JP4716318B2 - 定量液体注出容器 - Google Patents

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Description

本発明は定量液体注出容器に関する。
簡単な操作により容器体内の一定量の液を分取できるという定量液体注出に関わるキャップ或いは容器が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1の発明は容器体上部に装着する計量キャップに関するものであるが、この計量キャップは計量室を備え、計量室内にその底壁より流出管を立設している。流出管の上端部には吐出口が設けられ、また流出管の下端部に嵌合したディプチューブの下端を容器体内に垂下している。
そして、容器体の圧搾により容器体内の液がディプチューブを上昇し流出管の吐出口から計量室内に吐出される。容器体の圧搾を解除すれば、過剰な液即ち吐出口より上方レベルまで吐出された液が容器体内に戻され、その結果一定量が計量室内に計量される。次いでカバーキャップを開いて計量室の注出口から計量液を注出する。
特開平11-263361 号公報
上記計量キャップを使用した容器は簡単な操作で定量液を分取できる優れたものであるが、収納液を計量分取する際に常時一種類の定量しか選択できないという不便がある。例えば収納液が洗剤の場合に、洗濯物の量や汚れの程度によってその量も自ずから相違する。従って、異なる使用量を選択したい場合に、定量をできるだけ少なくして複数回の計量・分取により対応することはできるが、当然一回の計量に比べて操作が面倒となり、また、規定量の倍数しか選択できないという不便もある。
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、複数種類の計量・分取を選択的に行えて、収納液の用途や使用対象物の種類に応じて液量を選択でき、その計量・注出操作も極めて簡単である定量液体注出容器を提案する。また、その構造も簡単で製造も容易であり、安価に製造できる定量液体注出容器を提案する。更に、注出液量の選択を間違いなくしかも簡単な操作で行える定量液体注出容器を提案する。
上記課題を解決するための第1の手段として、圧搾可能な胴部2を備え、通液孔15を穿設した蓋板14で上端開口を閉塞した容器体Aと、通液孔15に連通して下端を容器体A内下部に垂下したパイプ17と、蓋板14上に液密且つ回転可能に嵌合させるとともに、複数の計量筒25a …を内部に立設した計量室Rを有する計量キャップBとを備え、各計量筒25a …は上部にそれぞれ高さが相違する吐出口26a …を備え、前記通液孔15と連通が可能な円周上に下端開口を位置させている。
容器体Aは合成樹脂等により形成されたもので、ブロー成形等の公知手段により形成することができる。形状は特に限定されず、例えば筒状の胴部から縮径した口頸部を起立したボトルタイプのもの、或いは底壁周縁部から周壁を立設したカップタイプのものが挙げられる。また、上端開口を閉塞する蓋板14は周囲を液密に嵌着して固定する。通液孔15は容器体A内の液を計量室R内へ導入するためのものであり、円周上に位置する複数の計量筒25a …と連通させるため、偏心位置に開口させる。また、パイプも合成樹脂等により形成されている。
計量キャップBも合成樹脂等により形成される。計量キャップBは計量室Rを備えたキャップ本体B1と、該本体上を開閉可能に設けた蓋体B2とから構成すると良い。計量室Rは注出口22を備えており、計量した液をそこから注出できる如く構成する。計量室R内の各計量筒25a …は、上部にそれぞれ高さが相違する吐出口26a を設けるとともに、開口した下端は蓋板14により閉塞されている。吐出口26a は上端面を開放した形態であってもよいが、上端を閉塞して側方に開放した形態であっても良く、両方を開放した形態であっても良い。また、下端開口は通液孔15と連通していない場合には下端開口が蓋板14により液密に閉塞される。従って、計量室R内はいずれか一つの計量筒25a が通液孔15と連通している場合を除いて容器体A内と遮断される。計量筒25a …の数及び吐出口26a の高さは必要に応じて適宜選択すれば良い。また、各計量筒は円周上に必ずしも等間隔で配置することはなく、必要に応じて間隔は選択すると良い。
第2の手段として、前記第1の手段に於いて、前記通液孔15と前記各計量筒25a …との連通を知らせる認知手段を設けた。認知手段は通液孔15と一つの計量筒とが連通した際に目視により認知できる手段であり、例えば、容器体Aと、計量キャップBとにそれぞれ、目印を設けて、それらが一致した際に、所定の計量筒が通液孔15と連通する如く構成する。この場合、原則として容器体Aの目印は一つ、計量キャップBの目印はそれぞれ固有の目印を計量筒の数だけ設ける。目印の形態としては、突起や凹部等の凹凸形態のものや、印刷等により設けた塗布形態のもの(文字,数字,模様,記号等)、或いはこれらを併用したもの等が挙げられる。
第3の手段として、前記第1の手段又は第2の手段のいずれかの手段に於いて、前記計量キャップBの少なくとも周壁20を透明材で形成した。上記計量キャップBは、外部から見えなくても計量することが可能であるが、見えることによりより計量が行い易くなる。その場合、周壁20だけ透明とすることにより充分目的を達成できるが、その他の部分を含めて透明とすることも当然可能である。
第4の手段として、前記第1の手段乃至第3の手段のいずれかの手段に於いて、前記各計量筒25a …の各吐出口26a …がそれぞれ上面開放の吐出口である如く構成した。
第5の手段として、前記第1の手段乃至第3の手段のいずれかの手段に於いて、前記各計量筒25a …の上端中央部が閉塞されていて且つ各吐出口26a …がそれぞれ側面及び上面開放の吐出口である如く構成した。
本発明の定量液体注出容器は、簡単な操作により定量の液の計量,注出を行えるものであり、しかも、簡単な切替操作により注出量を変化させることができる。また、構造は簡単で安価に製造することができる。
前記通液孔15と前記各計量筒25a との連通を知らせる認知手段を設けた場合には、各計量筒25a の下端開口を通液孔15と確実に連通させることができ、より確実な液の計量及び注出を行え、注出操作がより行い易くなる。
前記計量キャップBの少なくとも周壁20を透明材で形成した場合には、計量室R内が確認できるため、液の計量もより確実に行える利点がある。また、認知手段がなくても容易に各計量筒25a …と通液孔15との合致したことが判る。更に、各計量筒25a …の色や形状を種々選択して外部からそれらを観賞できるため、外観が向上し、購買者にその興味を励起して商品価値を高めるという効果がある。
前記各計量筒25a …の各吐出口26a …がそれぞれ上面開放の吐出口である如く構成した場合には、計量した液を注出する際に行い易い。特に、吐出口26a が高い位置にある液量の多い計量の場合には他の低い位置の計量筒内に浸入している計量液を注出し易く、好適である。
前記各計量筒25a …の上端中央部が閉塞されていて且つ各吐出口26a …がそれぞれ側面及び上面開放の吐出口である如く構成した場合には、容器体胴部2圧搾により上昇する液が暴出して棒栓30を押し上げる等の不都合を確実に防止し、しかも、液注出の際には、上面も開放しているので液の浸入した各吐出口26a …から速やかに液の注出を行える。
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明定量液体注出容器の一例を示し、該定量液体注出容器1は、容器体Aと、計量キャップBとを備えている。
容器体Aは、筒状の胴部2より肩部3を介して口頸部4を起立し、口頸部4外周に係止突条5を周設して構成しており、合成樹脂を使用してブロー成形により形成している。
また、容器体Aの上端開口を閉塞する栓部材Cを設けている。栓部材Cは、容器体口頸部4外周に装着筒10を嵌着している。装着筒10の内周に設けた係合突条11を前記係止突条5に乗り越え係合させて抜け出しの防止を図っている。また、装着筒10の上端よりフランジ部12を介して口頸部4の内周上部に液密に嵌合するシール筒部13を延設し、該シール筒部13の下端縁より口頸部4上端開口を閉塞する蓋板14を延設している。また、蓋板14の所定位置には通液孔15を設けており、通液孔15の周囲にパイプ嵌合用の嵌合筒16を垂設している。また、嵌合筒16に上端を嵌着し、下端を容器体A内下部に垂下したパイプ17を設けている。
計量キャップBは、キャップ本体B1と、蓋体B2とから構成しており、キャップ本体B1は、円筒状の周壁20下端縁より底壁21を延設するとともに、周壁20上端縁より中央部に注出口22を開口した頂壁23を延設した上下端閉塞の円筒状をなし、内部を計量室Rに画成している。そして、前記シール筒部13内周に外周下部を液密且つ回転可能に、また、底壁21下面は蓋板14上面に液密に摺動する如く嵌合させて容器体Aに装着している。周壁20外周ににはシール突条24を突周設し、このシール突条24をシール筒部13内周に圧接して充分な液密性を図っている。シール突条24はシール筒部13内周に突周設したシール用突条18に乗り越え係合させて上方への抜け出しを防止している。このシール用突条18もキャップ本体周壁20外周に液密に嵌合している。また、計量室R内に丈の相違する4本の計量筒25a 〜25d を立設している。各計量筒25a …は、上端部にそれぞれ高さが相違する側方を向く吐出口26a 〜26d を設けており、前記通液孔15と連通が可能な円周上に下端開口をそれぞれ位置させている。計量筒25a 〜計量筒25d は順次その丈を減少する如く構成しており、各吐出口26a 〜26d も同様に順次その高さを減少する如く構成している。各吐出口26a 〜26d は筒壁の上端部に側面のみならず上面も開放した状態で形成しており、計量後の注出に当たり内部に計量された液の排出をより行い易く構成している。
蓋体B2は、注出口22に密嵌する栓筒30を裏面より垂設してキャップ本体B1上を開閉可能に設けている。蓋体B2の後部はヒンジ31と一対の弾性板32を設けて弾性反転可能に構成している。尚、図示例では、キャップ本体B1の頂壁23及び蓋体B2を一体の部材で構成し、キャップ本体周壁20の上端に嵌着している。
また、前記栓部材Cのフランジ部12上面所定位置には第1目印aとしての三角板状の突起40を突設しており、計量キャップBの周壁20外周所定位置に、第2目印bとしての1乃至4の数字が印刷等の適宜塗布手段により設けられている。これら突起40と数字とで通液孔15と各計量筒25a との連通を知らせる認知手段を構成している。認知手段は、計量キャップBを回転させて数字を突起40と合致させた際に、所定の計量筒25a …がパイプ17の上端開口と連通する如く構成している。この場合には、数字1が突起40と合致した際に、一番多量の液を計量でき、順次2から4にいくに従って計量液が少なくなる如く構成している。
上記の如く構成した定量液体注出容器1は、例えば、図1に示す如く計量キャップBを回転させて突起40に数字1を合わせた後、容器体胴部2を圧搾すると、加圧された容器体A内液が、パイプ17内を通り計量筒25a の吐出口26a より計量室R内に導入される。圧搾をやめると余分な液は吐出口よりパイプ17を介して容器体A内に戻り、計量筒25a の吐出口26a 下辺の高さまでの液が計量室R内に溜まる。次いで蓋体B2を開いて計量液を使用する。
本発明定量液体注出容器の要部半断面図である。(実施例1) 本発明定量液体注出容器の分解斜視図である。(実施例1) 本発明定量液体注出容器の側面図である。(実施例1)
符号の説明
2…胴部,14…蓋板,15…通液孔,17…パイプ,25a 〜25d …計量筒,
26a 〜26d …吐出口,A…容器体,B…計量キャップ,R…計量室

Claims (5)

  1. 圧搾可能な胴部(2)を備え、通液孔(15)を穿設した蓋板(14)で上端開口を閉塞した容器体(A)と、通液孔(15)に連通して下端を容器体(A)内下部に垂下したパイプ(17)と、蓋板(14)上に液密且つ回転可能に嵌合させるとともに、複数の計量筒(25a…)を内部に立設した計量室(R)を有する計量キャップ(B)とを備え、各計量筒(25a…)は上部にそれぞれ高さが相違する吐出口(26a…) を備え、前記通液孔(15)と連通が可能な円周上に下端開口を位置させていることを特徴とする定量液体注出容器。
  2. 前記通液孔(15)と前記各計量筒(25a…)との連通を知らせる認知手段を設けてなる請求項1記載の定量液体注出容器。
  3. 前記計量キャップ(B)の少なくとも周壁(20)を透明材で形成してなる請求項1又は請求項2のいずれかに記載の定量液体注出容器。
  4. 前記各計量筒(25a…)の各吐出口(26a…) がそれぞれ上面開放の吐出口である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の定量液体注出容器。
  5. 前記各計量筒(25a…)の上端中央部が閉塞されていて且つ各吐出口(26a…) がそれぞれ側面及び上面開放の吐出口である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の定量液体注出容器。
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