JP4552664B2 - 液晶装置、及び電子機器 - Google Patents

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本発明は、液晶装置、及び電子機器に関するものである。
従来、携帯電話等に用いられる表示装置として、上基板と下基板との間に液晶層が挟持
された構成の液晶装置が知られている。中でも、液晶層として垂直配向タイプの液晶を用
いた液晶装置は、広い視角特性を有するものとして知られている。
このような垂直配向型の液晶装置では、初期状態で垂直配向した液晶を電圧印加に伴っ
て所定方向に傾倒させるために、表示領域の液晶層側に突起を設けた構成が提案されてい
る(例えば、非特許文献1参照。)。
このような垂直配向型の液晶装置の特徴は、以下の3つである。
(1)誘電率異方性が負の液晶を基板に垂直に配向させ、選択電圧印加によってこれを倒
す「VA(Vertical Alignment)モード」を採用している点。
(2)透過表示領域と反射表示領域との液晶層厚(セルギャップ)が異なる「マルチギャ
ップ構造」を採用している点(この点については、例えば特許文献1参照)。
(3)透過表示領域を正八角形とし、この領域内で液晶が放射状に倒れるように、観察者
側基板上の透過表示領域の中央に突起を設けている点。即ち、「配向分割構造」を採用し
ている点。
また、近年では、輝度向上や液晶の応答速度の改善を実現するために、配向分割構造が
複数の構成単位から形成されている液晶装置が提案されている(例えば、特許文献2参照
。)。
"Development of transflective LCD for high contrast and wide viewing angle by using homeotropic alignment", M.Jisaki et al., Asia Display/IDW'01, p.133-136(2001) 特開平11−2422262号公報 特開2000−155317号公報
しかしながら、本発明者は、上記文献に記載された液晶装置は配向分割構造を有するも
のの、液晶分子の配向制御性が不十分であり、配向配向性の乱れや液晶配向の不連続欠陥
(以下、ディスクリネーションと称する。)が生じ、これに起因して光り抜け等の表示不
良や、表示ムラを招いてしまうことを見出した。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、垂直配向タイプの液晶
層を駆動させる際に、ディスクリネーションを制御でき、良好な表示特性が実現可能とな
る液晶装置、及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明者は、垂直配向型の液晶装置において、液晶層を挟持する一対の電極間に電圧を
印加すると、電極に繋がるスイッチング素子や、走査線又は信号線等の金属配線からの電
界が液晶分子の配向に影響を与えてしまい、液晶配向が乱れてしまい、結果として、光り
抜け等の表示不良や、表示ムラを招いてしまうというという知見を見出した。
そこで、本発明者は、上記に基づいて以下の手段を有する本発明を想到した。
即ち、本発明の液晶装置は、一対の基板間に、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電異
方性が負の液晶からなる液晶層を備え、所定の画素単位毎に表示を行う液晶装置であって
、前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の内面側には、前記画素に対して信号を供
給する金属配線が形成され、前記金属配線の少なくとも一部を被覆する凸状部が形成され
、前記凸状部の両側には、当該凸状部の側方に向けて膨出する膨出部が形成されているこ
と、を特徴としている。
ここで、凸状部とは、液晶分子にプレチルトを付与する配向制御手段として機能するも
のであると共に、金属配線から生じる電界を遮蔽する電界遮蔽手段として機能するもので
ある。
また、膨出部とは、凸状部自身を側方に向けて部分的に太らせて、当該凸状部を平面的
にくびれた形状にするものである。従って、膨出部が形成されている凸状部の太さは、大
きくなり、膨出部が形成されていない凸状部の太さは細くなる。このようにくびれ形状を
有する凸状部の近傍においては、凸状部の太さに応じて、電界の疎密を生じさせ、換言す
れば所望の電位分布を生じさせ、これに応じて液晶分子を配向させるようになっている。
従って、凸状部は、配向規制手段や電界遮蔽手段として機能するだけでなく、金属配線
から生じる電界を積極的に利用して電界の疎密を制御し、液晶分子を配向させる機能を有
するものである。
本発明によれば、凸状部が配向規制手段として機能することから、金属配線が形成され
た付近の領域において、液晶分子の傾倒方向を規制することができる。ここで、一般的に
配向規制手段としては、液晶分子にプレチルトを付与する突起部を設ける構成と、対向す
る電極間に斜め電界を生じさせるスリット部を設ける構成が知られている。両者を比較す
ると、電圧非印加時に液晶分子にプレチルトを付与する突起部の方が、電圧印加時の液晶
分子の初動が速く、液晶配向性に優れている。従って、本発明においては、凸状部による
配向規制手段によって、スリット部を設けた場合よりも優れた液晶配向性を実現できる。
また、凸状部は、電界遮蔽手段としても機能することから、金属配線が形成された付近
の領域において、金属配線からの電界に起因する液晶分子の配向の乱れを抑制できる。
更に、凸状部は、配向規制手段や電界遮蔽手段としての効果だけでなく、凸状部の側方
に向けて形成されている膨出部の形状によって、金属配線からの電界が生じ易い部分と、
生じ難い部分とを調整し、電界の疎密を生成し、これによって配向制御を行っている。
従って、金属配線からの電界を単に遮蔽するのではなく、金属配線から側方に向けて生
じる電界(横電界)を有効的に利用し、横電界の疎密を生じさせ、電位分布に応じて液晶
分子の配向を制御することができる。
なお、本発明における横電界とは、金属配線から生じる電界のうち、基板に対して水平
方向成分の電界を意味する。
このように液晶分子配向の乱れが抑制されることで、電界応答性や視野角特性が改善さ
れ、残像やしみ状のムラ等の表示不良を抑制でき、更には視野角の広い液晶装置を実現で
きる。
また、本発明の液晶装置においては、一対の基板間を押圧する方向に働く力、所謂押し
圧が生じたとしても、液晶配向の乱れが生じ難くなり、より高品位な液晶装置を実現でき
る。
また、本発明において、凸状部が全ての金属配線を被覆して形成されている場合には、
上記の効果が得られるだけでなく、金属配線から生じる電界を全て遮蔽することができる

また、凸状部が、金属配線の一部分のみを被覆し、他の部分を被覆せずに形成されてい
る場合には、上記の効果が得られるだけでなく、金属配線の一部分のみから生じる電界を
遮蔽し、他の部分から生じる電界を有効的に利用し、電界の疎密を生じさせ、電位分布に
応じて液晶分子の配向を制御することができる。
ここで、本発明の液晶装置と、先に記載した特許文献2に関する液晶装置との相違点に
ついて説明する。特許文献2に記載されている液晶装置は、突起構造を有するものであり
、当該突起は、細い部分と太い部分とを有している。そして、当該特許文献2は、金属配
線上に突起構造が形成されたものではなく、画素電極(第1電極)の上に突起構造が形成
されたものである。これによって、形状的に液晶配向を行うと共に、画素電極からの電界
を遮蔽して斜め電界を作り、その斜め電界で液晶配向を制御するものである。そして、そ
の際に、電界の歪みを生じさせることによって、安定して液晶配向を行う構造となってい
る。
これに対して、本発明は、金属配線上に凸状部を設けたことにより、配向規制手段とし
ての効果と、凸状部によって金属配線からの電界を遮蔽する効果と、膨出部によって金属
配線から生じる電界を有効的に利用し、具体的には金属配線から生じる電界の疎密を生成
し、液晶分子の配向を制御する効果と、を得るものである。これによって、液晶配向に有
利な液晶装置を実現するものである。
従って、特許文献2と本発明は、構成が大きく異なるものである。
また、本発明の液晶装置においては、互いに対向して前記液晶層を挟持する第1電極及
び第2電極を更に具備し、前記第1電極の側部に前記凸状部が形成され、前記第2電極に
は、前記第1電極と対向するスリット部が形成されていること、を特徴としている。
このようにすれば、第1電極上において、上記の凸状部による配向規制手段や電界遮蔽
手段としての効果、及び膨出部による電界の疎密による液晶配向制御の効果を得ることが
できる。
更に、第2電極にはスリット部が形成されているので、電圧印加時にスリット部の形成
位置に沿って斜め電界を生じさせることが可能となる。そして、当該斜め電界に伴って、
液晶分子の傾倒方向を規制させることが可能となる。即ち、スリット部9aは、斜め電界
の作用を利用した、液晶分子の配向規制手段として機能することとなる。
従って、第1電極の側部に凸状部を設けたことによる効果が得られるだけでなく、第1
電極に対向する第2電極にスリット部を設けたことによる効果、即ち、斜め電界の生成に
よって、液晶分子の配向制御性を更に向上させることができる。
また、本発明の液晶装置においては、前記第1電極と前記金属配線は、スイッチング素
子を介して接続されており、前記凸状部は、前記スイッチング素子を被覆すること、を特
徴としている。
ここで、スイッチング素子の周辺においては、当該スイッチング素子から生じる電界に
起因して、第1電極上における電界の対称性が崩れやすいことが、本発明者によって確認
されている。そこで、凸状部がスイッチング素子を覆うという構成によって、当該スイッ
チング素子から生じる電界を遮蔽することができ、第1電極上における電界分布を対称的
に生成することができる。これにより、対称性が保たれた電界によって液晶分子を確実に
配向させることができる。
従って、第1電極の側部に凸状部を設けたことによる、配向規制手段や電界遮蔽手段と
しての効果が得られるだけでなく、凸状部がスイッチング素子を被覆することによる効果
、即ち、対称性が保たれた電界によって液晶分子を配向させることができる。
また、本発明の液晶装置においては、前記第1電極の両側に、前記膨出部が複数形成さ
れていること、を特徴としている。
このようにすれば、上記の液晶装置の効果が得られるだけでなく、複数の膨出部の形状
に応じた横電界の疎密を生成することができる。これにより、凸状部の側部方向に向けて
、複数の膨出部の形状に応じた電位分布を生成することができる。
また、本発明の液晶装置においては、前記第1電極は、複数に分割された島状部を有し
、前記膨出部は、前記島状部の形状に応じて形成されていること、を特徴としている。
このようにすれば、上記の凸状部を設けたことによる効果を得ることができると共に、
第1電極が複数に分割された島状部を有しているので、電圧印加時に当該島状部の形状に
応じた電界を生じさせ、島状部毎に液晶分子の配向を規制することができる。即ち、配向
分割を実現できる。
更に、島状部の形状に応じて、膨出部が形成されているので、配向分割を実現できるだ
けでなく、膨出部を設けたことによる電界の疎密を生成することができ、液晶分子の配向
制御をより効果的に行うことができる。
ここで、島状部の中心部と、第2電極に形成されたスリット部とが、重畳するように第
1電極と第2電極とが配置された場合では、第1電極と第2電極との間にスリット部を中
心とする斜め電界が生成し、液晶分子を八方に倒れさせることができる。従って、配向分
割による効果や電界の疎密を生成できる効果に加えて、液晶分子を八方に倒れさせる効果
を相乗的に実現できる。
また、本発明の液晶装置においては、前記第1電極の両側に、前記膨出部が一つ形成さ
れていること、を特徴としている。
このようにすれば、上記の液晶装置の効果が得られるだけでなく、一の膨出部の形状に
応じた横電界の疎密を生成することができる。これにより、凸状部の側部方向に向けて、
複数の膨出部の形状に応じた電位分布を生成することができる。
また、本発明の液晶装置においては、前記膨出部は、前記第1電極と重なって形成され
ていること、を特徴としている。
本発明によれば、上記の液晶装置と同様の効果を得ることができる。
更に、本発明は、配向分割されていない電極構成、即ち、上記の第1電極に島状部が形
成されていない液晶装置において、効果的に液晶配向の乱れを抑制できる。
具体的に説明すると、第1電極に島状部に分割されていない構成においては、当該第1
電極の長手方向の液晶分子配向に大きな乱れが生じるという問題を有していた。そこで、
本発明の構成に示したように、膨出部が第1電極に重なって配置されることにより、当該
重なり部における第1電極の鉛直方向の電界(縦電界)強度を抑え、電位分布に勾配をつ
けることで、第1電極の長手方向において液晶分子の配向を規制することができ、安定し
た液晶配向を実現できる。
なお、発明における縦電界とは、金属配線から生じる電界のうち、基板に対して鉛直方
向成分の電界を意味する。
また、本発明の液晶装置においては、照明光を利用して透過表示を行う透過表示領域と
、外光を利用して反射表示を行う反射表示領域と、を具備し、前記液晶層の層厚を調整す
る液晶層厚調整層が、前記反射表示領域に形成され、前記凸状部が、前記透過表示領域に
形成されていること、を特徴としている。
ここで、反射表示領域においては、液晶層厚調整層が形成されていることから、当該領
域における液晶層の層厚は、透過表示領域の液晶層の層厚よりも薄くなっている。このよ
うに液晶層の層厚が薄い領域においては、液晶層の層厚が厚い領域(透過表示領域)と比
較して、金属配線から生じる電界によって液晶分子の配向性が乱れにくい。また、換言す
れば、透過表示領域の液晶層においては液晶分子の配向性が不安定になりやすく、電圧印
加時に表示不良として見えやすい。
従って、本発明のように、透過表示領域において、金属配線を被覆するように凸状部が
形成されることにより、液晶配向が乱れやすい領域の配向を好適に規制することができる
また、本発明の電子機器は、上記の液晶装置を具備することを特徴としている。
ここで、電子機器としては、例えば、携帯電話機、移動体情報端末、時計、ワープロ、
パソコンなどの情報処理装置などを例示することができる。
従って、本発明によれば、先に記載の液晶装置を用いた表示部を備えているので、光抜
け、残像、しみ状のムラ等の表示不良が回避され、かつ、視野角が広く、高コントラスト
な表示特性が実現された表示部を備えた電子機器を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の液晶装置に係る第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各
層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
以下に示す本実施形態の液晶装置は、スイッチング素子として薄膜ダイオード(Thin F
ilm Diode、以下、TFDと略記する)を用いたアクティブマトリクス型の液晶装置であ
る。また、特に外光を利用して表示を可能にした反射表示と、バックライトからの光を利
用して表示を可能にした透過表示と、を行う半透過反射型の液晶装置である。
図1は、本実施形態の液晶装置100についての等価回路を示している。この液晶装置
100は、走査信号駆動回路110及びデータ信号駆動回路120を含んでいる。液晶装
置100には、信号線として、複数の走査線(金属配線)13と、当該走査線13と交差
する複数のデータ線9とが設けられ、走査線13は走査信号駆動回路110により、デー
タ線9はデータ信号駆動回路120により、各々駆動される。そして、各画素領域150
において、走査線13とデータ線9との間にTFD素子40と液晶表示要素160(後述
する液晶層50)とが直列に接続されている。
なお、図1では、TFD素子40が走査線13側に接続され、液晶表示要素160がデ
ータ線9側に接続されているが、これとは逆にTFD素子40をデータ線9側に、液晶表
示要素160を走査線13側に設ける構成としてもよい。
次に、図2に基づいて、本実施形態の液晶装置100に具備された電極の平面構造(画
素構造)について説明する。
図2に示すように、本実施形態の液晶装置100では、走査線13に対しTFD素子4
0を介して接続された画素電極(第1電極)31がマトリクス状に設けられており、当該
画素電極31と紙面垂直方向に平面的に対向して共通電極(第2電極)9が短冊状に設け
られている。共通電極9は、図1におけるデータ線9と同一であり、走査線13と交差す
る形のストライプ形状を有している。本実施形態において、各画素電極31が形成された
個々の領域が1つのドット領域であり、マトリクス状に配置された各ドット領域にTFD
素子40が具備されており、当該ドット領域毎に表示が可能な構成になっている。
また、画素電極31は、後述するように複数のサブドットによって構成されたものとな
っている。
ここで、TFD素子40は、走査線13と画素電極31とを接続するスイッチング素子
であって、TFD素子40は、Taを主成分とする第1導電膜と、第1導電膜の表面に形
成され、Taを主成分とする絶縁膜と、絶縁膜の表面に形成され、Crを主成分と
する第2導電膜とを含むMIM(Metal-Insulator-Metal)構造を具備して構成されてい
る。そして、TFD素子40の第1導電膜が走査線13に接続され、第2導電膜が画素電
極31に接続されている。
次に、図3に基づいて本実施形態の液晶装置100の画素構成について説明する。
図3(a)は、液晶装置100の画素構成、主として画素電極31の平面構成を示す模
式図、図3(b)は、図3(a)のA−A’断面を示す模式図、図3(c)は、図3(a
)のB−B’断面を示す模式図である。
図3(a)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、画素電極31を備えてなる
ドット領域(D1,D2,D3)を有しており、当該3つのドット領域内には一のドット
領域に対応して3原色のうちの一の着色層が配設されている。そして、3つのドット領域
(D1,D2,D3)によって、各着色層22B(青色),22G(緑色),22R(赤
色)を含む画素が形成され、各画素単位にて表示が可能な構成とされている。
また、図3(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100においては、下基板10
の内面側に反射膜20が部分的に形成されている。そして、当該反射膜20の形成領域に
おいては反射表示を行い、当該反射膜20の非形成領域(反射膜20の開口領域)におい
ては透過表示を行うことが可能とされている。
また、図3(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、その断面構造を大別
すると、上基板25と、当該上基板25に対向配置された下基板10と、当該両基板25
,10の間に挟持された液晶層50と、を備える構成となっている。
ここで、液晶層50は、初期配向状態が垂直配向をとる液晶、即ち、誘電異方性が負の
液晶材料からなるものである。即ち、液晶装置100は垂直配向モードを採用した半透過
反射型の液晶装置である。また、本実施形態の液晶層50は、電圧非印加時に両基板25
,10間を非透過状態にする、所謂ノーマリーブラックモードの液晶材料を採用している
下基板10は、石英、ガラス等の透光性材料からなる基板本体10Aの表面(基板本体
10Aの液晶層側)に、絶縁膜24を介してアルミニウム、銀等の反射率の高い金属膜か
らなる反射膜20が部分的に形成された構成となっている。ここで、反射膜20の形成領
域が反射表示領域Rとなり、反射膜20の非形成領域、即ち、反射膜20の開口部21内
が透過表示領域Tとなる。
基板本体10A上に形成された絶縁膜24は、その表面に凹凸部24aを具備しており
、その凹凸部24aに倣って、反射膜20の表面は凹凸形状に形成されている。このよう
に反射膜20が凹凸形状を有することによって、反射膜20によって反射する反射光が散
乱されるため、外部からの映り込みが防止され、広視野角の反射表示を得ることが可能と
なっている。
なお、このような凹凸部24aを具備する絶縁膜24は、例えば、樹脂レジストをパタ
ーニングし、その上にもう一層の樹脂を塗布することで得られる。また、パターニングし
た樹脂レジストに熱処理を加えて形状を調整してもよい。
また、反射表示領域R内に位置する反射膜20上、及び透過表示領域T内に位置する基
板本体10A上には、これら反射表示領域R及び透過表示領域Tに跨って形成される22
(図3(b)では赤色着色層22R)が設けられている。ここで、着色層22Rの周縁は
金属クロム等からなるブラックマトリクスBMによって囲まれ、ブラックマトリクスBM
により各ドット領域D1,D2,D3の境界が形成されている(図3(a)参照)。
更に、カラーフィルタ22上には、反射表示領域Rに対応する位置に絶縁膜26が形成
されている。即ち、カラーフィルタ22を介して反射膜20の上方に位置するように選択
的に絶縁膜26が形成され、当該絶縁膜26の形成に伴って液晶層50の層厚を反射表示
領域Rと透過表示領域Tとで異ならしめている。
絶縁膜26は、例えば膜厚が0.5μm〜2.5μm程度のアクリル樹脂等の有機膜か
らなり、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界付近において、自身の層厚が連続的に
変化するべく傾斜面を備えている。絶縁膜26が存在しない部分の液晶層50の厚みは1
μm〜5μm程度とされ、反射表示領域Rにおける液晶層50の厚みは透過表示領域Tに
おける液晶層50の厚みの約半分とされている。これにより、反射表示に寄与するリタデ
ーションと透過表示に寄与するリタデーションを略等しくすることができ、コントラスト
の向上が図られている。このように絶縁膜26は、自身の膜厚によって反射表示領域Rと
透過表示領域Tとの液晶層50の層厚を異ならせる液晶層厚調整層として機能するもので
ある。また、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの間の部分には、絶縁膜26を緩やかに
傾斜させたスロープ部が形成されており、当該スロープ部において絶縁膜26上の各部材
をスロープ形状に倣うように設けている。
更に、絶縁膜26を含むカラーフィルタ22上には、インジウム錫酸化物(Indium Tin
Oxide, 以下、ITOと略記する)からなるストライプ状の共通電極9が形成され、共通
電極9上にはポリイミド等の樹脂材料や無機材料からなる配向膜27が形成されている。
配向膜27は液晶分子を膜面に対して垂直に配向させる垂直配向膜として機能するもので
あって、ラビングなどの配向処理は施されていない。
ここで、共通電極9は、図3(b)において紙面垂直方向に延在するストライプ状に形
成されており、当該紙面垂直方向に並んで形成されたドット領域の各々に共通の電極とし
て構成されている。
また、反射表示領域R及び透過表示領域Tにおいて、共通電極9には部分的にスリット
部9aが形成されており、当該スリット部9aにおいてはカラーフィルタ22と配向膜2
7とが接触している。このようなスリット部9aは、各ドット領域D1,D2,D3の各
々に形成されており、後述するサブドット31a,31b,31cの略中央に対向する位
置するように形成されている(図3(a)参照)。
このようなスリット部9aが形成されることにより、液晶層50の液晶分子を配向規制
することが可能となる。具体的に説明すると、画素電極31と共通電極9との間に電圧が
印加されると、両電極31,9の間に電界が生じるが、共通電極9にスリット部9aが形
成されていることによって、両電極31,9の間に当該スリット部9aの形成位置に沿っ
て斜め電界を生じさせることが可能となる。そして、当該斜め電界に伴って、電圧印加時
の液晶分子の傾倒方向を規制させることが可能となる。即ち、スリット部9aは、電界制
御による液晶分子の配向規制手段として機能することとなる。
なお、本実施形態では、反射膜20と共通電極9とを別個に形成したが、反射表示領域
Rにおいては金属膜からなる反射膜を共通電極の一部として用いることも可能である。
次に、上基板25においては、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体25Aの
表面(基板本体25Aの液晶層側)に、TFD素子40に接続される走査線13と、IT
O等の透明導電膜からなりTFD素子40に接続される画素電極31と、TFD素子40
及び走査線13を被覆する誘電体部材(凸状部)38と、ポリイミド等からなる配向膜3
3と、が形成されている。
ここで、画素電極31には、自身の一部を部分的に切り欠いてなる切欠部32が形成さ
れている。このような切欠部32が形成されることにより、液晶層50の液晶分子を配向
規制することが可能となる。具体的には、画素電極31に切欠部32が形成されることに
より、画素電極31と共通電極9との間に当該切欠部32の形成位置に沿って斜め電界を
生じさせることが可能となる。そして、当該斜め電界に伴って、電圧印加時の液晶分子の
傾倒方向を規制させることが可能となる。即ち、切欠部32は、電界制御による液晶分子
の配向規制手段として機能することとなる。
そして、画素電極31に切欠部32が形成されたことにより、画素電極31は図3(a
)に示すように略八角形のサブドット(島状部)31a,31b,31cに分割形成され
た構成となる。また、各サブドット31a,31b,31cは、連結部59によって連結
されており、同電位にとなる。そして、各サブドット31a,31b,31cの略中心付
近であって、その対向する共通電極9には上記のスリット部9aが位置しており、その結
果、電圧印加時にスリット部9aを中心に液晶分子が八方に倒れることとなる。即ち、本
実施形態においては、サブドット31a,31b,31c毎に配向分割化された構成とな
っている。
また、誘電体部材38は、図3(a)に示すように、各ドット領域D1,D2,D3の
相互間に設けられている。また、図3(c)に示すように、誘電体部材38は、上基板2
5の内面側に向けて走査線13を被覆すると共に、画素電極31の相互間に設けられてい
れ、液晶層50に向けて突起するように設けられている。
また、誘電体部材38は、走査線13と同方向に延在していると共に、基板本体25A
の走査線13と非平行な部分が形成され、「くびれ」が形成された状態となっている。ま
た、誘電体部材38は、くびれ形状を形成するために、その両側に向けて膨出する膨出部
38aを複数有している。このような膨出部38aが形成されることによって、誘電体部
材38の側面は、波状に形成されることとなる。また、換言すれば、誘電体部材38は、
自身が延在する方向に向けて、その幅が大きい部分(膨出部38a)と、小さい部分とを
有した構成となる。
また、誘電体部材38は、走査線13を被覆するだけでなく、TFD素子40を被覆す
るように形成されている。また、本実施形態においては、膨出部38aがTFD素子40
を被覆する構成となっているが、当該TFD素子40を被覆する被覆部が誘電体部材38
に連設された構成であってもよい。
また、膨出部38aは、サブドット31a,31b,31cの形状に応じて形成されて
いる。具体的には、切欠部32が形成され、サブドット31a,31b,31cの相互間
の領域を覆うように、膨出部38aが形成されている。換言すれば、膨出部38aは、切
欠部32の形成領域に向けて形成されている。
また、図3に示すように、誘電体部材38及び画素電極31を被覆し、かつ、誘電体部
材38及び画素電極31の表面形状に倣うように、配向膜33が形成されている。これに
より、配向膜33は、凹凸状に形成される。当該配向膜33は、ポリイミド等の樹脂材料
や無機材料からなるものであり、液晶分子を膜面に対して垂直に配向させる垂直配向膜と
して機能するものである。また、配向膜33には、ラビング等の配向処理は施されていな
い。
また、下基板10の外面側(液晶層50を挟持する面とは異なる側)には位相差板18
及び偏光板19が、上基板25の外面側にも位相差板16及び偏光板17が形成されてお
り、基板内面側(液晶層50側)に円偏光を入射可能に構成されており、これら位相差板
18及び偏光板19、位相差板16及び偏光板17が、それぞれ円偏光板を構成している
。偏光板17(19)は、所定方向の偏光軸を備えた直線偏光のみを透過させる構成とさ
れ、位相差板16(18)としてはλ/4位相差板が採用されている。このような円偏光
板としては、その他にも偏光板とλ/2位相差板とλ/4位相差板を組み合わせた構成の
もの(広帯域円偏光板)を用いることが可能で、この場合、黒表示をより無彩色にするこ
とができるようになる。また、偏光板とλ/2位相差板とλ/4位相差板、及びcプレー
ト(膜厚方向に光軸を有する位相差板)を組み合わせた構成のものを用いることも可能で
、一層広視角化を図ることができるようになる。なお、下基板10に形成された偏光板1
9の外側には透過表示用の光源となるバックライト15が設けられている。
上記のように構成された液晶装置100においては、誘電体部材38が液晶層50に向
けて突起しているので、液晶分子にプレチルトを付与する配向規制手段として機能するこ
ととなる。
具体的に説明すれば、垂直配向の液晶分子は、初期状態(電圧非印加時)において配向
膜の形成面に対して垂直に配向すると共に、電圧印加時において電界方向に交わる方向に
傾倒しようとする特性を有している。従って、ラビング処理を施さない垂直配向膜上に配
向した負の誘電異方性を有する液晶分子に電圧を印加すると、液晶の倒れる方向に規制が
ないので無秩序な方向に倒れ、配向不良が生じることとなる。本実施形態では、配向規制
手段として下基板10の内面側に形成された誘電体部材38が突起形状を有することによ
り、初期状態において当該液晶分子を突起形状の面に対して垂直に配向させることが可能
となる。また、電圧印加時において電界方向に交わる方向に傾倒しようとする液晶分子を
、誘電体部材38の突起形状の傾斜面に沿って規制することが可能となる。
更に、上基板25の内面に形成した画素電極31には切欠部32と、スリット部9aを
形成したため、誘電体部材38の突出面(山状傾斜面)による配向規制、切欠部32及び
スリット部9aに沿った斜め電界による配向規制が生じ、初期状態で垂直配向した液晶分
子の、電圧印加により倒れる方向が規制されることとなる。その結果、液晶配向不良が抑
制されるため、配向不良の発生に伴う残像や、当該液晶装置100の表示面を斜め方向か
ら観察したときにざらざらとしたしみ状のムラ等が発生し難い高品質な表示が得られるよ
うになる。
また、誘電体部材38は、このような配向規制手段としてだけでなく、走査線13を被
覆するように形成されているので、走査線13からの電界を遮蔽することが可能となる。
更に、誘電体部材38には、膨出部38aによってくびれが形成されているので、当該く
びれ形状に応じて、誘電体部材38の表面から液晶層50に向けて横電界の疎密を生成さ
せることが可能となる。具体的には、膨出部38aが形成されて幅が大きくなっている誘
電体部材38と、膨出部38aが形成されておらず幅が小さくなっている誘電体部材38
とによって、走査線13の横電界の遮蔽度合いを異ならせている。これにより、幅が大き
い部分では横電界の遮蔽度を高くし、幅が小さい部分では横電界の遮蔽度を小さくしてい
る。更に、膨出部38aは、複数形成されていることから、横電界の疎密が生じる部分を
複数生成することが可能となる。このような構成により、電圧印加時に画素電極31上で
等電位線が誘電体部材38の形状に応じて横電界が生じ、誘電体部材38の周囲に横電界
分布を生じさせることが可能となる。即ち、横電界制御による液晶分子の配向規制手段と
して機能することとなる。
上述したように、本実施形態の液晶装置100は、上記の誘電体部材38を具備してい
ることから、液晶分子にプレチルトを付与することによる液晶分子の配向制御と、走査線
13からの電界を遮蔽することによる配向乱れの抑制と、膨出部38aが横電界の疎密を
生成させることによる液晶分子の配向制御と、を相乗的に実現できる。これによって、液
晶分子のディスクリネーションの抑制と、光り抜け等の表示不良を回避することができ、
更に、残像やしみ状のムラ等の表示不良を抑制でき、視野角の広い液晶装置を実現できる
。更に、押し圧が生じたとしても、液晶配向の乱れが生じ難くなり、より高品位な液晶装
置を実現できる。
更に、このような効果が得られるだけでなく、画素電極31がサブドット31a,31
b,31c毎に配向分割され、当該サブドットの略中央の位置に対向して共通電極9にス
リット部9aが形成されていることから、スリット部9aからサブドット31a,31b
,31cの各々に向けて八方に液晶分子を傾倒させることができる。即ち、配向制御の効
果をより一層高めることができる。
更に、TFD素子40を被覆するように誘電体部材38が形成されていることから、T
FD素子40から生じる電界を遮蔽し、画素電極31上に対称性を有する電界を生成する
ことができる。これにより、対称性が保たれた電界によって液晶分子を確実に配向させる
ことができる。即ち、配向制御の効果をより一層高めることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の液晶装置に係る第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各
層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
また、以下の説明では、第1実施形態と異なる構成を主として説明し、同一構成には同
一符号を付して、詳細な説明を省略する。
以下に示す本実施形態の液晶装置は、スイッチング素子としてTFDを用いたアクティ
ブマトリクス型の液晶装置である。また、特にバックライトからの光を利用して表示を可
能にした透過型の液晶装置である。
次に、図4に基づいて本実施形態の液晶装置200の画素構成について説明する。
図4(a)は、液晶装置200の画素構成、主として画素電極31の平面構成を示す模
式図、図4(b)は、図4(a)のA−A’断面を示す模式図、図4(c)は、図4(a
)のB−B’断面を示す模式図である。
図4(b)に示すように、液晶装置200は、その断面構造を大別すると、上基板25
と、当該上基板25に対向配置された下基板10と、当該両基板25,10の間に挟持さ
れた液晶層50と、を備える構成となっている。
ここで、液晶層50は、初期配向状態が垂直配向をとる液晶、即ち、誘電異方性が負の
液晶材料からなるものである。即ち、液晶装置100は垂直配向モードを採用した半透過
反射型の液晶装置である。また、本実施形態の液晶層50は、電圧非印加時に両基板25
,10間を非透過状態にする、所謂ノーマリーブラックモードの液晶材料を採用している
下基板10は、基板本体10Aに内側(基板本体10Aの液晶層側)に向けて、画素電
極31、走査線13、誘電体部材38、及び配向膜27が設けられた構成となっている。
ここで、画素電極31は、図4(a)に示すように、複数のサブドットによって配向分
割されたものではなく、その形状は略矩形状となっている。
また、図4(c)に示すように、走査線13は、TFD40を介して画素電極31に信
号を付与する金属配線であり、互いに隣接する画素電極31の間に設けられている。
また、誘電体部材38は、下基板10の内面側に向けて走査線13を被覆すると共に、
画素電極31の相互間に設けられており、液晶層50に向けて突起するように設けられて
いる。また、当該誘電体部材38は、図4(a)に示すように、走査線13と同方向に延
在していると共に、基板本体25Aの走査線13と非平行な部分が形成されている。本実
施形態における非平行な部分とは、誘電体部材38の両側に向けて膨出する膨出部38a
である。また、膨出部38aは、画素電極31の両側においてその一部を被覆するように
設けられている。また、膨出部38aは、各画素電極31において、誘電体部材38の両
側の各々に一つ設けられている。これにより、誘電体部材38は、自身が延在する方向に
向けて、その幅が大きい部分(膨出部38a)と、小さい部分とを有した構成となる。
また、誘電体部材38は、走査線13を被覆するだけでなく、TFD素子40を被覆す
るように形成されている。また、本実施形態においては、膨出部38aがTFD素子40
を被覆する構成となっているが、当該TFD素子40を被覆する被覆部が誘電体部材38
に連設された構成であってもよい。
また、配向膜27は、誘電体部材38及び画素電極31を被覆し、かつ、誘電体部材3
8及び画素電極31の表面形状に倣うように形成されたものである。
一方、上基板25は、基板本体25Aに内側(基板本体25Aの液晶層側)に向けて、
カラーフィルタ22、ブラックマトリクスBM、共通電極9、及び配向膜27が設けられ
た構成となっている。
ここで、カラーフィルタ22は、ドット領域(D1,D2,D3)の各々に対応して3
原色のうちの一の着色層が配設されて構成されている。そして、3つのドット領域(D1
,D2,D3)によって、各着色層22B(青色),22G(緑色),22R(赤色)を
含む画素が形成され、各画素単位にて表示が可能な構成とされている。また、着色層22
B,22G,22Rの境界部分には、ブラックマトリクスBMが設けられている。
また、共通電極9は、カラーフィルタ22及びブラックマトリクスBM上に設けられ、
画素電極31に対向配置されたものである。当該共通電極9は、ストライプ状に形成され
、図4(b)において紙面垂直方向に延在するストライプ状に形成されており、当該紙面
垂直方向に並んで形成されたドット領域の各々に共通の電極として構成されている。また
、当該共通電極9には、部分的にスリット部9aが形成されており、当該スリット部9a
においてはカラーフィルタ22と配向膜33とが接触している。このようなスリット部9
aは、各ドット領域D1,D2,D3の各々に形成されており、画素電極31の略中央部
に位置するように、かつ、画素電極31の長辺方向と同方向に形成された、長穴である。
このようなスリット部9aが形成されることにより、液晶層50の液晶分子を配向規制
することが可能となる。具体的に説明すると、画素電極31と共通電極9との間に電圧が
印加されると、両電極31,9の間に電界が生じるが、共通電極9にスリット部9aが形
成されていることによって、両電極31,9の間に当該スリット部9aの形成位置に沿っ
て斜め電界を生じさせることが可能となる。そして、当該斜め電界に伴って、電圧印加時
の液晶分子の傾倒方向を規制させることが可能となる。即ち、スリット部9aは、電界制
御による液晶分子の配向規制手段として機能することとなる。
また、配向膜33は、カラーフィルタ及び共通電極9を被覆し、かつ、カラーフィルタ
及び共通電極9の表面形状に倣うように形成されたものである。
上記のように構成された液晶装置200においては、誘電体部材38は、液晶分子にプ
レチルトを付与する機能、走査線13からの電界を遮蔽する機能、横電界の疎密を生成し
て液晶分子の配向を制御する機能を有する。
具体的には、本実施形態の液晶装置200のように、画素電極31がサブドット構成を
有していない場合、当該画素電極31の面内の画素長手方向で液晶配向の乱れが生じやす
い。そこで、本実施形態のように誘電体部材38の膨出部38aを設けることにより、局
所的に基板間の電位分布を歪めることで液晶配向を制御することができる。
上述したように、本実施形態の液晶装置200は、上記の誘電体部材38を具備してい
ることから、液晶分子にプレチルトを付与することによる液晶分子の配向制御と、走査線
13からの電界を遮蔽することによる配向乱れの抑制と、膨出部38aが横電界の疎密を
生成させることによる液晶分子の配向制御とを相乗的に実現できる。これによって、液晶
分子の配向の乱れの抑制と、電界応答性および視野角特性の改善され、更に、残像やしみ
状のムラ等の表示不良を抑制でき、視野角の広い液晶装置を実現できる。更に、押し圧が
生じたとしても、液晶配向の乱れが生じ難くなり、より高品位な液晶装置を実現できる。
更に、このような効果が得られるだけでなく、共通電極9にスリット部9aが形成され
ていることから、スリット部9aから画素電極31に向けて液晶分子を傾倒させることが
できる。即ち、配向制御の効果をより一層高めることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の液晶装置に係る第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各
層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
また、以下の説明では、第1実施形態と異なる構成を主として説明し、同一構成には同
一符号を付して、詳細な説明を省略する。
本実施形態に示す液晶装置300は、誘電体部材38の構成を除き、第1実施形態に示
した液晶装置100と同一の構成を有している。
図5は、液晶装置300の画素構成、主として画素電極31の平面構成を示す模式図で
ある。また、図5におけるA−A’断面は、図3(b)と同様である。
図5に示すように、液晶装置300は、透過表示領域Tに誘電体部材38を備えた構成
となっている。また、本実施形態においては、透過表示領域Tと反射表示領域Rとの間の
スロープ部に誘電体部材38が形成されている。
ここで、反射表示領域Rにおいては、液晶層厚調整層として機能する絶縁層26が形成
されていることから、当該領域における液晶層50の層厚は、透過表示領域Tの液晶層5
0の層厚よりも薄くなっている。このように液晶層50の層厚が薄い領域においては、液
晶層50の層厚が厚い領域(透過表示領域)と比較して、走査線からの電界の影響を受け
にくい。また、換言すれば、透過表示領域Tの液晶層50においては液晶分子の配向性が
不安定になりやすく、電圧印加時に走査線13から生じる電界によって液晶配向の乱れが
生じ易い。
従って、本発明のように、透過表示領域において、走査線13を被覆するように誘電体
部材38が形成されることにより、液晶配向が乱れやすい領域の配向を好適に規制するこ
とができる。
なお、上記の第1〜第3の実施形態においては、スイッチング素子としてTFDを備え
た液晶装置について説明したが、本発明はこのような構成を限定するものではない。TF
Dに代えて、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記する)を備
えた液晶装置においても、本発明の構成を適用することが可能である。
TFTを有する液晶装置の構成は、一方の基板における走査線とデータ線との交差部近
傍にTFTが形成され、他方の基板の全面には、一様な金属膜、所謂ベタ膜が形成された
構成を有している。
このような構成において、本発明を適用するには、走査線又はデータ線のいずれか一方
に、もしくは、走査線とデータ線の両方に誘電体部材38を被覆形成することで実現され
る。このようにすれば、誘電体部材38がプレチルトを付与する配向規制の効果が得られ
ると共に、走査線やデータ線から電界を遮蔽する効果が得られる。更に、誘電体部材38
が膨出部38aを有することで、電界の疎密を生成して配向制御の効果も得られる。また
、膨出部38aが画素電極の一部を被覆することで、当該個所における縦電界を抑制し、
配向乱れを抑制できる。
(電子機器)
次に、本発明の上記実施形態の液晶装置を備えた電子機器の具体例について説明する。
図6は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図6において、符号1000は携帯電
話本体を示し、符号1001は上記液晶装置を用いた表示部を示している。このような携
帯電話等の電子機器の表示部に、上記実施形態の液晶装置を用いた場合、光抜け、残像、
しみ状のムラ等の表示不良が回避され、コントラストが高く、広視野角、の液晶表示部を
備えた電子機器を実現することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸
脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、反射型の液晶装置
においても、本発明を適用することができる。また、誘電体部材38の突起形状と、共通
電極9のスリット部9aの組み合わせも、上述した各実施形態のいずれをも選択すること
が可能である。
本発明の第1実施形態に係る液晶装置の等価回路図。 本発明の第1実施形態に係る液晶装置の電極構成を示す平面模式図。 本発明の第1実施形態に係る液晶装置の要部の平面模式図及び断面模式図。 本発明の第2実施形態に係る液晶装置の要部の平面模式図及び断面模式図。 本発明の第3実施形態に係る液晶装置の要部の平面模式図。 本発明の電子機器の一例を示す斜視図。
符号の説明
9 共通電極(第2電極)、 9a スリット部、 10 下基板(基板)、 13 走
査線(金属配線)、 25 上基板(基板)、 26 絶縁層(液晶層厚調整層)、 3
1 画素電極(第1電極)、 31a,31b,31c サブドット(島状部)、 38
誘電体部材(凸状部)、 38a 膨出部、 40 TFD素子(スイッチング素子)
、 50 液晶層、 100,200,300 液晶装置、 1000 携帯電話本体(
電子機器)、 T 透過表示領域、 R 反射表示領域



Claims (5)

  1. 一対の基板間に、初期配向状態が垂直配向を呈する誘電異方性が負の液晶からなる液晶層を備え、所定の画素単位毎に表示を行う液晶装置であって、
    照明光を利用して透過表示を行う透過表示領域と、
    外光を利用して反射表示を行う反射表示領域と、
    を具備し、
    前記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の内面側には、前記画素に対して信号を供給する金属配線が形成され、
    前記反射表示領域には、前記液晶層の層厚を調整する液晶層厚調整層が形成され、
    前記金属配線と同方向に延在するとともに前記金属配線を被覆する凸状部が、前記透過表示領域と前記反射表示領域のうち前記透過表示領域のみに選択的に形成されており、
    前記凸状部の両側には、当該凸状部の側方に向けて膨出する膨出部が形成されていること、
    を特徴とする液晶装置。
  2. 互いに対向して前記液晶層を挟持する第1電極及び第2電極を更に具備し、
    前記第1電極の側部に前記凸状部が形成され、
    前記第2電極には、前記第1電極と対向するスリット部が形成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記第1電極の両側に、前記膨出部が複数形成されていること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶装置。
  4. 前記第1電極は、複数に分割された島状部を有し、
    前記膨出部は、前記島状部の形状に応じて形成されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の液晶装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれかに記載の液晶装置を具備することを特徴とする電子機器。
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