JP4715409B2 - X線検査装置 - Google Patents
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Description
これらのX線検査装置は、X線源とX線検出器との間に、ステージを配置し、この上に被測定物を載置して透視X線像を撮影する。
そのひとつの方法として、ステージ上に載置した被測定物と装置とが衝突する領域を、操作者が予め適宜入力設定しておくことにより、衝突を回避することが開示されている(特許文献1参照)。
他の方法として、複数台の光学カメラ(ビデオカメラ、デジタルカメラ等の可視光を用いて撮影するカメラ)を用いて多方向から被測定物の光学画像を撮影し、得られた光学画像データから実物に近い外観形状を算出することも考えられる。しかし、X線検査装置では、防護カバーで囲まれたX線照射領域内を確認するために1台の光学カメラで観察することはあっても、複数台のカメラを搭載することはなされておらず、安全対策のために追加のカメラを搭載することになり、コスト上昇につながる。複数のカメラを搭載するとなると、カメラ本体の数の増加とともに、各カメラの制御回路等を含む部品点数が倍増することとなり、装置が複雑になる。また、複数方向の光学画像から被測定物の外観形状を抽出するためのアルゴリズムも必要になる。
また、本発明は、簡単な演算処理により高速に衝突判定を行うことができるX線検査装置を提供することを目的とする。
上記発明において、衝突危険領域設定部は、前記軌跡データを包含する回転体図形で衝突危険領域を近似するようにしてもよい。
これにより、被測定物が複雑な外形形状を有していても、被測定物が通過した軌跡である軌跡データを包含する回転体図形で単純なモデルとして近似することで、衝突判定の計算を簡略化かつ高速化することができる。
これにより、衝突危険範囲設定の計算を単純化することができ、衝突範囲設定を簡単化することができる。
また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、X線画像作成部31、衝突危険領域設定部32、衝突判定部33とに分けられ、このうち衝突危険設定部32を細分すると、光学カメラ撮影制御部35、被測定部外観形状抽出部36、軌跡データ抽出部37、衝突危険領域算出部38に分けられる。
また、画像メモリ24について、記憶内容ごとにブロック化して説明すると、背景画像データ蓄積部41と、軌跡画像データ蓄積部42と、衝突危険領域データ記憶部43に分けられる。
ステージ駆動機構15は、モータが搭載され、入力装置22による操作に応じて発生したCPU21からの制御信号に基づいて、ステージ14を回転駆動したり並進駆動したりする。
X線画像作成部31は、X線検出器12から送られてきた透視X線像の映像信号を、次々とデジタル画像に変換し、X線コマ画像データを作成する制御を行う。作成されたX線コマ画像データは表示装置23に順次送信されて表示されることにより、被測定物Sの画面に透視X線動画像が表示される。
本実施形態では、予め被測定物Sを載置していない状態で背景画像となるコマ画像を撮影し、続いて、被測定物Sを載置した状態でコマ画像データを撮影し、同じ方角どうしのコマ画像データの差分から被測定物Sの外観データを求める。そのため、背景画像となるコマ画像データを背景画像データ蓄積部41に蓄積し、続いて、被測定物Sを載置した状態で撮影したコマ画像データを軌跡データ蓄積部42に蓄積する制御を行う。なお、背景画像データは、一度蓄積しておけば足りるので、既に蓄積してある場合は、以前に蓄積したデータを利用することもできる。
衝突危険領域算出部38は、抽出した軌跡データに基づいて、被測定物Sが通過した軌跡を完全に包含するように衝突危険領域を設定する。ここでは、円柱形状の衝突危険領域を設定するものとする。すなわち、軌跡データの最外周点、最高点を通る仮想円柱を想定し、さらに、回転中心を通り、光学カメラ16に直面する仮想スクリーンを仮定して、仮想円柱を仮想スクリーンに投影したときの投影像(長方形)を形成し、この投影像を1回転したときに通過する領域が衝突危険領域Aであると近似する。
また、被測定物Sをステージ14の回転中心から離れた位置に載置した場合は、ステージ14を上から見た図5に示されるように、被測定物Sの通過した軌跡Bはリング状あるいは円柱状(図中破線でハッチングした部分)になる。このときは回転中心から最外周の点までの距離Rmaxを半径とする円柱側面が被測定物Sの通過した軌跡の最外周面となる。そして、この円柱を、回転中心を通る仮想スクリーンScに投影したときの投影像の幅を、円柱近似の衝突危険領域A(図中実線でハッチングした部分)の幅Wと設定する。このように投影像の幅を衝突危険領域Aの幅Wとすることで、被測定物Sがステージ上のどこに置かれても、必ず被測定物Sを包含することとなる。
いずれにせよ、ステージ14の回転軸を回転中心とする回転体図形で近似することにより、被測定物Sを完全に包含するように衝突危険領域Aを設定することができる。
設定した衝突危険範囲Aは、衝突危険領域データ記憶部43に記憶される。衝突危険領域Aを簡単な回転体図形で近似した場合は、数式(円柱方程式、球の方程式等)で記憶させることができ、その場合は衝突判定の演算処理を容易にすることができる。
先ず、被測定物Sが載置されていない状態でステージを回転しながら撮影した背景画像データが背景画像データ蓄積部41に蓄積されているかがチェックされ(S101)、既に背景画像が蓄積されているときはS103に進み、蓄積されていないときはS102に進む。
続いて、被測定物Sをステージ14に載置した状態で、ステージ14を回転させつつ光学カメラ16により撮影し、被測定物Sのコマ画像データを軌跡画像データ蓄積部42に蓄積する(S103)。
差分データから装置内部の照明の影響や反射、影の影響等の不要成分を除去するラプラスフィルタ等の画像処理を行う(S105)。
続いて、予め設定した閾値との比較により、2値化処理を行い、各方角の2値化外観データを作成する。(S106)。
続いて、各方角の2値化外観データを合成して、ステージ14が1回転したときの被測定物Sの通過軌跡である軌跡データを作成する(S107)。この軌跡データは回転体図形となる。
続いて、被測定物Sの軌跡データを包含するように、円柱近似により衝突危険領域Aを設定し(S108)、設定した衝突危険領域Aを記憶する(S109)。
以上で、衝突危険領域Aの設定処理が完了する。
CPU21からステージ駆動機構15へのステージ駆動信号の有無により、ステージ移動がなされたかをチェックし(S201)、ステージ移動がなされていないときは、S201に戻って動作を繰り返す。
ステージ移動がなされたときは、衝突危険領域Aに基づいて衝突判定を行い(S202)、衝突の危険性があるときはステージ移動を停止して警告を発し、そうでないときは、S201に戻ってふたたび同じ動作を繰り返す。
以上により、自動的に設定した衝突危険領域Aに基づいて、X線測定光学系13と被測定物Sとの衝突の危険性を判断することができるので、衝突による破損事故を回避することができる。
また、衝突危険領域を数式で表現することにより、さらに演算処理を高速化することができる。
11: X線源
12: X線検出器
13: X線測定光学系
14: ステージ
15: ステージ駆動機構
16: 光学カメラ
17: 三次元駆動機構
20: 制御系
21: CPU
22: 入力装置
23: 表示装置
24: 画像メモリ
31: X線画像作成部
32: 衝突危険領域設定部
33: 衝突判定部
35: 光学カメラ撮影制御部
36: 被測定物外観形状抽出部
37: 軌跡データ抽出部
38: 衝突危険領域算出部
41: 背景画像データ蓄積部
42: 軌跡画像データ蓄積部
43: 衝突危険領域データ記憶部
Claims (3)
- 透視用X線を照射するX線源と被測定物の透視X線像を撮影するX線検出器とからなるX線測定光学系と、X線源とX線検出器との間に被測定物が位置するように被測定物を載置するためのステージと、ステージを並進および回転するステージ駆動機構とを備え、ステージ上に載置された被測定物の位置を調整してX線検査を行うX線検査装置において、
ステージ上に載置された被測定物を撮影する光学カメラと、
ステージが一回転する間の各方角で前記光学カメラにより被測定物のコマ画像データを撮影し、各方角のコマ画像データに映し出されている被測定物を抽出した外観データを作成し、各方角の外観データを合成してステージが一回転する間に被測定物が通過した軌跡である軌跡データを作成し、作成した軌跡データに基づいて被測定物とX線測定光学系との衝突危険領域を設定する衝突危険領域設定部と、
設定した衝突危険領域に基づいてステージを移動する際の衝突危険性を判定する衝突判定部とを備えたことを特徴とするX線検査装置。 - 衝突危険領域設定部は、前記軌跡データを包含する回転体図形で衝突危険領域を近似することを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
- 衝突危険領域設定部は、円柱体、球体、回転楕円体、円錐体のいずれかまたはこれらを組み合わせた図形により衝突危険領域を近似することを特徴とする請求項2に記載のX線検査装置。
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