JP4720753B2 - サイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
特許文献1は、腰部チャンバの内圧を胸部チャンバよりも高く設定した2チャンバ式シート付けサイドエアバッグ装置を開示している。
特許文献2は、後側チャンバが上方へ展開後、前側チャンバを上方へ展開することで、乗員の腕の跳ね上げを抑制した2チャンバ式シート付けサイドエアバッグ装置を開示している。
(1) 車両の側突時に乗員のサイドドア側の側方に展開膨張され、外側バッグと、該外側バッグ内に配置された内側バッグと、前記外側バッグと前記内側バッグに膨張用ガスを供給する少なくとも1つのインフレータとを有するサイドエアバッグ装置であって、前記前記内側バッグの展開圧力が前記外側バッグの展開圧力より高圧であり、前記内側バッグは車両前後方向で乗員背中から標準体型での乗員肋骨の車両前後方向中央部までをカバーし、前記外側バッグは車両前後方向で乗員背中から腹部前端までをカバーするように、前記内側バッグと前記外側バッグの展開形状が設定されており、
前記内側バッグは車両上下方向でシートバックの上下方向中央部かそれより下方部位から上端近傍までをカバーし、前記外側バッグは車両上下方向にシートバックの下端部から上端近傍までをカバーするように、前記内側バッグと前記外側バッグの展開形状が設定されており、
前記内側バッグが前記外側バッグより先に開くように展開順序が設定されているサイドエアバッグ装置。
(3)上記(1)または(2)のサイドエアバッグ装置において、乗員の体格を検知する乗員検知センサをさらに備えている。サイドエアバッグ装置は、乗員検知センサからの信号に基づいて乗員が小柄な乗員であると判断した場合は外側バッグのみを展開し、乗員が小柄な乗員であると判断された場合以外は外側バッグと内側バッグの両方を展開する展開制御装置を備えている。
上記(1)〜(3)は本発明の何れの実施例にも適用可能である。
(5)上記(4)のサイドエアバッグ装置において、外側バッグはベント穴を有する。
上記(4)、(5)は本発明の実施例1に適用可能である。
(6)上記(1)〜(3)の何れかのサイドエアバッグ装置において、インフレータは単一のインフレータからなり、インフレータがガス噴出口を有しており、サイドエアバッグ装置が、インフレータのガス噴出口と前記内側バッグの内部とを接続する流れ抵抗小の通路と、インフレータのガス噴出口と外側バッグの内部とを接続する流れ抵抗大の通路とをもつ分圧器を有している。
上記(6)は本発明の実施例2に適用可能である。
上記(7)は本発明の実施例3に適用可能である。
また、内側バッグを外側バッグ内に配置することにより、高圧の内側バッグを乗員保護上適切な位置に容易に展開させることができる。
また、外側バッグを低圧としたため、バッグ展開時、周辺に着座した小児等への負荷を低減できる。
上記(1)のサイドエアバッグ装置によれば、内側バッグが車両上下方向でシートバックの上下方向中央部かそれより下方部位から上端近傍までをカバーするので、耐性の最も高い乗員の肩甲骨とその近傍を、乗員をサイドドアから対向ドア側に遠ざけるときに押すのに有効に利用できる。また、外側バッグが車両上下方向にシートバックの下端部から上端近傍までをカバーするので、外側バッグは広い面積で乗員胸部前部と接触でき、ドア内装材との局所的な接触を防止して接触荷重を分散でき、乗員に負荷される荷重を低減できる。
上記(1)のサイドエアバッグ装置によれば、内側バッグが外側バッグより先に開くように展開順序が設定されているので、車両の側突時に先に高圧の内側バッグが展開して乗員をサイドドアから遠ざけるとともに、乗員の胸部、腹部とサイドドアとの間に隙間を確保し、ついで、乗員とサイドドアとの間に隙間に、時間的に余裕がある低圧の外側バッグを展開させることができる。
上記(3)のサイドエアバッグ装置によれば、小柄な乗員への、サイドエアバッグからの過大な負荷を抑制することができ、乗員の体格に応じて車両の側突から適切に乗員を保護することが可能である。
上記(5)のサイドエアバッグ装置によれば、外側バッグがベント穴を有するので、外側バッグの内圧を内側バッグの内圧に比べて確実に低くすることができる。また、ベント穴の径を調整することにより、外側バッグの内圧を所望の圧力に容易に設定することができる。また、ベント穴の径を調整することにより、人体形状およびドアトリム形状等によりバッグ形状が抑制され局所的体積の変化が起こる場合等の圧力変化をコントロールできる。
上記(6)のサイドエアバッグ装置によれば、サイドエアバッグ装置が、1つのインフレータのガス噴出口を分圧器を介して内側バッグと外側バッグに接続することにより、確実に、内側バッグに高圧ガスを、外側バッグに低圧ガスを供給することができる。
上記(7)のサイドエアバッグ装置によれば、インフレータが内側バッグに膨張用ガスを供給する第1のインフレータと外側バッグに膨張用ガスを供給する第2のインフレータとを含むので、内側バッグと外側バッグに、互いに独立に、ガスを供給し、展開させることができる。その結果、内側バッグと外側バッグの展開圧力、展開順序を容易に調整することが可能であり、外側バッグだけを展開膨張させることができる。
図1〜図6、および図21、図22は本発明の何れの実施例にも適用可能な構成または作用を示し、図7〜図12は本発明の実施例1を示し、図13〜図16は本発明の実施例2を示し、図19、図20は本発明の実施例3を示す。本発明の何れの実施例にも適用できる部分には、本発明の全実施例にわたって同じ符号を付してある。
本発明の実施例1のサイドエアバッグ装置10を、図1〜図12および図21、図22を参照して説明する。
本発明のサイドエアバッグ装置10は、車両側突時に乗員Dとサイドドア14との間に展開膨張して乗員Dを保護する装置である。
図1〜図3に示すように、本発明のサイドエアバッグ装置10は、外側バッグ12と、外側バッグ12内に配置された内側バッグ11と、外側バッグ12と内側バッグ11に膨張用ガスを供給する少なくとも1つのインフレータ21とを有する。本発明のサイドエアバッグ装置10は、シートバック17のサイドドア14側に取り付けられており、車両の側突時にインフレータ21から噴出された膨張用ガスが供給されて乗員Dのサイドドア14側の側方に展開膨張される。
バッグの材料は、従来のバッグの材料と同じでよく、たとえば、布製である。
図5において、(イ)は展開初期の状態を、(ロ)は展開中期の状態を、(ハ)は完全展開をの状態を、それぞれ、示し、(i)は側面視を、(ii)は平面視を示す。展開初期では、内側バッグ11が展開するとともに、外側バッグ12の一部は内側バッグ11に内側より押されて内側バッグ11と共に展開する。展開中期では、内側バッグ11がさらに展開しノーズ部12bも展開膨張し、外側バッグ12の一部は内側バッグ11に内側より押されて内側バッグ11と共に展開する。完全展開状態では、内側バッグ11と外側バッグ12は、ともに完全に展開膨張している。
図7〜図16のサイドエアバッグ装置10では、インフレータ21は単一のインフレータからなる。
インフレータ21が単一のインレータからなる場合、サイドエアバッグ装置10は、図11、図12に示すようにシートバックに固定されてもよい。図11、図12の構成では、インフレータ21は、バッグ11、12と共に、シートバックのシートフレーム26に、インフレータ21を保持するインフレータブラケット27をボルト28等でシートフレーム26に固定することにより、締結部にて、取付けられている。膨張用ガスはインフレータノズル29から噴出される。バッグ11はインフレータノズル29にノズル固定バンド30で固定されている。
インフレータ21が単一のインレータからなる場合、サイドエアバッグ装置10は、図7〜図12の構成に代えて、図13〜図16の構成をとってもよい。図13〜図16の構成では、インフレータ21がガス噴出口(インフレータノズル)29を有しており、サイドエアバッグ装置10が、インフレータ21のガス噴出口(インフレータノズル)29と内側バッグ11の内部とを接続する流れ抵抗小の通路(通路33に比べて太くて短い通路)32と、インフレータ21のガス噴出口(インフレータノズル)29と外側バッグ12の内部とを接続する流れ抵抗大の通路(通路32に比べて細くて長い通路)33とをもつ分圧器31を有している。
サイドエアバッグ装置10は、図7〜図16のシングルインフレータに代えて、図17〜図20のダブルインフレータの構成をとってもよい。図17〜図20の構成では、インフレータ21は、内側バッグ11に膨張用ガスを供給する第1のインフレータ21Aと外側バッグ12に膨張用ガスを供給する第2のインフレータ21Bとの、2個のインフレータを含む。内側バッグ11と外側バッグ12、および第1のインフレータ21Aと第2のインフレータ21Bは、図17〜図19に示すように、シートフレーム26に固定される。
その結果、外側バッグ12のみを展開させる場合を含む図21の展開制御装置100と組み合わせた場合に、シートに設置した乗員体格検知センサにより検知した乗員体格の大小に応じて内側バッグ11への膨張用ガスの供給をON/OFFすることで、外側バッグ12のみを容易に展開膨張させることができる。
11 内側バッグ
11a メイン部
11b ノーズ部
12 外側バッグ
13 仕切り壁
14 サイドドア
15 オリフィス
16 ベント穴
17 シートバック
21 インフレータ
21A 第1のインレータ
21B 第2のインレータ
25 ドアトリム
26 シートフレーム
27 インフレータブラケット
28 ボルト
29 インフレータノズル(ガス噴出口)
30 ノズル固定バンド
31 分圧器
32 流れ抵抗小の通路
33 流れ抵抗大の通路
100 展開用制御装置
D 乗員
Da 上腕部
Dr 乗員後部
Df 乗員前部
Du 乗員肩甲骨
Dl 乗員腰部
Claims (7)
- 車両の側突時に乗員のサイドドア側の側方に展開膨張され、外側バッグと、該外側バッグ内に配置された内側バッグと、前記外側バッグと前記内側バッグに膨張用ガスを供給する少なくとも1つのインフレータとを有するサイドエアバッグ装置であって、前記前記内側バッグの展開圧力が前記外側バッグの展開圧力より高圧であり、前記内側バッグは車両前後方向で乗員背中から標準体型での乗員肋骨の車両前後方向中央部までをカバーし、前記外側バッグは車両前後方向で乗員背中から腹部前端までをカバーするように、前記内側バッグと前記外側バッグの展開形状が設定されており、
前記内側バッグは車両上下方向でシートバックの上下方向中央部かそれより下方部位から上端近傍までをカバーし、前記外側バッグは車両上下方向にシートバックの下端部から上端近傍までをカバーするように、前記内側バッグと前記外側バッグの展開形状が設定されており、
前記内側バッグが前記外側バッグより先に開くように展開順序が設定されているサイドエアバッグ装置。 - 前記内側バッグを内部に含んだ前記外側バッグの、上下方向中央領域以外の上下領域を上下方向に折りたたんだ後、前記上下方向中央領域を車両前後方向に折りたたんだ請求項1記載のサイドエアバッグ装置。
- 乗員の体格を検知する乗員検知センサをさらに備えており、該乗員検知センサからの信号に基づいて乗員が小柄な乗員であると判断した場合は前記外側バッグのみを展開し、乗員が小柄な乗員であると判断された場合以外は前記外側バッグと前記内側バッグの両方を展開する展開制御装置を備えている請求項1または請求項2記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記インフレータは単一のインフレータからなり、前記内側バッグは、車両前後方向で乗員背中から標準体型での乗員肋骨の車両前後方向中央部までの領域で展開するメイン部を備え、該メイン部には該メイン部よりさらに車両前後方向前方に展開し乗員の上腕部に沿って延びるストロー状のノーズ部が接続されており、ノーズ部の前端には前記外側バッグ内部に連通するガス圧調整用のオリフィスが設けられている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記外側バッグはベント穴を有する請求項4に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記インフレータは単一のインフレータからなり、該インフレータがガス噴出口を有しており、前記サイドエアバッグ装置が、前記インフレータのガス噴出口と前記内側バッグの内部とを接続する流れ抵抗小の通路と、前記インフレータのガス噴出口と前記外側バッグの内部とを接続する流れ抵抗大の通路とをもつ分圧器を有している請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
- 前記インフレータは前記内側バッグに膨張用ガスを供給する第1のインフレータと前記外側バッグに膨張用ガスを供給する第2のインフレータとを含む請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のサイドエアバッグ装置。
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