JP4717495B2 - 基板処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、基板処理システムに関し、特に、半導体装置を製造する際に好適に使用されるALD(Atomic Layer Deposition)法を用いた基板処理装置を備える基板処理システムに関する。
ALD法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ以上)の原料となるガスを1種類ずつ交互に基板上に供給し、1原子層単位で吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。
即ち、利用する化学反応は、例えばSiN(窒化珪素)膜形成の場合ALD法ではDCS(SiHCl、ジクロルシラン)とNH(アンモニア)を用いて300〜600℃の低温で高品質の成膜が可能である。また、ガス供給は、複数種類の反応性ガスを1種類ずつ交互に供給する。そして、膜厚制御は、反応性ガス供給のサイクル数で制御する(例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、処理を20サイクル行う。)。
ALD法を用いた基板処理装置を備える基板処理システムにおいては、基板処理装置の排ガス除外装置の処理能力不足のために、真空ポンプ下流の排気配管を2本に分岐し、1台の基板処理装置に2台の排ガス除外装置を接続することがある。
図1は、そのような1本の配管を2本の配管に分岐する配管集合部の従来例を説明するための概略断面図である。
配管集合部103では、マニホールド11に、ガスを導入するためのインレット配管10と、ガスを排気する為の2本のアウトレット配管12が接続されている。インレット配管10およびアウトレット配管12は、それらの配管の端部18、19はマニホールド11の内壁面14、15と同じ面内で、マニホールド11にそれぞれ接続されており、マニホールド11の内部までは配管が伸びていない構造となっている。
図2は、従来の配管集合部103の内部のガスの流れを示したものである。
図2を参照すれば、マニホールド11内部にガスを導入した際、配管集合部103のインレット配管10とマニホールド11との接合部13と、アウトレット配管12とマニホールド11との接合部20近傍でアウトレット配管12の内側部分とにガスが滞留していることが分かる。このガスの滞留により、マニホールド11に反応生成物の付着する可能性のあるガスを流した際、配管接合部13、20の段差に反応生成物が付着し、閉塞することが問題となっている。
図3は従来の配管集合部103に反応生成物16、17が付着していく様子を示したものである。
はじめに、STEP−1で示すように配管接合部13、20の段差にガスが滞留する。次に、STEP−2に示すように配管接合部13、20の段差によるガスの滞留箇所に反応生成物16、17がそれぞれ付着し、ガスの滞留箇所が拡大する。最後に、STEP−3に示すように反応生成物16により配管が閉塞する。このように、特に、インレット配管10とマニホールド11との接合部13では、反応生成物16が内側に成長していくので、配管が閉塞し、特に問題となる。
従って、本発明の主な目的は、処理室内の雰囲気を排気する排気系の一部に設けられ、複数の排気配管がマニホールドにそれぞれ接続される配管集合部の内部で反応生成物の付着による閉塞を抑制または防止することができる基板処理システムを提供することにある。
本発明によれば、
基板を収容する処理室と、
前記処理室内の基板を加熱する加熱手段と、
前記処理室内に所望の処理ガスを供給するガス供給系と、
前記処理室に接続され、処理室内の雰囲気を排気する排気系と、
前記排気系の一部に設けられた、複数の排気配管がマニホールドにそれぞれ接続される集合部と、を備え、
前記集合部において、全ての前記複数の排気配管のそれぞれは、前記マニホールドの内壁面を越えて延在した状態で、前記マニホールドに接続されていることを特徴とする基板処理システムが提供される。
ここで、
前記排気系は、前記集合部の下流側に接続される複数の排ガス除外装置を有し、
前記複数の排気配管は、前記処理室と前記集合部に接続される1本の排気配管と、前記集合部と前記複数の排ガス除外装置にそれぞれ接続される複数の排気配管から構成されている。
本発明によれば、処理室内の雰囲気を排気する排気系の一部に設けられ、複数の排気配管がマニホールドにそれぞれ接続される配管集合部の内部で反応生成物の付着による閉塞を抑制または防止することができる基板処理システムが提供される。
次に、本発明の好ましい実施例を説明する。
本発明の好ましい実施例では、減圧下の処理室に被処理基板を載置して処理ガスを導入し、被処理基板を処理する基板処理装置を備える基板処理システムにおいて、反応生成物が処理ガスや反応生成物を排気する排気配管の配管集合部に付着・成長するのを抑制するために、排気配管集合部で、複数の排気配管を、それらが接続されるマニホールドの内部にまで排気配管を延在させた形状としている。
このようにすれば、配管集合部の内部で反応生成物の付着による閉塞を抑制または防止することができ、反応生成物の成長による配管の閉塞を抑制または防止することにより排気配管のメンテナンス周期を延ばすことが可能な基板処理システムを提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明の好ましい実施例をより詳細に説明する。
図4は、本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムに使用される配管集合部の構造を説明するための概略断面図であり、図5は、本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムに使用される配管集合部のガス流ベクトルを示した概略断面図であり、図6は、本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムに使用される配管集合部内の反応生成物堆積プロセスを説明するための概略断面図である。
図4を参照すれば、本実施例の配管集合部303では、マニホールド11に、ガスを導入するためのインレット配管20と、ガスを排気する為の2本のアウトレット配管22が接続されている。インレット配管20およびアウトレット配管22はそれらの配管の端部24、25はマニホールド11の内壁面14、15をそれぞれ越えて内側まで延在した状態で、マニホールド11にそれぞれ接続されている。
図5を参照すれば、インレット配管20およびアウトレット配管22とマニホールドの接合部23、26近傍ではガスの滞留は発生しておらず副生成物が堆積しにくいことが分かる。
図6は本実施例の配管集合部303に反応生成物が付着していく様子を示したものである。
はじめに、STEP−1で示すように、インレット配管20の配管端部24の段差にガスが滞留する。次に、STEP−2に示すようにインレット配管20の配管端部24の段差によるガスの滞留箇所に反応生成物26が付着し、ガスの滞留箇所が拡大する。しかしながら、本実施例では、反応生成物26は、インレット配管20の外側に成長するので、STEP−3に示すように、反応生成物26が配管を塞ぐことはない。
図7は、本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムを説明するための概略斜視図であり、図8、図9は、それぞれ本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムに使用される基板処理装置の縦型の基板処理炉を説明するための概略縦断面図および概略横断面図である。
まず、図7を参照して、複数枚の被処理基板である直径300mmのウェーハ200を石英製反応管203内に多段に載置して処理する縦型ALD装置を備える基板処理システムについて説明する。
ウェーハ200が収納されたカセット32は、装置前面に設置されたI/Oステージ33で装置外部との間で授受が行なわれる。
I/Oステージ33の内側にはカセットローダ35があり、I/Oステージ33上のカセット32をカセット棚34に搬送できるようになっている。
カセット棚34の内側にはウェーハ200をボート217に搬送するためのウェーハ移載機38があり、カセット棚34のカセット32と石英製ボート217との間でウェーハ200の搬送を行うようになっている。
ボート217はボートエレベータ36の昇降機構により、反応管203内部に装填され、ボート217下部のボートエレベータ36に付属する台座を兼ねたシールフランジ40によって反応管203は気密に保持される。
反応管203は、排気ポート231(図8、図9参照)から真空ポンプ246まで接続されたポンプ系排気配管301を介して、内部の気体を排気できるようになっている。
また、真空ポンプ246から排気されたガスは、排ガス除外装置系排気配管302によって排ガス除外装置304に導かれ処理される。
排ガス除外装置系排気配管302には配管集合部303が設けられている。配管集合部303は、図4を参照して説明した構造となっている。
ALD法を用いた基板処理装置を備える基板処理システムにおいては、基板処理装置の排ガス除外装置304の処理能力不足のために、本実施例では、真空ポンプ246下流の排気配管を2本に分岐し、1台の基板処理装置に2台の排ガス除外装置304を接続している。
反応管203には、ガス供給系310のガス供給管232a、232bによって処理ガスを供給できるようになっている。
反応管203及びその内部は反応管203の外側に設置されたヒータ207によって所定の温度に加熱できる構造となっている。
本発明の好ましい実施例では、処理炉202から排ガス除外装置304までの排気配管302内で反応生成物の付着による排気配管302の閉塞を抑制または防止できることにより、排気配管302内の閉塞による排気速度の変化が抑制され、被処理基板であるウエハ200の処理を安定にすることが可能になる。
また、反応生成物の付着による排気配管302の閉塞が抑制または防止されるので、真空ポンプ246と排ガス除外装置304の負担が軽減されメンテナンス周期を長くすることが可能となる。
さらに、反応生成物の付着による排気配管302の閉塞が抑制または防止されるので、、真空ポンプ246の排気速度を一定に保つことが可能となる。
次に本基板処理システムの動作を説明する。
I/Oステージ33にウェーハ200が収納されたカセット32をセットする。I/Oステージ33にセットされたカセット32はカセットローダ35によって順次カセット棚34に運ばれる。
本実施例のカセット32には25枚のウェーハ200が収納されている。ウェーハ移載機38はカセット棚34のカセット32からウェーハ200を搬出し、石英ボート217に搬送する。石英ボート217には例えば100枚のウェーハ200が装填できるため、上記ウェーハ移載機38による搬送動作が何度か繰り返される。
石英ボート217へのウェーハの搬送が終了したら、ボートエレベータ36によりボート217は上昇して反応管203内に挿入され、ボート217下部のシールフランジ40によって反応管203内部は気密に保持される。
反応管203内を真空ポンプ246で排気し所定の圧力に到達したら反応管203内部に一定流量の処理ガスを供給し、圧力調整機構(図8のバルブ243d参照)によって反応管203内を一定の圧力に保つ。このとき反応管203およびその内部のウエハ200はヒータ207によって一定の温度に保持されている。
次に、図8、図9を参照して、本実施例に係る基板処理システムの縦型の基板処理炉を説明する。
加熱手段であるヒータ207の内側に、基板であるウエハ200を処理する反応容器として石英製の反応管203が設けられ、この反応管203の下端開口は蓋体であるシールキャップ219により気密部材であるOリング220を介して気密に閉塞されている。反応管203およびヒータ207の外側には断熱部材208が設けられている。断熱部材208はヒータ207の上方端を覆うように設けられている。少なくとも、ヒータ207、断熱部材208、反応管203、及びシールキャップ219により処理炉202を形成している。また、反応管203、シールキャップ219および後述する反応管203内に形成されたバッファ室237により処理室201を形成している。シールキャップ219には石英キャップ218を介して基板保持手段であるボート217が立設され、石英キャップ218はボート217を保持する保持体となっている。そして、ボート217は処理炉202に挿入される。ボート217にはバッチ処理される複数のウエハ200が水平姿勢で管軸方向に多段に垂直方向に積載される。ヒータ207は処理炉202に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱する。
そして、処理炉202へは複数種類、ここでは2種類のガスを供給する供給管としての2本のガス供給管232a、232bが設けられる。ここではガス供給管232aからは流量制御手段であるマスフローコントローラ241a及び開閉弁であるバルブ243aを介し、更に後述する反応管203内に形成されたバッファ室237を介して処理室201に反応ガスが供給され、ガス供給管232bからは流量制御手段であるマスフローコントローラ241b、開閉弁であるバルブ243b、ガス溜め247、及び開閉弁であるバルブ243cを介し、更に後述するガス供給部249を介して処理室201に反応ガスが供給される。
ガス供給管232a、マスフローコントローラ241aおよびバルブ243aならびにガス供給管232b、マスフローコントローラ241b、バルブ243b、243cおよびガス溜め247によりガス供給系310を構成している。
2本のガス供給管232a、232bには、反応副生成物であるNHClの付着を防ぐために、120℃程度まで加熱できる配管ヒータ(図示せず。)を装着している。
処理室201は、排気ポート231を介してガスを排気する排気管であるポンプ系排気配管301によりバルブ243dを介して排気手段である真空ポンプ246に接続され、真空排気されるようになっている。尚、このバルブ243dは弁を開閉して処理室201の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能になっている開閉弁である。
真空ポンプ246と排ガス除外装置304との間には、排ガス除外装置系排気配管302が設けられている。排ガス除外装置系排気配管302には配管集合部303が設けられている。配管集合部303は、図4を参照して説明した構造となっている。配管集合部303により、真空ポンプ246下流の排気配管302を2本に分岐し、1台の基板処理装置に2台の排ガス除外装置304を接続している。
処理室201を構成している反応管203の内壁とウエハ200との間における円弧状の空間には、反応管203の下部より上部の内壁にウエハ200の積載方向に沿って、ガス分散空間であるバッファ室237が設けられている。バッファ室237のウエハ200と隣接する内側の壁の端部近傍にはガスを供給する供給孔であるガス供給孔248aが設けられている。このガス供給孔248aは反応管203の中心へ向けて開口している。このガス供給孔248aは、ウエハ200の積載方向に沿って下部から上部に所定の長さにわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
そしてバッファ室237のガス供給孔248aが設けられた端部と反対側の端部近傍には、ノズル233が、やはり反応管203の下部より上部にわたりウエハ200の積載方向に沿って配設されている。そしてノズル233にはガスを供給する供給孔であるガス供給孔248bが複数設けられている。複数のガス供給孔248bは、ガス供給孔248aの場合と同じ所定の長さにわたってウエハ200の積載方向に沿って配設されている。そして、複数のガス供給孔248bと複数のガス供給孔248aとをそれぞれ1対1で対応させて配置している。
また、ガス供給孔248bの開口面積は、バッファ室237と処理炉202の差圧が小さい場合には、上流側から下流側まで同一の開口面積で同一の開口ピッチとすると良いが、差圧が大きい場合には上流側から下流側に向かって開口面積を大きくするか、開口ピッチを小さくすると良い。
ガス供給孔248bの開口面積や開口ピッチを上流側から下流にかけて調節することで、まず、各ガス供給孔248bよりガスの流速の差はあるが、流量はほぼ同量であるガスを噴出させる。そしてこの各ガス供給孔248bから噴出するガスをバッファ室237に噴出させて一旦導入し、ガスの流速差の均一化を行うことができる。
すなわち、バッファ室237において、各ガス供給孔248bより噴出したガスはバッファ室237で各ガスの粒子速度が緩和された後、ガス供給孔248aより処理室201に噴出する。この間に、各ガス供給孔248bより噴出したガスは、各ガス供給孔248aより噴出する際には、均一な流量と流速とを有するガスとすることができる。
さらに、バッファ室237に、細長い構造を有する棒状電極269及び棒状電極270が上部より下部にわたって電極を保護する保護管である電極保護管275に保護されて配設され、この棒状電極269又は棒状電極270のいずれか一方は整合器272を介して高周波電源273に接続され、他方は基準電位であるアースに接続されている。この結果、棒状電極269及び棒状電極270間のプラズマ生成領域224にプラズマが生成される。
この電極保護管275は、棒状電極269及び棒状電極270のそれぞれをバッファ室237の雰囲気と隔離した状態でバッファ室237に挿入できる構造となっている。ここで、電極保護管275の内部は外気(大気)と同一雰囲気であると、電極保護管275にそれぞれ挿入された棒状電極269及び棒状電極270はヒータ207の加熱で酸化されてしまう。そこで、電極保護管275の内部は窒素などの不活性ガスを充填あるいはパージし、酸素濃度を充分低く抑えて棒状電極269又は棒状電極270の酸化を防止するための不活性ガスパージ機構が設けられる。
さらに、ガス供給孔248aの位置より、反応管203の内周を120°程度回った内壁に、ガス供給部249が設けられている。このガス供給部249は、ALD法による成膜においてウエハ200へ、複数種類のガスを1種類ずつ交互に供給する際に、バッファ室237とガス供給種を分担する供給部である。
このガス供給部249もバッファ室237と同様にウエハと隣接する位置に同一ピッチでガスを供給する供給孔であるガス供給孔248cを有し、下部ではガス供給管232bが接続されている。
ガス供給孔248cの開口面積はバッファ室237と処理室201の差圧が小さい場合には、上流側から下流側まで同一の開口面積で同一の開口ピッチとすると良いが、差圧が大きい場合には上流側から下流側に向かって開口面積を大きくするか開口ピッチを小さくすると良い。
反応管203内の中央部には複数枚のウエハ200を多段に同一間隔で鉛直方向に載置するボート217が設けられており、このボート217は図中省略のボートエレベータ機構により反応管203に出入りできるようになっている。また処理の均一性を向上するためにボート217を回転するための回転手段であるボート回転機構267が設けてあり、ボート回転機構267を回転することにより、石英キャップ218に保持されたボート217を回転するようになっている。
制御手段であるコントローラ321は、マスフローコントローラ241a、241b、バルブ243a、243b、243c、243d、ヒータ207、真空ポンプ246、ボート回転機構267、ボートエレベータ121、高周波電源273、整合器272、排ガス除外装置304に接続されており、マスフローコントローラ241a、241bの流量調整、バルブ243a、243b、243cの開閉動作、バルブ243dの開閉及び圧力調整動作、レギュレータ302の開閉及び圧力調整動作、ヒータ207の温度調節、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節、ボートエレベータ121の昇降動作制御、高周波電極273の電力供給制御、整合器272によるインピーダンス制御、排ガス除外装置304による排ガス処理が行なわれる。
次にALD法による成膜例について、DCS及びNHガスを用いてSiN膜を成膜する例で説明する。
まず成膜しようとするウエハ200をボート217に装填し、処理炉202に搬入する。搬入後、次の3つのステップを順次実行する。
[ステップ1]
ステップ1では、プラズマ励起の必要なNHガスと、プラズマ励起の必要のないDCSガスとを併行して流す。まずガス供給管232aに設けたバルブ243a、及びガス排気管231に設けたバルブ243dを共に開けて、ガス供給管232aからマスフローコントローラ243aにより流量調整されたNHガスをノズル233のガス供給孔248bからバッファ室237へ噴出し、棒状電極269及び棒状電極270間に高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加してNHをプラズマ励起し、活性種として処理室201に供給しつつガス排気管231から排気する。NHガスをプラズマ励起することにより活性種として流すときは、バルブ243dを適正に調整して処理室201内圧力を10〜100Paとする。マスフローコントローラ241aで制御するNHの供給流量は1000〜10000sccmである。NHをプラズマ励起することにより得られた活性種にウエハ200を晒す時間は2〜120秒間である。このときのヒータ207の温度はウエハが500〜600℃になるよう設定してある。NHは反応温度が高いため、上記ウエハ温度では反応しないので、プラズマ励起することにより活性種としてから流すようにしており、このためウエハ温度は設定した低い温度範囲のままで行える。
このNHをプラズマ励起することにより活性種として供給しているとき、ガス供給管232bの上流側のバルブ243bを開け、下流側のバルブ243cを閉めて、DCSも流すようにする。これによりバルブ243b、243c間に設けたガス溜め247にDCSを溜める。このとき、処理室201内に流しているガスはNHをプラズマ励起することにより得られた活性種であり、DCSは存在しない。したがって、NHは気相反応を起こすことはなく、プラズマにより励起され活性種となったNHはウエハ200上の下地膜と表面反応する。
[ステップ2]
ステップ2では、ガス供給管232aのバルブ243aを閉めて、NHの供給を止めるが、引続きガス溜め247へ供給を継続する。ガス溜め247に所定圧、所定量のDCSが溜まったら上流側のバルブ243bも閉めて、ガス溜め247にDCSを閉じ込めておく。また、ガス排気管231のバルブ243dは開いたままにし真空ポンプ246により、処理室201を20Pa以下に排気し、残留NHを処理室201から排除する。また、この時にはN等の不活性ガスを処理室201に供給すると、更に残留NHを排除する効果が高まる。ガス溜め247内には、圧力が20000Pa以上になるようにDCSを溜める。また、ガス溜め247と処理室201との間のコンダクタンスが1.5×10−3/s以上になるように装置を構成する。また、反応管203の容積とこれに対する必要なガス溜め247の容積との比として考えると、反応管203の容積1001(リットル)の場合においては、100〜300ccであることが好ましく、容積比としてはガス溜め247は反応室容積の1/1000〜3/1000倍とすることが好ましい。
[ステップ3]
ステップ3では、処理室201の排気が終わったらガス排気管231のバルブ243cを閉じて排気を止める。ガス供給管232bの下流側のバルブ243cを開く。これによりガス溜め247に溜められたDCSが処理室201に一気に供給される。このときガス排気管231のバルブ243dが閉じられているので、処理室201内の圧力は急激に上昇して約931Pa(7Torr)まで昇圧される。DCSを供給するための時間は2〜4秒設定し、その後上昇した圧力雰囲気中に晒す時間を2〜4秒に設定し、合計6秒とした。このときのウエハ温度はNHの供給時と同じく、500〜600℃である。DCSの供給により、下地膜上のNHとDCSとが表面反応して、ウエハ200上にSiN膜が成膜される。成膜後、バルブ243cを閉じ、バルブ243dを開けて処理室201を真空排気し、残留するDCSの成膜に寄与した後のガスを排除する。また、この時にはN等の不活性ガスを処理室201に供給すると、更に残留するDCSの成膜に寄与した後のガスを処理室201から排除する効果が高まる。またバルブ243bを開いてガス溜め247へのDCSの供給を開始する。
上記ステップ1〜3を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことによりウエハ上に所定膜厚のSiN膜を成膜する。
なお、ALD装置では、ガスは下地膜表面に吸着する。このガスの吸着量は、ガスの圧力、及びガスの暴露時間に比例する。よって、希望する一定量のガスを、短時間で吸着させるためには、ガスの圧力を短時間で大きくする必要がある。この点で、本実施例では、バルブ243dを閉めたうえで、ガス溜め247内に溜めたDCSを瞬間的に供給しているので、処理室201内のDCSの圧力を急激に上げることができ、希望する一定量のガスを瞬間的に吸着させることができる。
また、本実施例では、ガス溜め247にDCSを溜めている間に、ALD法で必要なステップであるNHガスをプラズマ励起することにより活性種として供給、及び処理室201の排気をしているので、DCSを溜めるための特別なステップを必要としない。また、処理室201内を排気してNHガスを除去しているからDCSを流すので、両者はウエハ200に向かう途中で反応しない。供給されたDCSは、ウエハ200に吸着しているNHとのみ有効に反応させることができる。
従来の配管集合部の構造を説明するための概略断面図である。 従来の配管集合部のガスの流れを説明するための概略断面図である。 従来の配管集合部内の反応生成物堆積プロセスを説明するための概略断面図である 本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムに使用される配管集合部の構造を説明するための概略断面図である。 本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムに使用される配管集合部のガス流ベクトルを示した概略断面図である。 本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムに使用される配管集合部内の反応生成物堆積プロセスを説明するための概略断面図である。 本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムを説明するための概略斜視図である。 本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムに使用される基板処理装置の縦型の基板処理炉を説明するための概略縦断面図である。 本発明の好ましい実施例に係る基板処理システムに使用される基板処理装置の縦型の基板処理炉を説明するための概略横断面図である。
符号の説明
10…インレット配管
11…マニホールド
12…アウトレット配管
13…配管接合部
14、15…内壁面
16、17…反応生成物
18、19…配管端部
20…配管接合部
23…配管接合部
24、25…配管端部
26…反応生成物
32…カセット
33…I/Oステージ
34…カセット棚
35…カセットローダ
36…ボートエレベータ
38…ウエハ移載機
40…シールフランジ
103…配管集合部
200…ウエハ
201…処理室
202…処理炉
203…反応管
207…ヒータ
208…断熱部材
217…ボート
218…石英キャップ
219…シールキャップ
220…Oリング
224…プラズマ生成領域
231…ガス排気管
232a…ガス供給管
232b…ガス供給管
233…ノズル
237…バッファ室
241a…マスフローコントローラ
241b…マスフローコントローラ
243a…バルブ
243b…バルブ
243c…バルブ
243d…バルブ
246…真空ポンプ
247…ガス溜め
248a…ガス供給孔
248b…ガス供給孔
248c…ガス供給孔
249…ガス供給部
267…ボート回転機構
269…棒状電極
270…棒状電極
272…整合器
273…高周波電源
275…電極保護管
301…ポンプ系排気配管
302…排ガス除外装置系排気配管
303…配管集合部
304…排ガス除外装置
310…ガス供給系
321…コントローラ

Claims (2)

  1. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内の基板を加熱する加熱手段と、
    前記処理室内に所望の処理ガスを供給するガス供給系と、
    前記処理室に接続され、処理室内の雰囲気を排気する排気系と、
    前記排気系の一部に設けられた、複数の排気配管がマニホールドにそれぞれ接続される集合部と、を備え、
    前記集合部において、全ての前記複数の排気配管のそれぞれは、前記マニホールドの内壁面を越えて延在した状態で、前記マニホールドに接続されていることを特徴とする基板処理システム。
  2. 前記排気系は、前記集合部の下流側に接続される複数の排ガス除外装置を有し、
    前記複数の排気配管は、前記処理室と前記集合部に接続される1本の排気配管と、前記集合部と前記複数の排ガス除外装置にそれぞれ接続される複数の排気配管から構成されることを特徴とする請求項1記載の基板処理システム。
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