JP4716554B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、版胴の内部から外部に滲み出させて版胴に巻着させたマスタの穿孔画像を通過させたインキを印刷用紙に転写して印刷を行うようにした孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
版胴の内部から外部に滲み出させたインキを版胴に巻着させたマスタの穿孔画像を通過させて印刷用紙に転写するようにした孔版印刷装置では、版胴に製版後のマスタを固定するためのマスタクランプ機構が必要となる。
【0003】
図7は、マスタクランプ機構の従来の一例を示す正面図である。図7に示すように、版胴501にはその軸方向に沿ってステージ部502が固定されており、このステージ部502に対してクランパ部503が接離自在に設けられている。ステージ部502に対してクランパ部503を接離自在にする構造としては、例えば、クランパ部503の両端部を版胴501に回動自在に取り付ける構造が一般的に採用されている。
【0004】
そして、クランパ部503は、例えば、その両端部に引っ張り力を及ぼす図示しないコイルスプリングに付勢されてステージ部502に当接している。また、クランパ部503は、ステージ部502に対する当接位置に位置させてステージ部502に磁気的に吸着するマグネット504を有しており、ステージ部502は、クランパ部503のマグネット504が吸着する位置に薄板505を有している。
【0005】
このような構造のものは、マスタ506のクランプ時にステージ部502からクランパ部503を離反させておき、版胴501に案内搬送されて来た製版済みマスタ506の一端部がステージ部502とクランパ部503との間に到達したら、図示しないコイルスプリング等の作用でステージ部502に対してクランパ部503を当接させ、マスタ506の一端をクランプする。この状態で、図7中の矢印方向に版胴501を回転させることで、製版済みのマスタ506が版胴501に巻着される。
【0006】
このようなステージ部502とクランパ部503との間へのマスタ506のクランプに際しては、クランパ部503の両端部が図示しないコイルスプリングによって引っ張られてクランパ部503がステージ部502に当接しているため、コイルスプリングにのみ依存するマスタ506のクランプ力は、スプリングの引っ張り力が及ぶ部分から遠ざかる程弱まってしまう。そこで、図7に例示するマスタクランプ機構では、マグネット504をステージ部502に磁気的に吸着させることで、クランプ力がマスタ506の幅方向に均一に及ぶようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
印刷品質を維持するためには、マスタは、皺が寄っていない状態で版胴に保持されていなければならない。版胴に対するマスタの巻着時に着目すると、マスタを皺無く版胴に巻着するには、ステージ部とクランパ部との間でのマスタのクランプ力をマスタの幅方向に均等に強める必要がある。そこで、従来、図7に例示するように、ステージ部502に対するマグネット504の磁気的な吸着力を利用してステージ部502とクランパ部503との間でのマスタ506のクランプ力をマスタ506の幅方向に均等に強める工夫がなされている。
【0008】
ところが、図7に例示するように、マスタ506のクランプ力をマスタ506の幅方向に均一に及ぼす構造として、専らマグネット504の磁力に頼る場合には、マグネット504に大きな磁力を必要とする。このため、大型のマグネット504が必要となり、その配置スペースの確保が困難になるという問題がある。
【0009】
そこで、図7に例示するように、ステージ部502や版胴501の外周面上に版胴501の軸方向に沿わせて紙やすりやゴムというような高摩擦部材507を配置し、マスタ506に対する保持力を補完するようなことが従来から行われている。ところが、このような高摩擦部材507は耐久性が無く、時間の経過に伴い劣化してマスタ506の保持力が低下してしまうため、マスタ506の皺寄りを長期間に渡り防止することができない。
【0010】
本発明の目的は、マスタの皺寄りを長期間に渡り防止することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、穿孔画像が形成されたマスタを回転自在な版胴に巻着し、前記版胴の内部から外部に滲み出させて前記マスタの前記穿孔画像を通過させたインキを印刷用紙に転写して印刷を行うようにした孔版印刷装置において、前記版胴に固定されたステージ部と、前記ステージ部との間で前記マスタを挟持するクランパ部と、前記ステージ部と前記クランパ部との間のマスタ挟持部分に位置させて前記クランパ部に設けられて前記ステージ部に対する磁気的な吸着力を発生するマグネットと、前記ステージ部と前記クランパ部との間のマスタ挟持部分に位置させて前記マグネット上に設けられた粘着性部材と、を具備し、前記版胴への巻着のために前記ステージ部と前記クランパ部との間に搬送される前記マスタの進入経路を前記粘着性部材に干渉しない経路に定めた。
【0012】
したがって、ステージ部に対してマグネットの磁気的な吸着力が作用することから、ステージ部とクランパ部との間にクランプされたマスタにはその幅方向に均等な力でクランプ力が及ぶ。そして、ステージ部とクランパ部との間にクランパされたマスタには、粘着性部材の保持力も及ぶため、マグネットによるマスタのクランプ力が粘着性部材によって補完され、長期間に渡り、マスタのクランプ力をマスタの幅方向に均等に及ぼすことが可能となる。また、ステージ部とクランパ部との間に製版済みのマスタが進入する際、マスタの先端部が粘着性部材に引っ掛からず、ステージ部とクランパ部との間へのマスタの進入が円滑である。
【0013】
ここで、粘着性部材は、マスタに対して粘着性を発揮するものであれば、各種の材料によって形成することが可能である。例えば、請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置において、前記粘着性部材は、シリコンによって形成されている。また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置において、前記粘着性部材は、エラストマーによって形成されている。
【0014】
また、粘着性部材は、マスタに対して粘着性を発揮するものであれば、各種の形態のものを用いることが可能である。例えば、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の孔版印刷装置において、前記粘着性部材は、シール部材として形成されている。また、請求項5記載の発明は、請求項1、2又は3記載の孔版印刷装置において、前記粘着性部材は、コーティングによって形成されている。
【0018】
ここで、マスタとしては、例えば、1〜2μm程度の厚みをもった熱可塑性の樹脂フィルムに多孔質支持体を貼り合わせたラミネート構造のものが広く用いられている。多孔質支持体としては、和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄した繊維等が一般に用いられている。このような構造のマスタの場合、多孔質支持体の側が版胴に接するように版胴に巻着される。そこで、そのような構造のマスタは、多孔質支持体の側がステージ部に接し、樹脂フィルムの側がクランパ部に接する状態でステージ部とクランパ部との間にクランプされる。このため、発明のように、マグネットがマスタ挟持部に配置され、粘着性部材がマグネットに設けられていれば、粘着性部材がより高い摩擦をもって当接することができるマスタの樹脂フィルムに当接することになり、粘着性部材によるマスタの保持力が強められる。もっとも、発明は、樹脂フィルムに多孔質支持体を貼り合わせたラミネート構造のマスタだけに対応するものではなく、例えば、樹脂フィルムのみからなるマスタにも対応可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
1の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。本実施の形態における孔版印刷装置1の基本的な構造は周知の構造なので、基本構造については簡単に説明する。以下、機構系、制御系及び制御系により実行される各種手段に分けて構成を説明する。
【0025】
〔機構系の概略〕
図1は、孔版印刷装置1の縦断正面図である。
【0026】
マスタ2を用いて印刷を行う孔版印刷装置1は、概略構造として、光学読取部3、製版部4、印刷部5、排版部6、給紙部7、及び排紙部8から構成されている。
【0027】
光学読取部3は、コンタクトガラス9上に載置された原稿10に光源11からの光を照射し、その反射光をCCD12で受光するデジタルスキャナとしての構造を有し、ADF13を備える。
【0028】
製版部4は、ロール状に巻回保持された画像形成媒体としてのマスタ2をそのマスタ搬送路14に引き出し、マスタ搬送路14上に位置するサーマルヘッド15によってマスタ2に穿孔し、穿孔後のマスタ2をカッタ16で切断してシート状にし、シート状のマスタ2を印刷部5に送り出す構造である。ここで、本実施の形態では、ロール状に巻回保持されたマスタ2をマスタロール2a、切断されてシート状にされたマスタ2をマスタシート2bという。
【0029】
印刷部5は、版胴17を主要な構成要素として有する。この版胴17は、0.25〜1.0mm程度の間隔で直径0.15〜0.5mm程度の孔が外周面に形成されたもので、後述するインキ供給パイプ21が兼ねる支軸を中心として回転駆動される。そして、版胴17は、ステージ部18とクランパ部19とを有し、製版部4からステージ部18に送り出されたマスタ2をクランパ部19で挾持し、駆動されて回転することでマスタ2を巻回保持する構造である。印刷部5は、そのような版胴17の内部にインキ供給部20を備える。このインキ供給部20は、インキ供給パイプ21、インキ供給ローラ22、及びドクタローラ23から構成され、インキ供給パイプ21の外周面に形成された多数の孔からインキ供給ローラ22とドクタローラ23との間に位置するインク溜り24にインキ25を供給し、このインキ25の量を両ローラ22,23の間の隙間で規制してインキ供給ローラ22に供給する構造である。そして、印刷部5は、版胴17の外周面からインキ供給ローラ22に押し当てられる押圧部材であるプレスローラ26を有し、このプレスローラ26が版胴17に圧力を加えて変形させることにより、版胴17の内周面から外周面にインキ25を漏れ出させる構造である。つまり、版胴17からインキ25が漏れ出ると、版胴17に巻かれたマスタ2に形成された孔をインキ25が通り抜けることを利用し、版胴17とプレスローラ26との間に印刷用紙27を通過させてこの印刷用紙27に画像を形成する、というのが印刷部5における印刷原理である。
【0030】
排版部6は、使用後に不要となったマスタ2を版胴17から受け取り、排版ボックス28に収納する構造である。
【0031】
給紙部7は、給紙台29に積層状態で載置された印刷用紙27を分離給紙して版胴17とプレスローラ26との間に導く構造である。版胴17とプレスローラ26との間に導かれた印刷用紙27は、ベルトコンベア30に搬送されてトレイ状の排紙部8に至るよう、給紙部7と排紙部8とが用紙搬送路31で結ばれている。
【0032】
〔版胴17の周辺構造〕
図2は、版胴周りの分解斜視図である。
【0033】
版胴17には、前述した通り、0.25〜1.0mm程度の間隔で直径0.15〜0.5mm程度の孔が外周面に形成されているが、このような構造の版胴17の外周面には、スクリーン101が巻き付けられている。つまり、版胴17は、基本的には平板状の版胴板102がロール状に丸められた構造のものであり、ロール状に丸められた版胴板102は、その両側部を一対の版胴リング103にネジ止めされ、これによって形状保持されている。一対の版胴リング103によって形状保持されている版胴板102の内部には、ユニット化されたインキ供給部20が収納されており、このインキ供給部20は、版胴リング103にそれぞれ取り付け固定された保持ディスク104(図2では、一方の保持ディスク104のみを示す)に保持されている。
【0034】
そして、版胴板102の外周面における一部の領域には、版胴17の軸方向に沿わせて、ステージ部18とクランパ部19とが取り付けられている。つまり、ステージ部18は、ベース105にクランパ部19が当接する薄板106が固定された構造であり、このようなステージ部18の両端部は、版胴板102と共に一対の版胴リング103にネジ止めされている。また、クランパ部19は、一対の版胴リング103に回動自在にネジ止めされたクランパ板107にマグネット108が固定されて構成されている。マグネット108は、クランパ板107の回動に伴いステージ部18の薄板106に当接する位置に配置され、ステージ部18のベース105に磁気的に吸着する。そして、クランパ部19は、版胴リング103とクランパ板107との間に掛け渡されたコイルスプリング109の復元力によって、ステージ部18に当接する方向に付勢されている。
【0035】
さらに、版胴17には、前述したように、スクリーン101が巻き付けられている。このスクリーン101は、その円周方向の両端部が袋形状となっており、この袋形状部分にそれぞれスクリーン取付金具110が挿入された状態でそれらのスクリーン取付金具110が版胴板102と共に版胴リング103にネジ止めされることによって版胴17に巻き付けられた状態で保持されている。ここで、2つのスクリーン取付金具110は、それぞれステージ部18及びクランパ部19の両側部近傍に位置付けられ、これにより、スクリーン101は、ステージ部18及びクランパ部19に干渉しない位置で版胴17に巻き付けられることになる。
【0036】
〔マスタのクランプ機構〕
図3は、マスタ2のクランプ機構を示す正面図である。
【0037】
本実施の形態では、ステージ部18に設けられた薄板106に対するクランパ部19に設けられたマグネット108の当接領域であるマスタ挟持部分に位置させて、マグネット108に粘着性部材201が設けられている。この粘着性部材201は、例えば、シリコンやポリエステル等のエラストマーによって形成されている。また、粘着性部材201の形態としては、マグネット108に貼付されるシール部材やマグネット108に対するシリコン又はポリエステル等のエラストマーによるコーティングという形態が採用されている。
【0038】
また、本実施の形態の場合、図1及び図3に示すように、製版部4によって製版されてマスタシート2bとして製版部4から搬送されるマスタ2は、製版部4から略垂直方向に垂下した状態でステージ部18とクランパ部19との間に案内搬送される。この場合、図1及び図3に示すように、マスタ2は、元々マスタロール2aの形態で保持されているため、マスタシート2bとして案内される場合であっても巻き癖が付いている。この巻き癖は、マスタ2の案内経路をステージ部18の方向に偏向させるような巻き癖である。このため、ステージ部18とクランパ部19との間に案内搬送されるマスタ2は、粘着性部材201に接触することがない。
【0039】
〔制御系〕
図4は、各部の電気的接続を示すブロック図である。
【0040】
制御系は、クロック発生器32を備えて各種処理を集中的に行うCPU33、ROM34及びRAM35からなるマイクロコンピュータを主要な構成要素として備え、このマイクロコンピュータの機能として表現される機能ブロックとして、光学読取制御部36、製版制御部37、印刷制御部38、画像処理制御部39、及び操作表示制御部40を有する。CPU33は、クロック発生器32で発生する基本クロック周期に従い動作し、このようなCPU33により実行される動作プログラムはROM34に格納されている。RAM35は、ワークエリア等として使用される。
【0041】
光学読取制御部36は、光学読取部の動作制御を行う。そこで、この光学読取制御部36は、CCD41aの出力信号を扱う画像読取系と図示しない光源等を駆動する駆動系とからなる。画像読取系は、CCD41aの信号出力回路からなるCCD基板41と、CCD基板41からの出力信号をA/D変換するA/D変換基板42とからなり、共にCPU33に接続されて動作制御を受ける。CCD基板41は、CCD41aの実装基板であり、1主走査ライン毎のCCD41aの読み取り信号を1画素ずつ連続的にシリアル出力する。A/D変換基板42は、CCD基板41からシリアル出力されたアナログ信号を64〜256階調の多値デジタル信号に変換し、更に、変換された多値デジタル信号に対し、周知のシェーディング補正及び地肌補正を施す。そして、A/D変換基板42によるA/D変換後の信号は、画像処理制御部39に出力される。駆動系は、デジタルスキャナ及びADFのそれぞれの駆動源である二つのモータ43を駆動制御するモータ駆動回路44よりなる。このモータ駆動回路44は、クロック発生器32からのクロック信号に同期し、モータ43の各励磁相に所定のタイミング及び周波数で所定値の電流パルスを印加し、これによってモータ43を所定のタイミング及び速さで回転駆動する。クロック発生器32からモータ駆動回路44に与えられるクロック信号は、基本クロック周期から分周された信号である。
【0042】
製版制御部37は、製版部4の動作制御を行う。そこで、この製版制御部37は、サーマルヘッド15を駆動制御する画像書込系と、マスタシート2bを搬送するための搬送系と、マスタロール2aの回転速度を検出する検出系とからなる。画像書込系は、CPU33に接続されてサーマルヘッド15を駆動制御するサーマルヘッド発熱制御回路45よりなる。このサーマルヘッド発熱制御回路45は、後述する画像処理制御部39から送信された画像データに従い、サーマルヘッド15に発熱信号を送信して図示しない発熱素子を選択的に発熱させる。搬送系は、マスタを搬送するフィード部の駆動源であるモータ46を駆動制御するモータ駆動回路47よりなる。このモータ駆動回路47は、クロック発生器32からのクロック信号に同期し、モータ46の各励磁相に所定のタイミング及び周波数で所定値の電流パルスを印加し、これによってモータ46を所定のタイミング及び速さで回転駆動する。クロック発生器32からモータ駆動回路47に与えられるクロック信号は、基本クロック周期から分周された信号である。検出系は、マスタロール2aの回転速度を検出するためのロータリエンコーダの一部となる透過型光センサSの出力が入力されるセンサ入力回路48よりなる。
【0043】
印刷制御部38は、印刷部5、排版部6及び給紙部7の動作制御を行う。つまり、印刷制御部38は、印刷部5、排版部6及び給紙部7において各部を駆動する複数個のモータ49を駆動制御するモータ駆動回路50からなる。ここで、モータ49に駆動される各部は、印刷部5では版胴17、インキ供給ローラ22、ドクタローラ23、プレスローラ26、及びクランパ部19であり、排版部6ではマスタを搬送するフィード部や排版ボックス28内のマスタに押圧力を加える機構であり、給紙部7では印刷用紙を給紙搬送するフィード機構である。また、モータ駆動回路50は、クロック発生器32からのクロック信号に同期し、モータ49の各励磁相に所定のタイミング及び周波数で所定値の電流パルスを印加し、これによってモータ49を所定のタイミング及び速さで回転駆動する。クロック発生器32からモータ駆動回路50に与えられるクロック信号は、基本クロック周期から分周された信号である。
【0044】
操作表示制御部40は、図示しない操作パネルにおける操作系、表示系及び操作表示系を駆動制御する。すなわち、操作表示制御部40は、操作系(操作表示系の操作系を含む)、例えばスタートキー51等が操作された場合に所定の信号を生成してCPU33に送信し、表示系(操作表示系の表示系を含む)、例えば図示しないモニター表示部やLCD表示部を駆動して所定の表示を行わせる。なお、図4のブロック図中、操作表示制御部40にはスタートキー51しか示されていないが、操作表示制御部40には操作パネルにおけるすべての操作系、表示系及び操作表示系が含まれている。
【0045】
画像処理制御部39は、光学読取制御部36で読み取られた原稿の画像データに所定の処理を施し、製版制御部37に送信する処理を行う。画像データに施す所定の処理としては、例えばMTF補正や変倍等であり、それ自体は周知なのでその説明は省略する。
【0046】
このような構成において、孔版印刷装置1は、光学読取部3で読み取った原稿画像に基づき製版部4でマスタ2を製版する製版動作と、製版後のマスタ2を利用して印刷用紙27に原稿画像を転写し印刷する印刷動作とを基本的な動作とする。これらの各動作は、スタートキー51の押下によって連続的に実行される。
【0047】
ここで、版胴に対するマスタ2のクランプ動作及び巻着動作について説明する。図1に示すように、製版制御部37でのモータ46の駆動制御により、マスタ2は、製版部4で製版されながらその先端部が下方に向けて垂下した状態で製版部4から案内搬送される。この際、印刷制御部38は、モータ駆動回路50によってモータ49を駆動制御し、ステージ部18及びクランパ部19が図1に示す位置に位置付けられるように版胴17を駆動し、ステージ部18からクランパ部19が離反するようにクランパ部19を駆動する。この状態で、ステージ部18とクランパ部19との間にマスタ2の先端部が到達するタイミングで、印刷制御部38がモータ駆動回路50によってモータ49を駆動制御し、まず、クランパ部19に対する駆動力を停止し、続いて、版胴17を図1中の矢印で示す方向に回転駆動する。ここで、クランパ部19に対する駆動力を停止するということは、クランパ部19がコイルスプリング109によって閉じる方向に回動し、ステージ部18との間でマスタ2の先端部をクランプ可能となることを意味する。ここに、クランパ部19によるステージ部18との間でのマスタ2のクランプ保持動作が実行されことになる。そして、マスタ2のクランプ後、版胴17を図1中の矢印で示す方向に所定量だけ回転駆動することで、版胴17に対するマスタ2の巻着動作が終了する。
【0048】
次いで、ステージ部18とクランパ部19との間にマスタ2がクランプされた状態では、ステージ部18に対してマグネット108の磁気的な吸着力が作用することから、ステージ部18とクランパ部19との間にクランプされたマスタ2にはその幅方向に均等な力でクランプ力が及ぶ。そして、ステージ部18とクランパ部19との間にクランパされたマスタ2には、粘着性部材201の保持力も及ぶため、マグネット108によるマスタ2のクランプ力が粘着性部材201によって補完される。このため、大型のマグネット108を用いることなく、マスタ2のクランプ力をマスタ2の幅方向に均等に発生させることができ、マスタ2の巻着動作に際してマスタ2に皺が寄ってしまうようなことを確実に防止することができる。しかも、ステージ部18とクランパ部19との間にクランパされたマスタ2に及ぶ粘着性部材201の保持力は、粘着性部材201の粘着力が低下しにくいことから、長期間に渡り維持され、長期間に渡ってマスタ2のクランプ力をマスタ2の幅方向に均等に及ぼすことが可能となる。
【0049】
また、前述した通り、ステージ部18とクランパ部19との間に案内搬送されるマスタ2は、粘着性部材201に接触することがない。このため、ステージ部18とクランパ部19との間に製版済みのマスタ2が進入する際、マスタ2の先端部が粘着性部材201に引っ掛からず、ステージ部18とクランパ部19との間へのマスタの進入が円滑である。
【0050】
さらに、マスタ2としては、例えば、1〜2μm程度の厚みをもった熱可塑性の樹脂フィルムに多孔質支持体を貼り合わせたラミネート構造のものが広く用いられている。多孔質支持体としては、和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄した繊維等が一般に用いられている。このような構造のマスタの場合、多孔質支持体の側が版胴17に接するように版胴17に巻着される。そこで、そのような構造のマスタ2を用いた場合には、多孔質支持体の側がステージ部18に接し、樹脂フィルムの側がクランパ部19に接する状態でステージ部18とクランパ部19との間にクランプされる。このため、マグネット108に設けられた粘着性部材201は、高い摩擦をもってマスタ2の樹脂フィルムに当接することになり、粘着性部材201によるマスタ2の保持力がより一層強められる。
【0051】
なお、実施に当たっては、ステージ部18の側、例えば、薄板106に粘着性部材201を設けるようにしても良い。
【0052】
2の実施の形態を図5及び図6に基づいていて説明する。第1の実施の形態と同一部分は同一符号で示し説明も省略する。
【0053】
本実施の形態は、製版部4から製版済みのマスタ2を、略水平方向に案内搬送してステージ部18とクランパ部19との間に導くようにした一例である。この場合、図5及び図6に示すように、マスタ2は、元々マスタロール2aの形態で保持されているため、マスタシート2bとして案内される場合であっても巻き癖が付いている。この巻き癖は、マスタ2の案内経路をステージ部18の方向に偏向させるような巻き癖である。このため、ステージ部18とクランパ部19との間に案内搬送されるマスタ2は、粘着性部材201に接触することがない。このため、ステージ部18とクランパ部19との間に製版済みのマスタ2が進入する際、マスタ2の先端部が粘着性部材201に引っ掛からず、ステージ部18とクランパ部19との間へのマスタの進入が円滑である。
【0054】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ステージ部とクランパ部との間にクランパされたマスタに対して粘着性部材の保持力を及ぼすことができ、したがって、マグネットによるマスタのクランプ力を粘着性部材によって補完し、長期間に渡ってマスタのクランプ力をマスタの幅方向に均等に及ぼすことができる。
【0055】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置において、前記粘着性部材は、シリコンによって形成されているので、マスタのクランプ力をマスタの幅方向に均等に発揮させるのに必要な粘着力を粘着性部材に容易に持たせることができる。
【0056】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置において、前記粘着性部材は、エラストマーによって形成されているので、マスタのクランプ力をマスタの幅方向に均等に発揮させるのに必要な粘着力を粘着性部材に容易に持たせることができる。
【0057】
請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の孔版印刷装置において、前記粘着性部材は、シール部材として形成されているので、ステージ部とクランパ部との間のマスタ挟持部分に粘着性部材を容易かつ簡単に設けることができ、したがって、製造の容易化等を図ることができる。
【0058】
請求項5記載の発明は、請求項1、2又は3記載の孔版印刷装置において、前記粘着性部材は、コーティングによって形成されているので、ステージ部とクランパ部との間のマスタ挟持部分に粘着性部材を容易かつ簡単に設けることができ、したがって、製造の容易化等を図ることができる。
【0059】
本発明によれば、前記版胴への巻着のために前記ステージ部と前記クランパ部との間に搬送される前記マスタの進入経路を前記粘着性部材に干渉しない経路に定めたので、ステージ部とクランパ部との間に製版済みのマスタを進入させるに際し、マスタの先端部が粘着性部材に引っ掛かるのを防止することができ、したがって、ステージ部とクランパ部との間にマスタを円滑に進入させ、マスタをクランプ位置に正しく位置付けることができる。
【0060】
本発明によれば、前記マグネットは前記マスタ挟持部に配置され、前記粘着性部材は前記マグネットに設けられているので、特に、樹脂フィルムに多孔質支持体を貼り合わせたラミネート構造のマスタを用いる場合に、粘着性部材がより高い摩擦をもって当接することができるマスタの樹脂フィルムの側に粘着性部材を当接させることができ、したがって、粘着性部材によるマスタの保持力を強めることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 1の実施の形態を示す孔版印刷装置全体の縦断正面図である。
【図2】 版胴周りの分解斜視図である。
【図3】 マスタのクランプ構造を示す正面図である。
【図4】 各部の電気的接続のブロック図である。
【図5】 2の実施の形態を示す孔版印刷装置全体の縦断正面図である。
【図6】 マスタのクランプ構造を示す正面図である。
【図7】 マスタのクランプ構造の従来の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置
2 マスタ
17 版胴
18 ステージ部
19 クランパ部
27 印刷用紙
108 マグネット
201 粘着性部材

Claims (5)

  1. 穿孔画像が形成されたマスタを回転自在な版胴に巻着し、前記版胴の内部から外部に滲み出させて前記マスタの前記穿孔画像を通過させたインキを印刷用紙に転写して印刷を行うようにした孔版印刷装置において、
    前記版胴に固定されたステージ部と、
    前記ステージ部との間で前記マスタを挟持するクランパ部と、
    前記ステージ部と前記クランパ部との間のマスタ挟持部分に位置させて前記クランパ部に設けられて前記ステージ部に対する磁気的な吸着力を発生するマグネットと、
    前記ステージ部と前記クランパ部との間のマスタ挟持部分に位置させて前記マグネット上に設けられた粘着性部材と、
    を具備し、前記版胴への巻着のために前記ステージ部と前記クランパ部との間に搬送される前記マスタの進入経路を前記粘着性部材に干渉しない経路に定めた、ことを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 前記粘着性部材は、シリコンによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷装置。
  3. 前記粘着性部材は、エラストマーによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の孔版印刷装置。
  4. 前記粘着性部材は、シール部材として形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の孔版印刷装置。
  5. 前記粘着性部材は、コーティングによって形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の孔版印刷装置。
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