へ入賞すれば第2の遊技として第2の特別図柄と第2の装飾図柄が変動表示される。第1の特別図柄および第1の装飾図柄が変動表示されている間は第2の特別図柄および第2の装飾図柄の変動表示は開始されず、第2の特別図柄および第2の装飾図柄が変動表示されている間は第1の特別図柄および第1の装飾図柄の変動表示は開始されない。ただし、第1の遊技と第2の遊技の双方に当否抽選値が保留されている場合、第2の遊技における図柄変動が優先的に開始される。
第1〜3実施例においては、従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に本発明を説明した。本実施例においては、複数の遊技性を複合させたような機種、例えば複数の第1種ぱちんこ遊技機を複合させた機種において本発明を実現する。その場合、以下のような特殊な遊技性においても特有の効果を生ずることができる。すなわち、第1〜3実施例における始動口62に相当する始動入賞口を複数設けるとともに、それぞれの始動入賞口への入賞に起因する第1の遊技と第2の遊技とを直列的ないし相互排他的に実行する。したがって、第1の始動入賞口へ入賞すれば第1の遊技として第1の特別図柄と第1の装飾図柄が変動表示される。また、第2の始動入賞口へ入賞すれば第2の遊技として第2の特別図柄と第2の装飾図柄が変動表示される。第1の特別図柄および第1の装飾図柄が変動表示されている間は第2の特別図柄および第2の装飾図柄の変動表示は開始されず、第2の特別図柄および第2の装飾図柄が変動表示されている間は第1の特別図柄および第1の装飾図柄の変動表示は開始されない。ただし、第1の遊技と第2の遊技の双方に当否抽選値が保留されている場合、第2の遊技における図柄変動が優先的に開始される。
第1の遊技および第2の遊技には、図柄の停止態様および抽選の結果が大当たりとなる場合の他に小当たりとなる場合もある。大当たりとなれば、第1〜3実施例と同様に大入賞口66が開放される第1の特別遊技が実行される。小当たりとなれば、従来にいういわゆる第2種ぱちんこ遊技機のような羽根構造を有する第2の大入賞口が開放され、その第2の大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過すると、第2の特別遊技が継続して実行される。抽選で小当たりが発生する確率は、例えば第1の遊技において1/200、第2の遊技において199/200というように、第1の遊技と第2の遊技とで差が設けられる。これは、第1の遊技ではなかなか小当たりが発生しないのに対して、第2の遊技においてはほぼ確実に毎回小当たりが発生することを意味する。したがって、相対的に第1の遊技より第2の遊技を狙う方が第2の特別遊技を獲得しやすく、遊技者が利益を得られる可能性が高い。
第2の始動入賞口は、第1〜3実施例の始動口62と同様に拡開機構として普通電動役物を備えており、拡開された状態でなければ入賞できない構造である一方で、第1の始動入賞口は普通電動役物を備えていない。また、第2の始動入賞口の普通電動役物は、時短以外のときは入球が殆ど見込めないほどその拡開時間が一瞬であり、時短中に限り十分に入賞が期待できる程度にその拡開時間が長くされる。また、時短中は拡開の契機となる普通図柄変動の変動時間が時短中以外と比べて短縮される。そのため、いったん大当たりが発生して時短へ移行するまでは第2の始動入賞口への入賞は殆ど見込めない反面、時短中は次々と入賞することが期待できる。第2の特別遊技を発生させる意味では、本来第1の遊技よりも第2の遊技を狙う方が遊技者にとって都合がよいところ、時短へ移行するまでは第2の始動入賞口への入賞が期待できない。したがって、時短中以外のときに発生する、いわゆる「初当たり」である第1の特別遊技が終了して時短が開始される時点では、第2の始動入賞口への入賞に起因する当否抽選値の保留は0となっている可能性が高い。一方、第1の特別遊技中は第1の始動入賞口への入賞に起因する当否抽選値の保留は上限まで達している可能性が高い。この場合、時短へ移行してすぐに変動時間が短縮された第1の遊技の図柄変動が開始されてしまい、第2の始動入賞口へ入賞するまで第1の遊技の図柄変動が次々と開始されてしまうおそれがある。次々に図柄変動が消化されてしまうことはそれだけ時短期間も無駄に消化してしまうことを意味するため、遊技者としては一刻も早く第2の始動入賞口へ入賞させたいと考える。
そこで本実施例では、特別遊技終了後の最初の図柄変動として変動時間が比較的長い特定の変動パターンを意図的に選択させることとし、その変動時間内に第2の始動入賞口へ入賞させることを容易にする。特定の変動パターンを選択する手法は、第1〜3実施例と共通する。その特定の変動パターンによる変動時間内に首尾よく第2の始動入賞口へ入賞させることができれば、第1の遊技における図柄変動回数は最小限で済むこととなる。このように、特定の変動パターンを意図的に選択することで、遊技者にとって好ましい状況を意図的に発生させることできる。本実施例における特定の変動パターンの変動時間は、少なくとも時短中の短縮された外れ変動時間よりも長い変動時間であり、好ましくは普通図柄の最大変動時間と同等以上の変動時間を有するのがよいし、長ければ長いほど第2の始動入賞口への入球に起因する保留数を増やすことができ、遊技者にとって有利となる。
本実施例のように、通常の第1種ぱちんこ遊技機よりも遊技性が多少複雑な部分を有する複合的な遊技性や当否抽選確率等の仕様について遊技者へ十分に理解させるのが望ましい遊技性の機種では、そうした遊技性を遊技者へ説明する演出が表示されるような特定の変動パターンを選択してもよい。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、そのような変形例について説明する。
上記の各実施例においては、特許請求の範囲における「特定の遊技制御処理」として「特別遊技の終了処理」を例示して説明した。変形例においては、例えば当否抽選の結果が小当たりに該当したときに制御される遊技の終了処理であってもよいし、大入賞口の作動制御処理であってもよい。あるいは、何らかの特別な演出制御処理であってもよい。例えば、出現頻度が低い演出を表示するための変動パターンを選択する処理を「特定の遊技制御処理」とする場合、その演出の続きを見せるという開発者の意図にしたがい、そのような続きの演出を表示するための変動パターンを意図するタイミングで選択させることができる。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄変動決定手段、 118 メイン表示制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段。
Claims (5)
- 遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の実行契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示を開始するにあたり、前記変動表示における図柄の変動過程が定められた変動パターンを複数の変動パターンから選択するために、所定の時間間隔で更新されるカウント値をランダムな値であるパターン用抽選値として抽出し、その抽出したパターン用抽選値および前記当否抽選の結果に基づき、そのパターン用抽選値に対応付けられた変動パターンを選択する図柄変動決定手段と、
前記図柄表示装置への前記図柄の変動表示を前記選択された変動パターンにしたがって制御する表示制御手段と、
前記当否抽選の結果が当たりとなり、前記図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
を備え、
前記当否抽選手段および前記図柄変動決定手段における各種処理は、中央処理装置により実行されるとともに、その中央処理装置は反復的に処理すべきメインループ処理と一時的な実行命令として割り込まれて前記メインループ処理に優先して処理すべき割込処理とを実行し、
前記図柄変動決定手段は、特定の遊技制御処理の発生と連動させて前記特定の遊技制御処理に関連する内容を持つ特定の変動パターンを前記複数の変動パターンから意図的に選択する場合、前記特定の遊技制御処理が含まれる一つの割込処理に、前記カウント値を所定の初期値へ戻す初期化処理と前記パターン用抽選値を抽出する処理とを含めて前記中央処理装置に実行させるとともに、前記特定の変動パターンが前記初期値と同じパターン用抽選値にあらかじめ対応付けられていることを特徴とする弾球遊技機。 - 前記図柄変動決定手段は、前記特定の遊技制御処理として前記特別遊技の終了処理の発生と連動させるタイミングで、特別遊技終了後の最初の図柄変動として特定の変動パターンを意図的に選択する場合、前記特別遊技の終了処理が含まれる一つの割込処理に前記初期化処理と前記パターン用抽選値を抽出する処理とを含めて前記中央処理装置に実行させるとともに、特別遊技終了後の最初の図柄変動として表示させるべき特定の変動パターンが前記初期値と同じパターン用抽選値に対応付けられていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
- 遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の実行契機となる始動入賞口と、
前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記図柄の変動表示を開始するにあたり、前記変動表示における図柄の変動過程が定められた変動パターンを複数の変動パターンから選択するために、所定の時間間隔で更新されるカウント値をランダムな値であるパターン用抽選値として抽出し、その抽出したパターン用抽選値および前記当否抽選の結果に基づき、そのパターン用抽選値に対応付けられた変動パターンを選択する図柄変動決定手段と、
前記図柄表示装置への前記図柄の変動表示を前記選択された変動パターンにしたがって制御する表示制御手段と、
前記当否抽選の結果が当たりとなり、前記図柄が所定の当たり図柄で停止されたときに前記特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
を備え、
前記当否抽選手段および前記図柄変動決定手段における各種処理は、中央処理装置により実行されるとともに、その中央処理装置は反復的に処理すべきメインループ処理と一時的な実行命令として割り込まれて前記メインループ処理に優先して処理すべき割込処理とを実行し、
前記図柄変動決定手段は、特定の遊技制御処理の発生と連動させて前記特定の遊技制御処理に関連する内容を持つ特定の変動パターンを前記複数の変動パターンから意図的に選択する場合、前記特定の遊技制御処理が含まれる一つの割込処理に、前記カウント値を所定の初期値へ戻す初期化処理を含めて前記中央処理装置に実行させ、前記割込処理から一定時間が経過するタイミングで前記特定の変動パターンを選択するための別の割込処理を発生させるとともに、前記特定の変動パターンが前記初期化処理から前記一定時間が経過するタイミングまで更新されたときのカウント値と同じパターン用抽選値にあらかじめ対応付けられていることを特徴とする弾球遊技機。 - 前記図柄変動決定手段は、前記特定の遊技制御処理として前記特別遊技の終了処理の発生と連動させるタイミングで、特別遊技終了後の最初の図柄変動として特定の変動パターンを意図的に選択する場合、前記特別遊技の終了処理が含まれる一つの割込処理に前記初期化処理を含めて前記中央処理装置に実行させるとともに、特別遊技終了後の最初の図柄変動として表示させるべき特定の変動パターンが前記初期化処理から前記一定時間が経過するタイミングまで更新されたときのカウント値と同じパターン用抽選値にあらかじめ対応付けられていることを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
- 前記図柄変動決定手段は、前記特定の遊技制御処理および前記初期化処理が少なくとも含まれた割込処理を、その実行までに前記図柄の変動表示の契機となる前記始動入賞口への入球があったことを条件に前記中央処理装置に実行させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の弾球遊技機。
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