JP4637312B2 - 液晶表示装置およびその作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置において、良好な明るさを得て表示画像の視認性を良くする方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は低消費電力、軽量、薄型という利点から広く用いられている。
液晶表示装置には表示画像を使用者が直接見る直視形の液晶表示装置と、メタルハライドランプ、アークショートランプのような強力な光源を用いて液晶表示装置の表示画像をスクリーンに投射する投射形がある。
【0003】
また反射型液晶表示装置はバックライトがいらず、透過型液晶表示装置に比べ軽量、薄型にすることが可能で、携帯情報端末に適しており盛んに開発が進められている。
【0004】
液晶表示装置でも能動素子を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置は高精細な表示が可能であり、ノートパソコン、携帯テレビ、デジタルカメラ等に用いられている。アクティブマトリクス型液晶表示のスイッチング素子としては、非晶質の半導体層を用いたアモルファスシリコンTFT素子や多結晶の半導体層を用いたポリシリコンTFT素子がある。
【0005】
アクティブマトリクス型液晶表示装置の液晶の配向方法としては横方向電界により液晶を駆動し視野角拡大を狙ったIPS(In Plane Switching)、液晶の配向性が良く汎用性が高いTN(Twisted Nematic)、黒レベルが良くコントラストの高い垂直配向、高速応答化が可能な強誘電性液晶、反強誘電性液晶を用いたものがある。それぞれの配向制御方法には一長一短があるため目的に応じて適宜使い分けられている。
【0006】
単純マトリクス型液晶表示装置の液晶の配向方法はSTN(Super Twisted Nematic)が主流であるが、そのほかにもメモリー性を利用して表示を行う強誘電性液晶、反強誘電性液晶を用いたものもある。
【0007】
液晶表示装置のセルギャップを維持するために、有機樹脂膜をパターニングしたスペーサー(本明細書では成膜スペーサーと以降称する)がセルギャップを形成するために使われている。成膜スペーサーは所望の位置にスペーサーを形成できるため、遮光性のパターン上にスペーサーを形成することで、スペーサーに起因してできる液晶の配向乱れによる光漏れすなわちディスクリネーションを隠すことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示装置において、ディスクリネーションによる光漏れを隠すためにブラックマトリクスのような金属の遮光膜を対向基板に設けた場合、開口率が落ちてパネルに入射する光が少なくなる。
【0009】
またアクティブマトリクス型液晶表示装置の場合、走査線、信号線のほかに活性層、保持容量電極、液晶のディスクリネーションを隠す遮光膜が必要になるため単純マトリクスパネルに比べ明るさが低くなる。
【0010】
特にポリシリコンTFT素子を用いた液晶表示装置のように画素ピッチが200μm以下くらいに小さい場合、配線や活性層が画素に占める割合が大きくなり開口率が低くなる傾向がある。
【0011】
画素が微細になると、画素電極の間の距離が小さくなる。つまりライン反転駆動したときの隣接する画素間の電位差による横方向電界が縦方向電界に比べ大きくなるため、ディスクリネーションがでてしまう。コントラストを良好にするにはディスクリネーションを遮光膜により隠す必要があり、開口率が低下する。
【0012】
アクティブマトリクス型液晶表示装置のなかでもIPS(In Plane Switching)モードは画素電極とコモン電極を金属配線で画素内に形成するため、画素電極とコモン電極により光が遮光されてしまい開口率が低くなってしまう。このため画面の明るさを稼ぐためにバックライトの輝度を高くする必要があり消費電力の増加につながる。
【0013】
ポリシリコンTFT素子は駆動回路一体型のため、活性層にn型、p型の不純物をドープする。このためアモルファスシリコンTFT素子に比べマスク枚数が多くなる。マスク枚数を減らしコストダウンを図ることが量産において必要である。しかし、マスク削減を目的として走査線と画素電極を同一層に形成した場合、エッチングマージンを確保するために走査線と画素電極の間を数μmあける必要があり開口率が低下してしまう。
【0014】
このように液晶表示装置では遮光膜、工程上の理由により開口率が低下してしまう。
【0015】
画素に光を集光する手段としてマイクロレンズアレイ(MLA)がある。これはガラスをレンズ状にエッチングして、各画素に光を集光することで、遮光領域に入射の光を画素内に集光する。しかし液晶表示装置とマイクロレンズアレイを形成したガラス基板を貼り合わせて用いるため、貼りあわせに高精度が要求される。基板同士のアライメントずれが起こった場合歩留まりの低下や、リペア作業が必要になり、工程コストが増加する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は一対の基板に狭持された液晶層と、一対の基板の間にスペーサーが設けられ、スペーサーにより画素部に光を集光することを特徴とする。これにより開口率が見かけ上高くなる。スペーサー断面は台形、あるいは前記一対の基板の表面の法線方向に対し斜めの成分があれば光が屈折する。
【0017】
本発明はスペーサーに形成された被覆膜により画素部に光を集光することを特徴とする。スペーサーに被覆膜を塗布し、底辺にプリズム形状を設けることで光を屈折し画素に入射させる。スペーサー上に形成された被覆膜の屈折率は液晶の常光屈折率に比べ小さくする。これにより光が屈折する。被覆膜の屈折率と液晶の常光屈折率の差は0.2以上小さい方が良い。
【0018】
光源側の基板にスペーサーを設け、スペーサー上に被覆膜を形成し、被覆膜の屈折率は液晶の異常光屈折率に比べ大きくしても良い。被覆膜の屈折率が前記液晶の異常光屈折率に比べ0.2以上大きいと良い。
【0019】
被覆膜の形成方法は有機溶媒中に液晶の常光屈折率に比べ小さな屈折率を有する材料を混合した溶液を前記スペーサー上に塗布し、有機溶媒を加熱等により除去する。これにより重力で被覆膜がスペーサー底辺に形成される。
【0020】
被覆膜の形成方法は有機溶媒中に液晶の異常光屈折率に比べ小さな屈折率を有する材料を混合した溶液を前記スペーサー上に塗布し、有機溶媒を加熱等により除去しても良い。これにより重力で被覆膜がスペーサー底辺に形成される。入射光の屈折効果を起こすために前記屈折率は液晶の異常光屈折率に比べ0.2以上大きく調節されていることが望ましい。
【0021】
また、被覆膜を有機溶媒を用いてディップ、スピン塗布法、ロールコート法、フレキソ印刷法のうち少なくともいずれか一つの方法で形成しても良い。
【0022】
本発明は、光源側に設けられた透光性を示す第一の基板と、前記第一の基板と対になる第二の基板と、基板の間に形成されたスペーサーがあり、スペーサーが第一の基板に接する面積をAとし、第二の基板に接する面積をBとすると、A<Bの関係を持たせる。具体的には例えばスペーサー形状を台形にする。これにより光が屈折する。スペーサーの屈折率は液晶の常光屈折率に比べて小さくする。
【0023】
スペーサーの断面は基板法線方向から入射した光に対し角度θをなす成分を持ち、前記スペーサーの屈折率をnsとし、前記スペーサーに接する材料の屈折率をnとしたときに、0<θ[°]<90−[sin-1(ns/n)]×180/πの関係を満たすことで、スペーサー表面で光を全反射することができる。
【0024】
酸化インジウム錫(ITO)膜の屈折率を2、酸化インジウム錫(ITO)膜に接する膜の屈折率を1.6とすると臨界角は53°となる。θ[°]≦53の関係を満たすことで液晶セル内に光が閉じ込められることを防ぐことができる。
【0025】
本発明は、光源側に設けられた透光性を示す第一の基板と、第一の基板と対になる第二の基板と、第一の基板と前記第二の基板の間に形成されたスペーサーがあり、スペーサーのうち第一の基板側に接する面積をAとし、第二の基板側に接する面積をBとすると、A>Bの関係を持たせる。具体的には例えば台形状にする。スペーサーの屈折率は液晶の常光屈折率に比べて小さいことを特徴とする。
成膜スペーサー界面で光が屈折して、画素に光が入射する。
【0026】
本発明は、光源側に設けられた透光性を示す第一の基板と、第一の基板と対になる第二の基板と、第一の基板と前記第二の基板の間に形成されたスペーサーがあり、スペーサーは金属材料からなることを特徴とする。スペーサーのうち前記第一の基板に接する面積をAとし、前記第二の基板に接する面積をBとすると、A<Bの関係を持たせることで反射光が画素に入射する。具体的には断面形状を断面にする。
【0027】
第一の基板と第二の基板に狭持された液晶層があり、液晶層を基板表面に対し横方向にできる電界で駆動すると良い。横方向電界で液晶を駆動する場合、液晶を駆動するための電気力線と、金属スペーサー界面にできる電気力線の方向が等しくなるため、金属スペーサーによるディスクリネーションの形成が抑えられる。
【0028】
前記スペーサーの断面は基板法線方向から入射した光に対し角度θをなす成分を持ち、液晶表示装置開口部に形成される薄膜の屈折率うち最大屈折率をn1、前記薄膜に接する膜の屈折率をn2としたときにθ[°]≦1/2×[sin―1(n2/n1)×180/π]とする関係を満たすようにすると全反射による液晶セル内での光の閉じ込めを減らすことができる。
【0029】
前記スペーサーの断面は基板法線方向からの入射光に対し角度θをなす成分を持ち、θ[°]≦53の関係を満たすようにすると、酸化インジウム錫(ITO)膜と液晶セルのガラス、配向膜等の界面での表面反射を防ぐことができる。
【0030】
本発明は、スペーサーに接して第一の被覆膜が形成され、第一の被覆膜に接して第二の被覆膜が形成され、第二の被覆膜は液晶層あるいは配向膜に接しており、
前記スペーサーの屈折率(ns)と、前記第一の被覆膜の(n1)と前記第二の被覆膜(n2)の間にn1>n2>nSの関係を持たせる。同時に第一の被覆膜の(n1)と第二の被覆膜(n2)と液晶層あるいは前記配向膜の屈折率(n4)の間にn1>n2>n4の関係を持たせることを特徴とする。これによりスペーサー界面で全反射した光が画素に入射する。
【0031】
本発明で全反射、屈折により光を画素に集光させる場合、液晶の常光屈折率に対し0.2以上屈折率が小さい材料あるいは液晶の異常光屈折率に対し0.2以上屈折率が大きい材料の光学効果を利用する。
【0032】
スペーサーを遮光領域に設け、画素に光を集光すること開口率を見かけ上高くできる。例えば、TFT素子基板でありのゲート配線上方にスペーサーを形成しても良い。スペーサーを前記能動素子基板の遮光領域の上方に形成しても良い。
【0033】
スペーサーを記能動素子基板の金属配線の上方に形成しても良い。
【0034】
スペーサーをTFT素子基板のソース配線あるいはゲート配線の上方に形成しても良い。スペーサーをTFT素子基板の保持容量上方に形成しても良い。
【0035】
スペーサーをTFT素子基板のソース配線とゲート配線の上方に形成しても良い。
【0036】
スペーサーをTFT素子基板のソース配線とゲート配線の上方の少なくとも一部を除いて形成しても良い。一部を除いて形成することで液晶の注入が容易になる。
【0037】
【発明の実施の形態】
[実施例1]
【0038】
実施例1の構成は成膜スペーサーに被覆膜を形成し、成膜スペーサー底辺付近の被覆膜の形状を利用して、屈折効果で画素に光を入射させる。被覆膜は液晶、配向膜と屈折率の異なる材料を用いる。液晶、配向膜との屈折率差が0.2以上あることが望ましい。
【0039】
図12(1)に示すように屈折率が異なる材料があっても光が屈折する界面が平行ならば光が入出射する角度は同じである。しかし、図12(2)に示すように光が屈折する界面が平行でないならば、屈折率が異なる材料が接することで光の進行方向が変化する。
【0040】
被覆材料の膜厚が成膜スペーサー底辺付近において不均一になると被覆材料と液晶、配向膜の屈折率の違いから光が屈折する。被覆膜の形成方法としてはフレキソ印刷法、スクリーン印刷法、スピン塗布法が使用できる。被覆膜となる粒子を溶媒に分散、溶解させ基板上に塗布することが望ましい。溶媒の粘度を低くすると塗布液の粘度が下がり、平坦化効果から、被覆材が形成された断面形状がなだらかになる。
【0041】
図22に高さ4.06μmの成膜スペーサーに対し、平坦部で膜厚50nmとなる条件で粘度25cPの材料を塗布したときの塗布前後の写真を示す。塗布材料の溶媒の主成分はNMPとγ−ブチロラクトンである。図22(1)は材料塗布前の成膜スペーサーの写真である。図22(2)は材料塗布後の成膜スペーサーの写真である。成膜スペーサー下部がなだらかになり、高さ1.25μm、幅1.25μm、テーパー45°のプリズム状の形ができる。重力により溶媒とともに塗布材料が成膜スペーサー下部に溜まったように見える。塗布膜厚(50nm)に比べ成膜スペーサー付近は25倍の高さのプリズム形状ができている。これは低粘度溶媒を用いたことによる効果と考えられる。
【0042】
液晶の屈折率は異常光屈折率が1.55〜1.7程度、常光屈折率が1.48〜1.55程度のため、液晶に比べ屈折率が小さい材料として、屈折率1.3を示すようなフッ化マグネシウム(MgF2)、屈折率1.4〜1.5を示すような二酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiON)が被覆膜に使える。
【0043】
液晶に比べ屈折率が高い材料を被覆膜に用いることも可能である。例えば二酸化チタン(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、シリコン(Si)、窒化珪素(SiN)が使える。シリコン(Si)は単結晶、非晶質、多結晶と結晶化の度合いにより屈折率が変わる。非晶質シリコンで屈折率4.0〜5.0、多結晶シリコン、単結晶シリコンで屈折率7〜5.0を示す。
【0044】
被覆膜は可視光領域にて光吸収のないものが望ましい。
【0045】
被覆膜の形成方法としては、液晶と屈折率の異なる粒子を有機溶媒中に分散させたコロイド溶液をフレキソ印刷法、スクリーン印刷法、スピン塗布法にて基板に成膜する。有機溶媒はホットプレート等で加熱して除去する。有機溶媒としてはNメチルピロリドン(NMP)、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、アセトン、γ―ブチロラクトン、ブチルセロソルブ等が使用可能である。
【0046】
被覆膜として日産化学社製のH―8000(屈折率1.7〜1.8)、H―1000(屈折率1.9〜2.0)、G―501(屈折率1.31)、AT―902(屈折率1.89)等を用いることもできる。
【0047】
本実施例の構成を図1を用いて説明する。図面では被覆膜によるプリズムの効果を説明するために、あえてプリズム形状を強調した形で書いている。ガラス基板101はコーニング社製の#1737を用いる。
【0048】
カラー表示用にカラーフィルター102〜104を形成する。加法混色の三原色でカラー表示を行うため、各画素に、赤青緑のカラーフィルターが配置される。カラーフィルターは富士フィルムオーリンのカラーフィルターCG7001(緑色)、CR7001(赤色)、CB7001(青色)を用い、1.5μmの厚さで形成する。必要に応じてオーバーコート材105を形成しても良い。オーバーコート材としては二液性のアクリル樹脂を用いることができる。
【0049】
さらに透明電極106を形成する。透明電極は厚さ120nmの酸化インジウム錫(ITO)膜を用いる。酸化インジウム錫(ITO)膜パターニング後に200〜250℃でベークを行うと結晶化が進み透過率が向上する。
【0050】
透明電極上に成膜スペーサー107を形成する。成膜スペーサー材料としてはJSR社製の感光性樹脂NN700、BPR、NN800が使える。NN700は感光性アクリル樹脂膜であり屈折率は1.5と液晶の屈折率とほぼ同じである。本実施例ではNN700を用いて成膜スペーサーを形成する。
【0051】
成膜スペーサー上に被覆膜108として屈折率1.31の日産化学社製のG―501を60nm形成する。形成方法としてはディップ、スピン塗布法、ロールコート法、フレキソ印刷法が可能である。フレキソ印刷法を用いると対向基板と素子基板のコモンコンタクトやフレキシブル配線板(FPC)接続端子の上を避けて被覆膜を形成することができる。スピン塗布法の場合、スピン塗布後に対向基板や外付け駆動回路と導通をとるためにコモンコンタクト、フレキシブルプリント配線板(FPC)の部分の被覆膜を除去する必要がある。
【0052】
有機溶媒を用いて材料を塗布すると、重力により成膜スペーサー底辺付近に被覆膜の液溜まりができ、プリズム状の形が形成される。本実施例ではフレキソ印刷法で被膜を形成する。被覆膜材料G―501の焼成は300℃で行う。画素開口部の被覆膜は、被覆膜による焼きつきを防止するためにドライエッチングにより除去しても良い。以上の構成で対向基板が形成される。
【0053】
ガラス基板101、110に配向膜109を60nm形成し、焼成、ラビングする。配向膜の形成方法としては配向膜印刷法、スピン塗布法がある。配向膜は日産化学社製の高プレチルト配向膜SE7792を配向膜印刷法により成膜する。SE7792は熱硬化型の配向膜のため焼成温度によりプレチルトが変わる。
本実施例では焼成温度200℃と、被覆膜G―501の焼成温度以下にする。
【0054】
配向膜ラビング後に熱硬化型エポキシ樹脂のシール材114をガラス基板上に形成し、一対のガラス基板を貼り合わせる。シール材は三井化学社製の゛XN―21S“を用いる。そして熱プレスによりシール材を硬化する。熱プレスは160℃3時間で行う。シール材硬化後にスクライバー、ブレーカーで一対の基板を分断する。後述するフレキシブルプリント配線板(FPC)を貼りつけるため、素子基板110と対向基板101の端面をずらしたオフセットを持った形で分断する。ガラス基板101と110の間に液晶115を注入する。液晶の誘電率異方性は適宜選択する。
【0055】
液晶注入後に注入口を封止しフレキシブルプリント配線板(FPC)を貼りつけ(図示せず)、アクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。対向基板側から光を照射すると基板法線方向から入射光116が入る。
【0056】
本工程はカラーフィルター基板の上に成膜スペーサー、被覆膜を形成しているため従来のカラーフィルター基板をそのまま流用できる。
【0057】
被覆膜による光の屈折効果を図6を用いて説明する。図6においては被覆膜の光学効果を説明するのに必要な図が示されており、スイッチング素子の活性層、ゲート配線等は省略されている。液晶表示装置の微細な画素ピッチでは回折光が生じるが入射光の多くは直進をするため、回折光の影響は無視できるものとしている。
【0058】
基板法線方向からの入射光116はガラス基板101、カラーフィルター103、オーバーコート材105を直進する。そして被覆膜108と配向膜109の界面でスネルの法則にしたがって屈折をし、さらに配向膜109と液晶115の界面で屈折をする。
【0059】
結果として液晶中を伝播する光の進行方向は被覆膜108の屈折率と液晶115の屈折率で近似的に求められると考えられる。つまり、配向膜109は屈折率がほぼ液晶115と同程度と考えられるため、配向膜と液晶の界面で屈折はほとんどなく進行方向はほとんど変化しない。また配向膜が被覆膜表面に対し平行に一定の膜厚で成膜されているならば、図12に例示するように光の進行方向は成膜スペーサーと液晶の屈折率の関係で決まり、中に形成された配向膜は光の進行方向に影響しない。
【0060】
液晶の常光屈折率を1.55、被覆膜の屈折率を1.3とする。被覆膜の平坦化効果により成膜スペーサー底辺にプリズム形状ができる。プリズム形状は基板平行方向に長さ(Wp)が1μm、セル厚方向に長さ(Hp)が2.75μm、テーパー角(θp)70°とする。すると屈折により基板法線方向に対する光の進行方向(θm)は18°となる。セルギャップ(d)は5μmとする。
【0061】
入射光116はプリズム底辺(点A)で屈折し、屈折点から基板面垂直に5μm、基板面に平行に1.8μm移動する。画素の開口部とプリズム端のエッジが基板法線方向に対し同じ位置にあるため、開口部エッジから1.8μm離れた位置に光が入射する。開口部エッジから光の入射位置までの距離をLm1とする。
【0062】
入射光117はプリズム頂点付近(点B)つまりプリズム端から0.7μmの距離で屈折し、点Bから基板面垂直に3.1μm、基板面に平行に1.1μm移動する。つまり開口部エッジから0.4μm離れた位置に光が入射する。開口部エッジから光の入射位置までの距離をLm2とする。
【0063】
計算によれば少なくとも点A、B間の光は屈折により画素に入射する。A、B間の距離をLeffとする。Leffは0.7μmである。Leffは基板法線方向に入射した光が被覆膜による屈折で画素に入射できる光の幅である。
【0064】
基板法線方向から入射する光は被覆膜がないと、遮光膜により反射、吸収されてしまうが、被覆膜による屈折を利用することで光が画素に入射する。図6の遮光膜111の幅が8μmとすると基板法線方向に入射した光の17.5%は画素に入射する。
【0065】
また酸化インジウム錫(ITO)膜113と層間膜112が接しているとき、酸化インジウム錫(ITO)膜を透過した光が層間膜界面で全反射する臨界角を計算すると、53°となる(層間膜の屈折率を1.6、ITOの屈折率を2.0として計算)。つまり酸化インジウム錫(ITO)膜面の法線方向に対し53°以上傾いた光は全反射により液晶セル内に閉じ込められてしまう。しかし、本実施例の入射光の傾きは酸化インジウム錫(ITO)膜の法線方向から18°のため全反射は起きず光のロスはない。
【0066】
屈折点から基板平行方向への光の移動量をLm、セルギャップd、基板法線と屈折光の進行方向のなす角度θの間にLm=d×tanθの関係があるため、セルギャップを大きくすると、光の移動量(Lm)が多くなり画素に入射する光の量が増える。また被覆膜と液晶の屈折率差を大きくすると屈折角が大きくなるため、光の移動量(Lm)が多くなり画素に入射する光の量が増える。
【0067】
本実施例のように屈折率が配向膜、液晶と大きく違う材料を成膜スペーサーに被覆することで光の屈折効果がある。光の屈折方向によっては配向膜、液晶に比べ屈折率が大きな材料を用いても良い。屈折率が大きい材料を被覆膜として用いると光の屈折方向が本実施例と逆になる。
【0068】
本発明をアクティブマトリクス型液晶表示装置において実施する場合、光源が対向基板側から入射するようにすることが望ましい。対向基板には遮光膜を設けないほうがよい。液晶のディスクリネーションを隠す遮光膜はTFT素子基板に保持容量の機能を兼ねる形で形成することが望ましい。
【0069】
液晶表示装置の光源は透過型液晶表示装置では冷陰極管、メタルハライドランプ、キセノンランプ、アークショートランプが使用可能である。反射型液晶表示装置では太陽光、蛍光灯が使用可能である。
【0070】
本実施例の成膜スペーサーの上面図の一例を図21(A)〜(E)に示す。図21(A)は画素電極401があり、ソース配線と重なる位置に壁状に成膜スペーサー402が形成されている様子を示す。
【0071】
図21(B)は画素電極401があり、遮光層となってしまうソース配線、ゲート線と重なる位置に、成膜スペーサー402が形成されている様子を示す。液晶がパネル全面に注入されるように、遮光膜のパターン間にすきまがある。
【0072】
図21(C)は画素電極401があり、ソース配線、ゲート線、液晶のディスクリネーションを隠す遮光膜と重なる位置に、成膜スペーサー402が形成されている様子を示す。
【0073】
図21(D)は画素電極401があり、液晶のディスクリネーションを隠す遮光膜と重なる位置に、成膜スペーサー402が形成されている様子を示す。
【0074】
図21(E)のように成膜スペーサーをマトリクス状に形成した場合は、ラミネート法を用いて液晶の注入を行う。
【0075】
[実施例2]
本実施例では、被覆膜形成後にカラーフィルター、酸化インジウム錫(ITO)膜を形成している。カラーフィルターの厚さにより屈折光の移動距離が増えて、画素に入射できる光が多くなる。
【0076】
工程を図2を用いて説明する。ガラス基板101はコーニング社製の#1737を用いる。ガラス基板101上に成膜スペーサー107を形成する。成膜スペーサー材料としてはJSR社製の感光性アクリル樹脂NN700、BPR、NN800等がある。NN700は感光性アクリル樹脂膜である。本実施例ではNN700を6μmの高さにする。
【0077】
成膜スペーサー107上に被覆膜108として屈折率1.31の日産化学社製のG―501を60nm形成する。形成方法はディップ、スピン塗布法、ロールコート法、フレキソ印刷法が可能である。本実施例ではフレキソ印刷法を用いる。被覆膜の焼成は300℃で行う。これにより成膜スペーサー底辺付近に被覆膜によるプリズム状の形ができる。
【0078】
カラーフィルター102〜104を形成する。加法混色の三原色でカラー表示を行うため、画素ごとに赤青緑のカラーフィルターが配置される。カラーフィルターは富士フィルムオーリン社製のカラーフィルターCG7001(緑)、CR7001(赤)、CB7001(青)を用い、1μmの厚さでストライプ状に形成する。カラーフィルターの焼成温度は220℃と、被覆膜G―501の焼成温度以下にする。
【0079】
さらに透明電極106を形成する。透明電極は厚さ120nmの酸化インジウム錫(ITO)膜を用いてストライプ状にパターニングし、画素部外で導通をとり、透明電極を同電位にする。酸化インジウム錫(ITO)膜パターニング後に200〜250℃でベークを行うと結晶化が進み透過率が向上する。以上の構成で対向基板が形成する。セルギャップは5μmとなる。
【0080】
ガラス基板110にはアクティブ素子が形成されている。アクティブ素子のうちソース配線111とソース配線上に形成された層間絶縁膜112と層間絶縁膜上に形成された画素電極113が図示されている。図示してはいないが画素電極113はスイッチング素子と電気的に接続している。
【0081】
ガラス基板101、110に配向膜109を60nm形成し、焼成、ラビングする。配向膜の形成方法としては配向膜印刷法、スピン塗布法がある。配向膜は日産化学社製の高プレチルト配向膜SE7792を用い、配向膜印刷法で形成した。本実施例では配向膜の焼成温度は200℃と、被覆膜G―501の焼成温度以下にする。
【0082】
配向膜ラビング後に熱硬化型エポキシ樹脂のシール材114をガラス基板上に形成し、一対のガラス基板を貼り合わせる。シール材は三井化学社製の゛XN―21S“を用いる。そして熱プレスによりシール材を硬化する。熱プレスは160℃3時間で行う。シール材硬化後にスクライバー、ブレーカーで一対の基板を分断する。後述するフレキシブルプリント配線板(FPC)を貼りつけるため、素子基板110と対向基板101の端面をずらし、オフセットを持った形で分断する。ガラス基板101と110の間に液晶115を注入する。液晶の誘電率異方性は適宜選択する。
【0083】
液晶注入後に注入口を封止しフレキシブルプリント配線板(FPC)を貼りつけ(図示せず)、アクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。対向基板側から光を照射するとアクティブマトリクス型液晶表示装置に対し、基板法線方向から入射光116が入る。
【0084】
成膜スペーサーの形状と屈折率による光の屈折方向を図7を用いて説明する。
101〜116は図2の要素と同じである。図7においては被覆膜の光学効果を説明するのに必要な図が示されており、スイッチング素子の活性層、ゲート配線等は省略されている。液晶表示装置の画素ピッチでは回折光ができるが光の多くは直進をするため、直進光の経路を確認する。
【0085】
基板法線方向から入射した入射光116、117はガラス基板101、被覆膜108を直進する。そして屈折率の異なる膜間でスネルの法則にしたがって屈折をする。結果として液晶中を伝播する光の進行方向は被覆膜108の屈折率と液晶115の屈折率で近似的に求められると考えられる。つまり、各膜が一定の膜厚で成膜されているならば、図12(1)に示すように光の進行方向は近似的に被覆膜と液晶の屈折率の関係で決まる。
【0086】
液晶の常光屈折率を1.55、被覆膜の屈折率を1.3とする。被覆膜のプリズム形状は基板平行方向の長さ(Wp)が1μm、セル厚方向の長さ(Hp)が2.75μm、テーパー角(θp)70°とする。屈折光の基板法線方向に対する進行方向(θm)は18°となる。
【0087】
セルギャップが5μmであり、カラーフィルターの厚さが1.0μmあるため、入射光116はプリズム底辺(点A)で屈折し、屈折点から基板面垂直に6μm、基板面に平行に2.2μm移動する。開口部とプリズム端のエッジが基板法線方向に対し同じ位置にあるため、開口部エッジから2.2μm離れた位置に光が入射する。開口部エッジから光の入射位置までの距離をLm1とする。
【0088】
入射光117はプリズム頂点付近(点B)プリズム端から1.0μmの距離で屈折し、屈折点から基板面垂直に3.2μm、基板面に平行に1.2μm移動し画素に入射する。つまり開口部エッジから0.2μm離れた位置に光が入射する。開口部エッジから光の入射位置までの距離を距離をLm2とする。
【0089】
以上の計算によれば少なくとも点A、B間の光は屈折により画素に入射する。
A、B間の距離をLeffとする。Leffは1.0μmである。Leffは基板法線方向に入射した光が被覆膜による屈折で画素に入射できる光の幅とした。
【0090】
基板法線方向から入射する光は被覆膜がないと、遮光膜により反射、吸収されてしまうが、被覆膜による屈折効果で光が画素に入射する。図7において遮光膜111の幅を8μmのとき法線方向に入射した光のうち25%の光は画素に入射する。
【0091】
実施例1で計算したように酸化インジウム錫(ITO)膜面の法線方向に対し53°以上傾いた光は全反射により液晶セル内に閉じ込められてしまう。しかし、本実施例の入射角度(θm)は酸化インジウム錫(ITO)膜の法線方向から18°のため全反射は起きず光のロスはない。
【0092】
図7の構成において屈折点から基板平行方向への光の移動量をLm、セルギャップd、カラーフィルターdCF、基板法線方向からの光の屈折角θの間にLm=(d+dCF)×tanθの関係があるため、カラーフィルター102〜104の膜厚を厚くすると、光の移動量が多くなり画素に入射する光の量が増える。
【0093】
カラーフィルター102〜104の膜厚を10〜20μmくらいに厚くして光の移動距離を稼ぐことも可能である。顔料分散型カラーフィルターの場合カラーフィルターの色純度、透過率は顔料濃度を変えることで調整可能である。カラーフィルターの膜厚を10〜20μmと厚くするときは、それにあわせて顔料濃度を減らしていき、色味を調節すると良い。
【0094】
また被覆膜と液晶の屈折率差を大きくすると屈折角が大きくなるため、光の移動量が多くなり画素に入射する光の量が増える。
【0095】
本実施例の成膜スペーサーの上面図は、対向基板の酸化インジウム錫(ITO)膜をストライプ状にパターニングするため、それに合わせて図21(A)のようなストライプ状のパターンが望ましい。図21(A)の構成の説明は実施例1においてすでにした。
【0096】
[実施例3]
本実施例では液晶表示装置において既存の技術である成膜スペーサー工程を用いて液晶表示装置の明るさを向上させる。成膜スペーサーを配向膜、液晶に比べ屈折率の低い材料で遮光膜上に形成し、光の全反射効果を利用して画素に光を集光する。
成膜スペーサーの屈折率は液晶の常光屈折率に比べ0.2以上小さいことが望ましい。
【0097】
本実施例の液晶表示装置の作製方法を図3を用いて説明する。ガラス基板101はコーニング社製の#1737を用いる。
【0098】
カラー表示用にカラーフィルター102〜104を形成する。加法混色の三原色でカラー表示を行うため、各画素に、赤青緑のカラーフィルターが配置される。カラーフィルターは富士フィルムオーリンのカラーフィルターCG7001(緑)、CR7001(赤)、CB7001(青)を用い、1.5μmの厚さで形成する。必要に応じてオーバーコート材105を形成しても良い。オーバーコート材としては二液性のアクリル樹脂を用いることができる。
【0099】
オーバーコート材上に透明電極106が形成されている。透明電極は厚さ120nmの酸化インジウム錫(ITO)膜を用いる。酸化インジウム錫(ITO)膜パターニング後に200〜250℃でベークを行うと結晶化が進み透過率が向上する。以上の構成で対向基板が形成する。
【0100】
ガラス基板110にはアクティブ素子が形成されている。アクティブ素子のうちソース配線111とソース配線上に形成された層間絶縁膜112と層間絶縁膜上に形成されスイッチング素子と電気的に接続した画素電極113が図示されている。
【0101】
蒸着によりフッ化マグネシウム(MgF2)を4μm形成する。エッチングは等方性エッチングにより行う。これにより成膜スペーサー122が形成される。等方性エッチングにより多少曲面を持った形となるが入射光に対し、斜め方向に成膜スペーサーと液晶が接すれば屈折効果がある。
【0102】
ガラス基板101、110に配向膜109を60nm形成し、焼成、ラビングする。配向膜の形成方法としては配向膜印刷法、スピン塗布法がある。配向膜は日産化学社製の高プレチルト配向膜SE7792を用いる。SE7792は熱硬化型の配向膜のため焼成温度によりプレチルトが変わる。本実施例では焼成温度220℃とする。
【0103】
配向膜ラビング後に熱硬化型エポキシ樹脂のシール材114をガラス基板上に形成し、一対のガラス基板を貼り合わせる。シール材は三井化学社製の゛XN―21S“を用いる。そして熱プレスによりシール材を硬化する。熱プレスは160℃3時間で行う。シール材硬化後にスクライバー、ブレーカーで一対の基板を分断する。後述するフレキシブルプリント配線板(FPC)を貼りつけるため、素子基板110と対向基板101の端面を、オフセットを持った形で分断する。ガラス基板101と110の間に液晶115を注入する。液晶の誘電率異方性は適宜選択する。
【0104】
液晶注入後に注入口を封止しフレキシブルプリント配線板(FPC)を貼りつけ(図示せず)、アクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。対向基板側から光を照射すると基板法線方向から入射光116が入る。
【0105】
本実施例における光の伝播を図8を用いて説明する。図8における101〜116の要素は図3において説明した。図8においては成膜スペーサー122の光学効果を説明するのに必要な図が示されており、スイッチング素子の活性層、ゲート配線等は省略されている。光は高屈折率の膜から低屈折率の膜に臨界角を超える角度で入射すると全反射を起こすため、その原理を利用して、画素に光を入射させる。臨界角は数式1で示される。数式1においてnsは成膜スペーサーの屈折率、nは成膜スペーサーに接する材料の屈折率、θは臨界角を示す。θは入射光の入射面法線方向からの傾き角で定義する。
【0106】
【数1】
【0107】
成膜スペーサーのテーパー角を液晶と成膜スペーサーの屈折率から求めた臨界角以上にすることで基板に表面に対し法線方向に入射した光が全反射されて画素に光が入射する。
【0108】
画素への光の入射角によっては画素へ入射した光が全反射してしまう場合があるので注意が必要である。酸化インジウム錫(ITO)膜113と層間膜112が接しているとき、光が全反射する臨界角は層間膜の屈折率を1.6、ITOの屈折率を2.0とすると、酸化インジウム錫(ITO)膜面の法線に対し53°以上傾いて入射する光は全反射により液晶セル内に閉じ込められてしまう。
【0109】
全反射を防止するには成膜スペーサーのテーパー角をαとし、数式2を満たすように形成すれば良い。
【0110】
【数2】
【0111】
数式2においてn1、nは薄膜の屈折率であり、n1>nの関係がある。αはスペーサーのテーパー角である。液晶表示装置ではn1は酸化インジウム錫等の高屈折材料、nはガラス、層間膜、配向膜等と考え、全反射を起こす角度を計算すると良い。
【0112】
成膜スペーサーのテーパー角は数式1と数式2を満たすように設定すると良い。数式2においてnITOを2、nを1.6として計算すると成膜スペーサーのテーパー角αは67°以上必要になる。
【0113】
液晶の屈折率は異常光屈折率が1.55〜1.7程度、常光屈折率が1.48〜1.55程度のため、成膜スペーサーは屈折率1.7を示すようなフッ化マグネシウム(MgF2)、屈折率1.4〜1.5を示すような二酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiON)が使える。光を全反射させるには液晶の常光屈折率に対して屈折率が低い材料、望ましくは屈折率が0.2以上低い材料が望ましい。
【0114】
成膜スペーサーの形状が三角形であると鋭角な部分が下地膜にめり込む場合があるので成膜スペーサー頂点が丸みを帯びた形が望ましい。もしくは成膜スペーサー断面を台形とすることが望ましい。成膜スペーサーは絶縁物で形成することが対向電極とTFT素子基板のショートを防ぐ上で望ましい。
【0115】
図8では遮光膜111の幅8μm、セルギャップ(d)5μm、成膜スペーサー122のテーパー角θs70°、高さHs5.0μm、斜辺の基板への正射影Ws1.8μm、成膜スペーサーの屈折率1.3(フッ化マグネシウム)、液晶115の常光屈折率1.55、配向膜109の屈折率1.6とした。
【0116】
基板法線方向から入射した光は成膜スペーサー122斜面に対し、配向膜109と成膜スペーサー122の臨界角(54.3°)以上の角度で入射し全反射する。そして配向膜109界面で屈折し、基板法線方向からθmの傾き角で液晶中を移動する。θmは成膜スペーサーのテーパー角θsを用いて、θm[°]=180―2θsで表される。本実施例ではθmは40°である。酸化インジウム錫(ITO)膜と層間膜の屈折率をそれぞれ2と1.6として計算すると臨界角は53°になる。入射角度は臨界角以下なので、酸化インジウム錫(ITO)膜と層間膜界面で全反射せず有効利用される。
【0117】
成膜スペーサーの頂点近傍(点A)で全反射した光は基板に対し法線方向に5μm、基板に平行に4.2μm移動し、画素に届く。遮光膜111のエッジと成膜スペーサーのエッジが基板法線方向に対し同一にあるとする。成膜スペーサー斜辺を基板へ正射影した長さが1.8μmであるため遮光膜の幅111を8μmとして、法線方向に入射した光の45%は画素に入射する。
【0118】
このように液晶の常光屈折率、配向膜に比べ屈折率の小さい材料で成膜スペーサーを形成し、全反射効果を利用することで画素に光が集光できる。成膜スペーサーのテーパー角を液晶と成膜スペーサーの屈折率から求めた臨界角以上にすると良い。法線方向から入射する光は進行方向を変えない場合、確実に遮光膜により反射、吸収されてしまうが、成膜スペーサーと液晶界面の全反射を利用することで、光を画素に集光させることができる。
【0119】
成膜スペーサーのテーパー角を大きくすると、画素への光の入射角を基板法線方向に近づけることができる。
【0120】
配向膜、液晶と成膜スペーサーの屈折率差を大きくすると成膜スペーサーのテーパー角が67°でも全反射が起こり光が画素に入射する。成膜スペーサーのテーパー角θsがなだらかに形成できるため、成膜スペーサー斜辺の基板への正射影Wsを大きくすることができる。
【0121】
成膜スペーサーを有機樹脂膜で作成し、中に空洞を設け屈折率1の空気が入るようにするか、真空保持することで配向膜、液晶に対し屈折率の低い部分を設けることも可能である。気泡がもれると表示不良となるので、密閉性に気をつける必要がある。
【0122】
本発明をアクティブマトリクス型液晶表示装置において実施する場合、光源が対向基板側から入射するようにすることが望ましい。TFT素子基板側から光を入射させると配線や保持容量のような金属遮光膜により光が反射されてしまい、被覆膜に光が入射しない。
【0123】
本実施例の成膜スペーサーのパターンの上面図は、図21(A)〜(E)のものが可能である。図21の説明は実施例1においてすでにした。
【0124】
[実施例4]
本実施例は成膜スペーサーを配向膜、液晶と屈折率の異なる材料で遮光膜上に形成し、光の屈折効果を利用して画素に光を集光する。実施例3と構造上異なる点は成膜スペーサーを対向基板に形成している点である。成膜スペーサーの屈折率は液晶の異常光屈折率に対し0.2以上大きい方が望ましい。あるいは液晶の異常光屈折率に対し0.2以上小さい方が望ましい。
【0125】
液晶表示装置の作製方法を図4を用いて説明する。ガラス基板101はコーニング社製の#1737を用いる。
【0126】
カラー表示をする場合には、カラーフィルター102〜104を形成する。加法混色の三原色でカラー表示をするため、各画素に赤青緑のカラーフィルターが配置される。カラーフィルターは富士フィルムオーリンのカラーフィルターCG7001(緑)、CR7001(赤)、CB7001(青)を用い、1μmの厚さで形成する。必要に応じてオーバーコート材105を形成しても良い。オーバーコート材としては二液性のアクリル樹脂を用いることができる。
【0127】
オーバーコート材上に透明電極106が形成されている。透明電極は厚さ120nmの酸化インジウム錫(ITO)膜を用いて基板全面に形成する。酸化インジウム錫(ITO)膜パターニング後に200〜250℃でベークを行うと結晶化が進み透過率が向上する。以上の構成で対向基板が形成する。
【0128】
さらに対向基板上に蒸着によりフッ化マグネシウム(MgF2)を4μm形成する。エッチングは等方性エッチングによりエッチングを行う。等方性エッチングにより多少曲面を持った形となるが入射光に対し、斜め方向に成膜スペーサーと液晶が接する面があれば屈折効果がある。これにより成膜スペーサー123が形成される。
【0129】
成膜スペーサーの形状が三角形であると、成膜スペーサーの鋭角な形状が下地膜にめり込む場合があるので成膜スペーサー先端は丸みを帯びた形が望ましい。
【0130】
成膜スペーサー断面形状を台形にしても良い。成膜スペーサー123断面を台形にすると成膜スペーサーの基板に対し平行な部分では基板に対し法線方向から入射した光が直進し遮光膜にて反射あるいは吸収されてしまう。なるべく台形構造のうち基板に対し平行な部分の幅を小さくするほうが光を効率良く屈折させるのに望ましい
【0131】
もう一方のガラス基板110にはアクティブ素子が形成されている。アクティブ素子のうちソース配線111とソース配線上に形成された層間絶縁膜112と層間絶縁膜上に形成されスイッチング素子と電気的に接続した画素電極113が図示されている。
【0132】
ガラス基板101、110に配向膜109を60nm形成し、焼成、ラビングする。配向膜の形成方法としては配向膜印刷法を用いる。配向膜は日産化学社製のSE7792で焼成温度は200℃である。
【0133】
配向膜ラビング後にシール材114をガラス基板上に形成し、一対のガラス基板を貼り合わせる。その後熱プレスによりシール材を硬化する。シール材の焼成は160℃3時間で行う。ガラス基板101と110の間に液晶115を注入する。
【0134】
配向膜ラビング後に熱硬化型エポキシ樹脂のシール材114をガラス基板上に形成し、一対のガラス基板を貼り合わせる。シール材は三井化学社製の゛XN―21S“を用いる。そして熱プレスによりシール材を硬化する。熱プレスは160℃3時間で行う。シール材硬化後にスクライバー、ブレーカーで一対の基板を分断する。後述するフレキシブルプリント配線板(FPC)を貼りつけるため、素子基板110と対向基板101の端面を、オフセットを持った形で分断する。ガラス基板101と110の間に液晶115を注入する。液晶の誘電率異方性は液晶表示装置の配向モードによって適宜選択する。
【0135】
本実施例における光の伝播を図9を用いて説明する。図9における101〜116の要素は図4において説明した。図9においては成膜スペーサー123の光学効果を説明するのに必要な図が示されており、スイッチング素子の活性層、ゲート配線等は省略されている。液晶の常光屈折率にくらべ屈折率が小さい材料を成膜スペーサーとして液晶表示装置内に設けている。
【0136】
液晶の屈折率は異常光屈折率が1.55〜1.7程度、常光屈折率が1.48〜1.55程度のため、成膜スペーサーとしては屈折率1.3を示すようなフッ化マグネシウム(MgF2)、屈折率1.4〜1.5を示すような二酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiON)が使える。
【0137】
図9においては成膜スペーサー123の光学効果を説明するのに必要な図が示されており、スイッチング素子の活性層、ゲート配線等は省略されている。
【0138】
基板に対し法線方向からの入射光116は液晶115と成膜スペーサー123の屈折率差により、スネルの法則により数式1の角度に屈折する。入射光116は配向膜の界面でも屈折するが、結果として液晶中を伝播する光の進行方向は成膜スペーサー123の屈折率と液晶115の屈折率で近似的に求められると考えられる。
【0139】
数式3においてnoは液晶115の常光屈折率、nsは成膜スペーサー123の屈折率、θsは成膜スペーサーのテーパー角、θrはスネルの法則により求められる屈折角である。
【0140】
【数3】
【0141】
基板法線方向を基準にした入射光の進行方向θmは数式4で表される。法線方向に入射した光は成膜スペーサーから出射するときにθm傾く。
【0142】
【数4】
【0143】
これにより成膜スペーサー123により屈折した光は屈折点Aから数式5で示される距離Lm移動する。ここでdはセルギャップ、xは遮光膜のエッジから入射光までの距離を示す。成膜スペーサーのエッジと遮光膜が法線方向から見て同一点にあるとしている。
【0144】
【数5】
【0145】
数式5は数式6の範囲において成り立つ。
【0146】
【数6】
【0147】
光が画素に入射するのは数式7のように遮光膜からkの位置である。つまりk>0の場合成膜スペーサーの効果がある。つまり入射光が確実に遮光膜により反射、吸収されてしまう法線方向の入射光を成膜スペーサーの屈折効果で画素内に入射することができる。
【0148】
【数7】
【0149】
図9に示すような構成で、成膜スペーサーの効果をシミュレーションした。遮光膜111の幅は8.0μmとした。液晶の常光屈折率は1.55である。セルギャップは一般にTNモードで用いられている5μmとした。成膜スペーサーはテーパー角は70°で、屈折率1.3のフッ化マグネシウム(MgF2)とした。
【0150】
入射光116はプリズム底辺(点A)でθrが52°の角度で屈折し、基板法線方向から18°傾いた角度(θm)で移動する。セルギャップが5μmであるため屈折点から基板面垂直に5μm、基板面に平行に1.6μm移動する。開口部とプリズム端のエッジが基板法線方向に対し同じ位置にあるため、開口部エッジから1.6μm離れた位置に光が入射する。このとき開口部エッジから画素入射位置までの距離をLm1とする。
【0151】
入射光117はプリズム頂点付近(点B)つまりプリズム端から0.75μmの距離で屈折し、屈折点から基板面垂直に3.0μm、基板面に平行に0.95μm移動し画素に入射する。つまり開口部エッジから0.15μm離れた位置に光が入射する。このとき開口部エッジから画素入射位置までの距離をLm2とする。
【0152】
計算によれば少なくとも点A、B間の光は屈折により画素に入射する。A、B間の距離をLeffとする。Leffは0.75μmである。基板法線方向に入射した光が被覆膜による屈折で画素に入射できる光をLeffとした。
【0153】
基板法線方向から入射する光は被覆膜がないと、遮光膜により反射、吸収されてしまうが、被覆膜による屈折を利用すると、光が画素に入射する。図6の遮光膜111の幅が8μmのとき法線方向に入射した光の19%の光は画素に入射する。
【0154】
また酸化インジウム錫(ITO)膜113と層間膜112が接しているとき、酸化インジウム錫(ITO)膜を透過した光が層間膜界面で全反射する臨界角を計算すると、53°となる(層間膜の屈折率を1.6、ITOの屈折率を2.0として計算)。つまり酸化インジウム錫(ITO)膜面の法線方向に対し53°以上傾いた光は全反射により液晶セル内に閉じ込められてしまう。しかし、本実施例の入射光の傾きは基板法線方向から18°のため全反射は起きず光のロスはない。
【0155】
屈折点から基板平行方向への光の移動量をLm、セルギャップd、基板法線方向からの光の全反射の角度θの間にLm=d×tanθの関係があるため、セルギャップを大きくすると、光の移動量が多くなり画素に入射する光の量が増える。
【0156】
本発明をアクティブマトリクス型液晶表示装置において実施する場合、光源が対向基板側から入射するようにすることが望ましい。
【0157】
本実施例の成膜スペーサーの上面図は図21(A)〜(E)のものが可能である。図21の説明は実施例1においてすでにした。
【0158】
[実施例5]
本実施例では光は低屈折率の膜から高屈折率の膜に臨界角を超える角度で入射すると全反射を起こすため、その原理を利用して、画素に光を入射させる。成膜スペーサー上に、高屈折率の膜を形成し、さらに高屈折率の膜上に、液晶と高屈折率膜の屈折率の間の値を示す材料を塗布することを特徴とする。これにより成膜スペーサーとして液晶と同程度の屈折率を持つ材料が使えて材料選択の幅が広がる。
【0159】
液晶表示装置の作製方法を図5を用いて説明する。ガラス基板101はコーニング社製の#1737を用いる。
【0160】
カラー表示をする場合には、カラーフィルター102〜104を形成する。加法混色の三原色でカラー表示を行うため、各画素に、赤青緑のカラーフィルターが配置される。カラーフィルターは富士フィルムオーリンのカラーフィルターCG7001(緑)、CR7001(赤)、CB7001(青)を用い1μmの厚さで形成する。必要に応じてオーバーコート材105を形成しても良い。オーバーコート材としては二液性のアクリル樹脂を用いることができる。
【0161】
オーバーコート材上に透明電極106が形成されている。透明電極は厚さ120nmの酸化インジウム錫(ITO)膜を用いる。以上の構成で対向基板が形成する。
【0162】
ガラス基板110にはアクティブ素子が形成されている。アクティブ素子のうちソース配線111とソース配線上に形成された層間絶縁膜112と層間絶縁膜上に形成されスイッチング素子と電気的に接続した画素電極113が図示されている。
【0163】
さらにアクティブ素子形成基板上に成膜スペーサーとしてJSR社製の二液性アクリル樹脂を5μm形成する。
【0164】
成膜スペーサーとしてはそのほかに屈折率1.3を示すようなフッ化マグネシウム(MgF2)、屈折率1.4〜1.5を示すような二酸化珪素(SiO2)、酸化窒化珪素(SiON)、屈折率1.5〜1.6を示すようなアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができる。本実施例では成膜スペーサーのテーパー角を75°とする。成膜スペーサー断面が多少曲面を持っていても入射光に対し斜めの成分があれば光は屈折する。
【0165】
さらに成膜スペーサー124の上に高屈折率膜117を成膜する。高屈折率膜は屈折率が2のTiO2(二酸化チタン)を蒸着する。膜厚は60nmとする。
【0166】
次に高屈折率膜117の上に液晶と高屈折率膜の間の屈折率を持つ膜を形成する。便宜的に屈折率緩和膜118と称する。屈折率緩和膜は屈折率が1.7の窒化膜をスパッタ法で成膜する。膜厚は60nmとする。
【0167】
高屈折率膜117、屈折率緩和膜としては屈折率1.8〜1.9を示すような窒化珪素(SiN)、屈折率4.0〜4.9を示すようなアモルファスシリコン(a−Si)、屈折率7〜5.0を示すようなポリシリコン(poly―Si)等を用いることができる。成膜方法は蒸着、スパッタ法のように膜厚制御のしやすい成膜方法が望ましい。
【0168】
本実施例では成膜スペーサー124の屈折率nS、高屈折率膜117の屈折率nH、屈折率緩和膜118の屈折率nB、配向膜109nPI、液晶115の屈折率nLCの関係がnH>nB>nLCあるいはnH>nB>nPIとなれば良い。同時にnH>nB>nsとなる必要がある。以上の条件を満たせば低屈折率膜と液晶の屈折率関係は特に限定されない。
【0169】
ガラス基板101、110に配向膜109を60nm形成し、焼成、ラビングする。配向膜の形成方法としては配向膜印刷法、スピン塗布法がある。配向膜は日産化学社製のSE7792を用いる。焼成温度は200℃である。
【0170】
配向膜ラビング後にシール材114をガラス基板上に形成し、一対のガラス基板を貼り合わせる。その後熱プレスによりシール材を硬化する。シール材の焼成は160℃3時間で行う。ガラス基板101と110の間に液晶115を注入する。
【0171】
液晶注入後に注入口を封止しフレキシブルプリント配線板(FPC)を貼りつけ、アクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。基板法線方向からの入射光116が液晶表示装置に入る。
【0172】
本実施例における光の伝播を図10、11を用いて説明する。図10における101〜116の要素は図5において説明したものと同じである。図10においては成膜スペーサー124の光学効果を説明するのに必要な図が示されており、スイッチング素子の活性層、ゲート配線等は省略されている。図10における光の進行経路を図11に詳しく示した。図11は図10のうち光の進行方向を説明するのに必要な部分を抜書きしたものである。実際は図全体が成膜スペーサーのテーパー角(θs)分チルトしている。このため図11で示される入射光116は基板法線方向から入射した光となる。
【0173】
図10に示すような構成で、成膜スペーサーの効果をシミュレーションした。
遮光膜111の幅は8.0μmとした。液晶の常光屈折率は1.55である。セルギャップは一般にTNモードで用いられている5μmとした。成膜スペーサーは屈折率1.55、テーパー角75°のアクリル樹脂とした。成膜スペーサーの上に屈折率が2.0の日産化学社製のH―1000の高屈折率膜がある。
【0174】
光の伝播を図10、図11を用いて説明する。法線方向から入射した光116は液晶115から配向膜109を通り、屈折率緩和膜119に入射する。液晶115の異常光屈折率(ne)に対し、配向膜109の屈折率(nPI)は一般にほぼ同じであるため光は全反射をしない。また配向膜109の屈折率(nPI)に対し屈折率緩和膜119の屈折率(nB)は大きい(nB>nPI)ため、全反射は起こらず光はスネルの法則にしたがって屈折率緩和膜119と配向膜109の界面で屈折する。光はさらに屈折率緩和膜119と高屈折率膜118の界面で屈折する。このときも屈折率緩和膜の屈折率(nB)に対し、高屈折率膜の屈折率(nH)は大きい(nH>nB)ため、全反射は起こらない。
【0175】
このとき、成膜スペーサー124への入射角(θH)はスネルの法則により数式8で表され、配向膜、屈折率緩和膜の屈折率によらず、液晶と高屈折率膜の屈折率(nH)により決まる。
【0176】
【数8】
【0177】
例えば、本実施例の液晶115の異常光屈折率(ne)が1.55、成膜スペーサー124のテーパー角75°屈折率(ns)1.5、高屈折率膜118の屈折率(nH)が2.0の場合、成膜スペーサーへの入射角(θH)は48.5°となる。高屈折率膜118と成膜スペーサー124界面で全反射が起こる臨界角(θC)は48.6°のため法線方向からA方向に0.1°ほどずれて入射する光は全反射により成膜スペーサー界面を反射する。
【0178】
屈折率緩和膜119の屈折率(nB)を1.7とした場合、高屈折率膜118から屈折率緩和膜119の界面で全反射が起こる条件は、屈折率緩和膜の法線方向から58°以上傾いた場合である。しかし成膜スペーサー界面で全反射した光は、θHのように屈折率緩和膜の法線方向から48.6°しか傾いていないので界面を透過する。屈折率緩和膜119と高屈折率膜118界面の屈折により進行方向(θB)は屈折率緩和膜の法線方向から52.8°になる。
【0179】
配向膜109の屈折率(nPI)を1.6とした場合、配向膜109と屈折率緩和膜の界面で全反射が起こる条件は、屈折率緩和膜の法線方向から70°以上傾いた場合である。しかし入射した光は、屈折率緩和膜の法線方向から52.8°(θB)しか傾いていないので界面を透過する。配向膜109と液晶115の屈折率差は小さいので屈折はほとんど無視して考える。
【0180】
以上の光の伝播を図10、11にまとめた。法線入射した光116は全反射効果により進行方向が変わり画素に入射する。入射角は基板法線方向に対し30°(180°―2θs)である。基板法線方向に対し入射角が30°なら実施例1〜4で説明したように酸化インジウム錫(ITO)膜、層間膜界面で全反射は起こらない。
【0181】
図10のように入射光116は成膜スペーサー頂点付近(点A)で全反射し、θmが30°の方向に進む。セルギャップが5μmであるため基板面垂直に5μm、基板面に平行に2.9μm移動する。開口部とプリズム端のエッジが基板法線方向に対し同じ位置にあるため、成膜スペーサーの斜辺の基板への正射影を考えると、開口部エッジから1.6μm離れた位置に光が入射する。このとき屈折点Aから屈折した光が画素に入射するときの開口部からの距離をLm1とする。このようにして考えると遮光膜に基板法線方向に入射した光のうち画素内に有効に入射する光の幅(Leff)は1.3μmとなる。遮光膜の幅を8μmとすると両端で2.6μmの光が画素に入射するため32.5%の光が有効利用される。
【0182】
本発明の構成においてさらに屈折率緩和膜を多層化し、膜間の屈折率を徐々に変えていくと全反射による液晶セル内での光の閉じ込めを減らすことができる。
法線方向から入射する光は進行方向を変えない場合、確実に遮光膜により反射、吸収されてしまうが、成膜スペーサーと高屈折率膜の全反射を利用することで、光を画素に入射させることができる。
【0183】
屈折率、膜厚、テーパー角は遮光膜の幅、セルギャップ、各材料の屈折率関係を考慮し適宜調節する。
【0184】
本実施例の成膜スペーサーパターンの上面図は図21(A)〜(E)のものが使用できる。図21の説明は実施例1においてすでにした。
【0185】
[実施例6]
実施例6では金属でスペーサーを形成する。入射した光は金属面で反射され画素に入射する。
【0186】
実施例3数式2に示したようにスペーサーの断面形状は、層間膜、酸化インジウム錫(ITO)膜界面等での全反射を防ぐために、金属スペーサーのテーパー角が67°以上となることが望ましい。
【0187】
図13に示すように、金属スペーサー121のテーパー角(θs)を70°、セルギャップを5μmとすると、金属スペーサー121の斜辺の基板面への正射影は1.8μmとなる。基板鉛直方向に入射した光のうち、金属スペーサーエッジ、つまり遮光膜エッジから内側に1.8μm入った光は金属面での反射効果により、画素内に光が入射する。
【0188】
遮光膜の幅を8μmとした場合、基板法線方向から入射した光の45%は画素に入射する。入射角度は40°である。層間膜、酸化インジウム錫(ITO)膜界面等での全反射は起こらない。図13の101〜116の要素は実施例3の図3と同じである。ただし、対向基板と素子基板のショートを防ぐために、画素電極113と金属スペーサー121の間に絶縁膜120が形成されている。絶縁膜による電圧損失を防ぐためには絶縁膜の誘電率は高い方が良い。
【0189】
金属スペーサーを液晶セル内に設けるには横方向電界で液晶を駆動するIPSモードが適している。これは横方向電界によりできる電気力線と、金属スペーサー界面にできる電気力線の方向が一致していることによる。
【0190】
スペーサーに対しできる電気力線が液晶配向に対しどのような影響を与えるかが問題になる。そこで金属電極をスペーサーとして液晶セル内に設け配向をシミュレーションした。シミュレーターはシンテック社製の液晶配向シミュレーションソフトLCD MASTERの2sベンチを用いた。2sベンチは液晶セル断面の2次元的な液晶配向をシミュレーションすることができる。
【0191】
透過型液晶表示装置への金属スペーサーの適用を考慮してIPS(In Plane Switchig)モードでの配向をシミュレーションした例を以下に示す。
【0192】
図14〜17にシミュレーションモデルを示す。図14は通常の液晶セル、図15〜16は液晶セル内に金属スペーサーを設けた場合を示す。図17にシミュレーションモデルの上面図を示す。シミュレーションでは簡単のためIPSモードの画素電極とコモン電極が同一層にあると仮定し、金属スペーサーの有無による配向変化を定性的に比較した。図14〜17のA−A'で示されるモデルが周期的に配置される。配向膜は電気的に無視できるものとしてシミュレーションしている。
【0193】
同一層上に画素電極300、301とコモン電極302、303が形成されている。画素電極300、301の幅が5μm、ソースライン反転駆動を仮定して画素電極300を電位+5V、画素電極301を電位−5Vとした。
【0194】
コモン電極302の幅が5μm、コモン電極303の幅が10μmである。コモン電極302、303の電位は0Vである。コモン電極と画素電極の間の開口部(電極間距離)305を20μmとした。
【0195】
画素電極300、301とコモン電極302、303の間に比誘電率3の第一の絶縁膜304が設けてある。
【0196】
図15〜16ではそれに加えて画素間に設けられたコモン電極上に金属スペーサー306、307がある。図15は金属スペーサー307は幅6μm、金属スペーサー306は周期性の関係から幅3μmと、コモン電極エッジから2μm内側にある。図16は金属スペーサー307は幅10μm、金属スペーサー306は周期性の関係から幅5μmと、コモン電極エッジと同じ位置にある。金属スペーサーの電位はすべて0Vである。
【0197】
液晶層308はセルギャップ8μm、ツイスト角0°、液晶はネガ型のZLI2806である。図17に示すようにラビング方向は配線電極に対し45°で液晶セル内で均一配向している。偏光板の偏光子(P)と検光子(A)の透過軸うち、検光子(A)の透過軸がラビング方向に対し平行に設けられている。対向基板を仮定して比誘電率3の第二の絶縁膜309が形成されている。
【0198】
シミュレーション結果を図18〜20に示す。液晶層に電界を印可して100msec後の配向が示されている。第一層に電位が+5Vあるいは−5Vの画素電極の間に電位0Vのコモン電極がある。第一層の電極はあわせて9個ある。コモン電極と画素電極の間には絶縁体が形成されている。第二層には液晶層と金属スペーサーがある。第二層に液晶の透過率と電気力線が示されている。第三層に絶縁体が形成されている。
【0199】
図18は通常の液晶セルであり、最大透過率が24.8%である。図19は液晶セル内に金属スペーサーを設け、金属スペーサー幅がコモン電極に比べ小さい。最大透過率は26.2%である。図20は液晶セル内に金属スペーサーを設け、金属スペーサー幅がコモン電極と同じである。最大透過率は28.3%である。金属スペーサーがある方がない場合に比べ最大透過率が2〜4%増加していた。結果として金属スペーサーがあることで電気力線の関係からディスクリネーションが誘起されることはなかった。
【0200】
横方向電界で液晶を駆動する場合において金属スペーサーが液晶セル内に設けられていても液晶の透過率は大きく低下しないことがシミュレーションで確認された。IPSモードのアクティブマトリクス型液晶表示装置においてソースライン反転駆動をしても金属スペーサーによりディスクリネーションが誘起されることはなかった。
【0201】
本実施例の金属スペーサーをIPSモードに採用する場合、図21(A)、(D)のように横方向電界によりできる電気力線と、金属スペーサー界面にできる電気力線の方向が一致するものが望ましい。図21の説明は実施例1においてすでにした。金属スペーサーのため、画素電極401間のショートを防ぐために金属スペーサー402と画素電極401の間に絶縁膜を一層設ける必要がある。
【0202】
アルミ表面を陽極酸化して、アルミナの被膜を形成し、絶縁膜とすることも可能である。これにより素子基板のショートを防止できる。スペーサーは壁状にして、陽極酸化するときの電流が壁スペーサーを通して流れるようにする必要がある。
【0203】
[実施例7]
本実施例では本発明で用いられる素子基板の作製方法の一例を詳細に示す。本実施例では直視形の反射型液晶表示装置に用いる素子基板が作製される。実施例を図23〜図26を用いて説明する。ここでは、画素部の画素TFTおよび保持容量と、表示領域の周辺に設けられる駆動回路のTFTを同時に作製する方法について工程に従って詳細に説明する。
【0204】
図23(A)において、基板601にはコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板の他に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)など光学的異方性を有しないプラスチック基板を用いることができる。ガラス基板を用いる場合には、ガラス歪み点よりも10〜20℃程度低い温度であらかじめ熱処理しておいても良い。そして、基板101のTFTを形成する表面に、基板601からの不純物拡散を防ぐために、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの下地膜102を形成する。例えば、プラズマCVD法でSiH4、NH3、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜602aを10〜200nm(好ましくは50〜100nm)、同様にSiH4、N2Oから作製される酸化窒化水素化シリコン膜102bを50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さに積層形成する。
【0205】
酸化窒化シリコン膜は従来の平行平板型のプラズマCVD法を用いて形成する。酸化窒化シリコン膜602aは、SiH4を10SCCM、NH3を100SCCM、N2Oを20SCCMとして反応室に導入し、基板温度325℃、反応圧力40Pa、放電電力密度0.41W/cm2、放電周波数60MHzとした。一方、酸化窒化水素化シリコン膜102bは、SiH4を5SCCM、N2Oを120SCCM、H2を125SCCMとして反応室に導入し、基板温度400℃、反応圧力20Pa、放電電力密度0.41W/cm2、放電周波数60MHzとした。これらの膜は、基板温度を変化させ、反応ガスの切り替えのみで連続して形成することもできる。
【0206】
このようにして作製した酸化窒化シリコン膜602aは、密度が9.28×1022/cm3であり、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)を7.13%とフッ化アンモニウム(NH4F)を15.4%含む混合溶液(ステラケミファ社製、商品名LAL500)の20℃におけるエッチング速度が約63nm/minと遅く、緻密で硬い膜である。このような膜を下地膜に用いると、この上に形成する半導体層にガラス基板からのアルカリ金属元素が拡散するのを防ぐのに有効である。
【0207】
次に、25〜80nm(好ましくは30〜60nm)の厚さで非晶質構造を有する半導体層603aを、プラズマCVD法やスパッタ法などの公知の方法で形成する。例えば、プラズマCVD法で非晶質シリコン膜を55nmの厚さに形成する。非晶質構造を有する半導体膜には、非晶質半導体膜や微結晶半導体膜があり、非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化合物半導体膜を適用しても良い。また、下地膜602と非晶質半導体層603aとは両者を連続形成することも可能である。例えば、前述のように酸化窒化シリコン膜602aと酸化窒化水素化シリコン膜602bをプラズマCVD法で連続して成膜後、反応ガスをSiH4、N2O、H2からSiH4とH2或いはSiH4のみに切り替えれば、一旦大気雰囲気に晒すことなく連続形成できる。その結果、酸化窒化水素化シリコン膜102bの表面の汚染を防ぐことが可能となり、作製するTFTの特性バラツキやしきい値電圧の変動を低減させることができる。
【0208】
そして、結晶化の工程を行い非晶質半導体層603aから結晶質半導体層603bを作製する。その方法としてレーザーアニール法や熱アニール法(固相成長法)、またはラピットサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。前述のようなガラス基板や耐熱性の劣るプラスチック基板を用いる場合には、特にレーザーアニール法を適用することが好ましい。RTA法では、赤外線ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプなどを光源に用いる。或いは特開平7−130652号公報で開示された技術に従って、触媒元素を用いる結晶化法で結晶質半導体層603bを形成することもできる。結晶化の工程ではまず、非晶質半導体層が含有する水素を放出させておくことが好ましく、400〜500℃で1時間程度の熱処理を行い含有する水素量を5atom%以下にしてから結晶化させると膜表面の荒れを防ぐことができるので良い。
【0209】
結晶化をレーザーアニール法にて行う場合には、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザーやアルゴンレーザーをその光源とする。パルス発振型のエキシマレーザーを用いる場合には、レーザー光を線状に加工してレーザーアニールを行う。レーザーアニール条件は実施者が適宣選択するものであるが、例えば、レーザーパルス発振周波数30Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜500mJ/cm2(代表的には300〜400mJ/cm2)とする。そして線状ビームを基板全面に渡って照射し、この時の線状ビームの重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%として行う。このようにして図23(B)に示すように結晶質半導体層603bを得ることができる。
【0210】
そして、結晶質半導体層603b上にフォトマスク1(PM1)を用い、フォトリソグラフィーの技術を用いてレジストパターンを形成し、ドライエッチングによって結晶質半導体層を島状に分割し、島状半導体層604〜608を形成しする。ドライエッチングにはCF4とO2の混合ガスを用いる。
【0211】
このような島状半導体層に対し、TFTのしきい値電圧(Vth)を制御する目的でp型を付与する不純物元素を1×1016〜5×1017atoms/cm3程度の濃度で島状半導体層の全面に添加しても良い。半導体に対してp型を付与する不純物元素には、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律表第13族の元素が知られている。その方法として、イオン注入法やイオンドープ法を用いることができるが、大面積基板を処理するにはイオンドープ法が適している。イオンドープ法ではジボラン(B2H6)をソースガスとして用いホウ素(B)を添加する。このような不純物元素の注入は必ずしも必要でなく省略しても差し支えないが、特にnチャネル型TFTのしきい値電圧を所定の範囲内に収めるために好適に用いる手法である。
【0212】
ゲート絶縁膜609はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、膜厚を40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。例えば、120nmの厚さで酸化窒化シリコン膜から形成すると良い。また、SiH4とN2OにO2を添加させて作製された酸化窒化シリコン膜は、膜中の固定電荷密度が低減されているのでこの用途に対して好ましい材料となる。勿論、ゲート絶縁膜はこのような酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い(図23(C))。
【0213】
図23(D)に示すように、ゲート絶縁膜609上にゲート電極を形成するための耐熱性導電層を形成する。耐熱性導電層は単層で形成しても良いが、必要に応じて二層あるいは三層といった複数の層から成る積層構造としても良い。このような耐熱性導電性材料を用い、例えば、導電性の窒化物金属膜から成る導電層(A)610と金属膜から成る導電層(B)611とを積層した構造とすると良い。導電層(B)611はタンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金か、前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金膜、Mo−Ta合金膜)で形成すれば良く、導電層(A)610は窒化タンタル(TaN)、窒化タングステン(WN)、窒化チタン(TiN)膜、窒化モリブデン(MoN)などで形成する。また、導電層(A)610はタングステンシリサイド、チタンシリサイド、モリブデンシリサイドを適用しても良い。導電層(B)611は低抵抗化を図るために含有する不純物濃度を低減させることが好ましく、特に酸素濃度に関しては30ppm以下とすると良かった。例えば、タングステン(W)は酸素濃度を30ppm以下とすることで20μΩcm以下の比抵抗値を実現することができた。
【0214】
導電層(A)610は10〜50nm(好ましくは20〜30nm)とし、導電層(B)611は200〜400nm(好ましくは250〜70nm)とすれば良い。Wをゲート電極とする場合には、Wをターゲットとしたスパッタ法で、アルゴン(Ar)ガスと窒素(N2)ガスを導入して導電層(A)611を窒化タングステン(WN)で50nmの厚さに形成し、導電層(B)610をWで250nmの厚さに形成する。その他の方法として、W膜は6フッ化タングステン(WF6)を用いて熱CVD法で形成することもできる。いずれにしてもゲート電極として使用するためには低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩcm以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくすることで低抵抗率化を図ることができるが、W中に酸素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高抵抗化する。このことより、スパッタ法による場合、純度99.9999%のWターゲットを用い、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないように十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9〜20μΩcmを実現することができる。
【0215】
一方、導電層(A)610にTaN膜を、導電層(B)611にTa膜を用いる場合には、同様にスパッタ法で形成することが可能である。TaN膜はTaをターゲットとしてスパッタガスにArと窒素との混合ガスを用いて形成し、Ta膜はスパッタガスにArを用いる。また、これらのスパッタガス中に適量のXeやKrを加えておくと、形成する膜の内部応力を緩和して膜の剥離を防止することができる。α相のTa膜の抵抗率は20μΩcm程度でありゲート電極に使用することができるが、β相のTa膜の抵抗率は180μΩcm程度でありゲート電極とするには不向きであった。TaN膜はα相に近い結晶構造を持つので、この上にTa膜を形成すればα相のTa膜が容易に得られた。尚、図示しないが、導電層(A)610の下に2〜20nm程度の厚さでリン(P)をドープしたシリコン膜を形成しておくことは有効である。これにより、その上に形成される導電膜の密着性向上と酸化防止を図ると同時に、導電層(A)610または導電層(B)611が微量に含有するアルカリ金属元素がゲート絶縁膜609に拡散するのを防ぐことができる。いずれにしても、導電層(B)611は抵抗率を10〜50μΩcmの範囲ですることが好ましい。
【0216】
次に、フォトマスク2(PM2)を用い、フォトリソグラフィーの技術を使用してレジストマスク612〜617を形成し、導電層(A)610と導電層(B)611とを一括でエッチングしてゲート電極618〜622と容量配線623を形成する。ゲート電極618〜622と容量配線623は、導電層(A)から成る618a〜622aと、導電層(B)から成る618b〜622bとが一体として形成されている(図24(A))。
【0217】
導電層(A)および導電層(B)をエッチングする方法は実施者が適宣選択すれば良いが、前述のようにWを主成分とする材料で形成されている場合には、高速でかつ精度良くエッチングを実施するために高密度プラズマを用いたドライエッチング法を適用することが望ましい。高密度プラズマを得る手法の一つとして、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)エッチング装置を用いると良い。ICPエッチング装置を用いたWのエッチング法は、エッチングガスにCF4とCl2の2種のガスを反応室に導入し、圧力0.5〜1.5Pa(好ましくは1Pa)とし、誘導結合部に200〜1000Wの高周波(176MHz)電力を印加する。この時、基板が置かれたステージには20Wの高周波電力が印加され、自己バイアスで負電位に帯電することにより、正イオンが加速されて異方性のエッチングを行うことができる。ICPエッチング装置を使用することにより、Wなどの硬い金属膜も2〜5nm/秒のエッチング速度を得ることができる。また、残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増しオーバーエッチングをすると良い。しかし、この時に下地とのエッチングの選択比に注意する必要がある。例えば、W膜に対する酸化窒化シリコン膜(ゲート絶縁膜109)の選択比は2.5〜3であるので、このようなオーバーエッチング処理により、酸化窒化シリコン膜が露出した面は20〜50nm程度エッチングされて実質的に薄くなった。
【0218】
そして、nチャネル型TFTにLDD領域を形成するために、n型を付与する不純物元素添加の工程(n-ドープ工程)を行った。ここではゲート電極618〜622をマスクとして自己整合的にn型を付与する不純物元素をイオンドープ法で添加した。n型を付与する不純物元素として添加するリン(P)の濃度は1×1016〜5×1019atoms/cm3の濃度範囲で添加する。このようにして、図24(B)に示すように島状半導体層に低濃度n型不純物領域624〜629を形成する。
【0219】
次に、nチャネル型TFTにおいて、ソース領域またはドレイン領域として機能する高濃度n型不純物領域の形成を行った(n+ドープ工程)。まず、フォトマスク3(PM3)を用い、レジストのマスク630〜634を形成し、n型を付与する不純物元素を添加して高濃度n型不純物領域635〜640を形成した。n型を付与する不純物元素にはリン(P)を用い、その濃度が1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度範囲となるようにフォスフィン(PH3)を用いたイオンドープ法で行った(図24(C))。
【0220】
そして、pチャネル型TFTを形成する島状半導体層604、606にソース領域およびドレイン領域とする高濃度p型不純物領域644、645を形成する。ここでは、ゲート電極618、620をマスクとしてp型を付与する不純物元素を添加し、自己整合的に高濃度p型不純物領域を形成する。このとき、nチャネル型TFTを形成する島状半導体膜605、607、608は、フォトマスク4(PM4)を用いてレジストマスク641〜643を形成し全面を被覆しておく。高濃度p型不純物領域644、645はジボラン(B2H6)を用いたイオンドープ法で形成する。この領域のボロン(B)濃度は3×1020〜3×1021atoms/cm3となるようにする(図24(D))。この高濃度p型不純物領域644、645には、前工程においてリン(P)が添加されていて、高濃度p型不純物領域644a、645aには1×1020〜1×1021atoms/cm3の濃度で、高濃度p型不純物領域644b、645bには1×1016〜5×1019atoms/cm3の濃度で含有しているが、この工程で添加するボロン(B)の濃度を1.5から3倍となるようにすることにより、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領域として機能する上で何ら問題はなかった。
【0221】
その後、図25(A)に示すように、ゲート電極およびゲート絶縁膜上から保護絶縁膜646を形成する。保護絶縁膜は酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜、またはこれらを組み合わせた積層膜で形成すれば良い。いずれにしても保護絶縁膜646は無機絶縁物材料から形成する。保護絶縁膜646の膜厚は100〜200nmとする。ここで、酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法で、オルトケイ酸テトラエチル(Tetraethyl Orthosilicate:TEOS)とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(176MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。酸化窒化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でSiH4、N2O、NH3から作製される酸化窒化シリコン膜、またはSiH4、N2Oから作製される酸化窒化シリコン膜で形成すれば良い。この場合の作製条件は反応圧力20〜200Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(60MHz)電力密度0.1〜1.0W/cm2で形成することができる。また、SiH4、N2O、H2から作製される酸化窒化水素化シリコン膜を適用しても良い。窒化シリコン膜も同様にプラズマCVD法でSiH4、NH3から作製することが可能である。
【0222】
その後、それぞれの濃度で添加されたn型またはp型を付与する不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。熱アニール法では酸素濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には500〜600℃で行うものであり、本実施例では550℃で4時間の熱処理を行った。また、基板101に耐熱温度が低いプラスチック基板を用いる場合にはレーザーアニール法を適用することが好ましい(図25(B))。
【0223】
活性化の工程の後、さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体膜を水素化する工程を行った。この工程は熱的に励起された水素により島状半導体膜にある1016〜1018/cm3のダングリングボンドを終端する工程である。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
【0224】
活性化および水素化の工程が終了したら、有機絶縁物材料からなる層間絶縁膜147を1.0〜2.0μmの平均厚を有して形成する。有機樹脂材料としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)等を使用することができる。例えば、基板に塗布後、熱重合するタイプのポリイミドを用いる場合には、クリーンオーブンで300℃で焼成して形成する。また、アクリルを用いる場合には、2液性のものを用い、主材と硬化剤を混合した後、スピナーを用いて基板全面に塗布した後、ホットプレートで80℃で60秒の予備加熱を行い、さらにクリーンオーブンで250℃で60分焼成して形成することができる。
【0225】
このように、層間絶縁膜を有機絶縁物材料で形成することにより、表面を良好に平坦化させることができる。また、有機樹脂材料は一般に誘電率が低いので、寄生容量を低減することができる。しかし、吸湿性があり保護膜としては適さないので、本実施例のように、保護絶縁膜146として形成した酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜などと組み合わせて用いる必要がある。
【0226】
その後、フォトマスク5(PM5)を用い、所定のパターンのレジストマスクを形成し、それぞれの島状半導体膜に形成されたソース領域またはドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する。コンタクトホールの形成はドライエッチング法により行う。この場合、エッチングガスにCF4、O2、Heの混合ガスを用い有機樹脂材料から成る層間絶縁膜をまずエッチングし、その後、続いてエッチングガスをCF4、O2として保護絶縁膜646をエッチングする。さらに、島状半導体層との選択比を高めるために、エッチングガスをCHF3に切り替えてゲート絶縁膜をエッチングすることにより、良好にコンタクトホールを形成することができる。
【0227】
そして、導電性の金属膜をスパッタ法や真空蒸着法で形成し、フォトマスク6(PM6)によりレジストマスクパターンを形成し、エッチングによってソース配線648〜652とドレイン配線653〜658を形成する。ここで、ドレイン配線657は画素電極として機能するものである。図示していないが、本実施例ではこの電極を、Ti膜を50〜150nmの厚さで形成し、島状半導体層のソースまたはドレイン領域を形成する半導体膜とコンタクトを形成し、そのTi膜上に重ねてアルミニウム(Al)を300〜400nmの厚さで形成して配線とした。
【0228】
この状態で水素化処理を行うとTFTの特性向上に対して好ましい結果が得られた。例えば、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行うと良く、あるいはプラズマ水素化法を用いても同様の効果が得られた。また、このような熱処理により保護絶縁膜646や、下地膜602に存在する水素を島状半導体膜604〜608に拡散させ水素化をすることもできる。いずれにしても、島状半導体膜604〜608中の欠陥密度を1016/cm3以下とすることが望ましく、そのために水素を0.01〜0.1atomic%程度付与すれば良かった(図25(C))。
【0229】
こうして6枚のフォトマスクにより、同一の基板上に、駆動回路のTFTと画素部の画素TFTとを有した基板を完成させることができる。駆動回路には第1のpチャネル型TFT700、第1のnチャネル型TFT701、第2のpチャネル型TFT702、第2のnチャネル型TFT703、画素部には画素TFT704、保持容量705が形成されている。本明細書では便宜上このような基板をアクティブマトリクス基板と呼ぶ。
【0230】
駆動回路の第1のpチャネル型TFT700には、島状半導体膜604にチャネル形成領域706、高濃度p型不純物領域から成るソース領域707a、707b、ドレイン領域708a,708bを有したシングルドレインの構造を有している。第1のnチャネル型TFT701には、島状半導体膜605にチャネル形成領域709、ゲート電極619と重ならないLDD領域710、ソース領域712、ドレイン領域711を有している。このLDD領域のチャネル長方向の長さは1.0〜4.0μm、好ましくは2.0〜3.0μmとした。nチャネル型TFTにおけるLDD領域の長さをこのようにすることにより、ドレイン領域近傍に発生する高電界を緩和して、ホットキャリアの発生を防ぎ、TFTの劣化を防止することができる。駆動回路の第2のpチャネル型TFT702は同様に、島状半導体膜606にチャネル形成領域713、高濃度p型不純物領域から成るソース領域714a、714b、ドレイン領域715a,715bを有したシングルドレインの構造を有している。第2のnチャネル型TFT703には、島状半導体膜607にチャネル形成領域716、LDD領域717、718、ソース領域720、ドレイン領域719が形成されている。このTFTのLDDの長さも1.0〜4.0μmとして形成した。画素TFT704には、島状半導体膜608にチャネル形成領域721、722、LDD領域723〜725、ソースまたはドレイン領域726〜728を有している。LDD領域のチャネル長方向の長さは0.5〜4.0μm、好ましくは1.5〜2.5μmである。さらに、容量配線623と、ゲート絶縁膜と同じ材料から成る絶縁膜と、画素TFT704のドレイン領域728に接続する半導体層729とから保持容量705が形成されている。図25(C)では画素TFT704をダブルゲート構造としたが、シングルゲート構造でも良いし、複数のゲート電極を設けたマルチゲート構造としても差し支えない。
【0231】
図26は画素部のほぼ一画素分を示す上面図である。図中に示すA−A’断面が図25(C)に示す画素部の断面図に対応している。画素TFT704は、ゲート配線を兼ねるゲート電極622は、図示されていないゲート絶縁膜を介してその下の島状半導体層608と交差している。図示はしていないが、島状半導体層には、ソース領域、ドレイン領域、LDD領域が形成されている。また、756はソース配線652とソース領域726とのコンタクト部、757はドレイン配線657とドレイン領域728とのコンタクト部である。保持容量705は、画素TFT704のドレイン領域728から延在する半導体層729とゲート絶縁膜を介して容量配線623が重なる領域で形成されている。この構成におて半導体層729には、価電子制御を目的とした不純物元素は添加されていない。
【0232】
以上の様な構成は、画素TFTおよび駆動回路が要求する仕様に応じて各回路を構成するTFTの構造を最適化し、半導体装置の動作性能と信頼性を向上させることを可能としている。さらにゲート電極を耐熱性を有する導電性材料で形成することによりLDD領域やソース領域およびドレイン領域の活性化を容易としている。
【0233】
[実施例8]
本実施例では、実施例7で作製したアクティブマトリクス基板を用いた反射型の液晶表示装置の構成を図26、27を用いて本実施例を説明する。
【0234】
基板801にはコーニング社の#7059ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板の他に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)など光学的異方性を有しないプラスチック基板を用いることができる。後述する熱プレス工程で基板のゆがみを生じないようにするため基板601と熱膨張係数が同じものを用いるのが望ましい。
【0235】
基板801にカラーフィルター層802が形成される。カラーフィルター層は後述するシール材803の下にも形成されており、表示領域とシール材形成領域でギャップが均一になるように調整している。
【0236】
カラーフィルター層802の上にオーバーコート材804が形成されている。
オーバーコート材は各色赤、青、緑のカラーフィルターの重なりを平坦化する役目がある。反射型パネルでは外光を利用してパネルを表示する。明るさを極力損なわないようにするため対向基板には遮光膜を設けていない。
【0237】
オーバーコート材804の上に透明導電膜805として酸化インジウム錫(ITO)膜が形成されている。駆動回路領域に酸化インジウム錫(ITO)膜があると駆動回路に不要な容量が形成されてしまい波形がなまる。このため駆動回路領域の酸化インジウム錫(ITO)膜はパターニングにより除去している。
【0238】
成膜スペーサー806はJSR社製のNN700を用いてソース配線652に重なるように形成する。
【0239】
被覆膜807として屈折率1.3のフッ化マグネシウム(MgF2)が成膜される。NMP溶剤にフッ化マグネシウムの粒子を分散して塗布し、溶媒はホットプレートで加熱して除去している。図26の上面図に示されるように被覆膜807のエッジはドレイン配線657の内側にくるようにする。
【0240】
配向膜808が60nm基板801、601に形成される。配向膜は可溶性ポリイミド、熱硬化型ポリアミック酸のものがある。
【0241】
シール材803は熱硬化型エポキシ樹脂、あるいは紫外線硬化型エポキシ樹脂が使用できる。液晶材料809が基板間に狭持される。
【0242】
本発明をマスク枚数の少ないプロセスで作製されたTFT素子基板と組み合わせて用いることで、低コストで明るさの良い液晶表示装置ができる。コスト削減を狙いマスク数を減らして画素電極と信号電極を同一層に形成した場合、エッチングマージンを確保するために画素電極と信号電極を数μm離してパターニングする必要がある。これは開口率を落とすことにつながり、明るさが低下してしまっていた。しかし遮光領域や、画素領域外に入射した光が画素に集光されるため見かけ上開口率が高くなる。
【0243】
[実施例9]
実施例7で作製したアクティブマトリクス基板はそのまま反射型の液晶表示装置に適用することができる。一方、透過型の液晶表示装置とする場合には画素部の各画素に設ける画素電極を透明電極で形成すれば良い。本実施例では透過型の液晶表示装置に対応するアクティブマトリクス基板の作製方法について図28を用いて説明する。
【0244】
アクティブマトリクス基板は実施例7と同様に作製する。図28(A)では、ソース配線とドレイン配線は導電性の金属膜をスパッタ法や真空蒸着法で形成する。これは、Ti膜を50〜150nmの厚さで形成し、島状半導体層のソースまたはドレイン領域を形成する半導体膜とコンタクトを形成し、そのTi膜上に重ねてアルミニウム(Al)を300〜400nmの厚さで形成し、さらにTi膜または窒化チタン(TiN)膜を100〜200nmの厚さで形成して3層構造とした。その後、透明導電膜を全面に形成し、フォトマスクを用いたパターニング処理およびエッチング処理により画素電極671を形成する。画素電極671は、層間絶縁膜647上に形成され、画素TFT704のドレイン配線669と重なる部分を設け、接続構造を形成している。
【0245】
図28(B)では最初に層間絶縁膜647上に透明導電膜を形成し、パターニング処理およびエッチング処理をして画素電極671を形成した後、ドレイン配線669を画素電極671と重なる部分を設けて形成した例である。ドレイン配線669はTi膜を50〜150nmの厚さで形成し、島状半導体層のソースまたはドレイン領域を形成する半導体膜とコンタクトを形成し、そのTi膜上に重ねてアルミニウム(Al)を300〜400nmの厚さで形成して設ける。この構成にすると、画素電極671はドレイン配線669を形成するTi膜のみと接触することになる。その結果、透明導電膜材料とAlとが反応するのを防止できる。
【0246】
透明導電膜の材料は、酸化インジウム(In2O3)や酸化インジウム酸化スズ合金(In2O3―SnO2;ITO)などをスパッタ法や真空蒸着法などを用いて形成して用いることができる。このような材料のエッチング処理は塩酸系の溶液により行う。しかし、特にITOのエッチングは残渣が発生しやすいので、エッチング加工性を改善するために酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)を用いても良い。酸化インジウム酸化亜鉛合金は表面平滑性に優れ、ITOに対して熱安定性にも優れているので、ドレイン配線669の端面で接触するAlとの腐蝕反応を防止できる。同様に、酸化亜鉛(ZnO)も適した材料であり、さらに可視光の透過率や導電率を高めるためにガリウム(Ga)を添加した酸化亜鉛(ZnO:Ga)などを用いることができる。
【0247】
このようにして、透過型の液晶表示装置に対応したアクティブマトリクス基板を完成させることができる。
【0248】
[実施例10]
本発明をIPS方式の液晶表示装置に適用することで、開口率の低いIPS方式のパネルでも明るい表示を行うことができる。本実施例を図32を用いて説明する。IPS方式のアクティブマトリクス型液晶表示装置の画素部の上面図はpチャネルまたはnチャネル型TFTから成る画素TFT、画素電極及び保持容量、信号配線、共通配線などから構成される。以下に本発明の画素部の構成を図32を用いて説明する。
【0249】
図32は画素部のほぼ一画素分を示し、基板上に島状半導体膜901、902とゲート電極、ゲート配線903、信号線904が形成されている様子を示す。基板は無アルカリガラス基板や石英基板等が好ましく、その他にプラスチック基板を使用することができる。島状半導体膜902はTFTのチャネル形成領域やソースまたはドレイン領域、LDD領域等を形成し、島状半導体膜901は保持容量を形成するために設ける。図示していないが、島状半導体膜901、902上及び少なくとも画素部を形成する基板上には第1の絶縁膜(ゲート絶縁膜に相当する膜)が形成され、その上にゲート電極、ゲート配線903が形成される。ゲート電極、ゲート配線903はタングステン(W)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)から選ばれた元素または該元素を成分とする合金材料で形成する。または、多結晶シリコン膜や前記元素のシリサイド膜を組み合わせて形成しても良い。
【0250】
Alはエレクトロマイグレーションなどでゲート絶縁膜中にしみ出すことがあるので、Alで形成するゲート配線を直接ゲート絶縁膜に接する形で島状半導体膜上に設けることは適切でない。ゲート電極とゲート配線のコンタクトはコンタクトホールを必要とせず、ゲート電極とゲート配線とを重ね合わせて形成する。
また、信号配線904はゲート配線903と同時に形成する。
【0251】
その後、層間絶縁膜(図示せず)を形成し、図32に示すように画素電極906、共通配線907、接続電極908を形成する。画素電極906は層間絶縁膜に設けたコンタクト部913で島状半導体膜902と接続する。島状半導体膜902のこの部分はn型またはp型の不純物元素が添加されたソースまたはドレインが形成されている領域である。画素電極906の一方の端は、コンタクト部911で島状半導体膜901と接続している。
【0252】
接続電極908は、信号配線904と島状半導体膜902とをコンタクト部909、910を介して接続し、コンタクト部912で隣接する画素の信号配線と接続している。即ち、本発明の実施形態によれば、信号配線はゲート配線と同じ層上に形成され、その交差は層間絶縁膜上に形成された接続電極を用いて行っている。
【0253】
図32に示すように、共通配線907は層間絶縁膜上に形成され、かつ、信号配線904上に重なるように形成する。
【0254】
こうして、画素TFTと保持容量が形成される。図32において画素TFTは一対のソースまたはドレイン間に二つのゲート電極が設けられたマルチゲートの構造を示しているが、ゲート電極の数に限定はなくシングルゲートの構造で形成しても良い。保持容量は半導体膜901とゲート絶縁膜と同層の絶縁膜(図示せず)とゲート配線903で形成される。
【0255】
画素電極の幅は基板面と平行な方向への電界の広がりを考慮して3μm以上であることが望ましい。また、画素電極と共通配線との間隔は10〜20μm、好ましくは12〜14μmとする。図32では本発明のIPS方式の基本的な画素構成を示したが、一画素のサイズや画像の視認性を考慮して画素電極と共通配線をくの字状に形成しても良い。
【0256】
高さ4μmの金属スペーサー914を共通配線907上に形成する。金属スペーサーの横幅は共通配線907と重なるようにする。その後図32では図示していないが、配向膜AL3046、液晶ZLI4792を用いてパネル組みをする。
【0257】
ラビング方向は信号配線904に対して15°となるようにする。金属スペーサーが形成されている領域は対向基板に遮光膜を形成しない。
【0258】
必要に応じてカラーフィルターを対向基板あるいは素子基板に形成する。
【0259】
横方向電界で駆動しているため、金属スペーサーにより液晶の配向が乱れることはない。また金属スペーサー面での反射光から液晶表示装置の明るさが向上する。
【0260】
本発明は金属スペーサーにより画素に光を集光したが、スペーサーの種類は金属スペーサーに限定されない。実施例1〜5で開示したスペーサーを形成することも可能である。
【0261】
[実施例11]
本発明を実施して作製されたアクティブマトリクス基板および液晶表示装置並びにEL型表示装置は様々な電気光学装置に用いることができる。そして、そのような電気光学装置を表示媒体として組み込んだ電子機器全てに本発明を適用することがでできる。電子機器としては、パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、電子書籍など)、ナビゲーションシステムなどが上げられる。それらの一例を示す。
【0262】
図29(A)は携帯電話であり、本体9001、音声出力部9002、音声入力部9003、表示装置9004、操作スイッチ9005、アンテナ9006から構成されている。本願発明は音声出力部9002、音声入力部9003、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9004に適用することができる。
【0263】
図29(B)はビデオカメラであり、本体9101、表示装置9102、音声入力部9103、操作スイッチ9104、バッテリー9105、受像部9106から成っている。本願発明は音声入力部9103、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9102、受像部9106に適用することができる。
【0264】
図29(C)はモバイルコンピュータ或いは携帯型情報端末であり、本体9201、カメラ部9202、受像部9203、操作スイッチ9204、表示装置9205で構成されている。本願発明は受像部9203、及びアクティブマトリクス基板を備えた表示装置9205に適用することができる。
【0265】
図29(D)はヘッドマウントディスプレイであり、本体9301、表示装置9302、アーム部9303で構成される。本願発明は表示装置9302に適用することができる。また、表示されていないが、その他の信号制御用回路に使用することもできる。
【0266】
図29(E)はテレビであり、本体9401、スピーカー9402、表示装置9403、受信装置9404、増幅装置9405等で構成される。実施例5で示す液晶表示装置や、実施例6または7で示すEL表示装置は表示装置9403に適用することができる。
【0267】
図29(F)は携帯書籍であり、本体9501、表示装置9502、9503、記憶媒体9504、操作スイッチ9505、アンテナ9506から構成されており、ミニディスク(MD)やDVDに記憶されたデータや、アンテナで受信したデータを表示するものである。表示装置9502、9503は直視型の表示装置であり、本発明はこの適用することができる。
【0268】
図30(A)はパーソナルコンピュータであり、本体9601、画像入力部9602、表示装置9603、キーボード9604で構成される。
【0269】
図30(B)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体9701、表示装置9702、スピーカ部9703、記録媒体9704、操作スイッチ9705で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。
【0270】
図30(C)はデジタルカメラであり、本体9801、表示装置9802、接眼部9803、操作スイッチ9804、受像部(図示しない)で構成される。
【0271】
図31(A)はフロント型プロジェクターであり、表示装置9901、スクリーン9902で構成される。本発明は表示装置やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0272】
図31(B)はリア型プロジェクターであり、本体10001、投射装置10002、ミラー10003、スクリーン10004で構成される。本発明は表示装置やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0273】
なお、図31(C)は、図31(A)及び図31(B)中における投射装置9901、10002の構造の一例を示した図である。投射装置9901、10002は、光源光学系10101、ミラー10102、10104〜10106、ダイクロイックミラー10103、プリズム10107、液晶表示装置10108、位相差板10109、投射光学系10110で構成される。投射光学系10110は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単板式であってもよい。また、図31(C)中において矢印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0274】
また、図31(D)は、図31(C)中における光源光学系10201の構造の一例を示した図である。本実施例では、光源光学系10201は、リフレクター10211、光源10212、レンズアレイ10213、10214、偏光変換素子10215、集光レンズ10216で構成される。なお、図31(D)に示した光源光学系は一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィルムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0275】
【発明の効果】
【0276】
本発明では液晶表示装置内部に集光素子を設けるため、アライメント精度が高くでき、アライメントずれによる歩留まりの低下、リペア作業を減らすことができる。
【0277】
本発明は成膜スペーサーによる光の全反射、反射を用いて画素に光を集光するため、遮光膜があっても明るい表示ができる。同じに既存の成膜スペーサー工程がそのまま流用できる。
【0278】
実施例3、5、6では成膜スペーサー面での全反射、反射を用いて画素に光を集光している。液晶配向をPDLC(高分子分散型液晶)、GHLC(ゲストホスト型液晶)のような偏光板を使わないようなモードにすれば、反射による若干の偏光解消の影響も問題にならない。
【0279】
本発明を用いることでIPSモードや、マスク削減のため画素電極とソース配線を同一層に形成したパネルでも遮光領域の光や、画素外に入射する光が有効利用されるため、開口率を見かけ上高くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 被覆膜界面による光の屈折を示す。
【図2】 カラーフィルターを被覆膜上に設けた例を示す。
【図3】 成膜スペーサーによる光の全反射を示す。
【図4】 成膜スペーサーによる光の屈折を示す。
【図5】 成膜スペーサーに高屈折率膜と屈折率緩和膜を設けた例を示す。
【図6】 被覆膜界面による光の屈折効果の計算値を示す。
【図7】 カラーフィルターを被覆膜上に設けたときの屈折効果の計算例を示す。
【図8】 成膜スペーサーによる光の全反射効果の計算例を示す。
【図9】 成膜スペーサーによる光の屈折効果の計算例を示す。
【図10】 成膜スペーサーに高屈折率膜と屈折率緩和膜を設けたときの光の全反射効果の計算例を示す。
【図11】 実施例5の成膜スペーサー近傍の光の伝播を示す。
【図12】 プリズム形状による光の屈折効果の原理を示す。
【図13】 金属スペーサーによる光の反射とその効果の計算例を示す。
【図14】 IPSモードの液晶配向シミュレーションモデルの断面図を示す。
【図15】 IPSモードの液晶配向シミュレーションモデルの断面図を示す。
【図16】 IPSモードの液晶配向シミュレーションモデルの断面図を示す。
【図17】 IPSモードの液晶配向シミュレーションモデルの上面図を示す。
【図18】 IPSモードの液晶配向シミュレーション結果を示す。
【図19】 IPSモードの液晶配向シミュレーション結果を示す。
【図20】 IPSモードの液晶配向シミュレーション結果を示す。
【図21】 成膜スペーサー形成パターンの一例を示す。
【図22】 被覆膜によりできるプリズム形状を示す。
【図23】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程の断面図を示す。
【図24】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程の断面図を示す。
【図25】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程の断面図を示す。
【図26】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程の上面図を示す。
【図27】 本発明を適用した液晶表示装置の構造を示す。
【図28】 画素TFT、駆動回路のTFTの作製工程の断面図を示す。
【図29】半導体装置の一例を示す。
【図30】 半導体装置の一例を示す。
【図31】 投影型液晶表示装置の構成を示す。
【図32】 本発明をIPS方式に適用した一例を示す。
【符号の説明】
102〜104 カラーフィルター
107、122、123、124 成膜スペーサー
108 被覆膜
109 配向膜
113 画素電極
116 入射光
117 入射光
118 高屈折率膜
119 屈折率緩和膜
121 金属スペーサー
401 画素電極
402 成膜スペーサー
Claims (19)
- 第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板上に設けられた画素電極と、
前記第2の基板上に設けられたスペーサーと、
前記スペーサーを覆って前記第2の基板上に設けられた被覆膜と、
前記第1の基板と前記第2の基板の間に設けられた液晶層と、を有し、
前記第1の基板と前記第2の基板は、前記画素電極、前記スペーサー及び前記被覆膜が間に挟まれるように対向して設けられ、
前記被覆膜は、前記スペーサー底辺付近において断面形状がなだらかとなるプリズム形状を有し、
前記第2の基板側から入射し、前記被覆膜の前記プリズム形状を透過した光は、前記画素電極に照射され、
前記スペーサーと重なるように前記第1の基板上に遮光性のソース配線または遮光性のゲート配線が設けられていることを特徴とする液晶表示装置。 - 第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板上に設けられた画素電極と、
前記第2の基板上に設けられたスペーサーと、
前記スペーサーを覆って前記第2の基板上に設けられた被覆膜と、
前記第1の基板と前記第2の基板の間に設けられた液晶層と、を有し、
前記第1の基板と前記第2の基板は、前記画素電極、前記スペーサー及び前記被覆膜が間に挟まれるように対向して設けられ、
前記被覆膜は、前記スペーサー底辺付近において断面形状がなだらかとなるプリズム形状を有し、
前記第2の基板側から入射し、前記被覆膜の前記プリズム形状を透過した光は、前記画素電極に照射され、
前記スペーサーと重なるように前記第1の基板上に遮光膜が設けられていることを特徴とする液晶表示装置。 - 第1の基板と、
第2の基板と、
前記第1の基板上に設けられた遮光膜と、
前記第1の基板及び前記遮光膜上に設けられた層間膜と、
前記層間膜上に設けられた画素電極と、
前記第2の基板上に設けられたスペーサーと、
前記スペーサーを覆って前記第2の基板上に設けられた被覆膜と、
前記第1の基板と前記第2の基板の間に設けられた液晶層と、を有し、
前記第1の基板と前記第2の基板は、前記遮光膜、前記層間膜、前記画素電極、前記スペーサー及び前記被覆膜が間に挟まれるように対向して設けられ、
前記被覆膜は、前記スペーサー底辺付近において断面形状がなだらかとなるプリズム形状を有し、
前記第2の基板側から入射し、前記被覆膜の前記プリズム形状を透過した光は、前記画素電極に照射され、
前記スペーサーと重なるように前記遮光膜が設けられていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一において、
前記第2の基板と、前記スペーサー及び前記被覆膜との間にカラーフィルターを有することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項4において、
前記カラーフィルターと、前記スペーサー及び前記被覆膜との間に透明電極を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項5において、
前記カラーフィルターと、前記透明電極との間にオーバーコート材を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一において、
隣り合う前記スペーサー間の前記被覆膜上にカラーフィルターを有することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項7において、
前記カラーフィルター上に透明電極が設けられていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項7または8において、
前記カラーフィルターの膜厚は10〜20μmであることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至9のいずれか一において、
前記被覆膜上に配向膜が設けられていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至10のいずれか一において、
前記画素電極と重なる領域の前記被覆膜は除去されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一において、
前記被覆膜は、フッ化マグネシウム、二酸化珪素、酸化窒化珪素、二酸化チタン、ジルコニア、シリコンまたは窒化珪素であることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一において、
前記被覆膜の屈折率は、前記液晶層の常光屈折率に比べ小さいことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一において、
前記被覆膜の屈折率は、前記液晶層の異常光屈折率に比べ大きいことを特徴とする液晶表示装置。 - 第1の基板と、第2の基板と、前記第1の基板上に設けられた画素電極と、前記第2の基板上に設けられたスペーサーと、前記スペーサーと重なるように前記第1の基板上に設けられた遮光膜と、前記スペーサーを覆って前記第2の基板上に設けられた被覆膜と、前記被覆膜上の配向膜と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に設けられた液晶層と、を有する液晶表示装置の作製方法であって、
前記スペーサーの底辺付近に断面形状がなだらかとなるプリズム形状を有するように前記スペーサーを覆って前記被覆膜を形成し、
前記被覆膜上に前記配向膜を形成し、
前記画素電極と前記スペーサーとが間に挟まれるように前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせ、
前記第1の基板と前記第2の基板の間に液晶を注入して前記液晶層を形成し、
前記第2の基板側から入射し、前記被覆膜の前記プリズム形状を透過した光は、前記画素電極に照射されることを特徴とする液晶表示装置の作製方法。 - 請求項15において、
前記液晶層と屈折率の異なる粒子を有機溶媒中に分散させたコロイド溶液をフレキソ印刷法、スクリーン印刷法、またはスピン塗布法により成膜し、前記有機溶媒を加熱して除去して前記被覆膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。 - 請求項15において、
前記被覆膜をディップ法、スピン塗布法、ロールコート法、またはフレキソ印刷法により成膜し、焼成を行うことにより形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。 - 請求項15乃至17のいずれか一において、
前記画素電極と重なる領域の前記被覆膜をドライエッチング法により除去することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。 - 請求項15乃至17のいずれか一において、
前記画素電極と重なる領域の前記被覆膜上にカラーフィルターを形成し、
前記カラーフィルター上に透明電極を形成し、
前記透明電極及び前記被覆膜上に前記配向膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の作製方法。
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