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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は広視野角及び高速応答を実現する液晶表示装置の構成及びその製造方法に関する。さらに、本発明は、液晶電気光学装置の生産性向上のための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子を利用した液晶電気光学装置(以下、液晶表示装置と記す。)は、モバイルコンピュータ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話、ヘッドマウントディスプレイ等の直視型の表示装置として、またフロントおよびリアプロジェクターの様なレンズ等の光学系により拡大表示を目的とする投射型の表示装置として開発が活発に行われている。
【0003】
こうして、CRTの代替として、最近の液晶表示装置は液晶モニターの表示装置として用途が拡大するとともに大画面化が進んできている。
【0004】
ここで一般的な液晶表示装置は、長細い構造で、長軸(長さ)方向と短軸(太さ)方向で2つの屈折率を有する液晶分子を表示媒体としている。このように2つの屈折率を有する媒体は一軸媒体といわれる。
【0005】
液晶表示装置では、基板間の数μm程度の間隙中に、このような分子が固体のように分子間で強い結合をすることなく流動性を有している(液状で存在している)。
【0006】
流動性を有する(液状である)ため外部からの作用(電界や磁界等)により液晶分子の配列状態を変えやすい。実際の液晶表示装置では、これらの液晶分子の振る舞いをマクロにみて、その配列状態を電界等の作用により制御することで、光学特性を変化させ表示を実現するものである。
【0007】
従来、透過型の液晶表示装置で使用される液晶の配向モードとしては、液晶分子の配列が光の入射から出射方向に向かって90°ツイスト配向したTNモード(TN液晶モード)を使用するのが一般的であった。
【0008】
TNモードの液晶表示装置は、液晶の配向方向を決めるため配向膜を形成後、ラビング等の処理を行う。そして上下の基板のラビング方向が直交するように構成される。この基板間に、ツイストの回転方向を決めるカイラル材を混入した液晶材料を注入することにより所定の方向にツイストする液晶表示装置が形成される。
【0009】
この時、液晶中の液晶分子は、エネルギー的に最も安定な配列となるように基板面に対して、長軸を平行に配列し、ラビングの条件や配向膜の材料により基板面に対して、数度〜10°前後の角度を持って配列する。
【0010】
この角度はプレチルト角といわれ、この角度を確保することにより、電界印加時に液晶分子の長軸の両端部において、所定の端部を揃えて配列の変形が起こる。これにより動作時の配向が連続的となり、表示時のリバースチルトドメインという配向の欠陥を防ぐことができる。
【0011】
TNモードを採用した液晶表示装置では、液晶パネルの入射および出射側に偏光板を、その偏光軸が直交するように配置する。ここで偏光板には光に対する透過軸とこれと直交した吸収軸がある。
【0012】
液晶が動作する電界を与えない場合は、液晶は初期のツイスト配向を維持している。これに外部より光を入射した場合を考える。
【0013】
第一の偏光板を通過した光は直線偏光となり、この光が前記液晶パネルに入射される。この光はその偏光状態を保ったまま液晶中を進むが、その旋光性により液晶層を出る時には偏光の軸は90°回転して出力する。つまり入射光の軸に対して90°捩じられた直線偏光となっている。この直線偏光が第二の偏光板に入射される。この時第二の偏光板の透過軸と一致するため、光は第二の偏光板を通過し“明”状態となる。
【0014】
次に、この液晶表示装置の液晶に電界を印加する場合を考える。
【0015】
対向電極および画素電極間に電界を印加すると、基板界面付近の状態を除いて液晶分子は基板に概略垂直に配列するため、光の進行方向に対する屈折率は一様になり、入射した光はその性質を維持したまま通過することができる。
【0016】
このため第一の偏光板を通して液晶パネルに入射された直線偏光は、その性質を保った状態で出射する。この出射光は第二の偏光板の吸収軸と一致するためここで吸収され“暗”状態を得ることができる。
【0017】
しかし、このTNモードでは視野特性が悪いという問題がある。特定の視野角範囲外ではコントラスト特性が極端に劣化したり、階調が反転するという現象が発生する。
【0018】
これは、電界により液晶分子の配向状態が基板面に対して垂直となるように配列が変形すると、観測者が液晶パネルを見る角度や方位によって、液晶媒体中を進む光の距離や、光の通過中の屈折率が変わることから、異なって光学変調される光を見るためである。
【0019】
また、このTNモードでは基板界面近くの液晶は強い配向規制力を受けており、この近傍は初期配向状態がほぼ維持される。このため5V以上のかなり高い液晶の飽和電圧を印加しても、この近傍では液晶は垂直にはならない。
【0020】
これらのことがTNモードの視野特性を狭くする要因として知られている。
【0021】
パーソナルコンピュータ向けのモニター市場をターゲットとし、CRTと代替可能な液晶モニターの開発に注力されている。しかし、これを実現するためには、TNモードに代表される現在の液晶表示モードの性能では十分だとは言い難い。TNモードの最大の難点は、視野角特性にある。特に大画面化においては、視野角特性の改善が望まれている。
【0022】
この課題を改善しうる液晶表示モードとして、垂直配向型の液晶モードが開発された。液晶の初期配向を基板に対して垂直とした液晶表示モードである。この垂直配向型の液晶モードとしては負の誘電率異方性を有する液晶を用いる。この液晶をネガ型液晶と呼ぶことができる。この場合も両基板上にある電極間に電界を印加することにより表示を実現する。
【0023】
この垂直配向型の液晶モードは初期の配向状態が基板面に対して、基板界面からバルクの部分を含めて全体的に概略垂直であるため、“暗“状態、黒色の質が高く、高コントラストを実現することができる。また、TNモードの様に界面近傍の影響を受けないため、視野特性は改善される。
【0024】
ただし、黒や中間調表示において、TNモードと同様に、観測者が液晶表示装置を見る角度や方位によって、液晶の媒体中を進む光の距離や、屈折率が異なる経路からの出射光を見ることに変わりなく、視野特性は十分とは云えない。
【0025】
このため、画素に複数の配向状態を形成し、視野角を改善する方法が知られている。レジスト等でマスクしながら、パターンニング後に異なる方向にラビングすることを複数回繰り返すことでマルチドメインを形成する手法が用いられる(FPD Intelligence 1998,5,p79)。
【0026】
TNモードの様な旋光性を利用する液晶表示モードでは、上記のようなラビングによる配向制御が一般的である。レジスト塗布、パターニング、ラビングという処理を複数回繰り返す工程の増加はあるが、従来のプロセスの延長として容易に適用できる点が利点となっている。
【0027】
垂直配向型の液晶モードでも配向制御として同様な方法が可能である。
【0028】
しかし、複屈折性を利用する液晶表示モードであるため若干のプレチルト角のバラツキが透過もしくは反射光量のバラツキとして目立つ。ラビング時のわずかな毛先のあたり方の差異により、スジ状の表示ムラとなり易い問題が有る。
【0029】
特に投射型の液晶表示装置で拡大投影する場合、中間調表示におけるスジ状の表示ムラをいかに抑えるように配向制御できるかが重要な課題となっている。
【0030】
直視型の液晶表示装置でも程度の差こそあれこの問題が有る。このため視野角を改善するためパターニングとラビングを複数回繰り返す処理は、現時点の配向膜、ラビング布の条件ではあまり良い制御方法とは云えない。
【0031】
また、ラビング自体が、基板上の配向膜の表面を柔らかい毛で擦る処理のため発塵源となっている。さらに静電気の発生にともなう基板上の素子へのストレスや破壊への十分な対策を必要とする。
【0032】
また、垂直配向型の液晶モードは配向膜をラビングしないと、液晶のプレチルト角が一方向に定まらず、液晶表示装置に電界を印可するとディスクリネーションが生じてしまう。
【0033】
このため均一配向を実現し、ラビングを行わず液晶を配向させるという手法が一般的に模索されているが、特に垂直配向型の液晶モードではより緊急の課題であった。
【0034】
この解決方法としては、例えば、「“Development of a Simple Process to Fabricate High-Quality TFT-LCDs”Komaら, SID 96 Digest, Vol.XXVII, P-39, 1996 ,pp558−561」に電極にスリットを設けて電界の傾きを利用して配向させる手段が開示されている。
【0035】
また、垂直配向型の液晶モードの量産に耐えうる新しい配向技術が開発された。図33に基本構造を示す。例えば、「“A Super-High-Image-Quality Multi-Domain Vertical Alignment LCD by New Rubbing-Less Technology”Takedaら,SID98 DIGEST, Vol.XXIX,41.1, 1998, pp1077−1080」には基板上に構造物を形成し、この構造物の液晶と接する面の傾斜や間隔、高さなどの物理的パラメータを調整し、さらに構造物の誘電率による電界の作用を併せることで配向を制御し液晶表示装置を作製する手段が開示されている。この新規の液晶表示モードを用いることにより、160°以上の視野特性を実現している。
【0036】
図33に示すように、アクティブマトリクス基板1及び対向基板2のITO膜3(透明導電膜)上に構造物として微細加工された突起5のパターンが液晶分子の傾斜方向を決定しているため、配向膜4に対するラビングの工程が不要となる。突起5のパターンにより、負の誘電性異方性を有する液晶5(ネガ型液晶)が自動的に配向する。(a)は電界無印加時の液晶の配向状態(Off state)、(b)は電界印加時の液晶の配向状態(On state)をそれぞれ表している。
【0037】
しかし、上記の様な方法では、配向膜のラビング工程は必要がなくなるが、一方、液晶を配向させるための複雑な追加プロセスが必要となる。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
ここでは、前記の問題点を解決することを課題とし、液晶パネル作製時の構造を利用することにより液晶の配向を実現し、大画面化が進んでも、基板間隔のばらつき(セルギャップムラ)の小さいマルチドメイン垂直配向型の液晶表示装置及びその製造方法を提供する。
【0039】
特別な処理を追加することなく、ゴミの発生源となるラビング工程等を削減することができる構造として、プロセスの簡略化を図る。さらに、この構成を応用することにより視野特性の改善を図る。これにより表示品位が高く信頼性の高い製品を低価格で提供できる手段を提供する。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、まず、少なくとも一方が透明絶縁性の基板(透明性絶縁基板)からなる一対の基板のそれぞれに電極を設ける。さらに、この一対の基板には配向膜が設けられている。透明絶縁性の基板に設けられた配向膜を対向させておいて、前記一対の基板間の間隔を一定に保つためのギャップ保持材、ここでは壁状のスペーサ(壁状スペーサ)を形成し、一対の基板により液晶が挟持された液晶表示装置を作製する。前記液晶表示装置は、前記壁状のスペーサが傾斜した側面を有することにより、前記液晶のプレチルト角を制御し、液晶を配向させることを特徴とする。
【0041】
壁状のスペーサの断面形状は、例えば、図29(a)〜(f)に示すようなものでよい。壁状のスペーサは対向もしくはアクティブマトリクス基板のいずれか一方もしくは両方に形成されるが、ここでは、そのいずれか一方の基板に注目した場合の断面を示す。図29(d)〜(f)では、壁状のスペーサは図29(a)〜(c)の断面形状の上下が逆の状態(このような状態を逆テーパーと呼ぶ)で基板上に形成されている。図29(a)〜(f)に関して、セルギャップをdとすると、セルギャップdの50%の高さに相当する傾斜した側面に引くことができる接線と基板面がなす角のうち鋭角となる角度を側面テーパー角θと定義する。図29(a)と(d)では、側面テーパー角θは基板面と傾斜した側面とがなす角と一致する。接線と基板の法線とがなす角をαとすると、θ=90°−αである。よって、基板の法線方向から、αだけ液晶が傾斜していることになる。側面テーパー角θが、75.0°〜89.9°の範囲に収まる壁状のスペーサであればよい。ただし、液晶の配向性に関しては、図29(a)と(d)の壁状のスペーサが最適である。また、図29(b)と(c)と(e)と(f)の側面はへこんでいるといえるが、ふくらんだ形状のものでもよい。
【0042】
また、本発明の液晶表示装置は、前記壁状のスペーサの傾斜した側面と電極の形状により、液晶を一定方向に配向させるものである。
【0043】
また、配向膜は、液晶が基板に対し垂直に配向する垂直配向用の配向膜を用いることが好ましい。この場合、ラビング工程を省略することができる。
【0044】
また、本発明の液晶表示装置は、基板間の間隔を一定に保つためのギャップ保持材、ここでは壁状のスペーサを形成した後に、壁状のスペーサ上に配向膜を形成してもよい。
【0045】
図1〜図4のような傾斜した側面を有する壁状のスペーサを形成した液晶表示装置を用いることにより、液晶分子を一定方向に配向させる。図1〜図4の液晶分子の配向は、電界無印加時の概略図を示している。なお、液晶分子中の黒く示している部分は、対向基板に近い液晶分子の端部を示している。
【0046】
本発明の液晶表示装置には、台形断面である壁状のスペーサを少なくとも一方の基板に配置する。この台形の側面テーパー角は、75.0°〜89.9°好ましくは82°〜87°の角度を有することが望ましい。電界無印加時には、液晶分子は、壁状のスペーサの傾斜した側面に規制力を受け、側面にほぼ平行に配向し、電界印加時には液晶分子は基板表面に平行に配向する。
【0047】
つまり、この傾斜した側面を有する壁状のスペーサが形成された液晶表示装置を用いることにより、液晶分子のスイッチングする方向を制御できる。
【0048】
前記壁状のスペーサはアクリル系、ポリイミド系、ポリイミドアミド系、エポキシ系の少なくとも一つを主成分とする有機系樹脂材料、もしくは酸化珪素、酸化窒化珪素のいずれか一種類の材料あるいはこれらの積層膜からなる無機系材料であることを特徴とする。
【0049】
工業的に見て、この製造工程を用いた場合、ラビング工程に相当する配向処理を省くことができ、また、壁状のスペーサは基板の間隔(ギャップ)を保持する役割をもっているので、スペーサ散布工程の省略が可能となり、生産性が向上する。さらに、本発明の液晶表示装置においては基板上に形成された壁状のスペーサの均一性を検査するだけで、表示むらの発生を予測できる利点をも有している。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体例について図面を参照して説明する。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0051】
実施形態1における液晶表示装置の断面図を図1に示している。実施形態2における液晶表示装置の断面図を図2に示している。実施形態3における液晶表示装置の断面図を図3に示している。実施形態4における液晶表示装置の断面図を図4に示している。
【0052】
図1〜図4の画素部の上面図を図5に示している。図5の液晶表示装置をA−A’線で破断したものが図1〜図4に相当する。図5では壁状のスペーサ85とソース電極88を図示している。観測者から見た壁状のスペーサ85の形状は、図5(a)-1,図5(a)-2,図5(b),図5(c)-1,図9(c)-2,図5(d),図5(e)が可能であるが、本実施形態は、これらの形状に限定されるものではない。また、図5(a)-1,図5(a)-2,図5(d)において、透明絶縁性の基板(透明性絶縁基板)と平行に切断されたスペーサの断面形状はストライプ状である。一方、図5(c)-1,図5(e)において、スペーサは分岐している(枝部を有している)。図5〜図9において、壁状のスペーサ85−1は基板上に、壁状のスペーサ85−2は対向基板上にそれぞれ形成されていることを意味している。B線内は一画素を示している。
【0053】
図6は、図1の画素部の上面図であり、電圧無印加時における画素内の液晶分子のディレクターを示している。また、図6(a)-1,(c)-1は、それぞれ図5(a)-1,(c)-1のB線付近の拡大図である。85−1は基板上の壁状のスペーサであり、85−2は対向基板上の壁状のスペーサ85−2である。図7は、図2の画素部の上面図であり、電圧無印加時における画素内の液晶分子のディレクターを示している。また、図7(a)-1,(c)-1は、それぞれ図5(a)-1,(c)-1のB線付近の拡大図である。85−1は基板上に底面部が形成された壁状のスペーサであり、85−2は対向基板上の壁状のスペーサ85−2である。図8は、図3の画素部の上面図であり、電圧無印加時における画素内の液晶分子のディレクターを示している。また、図8(d),(e)は、それぞれ図5(d),(e)のB線付近の拡大図である。85−1は基板上の壁状のスペーサであり、88はソース電極88である。図9は、図4の画素部の上面図であり、電圧無印加時における画素内の液晶分子のディレクターを示している。また、図9(a)-2,(b)は、それぞれ図5(a)-2,(b)のB線付近の拡大図である。85−1は基板上の壁状のスペーサであり、85−2は対向基板上の壁状のスペーサ85−2である。
【0054】
実施形態5では液晶表示装置の作製方法を図10〜図15に示している。実施形態6では液晶表示装置の作製方法を図16〜図18に示している。実施形態7では液晶表示装置の作製方法を図19〜図24に示している。
【0055】
実施形態8では半導体層の結晶化方法を図25〜図27に示している。
【0056】
実施形態9では、着色層(カラーフィルター)を含む対向基板を図28に示している。実施形態10では、本発明の薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)回路によるアクティブマトリクス型液晶表示装置を組み込んだ半導体装置を図30〜図32に示している。
【0057】
[実施形態1](液晶表示装置の製造方法)
図1を用いて、本発明の液晶表示装置の製造方法について説明する。液晶表示装置を製造するためにアクティブマトリクス基板11と対向基板12を用いる。アクティブマトリクス基板11は、実施形態5〜8で作成されたアクティブマトリクス基板を簡略化して図示したものである。対向基板12は、アクティブマトリクス基板11に対向して設けられる基板である。
【0058】
対向基板12とアクティブマトリクス基板11にそれぞれ透明導電膜として酸化インジウム酸化スズ合金(In2O3―SnO2;ITO)、つまり、ITO膜17とITO膜13が形成されている。本実施形態では17と13にITO膜を用いたが、17と13のうちいずれか一方が透明であって、17と13が導電膜であればよい。
【0059】
本発明の液晶表示装置を単純マトリクス型液晶表示装置に用いる場合は、対向基板12とアクティブマトリクス基板11にそれぞれ設けられたITO膜17とITO膜13を互いに直交するようにストライプ状に形成する。
【0060】
本発明の液晶表示装置をアクティブマトリクス型液晶表示装置に用いる場合は、対向基板11の画素部を覆うようにITO膜17を形成し、アクティブマトリクス基板11には各画素毎にパターニングされたITO膜13を形成する。
【0061】
次に、アクティブマトリクス基板11と対向基板12に配向膜14を形成し、焼成を行う。配向膜14は、JALS−2021(JSR製)を利用する。配向膜14はフレキソ印刷法により基板上に印刷する。配向膜14の膜厚は焼成後の厚さで80nm程度となるようにする。配向膜は80℃のホットプレートでプリベークを行った後、250℃のクリーンオーブンで1.5時間焼成する。
【0062】
本発明はラビング工程がなくても均一な液晶配向が得られものである。配向膜形成後のラビング工程は行わない。
【0063】
次に、アクティブマトリクス基板11及び対向基板12に基板の間隔を保つギャップ保持材として壁状のスペーサ15を形成する。まず、壁状のスペーサ15はフォトリソグラフィ工程により所定の形状にかつ、所定の位置にパターニングする。所定の位置にパターニングができるように、アクティブマトリクス基板11及び対向基板12の四隅の内側には、それぞれマーカが設けられている。ギャップ保持材としては感光性アクリル材料を主成分とした材料のNN700(JSR製)を利用している。NN700をスピナーで基板全面に成膜する。膜厚は4.2μmとなるように設定している。NN700を塗布、プリベークした後、パターニング用のマスクを用いてマスクアライナーで露光する。このあとCD700(富士フィルムレオーリン製)で現像を行い、乾燥させた基板に対し250℃、1時間焼成工程を行う。その結果、図1に示したような壁状のスペーサ15を形成する。SEM(Scanning electron microscope)観察を行ったところ、この高さは4μm程度である。
【0064】
その後、ディスペンス描写法を用いて、対向基板12にシール材(図示せず)を設ける。
【0065】
シール材によって形成されたシールパターン(図示はせず)の幅は、重ね合わせ、熱プレス後、1.2〜1.5mmになるように設定する。シールパターンには、その一部に注入口(図示せず)が設けられ、その注入口より液晶を注入する。シール材を塗布後、シール材を、90℃、0.5時間程度で焼成する。
【0066】
以上の工程を経たアクティブマトリクス基板11と対向基板12とを両基板に設けられたマーカが一致するように貼り合わせる。貼り合わせた一対の基板に対し、0.3〜1.0kgf/cm2の圧力を基板平面に垂直な方向にかつ基板全面に加え、同時にクリーンオーブンにて160℃、2時間程度、熱プレスにより接着させる。
【0067】
そして、貼り合わせた一対の基板が冷却するのを待ってから、スクライバーとブレイカーによる分断を行う。
【0068】
真空注入法で液晶を注入する。真空容器の中に分断後のパネルを準備し真空ポンプにより、真空容器の内部を1.33×10-5から1.33×10-7Pa程度の真空状態にした後、注入口を負の誘電率異方性を有する液晶MLC−2038(メルク製)が盛られた液晶皿に浸漬させる。負の誘電率異方性を有する液晶MLC−2038の長軸が電界と平行に配向した状態の誘電率は4.0、その短軸が電界と平行に配向した状態の誘電率は9.0である。
【0069】
次に、真空状態にある真空チャンバーを徐々に窒素でリークして大気圧に戻すとパネル内の気圧と大気圧との圧力差と液晶の毛細管現象の作用により液晶パネルの注入口から液晶が注入され、注入口側から徐々に反対側に液晶が進行し注入工程が完了する。負の誘電率異方性を有する液晶16は、図1に示すように、壁状のスペーサを用いたので、一定のプレチルト角を有し、壁状のスペーサの傾斜した側面とほぼ平行に配向が制御されることが可能となった。図1中の負の誘電率異方性を有する液晶16の黒く示したところは、その先端(端部)が対向基板12の方に向いていることを示している。
【0070】
シール材が形成されたシールパターンの内部が液晶で満たされたことを確認したら、液晶パネルの両面を加圧し、15分後、余分な液晶をふきとり、加圧した状態で注入口(図示せず)に紫外線硬化型樹脂(図示せず)を塗布し、加圧を弱める。その際、紫外線硬化型樹脂が浸入する。この状態で紫外線照射(4〜10mW/cm2、120秒間)により、紫外線硬化型樹脂を硬化させ、注入口の封止をおこなう。
【0071】
次に、液晶パネルの表面及び端面に付着した液晶を有機溶媒、例えば、アセトン及びエタノールで洗浄する。その後、130℃、0.5時間程度で液晶を再配向させる。
【0072】
その後、外部引出し配線(図示せず)にフレキシブルプリント配線板(Flexible Print Circuit;FPC)が接続される。次いで、液晶パネルの両面に偏光板が貼り付けられ、液晶表示装置が完成する。
【0073】
本実施形態の液晶表示装置において電界無印加時は、壁状のスペーサの傾斜した側面の影響を受けて、その傾斜した側面とほぼ平行に液晶分子は配列する。電圧を印加すると、まず傾斜した側面とほぼ平行な方向にプレチルト角を有する傾斜した側面付近の液晶分子が基板と平行に配向し始める。そして、傾斜した側面付近以外の液晶分子もこれらの液晶分子の影響を受け、順次同じ方向へ配列しようとする。こうして、画素(A1-A1’)全体にわたって安定した配向が得られる。すなわち、壁状のスペーサを用いることにより、表示部全体の配向が制御される。
【0074】
よって、図1のように、壁状のスペーサに対し液晶配向が対称になるため、広視野角表示のマルチドメイン垂直配向型の液晶表示装置を得ることができる。さらに壁状のスペーサを用いることで、基板の間隔のばらつき、すなわち、セルギャップのムラが少なくなる。
【0075】
本発明では、壁状のスペーサの形成し易さからアクリル樹脂を用いたが、液晶よりも誘電率の小さい材料であれば特に限定されない。本発明で用いたアクリル樹脂NN700の誘電率は、3.4である。上面部を平坦な形状となるようにした場合、対向側の基板を重ね合せた際に、液晶表示装置としての機械的な強度を確保できる。さらに、ノーマリーホワイトモードで黒色樹脂など遮光性機能を有する物質を含有するスペーサを用いた場合、スペーサ自身からの光漏れが解消され、コントラストが向上する。本明細書の壁状のスペーサにおいて、上面部とは壁状のスペーサの形成時、基板面(アクティブマトリクス基板又は対向基板上の面)から最も離れた壁状のスペーサの一面をいう。一方、後述する底面部とは壁状のスペーサの形成時、基板面(アクティブマトリクス基板又は対向基板上の面)に最も近接した壁状のスペーサの一面をいう。
【0076】
予備実験として、ITO膜を形成した2枚のガラス基板にNN700(膜厚4μm)を塗布し、ラビングした後、ラビング方向がアンチパラレルとなるように2枚のガラス基板をシール材で貼り合わせ、分断した。負の誘電率異方性を有する液晶MLC−2038(メルク製)を注入口より注入し、プレチルト角を測定したところ、1.8〜2.7°であった。よって、NN700の表面付近では液晶分子の長軸方向をその表面に対して概略平行となるように作用する配向規制力があることを確認した。
【0077】
本実施形態の観測者から見た壁状のスペーサ85の形状は、図5(a)-1と(c)-1があげられる。図6(a)-1では、壁状のスペーサ85−1と壁状のスペーサ85−2により、配向の二分割化が可能となる。さらに、図6(c)-1では、壁状のスペーサ85−1と壁状のスペーサ85−2が枝部をもっている、すなわち、分岐しているため、配向の二分割化以上(多分割化)が可能となる。
【0078】
本実施形態では、壁状のスペーサのみで液晶のプレチルト角を制御し液晶を配向させたが、壁状のスペーサとスリットとの組み合わせにより、液晶のプレチルト角を制御し液晶を配向させてもよい。
【0079】
本実施形態では、壁状のスペーサ15をアクティブマトリクス基板11及び対向基板12にそれぞれ形成したが、図1のように、対向して形成された壁状のスペーサの斜辺同士がほぼ平行になるのであれば、壁状のスペーサをアクティブマトリクス基板11又は対向基板12のいずれか一方に形成しても良い。
【0080】
本実施形態では、フォトリソ工程を形成したが、基板上のネガ型樹脂の塗布面の背面から露光する工程を用いてもよい。ネガ型樹脂は、光等の照射により、重合または架橋して現像液に不溶性又は難溶性となり、現像後まで基板の表面に残る感光性材料である。また、ドライエッチング法やプラズマエッチング法を用いても、前述の形状を有する壁状のスペーサの形成が可能である。
【0081】
本実施形態では、壁状のスペーサを用いたが、柱状のスペーサを用いてその周辺に存在する液晶をマルチドメイン配向させてもよい。
【0082】
本実施形態では、対向基板12側にシール材を塗布したが、アクティブマトリクス基板11側にシール材を塗布してもよい。
【0083】
本実施形態では、JSR製の配向膜JALS−2021を用いたが、通常の垂直配向用の配向膜であれば特に限定されない。
【0084】
本実施形態では、シール材の塗布の際、ディスペンス描写法を用いたが、スクリーン印刷法を用いてもよい。
【0085】
本実施形態では、液晶注入法として浸漬法を用いたが、シールの注入口から液晶を注入する滴下注入法を用いてもよい。また、シールとして紫外線硬化型樹脂を用い、二枚の基板間に液晶を塗布し、重ね合わせ、シール処理を行ってもよい。この注入法はラミネート法と呼ばれている。
【0086】
本実施形態では、シール材の材料としてエチルセルソルブを含有したエポキシ樹脂とフェノール硬化剤を用いたが、紫外線硬化性や熱硬化性を有する封止用の樹脂であれば特に限定されない。
【0087】
本発明の液晶表示装置はアクティブマトリクス型液晶表示装置と単純マトリクス型液晶表示装置のいずれにおいても適用される。
【0088】
[実施形態2]
実施形態1では、配向膜を塗布した後に壁状のスペーサを形成したが、本実施形態では、壁状のスペーサを形成した後に配向膜を塗布し、図2のような液晶表示装置を得る。
【0089】
ITO膜23が設けられたアクティブマトリクス基板21とITO膜27が設けられた対向基板22にそれぞれギャップ保持材として壁状のスペーサ25を形成する。その後、アクティブマトリクス基板21及び対向基板22に配向膜24を塗布する。本実施形態では27と23にITO膜を用いたが、27と23のうちいずれか一方が透明であって、27と23が導電膜であればよい。その後、アクティブマトリクス基板21及び対向基板22に配向膜24を塗布する。
【0090】
アクティブマトリクス基板21の配向膜24と対向基板22の配向膜24とを対向させておいて、一対の基板間に負の誘電率異方性を有する液晶26を満たすことにより、図2のような液晶表示装置が得られる。アクティブマトリクス基板21上の壁状のスペーサ25に塗布された配向膜28と対向基板22上の壁状のスペーサ25に塗布された配向膜28により、負の誘電率異方性を有する液晶46の配向を制御できる。
【0091】
なお、本実施形態では壁状のスペーサ25をアクティブマトリクス基板21と対向基板22に形成しているため、観測者から見た壁状のスペーサ85の形状は、図5(a)−1、(c)−1が望ましい。図7(a)-1では、壁状のスペーサ85−1と壁状のスペーサ85−2により、配向の2分割化が可能となる。さらに、図7(c)-1では、壁状のスペーサ85−1と壁状のスペーサ85−2が枝部をもっているため、すなわち、分岐しているため、配向の2分割化以上(多分割化)が可能となる。
【0092】
この液晶表示装置において電圧無印加時は、壁状のスペーサ25上に配向膜24があると液晶分子は配向膜に対しほぼ垂直に配向する。電圧を印加すると、まず壁状のスペーサ付近の液晶分子が基板と平行に配向し始める。そして、傾斜した側面付近以外の液晶分子もこれらの液晶分子の影響を受け、順次同じ方向へ配列しようとする。こうして、画素部(A2-A2’)全体にわたって安定した配向が得られる。すなわち、壁状のスペーサ25を用いることにより、表示部全体の配向が制御される。
【0093】
[実施形態3]
実施形態1とほぼ同様な方法で、図3のような液晶表示装置が得られる。本実施形態では、壁状のスペーサの傾斜した側面とソース配線(ソース電極)の側面に塗布された配向膜により、負の誘電率異方性を有する液晶を一定の方向に配向させることができる。
【0094】
図3のように、まず、ITO膜33及びソース配線38が設けられたアクティブマトリクス基板31とITO電極33が設けられた対向基板32にそれぞれ配向膜34を形成する。本実施形態では37と33にITO膜を用いたが、37と33のうちいずれか一方が透明であって、37と33が導電膜であればよい。さらに、アクティブマトリクス基板31のITO電極33上に塗布された配向膜34上にはギャップ保持材として壁状のスペーサ35を形成する。
【0095】
アクティブマトリクス基板31の配向膜34と対向基板32の配向膜34とを対向させておいて、一対の基板間に負の誘電率異方性を有する液晶36を満たすことにより、図3のような液晶表示装置が得られる。壁状のスペーサ35の傾斜した側面とソース配線38の側面に塗布された配向膜により、負の誘電率異方性を有する液晶36を一定の方向に制御できる。
【0096】
なお、観測者から見た壁状のスペーサ85の形状の一例は、図5(d),図5(e)があげられる。図8(d)では、ソース配線88と壁状のスペーサ85−1により、配向の2分割化が可能となる。壁状のスペーサに対し、液晶分子が対称に配向するため、ソース線に対し左右対称な視野角特性が得られる。さらに、図8(e)では、壁状のスペーサ85−1が枝部をもっているため、すなわち、分岐しているため、配向の2分割化以上(多分割化)が可能となる。
【0097】
本実施形態では、液晶分子が一定方向にプレチルトを持つためには、壁状のスペーサ35をアクティブマトリクス基板31に形成することが望ましい。対向基板32に壁状のスペーサ35を設ける場合はエッチングにより壁状のスペーサの底面部が上面部に比べ小さくなるようにするのが望ましい。
【0098】
本実施形態の液晶表示装置において電圧無印加時は、壁状のスペーサ35の傾斜した側面と、ソース配線38の側面に塗布された配向膜34の影響で、ソース配線38と壁状のスペーサ35に挟まれた領域の液晶分子が、ソース配線38近傍と壁状のスペーサ35近傍でプレチルトの違いはあるものの、基板の法線方向に対し同じ側に傾く。
【0099】
電圧を印加すると、まず壁状のスペーサ35の傾斜した側面付近の液晶分子とソース配線38近傍の液晶分子が基板と平行に配向し始める。そして、壁状のスペーサ35の傾斜した側面付近以外の液晶分子もこれらの液晶分子の影響を受け、順次同じ方向へ配列しようとする。こうして、画素部(A3-A3’)全体にわたって安定した液晶の配向が得られる。
【0100】
このように、壁状のスペーサ35の傾斜した側面とソース配線38によりできた凸部の側面に塗布された配向膜により、負の誘電率異方性を有する液晶36を一定の方向に配向させることができる。
【0101】
[実施形態4]
実施形態1では、隣り合う壁状のスペーサがその上面部と底面部が交互にするように配列させているが、図4のように隣り合う壁状のスペーサの上面部どうし底面部どうしがとなりあうように配列されても、広視野角表示のマルチドメイン垂直配向型液晶表示装置を得ることができる。
【0102】
図4は、まず、ITO膜43及びソース配線(ソース電極)48が設けられたアクティブマトリクス基板41とITO膜47が設けられた対向基板42にそれぞれ配向膜44を形成する。本実施形態では47と43にITO膜を用いたが、47と43のうちいずれか一方が透明であって、47と43が導電膜であればよい。さらに、ITO電極43及びソース配線48に塗布された配向膜44にギャップ保持材として壁状のスペーサ45を形成する。アクティブマトリクス基板41の配向膜44と対向基板42の配向膜44とを対向させておいて、一対の基板間に負の誘電率異方性を有する液晶46を満たすことにより、図4のような液晶表示装置が得られる。電圧無印加時、アクティブマトリクス基板41上に形成された壁状のスペーサ45の側面により、負の誘電率異方性を有する液晶46が一定の方向に配向が制御される。
【0103】
なお、観測者から見た壁状のスペーサ85の形状は、図5(a)−2,図5(b), 図9(c)-2(図5(c)-1とは異なり、すべての壁状のスペーサが85−1である。)があげられる。図9(a)-2では、隣り合う壁状のスペーサ85−1により、配向の2分割化が可能となる。さらに、図9(c)-2では、壁状のスペーサ85−1が枝部をもっているため、すなわち、分岐しているため、配向の2分割化以上が可能となる。さらに、図9(b)では、配向の4分割化が可能となる。本実施形態の液晶表示装置を用いた場合、壁状のスペーサと該壁状のスペーサとの間に液晶の境界面が生じる。
【0104】
特に、図5(b)の形状の壁状のスペーサ85を有する液晶表示装置には、ラミネート注入法が用いられる。図5(c)の形状の壁状のスペーサ85−1は、浸漬法を用いることができるように、図5(b)の形状の壁状のスペーサを改良した一例である。
【0105】
本実施形態の液晶表示装置において電圧無印加時は、壁状のスペーサ45上の液晶分子は壁状のスペーサ45に対しほぼ平行に配向する。電圧を印加すると、まず壁状のスペーサ45付近の液晶分子が基板と平行に配向し始める。そして、傾斜した側面付近以外の液晶分子もこれらの液晶分子の影響を受け、順次同じ方向へ配列しようとする。こうして、画素部(A4-A4’)全体にわたって安定した配向が得られる。すなわち、壁状のスペーサ45を用いることにより、表示部全体の配向が制御される。
【0106】
本実施形態では、壁状のスペーサの形成する場所として、ITO膜と同じ高さのソース配線を選んだが、特にこれに限定されない。
【0107】
本実施形態では、実施形態1、実施形態2と比べ、アクティブマトリクス基板41あるいは対向基板42のいずれか一方に壁状のスペーサ45を形成すればよいので、壁状のスペーサのマスクが削減でき、工程が簡略化される。
【0108】
[実施形態5](液晶表示装置の製造方法)
本発明で用いる透過型の液晶表示装置の作製方法を図10〜図15を参照して説明する。なお、図10〜図15に対応する部分には同じ符号を用いている。図15中の鎖線C−C’は図12中の鎖線C―C’で切断した断面図に対応している。また、図15中の鎖線D−D’は図12中の鎖線D―D’で切断した断面図に対応している。
【0109】
本実施形態における壁状のスペーサの配置は図1で示すものと対応している。かつ、図1のように配向膜を形成した後に壁状のスペーサを形成している。図14の鎖線A1−A1'は図1の鎖線A1−A1'と対応している。図1では、液晶の配向に影響する要素が図示されている。
【0110】
アクティブマトリクス基板は、上面図の図15に示すように、行方向に配置されたゲート配線と、列方向に配置されたソース配線439と、ゲート配線とソース配線の交差部近傍の画素TFTを有する画素部と、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTを有する駆動回路とを含む。ゲート配線は、行方向に配置されたゲート配線471とゲート電極436と438がコンタクトホールにより電気的に接続したものを指している。
【0111】
図15において、ソース配線439とゲート電極436、ゲート電極438が同一層に形成されている。ゲート電極436、ゲート電極438は容量電極をかねている。ソース配線439とゲート電極436、ゲート電極438に接するように第一の層間絶縁膜(図12の464)が形成されている。第一の層間絶縁膜上に第二の層間絶縁膜(図12の465)が形成されている。さらに、第二の層間絶縁膜の上にゲート配線471、容量接続電極473、ドレイン電極472、ソース接続電極470が形成されている。
【0112】
透過型の液晶表示装置のため、ドレイン電極472に重なるように、画素電極474が形成されている。画素電極474は透明導電膜からなる。画素電極474は容量接続電極473、ドレイン電極472と重なるように形成されている。
【0113】
ゲート配線471は、ゲート電極436、ゲート電極438に対し、第一の層間絶縁膜と第二の層間絶縁膜を介して設けられている。図15における画素構造においては、このゲート電極436、ゲート電極438は島状のパターンであり、ゲート電極となるだけでなく、前述のように隣りあう画素の保持容量を構成する電極の一つとなる役目をも果たしている。
【0114】
つまり、画素電極474の保持容量は島状半導体膜406を覆う絶縁膜を誘電体とする。画素電極474と容量接続電極473が電気的に接続する。さらに容量接続電極473と島状半導体膜406が電気的に接続する。これにより、島状半導体膜406が第一の容量電極として機能する。島状のゲート電極436、ゲート電極438が第二の容量電極として機能する。
【0115】
各画素間は、主に画素電極474の端部をソース配線439と重ね、遮光することが可能となる。
【0116】
本実施形態のアクティブマトリクス基板の作製工程を図10〜図12の断面図を参照して説明する。
【0117】
図10(A)に示すように、コーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラスから成る基板400上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜401、下地膜402を形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜401を10〜200nm(好ましくは50〜100nm)形成し、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化水素化シリコン膜402を50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。本実施形態では下地膜を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造として形成しても良い。
【0118】
島状半導体膜403〜406は、非晶質構造を有する半導体膜をレーザー結晶化法や公知の熱結晶化法を用いて作製した結晶質半導体膜で形成する。この島状半導体膜403〜406の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
【0119】
レーザー結晶化法で結晶質半導体膜を作製するには、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやYAGレーザー、YVO4レーザーを用いる。これらのレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学系で線状に集光し半導体膜に照射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、エキシマレーザーを用いる場合はパルス発振周波数30Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜400mJ/cm2(代表的には200〜300mJ/cm2)とする。また、YAGレーザーを用いる場合にはその第二高調波を用いパルス発振周波数1〜10kHzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cm2(代表的には350〜500mJ/cm2)とすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射し、この時の線状レーザー光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%として行う。
【0120】
アクティブマトリクス基板のTFTの活性層を形成する結晶質半導体膜の他の作製方法については、結晶質半導体膜を特開平7−130652号公報で開示されている触媒元素を用いて結晶化する方法がある。触媒元素を用いた結晶化法の詳細は実施形態8において図25を参照して説明する。
【0121】
次いで、島状半導体膜403〜406を覆うゲート絶縁膜407を形成する。ゲート絶縁膜407はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施形態では、120nmの厚さの酸化窒化シリコン膜で形成する。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。例えば、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。このようにして作製される酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
【0122】
そして、ゲート絶縁膜407上にゲート電極を形成するための第一の導電膜408と第二の導電膜409とを形成する。本実施形態では、第一の導電膜408をTaNで50〜100nmの厚さに形成し、第二の導電膜409をWで100〜300nmの厚さに形成する。
【0123】
W膜を形成する場合には、Wをターゲットとしたスパッタ法で形成する。その他に六フッ化タングステン(WF6)を用いる熱CVD法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、W膜中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、純度99.9999%のWターゲットを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
【0124】
なお、本実施形態では、第一の導電膜408をTaN、第二の導電膜409をWとしたが、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。本実施形態以外の組み合わせとしては、第一の導電膜を窒化タンタル(TaN)で形成し、第二の導電膜をAlとする組み合わせ、第一の導電膜を窒化タンタル(TaN)で形成し、第二の導電膜をCuとする組み合わせなどがある。
【0125】
次に、レジストによるマスク411〜416を形成し、電極及び配線を形成するための第一のエッチング処理(図10(B))を行う。本実施形態ではICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチング用ガスにCF4とCl2を混合し、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して行う。基板側(試料ステージ)にも100WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した場合にはW膜及びTa膜とも同程度にエッチングされる。
【0126】
上記エッチング条件では、レジストによるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第一の導電層及び第二の導電層の端部がテーパー部の角度が15〜45°のテーパー形状となる。ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。W膜に対する酸化窒化シリコン膜の選択比は2〜4(代表的には3)であるので、オーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチングされることになる。こうして、第一のエッチング処理により第一の導電層と第二の導電層から成る第一の形状の導電層420〜425(第一の導電層420a〜425aと第二の導電層420b〜425b)を形成する。418はゲート絶縁膜であり、第一の形状の導電層420〜425で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0127】
次に、図10(C)に示すように第二のエッチング処理を行う。同様にICPエッチング法を用い、エッチングガスにCF4とCl2とO2を混合して、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF電力(13.56MHz)を供給し、プラズマを生成して行う。基板側(試料ステージ)には50WのRF(13.56MHz)電力を投入し、第一のエッチング処理に比べ低い自己バイアス電圧を印加する。このような条件によりW膜を異方性エッチングし、かつ、それより遅いエッチング速度で第一の導電層であるTaNを異方性エッチングして第二の形状の導電層434〜439(第一の導電層434a〜439aと第二の導電層434b〜439b)を形成する。426はゲート絶縁膜であり、第二の形状の導電層434〜439で覆われない領域はさらに20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0128】
そして、第一のドーピング処理を行い、n型を付与する不純物元素を低濃度中加速で添加する。ドーピングの方法はイオンドープ法若しくはイオン注入法で行えば良い。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン(P)を用いる。この場合、導電層434〜438がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に第一の不純物領域428〜432が形成される。本明細書では、第一の導電層(434a〜438a)であるTaNに覆われている不純物領域を第一の不純物領域(428〜432)と明記し、第一の導電層(434a〜438a)であるTaNに覆われていない不純物領域を第二の不純物領域(441〜445)と明記する。第一の不純物領域(428〜432)の濃度は2×1016〜5×1019atoms/cm3となるようにする。
【0129】
図11(A)に示すように第一の導電層(434a〜439a)であるTaNをマスクとして、ゲート絶縁膜をエッチングした。第一の導電層とゲート絶縁膜が重なり合っていない領域がエッチングにより除去される。その後NMPを主成分とする剥離液により図10(B)に示すレジスト411〜416を剥離した。
【0130】
その後、図11(B)に示すように、レジスト446〜448を形成し、第二のドーピング処理を行う。この場合、n型を付与する不純物元素を低濃度高加速度で島状半導体膜に添加する。引き続きn型を付与する不純物元素を高濃度低加速度で島状半導体膜に添加する。このとき、画素TFT及びpチャネル型TFTはレジストマスクで覆われている。これにより島状半導体膜に形成された第二の不純物領域(図10(C)に示す441〜445)の外側に新たな不純物領域として、第三の不純物領域450〜458ができる。ゲート絶縁膜を介してn型の不純物元素が添加された領域は、不純物濃度が異なる第四の不純物領域(466〜467)が形成される。
【0131】
この段階で、第一の不純物領域(428、430、432)の濃度は2×1016〜5×1019atoms/cm3となるようにする。また第二の不純物領域(440、441、443、445)の濃度は1×1016〜5×1018atoms/cm3となるようにする。第三の不純物領域(450〜458)のn型不純物の濃度は1×1020〜1×1022atoms/cm3となるようにする。第四の不純物領域(466〜467)のn型不純物の濃度は第三の不純物領域の濃度と第二の不純物領域の濃度の間になる。
【0132】
そして、図11(C)に示すように、レジスト446〜448を剥離後、レジスト459、レジスト460を形成する。レジスト459、レジスト460をマスクとして第三のドーピング処理をする。これにより、p型を付与する不純物元素を島状半導体膜に注入し、pチャネル型TFTを形成する。島状半導体膜403に第五の不純物領域460〜461と第六の不純物領域462〜463を形成する。このとき、nチャネル型TFTを形成する島状半導体層404、405、406はレジスト459〜460をマスクとして全面を被覆しておく。第五の不純物領域460〜461と第六の不純物領域462〜463は異なる濃度でリンが添加されている。本実施形態はジボラン(B2H6)を用いたイオンドープ法を用いる。p型を付与する不純物元素の濃度はnチャネル型TFTをpチャネル型TFTに反転させるのに充分な量とする。この時、チャネル領域と第五の不純物領域460〜461までの距離が0.2μm程度の場合は、高濃度低加速で不純物をドーピングしても良い。チャネル領域と第五の不純物領域460〜461までの距離が大きい場合は、低濃度高加速の不純物ドーピングと高濃度低加速の不純物ドーピングを併用しても良い。
【0133】
以上の工程により、それぞれの島状半導体膜に不純物領域が形成される。島状半導体膜と重なる導電層434〜436、438がTFTのゲート電極として機能する。439はソース配線、437は容量配線として機能する。
【0134】
次に、図12(A)に示すように、それぞれの島状半導体膜に添加された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜600℃で行うものであり、本実施形態では500℃で4時間の熱処理を行う。ただし、434〜440に用いた配線材料が熱に弱い場合には、配線等を保護するため層間絶縁膜(シリコンを主成分とする)を形成した後で活性化を行うことが好ましい。
【0135】
さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0136】
次いで、図12(B)に示すように、ゲート電極およびゲート絶縁膜上に第一の層間絶縁膜464を形成する。第一の層間絶縁膜は酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはこれらを組み合わせた積層膜で形成すれば良い。いずれにしても第一の層間絶縁膜464は無機絶縁物材料から形成する。第一の層間絶縁膜464の膜厚は100〜200nmとする。
【0137】
ここで、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法で、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Orthosilicate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(176MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。酸化窒化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化シリコン膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜で形成すれば良い。この場合の作製条件は反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(60MHz)電力密度0.1〜1.0W/cm2で形成することができる。また、SiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化シリコン膜を適用しても良い。窒化シリコン膜も同様にプラズマCVD法でSiH4、NH3から作製することが可能である。本実施形態では第一の層間絶縁膜464を酸化窒化シリコン膜から100〜200nmの厚さで形成する。
【0138】
その後、有機絶縁物材料からなる第二の層間絶縁膜465を1.0〜2.0μmの平均厚を有して形成する。有機樹脂材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。例えば、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用いる場合には、クリーンオーブンで300℃で焼成して形成する。また、アクリルを用いる場合には、2液性のものを用い、主材と硬化剤を混合した後、スピナーを用いて基板全面に塗布した後、ホットプレートで80℃で60秒の予備加熱を行い、さらにクリーンオーブンで250℃で60分焼成して形成することができる。
【0139】
このように、第二の層間絶縁膜を有機絶縁物材料で形成することにより、表面を良好に平坦化させることができる。また、有機樹脂材料は一般に誘電率が低いので、寄生容量を低減することができる。しかし、吸湿性があり保護膜としては適さないので、本実施形態のように、第一の層間絶縁膜464として形成した酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜などと組み合わせて用いる必要がある。
【0140】
その後、フォトマスクを用い、所定のパターンのレジストマスクを形成し、それぞれの島状半導体膜に形成されたソース領域またはドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する。コンタクトホールの形成はドライエッチング法により行う。この場合、エッチングガスにCF4、O2、Heの混合ガスを用い有機樹脂材料から成る第二の層間絶縁膜465をまずエッチングし、その後、続いてエッチングガスをCF4、O2として第一の層間絶縁膜464をエッチングする。さらに、島状半導体層との選択比を高めるために、エッチングガスをCHF3に切り替えてゲート絶縁膜をエッチングすることにより、良好にコンタクトホールを形成することができる。
【0141】
そして、導電性の金属膜をスパッタ法や真空蒸着法で形成し、フォトマスクによりレジストをマスクとしてパターンを形成し、エッチングによってソース配線427、ソース配線467、ドレイン配線468〜469とドレイン電極472と、ソース接続電極470と容量接続電極473とゲート配線471を形成する。
【0142】
ここで、ドレイン電極472は後述する画素電極474と電気的に接続して機能するものである。容量接続電極473は保持容量504の電極として機能する島状半導体層406に電位を与える。ゲート配線471は上面図の図15で詳細に説明したが、ゲート電極436、ゲート電極438とコンタクトホールにより電気的に接続するものである。なお、本実施形態の保持容量504は画素電極474と同一画素内にある。
【0143】
図12では、導電性の金属膜としてTi膜を50〜150nmの厚さで形成し、島状半導体膜のソース領域またはドレイン領域とコンタクトを形成し、Ti膜上に重ねてアルミニウム(Al)を300〜400nmの厚さで形成し、さらにTi膜または窒化チタン(TiN)膜を100〜200nmの厚さで形成して3層構造とする。この構成にすると、後述する画素電極474はドレイン電極472、容量接続電極473を形成するTi膜のみと接触することになる。その結果、透明導電膜とAlとが反応するのを防止できる。
【0144】
その後、透明導電膜を全面に形成し、フォトマスクを用いたパターニング処理およびエッチング処理により画素電極474を形成する。画素電極474は、層間絶縁膜465上に形成され、画素TFT503のドレイン電極472と、容量接続電極473と重なる部分を設け、接続構造を形成している。これにより、保持容量504の電極として機能する島状半導体膜406に電位が与えられる。
【0145】
透明導電膜の材料は、酸化インジウム(In2O3)や酸化インジウム酸化スズ合金(In2O3―SnO2;ITO膜)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用いて形成して用いることができる。このような材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITO膜のエッチングは残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するために酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)を用いても良い。酸化インジウム酸化亜鉛合金は表面平滑性に優れ、ITO膜に対して熱安定性にも優れているので、ドレイン配線472と容量接続配線473にAlを用いても、表面で接触するAlとの腐蝕反応を防止できる。同様に、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを用いることができる。
【0146】
この状態で水素化処理を行うとTFTの特性向上に対して好ましい結果が得られる。例えば、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行うと良く、あるいはプラズマ水素化法を用いても同様の効果が得られた。島状半導体膜403〜406中の欠陥密度を1016/cm3以下とすることが望ましく、そのために水素を0.01〜0.1atomic%程度付与すれば良かった。
【0147】
以上のようにして、pチャネル型TFT501、nチャネル型TFT502を有する駆動回路部と、画素TFT503、保持容量504とを有する画素部を同一基板上に形成することができる。本明細書中ではこのような基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0148】
本実施形態では、ゲート配線471を第二配線で形成し、ゲート電極436、438とコンタクトホールにより電気的に接続しているのが特徴である。つまり、ソース配線439とゲート電極436、ゲート電極438上に第一の層間絶縁膜464と第二の層間膜465だけを間にはさんで画素電極474が形成される。
【0149】
これはソース電極439上に画素電極474をオーバーラップできるという利点がある。
【0150】
本実施形態で示す工程に従えば、アクティブマトリクス基板の作製に必要なフォトマスクの数を7枚(島状半導体層パターン、第一配線パターン[ゲート電極、ソース配線、容量配線]、nチャネル領域のマスクパターン、pチャネル領域のマスクパターン、コンタクトホールパターン、第二配線パターン[ソース電極、ドレイン電極、容量の接続電極、ゲート配線を含む]、画素電極パターン)とすることができる。
【0151】
次に図13のように透明絶縁性の基板507に透明導電膜としてITO膜508を120nmの厚さで形成する。寄生容量がつかないようにするために駆動回路部の上部のITO膜はフォトマスクを用いたパターニング処理及びエッチング処理により除去する。ITO膜508は対向電極として機能する。本明細書中ではこのような基板を対向基板と呼ぶ。
【0152】
垂直配向用の配向膜509、垂直配向用の配向膜510を80nmの厚さでアクティブマトリクス基板と対向基板に形成する。垂直配向用の配向膜はSE1211(日産化学製)を用いる。
【0153】
さらに対向基板にNN700(JSR製)を4.2μmの厚さで塗布し、塗布、プリベークした後、パターニング用のマスクを用いてマスクアライナーで露光する。このあとCD700(富士フィルムレオーリン製)で現像を行い、乾燥させた基板に対し250℃、1時間焼成工程を行う。これにより4.0μmの高さの壁状のスペーサ505を形成する。壁状のスペーサ505はソース配線439の上方に形成する。図14の上面図に壁状のスペーサ505の形成位置を示す。図14において図15に対応する部分には同じ符号を用いている。
【0154】
さらにアクティブマトリクス基板にNN700(JSR製)を4.2μmの厚さで塗布し、塗布、プリベークした後、露光、現像を行い、乾燥させた基板に対し250℃、1時間焼成工程を行う。これにより4.0μmの高さの壁状のスペーサ506を形成する。壁状のスペーサ506は画素電極474の上に形成する。ソース配線の上方に形成した壁状のスペーサ505と画素電極の上に形成した壁状のスペーサの距離が均等になるようにする。図14の上面図に壁状のスペーサ506の形成位置を示す。図14において図15に対応する部分には同じ符号を用いている。
【0155】
その後、ディスペンス描写法を用いて、対向基板にシール材(図示せず)を設ける。シール材を塗布後、シール材を、90℃、0.5時間程度で焼成する。
【0156】
以上の工程を経たアクティブマトリクス基板と対向基板を貼り合わせる。貼り合わせた一対の基板に対し、0.3〜1.0kgf/cm2の圧力を基板平面に垂直な方向にかつ基板全面に加え、同時にクリーンオーブンにて160℃、2時間程度、熱プレスにより接着させる。
【0157】
そして、貼り合わせた一対の基板が冷却するのを待ってから、スクライバーとブレイカーによる分断を行う。
【0158】
真空注入法で液晶511を注入する。真空容器の中に分断後のパネルを準備し真空ポンプにより、真空容器の内部を1.33×10-5〜1.33×10-7Pa程度の真空状態にした後、注入口を負の誘電率異方性を有する液晶MLC−2038(メルク製)が盛られた液晶皿に浸漬させる。
【0159】
次に、真空状態にある真空チャンバーを徐々に窒素でリークして大気圧に戻すとパネル内の気圧と大気圧との圧力差と液晶の毛細管現象の作用により液晶パネルの注入口から液晶が注入され、注入口側から徐々に反対側に液晶が進行し注入工程が完了する。
【0160】
シール材が形成されたシールパターンの内側(内部)が液晶で満たされたことを確認したら、液晶パネルの両面を加圧し、15分後、余分な液晶をふきとり、加圧した状態で注入口(図示せず)に紫外線硬化型樹脂(図示せず)を塗布し、加圧を弱める。その際、紫外線硬化型樹脂が侵入する。この状態で紫外線照射(4〜10mW/cm2、120秒間)により、紫外線硬化型樹脂を硬化させ、注入口封止をおこなう。
【0161】
次に、基板表面及び端面に付着した液晶を有機溶媒、例えば、アセトン及びエタノールで洗浄した。その後、130℃、0.5時間程度で液晶を再配向させる。
【0162】
その後、外部引出し配線(図示せず)にフレキシブルプリント配線板(Flexible Print Circuit;FPC)が接続される。次いで、アクティブマトリクス基板と対向基板に偏光板が貼り付けられ、液晶表示装置が完成する。
【0163】
液晶511は、図1と図13に示すように、壁状のスペーサを用いたので、壁状のスペーサの傾斜した側面とほぼ平行に配向が制御されることが可能となる。対向する壁状のスペーサ505と壁状のスペーサ506の傾斜した側面は平行になるように形成されている。図1中の負の誘電率異方性を有する液晶16の黒く示したところは、その先端が対向基板の方に向いていることを示している。
【0164】
本実施形態により液晶の配向の2分割化が可能となる。これにより左右対称の視野特性を持つ透過型の液晶表示装置が作製される。
【0165】
[実施形態6](液晶表示装置の製造方法)
本発明で用いる透過型の液晶表示装置の作製方法を図16〜図18を参照して説明する。なお、図16〜図18において、対応する部分には同じ符号を用いている。本実施形態の画素部の上面図を図17及び図18に示す。図16中の鎖線E−E’は図17と図18を鎖線E―E’で切断した断面図に対応している。
【0166】
本実施形態の液晶表示装置は図2で示す断面と対応している。かつ、図2のように壁状のスペーサの形成後に配向膜を形成している。図18の鎖線A2−A2'は図2の鎖線A2−A2'と対応している。図2では、液晶の配向に影響する要素が図示されている。
【0167】
なお、本実施形態のアクティブマトリクス基板の作製工程は不純物の活性化工程、島状半導体膜の水素化工程まで(図10(A)〜図12(A)に示す)は、実施形態5に準じるので省略する。省略した工程において特徴的なことを列挙すると、以下の通りである。
【0168】
まず、ゲート電極を二層に分けて形成して、ゲート電極の膜厚差により、n型の不純物を島状半導体層に添加するさいに、自己整合的に島状半導体層に第一の不純物領域と第二の不純物領域を設ける(図10(B)、図10(C))。これにより一枚のフォトマスクを用いて、二種類の濃度の不純物領域を形成することができる。
【0169】
次にゲート電極をマスクとしてゲート絶縁膜をエッチングする(図11(A))。
【0170】
さらに、n型を付与する不純物元素を島状半導体膜に添加するさいに、画素TFTにおいては、レジストを設けてドーピングのマスクとすることで、島状半導体膜に第三の不純物領域を形成し、最終的には画素TFTにおいて第一の不純物領域〜第三の不純物領域が形成される。このとき、駆動回路部のnチャネル型TFTについては、レジストを形成せず、島状半導体膜には第三の不純物領域と第四の不純物領域が形成される。このようにして駆動回路部のnチャネル型TFTと画素TFTのnチャネル型TFTの島状半導体膜の不純物濃度をつくりわける(図11(B))。
【0171】
次に、本実施形態の透過型の液晶表示装置に対応するアクティブマトリクス基板の作製方法について図16(1)と図17を用いて説明する。
【0172】
まず、図16(1)に示すように、ゲート電極およびゲート絶縁膜上に第一の層間絶縁膜601を形成する。第一の層間絶縁膜601は酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはこれらを組み合わせた積層膜で形成すれば良い。いずれにしても第一の層間絶縁膜601は無機絶縁物材料から形成する。第一の層間絶縁膜601の膜厚は100〜200nmとする。
【0173】
ここで、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法で、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Orthosilicate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(176MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。酸化窒化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化シリコン膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜で形成すれば良い。この場合の作製条件は反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(60MHz)電力密度0.1〜1.0W/cm2で形成することができる。また、SiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化シリコン膜を適用しても良い。窒化シリコン膜も同様にプラズマCVD法でSiH4、NH3から作製することが可能である。本実施形態では第一の層間絶縁膜601を酸化窒化シリコン膜から100〜200nmの厚さで形成する。
【0174】
その後、有機絶縁物材料からなる第二の層間絶縁膜602を1.0〜2.0μmの平均厚を有して形成する。有機樹脂材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。例えば、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用いる場合には、クリーンオーブンで300℃で焼成して形成する。また、アクリルを用いる場合には、2液性のものを用い、主材と硬化剤を混合した後、スピナーを用いて基板全面に塗布した後、ホットプレートで80℃で60秒の予備加熱を行い、さらにクリーンオーブンで250℃で60分焼成して形成することができる。
【0175】
このように、第二の層間絶縁膜を有機絶縁物材料で形成することにより、表面を良好に平坦化させることができる。また、有機樹脂材料は一般に誘電率が低いので、寄生容量を低減することができる。しかし、吸湿性があり保護膜としては適さないので、本実施形態のように、第一の層間絶縁膜601として形成した酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜などと組み合わせて用いる必要がある。
【0176】
その後、フォトマスクを用い、所定のパターンのレジストマスクを形成し、それぞれの島状半導体膜に形成されたソース領域またはドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する。コンタクトホールの形成はドライエッチング法により行う。この場合、エッチングガスにCF4、O2、Heの混合ガスを用い有機樹脂材料から成る第二の層間絶縁膜602をまずエッチングし、その後、続いてエッチングガスをCF4、O2として第一の層間絶縁膜601をエッチングする。さらに、島状半導体膜との選択比を高めるために、エッチングガスをCHF3に切り替えてゲート絶縁膜をエッチングすることにより、良好にコンタクトホールを形成することができる。
【0177】
そして、導電性の金属膜をスパッタ法や真空蒸着法で形成し、フォトマスクによりレジストマスクパターンを形成し、エッチングによってソース配線603〜604と、ドレイン電極606〜607と接続電極605と接続電極608を形成する。
【0178】
ここで、接続電極605はソース配線610と島状半導体膜611を電気的に接続する。
【0179】
また、接続電極608は画素電極609と電気的に接続する。かつ、保持容量704の容量電極として機能する島状半導体膜609と電気的に接続して画素電極609と島状半導体膜609を同電位にする。
【0180】
なお、画素電極609と保持容量704は別画素に形成される。
【0181】
図16では、導電性の金属膜として、Ti膜を50〜150nmの厚さで形成し、島状半導体層のソースまたはドレイン領域を形成する半導体膜とコンタクトを形成し、そのTi膜上に重ねてアルミニウム(Al)を300〜400nmの厚さで形成し、さらにTi膜または窒化チタン(TiN)膜を100〜200nmの厚さで形成して3層構造とする。
【0182】
その後、透明導電膜を全面に形成し、フォトマスクを用いたパターニング処理およびエッチング処理により画素電極609を形成する。画素電極609は、層間絶縁膜602上に形成され、画素TFT703の接続電極608と一部が重なり、接続構造を形成している。
【0183】
透明導電膜の材料は、酸化インジウム(In2O3)や酸化インジウム酸化スズ合金(In2O3―SnO2;ITO膜)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用いて形成して用いることができる。このような材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITO膜のエッチングは残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するために酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)を用いても良い。酸化インジウム酸化亜鉛合金は表面平滑性に優れ、ITO膜に対して熱安定性にも優れているので、接続電極608にAlを用いても、表面で接触するAlとの腐蝕反応を防止できる。同様に、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを用いることができる。本実施形態では、酸化インジウム酸化亜鉛合金膜を120nmの厚さで形成する。
【0184】
この状態で水素化処理を行うとTFTの特性向上に対して好ましい結果が得られた。例えば、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行うと良く、あるいはプラズマ水素化法を用いても同様の効果が得られた。島状半導体膜403〜406中の欠陥密度を1016/cm3以下とすることが望ましく、そのために水素を0.01〜0.1atomic%程度付与すれば良かった。
【0185】
以上のようにして、pチャネル型TFT701とnチャネル型TFT702を有する駆動回路部と、画素TFT703、保持容量704とを有する画素部を同一基板上に形成することができる。本明細書中ではこのような基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0186】
本実施形態では、第一配線としてゲート配線612〜614と、容量配線615とソース配線610を同一層に形成して、ゲート配線とソース配線が交差しないように接続電極605を用いて、ソース配線を島状半導体層611と電気的に接続しているところが特徴である。
【0187】
本実施形態で示す工程に従えば、アクティブマトリクス基板の作製に必要なフォトマスクの数を7枚(島状半導体層パターン、第一配線パターン[ゲート配線、ソース配線、容量配線]、nチャネル領域のマスクパターン、pチャネル領域のマスクパターン、コンタクトホールパターン、第二配線パターン[接続電極]、画素電極パターン)とすることができる。
【0188】
上面図を用いて説明すると、アクティブマトリクス基板には、図17に示すように、行方向に配置されたゲート配線614及び容量配線615と、列方向に配置されたソース配線と、ゲート配線614とソース配線の交差部近傍の画素TFTを有する画素部がある。
【0189】
ただし、図17におけるソース配線は、列方向に配置された島状のソース配線610と接続電極605とが接続したものを指している。なお、島状のソース配線610は、ゲート配線614(ゲート電極612とゲート電極613を含む)及び容量配線615と同様にゲート絶縁膜(図示せず)の下部に形成されたものである。
【0190】
ゲート電極612〜613及びゲート配線614の上に接するように第一の層間絶縁膜が形成される。さらに第一の層間絶縁膜の上に第二の層間絶縁膜が形成されている。第二の層間絶縁膜の上に接続電極605と接続電極608が形成されている。
【0191】
島状のソース配線610と接続電極605はコンタクトホール616〜617で電気的に接続する。かつ、接続電極605は島状半導体膜611のソース領域と電気的に接続する。これによりソース配線610と島状半導体膜611のソース領域が電気的に接続される。
【0192】
接続電極611はコンタクトホール619により島状半導体膜611のドレイン領域と電気的に接続する。かつ、接続電極611はコンタクトホール620により容量電極として機能する島状半導体層609と電気的に接続する。接続電極611は後述する画素電極609と重なるように形成されているため、これにより容量電極として機能する島状半導体層609が画素電極609と同電位になる。
【0193】
隣接する画素との電気的な短絡を防ぐように、接続電極608の一部と直接重なるように透明導電膜からなる画素電極609が設けられている。
【0194】
本実施形態では画素電極609とゲート配線614を層間絶縁膜を間にはさんで重なり合うようなパターンにする。しかし、画素電極とゲート電極の間にできる寄生容量を減らすために、画素電極をゲート配線の内側に形成することも可能である。
【0195】
このような構成とすることによって、各画素間は、主に画素電極609の端部を島状のソース配線610やゲート配線614と重ねることにより遮光することができる。
【0196】
実施形態6に比べ、画素電極609が島状のソース配線610だけでなく、容量配線615、ゲート配線614と重なり合うようにすることができるため、画素電極の面積を大きくでき、開口率が高くなる。
【0197】
次に、図16(2)のように透明絶縁性の基板520に透明導電膜としてITO膜521を120nmの厚さで形成する。寄生容量がつかないようにするために駆動回路部の上部のITO膜はフォトマスクを用いたパターニング処理及びエッチング処理により除去する。ITO膜521は対向電極として機能する。本明細書中ではこのような基板を対向基板と呼ぶ。
【0198】
さらに対向基板にNN700(JSR製)を4.2μmの厚さで塗布し、塗布、プリベークした後、露光、現像を行い、乾燥させた基板に対し250℃、1時間焼成工程を行う。これにより4.0μmの高さの壁状のスペーサ512を形成する。壁状のスペーサ512はソース配線610の上方に形成する。図18の上面図に壁状のスペーサ512の形成位置を示す。実施形態5と異なるのは本実施例では配向膜形成前に壁状のスペーサを形成していることである。図18において図17に対応する部分には同じ符号を用いている。
【0199】
さらにアクティブマトリクス基板にNN700(JSR製)を4.2μmの厚さで塗布し、塗布、プリベークした後、露光、現像を行い、乾燥させた基板に対し250℃、1時間焼成工程を行う。これにより4.0μmの高さの壁状のスペーサ513を形成する。壁状のスペーサ506は画素電極609の上に形成する。
【0200】
図18の上面図に壁状のスペーサ506の形成位置を示す。ソース配線610の上方に形成した壁状のスペーサ512と画素電極の上に形成した壁状のスペーサ513の距離が均等になるようにする。
【0201】
垂直配向用の配向膜522、垂直配向用の配向膜523を80nmの厚さでアクティブマトリクス基板と対向基板に形成する。垂直配向用の配向膜はSE1211(日産化学製)を用いる。
【0202】
その後、ディスペンス描写法を用いて、対向基板にシール材(図示せず)を設ける。シール材を塗布後、シール材を、90℃、0.5時間程度で焼成する。
【0203】
以上の工程を経たアクティブマトリクス基板と対向基板を貼り合わせる。貼り合わせた一対の基板に対し、0.3〜1.0kgf/cm2の圧力を基板平面に垂直な方向にかつ基板全面に加え、同時にクリーンオーブンにて160℃、2時間程度、熱プレスにより接着させる。
【0204】
そして、貼り合わせた一対の基板が冷却するのを待ってから、スクライバーとブレイカーによる分断を行う。
【0205】
真空注入法で液晶を注入する。真空容器の中に分断後のパネルを準備し真空ポンプにより、真空容器の内部を1.33×10-5〜1.33×10-7Pa程度の真空状態にした後、注入口を負の誘電率異方性を有する液晶MLC−2038(メルク製)が盛られた液晶皿に浸漬させる。
【0206】
次に、真空状態にある真空チャンバーを徐々に窒素でリークして大気圧に戻すとパネル内の気圧と大気圧との圧力差と液晶の毛細管現象の作用により液晶パネルの注入口から液晶が注入され、注入口側から徐々に反対側に液晶が進行し注入工程が完了する。
【0207】
シール材が形成されたシールパターンの内側(内部)が液晶524で満たされたことを確認したら、液晶パネルの両面を加圧し、15分後、余分な液晶をふきとり、加圧した状態で注入口(図示せず)に紫外線硬化型樹脂(図示せず)を塗布し、加圧を弱める。その際、紫外線硬化型樹脂が侵入する。この状態で紫外線照射(4〜10mW/cm2、120秒間)により、紫外線硬化型樹脂を硬化させ、注入口の封止をおこなう。
【0208】
次に、液晶パネルの表面及び端面に付着した液晶を有機溶媒、例えば、アセトン及びエタノールで洗浄する。その後、130℃、0.5時間程度で液晶を再配向させる。
【0209】
その後、外部引出し配線(図示せず)にフレキシブルプリント配線板(Flexible Print Circuit;FPC)が接続される。次いで、アクティブマトリクス基板と対向基板に偏光板が貼り付けられ、液晶表示装置が完成する。
【0210】
図2と図16(2)に示すように、配向膜を壁状のスペーサ上に形成したので、液晶は、壁状のスペーサの傾斜した側面とほぼ垂直に配向が制御されることが可能となる。図16(2)中の対向する壁状のスペーサ512と壁状のスペーサ513の傾斜した側面は平行になるように形成されている。図2中の負の誘電率異方性を有する液晶16の黒く示したところは、その先端が対向基板の方に向いていることを示している。
【0211】
本実施形態では液晶の配向が2分割化されている。これにより左右対称の視野特性を持つ透過型の液晶表示装置が作製される。
【0212】
[実施形態7](液晶表示装置の製造方法)
本実施形態では、本発明で用いる透過型の液晶表示装置に対応するアクティブマトリクス基板の作製方法について図19〜図22(図21(C)を除く)と図24を参照して説明する。
【0213】
また、本発明を反射型の液晶表示装置に用いるときのアクティブマトリクス基板の作製方法について、図19〜図21(C)を用いて説明する。
【0214】
透過型の液晶表示装置に対応するアクティブマトリクス基板を用いて、透過型の液晶表示装置を作製する方法について図23と図24を参照して説明する。
【0215】
本実施形態における壁状のスペーサの配置は図3で示すものと対応している。つまり画素電極に設けられた壁状のスペーサの傾斜した側面とソース配線に塗布された配向膜により、液晶の配向方向を制御する。
【0216】
図24の鎖線A3−A3'は図3の鎖線A3−A3'と対応している。図3では液晶の配向に影響する要素が図示されている。
【0217】
本実施形態で作製する透過型の液晶表示装置の画素部の上面図を図24に示す。図22と図23中の鎖線F−F’は図24中の鎖線F−F’で切断した断面図に対応している。
【0218】
なお、図19〜図24に対応する部分には同じ符号を用いている。
【0219】
まず、アクティブマトリクス基板の作製方法について図19〜図22を用いて説明する。ここでは、画素部の画素TFTおよび保持容量と、画素部の周辺に設けられる駆動回路のTFTを同時に作製する方法について工程に従って詳細に説明する。
【0220】
図19(A)において、基板101にはコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板の他に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)など光学的異方性を有しないプラスチック基板を用いることができる。ガラス基板を用いる場合には、ガラス歪み点よりも10〜20℃程度低い温度であらかじめ熱処理しておいても良い。
【0221】
そして、基板101のTFTを形成する表面に、基板101からの不純物拡散を防ぐために、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜102を形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜102aを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化水素化シリコン膜102bを50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。
【0222】
ここでは下地膜102を2層構造として示したが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させて形成しても良い。
【0223】
酸化窒化シリコン膜は従来の平行平板型のプラズマCVD法を用いて形成する。酸化窒化シリコン膜102aは、SiH4を10SCCM、NH3を100SCCM、N2Oを20SCCMとして反応室に導入し、基板温度325℃、反応圧力40Pa、放電電力密度0.41W/cm2、放電周波数60MHzとした。一方、酸化窒化水素化シリコン膜102bは、SiH4を5SCCM、N2Oを120SCCM、H2を125SCCMとして反応室に導入し、基板温度400℃、反応圧力20Pa、放電電力密度0.41W/cm2、放電周波数60MHzとした。これらの膜は、基板温度を変化させ、反応ガスの切り替えのみで連続して形成することもできる。
【0224】
このようにして作製した酸化窒化シリコン膜102aは、密度が9.28×1022/cm3であり、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合溶液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)の20℃におけるエッチング速度が約63nm/minと遅く、緻密で硬い膜である。このような膜を下地膜に用いると、この上に形成する半導体層にガラス基板からのアルカリ金属元素が拡散するのを防ぐのに有効である。
【0225】
次に、25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで非晶質構造を有する半導体層103aを、プラズマCVD法やスパッタ法などの公知の方法で形成する。例えば、プラズマCVD法で非晶質シリコン膜を55nmの厚さに形成する。非晶質構造を有する半導体膜には、非晶質半導体層や微結晶半導体膜があり、非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。また、下地膜102と非晶質半導体層103aとは両者を連続形成することも可能である。
【0226】
例えば、前述のように酸化窒化シリコン膜102aと酸化窒化水素化シリコン膜102bをプラズマCVD法で連続して成膜後、反応ガスをSiH4、N2O、H2からSiH4とH2或いはSiH4のみに切り替えれば、一旦大気雰囲気に晒すことなく連続形成できる。その結果、酸化窒化水素化シリコン膜102bの表面の汚染を防ぐことが可能となり、作製するTFTの特性バラツキやしきい値電圧の変動を低減させることができる。
【0227】
そして、結晶化の工程を行い非晶質半導体層103aから結晶質半導体層103bを作製する。その方法としてレーザーアニール法や熱アニール法(固相成長法)、またはラピットサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。前述のようなガラス基板や耐熱性の劣るプラスチック基板を用いる場合には、特にレーザーアニール法を適用することが好ましい。RTA法では、赤外線ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを光源に用いる。或いは特開平7−130652号公報で開示された技術に従って、触媒元素を用いる結晶化法で結晶質半導体層103bを形成することもできる。結晶化の工程ではまず、非晶質半導体層が含有する水素を放出させておくことが好ましく、400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い含有する水素量を5atom%以下にしてから結晶化させると膜表面の荒れを防ぐことができるので良い。
【0228】
また、プラズマCVD法で非晶質シリコン膜の形成工程において、反応ガスにSiH4とアルゴン(Ar)を用い、成膜時の基板温度を400〜450℃として形成すると、非晶質シリコン膜の含有水素濃度を5atomic%以下にすることもできる。このような場合において水素を放出させるための熱処理は不要となる。
【0229】
結晶化をレーザーアニール法にて行う場合には、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやアルゴンレーザーをその光源とする。パルス発振型のエキシマレーザーを用いる場合には、レーザー光を線状に加工してレーザーアニールを行う。レーザーアニール条件は実施者が適宣選択するものであるが、例えば、レーザーパルス発振周波数30Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜500mJ/cm2(代表的には300〜400mJ/cm2)とする。そして線状ビームを基板全面に渡って照射し、この時の線状ビームの重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%として行う。このようにして図19(B)に示すように結晶質半導体層103bを得ることができる。
【0230】
そして、結晶質半導体層103b上に第一のフォトマスク(PM1)を用い、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストパターンを形成し、ドライエッチングによって結晶質半導体層を島状に分割し、図19(C)に示すように島状半導体層104〜108を形成する。結晶質シリコン膜のドライエッチングにはCF4とO2の混合ガスを用いる。
【0231】
このような島状半導体層に対し、TFTのしきい値電圧(Vth)を制御する目的でp型を付与する不純物元素を1×1016〜5×1017atoms/cm3程度の濃度で島状半導体層の全面に添加しても良い。半導体に対してp型を付与する不純物元素には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律表第一3族の元素が知られている。その方法として、イオン注入法やイオンドープ法(或いはイオンシャワードーピング法)を用いることができるが、大面積基板を処理するにはイオンドープ法が適している。イオンドープ法ではジボラン(B2H6)をソースガスとして用いホウ素(B)を添加する。このような不純物元素の注入は必ずしも必要でなく省略しても差し支えないが、特にnチャネル型TFTのしきい値電圧を所定の範囲内に収めるために好適に用いる手法である。
【0232】
ゲート絶縁膜109はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、膜厚を40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施形態では、120nmの厚さで酸化窒化シリコン膜から形成する。また、SiH4とN2OにO2を添加させて作製された酸化窒化シリコン膜は、膜中の固定電荷密度が低減されているのでこの用途に対して好ましい材料となる。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。例えば、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法で、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Orthosilicate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。このようにして作製された酸化シリコン膜は、その後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
【0233】
そして、図19(D)に示すように、ゲート絶縁膜109上にゲート電極を形成するための耐熱性導電層を形成する。耐熱性導電層は単層で形成しても良いが、必要に応じて二層あるいは三層といった複数の層から成る積層構造としても良い。例えば、ゲート電極にはこのような耐熱性導電性材料を用い、導電性の窒化物金属膜から成る導電層(A)110と金属膜から成る導電層(B)111とを積層した構造とすると良い。導電層(B)111はTa、Ti、Wから選ばれた元素、または前記元素を成分とする合金か、前記元素を組み合わせた合金膜で形成すれば良く、導電層(A)110は窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化チタン(TiN)膜などで形成する。また、導電層(A)110はタングステンシリサイド、チタンシリサイドを適用しても良い。導電層(B)111は低抵抗化を図るために含有する不純物濃度を低減させることが好ましく、特に酸素濃度に関しては30ppm以下とすると良い。例えば、Wは酸素濃度を30ppm以下とすることで20μΩcm以下の比抵抗値を実現することができた。
【0234】
導電層(A)110は10〜50nm(好ましくは20〜30nm)とし、導電層(B)111は200〜400nm(好ましくは250〜350nm)とすれば良い。Wをゲート電極として形成する場合には、Wをターゲットとしたスパッタ法で、Arガスと窒素(N2)ガスを導入して導電層(A)111をWN膜で50nmの厚さに形成し、導電層(B)110をW膜で250nmの厚さに形成する。その他の方法として、W膜は6フッ化タングステン(WF6)を用いて熱CVD法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、W中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、純度99.9999%のWターゲットを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
【0235】
一方、導電層(A)110にTaN膜を、導電層(B)111にTa膜を用いる場合には、同様にスパッタ法で形成することが可能である。TaN膜はTaをターゲットとしてスパッタガスにArと窒素との混合ガスを用いて形成し、Ta膜はスパッタガスにArを用いる。また、これらのスパッタガス中に適量のXeやKrを加えておくと、形成する膜の内部応力を緩和して膜の剥離を防止することができる。α相のTa膜の抵抗率は20μΩcm程度でありゲート電極に使用することができるが、β相のTa膜の抵抗率は180μΩcm程度でありゲート電極とするには不向きであった。TaN膜はα相に近い結晶構造を持つので、この上にTa膜を形成すればα相のTa膜が容易に得られた。尚、図示しないが、導電層(A)110の下に2〜20nm程度の厚さでリン(P)をドープしたシリコン膜を形成しておくことは有効である。これにより、その上に形成される導電膜の密着性向上と酸化防止を図ると同時に、導電層(A)110または導電層(B)111が微量に含有するアルカリ金属元素がゲート絶縁膜109に拡散するのを防ぐことができる。いずれにしても、導電層(B)111は抵抗率を10〜50μΩcmの範囲ですることが好ましい。
【0236】
本実施形態では、ゲート電極を形成するために導電層(A)110をWN膜で、導電層(B)111をW膜で形成した。次に、第二のフォトマスク(PM2)を用い、フォトリソグラフィーの技術を使用してレジストマスク112〜117を形成し、導電層(A)110と導電層(B)111とを一括でエッチングしてゲート電極118〜122と容量配線123を形成する。ゲート電極118〜122と容量配線123は、導電層(A)から成る118a〜122aと、導電層(B)から成る118b〜122bとが一体として形成されている(図20(A))。
【0237】
このとき少なくともゲート電極118〜122の端部にテーパー部が形成されるようにエッチングする。このエッチング加工はICPエッチング装置により行う。具体的なエッチング条件として、エッチングガスにCF4とCl2の混合ガスを用いその流量をそれぞれ30SCCMとして、放電電力3.2W/cm2(13.56 MHz)、バイアス電力224mW/cm2(13.56 MHz)、圧力1.0Paでエッチングを行った。このようなエッチング条件によって、ゲート電極118〜122の端部において、該端部から内側にむかって徐々に厚さが増加するテーパー部が形成され、その角度は5〜35°、好ましくは10〜25°とする。テーパー部の角度は、θ1として示す部分の角度である。この角度は、後にLDD領域を形成する低濃度n型不純物領域の濃度勾配に大きく影響する。尚、テーパー部の角度θ1は、テーパー部の長さ(WG)とテーパー部の厚さ(HG)を用いてTan(θ1)=HG/WGで表される。
【0238】
また、残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増しするオーバーエッチングを施すものとする。しかし、この時に下地とのエッチングの選択比に注意する必要がある。例えば、W膜に対する酸化窒化シリコン膜(ゲート絶縁膜109)の選択比は表1で示したように2〜4(代表的には3)であるので、このようなオーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチングされて実質的に薄くなり、新たな形状のゲート絶縁膜130が形成する。
【0239】
そして、画素TFTおよび駆動回路のnチャネル型TFTのLDD領域を形成するために、n型を付与する不純物元素添加の工程(n-ドープ工程)を行う。ゲート電極の形成に用いたレジストマスク112〜117をそのまま残し、端部にテーパー部を有するゲート電極118〜122をマスクとして自己整合的にn型を付与する不純物元素をイオンドープ法で添加する。ここでは、n型を付与する不純物元素をゲート電極の端部におけるテーパー部とゲート絶縁膜とを通して、その下に位置する半導体層に達するように添加するためにドーズ量を1×1013〜5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を80〜160keVとして行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリン(P)を用いた。このようなイオンドープ法により半導体層のリン(P)濃度は1×1016〜1×1019atoms/cm3の濃度範囲で添加する。このようにして、図20(B)に示すように島状半導体層に低濃度n型不純物領域124〜129を形成する。
【0240】
この工程において、低濃度n型不純物領域124〜128において、少なくともゲート電極118〜122に重なった部分に含まれるリン(P)の濃度勾配は、ゲート電極118〜122のテーパー部の膜厚変化を反映する。即ち、低濃度n型不純物領域124〜128へ添加されるリン(P)の濃度は、ゲート電極に重なる領域において、ゲート電極の端部に向かって徐々に濃度が高くなる。これはテーパー部の膜厚の差によって、半導体層に達するリン(P)の濃度が変化するためである。尚、図20(B)では低濃度n型不純物領域124〜129の端部を斜めに図示しているが、これはリン(P)が添加された領域を直接的に示しているのではなく、上述のようにリンの濃度変化がゲート電極118〜122のテーパー部の形状に沿って変化していることを表している。
【0241】
次に、nチャネル型TFTにおいて、ソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度n型不純物領域の形成を行った(n+ドープ工程)。レジストのマスク112〜117を残し、今度はゲート電極118〜122がリン(P)を遮蔽するマスクとなるように、イオンドープ法において10〜30keVの低加速電圧の条件で添加する。このようにして高濃度n型不純物領域131〜136を形成する。この領域におけるゲート絶縁膜130は、前述のようにゲート電極の加工のおいてオーバーエッチングが施されたため、当初の膜厚である120nmから薄くなり、70〜100nmとなっている。そのためこのような低加速電圧の条件でも良好にリン(P)を添加することができる。そして、この領域のリン(P)の濃度は1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度範囲となるようにする(図20(C))。
【0242】
そして、pチャネル型TFTを形成する島状半導体層104、106にソース領域およびドレイン領域とする高濃度p型不純物領域140、141を形成する。ここでは、ゲート電極118、ゲート電極120をマスクとしてp型を付与する不純物元素を添加し、自己整合的に高濃度p型不純物領域を形成する。このとき、nチャネル型TFTを形成する島状半導体層105、島状半導体層107、島状半導体層108は、第三のフォトマスク(PM3)を用いてレジストマスク137〜139を形成し全面を被覆しておく。ここで形成される不純物領域140、141はジボラン(B2H6)を用いたイオンドープ法で形成する。そして、ゲート電極と重ならない高濃度p型不純物領域140a、141aのボロン(B)濃度は、3×1020〜3×1021atoms/cm3となるようにする。また、ゲート電極と重なる不純物領域140b、141bは、ゲート絶縁膜とゲート電極のテーパー部を介して不純物元素が添加されるので、実質的に低濃度p型不純物領域として形成され、少なくとも1.5×1019atoms/cm3以上の濃度とする。この高濃度p型不純物領域140a、141aおよび低濃度p型不純物領域140b、141bには、前工程においてリン(P)が添加されていて、高濃度p型不純物領域140a、141aには1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度で、低濃度p型不純物領域140b、141bには1×1016〜1×1019atoms/cm3の濃度で含有しているが、この工程で添加するボロン(B)の濃度をリン(P)濃度の1.5から3倍となるようにすることにより、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域として機能するために何ら問題は生じなかった。
【0243】
その後、図21(A)に示すように、ゲート電極およびゲート絶縁膜上から第一の層間絶縁膜142を形成する。第一の層間絶縁膜は酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはこれらを組み合わせた積層膜で形成すれば良い。いずれにしても第一の層間絶縁膜142は無機絶縁物材料から形成する。第一の層間絶縁膜142の膜厚は100〜200nmとする。ここで、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOSとO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。また、酸化窒化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化シリコン膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜で形成すれば良い。この場合の作製条件は反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(60MHz)電力密度0.1〜1.0W/cm2で形成することができる。また、SiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化シリコン膜を適用しても良い。窒化シリコン膜も同様にプラズマCVD法でSiH4、NH3から作製することが可能である。
【0244】
その後、それぞれの濃度で添加されたn型またはp型を付与する不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜600℃で行うものであり、本実施形態では550℃で4時間の熱処理を行った。また、基板101に耐熱温度が低いプラスチック基板を用いる場合にはレーザーアニール法を適用することが好ましい(図21(B))。
【0245】
活性化の工程に続いて、雰囲気ガスを変化させ、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行う。この工程は熱的に励起された水素により島状半導体層にある1016〜1018/cm3のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。いずれにしても、島状半導体層104〜108中の欠陥密度を1016/cm3以下とすることが望ましく、そのために水素を0.01〜0.1atomic%程度付与すれば良い。
【0246】
活性化および水素化の工程が終了したら、有機絶縁物材料からなる第二の層間絶縁膜143を1.0〜2.0μmの平均厚を有して形成する。有機樹脂材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。例えば、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用いる場合には、クリーンオーブンで300℃で焼成して形成する。また、アクリルを用いる場合には、2液性のものを用い、主材と硬化剤を混合した後、スピナーを用いて基板全面に塗布した後、ホットプレートで80℃で60秒の予備加熱を行い、さらにクリーンオーブンで250℃で60分焼成して形成することができる。
【0247】
このように、第二の層間絶縁膜を有機絶縁物材料で形成することにより、表面を良好に平坦化させることができる。また、有機樹脂材料は一般に誘電率が低いので、寄生容量を低減することができる。しかし、吸湿性があり保護膜としては適さないので、本実施形態のように、第一の層間絶縁膜142として形成した酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜などと組み合わせて用いると良い。
【0248】
その後、第四のフォトマスク(PM4)を用い、所定のパターンのレジストマスクを形成し、それぞれの島状半導体層に形成されたソース領域またはドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する。コンタクトホールの形成はドライエッチング法により行う。この場合、エッチングガスにCF4、O2、Heの混合ガスを用い有機樹脂材料から成る第二の層間絶縁膜143をまずエッチングし、その後、続いてエッチングガスをCF4、O2として第一の層間絶縁膜142をエッチングする。さらに、島状半導体膜との選択比を高めるために、エッチングガスをCHF3に切り替えてゲート絶縁膜130をエッチングすることにより、良好にコンタクトホールを形成することができる。
【0249】
そして、導電性の金属膜をスパッタ法や真空蒸着法で形成し、第五のフォトマスク(PM5)によりレジストマスクパターンを形成し、エッチングによってソース配線144〜148とドレイン配線149〜153を形成する。ドレイン配線154は隣の画素に帰属する画素電極を表している。
【0250】
以上により、駆動回路には第一のpチャネル型TFT(A)200a、第一のnチャネル型TFT(A)201a、第二のpチャネル型TFT(A)202a、第二のnチャネル型TFT(A)203a、画素部には画素TFT204、保持容量205が形成されている。このようにして反射型の液晶表示装置に用いるアクティブマトリクス基板が作製される。
【0251】
以上の工程で図21(C)に示す反射型の液晶表示装置のアクティブマトリクス基板を5枚のフォトマスクで作製できる。本発明を直視型で反射型の液晶表示装置に用いるには、偏光板、光学フィルムの最適化が必要である。
【0252】
次に、図21(B)の基板で作製されたアクティブマトリクス基板を用い、図22の工程を経て透過型の液晶表示装置のアクティブマトリクス基板を作製する工程を説明する。
【0253】
図22のように、最初に第二の層間絶縁膜143上に透明導電膜を形成し、パターニング処理およびエッチング処理をして画素電極258と画素電極260を形成する。画素電極260は隣の画素に帰属する画素電極を表している。
【0254】
次に、ドレイン電極259とソース配線261を形成する。ドレイン配線259を画素電極258と重なる部分を設けて形成する。ソース配線261とドレイン電極259が画素電極の上面部に対し500nm望ましくは800nm以上の高さを持つような膜厚で形成されている。ドレイン電極259とドレイン配線259は、Ti膜を50〜150nmの厚さで形成し、島状半導体膜のソースまたはドレイン領域を形成する半導体膜とコンタクトを形成し、そのTi膜上に重ねてAl膜を300〜400nmの厚さで形成して設ける。この構成にすると、画素電極258はドレイン電極259を形成するTi膜のみと接触することになる。その結果、透明導電膜とAlとが直接接し反応するのを確実に防止できる。
【0255】
異方性のエッチングによりドレイン電極259とソース配線261の上面部が底面部に比べ小さい形状を得る。
【0256】
透明導電膜には酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを好適に用いることができる。
【0257】
以上により、画素電極258に対し、ソース配線261が盛り上がった凸形状をなすアクティブマトリクス基板が作製される。ソース配線261はコンタクトホール230により島状半導体膜108のソース領域と電気的に接続する。ゲート配線122がソース配線261と絶縁膜を間にはさんで交差する。容量配線123と島状半導体膜108により保持容量205が形成される。
【0258】
図22の透過型の液晶表示装置に用いるアクティブマトリクス基板の、画素部の構成要素を図24の上面図を参照して説明する。ソース配線261(261−1、261−2)が列方向に形成されている。ゲート配線122が行方向に形成されている。
【0259】
島状半導体膜108がある。ゲート配線122と容量配線123が同一層に形成されている。絶縁膜を間にはさんで、前記絶縁膜上に接するように画素電極258が形成されている。ソース配線261とドレイン電極259が画素電極の上面部に対し500nm望ましくは800nm以上の高さを持つような膜厚で形成されている。このためソース配線261とドレイン電極259が画素電極258に対し盛り上がった凸部を形成する。ドレイン電極259は画素電極258と重なるように形成されている。ソース配線261はコンタクトホール230により島状半導体膜のソース領域と接続している。保持容量205が容量電極と島状半導体膜108を容量電極として形成される。このようにして透過型の液晶表示装置に用いるアクティブマトリクス基板が作製される。
【0260】
次に、透過型の液晶表示装置を製造する工程を以下に示す。
【0261】
図23のように透明絶縁性の基板514に透明導電膜としてITO膜515を120nmの厚さで形成する。寄生容量がつかないようにするために駆動回路部の上部のITO膜はフォトマスクを用いたパターニング処理及びエッチング処理により除去する。ITO膜515は対向電極として機能する。本明細書中ではこのような基板を対向基板と呼ぶ。
【0262】
垂直配向用の配向膜522、垂直配向用の配向膜523を80nmの厚さでアクティブマトリクス基板と対向基板に形成する。垂直配向用の配向膜はSE1211(日産化学製)を用いる。アクティブマトリクス基板は図22で作製されたものを用いる。
【0263】
さらにアクティブマトリクス基板にNN700(JSR製)を4.2μmの厚さで塗布し、塗布、プリベークした後、露光、現像を行い、乾燥させた基板に対し250℃、1時間焼成工程を行う。これにより4.0μmの高さの壁状のスペーサ513を形成する。壁状のスペーサ519は画素電極258の上に形成する。
【0264】
その後、ディスペンス描写法を用いて、対向基板にシール材(図示せず)を設ける。シール材を塗布後、シール材を、90℃、0.5時間程度で焼成する。
【0265】
以上の工程を経たアクティブマトリクス基板と対向基板を貼り合わせる。貼り合わせた一対の基板に対し、0.3〜1.0kgf/cm2の圧力を基板平面に垂直な方向にかつ基板全面に加え、同時にクリーンオーブンにて160℃、2時間程度、熱プレスにより接着させる。
【0266】
そして、貼り合わせた一対の基板が冷却するのを待ってから、スクライバーとブレイカーによる分断を行う。
【0267】
図23のように真空注入法で液晶を注入する。真空容器の中に分断後のパネルを準備し真空ポンプにより、真空容器内部を1.33×10-5〜1.33×10-7Pa程度の真空状態にした後、注入口を負の誘電率異方性を有する液晶MLC−2038(メルク製)が盛られた液晶皿に浸漬させる。
【0268】
次に、真空状態にある真空チャンバーを徐々に窒素でリークして大気圧に戻すとパネル内の気圧と大気圧との圧力差と液晶の毛細管現象の作用により液晶パネルの注入口から液晶が注入され、注入口側から徐々に反対側に液晶が進行し注入工程が完了する。
【0269】
シール材により形成されたシールパターンの内側(内部)が液晶517で満たされたことを確認したら、液晶パネルの両面を加圧し、15分後、余分な液晶をふきとり、加圧した状態で注入口(図示せず)に紫外線硬化型樹脂(図示せず)を塗布し、加圧を弱める。その際、紫外線硬化型樹脂が侵入する。この状態で紫外線照射(4〜10mW/cm2、120秒間)により、紫外線硬化型樹脂を硬化させ、注入口の封止をおこなった。
【0270】
次に、液晶パネルの表面及び端面に付着した液晶を有機溶媒、例えば、アセトン及びエタノールで洗浄する。その後、130℃、0.5時間程度で液晶を再配向させる。
【0271】
その後、外部引出し配線(図示せず)にフレキシブルプリント配線板(Flexible Print Circuit;FPC)が接続される。次いで、アクティブマトリクス基板と対向基板に偏光板が貼り付けられ、液晶表示装置が完成する。
【0272】
図24の上面図に壁状のスペーサ519の形成位置を示す。ソース配線261−1とソース配線261−2から均等な距離に壁状のスペーサ519を形成する。
【0273】
図23に示すように、ソース配線261を画素電極258に対し、盛り上がった凸形状にする。これによりソース配線の上に形成された配向膜と壁状のスペーサの傾斜した側面により図3のように一定方向に液晶が傾く。同様のことが図3に示されている。本実施形態では液晶の配向が画素内で2分割化されている。これにより左右対称の視野特性を持つ透過型の液晶表示装置が作製される。
【0274】
[実施形態8]
本実施形態では、実施形態5〜7で示したアクティブマトリクス基板のTFTの活性層を形成する結晶質半導体層の他の作製方法について示す。結晶質半導体層は非晶質半導体層を熱アニール法やレーザーアニール法、またはRTA法などで結晶化させて形成するが、その他に特開平7−130652号公報で開示されている触媒元素を用いる結晶化法を適用することもできる。その場合の例を図25、図26、図27を用いて説明する。
【0275】
図25の(A)で示すように、実施形態1と同様にして、ガラス基板1101上に下地膜1102a、1102b、非晶質構造を有する半導体層1103を25〜80nmの厚さで形成する。非晶質半導体層は非晶質シリコン(a−Si)膜、非晶質シリコン・ゲルマニウム(a−SiGe)膜、非晶質炭化シリコン(a−SiC)膜,非晶質シリコン・スズ(a−SiSn)膜などが適用できる。これらの非晶質半導体層は水素を0.1〜40atomic%程度含有するようにして形成すると良い。例えば、非晶質シリコン膜を55nmの厚さで形成する。そして、重量換算で10ppmの触媒元素を含む水溶液をスピナーで基板を回転させて塗布するスピンコート法で触媒元素を含有する層1104を形成する。触媒元素にはニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、コバルト(Co)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)などである。この触媒元素を含有する層1104は、スピンコート法の他に印刷法やスプレー法、バーコーター法、或いはスパッタ法や真空蒸着法によって上記触媒元素の層を1〜5nmの厚さに形成しても良い。
【0276】
そして、図25の(B)に示す結晶化の工程では、まず400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い、非晶質シリコン膜の含有水素量を5atom%以下にする。非晶質シリコン膜の含有水素量が成膜後において最初からこの値である場合にはこの熱処理は必ずしも必要でない。そして、ファーネスアニール炉を用い、窒素雰囲気中で550〜600℃で1〜8時間の熱アニールを行う。以上の工程により結晶質シリコン膜から成る結晶質半導体層1105を得ることができる(図25の(C))。しかし、この熱アニールによって作製された結晶質半導体層1105は、光学顕微鏡観察により巨視的に観察すると局所的に非晶質領域が残存していることが観察されることがあり、このような場合、同様にラマン分光法では480cm-1にブロードなピークを持つ非晶質成分が観測される。そのため、熱アニールの後に実施形態1で説明したレーザーアニール法で結晶質半導体層1105を処理してその結晶性を高めることは有効な手段として適用できる。
【0277】
図26の(A)は同様に触媒元素を用いる結晶化法の実施形態であり、触媒元素を含有する層をスパッタ法により形成するものである。まず、ガラス基板1201上に下地膜1202a、下地膜1202b、非晶質構造を有する半導体層1203を25〜80nmの厚さで形成する。そして、非晶質構造を有する半導体層1203の表面に0.5〜5nm程度の酸化膜(図示は省略)を形成する。このような厚さの酸化膜は、プラズマCVD法やスパッタ法などで積極的に該当する被膜を形成しても良いが、100〜300℃に基板を加熱してプラズマ化した酸素雰囲気中に非晶質構造を有する半導体層1203の表面を晒しても良いし、過酸化水素水(H2O2)を含む溶液に非晶質構造を有する半導体層1203の表面を晒して形成しても良い。或いは、酸素を含む雰囲気中で紫外線光を照射してオゾンを発生させ、そのオゾン雰囲気中に非晶質構造を有する半導体層1203を晒すことによっても形成できる。
【0278】
このようにして表面に薄い酸化膜を有する非晶質構造を有する半導体層1203上に前記触媒元素を含有する層1204をスパッタ法で形成する。この層の厚さに限定はないが、10〜100nm程度の厚さに形成すれば良い。例えば、Niをターゲットとして、Ni膜を形成することは有効な方法である。スパッタ法では、電界で加速された前記触媒元素から成る高エネルギー粒子の一部が基板側にも飛来し、非晶質構造を有する半導体層1203の表面近傍、または該半導体層表面に形成した酸化膜中に打ち込まれる。その割合はプラズマ生成条件や基板のバイアス状態によって異なるものであるが、好適には非晶質構造を有する半導体層1203の表面近傍や該酸化膜中に打ち込まれる触媒元素の量を1×1011〜1×1014atoms/cm2程度となるようにすると良い。
【0279】
その後、触媒元素を含有する層1204を選択的に除去する。例えば、この層がNi膜で形成されている場合には、硝酸などの溶液で除去することが可能であり、または、フッ酸を含む水溶液で処理すればNi膜と非晶質構造を有する半導体層1203上に形成した酸化膜を同時に除去できる。いずれにしても、非晶質構造を有する半導体層1203の表面近傍の触媒元素の量を1×1011〜1×1014atoms/cm2程度となるようにしておく。そして、図26の(B)で示すように、図25の(B)と同様にして熱アニールによる結晶化の工程を行い、結晶質半導体層1205を得ることができる(図26の(C))。
【0280】
図25または図26で作製された結晶質半導体層1105、結晶質半導体層1205から島状半導体層104〜108を作製すれば、実施形態5〜7と同様にしてアクティブマトリクス基板を完成させることができる。しかし、結晶化の工程においてシリコンの結晶化を助長する触媒元素を使用した場合、島状半導体層中には微量(1×1017〜1×1019atoms/cm3程度)の触媒元素が残留する。勿論、そのような状態でもTFTを完成させることが可能であるが、残留する触媒元素を少なくともチャネル形成領域から除去する方がより好ましい。この触媒元素を除去する手段の一つにリン(P)によるゲッタリング作用を利用する手段がある。
【0281】
この目的におけるリン(P)によるゲッタリング処理は、図26の(B)で説明した活性化工程で同時に行うことができる。この様子を図27で説明する。ゲッタリングに必要なリン(P)の濃度は高濃度n型不純物領域の不純物濃度と同程度でよく、活性化工程の熱アニールにより、nチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTのチャネル形成領域から触媒元素をその濃度でリン(P)を含有する不純物領域へ偏析させることができる(図27で示す矢印の方向)。その結果その不純物領域には1×1017〜1×1019atoms/cm3程度の触媒元素が偏析した。このようにして作製したTFTはオフ電流値が下がり、結晶性が良いことから高い電界効果移動度が得られ、良好な特性を達成することができる。
【0282】
[実施形態9](カラーフィルターの製造方法)
直視型の液晶表示装置を製造する場合、対向基板にカラーフィルターを形成しても良い。
【0283】
まず、図28のようにブラックマトリクス92を形成する。以下、ブラックマトリクス92をBM92とする。基板91に金属薄膜のスパッタリングを行う。本実施形態では、金属としてクロムを用いる。ポジレジストを塗布し、露光、アルカリ水溶液を用い現像し、その後、ベークを行う。このポジレジストをマスクとしてクロム膜をエッチング(硝酸セリウム第二アンモニウムと過塩素酸の水溶液を用いる)し、最後にポジレジストの剥離を行い、BM92を形成する。
【0284】
BM92を施した基板91にアクリルに赤色の顔料を分散した顔料分散型の感光性アクリル樹脂を塗布、乾燥させる。その後、形成されたフォトマスクを介して露光すると、光が照射された部分が固化する。次に、アルカリ現像液を用いて、現像し、ベークした後、赤色のパターンを有する着色層93a(図29においてRで示す)を得る。緑色のパターンを有する着色層93b(図29においてGで示す)、青色のパターンを有する着色層93c(図29においてBで示す)のパターンについても同様なフォトリソグラフィ法を用い、赤色、青色、緑色の加法混色の三原色によるカラーフィルター(RGB)のパターンを有する着色層93を得る。
【0285】
ITO膜94の形成は、スパッタ法を用いる。本実施形態ではITO膜を用いたが、透明導電膜であればよい。
【0286】
エポキシアクリレート系の材料をスピナー塗布し、200〜250℃で熱硬化させ、オーバーコート層95を形成する。
【0287】
本実施形態では、金属BMとしてクロムを適用したが、樹脂BMを用いてもよい。樹脂BMの製造方法は、金属BMと同様にパターニングを用いることができる。BMが設けられた本発明の液晶表示装置をノーマリーホワイトモードに適用した場合、光漏れが解消され、コントラストが向上する。
【0288】
本実施形態では、顔料分散法を用い着色層(カラーフィルター)を形成するが、染色法、印刷法、電着法でもよい。
【0289】
本実施形態では、着色層(カラーフィルター)を形成する際、平滑性の改善のために、オーバーコート層を形成するが、低コスト化のために、オーバーコート層を形成しなくてもよい。
【0290】
[実施形態10]
本明細書の発明を実施して形成されたCMOS回路や画素部は様々な液晶表示装置(アクティブマトリクス型液晶ディスプレイ)に用いることができる。即ち、それら電気光学装置を表示部に組み込んだ電子機器全てに本明細書の発明を実施できる。
【0291】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフロント型)、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯型情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)、DVDプレーヤー、電子遊戯機器などが挙げられる。それらの一例を図30、図31及び図32に示す。
【0292】
図30(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2001、画像入力部2002、表示部2003、キーボード2004等を含む。本明細書の発明は画像入力部2002、表示部2003やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0293】
図30(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106等を含む。本明細書の発明は表示部2102やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0294】
図30(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示部2205等を含む。本発明は表示部2205やその他の信号制御回路に適用できる。
【0295】
図30(D)はゴーグル型ディスプレイであり、本体2301、表示部2302、アーム部2303等を含む。本明細書の発明は表示部2302やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0296】
図30(E)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体2401、表示部2402、スピーカ部2403、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本明細書の発明は表示部2402やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0297】
図30(F)はデジタルカメラであり、本体2501、表示部2502、接眼部2503、操作スイッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。本明細書の発明は表示部2502やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0298】
図31(A)はフロント型プロジェクターであり、投射装置2601、スクリーン2602等を含む。本明細書の発明は投射装置2601の一部を構成する後述の液晶表示装置2808やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0299】
図31(B)はリア型プロジェクターであり、本体2701、投射装置2702、ミラー2703、スクリーン2704等を含む。本明細書の発明は投射装置2702の一部を構成する液晶表示装置2808やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0300】
なお、図31(C)は、図31(A)及び図31(B)中における投射装置2601、投射装置2702の構造の一例を示した図である。投射装置2601、投射装置2702は、光源光学系2801、ミラー2802、ミラー2804〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズム2807、液晶表示装置2808、位相差板2809、投射光学系2810で構成される。投射光学系2810は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施形態は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図31(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0301】
また、図31(D)は、図31(C)中における光源光学系2801の構造の一例を示した図である。本実施形態では、光源光学系2801は、リフレクター2811、光源2812、レンズアレイ2813、レンズアレイ2814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816で構成される。なお、図29(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0302】
ただし、図31に示したプロジェクターにおいては、透過型の液晶表示装置を用いた場合を示しており、反射型の液晶表示装置での適用例は図示していない。
【0303】
図32(A)は携帯電話であり、本体2901、音声出力部2902、音声入力部2903、表示部2904、操作スイッチ2905、アンテナ2906等を含む。本明細書の発明は音声出力部2902、音声入力部2903、表示部2904やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0304】
図32(B)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体3001、表示部3002、表示部3003、記憶媒体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006等を含む。本明細書の発明は表示部3002、3003やその他の信号回路に適用することができる。
【0305】
図32(C)はディスプレイであり、本体3101、支持台3102、表示部3103等を含む。本明細書の発明は表示部3103に適用することができる。本発明のディスプレイは特に大画面化した場合において有利であり、対角10インチ以上(特に30インチ以上)のディスプレイには有利である。
【0306】
以上のように、本明細書の発明の適用範囲はきわめて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0307】
【発明の効果】
本発明により、基板間隔のばらつきの小さく(セルギャップが均一で)、液晶分子のスイッチング方向が制御されたことを特徴とする広視野角表示のマルチドメイン垂直配向型の液晶表示装置を提供することができる。
【0308】
また、本発明の液晶表示装置の製造工程を用いた場合、ラビング工程を省略できる(ラビングレスを実現する)のと同時にスペーサ散布工程の省略も実現できる。
【0309】
さらに、本発明の液晶表示装置を用いた場合、安定なプレチルト角を得ることができるので、液晶プロジェクターのように液晶ライトバルブの画像を数十倍に拡大して表示する液晶ディスプレイを実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1における液晶表示装置の断面図及びサブピクセル内の液晶分子のディレクターを示す図。
【図2】実施形態2における液晶表示装置の断面図及びサブピクセル内の液晶分子のディレクターを示す図。
【図3】実施形態3における液晶表示装置の断面図及びサブピクセル内の液晶分子のディレクターを示す図。
【図4】実施形態4における液晶表示装置の断面図及びサブピクセル内の液晶分子のディレクターを示す図。
【図5】実施形態1から実施形態4における液晶表示装置の上面概略図。
【図6】図1の画素部の上面概略図。
【図7】図2の画素部の上面概略図。
【図8】図3の画素部の上面概略図。
【図9】図4の画素部の上面概略図。
【図10】画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図11】画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図12】画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図13】本発明の透過型の液晶表示装置を示す断面図。
【図14】本発明の透過型の液晶表示装置を示す上面図。
【図15】画素TFTを示す上面図。
【図16】画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図、及び本発明の透過型の液晶表示装置を示す断面図。
【図17】画素TFTを示す上面図。
【図18】本発明の透過型の液晶表示装置を示す上面図。
【図19】画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図20】画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図21】画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図22】画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程を示す断面図。
【図23】本発明の透過型の液晶表示装置を示す断面図。
【図24】本発明の透過型の液晶表示装置を示す上面図。
【図25】結晶質半導体層の作製工程を示す断面図。
【図26】結晶質半導体層の作製工程を示す断面図。
【図27】結晶質半導体層の作製工程を示す断面図。
【図28】実施形態9における着色層(カラーフィルター)を含む対向基板の構成を示す図。
【図29】本明細書における壁状のスペーサに関するテーパー角の定義。
【図30】半導体装置の一例を示す図。
【図31】投影型液晶表示装置の構成を示す図。
【図32】携帯型情報端末の一例を示す図。
【図33】従来の液晶表示装置の表示モードを示す図。
Claims (10)
- 第1の基板上に設けられたトランジスタと、
前記トランジスタのドレインと電気的に接続された画素電極と、
前記トランジスタのソースと電気的に接続されたソース配線と、
前記トランジスタ、前記ソース配線、及び前記画素電極上に設けられた第1の配向膜と、
前記第1の配向膜上に設けられ、前記画素電極と重なる第1のスペーサと、
前記第1の配向膜上に設けられ、前記ソース配線と重なる第2のスペーサと、
前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサ上に設けられた第2の配向膜と、
前記第2の配向膜上に設けられた第2の基板と、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とに挟まれ、且つ、前記第1のスペーサと前記第2のスペーサとの間に設けられた液晶と、を有し、
前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサによって、前記第1の基板と前記第2の基板との間隔が一定に保たれ、
前記第1のスペーサは、前記第1の基板の表面に対して傾斜した側面を有し、
前記第2のスペーサは、前記第2の基板の表面に対して傾斜した側面を有し、
対向する前記第1のスペーサの側面と前記第2のスペーサの側面とは、平行であることを特徴とする表示装置。 - 第1の基板上に設けられたトランジスタと、
前記トランジスタ上の絶縁膜と、
前記絶縁膜に設けられた第1のコンタクトホールを介して、前記トランジスタのドレインと電気的に接続された画素電極と、
前記絶縁膜に設けられた第2のコンタクトホールを介して、前記トランジスタのソースと電気的に接続されたソース配線と、
前記絶縁膜上に設けられ、前記画素電極と重なる第1のスペーサと、
前記絶縁膜上に設けられ、前記ソース配線と重なる第2のスペーサと、
前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサ上に設けられた第1の配向膜と、
前記第1の配向膜上に設けられた第2の配向膜と、
前記第2の配向膜上に設けられた第2の基板と、
前記第1の配向膜と前記第2の配向膜とに挟まれ、且つ、前記第1のスペーサと前記第2のスペーサとの間に設けられた液晶と、を有し、
前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサによって、前記第1の基板と前記第2の基板との間隔が一定に保たれ、
前記第1のスペーサは、前記第1の基板の表面に対して傾斜した側面を有し、
前記第2のスペーサは、前記第2の基板の表面に対して傾斜した側面を有し、
対向する前記第1のスペーサの側面と前記第2のスペーサの側面とは、平行であることを特徴とする表示装置。 - 請求項1又は請求項2において、
隣り合う前記第1のスペーサと前記第2のスペーサとは、上面部と底面部が交互に配置されていることを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記画素電極の端部は、前記ソース配線と重なることを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサの断面形状は、ストライプ状であることを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記第1のスペーサ又は前記第2のスペーサは、分岐していることを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、
前記第1のスペーサ又は前記第2のスペーサは、壁状スペーサであることを特徴とする表示装置。 - 請求項1至乃請求項7のいずれか一項において、
前記第1のスペーサ又は前記第2のスペーサは、アクリル系、ポリイミド系、ポリイミドアミド系、エポキシ系の少なくとも一つを主成分とする有機系樹脂材料、又は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素のいずれか一種類の材料もしくはこれらの積層膜からなる無機系材料を有することを特徴とする表示装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の前記表示装置を用いたことを特徴とする電子機器。
- 請求項9に記載の前記電子機器は、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、携帯型情報端末、デジタルカメラ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーション、カーステレオ、DVDプレーヤー、または電子遊戯機器としての機能を有することを特徴とする電子機器。
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