JP4716553B2 - 展示見本 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば清涼飲料水、炭酸飲料水、酒類、コーヒ、お茶等の飲み物が封入された缶や瓶等の商品を販売する自動販売機に於いて、購入する商品を選択するために陳列される展示見本に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述の展示見本としては、例えば第1ダミー体本体の下背板部に形成した係止体を、第2ダミー体本体の上背板部に形成した長孔に沿って上下方向にスライドし、係止体に形成した係止溝を、長孔の側縁部に形成した特定の係止突起に係止して、表示ラベルが保持される高さに伸縮調節するダミー体(実用新案登録第3055543号公報)と、
上下蓋部の背面部と押え板とを重合して、上蓋部の背面部に形成した突起体を、下蓋部の背面部に形成した嵌合孔を介して、押え板の孔部に係止すると共に、押え板の凸起を、下蓋部の嵌合孔を介して、上蓋部の嵌合孔に係止して、上下蓋部の間を、表示ラベルと略対応する間隔に調節するダミー缶ホルダー(実用新案登録第3056336号公報)とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者のダミー体は、一方の背板部に形成した一条の長孔に、他方の背板部に形成した係止体を係止しているので、ダミー体を伸縮調節するとき、長孔に撓みや変形等が生じやすく、第1及び第2ダミー体本体の軸芯が偏心するため、表示ラベルを所定の湾曲状態に保持することが困難であり、表示ラベルが脱落したり、外れたりすることがあるという問題点を有している。
【0004】
後者のダミー缶ホルダーは、ホルダー本体を伸縮調節するとき、上蓋部の突起体を押え板の孔部から抜き取り、押え板の凸起を上蓋部の嵌合孔から抜き取って、上下蓋部と押え板とに分離しなければならず、所定サイズに伸縮調節するのに手間及び時間が掛かるという問題点を有している。
【0005】
この発明は上記問題に鑑み、ラベル保持枠を構成する各枠体を上下動可能に差込み連結することにより、所望するサイズに伸縮する操作と、表示ラベルを交換する作業とが簡単且つ容易に行える展示見本の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、商品の側部周面と略対応する形状に湾曲される表示ラベルと、該表示ラベルを湾曲した状態に保持するラベル保持枠とで構成される展示見本であって、上記ラベル保持枠を、上記表示ラベルの上縁部を保持する上部枠体と、該表示ラベルの下縁部を保持する下部枠体と、該上下枠体の間に取付けられる中央部枠体とに分割すると共に、上記上部枠体の下面側後端部を、上記中央部枠体の上端側に形成した差込み孔に対して上下動可能に差込み、上記中央部枠体を、上記下部枠体の上面側後縁部に形成した差込み孔に対して上下動可能に差込んで、該ラベル保持枠を上下方向に対して伸縮可能に設けた展示見本であることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の構成と併せて、上記枠体の差込み側端部を、上記差込み孔に対して引抜き不可に係止した展示見本であることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、上記請求項1又は2記載の構成と併せて、上記枠体と上記差込み孔とを、特定の方向に対してスライド動作が許容される状態に係合した展示見本であることを特徴とする。
【0009】
【作用及び効果】
この発明によれば、ラベル保持枠を構成する各枠体を上下動可能に差込み連結しているので、表示ラベルのサイズに略対応して、ラベル保持枠を所望するサイズに伸縮調節することができ、表示ラベルのサイズや表示内容を変更する作業が簡単且つ容易に行える。且つ、上下枠体の軸芯が偏心しにくく、表示ラベルを所定の曲率半径に湾曲した状態に確実に保持することができる。
【0010】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動販売機により販売される商品に略対応してサイズを変更するときに用いられる展示見本を示し、図8に於いて、この展示見本7は、自動販売機1により販売される商品(例えば缶商品)と略酷似する外観及び意匠に形成され、上部前面に設けた展示部2に複数陳列される。
【0011】
展示部2の展示面3には、図6にも示すように、展示面3に陳列される展示見本7の陳列数に略対応して、略丸形状の開口部4を所定間隔に隔てて複数形成している。その展示部2の内部には、光源5(例えば蛍光灯)を展示面3の開口部4と対向して配設している。
【0012】
光源5は、展示見本7が立体的に発光され、シート状の表示ラベル9に印刷した意匠(例えば商標、文字、模様、図柄等)を明瞭に表示するのに必要な光量を投光する。また、光源5の他の例として、例えば白熱灯、照光ランプ、発光素子又はその他の照光機能を備えた機器等を用いてもよい。
【0013】
上述の商品に代わる他の例として、例えばプラスチック製容器(ペットボトル)やガラス製容器(瓶)等の商品と酷似する展示見本を陳列してもよく、また、展示見本7を、任意の展示部(例えば机、棚、陳列ケース等)に単独で陳列してもよい。
【0014】
前述の展示見本7は、図1、図2、図3に示すように、展示部2の展示面3に対して略鉛直に起立固定される略半円筒状のラベル保持枠8と、その前面側に保持されるフィルム状又はシート状に形成した表示ラベル9とで構成され、ラベル保持枠8及び表示ラベル9は、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネード、アクリル等のプラスチックで形成している。
【0015】
上述のラベル保持枠8は、不透明又は半透明(或いは透明)に形成した上部枠体8aと下部枠体8bとの後側対向縁部間を、上方から見て略半円筒状(又は略円弧状)に形成した枠体8cにより上下方向に対して相対移動可能に連結している。また、ラベル保持枠8を、例えば金属や木等の材質で形成してもよい。
【0016】
上述の枠体8aは、商品の上部(プルトップ側)と略対応する形状に形成され、その枠体8aの下面側前縁部には、表示ラベル9の上端側縁部を所定の曲率半径に保持(又は矯正)する保持部10を形成している。且つ、保持部10の上面側前縁部には、表示ラベル9の差込み及び抜取りが許容される略円弧状の孔部10aを前縁部に沿って形成している。また、保持部11,12の側縁部に、表示ラベル9の差込み及び抜取りを許容する切欠き部を設けてもよい。
【0017】
一方、枠体8aの下面側後縁部には、上方から見て略半円筒状(又は略円弧状)の支持部11を略垂直に形成している。支持部11は、中空形状を有する枠体8cの上端側縁部に形成した略半円筒状(又は略円弧状)の差込み孔14に対して上下動可能に挿入され、支持部11の下端側縁部に形成した突起11aを、差込み孔14の開口側内縁部に形成した段部14aに対して引抜き不可に係止して、上下方向に対してスライド動作が許容される状態に係合している。
【0018】
前述の枠体8bは、商品の下部(底部側)と略対応する形状に形成され、その枠体8bの下面側前縁部には、表示ラベル9の下端側縁部を所定の曲率半径に保持(又は矯正)する保持部12を形成している。且つ、枠体8bの上面側後縁部には、上方から見て略半円筒状(又は略円弧状)の支持部13を略鉛直に形成している。
【0019】
一方、支持部13の上端側縁部に形成した略半円筒状(又は略円弧状)の差込み孔15には、上述した枠体8cが上下動可能に挿入され、枠体8cの下端側縁部に形成した突起14bを、差込み孔15の開口側内縁部に形成した段部15aに対して引抜き不可に係止して、上下方向に対してスライド動作が許容される状態に係合している。つまり、上述の突起11aを差込み孔14に係止し、突起14bを差込み孔15に係止して、枠体8a,8b,8cが分離するのを防止している。
【0020】
且つ、支持部14の両側内周縁部には、表示ラベル9の両側縁部が係止される係止部16を所定間隔に隔てて又は連続して形成している。また、表示ラベル9の両側縁部を、支持部14の両側縁部に形成した溝部(図示省略)に係止してもよい。
【0021】
つまり、ラベル保持枠8を構成する枠体8a,8b,8cを上下方向(例えば3段階)にスライド移動して、例えば略160ml、略190ml、略250ml、略280ml、略350ml、略500ml等の内容量を有する商品と略対応するサイズに伸縮調節する。また、そのサイズを、例えば略160ml以下、略500ml以上の内容量を有する商品と略対応するサイズに変更してもよい。
【0022】
加えて、枠体8c及び支持部11と、差込み孔14,15との対向面に、例えば凹凸や歯面、ゴム等の抵抗付与部を設けて、枠体8a,8b,8cを任意長さに伸縮保持してもよい。
【0023】
前述の表示ラベル9は、透光性を有するプラスチックにより透明又は半透明に形成され、商品の外周面と略対応する曲率半径に湾曲可能な材質又は厚みに形成し、その表示面には、商品と略同一の色彩、模様、文字等の意匠を印刷又は形成している。上述の内容量と略対応するサイズ(例えば長尺サイズ=略350ml、、短尺サイズ=略250ml)に形成している。
【0024】
前述の保持部13の下面側中央部には、図5にも示すように、前述の開口部4と対向して光源5からの光が導光される採光窓23を形成している。この採光窓23は、開口部4よりも小径で、展示見本7の内部空間に対して光源Bの光が導光される大きさ及び形状に形成している。
【0025】
採光窓23の下面側周縁部には、開口部4の裏面側周縁部よりも下方に所定長さ突出される筒状部24を、展示部2の開口部4に対して略垂直に差込み可能に形成している。
【0026】
筒状部24の対向周縁部には、開口部4の裏面側周縁部に対して係止される係止部25を、開口部4の対向周縁部に形成した切欠き部4aに対して差込み可能に形成している。
【0027】
且つ、係止部25の近傍位置には、支持片26を、円周方向に対して係止部25に対して所定角度に偏心して形成すると共に、開口部4の内周縁部に対して当接される解除状態と、切欠き部4aに対して係止される係止状態とに、筒状部24の略軸中心部に向けて変位可能又は可撓可能に形成している。
【0028】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、展示見本7を、表示ラベル9のサイズに略対応して伸縮調節する方法を説明する。
【0029】
先ず、自動販売機1を構成する展示部2の展示面3から展示見本7を取り外した後、図1乃至図3に示すように、ラベル保持枠8を構成する枠体8a,8b,8cを離間方向(上下方向)にスライド移動して、枠体8aの保持部10と、枠体8bの保持部12とを、予め装填された大サイズ(長尺サイズ=略350ml)の表示ラベル9の抜取りが許容される上下間隔に離間した後、保持部10,12の間から大サイズ(大容量)の表示ラベル9を抜取る。
【0030】
次に、小サイズ(短尺サイズ=略250ml)の表示ラベル9を湾曲して、枠体8aの保持部10と、枠体8bの保持部12との間に装填した後、図4にも示すように、枠体8a,8bを相対向する方向にスライドし、保持部10,12を小サイズの表示ラベル9が保持される間隔に近接して、その表示ラベル9を所定の曲率半径に湾曲した状態に矯正及び保持する。同時に、表示ラベル9により枠体8a,8bを所定間隔に伸縮又は拡縮した状態に支持する。なお、小サイズから大サイズの表示ラベル9に交換する場合、上述と手順が逆になるが、略同じ手順であるのでその説明を省略する。
【0031】
上述のように表示ラベル9を交換した後、図5に示すように、ラベル保持枠8の筒状部24を、展示部2の展示面3に形成した開口部4に差込み、ラベル保持枠8を水平回動して、係止部25と支持片26とを開口部4の切欠き部4aに係止し、表示ラベル9が前向きとなる状態に起立固定するので、光源5から投光される光により展示見本7が立体的に発光し、実物の商品を照光したときと略同等のティスプレー効果が得られる。また、ラベル保持枠8を、展示部2の展示面3に固定したままで表示ラベル9を交換してもよい。
【0032】
以上のように、ラベル保持枠8を構成する枠体8aの支持部11を、枠体8cの差込み孔14に対して上下動可能に差込み、枠体8cを枠体8bの差込み孔15に対して上下動可能に差込んでいるので、表示ラベル9のサイズに略対応してラベル保持枠8を所望するサイズに伸縮調節することができ、表示ラベル9のサイズや表示内容を変更する作業が簡単且つ容易に行える。且つ、枠体8a,8b,8cの軸芯が偏心しにくく、表示ラベル9を所定の曲率半径に湾曲した状態に確実に保持することができる。
【0033】
しかも、表示ラベル9のみを交換し、ラベル保持枠8を共通して使用するので、商品の種類に対応して、複数の展示見本7を製作及び準備したりする必要が無く、展示見本7の保管及び取扱いが容易に行える。且つ、商品のサイズに略対応した表示ラベル9を複数製作するだけで済み、一つの展示見本7に要する製作費及び金型費の低減を図ることができる。
【0034】
図6は、展示見本7の他の固定構造を示し、ラベル保持枠8を前後に傾けて、採光窓23の下面側後縁部に形成した係止爪30を、展示部2の展示面3に形成した開口部4の後側内周縁部に係止し、下面側前縁部に形成した係止爪31を、開口部4の前側内周縁部に係止する。
【0035】
続いて、係止爪31の両側部に形成した略円弧状の突起32を、開口部4の内周縁部に係止し、両側縁部に形成した凸部33を、開口部4の両側縁部に形成した切欠き部4aに係止して回り止めするので、上述の実施例と略同等の作用効果を奏することができる。
【0036】
図7は、ラベル保持枠8を構成する枠体8aの支持部11を、枠体8bの支持部13に形成した差込み孔15に対して上下動可能に挿入した他の例を示し、ラベル保持枠8を構成する枠体8a,8bを上下方向(長さ方向)にスライド移動して、所定サイズの表示ラベル9が保持又は抜取りされる上下間隔に伸縮調節するので、上述の実施例と略同等の作用効果を奏することができる。
【0037】
なお、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0038】
上述のラベル保持枠8を、展示部2の展示面3に固定する他の固定方法として、例えば枠体8bの筒状部24を展示面3の開口部4に圧入したり、マグネットや面ファスナー、両面粘着テープ、ネジ、ボルト等の部材で固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 長尺サイズの表示ラベルを保持する状態の展示見本を示す斜視図。
【図2】 ラベル保持枠の連結構造を示す縦断側面図。
【図3】 下部枠体の底部を示す横断平面図。
【図4】 短尺サイズの表示ラベルを保持する状態の展示見本を示す斜視図。
【図5】 展示見本の固定構造を示す底面側斜視図。
【図6】 展示見本の他の固定構造を示す底面側斜視図。
【図7】 ラベル保持枠の他の連結構造を示す縦断側面図。
【図8】 展示見本を自動販売機に陳列した状態を示す正面図。
【符号の説明】
7…展示見本
8…ラベル保持枠
8a,8b,8c…枠体
9…表示ラベル
10,12…保持部
11,13…支持部
14,15…差込み孔
Claims (3)
- 商品の側部周面と略対応する形状に湾曲される表示ラベルと、該表示ラベルを湾曲した状態に保持するラベル保持枠とで構成される展示見本であって、
上記ラベル保持枠を、上記表示ラベルの上縁部を保持する上部枠体と、該表示ラベルの下縁部を保持する下部枠体と、該上下枠体の間に取付けられる中央部枠体とに複数分割すると共に、
上記上部枠体の下面側後端部を、上記中央部枠体の上端側に形成した差込み孔に対して上下動可能に差込み、
上記中央部枠体を、上記下部枠体の上面側後縁部に形成した差込み孔に対して上下動可能に差込んで、該ラベル保持枠を上下方向に対して伸縮可能に設けた
展示見本。 - 上記枠体の差込み側端部を、上記差込み孔に対して引抜き不可に係止した
請求項1記載の展示見本。 - 上記枠体と上記差込み孔とを、特定の方向に対してスライド動作が許容される状態に係合した
請求項1又は2記載の展示見本。
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