JP2005223144A - 基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 処理室に複数の処理ガスを交互に供給して基板を処理する基板処理装置において、真空ポンプの2次側の排気管から低温部を無くすことによって、排気管の配管長が長くなっても、反応副生成物による排気管の詰まりを抑制できるようにする。
【解決手段】 基板処理装置は、基板としてのウェハ200を処理する処理室201と、処理室201に処理ガスを交互に供給する複数の処理ガス供給手段としてのガス供給管232a,232bと、処理室201を排気する排気手段としての真空ポンプ246と、真空ポンプの一次側と処理室201との間に設けた第1の排気管231と、真空ポンプ246の二次側に設けた第2の排気管234とを有する。このような基板処理装置の第2の排気管234に、高温の不活性ガスN2を供給する不活性ガス供給手段としての加熱ガス供給ユニット221を設けて、第2の排気管234に高温の不活性ガスN2を供給するようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、処理室に処理ガスを交互に供給しつつ排気管より排気して基板を処理する基板処理装置に係り、特にその排気管内の反応副生成物の堆積を低減するための装置に関する。
基板処理装置、例えば半導体製造装置を構成する処理炉では、半導体ウェハなどの基板に成膜する方法として、CVD法が広く採用されている。これはガス種Aとガス種Bとを同時に処理室に供給し、処理室内の基板に成膜を行うものである。処理室の残留ガスは、真空ポンプにより排気管を介して、除害装置などの排ガス処理装置に流している。図11には、そのようなCVD装置を構成するCVD処理炉の一般的な排ガス系統図を示す。
図11において、シールキャップ5で気密にされた石英製の反応管2内に、ガス種A及びBを導入して基板4を処理する。ガス種A及びBは、反応管2の下部に設けられたガス導入ポート6,7より、高温に保たれたヒータ1内の反応管2に導入される。反応管2内に導入されたガス種A及びBは、反応管2内に挿入された基板保持ボート3に一定間隔で水平に配置された複数枚の基板4上に供給され、基板4上に成膜する。基板4上に成膜をした後、残留ガスは、反応管2の下部に設けられた排気ポート8より排気管21、トラップ10、排気管22、真空ポンプ11、排気管23を経由して除害装置12に送られて処理される。
このようにCVD処理炉の排ガス系内では、ガス種A,Bが反応して生成される反応副生成物は、トラップ10、例えば水冷トラップによって強制的に低温化させて固相に析出付着させて取り除く方法が一般的である。排気ポート8と水冷トラップ10とを連結する排気管21には反応副生成物が固相に析出しない温度に加熱できる配管加熱ヒータ9が装着されている。よって水冷トラップ10より下流側の排気管22、23等には反応副生成物の付着は無く、排気管22、23の詰まりか起こることは無い。なお、水冷トラップ10は定期的にメンテナンスを行う。
ところで、近年、基板に成膜する方法として、ALD(Atomic Layer Deposition)という方式が採用され始めた。これは、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種(またはそれ以上)の導入ガスを交互に基板上に供給し、1原子層単位で吸着させ、表面反応のみを利用して成膜を行う手法である。図12に、そのようなALD装置を構成するALD処理炉の一般的な排ガス系統図を示す。
この手法では、例えば導入ガスAをガス導入ポート6より、反応管2内部の複数枚の基板4上に供給する。その後一旦、反応管2内部のガス種Aを排気する。続いてガス種Bをガス導入ポート7より供給して、ガス種AとBとを反応させて基板4上に成膜させる。成膜させた後、反応管2内部のガス種Bを排気する。このガスの切替えを供給を、繰り返し行うことによって、基板上に一層ずつ成膜する。
ALD処理で用いるガスは、単独では成膜しないので、ALD処理炉の排ガス系内では、図11のCVD処理炉の排ガス系内に設けた水冷トラップ10は必要がない。しかし、排気ポート8と真空ポンプ11との間の排気管24には、配管加熱ヒータ9を設ける必要がある。その理由は、ガス原料に液体有機原料を気化して用いる場合、真空ポンプ11の1次側(上流側)で有機原料が冷却されると再液化し、排気管内に滞留し、次のガスと接触し、排気管24内に反応副生成物が付着するおそれがある。したがって、これを防止するために、配管加熱ヒータ9を設ける必要がある。
ところで、図11又は図12の排ガス系統において、設備レイアウトによっては、真空ポンプ11と除害装置12間の排気管が極めて長くなることがある。これは、多数の半導体製造装置の排ガスを、1台の除害装置で共通に処理する場合、除害装置に対して距離の近い半導体製造装置もあれば、距離の遠い半導体製造装置もでてくることによる。
排気管の配管長が長い場合、図11に示すCVD処理炉では、水冷トラップ10により、排気管22、23等には反応副生成物の付着は無いので問題はない。しかし、図12に示すALD処理炉では問題がある。ガス種Aとガス種Bは、真空ポンプ11の2次側(下流側)の排気管23にて反応するおそれがあるからである。真空ポンプ11の1次側の排気管24は、真空ポンプ11によってガスが抜き取られて圧力が低くなるので、ガスがほとんど存在しない。したがって、複数のガス種が反応することはない。しかし、真空ポンプ11の2次側の排気管23では、圧力が高く、抜き取られたガスが比較的ゆっくりと流れ、しかも配管長が長いと排気管23内に漂うため、相前後して抜き取られた複数のガス種のうち、前に抜き取ったガス種に、後に抜き取ったガス種が追い付いて、両者が反応してしまう。又配管が長くなると、その全てに加熱ヒータを設けて加熱することは、経済的に高価となり難しく、加熱ヒータを設けていない排気管23内で気化原料が冷却されて反応副生成物が付着することがあるからである。
上述したように、処理室に処理ガスを交互に供給しつつ排気して基板を処理する基板処理装置においては、真空ポンプ11の2次側の排気管の配管長が長くなり、また配管長が長くなって低温部が生じると、排気管の途中で複数のガス種が反応し、さらに排気管の低温部で、反応したガスが固相に析出して反応副生成物が堆積し、排気管が詰まってしまうおそれがあった。排気管が詰まると、基板処理装置を停止して、排気管を洗浄する等のメンテナンスを頻繁に行う必要があった。
なお、真空ポンプ11と除害装置12との間にトラップを設け、反応したガスをトラップによって強制的に低温化させて固相に析出付着させて取り除くことも考えられる。しかし、真空ポンプ11の2次側は、処理装置が設置される工場側の排出装置による排出作用しか作用していないため、圧力が高くなり、トラップの上流側でガスが滞留してしまい、反応副生成物の堆積を助長してしまう虞がある。又、複数の処理ガスを交互に供給する方式では、複数の処理ガスを同時に供給する方式と異なり、いつでもどこでも反応するわけではないので、トラップによっては反応生成物を有効に取り除くことができない。
本発明の課題は、複数の処理ガスを交互に供給して基板を処理する装置において、上述した従来技術の問題点を解消して、真空ポンプの2次側の排気管の配管長が長くなっても、排気管の詰まりを有効に抑制することが可能な基板処理装置を提供することにある。
第1の発明は、基板を処理する処理室と、前記処理室に複数の処理ガスを交互に供給する複数の処理ガス供給手段と、前記処理室を排気するための第1の排気管と、前記第1の排気管を介して前記処理室を排気する排気手段と、前記排気手段から排出されるガスを排気するための第2の排気管とを有する基板処理装置であって、前記第2の排気管に高温の不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を設けたことを特徴とする基板処理装置である。
不活性ガス供給手段から第2の排気管に高温の不活性ガスが供給されると、第2の排気管から低温部が無くなる。したがって、第2の排気管内で複数の処理ガスが反応しても、反応ガスが固相に析出して第2の排気管に付着することがなくなり、反応副生成物による第2の排気管の詰まりを防止できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記第2の排気管の複数箇所から高温の不活性ガスを供給することを特徴とする基板処理装置である。
第2の排気管の複数箇所から高温の不活性ガスを供給すると、一箇所から供給する場合に比べて、処理ガスが有効に加熱されるので、反応副生成物による第2の排気管の詰まりを一層防止できる。
本発明によれば、複数の処理ガスを交互に供給して基板を処理する装置において、排気管の配管長が長くなっても、排気管から低温部を無くすことができるので、排気管の詰まりを有効に抑制することができる。
本発明の基板処理装置の構成を図面を用いて説明する。尚、以下の説明では、基板処理装置として基板にALD処理を行なう縦型の装置(以下、単に処理装置という)に適用した場合について述べる。図7は、本発明に適用される処理装置の外観斜視図である。尚、この図は透視図として描かれている。また、図8は図7に示す処理装置の側面図である。
本発明の処理装置は、シリコン等からなるウェハ(基板)200を収納したポッド(基板収納容器)100を、外部から筐体101内へ挿入するため、およびその逆に筐体101内から外部へ払出すためのI/Oステージ(保持具授受部材)105が筐体101の前面に付設され、筐体101内には挿入されたポッド100を保管するためのカセット棚(載置手段)109が敷設されている。また、ウェハ200の搬送エリアであり、後述のボート(基板保持手段)217のローディング、アンローディング空間となるN2パージ室(気密室)102が設けられている。ウェハ200に処理を行なうときのN2パージ室102の内部は、ウェハ200の自然酸化膜を防止するためにN2ガスなどの不活性ガスが充満されるように、N2パージ室102は密閉容器となっている。
上述したポッド100としては、現在FOUPというタイプが主流で使用されており、ポッド100の一側面に設けられた開口部を蓋体(図示せず)で塞ぐことで大気からウェハ200を隔離して搬送でき、蓋体を取り去る事でポッド100内へウェハ200を入出させることができる。このポッド100の蓋体を取外し、ポッド内の雰囲気とN2パージ室102の雰囲気とを連通させるために、N2パージ室102の前面側には、ポッドオープナ(開閉手段)108が設けられている。ポッドオープナ108、カセット棚109、およびI/Oステージ105間のポッド100の搬送は、カセット移載機114によって行なわれる。このカセット移載機114によるポッド100の搬送空間には、筐体101に設けられたクリーンユニット(図示せず)によって清浄化した空気をフローさせるようにしている。
2パージ室102の内部には、複数のウェハ200を多段に積載するボート217と、ウェハ200のノッチ(又はオリエンテーションフラット)の位置を任意の位置に合わせる基板位置合わせ装置106と、ポッドオープナ108上のポッド100と基板位置合わせ装置106とボート217との間でウェハ200の搬送を行なうウェハ移載機(搬送手段)112とが設けられている。また、N2パージ室102の上部にはウェハ200を処理するための処理炉202が設けられており、ボート217はボートエレベータ(昇降手段)115によって処理炉202へローディング、又は処理炉202からアンローディングすることができる。
次に、本発明の処理装置の動作について説明する。
先ず、AGV(自走型搬送車)やOHT(天井吊下式搬送装置)などにより筐体101の外部から搬送されてきたポッド100は、I/Oステージ105に載置される。I/Oステージ105に載置されたポッド100は、カセット移載機114によって、直接ポッドオープナ108上に搬送されるか、または、一旦カセット棚109にストックされた後にポッドオープナ108上に搬送される。ポッドオープナ108上に搬送されたポッド100は、ポッドオープナ108によってポッド100の蓋体を取外され、ポッド100の内部雰囲気がN2パージ室102の雰囲気と連通される。
次に、ウェハ搬送機112によって、N2パージ室102の雰囲気と連通した状態のポッド100内からウェハ200を取出す。取出されたウェハ200は、基板位置合わせ装置106によって任意の位置にノッチが定まる様に位置合わせが行なわれ、位置合わせ後、ボート217へ搬送される。
ボート217へのウェハ200の搬送が完了したならば、処理室201の炉口シャッタ116を開けて、ボートエレベータ115によりウェハ200を搭載したボート217をローディングする。
ローディング後は、処理炉202にてウェハ200に任意の処理が実施され、処理後は上述の逆の手順で、ウェハ200およびポッド100は筐体101の外部へ払出される。
まず、本発明の実施の形態にて行った、ウェハ等の基板へのプロセス処理例としてALD法を用いた成膜処理について、簡単に説明する。
ALD法は、ある成膜条件(温度、時間等)の下で、成膜に用いる2種類(またはそれ以上)の原料となるガスを1種類ずつ交互に基板上に供給し、1原子層単位で吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。
即ち、利用する化学反応は、例えばSiN(窒化珪素)膜形成の場合、ALD法ではガス種AとしてDCS(SiH2Cl2、ジクロルシラン)と、ガス種BとしてNH3(アンモニア)とを用いて300〜600℃の低温で高品質の成膜が可能である。また、ガス供給は、複数種類の反応性ガスを1種類ずつ交互に供給する。そして、膜厚制御は、反応性ガス供給のサイクル数で制御する。(例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、処理を20サイクル行う。)
これを図9及び図10を用いて具体的に説明する。
図9は、本実施の形態にかかる処理装置を構成する縦型の処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示し、図10は本実施の形態にかかる縦型の基板処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を横断面で示す。加熱手段であるヒータ207の内側に、基板であるウェハ200を処理する反応容器として反応管203が設けられ、この反応管203の下端開口は蓋体であるシールキャップ219により気密部材であるOリング220を介して気密に閉塞され、少なくとも、このヒータ207、反応管203、及びシールキャップ219により処理炉202を形成している。シールキャップ219には石英キャップ218を介して基板保持手段であるボート217が立設され、前記石英キャップ218はボートを保持する保持体となっている。そして、ボート217は処理炉202に挿入される。ボート217にはバッチ処理される複数のウェハ200が水平姿勢で管軸方向に多段に積載される。前記ヒータ207は処理炉202に挿入されたウェハ200を所定の温度に加熱する。
そして、処理炉202へは複数種類、ここでは2種類のガスを供給する供給管としての2本のガス供給管232a、232bが、ガス導入ポート235a、235bに設けられる。ここでは第1のガス供給管232aからは流量制御手段である第1のマスフローコントローラ241a及び開閉弁である第1のバルブ243aを介し、更に後述する処理炉202内に形成されたバッファ室237を介して処理炉202に反応ガスが供給され、第2のガス供給管232bからは流量制御手段である第2のマスフローコントローラ241b、開閉弁である第2のバルブ243b、ガス溜め247、及び開閉弁である第3のバルブ243cを介し、更に後述するガス供給部249を介して処理炉202に反応ガスが供給されている。
処理炉202は、排気ポート231aにガスを排気する排気管であるガス排気管231が設けられる。このガス排気管231により第4のバルブ243dを介して排気手段である真空ポンプ246に接続され、真空排気されるようになっている。尚、この第4のバルブ243dは弁を開閉して処理炉202の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節して圧力調整可能になっている開閉弁である。また、真空ポンプ246の二次側に第2の排気管234が設けられて、真空ポンプ246から排出されるガスを直接大気中へ、又は必要に応じて除害装置(図示せず)を経て大気中へ排気するようになっている。
処理炉202を構成している反応管203の内壁とウェハ200との間における円弧状の空間には、反応管203の下部より上部の内壁にウェハ200の積載方向に沿って、ガス分散空間であるバッファ室237が設けられており、そのバッファ室237のウェハ200と隣接する壁の端部にはガスを供給する供給孔である第1のガス供給孔248aが設けられている。この第1のガス供給孔248aは反応管203の中心へ向けて開口している。この第1のガス供給孔248aは、下部から上部にわたってそれぞれ同一の開口面積を有し、更に同じ開口ピッチで設けられている。
そしてバッファ室237の第1のガス供給孔248aが設けられた端部と反対側の端部には、ノズル233が、やはり反応管203の下部より上部にわたりウェハ200の積載方向に沿って配設されている。そしてノズル233には複数のガスを供給する供給孔である第2のガス供給孔248bが設けられている。この第2のガス供給孔248bの開口面積は、バッファ室237と処理炉202の差圧が小さい場合には、上流側から下流側まで同一の開口面積で同一の開口ピッチとすると良いが、差圧が大きい場合には上流側から下流側に向かって開口面積を大きくするか、開口ピッチを小さくすると良い。
本発明において、第2のガス供給孔248bの開口面積や開口ピッチを上流側から下流にかけて調節することで、まず、第2の各ガス供給孔248bよりガスの流速の差はあるが、流量はほぼ同量であるガスを噴出させる。そしてこの各第2のガス供給孔248bから噴出するガスをバッファ室237に噴出させて一旦導入し、前記ガスの流速差の均一化を行うこととした。
すなわち、バッファ室237において、各第2のガス供給孔248bより噴出したガスはバッファ室237で各ガスの粒子速度が緩和された後、第1のガス供給孔248aより処理炉202に噴出する。この間に、各第2のガス供給孔248bより噴出したガスは、各第1のガス供給孔248aより噴出する際には、均一な流量と流速とを有するガスとすることができた。
さらに、バッファ室237に、細長い構造を有する第1の電極である第1の棒状電極269及び第2の電極である第2の棒状電極270が上部より下部にわたって電極を保護する保護管である電極保護管275に保護されて配設され、この第1の棒状電極269又は第2の棒状電極270のいずれか一方は整合器272を介して高周波電源273に接続され、他方は基準電位であるアースに接続されている。この結果、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270間のプラズマ生成領域224にプラズマが生成される。
この電極保護管275は、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270のそれぞれをバッファ室237の雰囲気と隔離した状態でバッファ室237に挿入できる構造となっている。ここで、電極保護管275の内部は外気(大気)と同一雰囲気であると、電極保護管275にそれぞれ挿入された第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270はヒータ207の加熱で酸化されてしまう。そこで、電極保護管275の内部は窒素などの不活性ガスを充填あるいはパージし、酸素濃度を充分低く抑えて第1の棒状電極269又は第2の棒状電極270の酸化を防止するための不活性ガスパージ機構が設けられる。
さらに、第1のガス供給孔248aの位置より、反応管203の内周を120°程度回った内壁に、ガス供給部249が設けられている。このガス供給部249は、ALD法による成膜においてウェハ200へ、複数種類のガスを1種類ずつ交互に供給する際に、バッファ室237とガス供給種を分担する供給部である。
このガス供給部249もバッファ室237と同様にウェハと隣接する位置に同一ピッチでガスを供給する供給孔である第3のガス供給孔248cを有し、下部では第2のガス供給管232bが接続されている。
第3のガス供給孔248cの開口面積はバッファ室237と処理炉202の差圧が小さい場合には、上流側から下流側まで同一の開口面積で同一の開口ピッチとすると良いが、差圧が大きい場合には上流側から下流側に向かって開口面積を大きくするか開口ピッチを小さくすると良い。
反応管203内の中央部には複数枚のウェハ200を多段に同一間隔で載置するボート217が設けられており、このボート217は図中省略のボートエレベータ機構により反応管203に出入りできるようになっている。また処理の均一性を向上する為にボート217を回転するための回転手段であるボート回転機構267が設けてあり、ボート回転機構267を回転することにより、石英キャップ218に保持されたボート217を回転するようになっている。
制御手段であるコントローラ121は、第1、第2のマスフローコントローラ241a、241b、第1〜第4のバルブ243a、243b、243c、243d、ヒータ207、真空ポンプ246、ボート回転機構267、図中省略のボート昇降機構、高周波電源273、整合器272に接続されており、第1、第2のマスフローコントローラ241a、241bの流量調整、第1〜第3のバルブ243a、243b、243cの開閉動作、第4のバルブ243dの開閉及び圧力調整動作、ヒータ207温度調節、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構267の回転速度調節、ボート昇降機構の昇降動作制御、高周波電源273の電力供給制御、整合器272によるインピーダンス制御が行われる。
次にALD法による成膜例について、DCS及びNH3ガスを用いてSiN膜を成膜する例で説明する。
まず成膜しようとするウェハ200をボート217に装填し、処理炉202に搬入する。搬入後、次の3つのステップを順次実行する。
[ステップ1]
ステップ1では、プラズマ励起の必要なNH3ガスと、プラズマ励起の必要のないDCSガスとを併行して流す。まず第1のガス供給管232aに設けた第1のバルブ243a、及びガス排気管231に設けた第4のバルブ243dを共に開けて、第1のガス供給管232aから第1のマスフローコントローラ241aにより流量調整されたNH3ガスをノズル233の第2のガス供給孔248bからバッファ室237へ噴出し、第1の棒状電極269及び第2の棒状電極270間に高周波電源273から整合器272を介して高周波電力を印加してNH3をプラズマ:励起し、活性種として処理炉202に供給しつつガス排気管231から排気する。NH3ガスをプラズマ励起することにより活性種として流すときは、第4のバルブ243dを適正に調整して処理炉202内圧力を10〜100Paとする。第1のマスフローコントローラ241aで制御するNH3の供給流量は1000〜10000sccmである。NH3をプラズマ励起することにより得られた活性種にウェハ200を晒す時間は2〜120秒間である。このときのヒータ207温度はウェハが300〜600℃になるよう設定してある。NH3は反応温度が高いため、上記ウェハ温度では反応しないので、プラズマ励起することにより活性種としてから流すようにしており、このためウェハ温度は設定した低い温度範囲のままで行える。
このNH3をプラズマ励起することにより活性種として供給しているとき、第2のガス供給管232bの上流側の第2のバルブ243bを開け、下流側の第3のバルブ243cを閉めて、DCSも流すようにする。これにより第2、第3のバルブ243b、243c間に設けたガス溜め247にDCSを溜める。このとき、処理炉202内に流しているガスはNH3をプラズマ励起することにより得られた活性種であり、DCSは存在しない。したがって、NH3は気相反応を起こすことはなく、プラズマにより励起され活性種となったNH3はウェハ200上の下地膜と表面反応する。
[ステップ2]
ステップ2では、第1のガス供給管232aの第1のバルブ243aを閉めて、NH3の供給を止めるが、引続きガス溜め247へ供給を継続する。ガス溜め247に所定圧、所定量のDCSが溜まったら上流側の第2のバルブ243bも閉めて、ガス溜め247にDCSを閉じ込めておく。また、ガス排気管231の第4のバルブ243dは開いたままにし真空ポンプ246により、処理炉202を20Pa以下に排気し、残留NH3を処理炉202から排除する。また、この時にはN2等の不活性ガスを処理炉202に供給すると、更に残留NH3を排除する効果が高まる。ガス溜め247内には、圧力が20000Pa以上になるようにDCSを溜める。また、ガス溜め247と処理炉202との間のコンダクタンスが1.5×10−3m3/s以上になるように装置を構成する。また、反応管203容積とこれに対する必要なガス溜め247の容積との比として考えると、反応管203容積100l(リットル)の場合においては、100〜300ccであることが好ましく、容積比としてはガス溜め247は処理室容積の1/1000〜3/1000倍とすることが好ましい。
[ステップ3]
ステップ3では、処理炉202の排気が終わったらガス排気管231の第4のバルブ243dを閉じて排気を止める。第2のガス供給管232bの下流側の第3のバルブ243cを開く。これによりガス溜め247に溜められたDCSが処理炉202に一気に供給される。このときガス排気管231の第4のバルブ243dが閉じられているので、処理炉202内の圧力は急激に上昇して約931Pa(7Torr)まで昇圧される。DCSを供給するための時間は2〜4秒設定し、その後上昇した圧力雰囲気中に晒す時間を2〜4秒に設定し、合計6秒とした。このときのウェハ温度はNH3の供給時と同じく、300〜600℃である。DCSの供給により、下地膜上のNH3とDCSとが表面反応して、ウェハ200上にSiN膜が成膜される。成膜後、第3のバルブ243cを閉じ、第4のバルブ243dを開けて処理炉202を真空排気し、残留するDCSの成膜に寄与した後のガスを排除する。また、この時にはN2等の不活性ガスを処理炉202に供給すると、更に残留するDCSの成膜に寄与した後のガスを処理炉202から排除する効果が高まる。また第2のバルブ243bを開いてガス溜め247へのDCSの供給を開始する。
上記ステップ1〜3を1サイクルとし、このサイクルを複数回繰り返すことによりウェハ上に所定膜厚のSiN膜を成膜する。
ALD装置では、ガスは下地膜表面に吸着する。このガスの吸着量は、ガスの圧力、及びガスの暴露時間に比例する。よって、希望する一定量のガスを、短時間で吸着させるためには、ガスの圧力を短時間で大きくする必要がある。この点で、本実施の形態では、第4のバルブ243dを閉めたうえで、ガス溜め247内に溜めたDCSを瞬間的に供給しているので、処理炉202内のDCSの圧力を急激に上げることができ、希望する一定量のガスを瞬間的に吸着させることができる。
また、本実施の形態では、ガス溜め247にDCSを溜めている間に、ALD法で必要なステップであるNH3ガスをプラズマ励起することにより活性種として供給、及び処理炉202の排気をしているので、DCSを溜めるための特別なステップを必要としない。また、処理炉202内を排気してNH3ガスを除去しているからDCSを流すので、両者はウェハ200に向かう途中で反応しない。供給されたDCSは、ウェハ200に吸着しているNH3とのみ有効に反応させることができる。
ところで、前述したように、処理室に処理ガス種A、Bを交互に供給しつつ排気してウェハを処理するALD処理炉においては、前述したように、真空ポンプ246の2次側の排気管234内では、複数のガス種が反応して、排気管234の低温部で、固相に析出して、反応副生成物が堆積し、この反応副生成物によって排気配が詰まってしまうおそれがある。このため、処理装置を停止して排気管を洗浄する等のメンテナンスを頻繁に行う必要があった。この傾向は、特に真空ポンプ246の2次側の排気管234が長くなると、顕著であった。
そこで、本実施の形態では、これを回避するために、真空ポンプ246の2次側に設けた排気管234に、高温の不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を設け、排気管234内に高温の不活性ガスを供給して、排気管234内部で反応副生成物が形成されないようにした。以下、これを詳細に説明する。
図1に第1の実施の形態によるガス排気系統を備えたALD処理炉の概略図を示す。
ALD処理炉は、ウェハ200を処理する処理室201を内部に形成する反応管203と、処理室201に処理ガス種A、Bを交互に供給する複数の処理ガス供給手段としてのガス供給管232a、232bと、処理室201を排気するための第1の排気管231と、第1の排気管231を介して処理室201を排気する排気手段としての真空ポンプ246と、真空ポンプ246の2次側から排出されるガスを排気するための第2の排気管234と、第2の排気管234を介して排気ガスの有害成分を取り除く除害装置238とを備える。
真空ポンプ246の1次側の第1の排気管231には配管加熱ヒータ236が装着されている。具体的には、排気ポート231aと真空ポンプ246との間には圧力制御用のバルブ(図9の符号243d)があり、配管加熱ヒータ236は、排気ポート231aから圧力制御用バルブまでを加熱するようになっている。
また、真空ポンプ246の2次側の第2の排気管234に高温の不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段としての加熱ガス供給ユニット221を設け、加熱した不活性ガスを第2の排気管234に供給して、第2の排気管234内部に反応副生成物が析出しないようにしている。加熱ガス供給ユニット221は、真空ポンプ246の近傍の第2の排気管234に接続して、加熱された不活性ガス、例えばN2ガスを真空ポンプ246の近傍の1ヵ所より第2の排気管234内に供給するようなっている。N2ガスを真空ポンプ246の近傍の1ヵ所より供給するのは、最も簡便で加熱効率がよいからである。この加熱された不活性ガスN2は、例えば、常時流すようにする。
ここで、ALD成膜条件例として、原料ガス種が、DCS,NH3であり、成膜温度300〜600℃の場合、加熱ガス供給ユニット221から真空ポンプ246の2次側(下流側)の第2の排気管234に流すN2ガスの加熱温度は、例えば約150℃である。
ALD法によるウェハ処理方法では、真空ポンプ246の1次側に設けた第1の排気管231内は、真空ポンプ246の排出作用により、比較的圧力が低い状態となり、各処理ガスが滞留することはないので、複数の処理ガスの混合による反応が生じない。しかし、真空ポンプ246の2次側に設けた第2の排気管234内は、処理装置が設置される工場側の排気手段による排気作用しか作用しないため、比較的圧力が高くなり、複数の処理ガスを交互に排気するとはいえ、排気配管長が長くなると、処理ガスの反応が起きる。また、第2の排気管234の排気配管長が長くなって低温部が存在すると、反応した処理ガスが冷却されて、第2の排気管234に反応副生成物が付着するおそれがある。このように、第2の排気管234の配管が長くなると、低温部にて複数のガスが反応して生成され反応副生成物が固相に堆積して、配管内部に析出する。そして、固相に堆積する反応副生成物によって第2の排気管234内部は加速的に閉鎖され、真空ポンプ246の排圧エラーを引き起こし、メンテナンスをしなければならない状況が発生する。しかし、上述したように、第1の実施の形態によれば、加熱ガス供給ユニット221を設け、加熱された不活性ガスを真空ポンプ246の2次側の第2の排気管234に供給するようにしたので、第2の反応管234内に低温部が生じないようになる。したがって、第2の排気管234の排気配管長が長くなっても、低温部が生じないので、ALD処理炉であっても、第2の排気管234に反応副生成物が付着するおそれがなくなり、第2の排気管234の詰まりを有効に抑制することができる。
また、不活性ガスを、真空ポンプ246の1次側に設けた第1の排気管231に供給すると、真空ポンプ246の排気能力が低下し、処理室内の速やかな排気ができず、速やかな排気を必要とするALD方式の基板処理では、スループットが著しく低下するので、好ましくない。なお、第1の実施の形態では、真空ポンプ246の2次側に設けた第2の排気管234に不活性ガスを供給しているので、真空ポンプ246の排気能力が低下しない。本来、ALD処理で用いる処理ガスは、単独では成膜しないので、処理ガスが単独で存在する真空ポンプ246の1次側の第1の排気管231には、加熱した不活性ガスN2を供給する必要はない。このため、第1の実施の形態では、真空ポンプ246の2次側の第2の排気管234に不活性ガスを供給するようにして、真空ポンプ246の1次側の第1の排気管231には不活性ガスを供給していない。
また、真空ポンプ246の上流側に高温の不活性ガスN2を供給し、排気される処理ガスの温度上昇を図ろうとするならば、真空ポンプ246の上流側は圧力が低いので、熱伝導が悪く、それゆえ多量のN2を供給する必要がある。多量の不活性ガスN2を真空ポンプ246の上流側に供給すれば、上述のように真空ポンプ246の排気能力が低下する。この点で、第1の実施の形態では、比較的圧力の高く、排気ガスへの熱伝導度が高い、真空ポンプ246の2次側に高温の不活性ガスN2を供給するので、少量の不活性ガスN2を供給すれば足り、不活性ガス資源の有効利用がはかれる。
ところで、上述した第1の実施の形態では、加熱ガス供給ユニット221は、真空ポンプ246の近傍の第2の排気管234に接続して、加熱された不活性ガス、例えばN2ガスを真空ポンプ246の近傍の1箇所より、第2の排気管234内に供給するようなっている。しかし、真空ポンプ246の近傍の1箇所より加熱された不活性ガスを第2の排気管234内に供給するようにしても、第2の排気管234の配管長が長くなると、加熱ガス供給箇所より離れるに従い、配管内部の温度が低下し、温度が低下した低温部にて複数のガスが反応して生成され反応副生成物が固相に堆積して、配管内部に析出するのが避けられない。このため改善の余地がある。
図2に、そのような第2の実施の形態による排ガス系統を備えた処理炉の概略図を示す。第2の実施の形態では、加熱ガス供給ユニット221に複数の不活性ガス供給管222(222a〜222c)を設ける。その複数の不活性ガス供給管222を、第2の排気管234のガス流れ方向に沿った複数箇所に間隔をおいて接続して、その複数箇所から高温の不活性ガスN2を供給するようにしている。ここで、複数箇所とは、排気ガスの温度が低下し始めて、反応副生成物が堆積物として析出する温度以下になる前の配管位置である。
さらに、第2の実施の形態では、高温の不活性ガスN2により加熱された処理ガス、ないし第2の排気管234を保温するために、第2の排気管234を保温材236bで装着している。なお、第1の排気管231と同様に、第2の排気管234にも配管加熱ヒータ236を装着して、全ての排気管に配管加熱ヒータ236を装着することも可能である。しかし、配管加熱ヒータ236を全ての排気管に装着することは非常に高価となり経済的でない。そこで、ここでは、高温の不活性ガスN2を複数箇所から供給していることもあって、配管加熱ヒータに代えて保温材236bを装着している。
このように第2の排気管234の複数箇所から高温の不活性ガスを供給するようにしたので、一箇所から供給する場合のように、第2の排気管234の配管長が長くなった場合でも、第2の排気管234の全長にわたって、第2の排気管234内を有効に加熱することができる。したがって、加熱ガス供給箇所より離れるに従って、配管内部の温度が低下するということがなくなり、反応副生成物が固相に堆積して、配管内部に析出するのを有効に避けることができる。
また、第2の排気管234を配管加熱ヒータまたは断熱材236bで装着したので、加熱ガス供給箇所間における第2の排気管234部分の温度が低下するのを有効に防止できる。したがって、配管内部に析出するのを、より有効に避けることができる。また、加熱された不活性ガスの加熱ガス供給箇所を少なくすることができ、構成の簡素化をはかることができる。
第2の実施の形態によれば、複数箇所から高温の不活性ガスを供給するとともに、第2の排気管234を配管加熱ヒータまたは断熱材236bで装着して、第2の排気管234に反応副生成物が固相に堆積するのを抑制したので、固相に堆積する反応副生成物によって第2の排気管234内部が加速的に閉鎖されることも、真空ポンプ246の排圧エラーを引き起こすこともなく、メンテナンス周期を長くすることができる。
図1及び図2に示す第1及び第2の実施の形態の第2の排気管234は、かならずしも直線で構成されているわけではなく、途中で直角ないしある角度をもった屈曲部(エルボウ部)を有するのが普通である。特に配管長が長くなればエルボウ部が多くなる。例えば、第1の実施の形態において、図3の具体例に示すような直角ないしある角度をもったエルボウ部251では、ガスの淀み252が発生し、ガス種A又はBを排気する際に淀み252に滞留する。滞留した残留ガスA又はBが、ガス種B又はAを流した後に反応し、淀み252に反応副生成物を形成する。時間と共に堆積した反応副生成物が第2の排気管234の配管内部を閉鎖する。このため改善の余地がある。
そこで、次に、上述したエルボウ部におけるガスの淀みも考慮に入れた第2の実施の形態の具体例を説明する。図4は、そのような具体例を示した排ガス系統図である。
ここでは、真空ポンプ246と除害装置238とを連結する第2の排気管234を、エルボウ部251aの曲率半径を大きくした曲り管234aと、直管234bとで構成し、これらをOリング253を介してフランジ254で結合している。このようにエルボウ部251aを曲率半径の大きい配管エルボウにすることによって、ガスの淀みを無くしている。
また、加熱ガス供給ユニット221に複数のガス供給管222a〜222dを間隔をおいて複数箇所に設けて、反応副生成物が堆積物として析出する温度以下になる前に加熱不活性ガスを供給するようにしている。排気管234が長い場合、排気管の全長にわたって多数本の不活性ガス供給管222を設けると、コスト増加、装置維持運用費の増加などを引き起こす。しかし、具体例のように、排気ガスの温度が低下し始める複数の配管位置に、加熱ガス供給ユニット221からの不活性ガス供給管222を接続すると、コストや装置維持運用費の増加を有効に抑えることができる。
また、真空ポンプ246から除害装置238までの配管周りに放熱を防ぐように保温材236bを巻き、低温箇所を限りなく少なくする配管システムとしている。保温材としては、例えば、安価で加工性がよく断熱効果の高いシリコンスポンジがよい。
第2の実施の形態の具体例によれば、低温になる第2の排気管234の複数箇所より加熱ガスを導入するようにし、配管外への放熱を抑えるために保温材236bを巻き、しかもガスの淀みがない排気管システムとしている。したがって、反応副生成物が堆積物として第2の排気管234に析出しない雰囲気を意図的に形成することができる。
上述した第1及び第2の実施の形態では、第2の排気管234を単管で構成したが、これを二重管で構成することも可能である。
図5及び図6はそのような第3の実施の形態を示す排ガス系統図である。図5に示すように、この第3の実施の形態の処理炉において、真空ポンプ246と除害装置238との間の第2の排気管234に、加熱ガス供給ユニット221から複数の不活性ガス供給管222(222a〜222c)を間隔をおいて設ける点は、第2の実施の形態と同様である。異なる点は、図6の示すように、第2の排気管234を二重管構造とした点である。
図6は図5のA部の拡大図を示す。図6に示すように、第2の排気管234は、外管239と、外管239内に同軸的に配設された内管240とから構成する。外管239と内管240との間には、不活性ガス供給管のノズル223bが連結されるバッファ空間244が形成されている。このバッファ空間244を形成するために、内管240は、排気管234の軸方向に沿って設けた複数のチェーンクランプ(図示せず)により、外管239内に支持される。
内管240は、複数の短管242を直列に連結することにより構成される。短管242は、大径部242aと、小径部242cと、大径部242a及び小径部242cを連結するテーパ部242bとから構成される。テーパ部242bは処理ガスの流れ方向に縮径されるように配置する。隣接する一方の短管242の小径部242cと、他方の短管242の大径部242aとを順次はめ合わせ、小径部242cと大径部242aとを溶接することにより、短管242同士を連結する。このとき、小径部242cと大径部242aとの間に形成される円筒状の隙間250が等間隔に周方向に残るように、円筒状の隙間250を部分的に溶接する。
外管239と内管240との間に形成したバッファ空間244に、ノズル223bを介して導入された高温の不活性ガスは、内管240の短管242同士の間に形成された隙間250を通して内管240の内壁に沿って流れるようにして、内管240の内壁に沿う不活性ガスのガスカーテン256を形成する。これにより、内管240の中央部を流れる処理ガスが内管240の内壁と接触しないようにする。
このように第3の実施の形態によれば、処理ガスが流れる内管240は、流れ方向に縮径されるテーパ付の短管242を複数接続することにより形成するので、処理ガスが流れやすくなり、処理ガスの滞留による反応副生成物の内管240内壁への付着を有効に抑制できる。
また、内管240の内壁に沿って形成される不活性ガスのガスカーテン256によって、内管240の中央部を流れる処理ガスが内管240の内壁と接触しないようにしたので、反応副生成物の内管240の内壁への付着を有効に抑制できる。
また、内管240は管軸方向に配置した複数のチェーンクランプによって外管239内に支持されており、複数のチェーンクランプは、一端からの操作により、一斉にに内管240を締めつけたり、緩めたりすることができる。したがって、内管240を外管239から容易に脱着でき、メンテナンスが容易である。これは、特に、排気管234が直管のとき有効であるが、曲管の場合で有っても、曲管をエルボウ部でフランジ結合し、複数の直管に分離できるようにして、直管単位で内管を取り外すように構成することで、直管と同様な効果が得られる。
なお、第1〜第3の実施の形態は、これらを単独で実施しても良いが、これらを任意に組み合わせて実施することもできる。
第1の実施の形態による基板処理装置を構成するガス排気系統を備えた処理炉の概略図である。 第2の実施の形態による基板処理装置を構成するガス排気系統を備えた処理炉の概略図である。。 第1の実施の形態によるガス排気系統の具体的な説明図である。 第2の実施の形態によるガス排気系統の具体的な説明図である。 第3の実施の形態を示す排ガス系統を備えた基板処理装置の概略図である。 図5のA部の拡大図であり、(a)は縦断面図、(b)は管軸方向から見た正面図である。 本発明に適用される処理装置の外観斜視図である。 図7に示す処理装置の側面図である。 本発明の実施の形態にかかる縦型の基板処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面で示した図である。 本発明の実施の形態にかかる縦型の基板処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を横断面で示した図である。 CVD法を用いた一般的な排ガス系統図である。 ALD法を用いた一般的な排ガス系統図である。
符号の説明
200 ウェハ(基板)
201 処理室
232a,232b ガス供給管(処理ガス供給手段)
221 真空ポンプ(排気手段)
231 第1の排気管
234 第2の排気管
221 加熱ガス供給ユニット(不活性ガス供給手段)

Claims (1)

  1. 基板を処理する処理室と、
    前記処理室に複数の処理ガスを交互に供給する複数の処理ガス供給手段と、
    前記処理室を排気するための第1の排気管と、
    前記第1の排気管を介して前記処理室を排気する排気手段と、
    前記排気手段から排出されるガスを排気するための第2の排気管と
    を有する基板処理装置であって、
    前記第2の排気管に高温の不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を設けたことを特徴とする基板処理装置。
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