JP2004012407A - 透過画像提供システムおよびx線ct・dr撮影サービスシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】被検体内部における欠陥等の目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像をDRの利用により簡便で安価に得ることのできる透過画像提供システムの提供。
【解決手段】透過画像提供システムは、被検体の外観画像27を外観画像入力手段10で取得する処理、被検体に対する撮影方向をそれぞれ異ならせた複数のDR画像(透過2次元画像)をデジタルラジオグラフィにより取得する処理、各DR画像20、21について被検体内部の目標物P1、P2を検出してその被検体内部における概略の2次元位置と大きさを指定する処理、および目標物の概略の2次元位置と大きさに基づいて目標物の被検体内部における概略の3次元位置と大きさを算出する処理の各処理をなし、そして目標物を概略の3次元位置と大きさに基づいて被検体の外観画像に重ね合わせた透過画像28を表示するようにされている。
【選択図】 図3
【解決手段】透過画像提供システムは、被検体の外観画像27を外観画像入力手段10で取得する処理、被検体に対する撮影方向をそれぞれ異ならせた複数のDR画像(透過2次元画像)をデジタルラジオグラフィにより取得する処理、各DR画像20、21について被検体内部の目標物P1、P2を検出してその被検体内部における概略の2次元位置と大きさを指定する処理、および目標物の概略の2次元位置と大きさに基づいて目標物の被検体内部における概略の3次元位置と大きさを算出する処理の各処理をなし、そして目標物を概略の3次元位置と大きさに基づいて被検体の外観画像に重ね合わせた透過画像28を表示するようにされている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば鋳造物などの被検体の内部にある巣や亀裂のような欠陥などの目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像を提供する透過画像提供システムとこれを併用したX線CT・DR撮影サービスシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図11に従来の産業用X線CT装置の構成を模式化して示す。X線CT装置13は、X線ファンビーム2を出力する電子線加速器1と、被検体14を設置するスキャナ3、被検体14を透過してきたX線を検出するX線センサ4(4−1〜4−512)と、X線センサ4のS/N比を向上させるためX線センサ4への散乱X線の入射を抑える役割をするコリメータ5、およびX線センサ4からの信号を増幅してデジタル変換し画像の再構成を行なう信号処理・画像再構成手段6、画像再構成により作成された画像やその他の情報を表示する表示手段7、撮影データや再構成された画像情報および撮影仕様(撮影時の諸条件)の情報等を保存する記憶手段8、信号処理・画像再構成手段6からの制御信号を用いて電子線加速器1とスキャナ3の動作を制御するX線CT制御手段9からなる。
【0003】
このX線CT装置13は、被検体を回転させて1断面を撮影する第3世代のX線CT装置であり、スキャナ3は回転機能の他に、被検体の高さ方向について断面撮影を行なうために上下に動作する機能を持つ。この他第二世代と呼ばれるX線CT装置もあるが、この第二世代のX線CT装置の場合は、X線ファンビームが狭いために、スキャナが回転機能と上下動作機能の他に、加速器とX線センサを結ぶ直線に対して直角に並進動作する機能も持っている。
【0004】
電子線加速器1は、制御用ケーブル16によりX線CT制御手段9に接続され、X線CT制御手段9によりX線ファンビームの発生・停止が制御される。スキャナ3も同様に制御ケーブル15でX線CT制御手段9に接続され、その回転や上下動等が制御される。
【0005】
X線センサ4は一列に配置されており、その数が多いほど撮影解像度が向上する。図の例では512個が設置されている。このX線センサ4は、電子線加速器1からX線パルスが出力される毎に、被検体を透過してきたX線を検出する。X線センサ4から出力されたX線量に対応する信号は、増幅されると共にデジタル信号に変換された後、信号ケーブル17を通して信号処理・画像再構成手段6に送られる。信号処理・画像再構成手段6は、送られてくる信号データを用いて、CT画像の再構成を行なう。なお図ではX線センサからの出力信号の増幅とA/D変換をなす手段については図示を省略してある。
【0006】
画像再構成とは、スキャナの回転や上下動(第2世代の場合にはこれに並進が加わる)の組合せにより決定されるスキャナとX線ファンビーム各線との相対的な3次元位置情報と、各位置におけるX線減衰量から、被検体の2次元あるいは3次元の密度分布を割り出し、断層像として可視化することである。すなわち画像再構成においては、被検体の各撮影断面の断層画像を表す2次元ビットマップデータと、さらに上下方向に断層像を積み重ねることにより被検体の内部を含めた立体像を表す3次元ビットマップデータが作成される。これらのデータは記憶手段8に格納され、必要に応じて画像表示手段7に断層像や立体像として表示される。
【0007】
またX線CT装置では、先の断層像や立体像撮影の他に、スキャナ3に上下動作のみを行ななわせることで被検体内部の透過2次元画像を得るデジタルラジオグラフィ(以下DR)撮影も可能である。このDR撮影で得られる透過2次元画像についても、その2次元ビットマップデータが記憶手段8へ格納され、画像表示手段7に表示される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
産業用X線CT技術を用いて撮影した被検体の画像を利用する目的には、例えばコンピュータ画像処理:応用実践編(第1巻):田村秀行編 総研出版、P18〜29(1990)等の文献に見られるように、被検体の内部欠陥検出、内部寸法計測、内部構造観察、内部密度分布計測、等がある。これら用途のうちの内部欠陥検出では、例えば鋳造物の巣や亀裂等を検査するのが代表的な例で、このような検査を産業用X線CT装置で行なうについては一つの問題がある。それは、被検体のどの位置でそれらの欠陥が発生しているかを予め正確に予測することができない場合が多ことに由来する。すなわち、X線CT装置による断層撮影で鋳造物における局所的で微小な巣の有無等を評価しようとすると、その局所的で微小な巣等の探索のために被検体の全体あるいは欠陥の存在が予想される比較的広範な領域を細分して断層撮影する必要があり、いたずらに多大の撮影時間と費用が掛かってしまうということである。
【0009】
むろん、被検体の全体をX線CTで詳細に撮影することは、検査としては望ましいことであるが、検査目的によっては、欠陥の有無とその被検体全体に対する大まかな位置情報だけ判ればよいケースもあり、このような検査目的に応じた、より簡便で安価な検査方法が求められることになる。また欠陥部分の詳細な3次元形状を知るためにX線CT像を必要とする場合でも、まず簡便で安価な検査方法により欠陥の被検体全体に対する大まかな位置を指定し、この位置指定に基づいて限定された狭い範囲についてX線CTによる撮影を行なえるようにすることが費用対効果の上で望ましいことになる。
【0010】
このような簡便で安価な検査の手法としてはDRを用いるのが有効であるといえる。すなわち、DR撮影には、X線CT撮影に比べて格段に短い時間で被検体全体の透過画像を撮影することができるという特徴がある。また透過画像を短時間で得る他の手法である、X線フィルムを用いた透過像撮影と比較した場合に、ダイナミックレンジが広く、表示手段に表示したDR画像の濃度を広い濃度範囲で調整することが可能であるという特徴もある。そのため、DR画像では、濃度調整を行ないながら検査することにより、微細な欠陥をX線フィルム画像におけるよりも容易に検出することが可能となる。なお、X線撮影装置で透過2次元画像を取得する技術に関しては、例えば特開平4−152936号、特開平7−59763号、特開平8−112272号の各公報に開示の例が知られている。しかしこれらの技術は、上でいう簡便で安価な検査の手法としてのDR撮影とは技術目的において大きく異なるものである。
【0011】
以上のようなDRを用いる簡便で安価な検査方法は、例えば特開2000−298106号公報に開示される「X線CT利用システム」に代表されるような、コンピュータネットワーク等を通じて産業用X線CT装置の広い活用を図るサービスシステムに併用することでその有用性をさらに高めることができるようになるといえる。
【0012】
本発明は、以上のような事情を背景になされたものであり、被検体内部における欠陥等の目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像をDRの利用により簡便で安価に得ることのできる透過画像提供システムの提供を第1の目的とし、またこれを併用したX線CT・DR撮影サービスシステムの提供を第2の目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記第1の目的を達成するために、被検体内部における目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像を提供する透過画像提供システムであって、前記被検体の外観を撮影して外観画像を取得する外観画像取得処理のための手段、前記被検体に対する撮影方向をそれぞれ異ならせた複数の透過2次元画像をデジタルラジオグラフィにより取得するDR処理のための手段、前記DR処理で得られた各透過2次元画像について被検体内部の目標物を検出してその被検体内部における概略の2次元位置と大きさを指定する目標物領域指定処理のための手段、前記目標物領域指定処理で得られた各透過2次元画像における目標物の概略の2次元位置と大きさに基づいて当該目標物の前記被検体内部における概略の3次元位置と大きさを算出する目標物3次元データ算出処理のための手段、および前記目標物を前記目標物3次元データ算出処理で算出された概略の3次元位置と大きさに基づいて前記外観画像に重ね合わせた前記透過画像を表示するのための手段を備えてなる透過画像提供システムを提供する。
【0014】
また本発明では、上記のような透過画像提供システムについて、目標物領域指定処理では、複数の透過2次元画像を表示手段に表示し、操作者が、この表示された複数の透過2次元画像を見ながら、被検体内部の目標物の検出およびその被検体内部における目標物の概略の2次元位置と大きさの指定をなせるようにしている。
【0015】
また本発明では上記第2の目的を達成するために、顧客からの情報端末装置を介した依頼に応じてX線CT装置による被検体の撮影サービスを行なうようになっているX線CT・DR撮影サービスシステムであって、上記のような透過画像提供システムによる、被検体内部における目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像の提供を撮影サービスに含ませてなるX線CT・DR撮影サービスシステムを提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に、本発明の一実施形態による透過画像提供システムの構成を模式化して示す。この透過画像提供システムは、従来のX線CT装置を骨格としており、これに、外観画像入力手段10、3次元位置算出機能11、スーパーインポーズ機能(画像重合せ表示機能)12、および操作手段30を付加した構成となっている。
【0017】
外観画像入力手段10は、被検体14の外観を撮影して外観画像を取得する外観画像取得処理のための手段を構成している。本実施形態では外観画像入力装置10にCCDカメラを用いている。CCDカメラは、その画像をデジタルデータとして取り込めるので本透過画像提供システムで必要とする処理に都合がよい。外観画像入力手段10による被検体14の外観撮影の方向は適宜でよい。ただ外観画像は、後述のDR画像取得処理で得られる複数の透過2次元画像(DR画像)を用いて指定される被検体中の目標物の像をそこにスーパーインポーズすることで当該目標物の被検体内部での位置関係等をわかり易く表示するのに用いるものであるから、被検体の立体的な形を認識し易い方向を設定するのがより好ましく、本実施形態ではそのような例として、斜め45度上方から撮影するようにしている。
【0018】
3次元位置算出機能11は、信号処理・画像再構成手段6に組み込まれており、後述の目標物領域指定処理で得られる透過2次元画像における目標物の概略的な2次元位置と大きさに基づいて当該目標物の被検体内部における概略的な3次元位置と大きさを算出する機能を負っている。このような3次元位置算出機能11が組み込まれた信号処理・画像再構成手段6は、後述の目標物3次元データ算出処理のための手段を構成することになる。
【0019】
スーパーインポーズ機能12は、同じく信号処理・画像再構成手段6に組み込まれており、上記複数の透過2次元画像を用いて指定される被検体中の目標物の像を外観画像に重ね合わせて表示する機能を負っている。したがって信号処理・画像再構成手段6は、目標物の像を外観画像に重ね合わせて表示するための手段も構成することになる。
【0020】
操作手段30は、上記複数の透過2次元画像について被検体内部の目標物を検出してその被検体内部における概略の2次元位置と大きさを指定する目標物領域指定処理をなすための手段を構成している。目標物領域指定処理には後述のように、操作者が主体になって処理を進める手動処理と、信号処理・画像再構成手段6に組み込むなどすることのできる処理機能により自動的に進める自動処理とがある。操作手段30は主に、その手動処理において、表示手段7に表示した透過2次元画像中でカーソルを捜査して目標物の検出やその位置と大きさの指定をなすのに用いられるものであり、例えばマウスやキーボード等をこれに用いることができる。
【0021】
信号処理・画像再構成手段6は、上述のように標物3次元データ算出処理のための手段と目標物の像を外観画像に重ね合わせて表示するための手段を構成するが、この他にも後述するDR処理のための手段も電子線加速器1、スキャナ3およびX線センサ4などと共に構成している。これら以外のX線CT装置の構成や機能は図11に関して上で説明した従来のそれと同様なので、上での説明を援用する。
【0022】
次に、以上のような構成の透過画像提供システムにおける処理動作について説明する。図2には一連の処理に関するフローチャートを示してある。透過画像提供システムにおける一連の処理には、主なものとして、被検体14の外観を撮影して外観画像を取得する外観画像取得処理(図2のL2に対応)、被検体に対する撮影方向をそれぞれ異ならせた複数の透過2次元画像をDR撮影により取得するDR処理(図2のL3とL4に対応)、このDR処理で得られた各透過2次元画像について被検体内部の目標物(例えば被検体が鋳造物であれば巣や亀裂等)を検出してその被検体内部における概略の2次元位置と大きさを指定する目標物領域指定処理(図2のL5に対応)、この目標物領域指定処理で得られた各透過2次元画像における目標物の概略の2次元位置と大きさに基づいて当該目標物の被検体内部における概略の3次元位置と大きさを算出する目標物3次元データ算出処理(図2のL5に対応)、および目標物を目標物3次元データ算出処理で算出された概略の3次元位置と大きさに基づいて被検体の外観像に重ね合わせて表示する重合せ表示処理(図2のL6に対応)が含まれている。
【0023】
以下、これらについて順を追って説明する。図2のフローチャートでは省略してあるが、一連の処理に先立って被検体14をスキャナ3の上に載せる処理がまずある。それから一連の処理を開始するにあたってX線CT装置における測定条件(撮影条件)を設定する(L1)。測定条件は従来のX線CT装置でなされていたのと同様に、操作者が制御データを入力して設定するか、またはあらかじめ記憶手段8等に格納してある制御データを元に設定される。次に、スキャナに初期位置(撮影前に設定される位置)を取らせ、外観画像入力装置10を作動させて、被検体14の外観データを取得する(L2)。それから、被検体のDR撮影を行なう。被検体のDR撮影は複数の方向から行なう必要があるが、最低限必要であるのは適切に異ならせた角度(この角度としては90度が最も適切である)の2方向からの撮影である。本実施形態では撮影方向Aと撮影方向Bの2方向で行なうようにしており、まず撮影方向Aにスキャナを回転させ、被検体を上下方向に移動しながらDR撮影する(L3)。次いで、90度スキャナを回転させ、撮影方向Bに被検体を移動し、DR撮影する(L4)。
【0024】
DR撮影を終えたら、目標物領域指定処理(L5の「目標物の同定」に含まれる)を行なう。そのためにはまず撮影方向Aと撮影方向Bの両DR画像(透過2次元画像)を表示手段7に同時に表示する(図4)。それから操作者がこの表示画面を見ながら目標物を検出し、その2次元位置と大きさを操作手段30で表示画面上のカーソルを操作するなどして指定する。その結果に基づき、3次元位置算出機能11は目標物の3次元の位置と大きさを計算する(L5の「目標物の同定」に含まれる)。なおここで説明した目標物領域指定処理は手動によるものである。自動で目標物領域指定処理を行なう場合には、正常な被検体つまり目標物となる欠陥等のない被検体についてのDRデータがあらかじめ用意しておき、この正常被検体のDRデータを撮影した被検体のDRデータと比較することで目標物の位置、大きさを自動的に指定することができる。そのような機能は例えば3次元位置検出機能11に含ませることができる。
【0025】
次に、3次元の位置と大きさが決定された目標物を被検体の外観画像(より具体的には外観画像取得処理で得られる外観画像データから作成されるワイヤフレームのような線画像)にスーパーインポーズ機能で重ね合わせることで、目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像として表示する(L6)。この透過画像においては、外観画像を斜め上方から撮影するなどして被検体の立体形状を容易に認識できるようにされているので、目標物の3次元分布がわかり易く表示される。したがってこの重ね合わせ表示の透過画像を観察することで、被検体内における例えば巣や亀裂等の欠陥の分布を容易に把握することができ、これにより被検体の良否を判定したり、またより詳細なCT断層像の要否の判断やそれに必要な最小限の撮影範囲の決定をなしたりすることができる。
【0026】
最後に、以上の各処理で取得した各データ(2方向からの撮影によるDRデータ、スーパーインポーズ表示データ等)を記憶手段8に格納し(L7)、次のDR撮影があれば同様の処理を繰り返し、ない場合には処理を終了する(L8)。
【0027】
図3には、以上のような一連の処理におけるX線CT装置の動作や一連の処理で得られるデータ等を説明する図を示してある。最上部は撮影方向Aと撮影方向Bを模式的に示している。実際にはスキャナが90度回転するので、被検体が90度回転することになるが、ここでは、相対的に加速器1、コリメータ5、検出器4の回転として示している。2回のDR測定(DR撮影)(図2のL3、L4)により、DR画像20とDR画像21が得られる。一方、外観画像入力装置10からは外観画像(外観データ)27が得られる。外観データ27中に示すX、Y、Z軸はスキャナの軸である。X軸はコリメータ5に平行な方向、Y軸はコリメータ5に垂直な方向、Z軸は上下方向である。DR画像21ではX軸とZ軸は図示した方向になる。DR画像20ではY軸とZ軸は図示した方向になる。
【0028】
このように各画像中に共通の座標軸を設定することにより、目標物P1、P2の各DR画像20、21中での概略的な位置を指定することができる(図2のL5に対応)。例えば、目標物P1の座標は(x1、z1)(ただしyは不明)、x方向、z方向それぞれの大きさは(Δx1、Δz1)と指定できる。指定方法は後述する。
【0029】
画像26は、z=z1でCT撮影したと仮定した場合に得られる断層画像と目標物の指定方法の原理を示している。むろん、DRだけでは画像26は得られないが、DR画像20と21から2つの情報、すなわち範囲26aと範囲26bの交差する範囲に目標物P1があるであろうとの推測が成り立つ。すなわち、交差領域26cである。目標物の大きさを正確に表示することはできないが、このように複数(この例では2つ)のDR画像から、概略の3次元位置を見いだすことが可能である。実際の目標物の指定方法は後述する。
【0030】
このように目標物の概略3次元位置が決定できれば、外観データ27にそれら目標物を表示することができる。図3中に示した画像28は、外観画像27に目標物P1、P2をスーパーインポーズ手法で重ね合わせて表示した透過画像の例である。そのためのスーパーインポーズ手法としては従来から一般に用いられているそれを用いることができる。
【0031】
以下では、目標物領域指定処理以降について、さらに詳細に説明する。図4は、目標物領域指定処理における目標物領域指定画面の一例を示している。上記のようにして2方向からのDR画像を取得すると、3次元位置算出機能11に組み込まれている機能により、表示手段7に目標物領域指定画面100が表示される。目標物領域指定画面100には、角度を90度異ならせた撮影方向A、Bから撮影されたDR画像103、105と、DR撮影の明暗レベルを調整する明暗調整機能109、および全ての目標物領域の指定が終了したことを3次元位置算出機能11に知らせるための領域指定終了ボタン110が配置され、さらに付加的に拡大ボタン106と縮小ボタン107も配置されている。
【0032】
まず操作者は、明暗調整機能109を操作手段30により操作し、DR画像の明暗を調整して目標物を視認し易い画像を設定しながら、目標物の有無を目視検査する。X線センサ4のダイナミックレンジは3から4桁あるので、この広いダイナミックレンジを利用してDR画像のコントラストを適切に調節しながら観察することにより、X線フィルム画像で同様なことをなすのに比べ、微小な目標物でも容易に検出することが可能となる。また、密度解像度についてもDR画像は、X線フィルム画像に比較して、各段に高く、このことでも目標物の検出能力が高まる。さらに、DR画像は、そのデータがデジタル化されているために、任意の部分を拡大したり縮小したりすることが容易である。そこでこの特徴を活かした画像の拡大縮小機能(拡大ボタン106、縮小ボタン107)を設けることにより、DR画像を望みの範囲で適宜に拡大表示するなどして、目標物の判別をさらに容易に行なうことが可能となる。すなわちDR画像は、広い範囲のコントラスト調整、高密度解像度それに拡大縮小の容易性といった特徴を有しており、このような特徴により、例えば鋳造物の巣や亀裂等のような目標物をより容易に検出することを可能するものであり、この点において、簡便で安価な検査の手法としてDRが特に優れたものとなる。なお図4の例では画質調整方法としてコントラスト調整(CT値または密度レベルの調整)を用い、画面上のレバーで明暗の中央値を移動させる仕組みとしてあるが、この他にもガンマ補正、エッジ強調等、一般の画像処理で用いられる手法を用いることができる。
【0033】
目標物領域指定画面100において目視検査で目標物をDR画像中に発見したら、操作者はその目標物の領域(位置と大きさ)を画面上で指定する。具体的には、操作手段30を通じてDR画像上のカーソル104を目標物に沿って動かすと、その部分に選択した大きさの領域が表示される(点線の部分111)。この領域は、指定後も操作手段30による操作で移動や削除、縦横のサイズ変更等が可能である。これにより操作者は、目標物として3次元上の位置を算出したい各DR画像103、105上の全ての領域を領域指定し、そのうち同一目標物を表すと考えられる領域については、DR画像103と105で目標物番号を同じ番号にする。同じ目標物番号を付加した指定領域は、それぞれの目標物番号固有の色で表示するようにするとさらに好ましい。
【0034】
ここで同一目標物と考えられるのは、図中のDR画像A103、B105では、指定領域111と112、あるいは指定領域113と114のように、被検体内での高さ方向の位置・大きさがほぼ同じものである。場合によっては別方向から撮影したDR画像で同じ程度の高さ位置に同一目標物と考えられるような指定領域が見当らないことがあるが、これは、DR画像の撮影位置によって同じ高さの付近にある別の目標物と重なって一つに見えているような場合が考えられる。いずれにせよ、すべての画像上で目視できる目標物を対応づけるのはDR画像だけで困難であるので、その場合は関連づけを中止する。
【0035】
図5には、目標物領域指定作業を自動で行なう場合に表示手段7に表示される画面の一例である自動処理用の目標物領域指定画面120を示す。自動処理の場合には予め正常な被検体(正常製品)のDR画像データ122を準備しておき、検査品となる被検体のDR画像123と比較して目標物の有無を判断する。具体的には正製品のDR画像と検査対象となる被検体のDR画像との間に差異がある領域を全て目標物領域として自動的に領域指定する。ここで、自動に指定された領域は、自動的に差異を取り出しているだけなので、目標物でない領域を誤って指定している可能性もある。そこで操作者等によるチェックを行なえるようにするの好ましい。それには、画面上で選択領域の解除や変更を行なえるように、領域削除機能124等を設けておく。また、このチェックのためにはDR画像の画質を調整しながら目標物領域を確認できるようにするのが好ましく、そのために画質調整機能125を設けている。
【0036】
以上の手動処理、自動処理いずれの場合でも目標物領域の指定作業が終了すると、操作者が画面上の領域指定終了ボタン110または126を操作することにより、目標物領域指定画面は閉じられ、目標物3次元データ算出処理に移る。目標物3次元データ算出処理では、目標物領域指定処理で目標物として指定した指定領域の中から、各DR画像(103、105)上で同じ目標物番号を持つ指定領域を求め、その指定領域の位置情報と各DR画像の撮撮影位置情報から、目標物の被検体中での3次元空間上の位置を算出する。算出した結果は記憶手段8に格納される。
【0037】
次に、この算出した3次元位置データに基づいて、スーパーインポーズ機能12により目標物を外観データと重ね合わせて表示する。図6に、所定の角度から撮影した外観画像に目標物の位置算出結果を重ね合わせて表示した目標物位置算出結果画面130の一例を示す。目標物位置算出結果画面130は、外観画像を撮影した際の外観画像入力装置10の位置情報と、その際のスキャナの回転角度から、上記のようにして位置を算出した目標物領域がどのような見え方をするか計算し、この計算結果に基づいて外観画像に重ね合わせて表示したものである。通常は外観データの撮影条件は一定であるので、決定した各目標物の(x、y、z)座標と大きさから、スーパーインポーズ画像133上に自動配置される。図6では目標物1と2が表示されている。このアルゴリズムには従来の一般的なそれを用いることができる。なお図の例の目標物位置算出結果画面130では、スキャナ面から各目標物領域の底面までの距離等の数値情報134を画面上に同時に表示するようにしてあるが、これらの数値情報は目標物毎にスーパーインポーズ画像133上に表示する形態等としてもよい。このような目標物位置算出結果画面130のデータは記憶手段8に格納され、必要に応じて取り出せるようにされる。
【0038】
以上のように本発明による透過画像提供システムでは、何れも簡易である外観撮影とDR撮影で得られる画像を用いるだけで、被検体の内部にある例えば鋳造物の巣や亀裂のような欠陥等の目標物の位置と大きさの概略的な把握を容易とする透過画像が得られる。したがって本発明による透過画像提供システムによれば、被検体についてその内部の欠陥等の有無とその概略の位置や大きさを知れば足り、被検体内部の立体形状を精密に把握する必要はないといったニーズに対して、簡便かつ安価に対応して費用対効果を高めることが可能である。例えば、高さ300mmの被検体の内部欠陥検査で高さ2mm程度の欠陥を見つけようとする場合、従来一般に行なわれていたCT撮影であると、高さ方向に最低1mmピッチで断層画像を撮影することが望ましく、撮影に2時間ほどかかっていたのに対し、本発明のように外観撮影とDR撮影だけを用いる手法では、DR撮影に2方向で1分程度、外観撮影にはそれ以下といったきわめて短い撮影時間で済み、処理時間を大幅に短縮することができ、したがって処理費用の大幅な節減も可能となる。また、本発明による透過画像提供システムがもたらす目標物に関する大まかな情報は、その目標物に関して、より詳細なデータをCT画像で得たいという場合に、CT撮影をする必要な範囲を必要最小限に限定するのにも活用することができ、そのようにすることで、CT撮影についてもその撮影時間を大幅に短縮できるようになり、この場合にも費用対効果を高めることが可能である。
【0039】
ここで、以上の実施形態おける透過画像提供システムでは、DR撮影に機能するその骨格部分にX線CTを用いていたが、これに代えてDR専用装置を用いるようにすることももちろん可能である。
【0040】
以下では、上記のようなDRによる透過画像提供システムを併用したX線CT・DR撮影サービスシステムの実施形態について説明する。図7に一実施形態によるX線CT・DR撮影サービスシステムの構成を模式化して示す。顧客610(通常は企業)と、データセンタ620、代金回収会社630、運送会社640、撮影作業会社650は、それぞれ情報端末装置611、621、631、641、651を持ち、これらの端末および銀行660のサーバはそれぞれ相互に通信ネットワーク670により接続されている。通信ネットワークの回線は、専用回線でも、あるいはインターネットのような間接的に接続される通信ネットワークでもよい。それぞれの情報端末装置にはデータ記憶手段612、622、632、642、652が接続されており、撮影作業会社650のデータ記憶手段652と情報端末装置651は、ワークステーション653とも接続されている。
【0041】
ワークステーション653は、示X線CT装置654を制御してCT撮影データからの断層像や立体像を作成すると共に、上で説明した透過画像提供システムにおけるのと同様な透過画像を作成する。すなわちワークステーション653は、図1の透過画像提供システムにおける信号処理・画像再構成手段6の機能とX線CT制御手段9の機能に対応する機能を担っている。
【0042】
データ記憶手段652には、撮影記録データベース655があり、撮影で得られた元データや上記各種データ処理の結果が、注文件ごとに顧客No.やそれに関連づけられた発注No.および撮影条件の記録と共に保存される。一方、データセンタ内のデータ記憶手段622は、撮影の注文情報を管理する注文管理データベース623を保有しており、これは顧客情報管理・登録システム625と、価格データベース626、およびX線CT装置性能・撮影例データベース627から構成されている。またデータ記憶手段622は、撮影仕様確認・見積システム624を保有している。
【0043】
顧客情報管理・登録システム625には、顧客の氏名、会社名、住所、電話番号、支払者名、銀行口座番号等、撮影サービス受注に必要な顧客情報と顧客の過去の発注履歴が格納されており、価格データベース626には、撮影費用算出の根拠となる各種撮影単価が保存されている。X線CT装置性能・撮影例データベース627は、X線CT装置の性能や断層撮影例等、PR資料が保存されている。
【0044】
撮影仕様確認・見積システム624は、顧客が撮影を依頼するために必要な事項を入力するための撮影メニューをWeb上に表示し、顧客の入力した撮影仕様について、X線CT装置性能・撮影例データベースの情報をもとに撮影の可否をチェックし、撮影可能である場合には価格データベースの情報をもとに撮影価格を見積もり、表示する。この際、顧客の希望する撮影が、過去に撮影した被検体を再度被検体とする場合には、発注履歴の情報を使用する。発注履歴は発注番号で管理されているのでこの番号をもとに、撮影作業会社650の撮影記録データベース652から該当する撮影履歴を呼び出し、その撮影条件の情報をWebに表示する。
【0045】
以上のような注文管理データベース623の情報は、通信ネットワーク670を介してWeb形式等で提供され、顧客やデータセンタ、代金回収会社、運送会社および撮影作業会社それぞれの情報端末装置で確認することができ、それぞれに必要な情報が選択的に表示される。
【0046】
図8にX線CT・DR撮影サービスシステムにおける業務フローの一例を示す。試料の内部構造を精密に測定するのでなく試料中の欠陥等の有無と大まかな位置が判ればよいケースの場合、顧客がDRによる透過画像撮影を選択できるようにし、従来のX線CT撮影サービスにおける特定断面撮影や立体像撮影に加えて、このDR撮影も選択できるようにしている。また、撮影で得られたCT値あるいは密度の値を用いて顧客自身が表示画面上のDR画像の画質を変更できるようにすることで、欠陥等の目標物の検出を容易にし、且つ目標物の領域を顧客が指定できるようにすることで、目標物の判別能力を向上させている。
【0047】
また、顧客が目標物の3次元的な情報をより詳細に調べたい場合には、検出した目標物の領域の大まかな位置情報を用いて、欠陥部分の断面構造や3次元構造の把握に必要な撮影領域と、その撮影に掛かる費用を割り出せるようにし、顧客がその撮影の発注を検討するための材料を提供できるようにしている。
【0048】
以下、図8のフローの用いて業務の詳細を説明する。まず顧客701が、所有する情報端末装置から通信ネットワークを使ってデータセンタ702が管理する注文管理データベース713にアクセスすると、当該データベースは顧客が会員として登録されているか否かを尋ね、顧客が会員でない場合は顧客に顧客名や住所電話番号、支払人氏名、引き落とし口座番号等、取引に必要な顧客情報を入力するよう指示し、顧客が既に会員である場合は顧客名や会員番号、ID等、会員の識別に必要な情報を入力するよう指示する(711)。
【0049】
会員でない顧客が会員登録に必要な顧客情報を入力すると(712)、注文管理データベース713は該顧客情報を仮会員として登録し、仮の会員番号とIDを割り当てる。顧客の仮登録が完了すると、注文管理データベースは該顧客に仮の会員番号とIDをメールやWeb等を介して通知する(714)。仮の会員番号とIDを交付された顧客は、以降は既に会員である顧客と同様の手続きで撮影注文が可能となる。
【0050】
既に会員である顧客および仮の会員として登録された顧客が注文管理データベース713にアクセスし、会員名や仮または正規の会員番号・ID等、必要な情報を入力すると(715)、注文管理データベースは保存されている顧客情報とこれを照合する。データベースの顧客情報と該入力内容が一致したら、注文管理データベースは、代金回収会社703に該顧客の与信チェックをメールまたはWebあるいはその他の手段により依頼する(716)。
【0051】
代金回収会社703は、顧客情報を基に顧客の与信チェックを行ない、与信結果を撮影作業会社705に連絡する(717)。撮影作業会社は与信内容を確認し、与信内容が「否」であった場合は、受注をお断りする旨をメールやWeb上で顧客に連絡し(718)、顧客が仮登録会員であった場合は注文管理データベースに仮登録した当該顧客情報を取消し削除しその旨も合わせて顧客に連絡する。顧客が連絡内容を確認した時点で処理は終了となる(719)。ここで、代金回収会社が与信チェック結果を撮影作業会社705ではなくデータセンタ702の注文管理データベースに連絡するようにし、与信結果が否の場合は注文管理データベースから自動的にメールやWeb等により顧客へ注文受付拒否の連絡が届くようにしてもよい。
【0052】
一方、与信内容が可(取引可能)であれば、注文管理データベースは顧客に注文仕様の入力を許可し、顧客の情報端末装置上に撮影仕様を入力する画面を表示する(720)。顧客はこの撮影仕様入力画面の指示に従い、撮影仕様を入力してゆく。まず顧客は、今回の注文が、過去に本撮影サービスで撮影した被検体の追加撮影であるか、あるいは新規の被検体についての撮影であるかを選択する(721)。この追加撮影には、先にも述べたように、CT撮影の撮影領域追加の他にも、以前DR撮影を行なった被検体について、より詳しい立体形状情報を得るためCT撮影を行なう場合も含まれる。新規の撮影か追加の撮影かによって、仕様の入力方法は以下のように分かれる。
【0053】
新規の被検体を撮影する場合は、まずその新しい被検体についての形状等の情報を入力し(722)、次いで目的に合った撮影方法を選択し(723)、撮影したい領域を指定する(724)。ここで必要な被検体の情報は、X線CT装置654で撮影が可能であるかを判断するため、被検体の直径、高さ、重量、鉄換算厚さ等の情報を入力するものであり、撮影方法は、先に述べたようにDR撮影による簡易目標物検出、CT撮影による特定断面撮影、および特定3次元領域の立体撮影という3つの方法から選択する。そして各撮影方法ごとに定められた撮影仕様指定方法に従い、撮影領域を指定する。撮影領域の指定方法の詳細は後述する。
【0054】
一方、過去にDR撮影した被検体の追加撮影の場合は、まず注文管理データベースが過去の注文記録の中から顧客の撮影記録を検索し、保存されている注文受付日と被検体の名称、外形寸法、撮影内容の概要等、顧客が被検体を識別するのに必要な情報を一覧にして、顧客の情報端末装置に表示する(725)。顧客がその一覧の中から今回追加撮影を希望する被検体の記録を少なくとも一つ指定すると(726)、注文管理データベースは、該当撮影記録の撮影仕様詳細についての情報提供を、撮影作業会社705の管理する撮影記録データベースに通信ネットワークを介して要求する(727)。撮影記録データベースは、要求された情報を取り出し、顧客の情報端末装置に表示する(728)。
【0055】
すなわち、被検体の外観画像上に複数のDR撮影結果から求めた欠陥等の目標物の位置もあわせて表示する。目標物の簡易検出を行なった被検体についての追加撮影は、その殆どが検出した目標物領域についてより詳細な構造を調べるための断層撮影や立体像の撮影であり、追加撮影仕様の指定には該目標物領域の表示が必須である。詳細は後述する。
【0056】
また、顧客が指定した撮影記録の他に同一被検体についての撮影記録が幾つかある場合には、注文管理データベースは該当する記録を全て抽出し、その情報を元に撮影記録データベースから該被検体の過去全ての撮影範囲や撮影結果を選び出し、顧客の情報端末装置に表示させてもよい。
【0057】
次に、顧客が今回追加で行なう撮影方法(撮影種類)(730)と撮影領域(撮影範囲)(731)を情報端末装置上で指定する。被検体の過去の撮影仕様や結果を表示させた上で、新規の場合と同様、3つの撮影方法から適した方法を選択し、詳細仕様を入力するという手順となる。入力内容の漏れのチェック等を行ない、これらに問題が無ければ、注文受付OKとし(734)、顧客からの受付処理を終了し、撮影作業会社に注文連絡をメール等で連絡する(736、737)。
【0058】
以降の手順は例えば特開2000−298106号公報に開示される「X線CT利用システム」のような従来システムと変わりなく、以下に簡単に述べる。撮影作業会社705は仕様を確認し(738)、撮影の可否をチェックして(739)、X線CT装置654の撮影性能に合わない場合には断り連絡を(740)、可能な場合には代金回収会社704に受注連絡を送信し(741)、代金回収会社は顧客に受注確定情報(撮影内容や金額を含む)送信する。もちろんこの部分は書類の郵送等で行なってもよい。
【0059】
以降は、撮影作業会社705は撮影手配を実施し(748)、顧客701から運送会社704が試料を運搬してくると、それを受け取って(750)撮影作業を実施する(751)。以降の商品発送(商品としての撮影画像などの提供)、代金回収については図8のフロー図に示すとおりである。
【0060】
ここで、本実施形態では、データセンタ702と代金回収会社703が撮影作業会社705と別会社になっているが、もちろん同一会社がすべての役割を実行するようにしてもよい。
【0061】
図9は新規注文(図8の722〜724)の場合における顧客610の情報端末装置611上での発注画面300の例を示す。画面上には試料の大きさ301、試料数302、撮影仕様303の各入力欄があり、発注条件を決められるようになっている。さらに詳細仕様ボタン3041〜3047をクリックすることにより詳細な撮影条件を入力できる。本実施形態では「透過撮影による簡易欠陥検出」を指定できる。画面上の入力欄や撮影の種類を選択すると自動的に見積金額が出力305され、発注ボタン306をクリックすることにより注文申し込み(図8の732)がなされる。このように、本実施形態においては顧客が透過撮影(DR)による簡易欠陥検出サービスを受けることが可能になる。
【0062】
図10は既に顧客が透過撮影による簡易欠陥検出サービスを利用しており、その撮影データを活用してCT撮影をさらに発注する場合における顧客610の情報端末装置611上での発注画面400を示す。以前の撮影時における撮影番号等の情報401が表示され、DR撮影のスーパーインポーズ画像403が表示される。画像403上にはカーソルA404とカーソルB405が表示され、マウス等で画面上を移動させることができ、それぞれに試料の高さ方向の位置が示されている。カーソル位置は対象範囲406に表示される。要求したい撮影の種類は特定断面画像408または部分立体画像410から選択する。特定断面画像はCT画像1枚ごとの高さ方向409を指定し、部分立体像撮影では高さの開始と終了位置411を指定する。すなわち複数枚のCT撮影である。設定ボタン407をクリックすると特定断面撮影ではカーソルAの高さが位置データ409として入力される。また、部分立体像撮影を選択している場合にはカーソルAとBの値が位置データ411として入力される。これらの入力は設定ボタンをクリックするたびに行なわれ、合計見積もり金額412が表示される。撮影条件を入力し終わると、発注ボタン413をクリックすることにより、注文申し込み(図8の732)が可能となる。
【0063】
以上の説明から理解されるように、本発明によるX線CT・DR撮影サービスシステムは、DR撮影による透過画像の提供が併用されており、被検体の内部における欠陥等の目標物をその概略的な位置と大きさと共に簡易に検出するサービスを提供することができる。また、顧客が目標物に関するさらに詳細なCT撮影データを必要とする場合に、この簡易な目標物検出の結果に基づいてCT撮影をなす範囲を必要最小限に限定することができ、これによりCT撮影についてもその撮影時間を大幅に短縮することを可能とする。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、何れも簡易である外観撮影とDR撮影で得られる画像を用いるだけで、被検体内部の欠陥等の目標物をその概略的な位置と大きさと共に容易に把握することができるようになる。このため、被検体についてその内部の欠陥等の有無とその概略の位置や大きさを知れば足り、被検体内部の立体形状を精密に把握する必要はないといったニーズに対して、簡便かつ安価に対応して費用対効果を高めることが可能となるし、また目標物に関する詳細なデータをCT撮影で得たいという場合でも、DR撮影による目標物の簡易検出のデータを活用することでCT撮影に対する必要最小限の範囲を特定することができ、このことによりCT撮影についてもその撮影時間を大幅に短縮できるようになり、その費用対効果を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態による透過画像提供システムの構成図である。
【図2】信号処理・画像再構成手段のDR撮影時の動作を示した図である。
【図3】信号処理・画像再構成手段のDR撮影時の動作で得られるデータの説明図である。
【図4】目標物領域指定処理を手動で行なう場合の表示画面の例を示す図である。
【図5】目標物領域指定処理を自動で行なう場合の表示画面の例を示す図である。
【図6】外観画像に目標物の位置算出結果を重ね合わせて表示した目標物位置算出結果画面の一例を示す図である。
【図7】一実施例によるX線CT・DR撮影サービスシステムの構成図である。
【図8】X線CT・DR撮影サービスシステムにおける業務フローを示す図である。
【図9】新規注文の場合における顧客情報端末装置の発注画面の例を示す図である。
【図10】既存撮影データを活用してCT撮影を発注する場合における顧客情報端末装置の発注画面の例を示す図である
【図11】従来の産業用X線CT装置の構成図である。
【符号の説明】
1 電子線加速器(DR処理のための手段を構成)
3 スキャナ(DR処理のための手段を構成)
4 X線センサ(DR処理のための手段を構成)
6 信号処理・画像再構成手段(DR処理のための手段、目標物3次元データ算出処理のための手段、透過画像を表示するのための手段等を構成)
7 表示手段
10 外観画像入力手段(外観画像取得処理のための手段を構成)
11 3次元位置算出機能(目標物3次元データ算出処理のための手段を構成)
12 スーパーインポーズ機(能透過画像を表示するのための手段を構成)
14 被検体
20、21、103、105 DR画像(透過2次元画像)
27 外観画像
28 透過画像
30 操作手段(目標物領域指定処理のための手段を構成)
P1、P2 目標物
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば鋳造物などの被検体の内部にある巣や亀裂のような欠陥などの目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像を提供する透過画像提供システムとこれを併用したX線CT・DR撮影サービスシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図11に従来の産業用X線CT装置の構成を模式化して示す。X線CT装置13は、X線ファンビーム2を出力する電子線加速器1と、被検体14を設置するスキャナ3、被検体14を透過してきたX線を検出するX線センサ4(4−1〜4−512)と、X線センサ4のS/N比を向上させるためX線センサ4への散乱X線の入射を抑える役割をするコリメータ5、およびX線センサ4からの信号を増幅してデジタル変換し画像の再構成を行なう信号処理・画像再構成手段6、画像再構成により作成された画像やその他の情報を表示する表示手段7、撮影データや再構成された画像情報および撮影仕様(撮影時の諸条件)の情報等を保存する記憶手段8、信号処理・画像再構成手段6からの制御信号を用いて電子線加速器1とスキャナ3の動作を制御するX線CT制御手段9からなる。
【0003】
このX線CT装置13は、被検体を回転させて1断面を撮影する第3世代のX線CT装置であり、スキャナ3は回転機能の他に、被検体の高さ方向について断面撮影を行なうために上下に動作する機能を持つ。この他第二世代と呼ばれるX線CT装置もあるが、この第二世代のX線CT装置の場合は、X線ファンビームが狭いために、スキャナが回転機能と上下動作機能の他に、加速器とX線センサを結ぶ直線に対して直角に並進動作する機能も持っている。
【0004】
電子線加速器1は、制御用ケーブル16によりX線CT制御手段9に接続され、X線CT制御手段9によりX線ファンビームの発生・停止が制御される。スキャナ3も同様に制御ケーブル15でX線CT制御手段9に接続され、その回転や上下動等が制御される。
【0005】
X線センサ4は一列に配置されており、その数が多いほど撮影解像度が向上する。図の例では512個が設置されている。このX線センサ4は、電子線加速器1からX線パルスが出力される毎に、被検体を透過してきたX線を検出する。X線センサ4から出力されたX線量に対応する信号は、増幅されると共にデジタル信号に変換された後、信号ケーブル17を通して信号処理・画像再構成手段6に送られる。信号処理・画像再構成手段6は、送られてくる信号データを用いて、CT画像の再構成を行なう。なお図ではX線センサからの出力信号の増幅とA/D変換をなす手段については図示を省略してある。
【0006】
画像再構成とは、スキャナの回転や上下動(第2世代の場合にはこれに並進が加わる)の組合せにより決定されるスキャナとX線ファンビーム各線との相対的な3次元位置情報と、各位置におけるX線減衰量から、被検体の2次元あるいは3次元の密度分布を割り出し、断層像として可視化することである。すなわち画像再構成においては、被検体の各撮影断面の断層画像を表す2次元ビットマップデータと、さらに上下方向に断層像を積み重ねることにより被検体の内部を含めた立体像を表す3次元ビットマップデータが作成される。これらのデータは記憶手段8に格納され、必要に応じて画像表示手段7に断層像や立体像として表示される。
【0007】
またX線CT装置では、先の断層像や立体像撮影の他に、スキャナ3に上下動作のみを行ななわせることで被検体内部の透過2次元画像を得るデジタルラジオグラフィ(以下DR)撮影も可能である。このDR撮影で得られる透過2次元画像についても、その2次元ビットマップデータが記憶手段8へ格納され、画像表示手段7に表示される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
産業用X線CT技術を用いて撮影した被検体の画像を利用する目的には、例えばコンピュータ画像処理:応用実践編(第1巻):田村秀行編 総研出版、P18〜29(1990)等の文献に見られるように、被検体の内部欠陥検出、内部寸法計測、内部構造観察、内部密度分布計測、等がある。これら用途のうちの内部欠陥検出では、例えば鋳造物の巣や亀裂等を検査するのが代表的な例で、このような検査を産業用X線CT装置で行なうについては一つの問題がある。それは、被検体のどの位置でそれらの欠陥が発生しているかを予め正確に予測することができない場合が多ことに由来する。すなわち、X線CT装置による断層撮影で鋳造物における局所的で微小な巣の有無等を評価しようとすると、その局所的で微小な巣等の探索のために被検体の全体あるいは欠陥の存在が予想される比較的広範な領域を細分して断層撮影する必要があり、いたずらに多大の撮影時間と費用が掛かってしまうということである。
【0009】
むろん、被検体の全体をX線CTで詳細に撮影することは、検査としては望ましいことであるが、検査目的によっては、欠陥の有無とその被検体全体に対する大まかな位置情報だけ判ればよいケースもあり、このような検査目的に応じた、より簡便で安価な検査方法が求められることになる。また欠陥部分の詳細な3次元形状を知るためにX線CT像を必要とする場合でも、まず簡便で安価な検査方法により欠陥の被検体全体に対する大まかな位置を指定し、この位置指定に基づいて限定された狭い範囲についてX線CTによる撮影を行なえるようにすることが費用対効果の上で望ましいことになる。
【0010】
このような簡便で安価な検査の手法としてはDRを用いるのが有効であるといえる。すなわち、DR撮影には、X線CT撮影に比べて格段に短い時間で被検体全体の透過画像を撮影することができるという特徴がある。また透過画像を短時間で得る他の手法である、X線フィルムを用いた透過像撮影と比較した場合に、ダイナミックレンジが広く、表示手段に表示したDR画像の濃度を広い濃度範囲で調整することが可能であるという特徴もある。そのため、DR画像では、濃度調整を行ないながら検査することにより、微細な欠陥をX線フィルム画像におけるよりも容易に検出することが可能となる。なお、X線撮影装置で透過2次元画像を取得する技術に関しては、例えば特開平4−152936号、特開平7−59763号、特開平8−112272号の各公報に開示の例が知られている。しかしこれらの技術は、上でいう簡便で安価な検査の手法としてのDR撮影とは技術目的において大きく異なるものである。
【0011】
以上のようなDRを用いる簡便で安価な検査方法は、例えば特開2000−298106号公報に開示される「X線CT利用システム」に代表されるような、コンピュータネットワーク等を通じて産業用X線CT装置の広い活用を図るサービスシステムに併用することでその有用性をさらに高めることができるようになるといえる。
【0012】
本発明は、以上のような事情を背景になされたものであり、被検体内部における欠陥等の目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像をDRの利用により簡便で安価に得ることのできる透過画像提供システムの提供を第1の目的とし、またこれを併用したX線CT・DR撮影サービスシステムの提供を第2の目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記第1の目的を達成するために、被検体内部における目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像を提供する透過画像提供システムであって、前記被検体の外観を撮影して外観画像を取得する外観画像取得処理のための手段、前記被検体に対する撮影方向をそれぞれ異ならせた複数の透過2次元画像をデジタルラジオグラフィにより取得するDR処理のための手段、前記DR処理で得られた各透過2次元画像について被検体内部の目標物を検出してその被検体内部における概略の2次元位置と大きさを指定する目標物領域指定処理のための手段、前記目標物領域指定処理で得られた各透過2次元画像における目標物の概略の2次元位置と大きさに基づいて当該目標物の前記被検体内部における概略の3次元位置と大きさを算出する目標物3次元データ算出処理のための手段、および前記目標物を前記目標物3次元データ算出処理で算出された概略の3次元位置と大きさに基づいて前記外観画像に重ね合わせた前記透過画像を表示するのための手段を備えてなる透過画像提供システムを提供する。
【0014】
また本発明では、上記のような透過画像提供システムについて、目標物領域指定処理では、複数の透過2次元画像を表示手段に表示し、操作者が、この表示された複数の透過2次元画像を見ながら、被検体内部の目標物の検出およびその被検体内部における目標物の概略の2次元位置と大きさの指定をなせるようにしている。
【0015】
また本発明では上記第2の目的を達成するために、顧客からの情報端末装置を介した依頼に応じてX線CT装置による被検体の撮影サービスを行なうようになっているX線CT・DR撮影サービスシステムであって、上記のような透過画像提供システムによる、被検体内部における目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像の提供を撮影サービスに含ませてなるX線CT・DR撮影サービスシステムを提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に、本発明の一実施形態による透過画像提供システムの構成を模式化して示す。この透過画像提供システムは、従来のX線CT装置を骨格としており、これに、外観画像入力手段10、3次元位置算出機能11、スーパーインポーズ機能(画像重合せ表示機能)12、および操作手段30を付加した構成となっている。
【0017】
外観画像入力手段10は、被検体14の外観を撮影して外観画像を取得する外観画像取得処理のための手段を構成している。本実施形態では外観画像入力装置10にCCDカメラを用いている。CCDカメラは、その画像をデジタルデータとして取り込めるので本透過画像提供システムで必要とする処理に都合がよい。外観画像入力手段10による被検体14の外観撮影の方向は適宜でよい。ただ外観画像は、後述のDR画像取得処理で得られる複数の透過2次元画像(DR画像)を用いて指定される被検体中の目標物の像をそこにスーパーインポーズすることで当該目標物の被検体内部での位置関係等をわかり易く表示するのに用いるものであるから、被検体の立体的な形を認識し易い方向を設定するのがより好ましく、本実施形態ではそのような例として、斜め45度上方から撮影するようにしている。
【0018】
3次元位置算出機能11は、信号処理・画像再構成手段6に組み込まれており、後述の目標物領域指定処理で得られる透過2次元画像における目標物の概略的な2次元位置と大きさに基づいて当該目標物の被検体内部における概略的な3次元位置と大きさを算出する機能を負っている。このような3次元位置算出機能11が組み込まれた信号処理・画像再構成手段6は、後述の目標物3次元データ算出処理のための手段を構成することになる。
【0019】
スーパーインポーズ機能12は、同じく信号処理・画像再構成手段6に組み込まれており、上記複数の透過2次元画像を用いて指定される被検体中の目標物の像を外観画像に重ね合わせて表示する機能を負っている。したがって信号処理・画像再構成手段6は、目標物の像を外観画像に重ね合わせて表示するための手段も構成することになる。
【0020】
操作手段30は、上記複数の透過2次元画像について被検体内部の目標物を検出してその被検体内部における概略の2次元位置と大きさを指定する目標物領域指定処理をなすための手段を構成している。目標物領域指定処理には後述のように、操作者が主体になって処理を進める手動処理と、信号処理・画像再構成手段6に組み込むなどすることのできる処理機能により自動的に進める自動処理とがある。操作手段30は主に、その手動処理において、表示手段7に表示した透過2次元画像中でカーソルを捜査して目標物の検出やその位置と大きさの指定をなすのに用いられるものであり、例えばマウスやキーボード等をこれに用いることができる。
【0021】
信号処理・画像再構成手段6は、上述のように標物3次元データ算出処理のための手段と目標物の像を外観画像に重ね合わせて表示するための手段を構成するが、この他にも後述するDR処理のための手段も電子線加速器1、スキャナ3およびX線センサ4などと共に構成している。これら以外のX線CT装置の構成や機能は図11に関して上で説明した従来のそれと同様なので、上での説明を援用する。
【0022】
次に、以上のような構成の透過画像提供システムにおける処理動作について説明する。図2には一連の処理に関するフローチャートを示してある。透過画像提供システムにおける一連の処理には、主なものとして、被検体14の外観を撮影して外観画像を取得する外観画像取得処理(図2のL2に対応)、被検体に対する撮影方向をそれぞれ異ならせた複数の透過2次元画像をDR撮影により取得するDR処理(図2のL3とL4に対応)、このDR処理で得られた各透過2次元画像について被検体内部の目標物(例えば被検体が鋳造物であれば巣や亀裂等)を検出してその被検体内部における概略の2次元位置と大きさを指定する目標物領域指定処理(図2のL5に対応)、この目標物領域指定処理で得られた各透過2次元画像における目標物の概略の2次元位置と大きさに基づいて当該目標物の被検体内部における概略の3次元位置と大きさを算出する目標物3次元データ算出処理(図2のL5に対応)、および目標物を目標物3次元データ算出処理で算出された概略の3次元位置と大きさに基づいて被検体の外観像に重ね合わせて表示する重合せ表示処理(図2のL6に対応)が含まれている。
【0023】
以下、これらについて順を追って説明する。図2のフローチャートでは省略してあるが、一連の処理に先立って被検体14をスキャナ3の上に載せる処理がまずある。それから一連の処理を開始するにあたってX線CT装置における測定条件(撮影条件)を設定する(L1)。測定条件は従来のX線CT装置でなされていたのと同様に、操作者が制御データを入力して設定するか、またはあらかじめ記憶手段8等に格納してある制御データを元に設定される。次に、スキャナに初期位置(撮影前に設定される位置)を取らせ、外観画像入力装置10を作動させて、被検体14の外観データを取得する(L2)。それから、被検体のDR撮影を行なう。被検体のDR撮影は複数の方向から行なう必要があるが、最低限必要であるのは適切に異ならせた角度(この角度としては90度が最も適切である)の2方向からの撮影である。本実施形態では撮影方向Aと撮影方向Bの2方向で行なうようにしており、まず撮影方向Aにスキャナを回転させ、被検体を上下方向に移動しながらDR撮影する(L3)。次いで、90度スキャナを回転させ、撮影方向Bに被検体を移動し、DR撮影する(L4)。
【0024】
DR撮影を終えたら、目標物領域指定処理(L5の「目標物の同定」に含まれる)を行なう。そのためにはまず撮影方向Aと撮影方向Bの両DR画像(透過2次元画像)を表示手段7に同時に表示する(図4)。それから操作者がこの表示画面を見ながら目標物を検出し、その2次元位置と大きさを操作手段30で表示画面上のカーソルを操作するなどして指定する。その結果に基づき、3次元位置算出機能11は目標物の3次元の位置と大きさを計算する(L5の「目標物の同定」に含まれる)。なおここで説明した目標物領域指定処理は手動によるものである。自動で目標物領域指定処理を行なう場合には、正常な被検体つまり目標物となる欠陥等のない被検体についてのDRデータがあらかじめ用意しておき、この正常被検体のDRデータを撮影した被検体のDRデータと比較することで目標物の位置、大きさを自動的に指定することができる。そのような機能は例えば3次元位置検出機能11に含ませることができる。
【0025】
次に、3次元の位置と大きさが決定された目標物を被検体の外観画像(より具体的には外観画像取得処理で得られる外観画像データから作成されるワイヤフレームのような線画像)にスーパーインポーズ機能で重ね合わせることで、目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像として表示する(L6)。この透過画像においては、外観画像を斜め上方から撮影するなどして被検体の立体形状を容易に認識できるようにされているので、目標物の3次元分布がわかり易く表示される。したがってこの重ね合わせ表示の透過画像を観察することで、被検体内における例えば巣や亀裂等の欠陥の分布を容易に把握することができ、これにより被検体の良否を判定したり、またより詳細なCT断層像の要否の判断やそれに必要な最小限の撮影範囲の決定をなしたりすることができる。
【0026】
最後に、以上の各処理で取得した各データ(2方向からの撮影によるDRデータ、スーパーインポーズ表示データ等)を記憶手段8に格納し(L7)、次のDR撮影があれば同様の処理を繰り返し、ない場合には処理を終了する(L8)。
【0027】
図3には、以上のような一連の処理におけるX線CT装置の動作や一連の処理で得られるデータ等を説明する図を示してある。最上部は撮影方向Aと撮影方向Bを模式的に示している。実際にはスキャナが90度回転するので、被検体が90度回転することになるが、ここでは、相対的に加速器1、コリメータ5、検出器4の回転として示している。2回のDR測定(DR撮影)(図2のL3、L4)により、DR画像20とDR画像21が得られる。一方、外観画像入力装置10からは外観画像(外観データ)27が得られる。外観データ27中に示すX、Y、Z軸はスキャナの軸である。X軸はコリメータ5に平行な方向、Y軸はコリメータ5に垂直な方向、Z軸は上下方向である。DR画像21ではX軸とZ軸は図示した方向になる。DR画像20ではY軸とZ軸は図示した方向になる。
【0028】
このように各画像中に共通の座標軸を設定することにより、目標物P1、P2の各DR画像20、21中での概略的な位置を指定することができる(図2のL5に対応)。例えば、目標物P1の座標は(x1、z1)(ただしyは不明)、x方向、z方向それぞれの大きさは(Δx1、Δz1)と指定できる。指定方法は後述する。
【0029】
画像26は、z=z1でCT撮影したと仮定した場合に得られる断層画像と目標物の指定方法の原理を示している。むろん、DRだけでは画像26は得られないが、DR画像20と21から2つの情報、すなわち範囲26aと範囲26bの交差する範囲に目標物P1があるであろうとの推測が成り立つ。すなわち、交差領域26cである。目標物の大きさを正確に表示することはできないが、このように複数(この例では2つ)のDR画像から、概略の3次元位置を見いだすことが可能である。実際の目標物の指定方法は後述する。
【0030】
このように目標物の概略3次元位置が決定できれば、外観データ27にそれら目標物を表示することができる。図3中に示した画像28は、外観画像27に目標物P1、P2をスーパーインポーズ手法で重ね合わせて表示した透過画像の例である。そのためのスーパーインポーズ手法としては従来から一般に用いられているそれを用いることができる。
【0031】
以下では、目標物領域指定処理以降について、さらに詳細に説明する。図4は、目標物領域指定処理における目標物領域指定画面の一例を示している。上記のようにして2方向からのDR画像を取得すると、3次元位置算出機能11に組み込まれている機能により、表示手段7に目標物領域指定画面100が表示される。目標物領域指定画面100には、角度を90度異ならせた撮影方向A、Bから撮影されたDR画像103、105と、DR撮影の明暗レベルを調整する明暗調整機能109、および全ての目標物領域の指定が終了したことを3次元位置算出機能11に知らせるための領域指定終了ボタン110が配置され、さらに付加的に拡大ボタン106と縮小ボタン107も配置されている。
【0032】
まず操作者は、明暗調整機能109を操作手段30により操作し、DR画像の明暗を調整して目標物を視認し易い画像を設定しながら、目標物の有無を目視検査する。X線センサ4のダイナミックレンジは3から4桁あるので、この広いダイナミックレンジを利用してDR画像のコントラストを適切に調節しながら観察することにより、X線フィルム画像で同様なことをなすのに比べ、微小な目標物でも容易に検出することが可能となる。また、密度解像度についてもDR画像は、X線フィルム画像に比較して、各段に高く、このことでも目標物の検出能力が高まる。さらに、DR画像は、そのデータがデジタル化されているために、任意の部分を拡大したり縮小したりすることが容易である。そこでこの特徴を活かした画像の拡大縮小機能(拡大ボタン106、縮小ボタン107)を設けることにより、DR画像を望みの範囲で適宜に拡大表示するなどして、目標物の判別をさらに容易に行なうことが可能となる。すなわちDR画像は、広い範囲のコントラスト調整、高密度解像度それに拡大縮小の容易性といった特徴を有しており、このような特徴により、例えば鋳造物の巣や亀裂等のような目標物をより容易に検出することを可能するものであり、この点において、簡便で安価な検査の手法としてDRが特に優れたものとなる。なお図4の例では画質調整方法としてコントラスト調整(CT値または密度レベルの調整)を用い、画面上のレバーで明暗の中央値を移動させる仕組みとしてあるが、この他にもガンマ補正、エッジ強調等、一般の画像処理で用いられる手法を用いることができる。
【0033】
目標物領域指定画面100において目視検査で目標物をDR画像中に発見したら、操作者はその目標物の領域(位置と大きさ)を画面上で指定する。具体的には、操作手段30を通じてDR画像上のカーソル104を目標物に沿って動かすと、その部分に選択した大きさの領域が表示される(点線の部分111)。この領域は、指定後も操作手段30による操作で移動や削除、縦横のサイズ変更等が可能である。これにより操作者は、目標物として3次元上の位置を算出したい各DR画像103、105上の全ての領域を領域指定し、そのうち同一目標物を表すと考えられる領域については、DR画像103と105で目標物番号を同じ番号にする。同じ目標物番号を付加した指定領域は、それぞれの目標物番号固有の色で表示するようにするとさらに好ましい。
【0034】
ここで同一目標物と考えられるのは、図中のDR画像A103、B105では、指定領域111と112、あるいは指定領域113と114のように、被検体内での高さ方向の位置・大きさがほぼ同じものである。場合によっては別方向から撮影したDR画像で同じ程度の高さ位置に同一目標物と考えられるような指定領域が見当らないことがあるが、これは、DR画像の撮影位置によって同じ高さの付近にある別の目標物と重なって一つに見えているような場合が考えられる。いずれにせよ、すべての画像上で目視できる目標物を対応づけるのはDR画像だけで困難であるので、その場合は関連づけを中止する。
【0035】
図5には、目標物領域指定作業を自動で行なう場合に表示手段7に表示される画面の一例である自動処理用の目標物領域指定画面120を示す。自動処理の場合には予め正常な被検体(正常製品)のDR画像データ122を準備しておき、検査品となる被検体のDR画像123と比較して目標物の有無を判断する。具体的には正製品のDR画像と検査対象となる被検体のDR画像との間に差異がある領域を全て目標物領域として自動的に領域指定する。ここで、自動に指定された領域は、自動的に差異を取り出しているだけなので、目標物でない領域を誤って指定している可能性もある。そこで操作者等によるチェックを行なえるようにするの好ましい。それには、画面上で選択領域の解除や変更を行なえるように、領域削除機能124等を設けておく。また、このチェックのためにはDR画像の画質を調整しながら目標物領域を確認できるようにするのが好ましく、そのために画質調整機能125を設けている。
【0036】
以上の手動処理、自動処理いずれの場合でも目標物領域の指定作業が終了すると、操作者が画面上の領域指定終了ボタン110または126を操作することにより、目標物領域指定画面は閉じられ、目標物3次元データ算出処理に移る。目標物3次元データ算出処理では、目標物領域指定処理で目標物として指定した指定領域の中から、各DR画像(103、105)上で同じ目標物番号を持つ指定領域を求め、その指定領域の位置情報と各DR画像の撮撮影位置情報から、目標物の被検体中での3次元空間上の位置を算出する。算出した結果は記憶手段8に格納される。
【0037】
次に、この算出した3次元位置データに基づいて、スーパーインポーズ機能12により目標物を外観データと重ね合わせて表示する。図6に、所定の角度から撮影した外観画像に目標物の位置算出結果を重ね合わせて表示した目標物位置算出結果画面130の一例を示す。目標物位置算出結果画面130は、外観画像を撮影した際の外観画像入力装置10の位置情報と、その際のスキャナの回転角度から、上記のようにして位置を算出した目標物領域がどのような見え方をするか計算し、この計算結果に基づいて外観画像に重ね合わせて表示したものである。通常は外観データの撮影条件は一定であるので、決定した各目標物の(x、y、z)座標と大きさから、スーパーインポーズ画像133上に自動配置される。図6では目標物1と2が表示されている。このアルゴリズムには従来の一般的なそれを用いることができる。なお図の例の目標物位置算出結果画面130では、スキャナ面から各目標物領域の底面までの距離等の数値情報134を画面上に同時に表示するようにしてあるが、これらの数値情報は目標物毎にスーパーインポーズ画像133上に表示する形態等としてもよい。このような目標物位置算出結果画面130のデータは記憶手段8に格納され、必要に応じて取り出せるようにされる。
【0038】
以上のように本発明による透過画像提供システムでは、何れも簡易である外観撮影とDR撮影で得られる画像を用いるだけで、被検体の内部にある例えば鋳造物の巣や亀裂のような欠陥等の目標物の位置と大きさの概略的な把握を容易とする透過画像が得られる。したがって本発明による透過画像提供システムによれば、被検体についてその内部の欠陥等の有無とその概略の位置や大きさを知れば足り、被検体内部の立体形状を精密に把握する必要はないといったニーズに対して、簡便かつ安価に対応して費用対効果を高めることが可能である。例えば、高さ300mmの被検体の内部欠陥検査で高さ2mm程度の欠陥を見つけようとする場合、従来一般に行なわれていたCT撮影であると、高さ方向に最低1mmピッチで断層画像を撮影することが望ましく、撮影に2時間ほどかかっていたのに対し、本発明のように外観撮影とDR撮影だけを用いる手法では、DR撮影に2方向で1分程度、外観撮影にはそれ以下といったきわめて短い撮影時間で済み、処理時間を大幅に短縮することができ、したがって処理費用の大幅な節減も可能となる。また、本発明による透過画像提供システムがもたらす目標物に関する大まかな情報は、その目標物に関して、より詳細なデータをCT画像で得たいという場合に、CT撮影をする必要な範囲を必要最小限に限定するのにも活用することができ、そのようにすることで、CT撮影についてもその撮影時間を大幅に短縮できるようになり、この場合にも費用対効果を高めることが可能である。
【0039】
ここで、以上の実施形態おける透過画像提供システムでは、DR撮影に機能するその骨格部分にX線CTを用いていたが、これに代えてDR専用装置を用いるようにすることももちろん可能である。
【0040】
以下では、上記のようなDRによる透過画像提供システムを併用したX線CT・DR撮影サービスシステムの実施形態について説明する。図7に一実施形態によるX線CT・DR撮影サービスシステムの構成を模式化して示す。顧客610(通常は企業)と、データセンタ620、代金回収会社630、運送会社640、撮影作業会社650は、それぞれ情報端末装置611、621、631、641、651を持ち、これらの端末および銀行660のサーバはそれぞれ相互に通信ネットワーク670により接続されている。通信ネットワークの回線は、専用回線でも、あるいはインターネットのような間接的に接続される通信ネットワークでもよい。それぞれの情報端末装置にはデータ記憶手段612、622、632、642、652が接続されており、撮影作業会社650のデータ記憶手段652と情報端末装置651は、ワークステーション653とも接続されている。
【0041】
ワークステーション653は、示X線CT装置654を制御してCT撮影データからの断層像や立体像を作成すると共に、上で説明した透過画像提供システムにおけるのと同様な透過画像を作成する。すなわちワークステーション653は、図1の透過画像提供システムにおける信号処理・画像再構成手段6の機能とX線CT制御手段9の機能に対応する機能を担っている。
【0042】
データ記憶手段652には、撮影記録データベース655があり、撮影で得られた元データや上記各種データ処理の結果が、注文件ごとに顧客No.やそれに関連づけられた発注No.および撮影条件の記録と共に保存される。一方、データセンタ内のデータ記憶手段622は、撮影の注文情報を管理する注文管理データベース623を保有しており、これは顧客情報管理・登録システム625と、価格データベース626、およびX線CT装置性能・撮影例データベース627から構成されている。またデータ記憶手段622は、撮影仕様確認・見積システム624を保有している。
【0043】
顧客情報管理・登録システム625には、顧客の氏名、会社名、住所、電話番号、支払者名、銀行口座番号等、撮影サービス受注に必要な顧客情報と顧客の過去の発注履歴が格納されており、価格データベース626には、撮影費用算出の根拠となる各種撮影単価が保存されている。X線CT装置性能・撮影例データベース627は、X線CT装置の性能や断層撮影例等、PR資料が保存されている。
【0044】
撮影仕様確認・見積システム624は、顧客が撮影を依頼するために必要な事項を入力するための撮影メニューをWeb上に表示し、顧客の入力した撮影仕様について、X線CT装置性能・撮影例データベースの情報をもとに撮影の可否をチェックし、撮影可能である場合には価格データベースの情報をもとに撮影価格を見積もり、表示する。この際、顧客の希望する撮影が、過去に撮影した被検体を再度被検体とする場合には、発注履歴の情報を使用する。発注履歴は発注番号で管理されているのでこの番号をもとに、撮影作業会社650の撮影記録データベース652から該当する撮影履歴を呼び出し、その撮影条件の情報をWebに表示する。
【0045】
以上のような注文管理データベース623の情報は、通信ネットワーク670を介してWeb形式等で提供され、顧客やデータセンタ、代金回収会社、運送会社および撮影作業会社それぞれの情報端末装置で確認することができ、それぞれに必要な情報が選択的に表示される。
【0046】
図8にX線CT・DR撮影サービスシステムにおける業務フローの一例を示す。試料の内部構造を精密に測定するのでなく試料中の欠陥等の有無と大まかな位置が判ればよいケースの場合、顧客がDRによる透過画像撮影を選択できるようにし、従来のX線CT撮影サービスにおける特定断面撮影や立体像撮影に加えて、このDR撮影も選択できるようにしている。また、撮影で得られたCT値あるいは密度の値を用いて顧客自身が表示画面上のDR画像の画質を変更できるようにすることで、欠陥等の目標物の検出を容易にし、且つ目標物の領域を顧客が指定できるようにすることで、目標物の判別能力を向上させている。
【0047】
また、顧客が目標物の3次元的な情報をより詳細に調べたい場合には、検出した目標物の領域の大まかな位置情報を用いて、欠陥部分の断面構造や3次元構造の把握に必要な撮影領域と、その撮影に掛かる費用を割り出せるようにし、顧客がその撮影の発注を検討するための材料を提供できるようにしている。
【0048】
以下、図8のフローの用いて業務の詳細を説明する。まず顧客701が、所有する情報端末装置から通信ネットワークを使ってデータセンタ702が管理する注文管理データベース713にアクセスすると、当該データベースは顧客が会員として登録されているか否かを尋ね、顧客が会員でない場合は顧客に顧客名や住所電話番号、支払人氏名、引き落とし口座番号等、取引に必要な顧客情報を入力するよう指示し、顧客が既に会員である場合は顧客名や会員番号、ID等、会員の識別に必要な情報を入力するよう指示する(711)。
【0049】
会員でない顧客が会員登録に必要な顧客情報を入力すると(712)、注文管理データベース713は該顧客情報を仮会員として登録し、仮の会員番号とIDを割り当てる。顧客の仮登録が完了すると、注文管理データベースは該顧客に仮の会員番号とIDをメールやWeb等を介して通知する(714)。仮の会員番号とIDを交付された顧客は、以降は既に会員である顧客と同様の手続きで撮影注文が可能となる。
【0050】
既に会員である顧客および仮の会員として登録された顧客が注文管理データベース713にアクセスし、会員名や仮または正規の会員番号・ID等、必要な情報を入力すると(715)、注文管理データベースは保存されている顧客情報とこれを照合する。データベースの顧客情報と該入力内容が一致したら、注文管理データベースは、代金回収会社703に該顧客の与信チェックをメールまたはWebあるいはその他の手段により依頼する(716)。
【0051】
代金回収会社703は、顧客情報を基に顧客の与信チェックを行ない、与信結果を撮影作業会社705に連絡する(717)。撮影作業会社は与信内容を確認し、与信内容が「否」であった場合は、受注をお断りする旨をメールやWeb上で顧客に連絡し(718)、顧客が仮登録会員であった場合は注文管理データベースに仮登録した当該顧客情報を取消し削除しその旨も合わせて顧客に連絡する。顧客が連絡内容を確認した時点で処理は終了となる(719)。ここで、代金回収会社が与信チェック結果を撮影作業会社705ではなくデータセンタ702の注文管理データベースに連絡するようにし、与信結果が否の場合は注文管理データベースから自動的にメールやWeb等により顧客へ注文受付拒否の連絡が届くようにしてもよい。
【0052】
一方、与信内容が可(取引可能)であれば、注文管理データベースは顧客に注文仕様の入力を許可し、顧客の情報端末装置上に撮影仕様を入力する画面を表示する(720)。顧客はこの撮影仕様入力画面の指示に従い、撮影仕様を入力してゆく。まず顧客は、今回の注文が、過去に本撮影サービスで撮影した被検体の追加撮影であるか、あるいは新規の被検体についての撮影であるかを選択する(721)。この追加撮影には、先にも述べたように、CT撮影の撮影領域追加の他にも、以前DR撮影を行なった被検体について、より詳しい立体形状情報を得るためCT撮影を行なう場合も含まれる。新規の撮影か追加の撮影かによって、仕様の入力方法は以下のように分かれる。
【0053】
新規の被検体を撮影する場合は、まずその新しい被検体についての形状等の情報を入力し(722)、次いで目的に合った撮影方法を選択し(723)、撮影したい領域を指定する(724)。ここで必要な被検体の情報は、X線CT装置654で撮影が可能であるかを判断するため、被検体の直径、高さ、重量、鉄換算厚さ等の情報を入力するものであり、撮影方法は、先に述べたようにDR撮影による簡易目標物検出、CT撮影による特定断面撮影、および特定3次元領域の立体撮影という3つの方法から選択する。そして各撮影方法ごとに定められた撮影仕様指定方法に従い、撮影領域を指定する。撮影領域の指定方法の詳細は後述する。
【0054】
一方、過去にDR撮影した被検体の追加撮影の場合は、まず注文管理データベースが過去の注文記録の中から顧客の撮影記録を検索し、保存されている注文受付日と被検体の名称、外形寸法、撮影内容の概要等、顧客が被検体を識別するのに必要な情報を一覧にして、顧客の情報端末装置に表示する(725)。顧客がその一覧の中から今回追加撮影を希望する被検体の記録を少なくとも一つ指定すると(726)、注文管理データベースは、該当撮影記録の撮影仕様詳細についての情報提供を、撮影作業会社705の管理する撮影記録データベースに通信ネットワークを介して要求する(727)。撮影記録データベースは、要求された情報を取り出し、顧客の情報端末装置に表示する(728)。
【0055】
すなわち、被検体の外観画像上に複数のDR撮影結果から求めた欠陥等の目標物の位置もあわせて表示する。目標物の簡易検出を行なった被検体についての追加撮影は、その殆どが検出した目標物領域についてより詳細な構造を調べるための断層撮影や立体像の撮影であり、追加撮影仕様の指定には該目標物領域の表示が必須である。詳細は後述する。
【0056】
また、顧客が指定した撮影記録の他に同一被検体についての撮影記録が幾つかある場合には、注文管理データベースは該当する記録を全て抽出し、その情報を元に撮影記録データベースから該被検体の過去全ての撮影範囲や撮影結果を選び出し、顧客の情報端末装置に表示させてもよい。
【0057】
次に、顧客が今回追加で行なう撮影方法(撮影種類)(730)と撮影領域(撮影範囲)(731)を情報端末装置上で指定する。被検体の過去の撮影仕様や結果を表示させた上で、新規の場合と同様、3つの撮影方法から適した方法を選択し、詳細仕様を入力するという手順となる。入力内容の漏れのチェック等を行ない、これらに問題が無ければ、注文受付OKとし(734)、顧客からの受付処理を終了し、撮影作業会社に注文連絡をメール等で連絡する(736、737)。
【0058】
以降の手順は例えば特開2000−298106号公報に開示される「X線CT利用システム」のような従来システムと変わりなく、以下に簡単に述べる。撮影作業会社705は仕様を確認し(738)、撮影の可否をチェックして(739)、X線CT装置654の撮影性能に合わない場合には断り連絡を(740)、可能な場合には代金回収会社704に受注連絡を送信し(741)、代金回収会社は顧客に受注確定情報(撮影内容や金額を含む)送信する。もちろんこの部分は書類の郵送等で行なってもよい。
【0059】
以降は、撮影作業会社705は撮影手配を実施し(748)、顧客701から運送会社704が試料を運搬してくると、それを受け取って(750)撮影作業を実施する(751)。以降の商品発送(商品としての撮影画像などの提供)、代金回収については図8のフロー図に示すとおりである。
【0060】
ここで、本実施形態では、データセンタ702と代金回収会社703が撮影作業会社705と別会社になっているが、もちろん同一会社がすべての役割を実行するようにしてもよい。
【0061】
図9は新規注文(図8の722〜724)の場合における顧客610の情報端末装置611上での発注画面300の例を示す。画面上には試料の大きさ301、試料数302、撮影仕様303の各入力欄があり、発注条件を決められるようになっている。さらに詳細仕様ボタン3041〜3047をクリックすることにより詳細な撮影条件を入力できる。本実施形態では「透過撮影による簡易欠陥検出」を指定できる。画面上の入力欄や撮影の種類を選択すると自動的に見積金額が出力305され、発注ボタン306をクリックすることにより注文申し込み(図8の732)がなされる。このように、本実施形態においては顧客が透過撮影(DR)による簡易欠陥検出サービスを受けることが可能になる。
【0062】
図10は既に顧客が透過撮影による簡易欠陥検出サービスを利用しており、その撮影データを活用してCT撮影をさらに発注する場合における顧客610の情報端末装置611上での発注画面400を示す。以前の撮影時における撮影番号等の情報401が表示され、DR撮影のスーパーインポーズ画像403が表示される。画像403上にはカーソルA404とカーソルB405が表示され、マウス等で画面上を移動させることができ、それぞれに試料の高さ方向の位置が示されている。カーソル位置は対象範囲406に表示される。要求したい撮影の種類は特定断面画像408または部分立体画像410から選択する。特定断面画像はCT画像1枚ごとの高さ方向409を指定し、部分立体像撮影では高さの開始と終了位置411を指定する。すなわち複数枚のCT撮影である。設定ボタン407をクリックすると特定断面撮影ではカーソルAの高さが位置データ409として入力される。また、部分立体像撮影を選択している場合にはカーソルAとBの値が位置データ411として入力される。これらの入力は設定ボタンをクリックするたびに行なわれ、合計見積もり金額412が表示される。撮影条件を入力し終わると、発注ボタン413をクリックすることにより、注文申し込み(図8の732)が可能となる。
【0063】
以上の説明から理解されるように、本発明によるX線CT・DR撮影サービスシステムは、DR撮影による透過画像の提供が併用されており、被検体の内部における欠陥等の目標物をその概略的な位置と大きさと共に簡易に検出するサービスを提供することができる。また、顧客が目標物に関するさらに詳細なCT撮影データを必要とする場合に、この簡易な目標物検出の結果に基づいてCT撮影をなす範囲を必要最小限に限定することができ、これによりCT撮影についてもその撮影時間を大幅に短縮することを可能とする。
【0064】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、何れも簡易である外観撮影とDR撮影で得られる画像を用いるだけで、被検体内部の欠陥等の目標物をその概略的な位置と大きさと共に容易に把握することができるようになる。このため、被検体についてその内部の欠陥等の有無とその概略の位置や大きさを知れば足り、被検体内部の立体形状を精密に把握する必要はないといったニーズに対して、簡便かつ安価に対応して費用対効果を高めることが可能となるし、また目標物に関する詳細なデータをCT撮影で得たいという場合でも、DR撮影による目標物の簡易検出のデータを活用することでCT撮影に対する必要最小限の範囲を特定することができ、このことによりCT撮影についてもその撮影時間を大幅に短縮できるようになり、その費用対効果を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態による透過画像提供システムの構成図である。
【図2】信号処理・画像再構成手段のDR撮影時の動作を示した図である。
【図3】信号処理・画像再構成手段のDR撮影時の動作で得られるデータの説明図である。
【図4】目標物領域指定処理を手動で行なう場合の表示画面の例を示す図である。
【図5】目標物領域指定処理を自動で行なう場合の表示画面の例を示す図である。
【図6】外観画像に目標物の位置算出結果を重ね合わせて表示した目標物位置算出結果画面の一例を示す図である。
【図7】一実施例によるX線CT・DR撮影サービスシステムの構成図である。
【図8】X線CT・DR撮影サービスシステムにおける業務フローを示す図である。
【図9】新規注文の場合における顧客情報端末装置の発注画面の例を示す図である。
【図10】既存撮影データを活用してCT撮影を発注する場合における顧客情報端末装置の発注画面の例を示す図である
【図11】従来の産業用X線CT装置の構成図である。
【符号の説明】
1 電子線加速器(DR処理のための手段を構成)
3 スキャナ(DR処理のための手段を構成)
4 X線センサ(DR処理のための手段を構成)
6 信号処理・画像再構成手段(DR処理のための手段、目標物3次元データ算出処理のための手段、透過画像を表示するのための手段等を構成)
7 表示手段
10 外観画像入力手段(外観画像取得処理のための手段を構成)
11 3次元位置算出機能(目標物3次元データ算出処理のための手段を構成)
12 スーパーインポーズ機(能透過画像を表示するのための手段を構成)
14 被検体
20、21、103、105 DR画像(透過2次元画像)
27 外観画像
28 透過画像
30 操作手段(目標物領域指定処理のための手段を構成)
P1、P2 目標物
Claims (3)
- 被検体内部における目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像を提供する透過画像提供システムであって、
前記被検体の外観を撮影して外観画像を取得する外観画像取得処理のための手段、前記被検体に対する撮影方向をそれぞれ異ならせた複数の透過2次元画像をデジタルラジオグラフィにより取得するDR処理のための手段、前記DR処理で得られた各透過2次元画像について被検体内部の目標物を検出してその被検体内部における概略の2次元位置と大きさを指定する目標物領域指定処理のための手段、前記目標物領域指定処理で得られた各透過2次元画像における目標物の概略の2次元位置と大きさに基づいて当該目標物の前記被検体内部における概略の3次元位置と大きさを算出する目標物3次元データ算出処理のための手段、および前記目標物を前記目標物3次元データ算出処理で算出された概略の3次元位置と大きさに基づいて前記外観画像に重ね合わせた前記透過画像を表示するのための手段を備えてなる透過画像提供システム。 - 目標物領域指定処理では、複数の透過2次元画像を表示手段に表示し、操作者が、この表示された複数の透過2次元画像を見ながら、被検体内部の目標物の検出およびその被検体内部における目標物の概略の2次元位置と大きさの指定をなせるようにされている請求項1に記載の透過画像提供システム。
- 顧客からの情報端末装置を介した依頼に応じてX線CT装置による被検体の撮影サービスを行なうようになっているX線CT・DR撮影サービスシステムであって、
請求項1または請求項2に記載の透過画像提供システムによる、被検体内部における目標物の概略的な3次元位置と大きさに関する透過画像の提供を撮影サービスに含ませてなるX線CT・DR撮影サービスシステム。
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