以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明による文字入力方法を用いたシステムの一例としての券売機システムを示す構成図であって、1は券売機、2はサーバ、3はネットワーク、4はルータ、5は制御部、6は接客ディスプレイ、7はタッチパネル、8は入力ユニット、9はカードユニット、10は現金ユニット、11は発券ユニット、12は記憶装置、13はジャーナルプリンタである。
同図において、駅構内などに設置されている券売機1は、その制御部5がルータ4,ネットワーク3を介してサーバ2に接続されている。また、この券売機1は、タッチパネル7が設けられた接客ディスプレイ6,テンキーの入力処理を行なう入力ユニット8,料金支払いのために挿入されたカードの処理を行なうカードユニット9,支払われる現金の処理を行なう現金ユニット10,定期券などの発券処理を行なう発券ユニット11,接客ディスプレイ6に表示する画面の画像情報やその他の必要な情報を記憶した記憶装置12,取引結果を記録するためのジャーナルプリンタ13などを備えており、これらが制御部5の制御のもとに動作する。
図2は図1における券売機1の一具体例の外観を示す斜視図であって、14は突出部、14aは窪み部、15はテンキー、16はカード挿入/排出口、17は購入券の排出口、18は現金の投入口であり、図1に対応する部分には同一符号を付けている。
同図において、券売機1の前面側には、その上部側に入力ユニット8の入力手段としてのタッチパネル7を備えた接客ディスプレイ6が設けられている。この接客ディスプレイの下方には、筐体の突出部14が形成されており、この突出部14に形成された窪み部14aの正面壁面側に現金ユニット10,発券ユニット11が、この窪み部14aの棚面に入力ユニット8の入力手段としてのテンキー15が夫々設けられている。そして、かかる接客ディスプレイ6でタッチ操作することにより、乗車券や定期券などの購入などを行なうことができる。現金ユニット10では、乗車券や定期券などの購入のための料金を支払うための紙幣やコインといった現金の投入口18,カードの挿入/排出口16,釣銭の排出口などが設けられている。また、発券ユニット11では、購入した乗車券や定期券を排出する排出口17が設けられている。
図1において、記憶装置12には、顧客が乗車券や定期券などを購入するのに必要な画面の情報が記憶されており、制御部5の制御のもとに、これらが読み出されて接客ディスプレイ6に表示される。この接客ディスプレイ6では、顧客が、そのタッチパネル7をタッチ操作することにより、購入しようとする乗車券や定期券などの乗/降車駅や乗車経路,定期券の場合の有効期間などを指定する情報を入力すると、この入力された指定情報が、制御部5の制御のもとに、ルータ4及びネットワーク3を介してサーバ2に供給される。このサーバ2では、券売機1からのこの乗車券や定期券などの購入のための指定情報を基に、乗/降車駅やその間の乗車経路,乗車券や定期券などの購入金額などを検索し、その検索結果の情報をネットワーク3,ルータ4を介して券売機1の制御部5に渡す。制御部5は、サーバ2の検索結果を記憶装置12に記憶するとともに、これを読み出して接客ディスプレイ6に顧客が指定した乗/降車駅やその間の乗車経路,乗車券や定期券などの購入金額などを表示する。これにより、顧客は、乗/降車駅やその間の乗車経路,乗車券や定期券などの購入金額などの確認をすることができるとともに、タッチパネル7をタッチ操作することにより、希望の乗車経路の乗車券や定期券などを指定することができる。
顧客が、接客ディスプレイ6でのタッチパネル7をタッチ操作して希望の乗車経路の指定をし、現金ユニツト10で現金による、あるいはカードユニット9でカードによる料金の支払いをすると、発券ユニット11が動作して乗車券や定期券などを作成し、これを排出口17(図2)から排出して顧客に渡す。
次に、図3により、かかる券売機1での本発明による文字入力方法の第1の実施形態について説明する。また、図4〜図11はこの第1の実施形態での接客ディスプレイ6に表示される画面の流れを示すものである。
券売機1に電源が投入されると、制御部5(図1)は記憶装置12(図1)から初期文字入力画面の画像情報を読み取り、接客ディスプレイ6(図2)に初期文字入力画面が表示される。
図4はかかる初期文字入力画面の一具体例を示す図であって、20は初期文字入力画面、21a〜21kは行キー、22は文字入力エリア、23は訂正ボタン、24は駅名表示エリア、25はスペースである。
同図において、この初期文字入力画面20は行先の駅名を入力するための画面としており、平仮名文字を入力するための「あ行」キー21a,「か行」キー21b,「さ行」キー21c,「た行」キー21d,「な行」キー21e,「は行」キー21f,「ま行」キー21g,「や行」キー21h,「ら行」キー21i,「わ行」キー21j,「ん行」キー21kが横1列に表示されている(なお、以下では、これらは、特に特定しない場合、行キー21と総称する)。これら行キー21は、全てタッチキーである。また、この初期文字入力画面20では、後述する文字入力画面でのタッチ操作によって入力された文字が表示される文字入力エリア22と訂正ボタン23とが設けられており、文字入力エリア22と行キー21の列との間にスペースが設けられて、このスペースを文字入力によって検
索された駅名を表示する駅名表示エリア24としている(以上、図3のS(ステップ)100)。なお、訂正ボタン23は、後述のように文字入力エリア22に入力された文字を、その文字列の後ろから1つずつ削除するためのものであり、正しい文字を再入力することにより、文字の訂正ができる。
各文字の行キー21は夫々、1または複数の行の文字のグループを表示させるためのものである。ここで、行のグループとは、五十音図での「あ」行,「か」行,「さ」行,……,「わ」行と文字「ん」を加えた11行について、その行と、その行の清音の文字に濁点や半濁点を付けた濁音,半濁音の文字の行やこの行の清音の文字の小文字の行からなるものである。
例えば、「な行」キー21eは、「な行」に関連する文字、即ち、「な行」グループの文字が「な行」の「な に ぬ ね の」の5つの清音の文字しかなく、この5文字を1列で表示するためのものである。「ま行」キー21g,「ら行」キー21i,「わ行」キー21jも同様である。これら行グループは夫々1つの行からなるものであり、同じ行の5文字が縦1列で表示される。
また、「か行」キー21bは、「か行」に関連する文字、即ち、「か行」グループの文字が、「か行」の清音の文字「か き く け こ」ばかりでなく、これに濁点を付けた「が行」の文字「が ぎ ぐ げ ご」もあり、2行10個の文字を表示するものである。この場合には、各行の文字を別々の列として表示する。従って、5文字ずつ2列の表示がなされる。「さ行」キー21cについても、同様である。「た行」キー21dについては、「た行」グループの文字が、「た行」の文字「たちつてと」とこれに濁点を付けた「だ行」の文字「だ ぢ づ で ど」ばかりでなく、小文字の行の文字「っ」も含まれるものであるから、3行11個の文字を表示するためのものである。従って、「た行」,「だ行」の5文字ずつの列と小文字「っ」だけの列との3列の表示が行なわれる。
「あ行」キー21aについては、「あ行」グループで「あ行」の文字「あ い う え お」とその小文字「ぁ ぃ ぅ ぇ ぉ」とがあり、「や行」グループで「や行」キー21hについては、「や行」の文字「や ゆ よ」とその小文字「ゃ ゅ ょ」とがあるから、いずれも2列で表示される。
「は行」キー21fについては、「は行」グループで「は行」の文字「は ひ ふ へ ほ」と、濁点を付けた「ば行」の文字「ば び ぶ べ ぼ」と、半濁点を付けた「ぱ行」の文字「ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ」とがあり、5文字ずつ3列の表示がなされる。
以下、文字の表示を具体的に説明すると、かかる初期文字入力画面20で行キー21の1つ、例えば、「か行」キー21bを、図5に示すように、顧客がタッチ操作すると(図3のS101の「Yes」:なお、以下では、行キー21については、図面を簡明にするために、操作された行キーだけに符号を表示する)、図6に示す文字入力画面30が表示される。
この図6に示す文字入力画面30では、タッチ操作された「か行」キー21bからスペース25内に文字キーエリア31bが展開され、この文字キーエリア31b内に「か行」に関する全ての文字(即ち、「か行」グループの文字。但し、ここでは、平仮名のみ、以下同様)のタッチキー、即ち、「か」の文字キー32a,「き」の文字キー32b,「く」の文字キー32c,「け」の文字キー32d,「こ」の文字キー32eが縦1列に配列され、さらに、この列の横にこの列と並んで「が」の文字キー32f,「ぎ」の文字キー32g,「ぐ」の文字キー32h,「げ」の文字キー32i,「ご」の文字キー32jが縦1列に配列されて夫々表示される。
このように、この文字キーエリア31b内に2列で「か行」文字キー32(か行の文字キー32a〜32jの総称)の列が表示される場合には、文字キーエリア31bは、この「か行」キー21bの下方のスペースとその隣の行キー(この場合、「さ行」キー21c)の下方のスペースとに渡って広がったものとして表示され、「かきくけこ」の文字キー32a〜32eの列が「か行」キー21bの下に、「が ぎ ぐ げ ご」の文字キー32f〜32jの列がその隣の「さ行」キー21cの下に夫々表示される(以上、図3のS104)。
なお、図5に示すように、初期文字入力画面20で「か行」キー21bをタッチ操作したとき、いずれの行キー21に対しても文字キーエリアが展開されていないので(図3のS102の「No」)、図3のS104に進み、上記のように、図6に示す文字入力画面30が表示されることになる。そして、S101に戻ってS101,S105の判定処理(「No」の判定)が繰り返され、図6に示す文字入力画面30が表示された状態で、次の操作があるまで待機する。
また、図6では、行キー21をタッチ操作して表示される文字キー32の大きさを行キー21とほぼ同じのように表わしているが、必ずしもこれに限られるものではなく、文字キー32をさらに大きく表示するようにしてもよい。後述する他の文字入力画面についても同様である。
この文字入力画面30の表示状態で、他の行キー21、例えば、「た行」キー21dをタッチ操作すると(図3でのS101の「Yes」)、これまで表示されていた「か行」の文字キー32a〜32jの文字キーエリア31b(図3でのS102の「Yes」)が消去され(図3でのS103)、図7に示すように、タッチ操作された「た行」キー21dから文字キーエリア31dが展開され、この文字キーエリア31d内に「た行」に関する全ての文字のタッチキー、即ち、文字「たちつてと」夫々の文字キー33a〜32eの縦1列と、文字「だぢづでど」夫々の文字キー33f〜33jの縦1列と、さらに、小文字「っ」の文字キー33kとの3列が横に配列されて表示される。
このように、この文字キーエリア31d内に3列で「た行」の文字キー33(た行の文字キー33a〜33jの総称)の列が表示される場合には、文字キーエリア31dは、この「た行」キー21dの下方のスペースとその隣の行キー(この場合、「な行」キー21e)の下方のスペースとさらにその隣の行キー(この場合、「は行」キー21f)の下方のスペースとに渡って広がったものとして表示され(即ち、行キー21の3個分の幅を持つ)、「たちつてと」の文字キー33a〜33eの列が「た行」キー21dの下に、「だぢづでど」の文字キー33f〜33jの列がその隣の「な行」キー21eの下に、小文字「っ」の文字キー33kが「な行」キー21eの隣の「は行」キー21fの下で、かつ「つ」の文字キー33hの右横に夫々表示される(以上、図3のS104)。
なお、図8は「や行」キー21hがタッチ操作されたときの文字入力画面30を示すものであって、この文字入力画面30では、この「や行」キー21hから展開されて「ら行」キー21iの下方まで広がる幅の「や行」の文字キーエリア31hが表示され、これに文字「やゆよ」の文字キー34a〜34cの縦列が「や行」キー21hの下方に、小文字「ゃ ゅ ょ」の文字キー34d〜34fの縦列が「ら行」キー21iの下方に夫々表示される。
また、これら以外の「あ行」についても、「あ行」キー21aがタッチ操作されることにより、同様にして、文字「あ い う え お」の文字キーの縦列と小文字「ぁ ぃ ぇ ぉ」の文字キーの縦列とが、この「あ行」キー21aの下方とその隣の「か行」キー21bの下方とに表示される。「は行」については、同様にして、文字「はひふへほ」の文字キーの縦列が「は行」キー21fの下方に、文字「ば び ぶ べ ぼ」の文字キーの縦列が「ま行」キー21gの下方に、文字「ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ」の文字キーの縦列が「や行」キー21hの下方に夫々表示されることになる。
ところで、図6に示す文字入力画面30の表示状態で待機しているとき(図3でのS101,S105の「No」)、図9に示すように、「か行」の文字キーエリア31bで文字「き」の文字キー32bをタッチ操作すると(図3でのS105の「Yes」)、この文字キー32bに対する文字「き」が文字入力エリア22に表示され(図3でのS106)、これとともに、駅名表示エリア24には、制御部5(図1)による記憶装置12(図1)での文字「き」で始まる駅名の検索処理により、この入力文字「き」で始まる駅名が所定数表示される。そして、これと同時に、これまで表示されていた「か行」の文字キー32の文字キーエリア31bが消去され(図3のS107)、図10に示すように、図4に示す初期文字入力画面20でその文字入力エリア22に入力文字「き」が表示され、駅名表示欄24に駅名が表示された文字入力画面40の表示状態となる。そして、図3のS101に戻り、S101,S105の判定処理(「No」の判定)が繰り返され、図10に示す文字入力画面30が表示された状態で、次の操作があるまで待機する。
この駅名が表示された文字入力画面40では、駅名表示エリア24に表示される駅名の許容表示個数は決まっており(ここでは、一例として、5個として説明する)、5個を越える駅名があるときには、許容表示個数の5個までの駅名が表示される。この駅名表示エリア24に表示される駅名の中に顧客が希望する行き先駅名があると、この駅名を顧客がタッチ操作することにより、この駅名が行き先駅名として確定するが、許容表示個数の5個の駅名が表示されていて、それらの中に顧客が希望する駅名がない場合には、文字「き」で始まる駅名が5個を越えて存在することになる。これを取得するためには、顧客は、図10に示す文字入力画面40から、その希望する駅名の文字「き」の次の文字を、上記の操作を繰り返すことによって入力する。例えば、次の入力文字を文字「さ」とした場合、文字「き」で始まる駅名検索よりも絞り込んだ2つの文字「きさ」で始まる駅名の検索が行なわれ、その検索結果としての駅名「木更津」などが文字入力画面40の駅名表示エリア24に表示されることになる。
以上のように、この第1の実施形態では、行キー21の1つがタッチ操作されると、このタッチ操作された行キー21に対する文字キーエリア31が表示され、これによって必要とする文字の入力が可能となるが、このタッチ操作された行キー21に対する行グループが複数の行からなる場合には、夫々の行の文字が異なる列になるように、複数の文字列で表示されるため、1列あたりの文字数を少なくして短い列とすることができ、この分各文字の文字キー32の表示面積を大きくすることができる。従って、各文字キー32はタッチし易いものとなる。
また、この文字キーエリア31での文字キー32がタッチ操作されると、これに対する文字が文字入力エリア22に表示されるとともに、表示されていた文字キーエリア31が消去される。このため、文字キーのタッチ操作毎に、文字に関しては、行キー21だけが表示された状態に自動的に戻るため、表示されるキーが最小限度の個数だけ表示された状態となり、次に入力する文字に対して操作すべきキー(行キー)を簡単に見つけ出すことができ、手間や時間が掛からない文字入力操作が可能となる。
そして、このように、行キー21のいずれかがタッチ操作されたときには、タッチ操作されたこの行キー21の行グループの文字キーだけが表示されるものであり、しかも、上記のように、同じ行グループの各行が別々の列として、他の行キー21の下側のスペースも使用するように表示できるものであるから、表示された文字キー32を大きく表示することができ、文字キー32への正確なタッチがより容易となる。
なお、この第1の実施形態では、行キー21のタッチ操作によって文字キーエリア31に表示される文字キーは、ひらがなだけの文字キーとしたが、図11に示すように、さらに、カタカナの文字の列も表示するようにしてもよい。
図12は券売機を例とした本発明による文字入力方法の第2の実施形態での処理の流れを示すフローチャートであり、図3に対応するステップには同一符号を付けて重複する説明を省略する。
同図において、この第2の実施形態は、図3に示す第1の実施形態の処理の流れからS107の処理が除かれたものである。
この第2の実施形態では、図3でのS107が含まれていないので、図9に示すように、表示された文字キーエリア、ここでは、文字キーエリア31bでのいずれの文字キー32をタッチ操作しても、この文字キーエリア31bは消去されず、表示されたままである。従って、再度同じ行の文字を続けて入力することができ、この場合には、「か行」の文字を2個以上続けて入力することができる。
この第2の実施形態では、この表示中の文字キーエリアに対応する行キー21とは異なる行キー21をタッチ操作することにより、これまで表示されていた文字キーエリア31が消去され(図12でのS102の「Yes」とS103)、新たにタッチ操作された個の行キー21の文字キーエリア31が代わりに表示される(図12でのS104)。但し、文字キーエリアに対応する行キー21をタッチ操作すると、この文字キーエリアは消去され、ほかの文字キーエリアは表示されない。即ち、或る行キー21について、1回タッチ操作すると、これに対する文字キーエリアが表示され、続いて、同じこの行キー21を再度タッチ操作すると、この文字キーエリアが消去される。
以上のこと以外については、図3に示した第1の実施形態と同様である。
この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、同じ行の2以上文字の入力の手間が省けることになる。
次に、図13〜図17により、本発明による文字入力方法の第3の実施形態について、券売機を例にして、説明する。
図13はこの第3の実施形態での初期文字入力画面50を示すものであって、上記第1の実施形態での図4に示す初期文字入力画面20と異なる点は、文字入力エリア22と行キー21の横列との間に駅名表示エリア24のスペースが設けられていない点である。この駅名表示エリアとしては、この行キー21の横列の下方のスペースを利用するものである。
この初期文字入力画面50で、図14に示すように、行キー21の1つ、例えば、「か行」キー21bをタッチ操作すると、図15に示す文字入力画面60となる。この文字入力画面60では、第1の実施形態での図6に示す文字入力画面30と同様、行キー21の下方のスペースに、タッチ操作された「か行」キー21bから展開し、この「か行」キー21bと「さ行」キー21cにまたがる幅の文字キーエリア31bが表示され、これに文字「かきくけこ」と文字「がぎぐげご」との文字キー32の縦列が2列表わされた文字キーエリア31bが表示される。
そして、この文字入力画面60の文字キーエリア31bでの、例えば、文字「き」の文字キー32bをタッチ操作すると、図16で文字入力画面70として示すように、また、先の第1の実施形態と同様、文字入力エリア22に入力文字「き」が表示されるとともに、これまで表示されていた「か行」の文字キーエリア31bが消去され、券売機1の制御部5(図1)により、記憶装置12(図1)での文字「き」で始まる駅名の検索が行なわれ、その検索結果得られた文字「き」で始まる駅名が行キー21の下側のスペース25に表示される。この場合も、駅名の許容表示個数が決められており、この許容表示個数を越える駅名が検索されても、この許容表示個数の駅名しか表示されない。この表示された駅名に顧客が希望する駅名がないときには、先の第1の実施形態と同様、希望する駅名の次の文字を同様にして入力し、2つの文字で絞り込んだ検索を行なうようにする。
図16に示す文字入力画面70で、いま、他の行キー、例えば、「た行」キー21dがタッチ操作されると、図17に示すように、文字入力画面70において、図6に示した文字入力画面30での「た行」の文字キーエリア31dと同様の文字キーエリア31dが、「た行」キー21dから展開されてスペース25に表示される。この文字キーエリア31dは、スペース25での駅名の表示エリアをまたがるようにして表示される。この文字キーエリア31dの文字キーのいずれかをタッチ操作することにより、入力文字を追加することができ、さらに絞り込んだ駅名の検索が行なわれる。
この第3の実施形態の処理の流れも、第1の実施形態と同様、図3に示すフローチャートで表わされる。なお、図12に示す第2の実施形態の処理の流れでは、文字キーエリア31で文字キーの操作をして文字を入力しても、この文字キーエリア31は表示されたままになっているので、この文字入力によって新たになされた駅名の検索結果のスペース25での表示が一部この文字キーエリア31によって遮られてしまう。このため、この第3の実施形態には、図12に示す処理の流れを適用することはできない。
次に、本発明による文字入力方法の第4の実施形態をその文字入力画面の一具体例を示す図18〜図21を用いて説明する。この第4の実施形態は、券売機で、例えば、定期券購入時の顧客がその名前を入力する場合を例とするものである。
図18に示すように、この場合の文字入力画面80aには、先の実施形態と同様の配列でひらがなの行キー21が設けられ、また、文字入力エリア22と訂正キー23とが設けられているとともに、数字指定キー81,英字指定キー82及び記号指定キー83がこの画面80aの右辺に沿って縦列に配列されている。さらに、この画面80aの右下隅に確認ボタン85が、左下隅に戻るボタン86が夫々設けられ、空白ボタン84が画面80aの右辺側で行キー21の列の右側に設けられている。
かかる文字入力画面80aにおいて、行キー21のいずれか、例えば、「か行」キー21bをタッチ操作すると、先の実施形態と同様、このタッチ操作された「か行」キー21bに対して文字キーエリア31bがスペース25に表示され、この文字キーエリア31bの文字キーのいずれかをタッチ操作すると、このタッチ操作された文字キーに対する文字が文字入力エリア22に入力表示される。
なお、この第4の実施形態では、図12で示す処理の流れが適用されるものであって、表示された文字キーエリア31bは、次に行キー21や数字指定キー81,英字指定キー82,記号指定キー83のいずれかがタッチ操作されるまでは、そのまま表示され続ける。なお、この表示されている文字キーエリア31bに該当する行キー、この場合、行キー21bがタッチ操作されると、この文字キーエリア31bは消去し、文字キーエリア31が表示されていない状態に戻る。
図18に示す文字入力画面80aで数字指定キー81をタッチ操作すると、図19に示すように、この数字指定キー81から展開される数字キーエリア81aがスペース25に表示される。この数字キーエリア81aには、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の数字キーが表示され、これら数字キーのいずれかをタッチ操作すると、これに対する数字が文字入力エリア22に入力されて表示される。
この数字キーエリア81aも、行キー21,英字指定キー82及び記号指定キー83のいずれかがタッチ操作されるまで表示し続け、このため、2以上の数字を続けて入力することができる。数字キーエリア81aが表示されている状態で数字指定キー81がタッチ操作されると、この数字キーエリア81aが消える。
図18または図19に示す文字入力画面80aで英字指定キー82をタッチ操作すると、図20に示すように、この英字指定キー82から展開される英字キーエリア82aがスペース25に表示される。この英字キーエリア82aには、アルファベットの英字キーが、例えば、9行3列で表示され、これら英字キーのいずれかをタッチ操作すると、これに対するアルファベットが文字入力エリア22に入力されて表示される。
この英字キーエリア82aも、行キー21,数字指定キー81及び記号指定キー83のいずれかがタッチ操作されるまで表示し続け、このため、2以上のアルファベットを続けて入力することができる。英字キーエリア82aが表示されている状態で英字指定キー82がタッチ操作されると、この英字キーエリア82aが消える。
図18または図19または図20に示す文字入力画面80aで記号指定キー83をタッチ操作すると、図21に示すように、この記号指定キー83から展開される記号キーエリア83aがスペース25に表示される。この記号キーエリア83aには、記号キーが、例えば、10行3列で表示され、これら記号キーのいずれかをタッチ操作すると、これに対する記号が文字入力エリア22に入力されて表示される。
この記号キーエリア83aも、行キー21,数字指定キー81及び英字指定キー82のいずれかがタッチ操作されるまで表示し続け、このため、2以上の記号を続けて入力することができる。記号キーエリア83aが表示されている状態で記号指定キー83がタッチ操作されると、この記号キーエリア83aが消える。
なお、空白ボタン84は、1回のタッチ操作毎に文字入力エリア22で1文字分のスペースを入力するためのものである。訂正ボタン23が文字入力エリア22で最新の入力文字あるいは記号,スペースから順に消去していくものであって、これ以外の文字入力画面80aの表示状態は変化しないが(従って、いま、図18に示す表示状態(但し、文字入力エリア22には、文字が入力表示されているものとする)で訂正ボタン23をタッチ操作したとすると、文字入力エリア22での最後に入力された文字が消去されるが、文字キーエリア31bは表示されたままである)、戻るボタン86がタッチ操作された場合には、1つ前の操作がなされた状態に戻る。従って、例えば、図18に示す文字入力画面80aで「か行」のある文字が入力され、次に数字指定キー81がタッチ操作されて図19に示す文字入力画面80aが表示されたものとし、かかる表示状態で戻るボタン86がタッチ操作されると、図18に示す文字入力画面80aが表示された状態に戻る。この場合、文字入力エリア22でも、上記の入力文字が消去されている。
文字入力エリア22に必要な文字(ここでは、顧客の名前に必要な文字)が全て入力表示され、確認ボタン85がタッチ操作されると、制御部5(図1)は必要な全ての文字が入力されたものとして、次の制御処理に移る。
以上のように、この第4の実施形態においても、文字ばかりでなく、数字や英字,記号も簡単な操作で入力することが可能となる。
図22は本発明による文字入力方法の第4の実施形態での文字入力画面の他の具体例を示す図である。
同図において、この具体例は、文字入力画面80bとして、空白ボタン84,数字指定キー81,英字指定キー82及び記号指定キー83をこの文字入力画面80bの左辺側に配置したものである。その他の構成は図18〜図21と同様であり、これらをタッチ操作したときの画面表示も、表示位置が異なるだけで同様である。
図23は本発明による文字入力方法の第4の実施形態での文字入力画面のさらに他の具体例を示す図である。
同図において、この具体例は、文字入力画面80cとして、カタカナ「ア」,「カ」,「サ」,「タ」,「ナ」,「ハ」,「マ」,「ヤ」,「ラ」,「ワ」,「ン」の行キー87の列を文字入力画面80cの下辺側に設けたものである。ひらがなの行キー21と同様、これらの行キー87のいずれかをタッチ操作すると、タッチ操作された行キー87に対するカタカナの文字キーを表わす文字キーエリアが、ひらがなの場合と同様にスペース25に表示される。
図24は本発明による文字入力方法の第4の実施形態での文字入力画面のさらに他の具体例を示す図である。
同図(a)において、この具体例の文字入力画面80dは、図22に示す文字入力画面80bに対し、さらに、行キー21の列の代わりに、1つの平仮名文字指定キー87を設け、かつ1つの片仮名文字指定キー88も追加し、これら平仮名文字指定キー87と片仮名文字指定キー88とを、数字指定キー81,英字指定キー82及び記号指定キー83とともに、文字入力画面80dの左辺側に縦列に配列したものである。
この平仮名文字指定キー87がタッチ操作されると、図24(b)において、図示は省略しているが、この平仮名文字指定キー87から展開されて行キー21の列が横方向に配列表示された行キーエリア89が表示され、この行キー21のいずれかのタッチ操作による表示方法は上記各実施形態と同様であり、例えば、「か行」キー21bがタッチ操作されると、この「か行」キー21bから展開した上記と同様の「か行」の文字キーの文字キーエリア31bが表示される。この場合、行キーエリア89は、行キー21の列と表示された文字キーエリア31bとを含むように、拡大表示される。
片仮名文字指定キー88がタッチ操作された場合も、同様である。
なお、図24において、平仮名文字指定キー87や片仮名文字指定キー88,数字指定キー81,英字指定キー82,記号指定キー83は、図18〜図21に示す文字入力画面80aのように、この画面80dの右辺側に縦に配列されるようにしてもよい。
また、図24では省略しているが、空白ボタン84も画面80dのいずれかに設けられている。
図25は本発明による文字入力方法の第4の実施形態での文字入力画面のさらに他の具体例を示す図である。
同図において、この具体例の文字入力画面80eは、図18に示す文字入力画面80aに対し、行キー21の横列をこの文字入力画面80eの上辺側に寄せ、この行キー21の列の下方のスペースを入力エリア90として、この入力エリア90に入力する情報の種類に応じた横長の文字入力エリア、ここでは、名前を入力表示するための文字入力エリア91a,住所を入力表示するための文字入力エリア91b,電話番号を入力表示するための文字入力エリア91cなどが上から下へ順に配列されている。
かかる文字入力エリア91a〜91cには、図18〜図21で既に説明した文字入力画面80aと同様、行キー21や数字指定キー81,英字指定キー82,記号指定キー83などを操作することにより、文字を入力することができる。かかる行キー21や各指定キー81〜83をタッチ操作することにより、操作されるキーから展開される文字キーエリアが図18〜図21に示す文字入力画面80aと同様に表示され、かかる文字キーエリアが展開されている期間、入力エリア90の一部が表示されている文字キーエリアによって覆われるが、ここでの文字入力画面80eでは、図3に示すフローチャートの処理の流れのように、文字キーエリアでのいずれかの文字キーがタッチ操作されると、文字入力エリア91a〜91cでの文字の入力表示とともに、そのとき表示されているこの文字キーエリアは消去される。これにより、文字入力エリア91a〜91cでの文字の入力を直ちに確認できるようにしている。
また、この図25で示す文字入力画面80eでは、入力エリア90での文字入力エリア91a〜91cのいずれか1つが文字入力可能に活性化されており、その文字入力エリアには、例えば、枠状のカーソル92が付されている。この文字入力画面80eが表示開始される初期状態では、最上位の文字入力エリア91aにカーソル91aが付されてフォーカスされており、この文字入力エリア91aに必要な文字を入力した後、確認ボタン85をタッチ操作することにより、この文字入力エリア91aでの文字入力処理が終了して、カーソル92が1つ下の次の文字入力エリア91bに移ってそれをフォーカスする。このようにして、確認ボタン85をタッチ操作する毎に、カーソル92が次の文字入力エリアに移り、次々の文字入力エリアでの文字入力を可能にする。
なお、各文字入力エリア91a,91b,91cには夫々、訂正ボタン23a,23b,23cが設けられており、文字入力可能に活性化された文字入力エリアに対する訂正ボタンのみが活性化される。
また、この文字入力画面80eでの戻るボタン86は、それをタッチ操作する毎にカーソル92が文字入力エリアを1つずつ戻っていくようにするものである。但し、この戻るボタン86のタッチ操作によって戻ったカーソル92が当てられた文字入力エリアでは、確認ボタン85による確認が解除された状態となり、訂正ボタン23a,23b,23cによる上記の訂正処理が可能となる。従って、例えば、現在カーソル92が文字入力エリア91cから文字入力エリア91bを通って文字入力エリア91aに戻されたとすると、これら文字入力エリア91a〜91cが全て確認解除されたことになり、また、確認ボタン85をタッチ操作することにより、カーソル92を文字入力エリア91aから文字入力エリア91bを通って文字入力エリア91cに移動させると、これら文字入力エリア91a〜91cが全て確認されたことになる。
このように、この具体例では、異なる複数の情報について、1つの文字入力画面で文字入力が可能であり、文字入力する情報毎に文字入力画面を切り替える必要はない。
図26は本発明による文字入力方法の第4の実施形態での文字入力画面のさらに他の具体例を示す図である。
同図において、この具体例の文字入力画面80fは、図18〜図21で説明した文字入力画面80aに更に、スペース25の部分に広告内容93を表示し、スペース25の有効活用を図ったものである。このようなスペース25の活性化は、文字入力エリア22が別に設けられた上記各文字入力画面にも適用できることはいうまでもない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態にのみ限定されるものではない。例えば、上記実施形態は券売機を例として説明したが、これに限らず、ATMなどの他の端末装置やパソコンなどに対しても、適用可能であることはいうまでもない。