JP2009294047A - X線検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】透視X線画像の視野や観察位置を変化させるためのステージやX線測定光学系の移動操作の操作性を向上する。
【解決手段】3Dデータ作成部25はステージ4上に載置された被測定物Sを光学撮影した画像に基づいて3Dオブジェクトのデータを作成し、3D画像作成部26は被測定物S、ステージ4、X線測定光学系1をそれぞれ3Dオブジェクトとする3D画像を作成する。この3D画像は表示部13の画面上に表示される操作画面内に透視X線画像と並べて表示される。3D画像上でマウス操作を行うことで3Dオブジェクトを選択して移動させると、この操作に連動して駆動制御部28がステージ4やX線測定光学系1を移動させるべく制御を行う。これにより、オペレータは操作画面のみを見ながら移動操作を行うことができる。しかも被測定物SとX線測定光学系1との位置関係を直感的に把握できるので、衝突回避の移動を行う際の操作性も向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線を利用して、立体形状を有する被測定物を破壊することなく、その内部構造を観察・検査するX線検査装置に関する。
例えばアルミニウム鋳物等の工業製品の内部欠陥や半導体基板の部品摂動状態などを検査する目的で、工業用のX線検査装置が広く利用されている。また、最近は、2次元的な透視画像でなく立体的な透視画像を再現するX線CT装置も開発されており、X線を用いた非破壊検査は製造現場等において非常に重要なものとなっている(非特許文献1、2など参照)。
一般的な工業用X線検査装置では、X線を発生するX線源と、イメージインテンシファイアやフラットパネルX線検出器などのX線検出器と、が対向して配置され、その間に被測定物を載置するためのステージが設けられる。このステージ上に被測定物が載置され、X線源で発生したX線が被測定物に照射され、これを透過した透過X線がX線検出器に入射して検出される。この検出信号に基づいて2次元的な透過X線画像が作成され、モニタの画面上に表示される。ステージはステージ駆動機構により移動可能であり、X線源及びX線検出器を含むX線測定光学系はステージとは別に移動(傾動)可能である。オペレータはマウス、ジョイスティック、キーボードなどの入力装置を用いた操作により、ステージやX線測定光学系を適宜に移動させる。これにより、所定の範囲で、被測定物の任意の位置、任意の方向(角度)の透過X線画像が得られる。
上記のような透視X線測定では、被測定物が十分に小さいものでない限り、被測定物の一部分を透過した局所的な透視画像が表示画面上に描出される。そのため、表示された透視画像を見ただけでは、X線測定光学系と被測定物との位置関係をオペレータが把握することはできない。被測定物が或る程度の大きさを持つ場合、X線測定光学系と被測定物とは衝突するおそれがある。そこで、X線測定光学系と被測定物との衝突を避けるために、オペレータはX線照射領域を被覆している防護カバーに形成された小窓から内部を覗き込み、被測定物とX線測定光学系との位置関係を目視で確認しながら、ステージやX線測定光学系を移動するための操作を行う必要がある。
このようにモニタの画面上の透視X線画像と小窓を通した装置状態との両方を確認しながら操作を行う場合、操作が難しく作業効率も悪い。特に最近は、検査のスループットの向上等を目的として、ステージやX線測定光学系の移動速度の高速化が図られており、オペレータの僅かな誤操作や不注意によって、被測定物とX線測定光学系とが衝突する危険性が増している。
これに対し、特許文献1、非特許文献3には、被測定物とX線測定光学系との衝突を防止するための技術を採用したX線検査装置が開示されている。このX線検査装置では、透視撮影実行前に、被測定物が載置されたステージを回転させつつ該被測定物を光学カメラで撮影し、その撮影画像から被測定物の軌跡データを抽出する。そして、その軌跡データに基づき、ステージを移動させる際の被測定物とX線測定光学系との衝突危険性を示す衝突危険領域を被測定物の周りに設定する。実際にオペレータがステージの移動操作を行う際には、その衝突危険領域にX線測定光学系が重なるか否かを判定することによって、衝突の危険性を判定し、その判定結果をブザーの鳴動等によりオペレータに報知する。これにより、オペレータは衝突の危険性を確実に且つ速やかに認識することができ、被測定物とX線測定光学系との衝突の防止に大きな効果を奏する。
ところが、上記従来のX線検査装置において、被測定物とX線測定光学系との衝突の危険がある場合には、このおそれがなくなるようにステージを移動させなければならず、そのためにはオペレータは小窓を通して被測定物とX線測定光学系との位置関係を目視で確認しながら試行錯誤的にステージを移動させる必要がある。即ち、衝突を確実に回避するという点で上記X線検査装置は大きな効果を奏するものの、それを回避するための操作性という点では未だ改善の余地があった。
一方、特許文献2に記載のX線検査装置では、オペレータによるステージやX線測定光学系の移動制御の操作性を向上させるために、光学カメラで撮影した被測定物の外観画像をモニタの画面上に表示するとともに、ステージの回転角やX線光軸の傾動角の指定が可能な観察方位図を同時に表示し、その観察方位図上でマウス操作を行うことにより、測定位置や測定角度を容易に設定できるようにしている。
しかしながら、上記従来のX線検査装置では、2次元平面上に投影された座標系での位置決めであるため、いずれの方向にどの程度ステージを移動させれば、どの程度の倍率でどのような視野の画像が得られるのかをオペレータが直感的に理解するのは困難である。したがって、上述したように、被測定物とX線測定光学系とが衝突の危険にある状態から、これを回避するためにステージやX線測定光学系を移動させようとする際の操作のためには、上記の操作方法はあまり有益でない。
特開2007−78557号公報 特開2007−101392号公報 國嘉夫ほか2名、「FPD搭載マイクロフォーカスX線透視装置SMX−1000」、島津評論、第62巻、第1・2号、2005年9月20日発行 塩田忠弘ほか7名、「マイクロフォーカスCT装置の技術進展と応用」、島津評論、第62巻、第1・2号、2005年9月20日発行 「マイクロフォーカスX線透視装置SMX−2000micro」、[online]、株式会社島津製作所、[平成20年5月22日検索]、インターネット<URL: http://www.shimadzu.co.jp/ndi/products/x_rylk/x_rylk09.html>
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被測定物とX線測定光学系との衝突の回避動作などを目的としてステージやX線測定光学系を移動させる際の操作性を改善し、作業効率の向上や検査のスループットの向上を図ることができるX線検査装置を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、被測定物を載置するためのステージと、該ステージ上の被測定物にX線を照射するX線源及びその被測定物を透過したX線を受けて被測定物の透視X線像を撮影するX線検出器を含むX線測定光学系と、被測定物の異なる部位の透視X線像を撮影するために前記ステージ又は前記X線測定光学系の少なくともいずれか一方を移動させる移動機構と、前記ステージ又は前記X線測定光学系の少なくともいずれか一方を移動させる指示をユーザが与えるための入力手段と、該入力手段による指示に応じて前記移動機構の動作を制御する移動制御手段と、を具備するX線検査装置において、
a)前記ステージ上に載置された被測定物と前記X線測定光学系との実際の相対的位置関係を視認可能な画像を作成する画像作成手段と、
b)前記画像作成手段により作成された画像を表示手段の画面の少なくとも一部に表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴としている。
従来のX線検査装置においても、ステージ上の被測定物の光学撮影画像を表示手段の画面上に表示することは行われている。しかしながら、これは専ら被測定物上の透視撮影部位をユーザ(オペレータ)が目視で確認したり設定したりすることを目的としており、これから被測定物とX線測定光学系との相対位置関係を把握することは不可能である。これに対し、本発明に係るX線検査装置では、被測定物とX線測定光学系との実際の相対的位置関係を視認可能な画像が表示手段の画面上に表示される。
この画像は、最低限、被測定物とX線測定光学系とが模擬的な再現像として又は光学撮影による実写像として描出されていればよいが、被測定物はステージ上に載置され、このステージと被測定物とは一体に移動するから、ステージの再現像や実写像も描出するようにするとよい。また、被測定物(及びステージ)とX線測定光学系とは共に立体形状であるから、それぞれ複数の面が現れる斜視画像とするのがよい。さらに、或る一方向(1つの視点)から被測定物とX線測定光学系とを見た状態の画像だけでは、両者の位置関係、特に離間距離を把握しにくいから、少なくとも2以上の異なる方向から被測定物とX線測定光学系とを見た状態の画像を描出できるようにすることが好ましい。
光学カメラで撮影した実写像の場合、着目している被測定物及びX線測定光学系のほかの背景に存在する物体の像も画像中に現れる。また、当然のことながら、光学カメラから見て陰になる部分は画像上に現れないし、照射X線や透過X線などの非可視物も画像上に現れない。オペレータがその画像のみを見て被測定物とX線測定光学系との位置関係を把握し、移動指示を与えるための判断を的確に行うには、そうした把握や判断の妨げとなり得る余計な物体は画像上に見えないほうが好ましい。逆に、被測定物やX線測定光学系にあって実際には隠れて見えない部分や非可視のX線なども、仮想的に見えるほうが都合がよい。
そうしたことから、本発明に係るX線検査装置の好ましい一態様として、前記画像作成手段により作成される画像は、少なくとも前記ステージ上に載置された被測定物と前記X線測定光学系とをそれぞれ3次元オブジェクトとして描画したコンピュータグラフィックス(CG)による3次元画像である、ものとするとよい。
CGによる3次元画像では、ここで着目する被測定物とX線測定光学系、さらにはステージのみを選択的に描出することができるとともに、他の物体の陰になっていて実際には見えない部分や非可視であるX線なども仮想的に表示することができる。また、各3次元オブジェクトを実際のサイズ(寸法)に対応したものではなく、必要に応じて適宜にサイズを変えて(部分的に拡大・縮小して)描出することも容易に行える。また、各構成要素の色についても、実際の物体の色と同じ(又はきわめて近い)色とすることができるほか、例えば着目している箇所のみを別の色に変えることも容易である。したがって、オペレータの操作ミスや見間違いなどを軽減して高い操作性を実現できるように、適宜に加工した画像を描出することができる。
この場合、前記画像作成手段は、被測定物とX線測定光学系とにそれぞれ対応した3次元データと、前記移動制御手段による移動制御情報、又は、前記ステージ及び前記X線測定光学系の現在位置を検出する位置検出手段による位置検出情報とを利用して、現時点での各3次元オブジェクトの位置を反映した3次元画像を作成する構成とすることができる。
X線測定光学系やステージに対応した3次元データとしては、例えば装置設計時のCADデータを用いることができる。これは、当該X線検査装置をユーザに納入する時点で、メーカ側で入力しておくことが可能である。一方、被測定物に対応する3次元データは被測定物によって相違するから、被測定物がステージ上に載置される毎に収集する必要がある。そこで、本発明に係るX線検査装置では、前記ステージ上に載置された被測定物の光学撮影を行う光学撮影手段と、該光学撮影手段により撮影された光学画像の中から被測定物による像を抽出する抽出手段と、該抽出手段により抽出された被測定物の像に基づいて被測定物に対応した前記3次元データを求める3次元データ取得手段と、をさらに備える構成とするとよい。
例えば、ステージ上に新たに被測定物が載置されると、ステージを移動(回転、直進など)させながら、光学撮影手段により被測定物の光学画像を複数の方向から撮影する。事前に被測定物が載置されない状態での同方向からの光学画像を撮影しておき、抽出手段は、同方向からの2枚の光学画像を比較する(差分をとる)ことにより、被測定物による像を抽出する。3次元データ取得手段は、複数の方向から見た被測定物による像に基づいて、被測定物に対応した3次元データを求める。なお、3次元オブジェクトを描出するための3次元データは、例えば、形状、色、透明度、座標変換行列などのデータを含むものとすることができる。こうした3次元データの抽出は、一般に知られている既存のソフトウエアを利用して行うことが可能である。
また本発明に係るX線検査装置の一態様として前記入力手段は、前記表示手段の画面上に表示された3次元画像上においていずれかの3次元オブジェクトを移動するようにユーザが指示を与えるための移動指示手段を含み、前記画像作成手段は前記移動指示手段による指示に応じて前記3次元画像内の3次元オブジェクトを移動させ、前記移動制御手段は前記移動指示手段による指示に応じて前記ステージ又は前記X線測定光学系の少なくともいずれか一方を移動させるように前記移動手段を制御する構成とすることができる。
ここで、移動指示手段は、3次元画像上で特定のオブジェクトを選択したり直線的な移動、回転などの各種操作を行ったりすることが可能な、ポインティングデバイス、つまりマウス、トラックボール、タッチパッド、ジョイスティックなどとすることができる。
この構成によれば、オペレータは、3次元画像上でモデル化されている被測定物、ステージ、X線測定光学系などの3次元オブジェクトの動きを確認しながら、それらを移動させるための操作を行うことができる。したがって、表示手段の画面のみを確認しながら、しかも直感的な操作が可能である。それにより、良好な操作性を達成でき、オペレータの操作ミスや判断ミスも軽減できる。
また本発明に係るX線検査装置の一態様として、前記被測定物又は前記X線測定光学系の周囲に設定した移動限界領域と前記移動制御情報又は前記位置検出情報とに基づいて、前記ステージ又は前記X線測定光学系のいずれか一方を移動する際の被測定物とX線測定光学系との衝突の危険性を判定する移動限界判定手段を備え、前記表示制御手段は、前記表示手段の画面上の3次元画像において前記移動限界判定手段による判定結果に応じた報知を行う構成としてもよい。
移動限界領域は、例えば上述したようにステージを移動させつつ撮影した光学画像に基づいて設定することが可能である。移動限界判定手段は、ステージ又はX線測定光学系のいずれか一方が移動される際に、例えば被測定物の移動限界領域にX線測定光学系が重なるか否かを判定することにより、被測定物とX線測定光学系との衝突の危険性を判定する。表示制御手段は、衝突の危険性の度合に応じて、例えば3次元画像の背景色を変化させることにより、オペレータに衝突の危険性を報知する。なお、移動限界判定の手法としては、特許文献1や特開2007−121085号公報に開示された衝突判定の手法を用いることができる。
この構成によれば、オペレータは、ステージやX線測定光学系を移動させるための操作を行いながら、被測定物、ステージ、X線測定光学系の動きを確認するための3次元画像上で衝突の危険性についての情報も同時に得ることができる。したがって、オペレータは移動操作に伴う衝突の危険性を確実に且つ迅速に認識し、それを回避するための操作を行うことができる。
また本発明に係るX線検査装置の一態様として、前記入力手段は、前記表示手段の画面上の3次元画像内の3次元オブジェクトに対する見る方向である視点を指示する視点指示手段を含み、前記画像作成手段は、前記視点指示手段による視点の変更に応じて前記3次元画像の描画を更新する構成とすることもできる。
この視点指示手段は、上記移動指示手段と同様に、3次元画像上で各種操作を行うポインティングデバイス、つまりマウス、トラックボール、タッチパッド、ジョイスティックなどとすることができる。
この構成によれば、オペレータが3次元画像上で適宜の操作を行うことで、任意の方向から見た状態の被測定物及びX線測定光学系の3次元オブジェクトを描画することができる。したがって、被測定物とX線測定光学系との位置関係をオペレータ正確に把握することができるとともに、高い操作性を達成することができる。
また本発明に係るX線検査装置の一態様として、前記入力手段は、前記ステージ及び前記X線測定光学系の実体的な移動を伴うことなく、前記表示手段の画面上の3次元画像内で3次元オブジェクトを移動するようにユーザが指示を与えるための仮想移動指示手段を含み、前記画像作成手段は、前記仮想移動指示手段による指示に応じて、現時点の位置に3次元オブジェクトが描出された3次元画像に、移動中又は移動後の位置における3次元オブジェクトの仮想的な像を重畳した3次元画像を作成する構成とすることもできる。
この構成によれば、実際にステージやX線測定光学系を移動させる前に、模擬的な移動操作のみを行って、被測定物とX線測定光学系との位置関係がどのようになるのかを確認したり、衝突の危険性の有無を確認したりすることができる。したがって、形状が複雑な被測定物の検査を行う場合や、比較的経験が浅いオペレータが操作を行う場合などにおいて、予め操作の訓練(シミュレーション)を行い、実際の移動操作を円滑に進めることができる。
本発明に係るX線検査装置によれば、オペレータは、表示手段の画面上で、被測定物とX線測定光学系との位置関係を確認することができ、それを見ながらステージやX線測定光学系の移動操作を行うことができる。したがって、例えば、被測定物とX線測定光学系とが衝突の危険にある状態からそれを回避するためにステージ又はX線測定光学系を移動させようとしたときに、オペレータはX線防護カバーに設けられた小窓を通して実際の被測定物とX線測定光学系との位置関係を目視で確認することなく、画面のみを見ながら適切な操作を行うことができる。それによって、従来のこの種の装置と比較して操作性が大きく向上し、特に複雑な形状の3次元物体の内部検査のスループットを改善することができる。また、オペレータの誤操作や不注意による被測定物とX線測定光学系との衝突も、より確実に回避できる。また、操作の経験が浅いオペレータでも的確な操作が行えるようになる。
以下、本発明の一実施例によるX線検査装置について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のX線検査装置の要部のブロック構成図である。以下の説明では、3次元オブジェクト、3次元画像、3次元データは、3Dオブジェクト、3D画像、3Dデータと略す。
このX線検査装置は、X線源2及びX線検出器3を含むX線測定光学系1と、上部に被測定物Sを載置するステージ4と、ステージ4を互いに直交するX、Y、Zの3軸方向にそれぞれ直進移動させるとともに、Z軸に平行なステージ4の中心軸Cの周りに該ステージ4を回動させるためのステージ駆動機構(本発明における移動機構に相当)5と、ステージ4上に載置された被測定物Sを可視光により撮影するための光学カメラ(本発明における光学撮影手段に相当)6と、被測定物Sに対してX線測定光学系1を傾動可能であるようにX線源2及びX線検出器3を一体に支持するアーム7と、アーム7を所定角度範囲で傾動させるアーム駆動機構(本発明における移動機構に相当)8と、ステージ駆動機構5及びアーム駆動機構8に対する制御信号に基づいてステージ4及びアーム7の位置を検出する位置検出部(本発明における位置検出手段に相当)9と、装置全体の制御を行いつつ透視X線画像や光学画像を取得する制御・処理部10と、を備える。
制御・処理部10の大部分は汎用のコンピュータをハードウエアとし、このコンピュータに搭載されたソフトウエアをCPU上で動作させることにより、後述する各種の機能が達成される。ハードウエアとして、制御・処理部10は、CPU20、記憶装置40などを含むコンピュータ本体11のほかに、マウス、トラックボール、ジョイスティックなどのポインティングデバイスとキーボードとを含む入力部(本発明における入力手段に相当)12と、液晶パネルなどの表示部(本発明における表示手段に相当)13と、X線検出器3及び光学カメラ6で得られた信号をデジタル化するAD変換器(ADC)14、15と、を含む。
CPU20により具現化される機能ブロックとしては、X線画像作成部21、光学撮影制御部22、光学画像作成部23、被測定物外観抽出部24(本発明における抽出手段に相当)、被測定物3Dデータ作成部(本発明における3次元データ取得手段に相当)25、3D画像作成部(本発明における画像作成手段に相当)26、移動限界判定部(本発明における移動限界判定手段に相当)27、駆動制御部(本発明における移動制御手段に相当)28、表示制御部(本発明における表示制御手段に相当)30、などがある。表示制御部30は表示部13の画面上の表示を制御するものであり、X線画像描画部31、3D画像描画部32を含む。ハードディスドライブなどである記憶装置40は、記憶領域として、光学画像データ記憶部41、装置3Dデータ記憶部42、被測定物3Dデータ記憶部43、などを有する。入力部12は入力指示のための機能ブロックとして、3D移動指示部(本発明における移動指示手段に相当)51、3D視点指示部(本発明における視点指示手段に相当)52、3D仮想移動指示部(本発明における仮想移動指示手段に相当)53、などを含む。
X線源2とX線検出器3とは、間にステージ4を挟んで対向して配置され、被測定物Sが存在しない場合、X線源2から放出されたX線RはX線検出器3の2次元状の検出面に入射する。X線検出器3は、イメージインテンシファイアと、その後方に一体的に装着されたCCDカメラとの組み合わせ、又は、フラットパネル検出器を用いることができる。前者の場合、イメージインテンシファイアが透視X線を検出することにより形成した蛍光像をCCDカメラで撮影することによって、透視X線像の映像信号が出力される。後者の場合、シンチレータとフォトダイオードアレイ検出器との組み合わせにより、透視X線の強度を電気信号に変換する。X線検出器3で得られた信号はAD変換器14でデジタル化されてコンピュータ本体11に入力される。
本実施例のX線検査装置では、基本的に、検査実行中は連続的にX線源2から被測定物SにX線Rが照射され、被測定物Sを透過したX線がX線検出器3に入射して検出される。X線検出器3がフラットパネル検出器である場合、2次元状に配置された画素毎に所定時間だけ入射したX線強度に対応した電気信号を蓄積し、その後に蓄積された電気信号を順番に読み出してAD変換器14を介してコンピュータ本体11へ送る。したがって、電気信号の蓄積時間や信号の読み出し時間などで制約を受ける所定のフレームレートで、1枚の画像を構成するデータがコンピュータ本体11に送り込まれる。
X線画像作成部21は上記画像データを受け、所定のフレームレートで透視X線画像を作成する。作成された透視X線画像を構成するデータはX線画像描画部31を介して表示部13に順次送信され、表示部13の画面上の所定の枠内に被測定物Sの透視X線動画像が描出される。この描画はフレームレート毎に更新される。
ステージ4は、ステージ面の延展方向であるX軸−Y軸方向とステージ面に直交するZ軸方向との3次元方向にスライド可能な下部ステージと、下部ステージに対しZ軸方向に延伸する軸によって回転可能に支持される上部ステージと、から成り、被測定物Sは上部ステージの上に載置される。ステージ駆動機構5は複数のモータを備え、入力部12による操作に応じて駆動制御部28において生成された制御信号に基づいて、ステージ4を回転駆動したり直進(往復)駆動したりする。
アーム駆動機構8も同様にモータを備え、入力部12による操作に応じて駆動制御部28において生成された制御信号に基づいて、アーム7を回動させる。アーム7の回動により、X線源2とX線検出器3とは対向状態を保持したまま一体に傾動する。ステージ4のX、Y、Z軸方向の直進移動、中心軸C周りの回動、及びアーム7の傾動により、ステージ4上に載置された被測定物Sの周囲(中心軸Cの周りの360°)や斜め上、下、真上、真下などの様々な方向から、被測定物Sに対してX線Rを照射し、その透過X線をX線検出器3により検出することができる。
位置検出部9は、ステージ4やアーム7を移動させるべく駆動制御部28からステージ駆動機構5及びアーム駆動機構8に送られる制御信号に基づいて、ステージ4やアーム7の現在位置を検出する。また、サーボモータなどを用いた閉ループ制御の場合には、光学式、磁気式又は機械式の位置検出機構がモータに付設されているから、この位置検出機構からフィードバックされる検出信号に基づいてステージ4やアーム7の現在位置を検出するようにしてもよい。後者のほうが、モータの脱調などが発生した場合でも、より正確な位置検出が可能である。
光学カメラ6は、X線測定光学系1による透視X線像測定に支障をきたさないようX線の視野から離れた位置で、且つ、規定の初期位置にあるステージ4上の被測定物Sの外観形状を撮影できる位置に取り付けられている。光学カメラ6は被測定物Sを撮影し、それにより得られた映像信号はAD変換器15でデジタル化されてコンピュータ本体11に入力される。光学画像作成部23は光学カメラ6から送られてきた光学撮影画像に基づくデジタル画像信号を受け、光学画像を再現するととともに得られたコマ画像データを光学画像データ記憶部41に格納する。
光学撮影制御部22は、ステージ駆動機構5及びアーム駆動機構8と、光学カメラ6による撮影とを連動して制御する。即ち、被測定物Sについて様々な方向からの外観画像を取得するために、例えば中心軸Cの周りにステージ4を一定角度ずつ回転させる毎、及びアーム7を所定角度傾動させる毎に、被測定物Sの光学画像を撮影する。なお、本実施例のX線検査装置では、ステージ上4に何らの被測定物も存在しない状態の背景画像を取得するために、予め、被測定物Sがステージ4上に載置されない状態で上記撮影時と同方向からの光学画像を予め光学カメラ6で撮影し、その画像データも光学画像データ記憶部41に保存しておくものとする。背景は原則的に変化しないので、背景画像は光学画像データ記憶部41に一度保存しておけば、異なる被測定物の外観を抽出する際に何度でも使用することができる。
被測定物外観抽出部24は、光学撮影制御部22による制御の下に光学画像作成部23で作成され光学画像データ記憶部41に保存された、同じ方向からの被測定物S無しの背景画像と被測定物S有りの画像との差分を採ることにより、各画像毎に被測定物Sの外観を抽出する。このような処理を実行するためには、周知の画像認識技術を利用することができる。被測定物3Dデータ作成部25は、被測定物外観抽出部24により得られた、それぞれ異なる方向から撮影された画像データに基づく被測定物Sの外観形状から、被測定物Sの3Dデータを求める。そして、得られた被測定物の3Dデータは被測定物3Dデータ記憶部43に保存される。
一般的に、3Dオブジェクトを作成するための3Dデータは、形状、色、透明度、座標変換行列などのデータを含む。形状データは、例えばローカル座標系における3次元オブジェクトの各頂点の座標データ、色データはRGB値、透明度データは透明から不透明までの間の複数の段階を示す指標値、座標変換行列は、ローカル座標系で表現された形状データをワールド座標系の座標データに変換するための行列式のデータ、である。ローカル座標系とは、3次元オブジェクトをそれ単独で表現する座標系であり、一方、ワールド座標系とは、3次元オブジェクトを配置する3次元空間を定義する座標系である。ワールド座標系で定義された3次元空間に配置された3次元オブジェクトは、所定方向への投影によって2次元図形に変換されて画面上に表示されることになる。
装置3Dデータ記憶部42には、予めこのX線検査装置のX線測定光学系1及びステージ4の3Dデータが予め保存される。この3Dデータは、例えば本装置を設計する際の3次元CADデータを用いて容易に作成することができる。この装置3DデータはX線測定光学系1やステージ4が別の形状のものに交換されない限り変更する必要はない。したがって、通常、本装置の製造メーカが予め設定しておけばよく、ユーザが設定する必要はない。
3D画像作成部26は、上述したように装置3Dデータ記憶部42に保存されている、X線測定光学系1に対応した3Dオブジェクト及びステージ4に対応した3Dオブジェクトの3Dデータと、被測定物3Dデータ記憶部43に保存されている被測定物Sに対応した3Dオブジェクトの3Dデータ、及び、位置検出部9から送られてくる、その時点におけるステージ4及びアーム7の位置情報に基づいて、ステージ4、被測定物S、X線測定光学系1(アーム7、X線源2、X線検出器3)がそれぞれ3Dオブジェクトとして配置された3D画像を作成する。これは、その時点でのステージ4上の被測定物SとX線測定光学系1との相対位置関係を示すものであり、上述のように、ワールド座標系で定義された3次元空間に上記ステージ4、被測定物S、X線測定光学系1に対応した3次元オブジェクトが配置された状態の3次元像を、所定方向への投影によって2次元図形に変換した2次元投影像である。この3D画像は3D画像描画部32を介して表示部13に送られ、表示部13の画面上の所定の枠内に表示される。
移動限界判定部27は、上述のようにステージ4を回転しつつ被測定物Sを撮影したときの光学画像に含まれる被測定物Sの外観から得られる軌跡データに基づいて、被測定物SとX線測定光学系1とが衝突する危険性のある領域を示す移動限界領域を被測定物Sの周りに設定する。この移動限界領域はX線測定光学系1の周りに設定してもよい。被測定物Sが異なる形状のものに交換されると移動限界領域も変わるから、被測定物Sが新たにステージ4上に載置される毎に移動限界領域を設定し直すことが好ましい。また移動限界判定部27は、ステージ4やアーム7が実際に移動される際、或いはそれらが仮想的に移動される際に、被測定物Sの周りに設定されている移動限界領域とX線測定光学系1との重なりの有無や程度を判定する。例えば、両者が重なっている、つまりX線測定光学系1が移動限界領域内に突入している場合には、衝突の危険性が高いと判断する。また、X線測定光学系1が移動限界領域内に突入していなくても両者の間の最短距離が所定値以下である場合には、衝突に注意すべきレベルであると判断する。なお、抽出した軌跡データに基づいて移動限界領域を設定する手法は、例えば特許文献1に記載の方法を用いることができる。
上記構成を有する本実施例のX線検査装置の特徴的な動作を説明する。オペレータは被測定物Sをステージ4上に載置し、入力部12から測定の開始を指示する。すると、光学撮影制御部22、光学画像作成部23、被測定物外観抽出部24、被測定物3Dデータ作成部25は上述したような動作により、被測定物Sの3Dオブジェクトの3Dデータを作成する。そして、3D画像作成部26は3D画像を作成する。表示制御部30は表示部13の画面上に例えば図2に示すような操作画面100を表示する。
この操作画面100には、その時点における被測定物Sの透視X線画像枠101と、3D画像枠102と、が含まれる。透視X線画像枠101には、X線画像作成部21で作成された透視X線画像が描出される。3D画像枠102には、3D画像作成部26で作成された3D画像が描出される。図3は3D画像のイメージ図である。この図にあるように、3D画像には、実際の装置のアーム7、X線源2、X線検出器3、ステージ4、被測定物Sにそれぞれ対応する3Dオブジェクト7a、2a、3a、4a、Saが表示されるとともに、非可視であって実際には見えないX線の3DオブジェクトRaもイメージとして表示されている。これにより、オペレータはその時点で被測定物Sのどの部分の透視X線画像を見ているのかを容易に確認することができる。また、被測定物SとX線測定光学系1との相対的な位置関係とを容易に把握することができる。
現時点で観察している透視X線画像とは別の箇所を観察したい場合、ステージ4とアーム7(X線測定光学系1)の一方又は両方を移動させることで、X線Rの照射位置や範囲を変更する必要がある。ステージ4を直進移動又は中心軸Cの周りに回転させたり、X線測定光学系1を傾動させたりする際に、3D画像上の各3Dオブジェクトをマウス等のポインティングデバイスで選択指示した後に、それを3D画像上でドラッグすることで移動の種類(直進、回転)や移動方向、移動量などを指示することができる。即ち、例えばマウスで移動指示を選択すると、3D移動指示部51が機能し、その後の3Dオブジェクトの選択、移動量や移動方向の指示などを受けて、この情報を駆動制御部28と3D画像作成部26に送る。図4はX線源2に対応した3Dオブジェクト2aを選択して、これを矢印Mに示すようにドラッグ操作することで、回動させるべく指示した場合の概念図である。
駆動制御部28は上記指示に応じて、ステージ4とアーム7のいずれか一方又は両方を所定の方向に所定量だけ移動させるべく制御信号をステージ駆動機構5、アーム駆動機構8に送る。これによって、ステージ4、アーム7は実際に移動し、被測定物SでX線Rの当たる部位や範囲が変化する。これに伴い、操作画面100の透視X線画像枠101に表示される透視X線画像も変化する。また、3D画像作成部26は指示された3Dオブジェクトを移動させるように3D画像を変更する。したがって、3D画像枠102内の画像も変化する。従来であれば、X線測定光学系1と被測定物Sとの位置関係を目視で確認するためにX線防護カバーの小窓を通して内部を除き込みながら、オペレータはキーボードなどで移動操作を行う必要があったが、本実施例のX線検査装置では、操作画面100上の3D画像や透視X線画像を見ながら、移動操作を行うことができる。その操作も、3Dオブジェクトを選択指示してドラッグ等を行えばよいので、直感的に行うことができ、操作ミスや間違いも起こりにくい。
なお、マウスでなくそのほかのポインティングデバイスを用いて3D画像上の3Dオブジェクトの操作を行うこともできるし、キーボードを用いて同様の操作を行うこともできる。また、ステージ4とX線測定光学系1とはそれぞれ別の3Dオブジェクトであるが、両者を一緒に選択指示して連動して移動することも可能である。
さらにまた、実際のX線検査装置ではステージ4は中心軸Cの周りに、つまり垂直軸の周りに回転可能ではあって、水平軸の周りに回転はしないが、3D画像上のステージ4に対応した3Dオブジェクト4aは水平軸の周りの回転操作を可能としてもよい。もちろん、それは操作上の便宜のためだけであって、ステージ4に対応した3Dオブジェクト4aが水平軸の周りに回転するように操作指示がなされると、3D移動指示部51はこれをX線測定光学系1の回転移動に置き換えて駆動制御部28に指示を与えるようにするとよい。同様に、X線測定光学系1の直進移動も実際には行えないが、X線測定光学系1に対応した3Dオブジェクト(7a、2a、3a)の直進移動も操作上で可能とし、3D移動指示部51はこれをステージ4の直進移動に置き換えて駆動制御部28に指示を与えるようにするとよい。このように実際の装置では行い得ない移動操作も仮想的に受け付けて、対応する実際の移動制御に置き換えることで、オペレータの直感的な操作性が一層向上する。
上述したステージ4やX線測定光学系1の移動操作に際し、移動限界判定部27は常に被測定物Sの周りの移動限界範囲とX線測定光学系1との干渉を判定することで衝突の危険性を判断する。そして、前述のように、X線測定光学系1が移動限界領域内に突入している場合には、衝突の危険性が高いと判断し、X線測定光学系1と移動限界領域との間の最短距離が所定値以下である場合には、衝突に注意すべきレベルであると判断する。これらの判断の結果を分かり易く示すため、3D画像描画部32は、3D画像上の3Dオブジェクト以外の背景色を、衝突危険性の判断結果に応じた色に設定する。
例えば図5(a)に示すように、被測定物SとX線測定光学系1との距離が十分に確保されていて衝突のおそれが全くない場合には、背景色102aを青色とする。図5(b)に示すように、被測定物SとX線測定光学系1とが近づいていて衝突に注意する必要がある場合には、背景色102bを黄色とする。図5(c)に示すように、被測定物SとX線測定光学系1とが非常に近く衝突の危険性が高い場合には、背景色102bを赤色としてオペレータの注意を喚起する。このように移動操作を行うための3D画像の背景色を変えることで、オペレータの注意を喚起し易く、またいずれの方向にいずれの3Dオブジェクトを移動させれば衝突を回避できるのかを直感的に且つ容易に理解することができる。それによって、衝突の危険性を迅速に認識し、衝突を回避するための操作も簡単で操作ミスを軽減できる。
なお、3D画像の背景色でなく、ステージ4やX線測定光学系1に対応する3Dオブジェクトの全体やその一部の色を衝突危険性に応じて変化させるようにしてもよい。或いは、衝突しそうな箇所を指し示す矢印などの別の3Dオブジェクトを重畳して表示することにより、オペレータの注意を喚起するようにしてもよい。もちろん、こうした表示と音などの別の報知手段とを併用してもよい。
図3は或る一方向から被測定物SやX線測定光学系1を見た場合の斜視画像に相当する3D画像であるが、被測定物Sの形状などによっては一方向から見ただけでは被測定物とX線測定光学系1との距離感を把握しにくい場合がある。そこで、本実施例のX線検査装置では、3D画像の視点を任意の位置に移動させることができるようになっている。現時点で観察している3D画像の視点を変更したい場合、例えばマウスで視点指示を選択すると、3D視点指示部52が機能する。その後、3D画像上で3Dオブジェクト以外の背景の適宜の箇所をマウス等で指示した上で、ドラッグ操作により回転や移動を指示する。この指示に応じて3D視点指示部52は、視点の移動情報を3D画像作成部26に送る。
上述のように、3D画像は、ワールド座標系で定義された3次元空間に配置された3次元オブジェクトが、所定方向への投影によって2次元図形に変換されて画面上に表示されたものである。つまり、投影する方向によって視点が変わる。そこで、3D画像作成部26は視点の移動情報に応じて3次元空間の投影方向を移動させることにより、異なる方向から見た3D画像を新たに作成する。図6(b)は図6(a)に示した3D画像の視点を図中のPで示すように真上になるように指示を与えた後の3D画像である。このように任意の位置に視点を移動させて、X線測定光学系1と被測定物Sとの間の距離を容易に且つ的確に把握することができる。
なお、視点を移動させる方法としては3D画像上のマウス操作のみならず、例えば特許文献2に開示されている観察方位図上のマウス操作で行うようにしてもよいし、キーボードで入力できるようにしてもよい。
また、3D画像上で3Dオブジェクトを移動させることにより、実際にステージ4又はX線測定光学系1を移動させる以外に、仮想的に、3Dオブジェクトのみを移動させて衝突の危険があるか否かを判断するような操作も可能である。例えば、マウスで仮想的移動指示を選択すると、3D仮想移動指示部53が機能する。この場合、その後の3Dオブジェクトの選択、移動量や移動方向の指示などを受けて、この情報を移動限界判定部27と3D画像作成部26に送る。これにより、3Dオブジェクトの移動操作を行ってもステージ4やX線測定光学系1は移動せず、3D画像上の3Dオブジェクトが移動するだけである。
但し、実際にステージ4やX線測定光学系1が移動しているわけではないので、上述のように実際にステージ4やX線測定光学系1が移動している場合と区別するために、図7に示すように、仮想的に移動された3DオブジェクトSb、4bを半透明で表示し、実際の被測定物S及びステージ4に相当する3DオブジェクトSa、4aを実線で残すようにしてもよい。図7に示した3D画像上で、今度は実際にステージ4を移動させるように3Dオブジェクト4aを移動させる操作を行うこともできる。この場合、半透明で表示された3Dオブジェクト4bを目標として、3Dオブジェクト4aを移動させることができるので、移動のための操作が一層容易になり、特に操作に未熟練のオペレータには便利である。
また、予め記憶させておいた(プリセットしておいた)位置に仮想的な3DオブジェクトSb、4bを表示させることもできる。例えば、同じ形状の多数の被測定物を同じ位置で検査したい場合に、その検査位置を予めプリセットしておき、上記のように仮想的な3Dオブジェクトとして表示することにより、その表示位置を目標としてステージ4の移動操作を行うことができる。それによって、移動操作の作業性を高めることができる。
なお、3D画像上で現時点でのX線照射有効領域とその透視画像とを確認できるように、実際に観察されている透視X線画像を縮小して3D画像上のX線照射有効領域の上に重畳して描出するようにしてもよい。この場合、透視X線画像は半透明としてもよい。さらに、このX線照射有効領域を示す枠を被測定物に対応する3Dオブジェクト上で移動させることで、それに応じてステージ4やX線測定光学系が自動的に移動するようにしてもよい。
また、上記実施例はいずれも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜変更や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
本発明の一実施例であるX線検査装置の要部のブロック構成図。 本実施例のX線検査装置において表示部の画面上の操作画面の一例を示す図。 図2中の3D画像のイメージ図。 3D画像上でのマウス操作によるステージやX線測定光学系の移動操作の一例を示す図。 3D画像上での衝突危険性の報知の一例を示す図。 3D画像上でのマウス操作による視点の移動操作の一例を示す図。 3D画像上でのマウス操作による仮想的移動操作の一例を示す図。
符号の説明
1…X線測定光学系
2…X線源
3…X線検出器
4…ステージ
5…ステージ駆動機構
6…光学カメラ
7…アーム
8…アーム駆動機構
9…位置検出部
10…制御・処理部
100…操作画面
101…透視X線画像枠
102…3D画像枠
102a、102b、102c…背景色
11…コンピュータ本体
12…入力部
13…表示部
14、15…AD変換器
20…CPU
21…X線画像作成部
22…光学撮影制御部
23…光学画像作成部
24…被測定物外観抽出部
25…被測定物3Dデータ作成部
26…3D画像作成部
27…移動限界判定部
28…駆動制御部
30…表示制御部
31…X線画像描画部
32…3D画像描画部
40…記憶装置
41…光学画像データ記憶部
42…装置3Dデータ記憶部
43…被測定物3Dデータ記憶部
51…3D移動指示部
52…3D視点指示部
53…3D仮想移動指示部
S…被測定物

Claims (9)

  1. 被測定物を載置するためのステージと、該ステージ上の被測定物にX線を照射するX線源及びその被測定物を透過したX線を受けて被測定物の透視X線像を撮影するX線検出器を含むX線測定光学系と、被測定物の異なる部位の透視X線像を撮影するために前記ステージ又は前記X線測定光学系の少なくともいずれか一方を移動させる移動機構と、前記ステージ又は前記X線測定光学系の少なくともいずれか一方を移動させる指示をユーザが与えるための入力手段と、該入力手段による指示に応じて前記移動機構の動作を制御する移動制御手段と、を具備するX線検査装置において、
    a)前記ステージ上に載置された被測定物と前記X線測定光学系との実際の相対的位置関係を視認可能な画像を作成する画像作成手段と、
    b)前記画像作成手段により作成された画像を表示手段の画面の少なくとも一部に表示する表示制御手段と、
    を備えることを特徴とするX線検査装置。
  2. 請求項1に記載のX線検査装置であって、
    前記画像作成手段により作成される画像は、少なくとも前記ステージ上に載置された被測定物と前記X線測定光学系とをそれぞれ模擬的な3次元構造物体(以下「3次元オブジェクト」と称す)として描画したコンピュータグラフィックスによる3次元画像である、ことを特徴とするX線検査装置。
  3. 請求項2に記載のX線検査装置であって、
    前記画像作成手段は、被測定物とX線測定光学系とにそれぞれ対応した3次元データと、前記移動制御手段による移動制御情報、又は、前記ステージ及び前記X線測定光学系の現在位置を検出する位置検出手段による位置検出情報とを利用して、現時点での各3次元オブジェクトの位置を反映した3次元画像を作成する、ことを特徴とするX線検査装置。
  4. 請求項3に記載のX線検査装置であって、
    前記ステージ上に載置された被測定物の光学撮影を行う光学撮影手段と、
    該光学撮影手段により撮影された光学画像の中から被測定物による像を抽出する抽出手段と、該抽出手段により抽出された被測定物の像に基づいて被測定物に対応した前記3次元データを求める3次元データ取得手段と、
    を備えることを特徴とするX線検査装置。
  5. 請求項3に記載のX線検査装置であって、
    前記入力手段は、前記表示手段の画面上に表示された3次元画像上においていずれかの3次元オブジェクトを移動するようにユーザが指示を与えるための移動指示手段を含み、
    前記画像作成手段は前記移動指示手段による指示に応じて前記3次元画像内の3次元オブジェクトを移動させ、
    前記移動制御手段は前記移動指示手段による指示に応じて前記ステージ又は前記X線測定光学系の少なくともいずれか一方を移動させるように前記移動手段を制御する、
    ことを特徴とするX線検査装置。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載のX線検査装置であって、
    前記被測定物又は前記X線測定光学系の周囲に設定した移動限界領域と前記移動制御情報又は前記位置検出情報とに基づいて、前記ステージ又は前記X線測定光学系のいずれか一方を移動する際の被測定物とX線測定光学系との衝突の危険性を判定する移動限界判定手段を備え、
    前記表示制御手段は、前記表示手段の画面上の3次元画像において前記移動限界判定手段による判定結果に応じた報知を行う、ことを特徴とするX線検査装置。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載のX線検査装置であって、
    前記入力手段は、前記表示手段の画面上の3次元画像内の3次元オブジェクトに対する見る方向である視点を指示する視点指示手段を含み、
    前記画像作成手段は、前記視点指示手段による視点の変更に応じて前記3次元画像の描画を更新する、ことを特徴とするX線検査装置。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載のX線検査装置であって、
    前記入力手段は、前記ステージ及び前記X線測定光学系の実体的な移動を伴うことなく、前記表示手段の画面上の3次元画像内で3次元オブジェクトを移動するようにユーザが指示を与えるための仮想移動指示手段を含み、
    前記画像作成手段は、前記仮想移動指示手段による指示に応じて、現時点の位置に3次元オブジェクトが描出された3次元画像に、移動中又は移動後の位置における3次元オブジェクトの仮想的な像を重畳した3次元画像を作成することを特徴とするX線検査装置。
  9. 請求項3〜8のいずれかに記載のX線検査装置であって、
    前記画像作成手段は、非可視であるX線照射領域を前記表示手段の画面上の3次元画像に重ねて描出した画像を作成することを特徴とするX線検査装置。
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